JPH05297195A - X線回折装置 - Google Patents

X線回折装置

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JPH05297195A
JPH05297195A JP4099508A JP9950892A JPH05297195A JP H05297195 A JPH05297195 A JP H05297195A JP 4099508 A JP4099508 A JP 4099508A JP 9950892 A JP9950892 A JP 9950892A JP H05297195 A JPH05297195 A JP H05297195A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線回折装置において、スリット幅の調節処
理を自動化して、測定作業能率の向上と、測定精度の向
上とを図る。 【構成】 装備するスリット装置Sは、スリット幅方向
にスライド自在に支持された一対のX線遮蔽板41,4
2と、これらのX線遮蔽板41,42を互いに離間する
方向あるいは互いに接近する方向に移動させる送りねじ
部材44と、この送りねじ部材44を回転駆動する駆動
手段45と、この駆動手段45の動作を制御する制御処
理装置31とを具備した構成とする。そして、制御処理
装置31は、スリット幅を変更する際に、X線遮蔽板4
1,42の端面同士を当接させることによってスリット
幅のセンター出しを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線回折装置に関する
もので、詳しくは、X線回折装置に装備される発散スリ
ット等のスリット幅の調整の自動化に係るものである。
【0002】
【従来の技術】X線源としてライン焦点(線焦点)を使
用するディフラクトメータ等のX線回折装置では、入射
X線の発散角を制限するために試料とX線源との間に配
置される発散スリット(divergence slit)や、回折X
線の集束位置(即ち、焦点円上)に配置される受光スリ
ット(receiving slit)や、散乱X線の前記X線検出器
への進入を防止するためにX線計数管と試料との間に配
置される散乱スリット(scatter slit)などの多種のス
リットが使用されている。
【0003】これらの各スリットは、試料上のX線照射
領域の不足等による回折X線の強度低下を防止したり、
あるいは、不要な散乱X線の計数管への進入を防止する
ことなどから、試料のθ回転に応じて、スリット幅を調
節する必要がある。
【0004】そこで、旧来では、発散スリット、受光ス
リット、散乱スリットのそれぞれに、スリット幅の異な
る種々のスリット板を用意しておいて、θの値の変化に
応じて、適時、装置使用者が手作業でスリット板自体を
交換するという対応が行われた。
【0005】しかし、このような対応では、スリット板
の交換の都度、測定作業が中断し、また、交換作業自体
が装置使用者の負担となって、測定作業の能率が著しく
低下するという問題があった。
【0006】また、θの変化に応じて連続的にスリット
幅を調節することができず、結局、θの微小変化に対し
ては、スリット幅の調節によって測定精度の向上を測る
ことができないという問題もあった。
【0007】そこで、従来、試料のθ回転に連動してス
リット板を回転させることによって、スリット幅を調節
するという技術が提案された。
【0008】図2は、スリット板の回転によってスリッ
ト幅を調節する技術を使った従来のX線回折装置を示し
たものである。このX線回折装置は、特開昭58−18
2543号公報に記載されたもので、図中の符号1はラ
イン焦点型のX線源、2は入射X線、3は試料、4は回
折X線、5はX線計数管、6はゴニオメータであり、7
は発散スリット、8は漂遊放射線スリット、9は受光ス
リットである。
【0009】この図2に示した装置では、発散スリット
7と漂遊放射線スリット8とが、試料3のθ回転に連動
して回転操作されることによって、スリット幅を調節す
る構成となっている。図2において矢印(イ),(ロ)
はスリット7,8の回転方向であり、10,11は各ス
リット7,8を回転駆動する駆動装置、12は制御処理
装置(コンピュータ)である。この制御処理装置12
は、前記駆動装置10,11を介して各スリット7,8
の回転量を制御したり、ゴニオメータ6の動作を制御し
たり、X線計数管5の検出結果を処理する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、確かに、図
2に示したX線回折装置の発散スリット7および漂遊放
射線スリット8では、X線方向に対するスリットの投影
面積をスリット板の回転量の制御によって連続的に調節
することができ、試料のθ回転に応じたスリット幅の調
節がスリット板の交換を行わなくとも可能になり、ま
た、θの微小変化に対してもスリット幅の連続的な調節
によって測定精度の向上を測ることができる。
【0011】しかし、図3に示すように、スリット板1
5を通過させるX線16に対して傾斜させるときには、
スリット板15の板厚Tの影響で、有効なスリット幅d
は実際のスリット幅Dよりも狭くなり、この傾向は試料
3の回転角θが小さくなる程大きくなるという問題があ
り、また、有効なスリット幅dが実際のスリット幅Dの
中心に対して偏心するという問題もある。
【0012】そのため、スリット板の傾斜によって有効
なスリット幅を調節するという従来の対応では、一枚の
スリット板では試料3のθ回転に応じて連続的にスリッ
ト幅を調節し得る範囲が制限され、結局、θの広範囲な
変化に対応させるには、数枚のスリット板を用意してお
いて、θの範囲に応じて差し替えるという作業が必要に
なるという問題があった。また、スリット板の移動制御
が複雑になるという問題もあった。
【0013】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、試料のθ回転に連動するスリット幅の調節を、スリ
ット板の交換等を必要とせずに試料のθ回転の全範囲に
渡って連続的に実行することができ、しかもスリット幅
の調節のための制御処理が容易で、スリット幅の調節処
理の自動化による測定作業能率の向上と、測定精度の向
上とを図ることができるX線回折装置を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のX線回
折装置は、X線源と、試料からの回折X線を検出するた
めのX線検出器と、試料のθ回転に対する前記X線検出
器の2θ走査のために試料のθ回転に対する角度2θを
測るゴニオメータと、入射X線の発散角を制限するため
に試料とX線源との間に配置される発散スリットと、回
折X線の集束位置に配置される受光スリットと、散乱X
線の前記X線検出器への進入を防止するために前記X線
検出器と試料との間に配置される散乱スリットとを備え
る。
【0015】そして、前記発散スリットとして利用され
るスリット装置は、スリット幅の方向に沿って延在する
ガイド部材と、このガイド部材によってスリット幅方向
にスライド自在に支持された一対のX線遮蔽板と、これ
ら一対のX線遮蔽板を互いに離間する方向あるいは互い
に接近する方向に移動させる送りねじ部材と、前記送り
ねじ部材を回転駆動するための駆動手段と、前記駆動手
段を介して前記送りねじ部材の回転方向および回転量を
制御する制御処理装置とを具備した構成とする。
【0016】また、前記一対のX線遮蔽板は互いに対向
する相互の端部間の離間距離がスリット幅となるように
X線を横断する同一面上に配置され、前記送りねじ部材
は、一方のX線遮蔽板に螺合した右ねじ部と他方のX線
遮蔽板に螺合した左ねじ部とが同一軸上に装備された構
成をなしている。
【0017】そして、前記制御処理装置は、スリット幅
を変更する際には、まず、X線遮蔽板相互が接近する方
向の送りねじ部材の回転量をそれまでのX線遮蔽板相互
の離間距離分よりも大目に指示して前記一対のX線遮蔽
板の端面同士を当接させることによってスリット幅のセ
ンター出しを行い、その後に、X線遮蔽板相互が離間す
る方向の送りねじ部材の回転量を試料の回転角θに応じ
て正確に指示することによって、試料のθ回転に応じた
スリット幅を確保させる。
【0018】請求項2に記載のX線回折装置は、請求項
1に記載のX線回折装置を改善したもので、前記受光ス
リットおよび散乱スリットにも、発散スリットと同じ構
成のスリット装置を使用する。
【0019】
【作用】請求項1に記載のX線回折装置は、一対のX線
遮蔽板のスライド操作によってスリット幅を調節するス
リット装置を発散スリットとして使用したもので、この
スリット装置では、X線遮蔽板のそれぞれをX線光路に
対して傾斜させずに使用することができるため、X線遮
蔽板の板厚の影響によるスリット幅設定上の不都合が発
生せず、また、スリット幅を変更する場合には、一旦X
線遮蔽板相互の端面を当接させることによってスリット
幅のセンター出しを行うため、特にセンサ等を使用せず
とも比較的に簡単な制御で正確にスリット幅を割り出す
ことができる。
【0020】したがって、スリット板の交換等を必要と
せずに、入射X線の発散角の制御を試料のθ回転の全範
囲に渡って連続的に精密に実行することができ、入射X
線に対するスリット幅調節処理の自動化によって測定作
業能率を向上させると同時に、入射X線の発散角の制御
を適正化することによって回折X線の強度を高めて測定
精度の向上を図ることができる。
【0021】また、請求項2に記載のX線回折装置は、
発散スリット,受光スリット,散乱スリットの全てに、
一対のX線遮蔽板のスライド操作によってスリット幅を
調節するスリット装置を使用したもので、入射X線と回
折X線の双方に対してスリット幅調節の自動化と精密な
スリット幅調整とを徹底することができ、これによって
測定作業能率の向上や測定精度の向上といった効果を最
大限にして得ることができる。
【0022】
【実施例】図1および図4は、本発明に係るX線回折装
置の一実施例を示したものである。この一実施例におけ
るX線回折装置は、図4に示したように、X線源20
と、試料21からの回折X線22を検出するためのX線
検出器23と、試料21のθ回転に対する前記X線検出
器23の2θ走査のために試料21のθ回転に対する角
度2θを測るゴニオメータ24と、入射X線25の発散
角を制限するために試料21とX線源20との間に配置
される発散スリット26と、回折X線22の集束位置
(即ち、焦点円上)に配置される受光スリット27と、
散乱X線の前記X線検出器23への進入を防止するため
に前記X線検出器23と試料21との間に配置される散
乱スリット28と、前記X線源20と発散スリット26
との間に配置されるソーラスリット29と、前記受光ス
リット27と散乱スリット28との間に配置されたソー
ラスリット30と、前述の各スリット26,27,28
やゴニオメータ24の動作の制御やX線検出器23の検
出結果の処理を行う制御処理装置31と、この制御処理
装置31の処理結果等を表示する表示装置32と、測定
結果をハードコピーするプリンタ33とを備えた構成と
なっている。
【0023】前記X線源20は、垂直方向(図4の紙面
に直交する方向)に長いライン焦点(線焦点)のもの
で、入射X線25の垂直発散が前記ソーラスリット29
によって抑えられ、さらに水平面(図の紙面に平行な
面)内の発散角が前記発散スリット26によって制限さ
れる。
【0024】図2の符号24aは、ゴニオメータ24の
回転軸である。受光側のソーラスリット30は、回折X
線22の垂直の垂直発散を抑える。前記ソーラスリット
29は前記発散スリット26と共通の支持枠に固定さ
れ、ソーラスリット30は受光スリット27および散乱
スリット28と共通の2θ走査用の支持枠に固定されて
いる。
【0025】前述の各スリット26,27,28に使用
しているスリット装置は、何れも、同一構成のものであ
る。図1は、これらのスリット26,27,28に使用
しているスリット装置Sの拡大図である。
【0026】このスリット装置Sは、スリット幅の方向
(即ち、X線束39を横断する方向で、図1の矢印
(イ)方向)に沿って延在するガイド部材40と、この
ガイド部材40によってスリット幅方向にスライド自在
に支持された一対のX線遮蔽板41,42と、これら一
対のX線遮蔽板41,42のそれぞれをガイド部材40
に沿って移動させるための送りねじ部材44と、この送
りねじ部材44を回転駆動するための駆動手段45と、
この駆動手段45と制御処理装置31とを接続して前記
制御処理装置31からの制御信号を前記駆動手段45に
通知するインターフェースとを具備してなる。
【0027】ここに、前述の一対のX線遮蔽板41,4
2は、それぞれの遮蔽板本体41a,42aに固着した
ブロック41b,42bがガイド部材40にスライド自
在に嵌合することによって、X線を横断する同一面内で
スリット幅方向に移動自在に支持されている。そして、
それぞれの遮蔽板本体41a,42aの互いに対向する
相互の端部間の離間距離Lがスリット幅となる。また、
前記ブロック41bには前記送りねじ部材44と螺合す
る右ねじ用の雌ねじブロック41cが固設され、ブロッ
ク42bには前記送りねじ部材44と螺合する左ねじ用
の雌ねじブロック42cが固設されている。
【0028】前記送りねじ部材44は、一方のX線遮蔽
板41に螺合した右ねじ部44aと他方のX線遮蔽板4
2に螺合した左ねじ部44bとが同一軸上に装備された
もので、前記駆動手段45によって回転駆動されること
によって、前記一対のX線遮蔽板41,42のそれぞれ
を互いに離間する方向あるいは互いに接近する方向に移
動させる。
【0029】なお、図1において、符号50は、送りね
じ部材44を回転自在に支持すると同時に、前記ガイド
部材40を支持した支持枠である。この支持枠50に
は、各X線遮蔽板41,42を支持枠50側に引っ張る
付勢手段51,52が装備されている。これらの付勢手
段51,52は、送りねじ部材44によってこれらのX
線遮蔽板41,42を移動させるときのガタを無くし、
円滑で正確な送り動作を可能ならしめる。
【0030】前記駆動手段45は、送りねじ部材44を
正負どちらの回転方向にも微小回転させることのできる
パルスモータを使用したもので、パルスモータのモータ
軸は軸カップリングCを介して前記送りねじ部材44の
一端に連結している。
【0031】前記制御処理装置31は、コンピュータで
あり、試料21の回転角θに応じて前記スリット装置S
における各X線遮蔽板41,42の移動動作を制御した
り、あるいはゴニオメータ24の動作を制御したり、X
線検出器23の検出結果の処理を行う。
【0032】この制御処理装置31は、スリット幅を変
更する際には、まず、X線遮蔽板41,42相互を接近
する方向に移動させる。この時に制御処理装置31が駆
動手段45に対して指示する送りねじ部材44の回転量
は、それまでのX線遮蔽板41,42相互の離間距離分
よりも大目に設定される。
【0033】例えば、駆動手段45に90パルスの回転
指示をだせばX線遮蔽板41,42相互の端部同士がち
ょうど密着する離間距離Lの場合には、100パルス分
の回転指示を出す。これによって、前記一対のX線遮蔽
板41,42の端面同士がぶつかり、端面同士の当接し
た位置をスリット幅のセンターとすることによって、位
置検出センサ等を使用せずとも、簡単にセンター出しを
することができる。
【0034】そして、X線遮蔽板41,42相互をぶつ
けることによるセンター出しが終ったら、両X線遮蔽板
41,42がぶつかった位置を基準位置として、所定の
スリット幅が得られるように、X線遮蔽板41,42相
互を離間する方向に移動させる。この時に制御処理装置
31が駆動手段45に指示する送りねじ部材44の回転
量は、試料21の回転角θに応じて正確に指示する。こ
れによって、各スリット装置Sには、試料21のθ回転
に応じたスリット幅を正確に確保させることができる。
【0035】なお、X線遮蔽板41,42相互を離間さ
せる際に指示したデータは、制御処理装置31内部のメ
モリに保存し、次にX線遮蔽板41,42の端面同士を
ぶつけて再度センター出しする際の参考データとする。
【0036】以上に説明したように、一実施例で各スリ
ット26,27,28に採用したスリット装置Sは、一
対のX線遮蔽板41,42のスライド操作によってスリ
ット幅を調節するもので、X線遮蔽板41,42のそれ
ぞれはX線光路に対して傾斜させずに常時直交した状態
で使用することができる。従って、X線遮蔽板41,4
2の板厚の影響で有効スリット幅が実際のスリット幅か
ら偏心したり、あるいはスリット幅の調節範囲が制限さ
れるといったスリット幅設定上の不都合が生じない。
【0037】また、スリット装置Sは、スリット幅を変
更する場合には、一旦X線遮蔽板41,42相互の端面
を当接させることによってスリット幅のセンター出しを
行うため、特にセンサ等を使用せずとも比較的に簡単な
制御で正確にスリット幅を割り出すことができる。
【0038】したがって、各スリット26,27,28
において、試料21のθ回転に連動したスリット幅の調
節を、スリット板の交換等を必要とせずに試料のθ回転
の全範囲に渡って連続的に実行することができ、しかも
スリット幅の調節のための制御処理も容易であるから、
スリット幅の調節処理の自動化による測定作業能率の向
上と測定精度の向上とを達成することができる。
【0039】なお、前記発散スリット26にスリット装
置Sを使用したことは、入射X線25の発散角を精密に
制御して、試料21上のX線照射領域が必要以上に拡大
されたり、あるいは不足することを防止して、入射X線
の発散角制御の適正化によって回折X線の強度を改善す
る点で重要な意義を持つ。そして、受光スリット27や
散乱スリット28にスリット装置Sを使用したことは、
発散スリット26によって改善した回折X線の強度低下
を防止し、かつSN比の低下を防止する等の点で重要な
意義を持つ。
【0040】従って、一実施例では、発散スリット2
6、受光スリット27、散乱スリット28の全てに、ス
リット幅を自動調節するスリット装置Sを使用して、ス
リット幅調節の自動化による効果が最大限に発揮される
ようにした。しかし、少なくとも発散スリット26にス
リット装置Sを使用すれば、他の一部のスリットには公
知のスリット幅調節技術を利用するような場合でも、一
実施例ほど充分にではないが、測定作業能率や測定精度
の向上といった効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1に記載のX線回折装置は、一対
のX線遮蔽板のスライド操作によってスリット幅を調節
するスリット装置を発散スリットとして使用したもの
で、このスリット装置では、X線遮蔽板のそれぞれをX
線光路に対して傾斜させずに使用することができるた
め、X線遮蔽板の板厚の影響によるスリット幅設定上の
不都合が発生せず、また、スリット幅を変更する場合に
は、一旦X線遮蔽板相互の端面を当接させることによっ
てスリット幅のセンター出しを行うため、特にセンサ等
を使用せずとも比較的に簡単な制御で正確にスリット幅
を割り出すことができる。
【0042】したがって、スリット板の交換等を必要と
せずに、入射X線の発散角の制御を試料のθ回転の全範
囲に渡って連続的に精密に実行することができ、入射X
線に対するスリット幅調節処理の自動化によって測定作
業能率を向上させると同時に、入射X線の発散角の制御
を適正化することによって回折X線の強度を高めて測定
精度の向上を図ることができる。
【0043】また、請求項2に記載のX線回折装置は、
発散スリット,受光スリット,散乱スリットの全てに、
一対のX線遮蔽板のスライド操作によってスリット幅を
調節するスリット装置を使用したもので、入射X線と回
折X線の双方に対してスリット幅調節の自動化と精密な
スリット幅調整とを徹底することができ、これによって
測定作業能率の向上や測定精度の向上といった効果を最
大限にして得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部の構成説明図である。
【図2】スリット幅を自動調整する従来のX線回折装置
の説明図である。
【図3】従来のスリット装置の問題点の説明図である。
【図4】本発明の一実施例の全体構成図である。
【符号の説明】
20 X線源 21 試料 22 回折X線 23 X線検出器 24 ゴニオメータ 25 入射X線 26 発散スリット 27 受光スリット 28 散乱スリット 31 制御処理装置 S スリット装置 40 ガイド部材 41,42 X線遮蔽板 44 送りねじ部材 45 駆動手段 50 支持枠 51,52 付勢手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線源と、試料からの回折X線を検出す
    るためのX線検出器と、試料のθ回転に対する前記X線
    検出器の2θ走査のために試料のθ回転に対する角度2
    θを測るゴニオメータと、入射X線の発散角を制限する
    ために試料とX線源との間に配置される発散スリット
    と、回折X線の集束位置に配置される受光スリットと、
    散乱X線の前記X線検出器への進入を防止するために前
    記X線検出器と試料との間に配置される散乱スリットと
    を備えたX線回折装置であって、 前記発散スリットとして利用されるスリット装置は、 スリット幅の方向に沿って延在するガイド部材と、 このガイド部材によってスリット幅方向にスライド自在
    に支持されて、X線を横断する同一面上で互いに対向す
    る相互の端部間の離間距離がスリット幅となる一対のX
    線遮蔽板と、 これら一対のX線遮蔽板の内の一方に螺合した右ねじ部
    と他方に螺合した左ねじ部とが同一軸上に装備されて回
    転駆動されることによって前記一対のX線遮蔽板のそれ
    ぞれを互いに離間する方向あるいは互いに接近する方向
    に移動させる送りねじ部材と、 前記送りねじ部材を回転駆動するための駆動手段と、 前記駆動手段による前記送りねじ部材の回転方向および
    回転量を制御する制御処理装置とを具備した構成とし、 前記制御処理装置は、スリット幅を変更する際には、ま
    ず、X線遮蔽板相互が接近する方向の送りねじ部材の回
    転量をそれまでのX線遮蔽板相互の離間距離分よりも大
    目に指示して前記一対のX線遮蔽板の端面同士を当接さ
    せることによってスリット幅のセンター出しを行い、そ
    の後に、X線遮蔽板相互が離間する方向の送りねじ部材
    の回転量を試料の回転角θに応じて正確に指示すること
    によって、試料のθ回転に応じたスリット幅を確保させ
    ることを特徴としたX線回折装置。
  2. 【請求項2】 前記受光スリットおよび散乱スリット
    に、発散スリットと同じ構成のスリット装置が使用され
    たことを特徴とする請求項1に記載のX線回折装置。
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Cited By (6)

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