JPH05296339A - 自動変速機のフェールセーフ機構 - Google Patents

自動変速機のフェールセーフ機構

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Publication number
JPH05296339A
JPH05296339A JP4101119A JP10111992A JPH05296339A JP H05296339 A JPH05296339 A JP H05296339A JP 4101119 A JP4101119 A JP 4101119A JP 10111992 A JP10111992 A JP 10111992A JP H05296339 A JPH05296339 A JP H05296339A
Authority
JP
Japan
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driving
lever
shift position
auxiliary
manual valve
Prior art date
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Pending
Application number
JP4101119A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuto Kato
和人 加藤
Toshimichi Hanai
利通 花井
Haruhiko Sato
晴彦 佐藤
Michihiro Katsuragi
道裕 桂木
Masami Inoue
正美 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 電気的変速手段の作動不能時に所望の駆動を
伝達することができると共に、装置全体の小型化を図
り、かつ乗員に違和感を与えず、車室内に持ち込んだ物
品等に不用意に干渉することのない自動変速機のフェー
ルセーフ機構を提供する。 【構成】 マニュアルバルブレバー7に可撓性のバック
アップ用ワイヤ23の一端を連結し、バックアップ用ワ
イヤ23の他端をスプリング27を介して固定基部29
に連結し、スプリング27とマニュアルバルブレバー7
とを非連繋とする余裕をバックアップ用ワイヤ23に付
与すると共に、スプリング27に付勢力を付与するよう
にバックアップ用ワイヤ23の他端側を接続部材25を
介して支持板19係止し、バックアップ用ワイヤ23の
他端側の係止の解除が可能なストッパ33を接続部材2
5に設け、ストッパ33をストッパ解除ワイヤ35を介
してハンドレバー3に連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機のフェール
セーフ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動変速機のフェールセーフ機構
としては、例えば図25に示すものが開示されている
(特開昭58−184344号公報参照)。
【0003】この自動変速機は、トランスミッションの
シフトチェンジを行うための電気的変速手段としての操
作入力部201、マイクロコンピュータ203及びモー
タ205などを有している。
【0004】運転者が操作入力部201にシフト支持選
択の入力をすると、マイクロコンピュータ203を介し
てモータ205が作動し、このモータ205の駆動力が
ギアなどを備えた機械的機構207によって伝えられ、
パイロットバルブ208の駆動を介してマニュアルバル
ブ209が制御される。これにより、トランスミッショ
ン211のシフト位置が選択され、エンジン213から
の出力により発生するトルクが調整される。
【0005】また、この自動変速機には、電気的変速手
段に故障が生じた場合の緊急時におけるフェールセーフ
機構が設けてられている。このフェールセーフ機構は、
パイロットバルブ208をモータ205に連動させる機
械的機構207にレバー215を連動構成したもので、
レバー215を運転席のハンドレバー217により作動
させることによって、機械的機構207を介してパイロ
ットバルブ208を駆動することができる。従って、モ
ータ205の駆動力が伝わらない場合でもシフト位置の
選択が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフェールセーフ機構にあっては、電気的変速
手段と機械的変速手段とが常時連結されているので、ト
ランスミッション211がモータ205の駆動によって
電気的にシフトされるときに、レバー215を介してハ
ンドレバー217が不必要に連動してしまうものとなっ
ていた。このため、モータ205の駆動力がハンドレバ
ー217等を動かす分だけ増大し、容量の大きなモータ
205を必要としていた。また、ハンドレバー217の
動きが運転者に違和感を与えたり、ハンドレバー217
が車内へ持ち込んだ物品に不用意に干渉してしまう等の
問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、緊
急時に所定のシフト位置に設定することができると共
に、装置の小型化を図ることが可能であり、かつ乗員に
違和感を与えず、車室内へ持ち込んだ物品等に不用意に
干渉することがない自動変速機のフェールセーフ機構を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の自動変速機のフェールセーフ機構は、シ
フト位置の選択指令に連動して作動可能な作動部を備え
たトランスミッションと、前記作動部を連繋駆動してシ
フト位置の選択駆動を行う駆動手段と、この駆動手段へ
シフト位置選択指令用の信号を入力する操作入力手段と
を備え、前記作動部を前記駆動手段とは別に駆動可能な
補助駆動手段を設け、この補助駆動手段と前記作動部と
の非連繋を維持する手段を設け、前記補助駆動手段と前
記作動部との連繋を選択可能とする選択手段を設けた構
成としてある。
【0009】また、請求項2の自動変速機のフェールセ
ーフ機構は、シフト位置の選択指令に連動して作動可能
な作動部を備えたトランスミッションと、前記作動部を
連繋駆動してシフト位置の選択駆動を行う駆動手段と、
この駆動手段へシフト位置選択指令用の信号を入力する
操作入力手段とを備え、前記作動部に可撓性の引張り部
材の一端を連結し、この可撓性の引張り部材の他端を付
勢部材を介して固定側に連結し、この付勢部材と前記作
動部とを非連繋とする余裕を前記引張り部材に付与する
と共に、前記付勢部材に付勢力を付与するように前記引
張り部材の他端側を固定側に係止し、前記引張り部材の
他端側の係止を選択的に解除操作可能な解除手段を設け
た構成としてある。
【0010】また、請求項3の自動変速機のフェールセ
ーフ機構は、シフト位置の選択指令に連動して作動可能
な作動部を備えたトランスミッションと、前記作動部を
連繋駆動してシフト位置の選択駆動を行う駆動手段と、
この駆動手段へシフト位置選択指令用の信号を入力する
操作入力手段とを備え、前記作動部を前記駆動手段とは
別に駆動可能な補助駆動手段を設け、この補助駆動手段
と前記作動部との間に前記駆動手段の駆動力よりも大き
な駆動力で前記補助駆動手段を操作したとき前記補助駆
動手段と前記作動部との連繋を許容する手段を設けた構
成としてある。
【0011】また、請求項4の自動変速機のフェールセ
ーフ機構は、シフト位置の選択指令に連動して作動可能
な作動部を備えたトランスミッションと、前記作動部を
連繋駆動してシフト位置の選択駆動を行う駆動手段と、
この駆動手段へシフト位置選択指令用の信号を入力する
操作入力手段とを備え、前記作動部に手動操作用の補助
ケーブルを連結し、この補助ケーブルに前記作動部との
非連繋を維持するたるみを付与すると共に、このたるみ
を解除可能に前記補助ケーブルを支持した構成としてあ
る。
【0012】
【作用】請求項1の自動変速機のフェールセーフ機構に
よれば、通常運転時には、作動部と補助駆動部との非連
繋が維持され、作動部は操作入力手段からの入力信号に
応じて駆動手段によって駆動される。また、緊急時に
は、選択手段により補助駆動手段と作動部との連繋が選
択され、作動部は補助駆動手段によって駆動される。
【0013】請求項2の自動変速機のフェールセーフ機
構によれば、通常運転時には、付勢部材と作動部とを非
連繋とする余裕が引張り部材に付与され、作動部は操作
入力手段からの入力信号に応じて駆動手段によって駆動
される。また、緊急時には、解除手段によって引張り部
材の他端側の係止の解除操作がなされ、作動部は付勢部
材の付勢力によって駆動される。
【0014】請求項3の自動変速機のフェールセーフ機
構によれば、通常運転時には、補助駆動手段が操作され
ず、作動部は操作入力手段からの入力信号に応じて駆動
手段によって駆動される。また、緊急時には、補助駆動
手段を駆動手段の駆動力よりも大きな駆動力で操作する
ことにより補助駆動手段と作動部との連繋が許容され、
作動部は補助駆動手段によって駆動される。
【0015】請求項4の自動変速機のフェールセーフ機
構によれば、通常運転時には、作動部との非連繋を維持
するたるみが補助ケーブルに付与され、作動部は操作入
力手段からの入力信号に応じて駆動手段によって駆動さ
れる。また、緊急時には、補助ケーブルのたるみが解除
され、作動部は補助ケーブルによって駆動される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】図1は、本発明の第1実施例に係る自動変
速機のフェールセーフ機構の全体構成を示すブロック
図、図2は、図1の自動変速機のフェールセーフ機構を
搭載した車両の運転席正面図、図3及び図4は、図1の
自動変速機のフェールセーフ機構の動作説明図である。
【0018】車両に搭載されたトランスミッション17
には、マニュアルバルブ8を操作する作動部としてのマ
ニュアルバルブレバー7が備えられている。このマニュ
アルバルブレバー7は、ケーブル15を介してモータ1
3の駆動レバー13aに連繋構成されている。従って、
モータ13とケーブル15とは、作動部としてのマニュ
アルバルブレバー7を連繋駆動してシフト位置の選択駆
動を行う駆動手段を構成している。また、マニュアルバ
ルブ8には、シフト位置を検出するインヒビタスイッチ
9が備えられ、インヒビタスイッチ9の検出信号は、コ
ントローラ5に逐次入力される。
【0019】前記モータ13は、前記コントローラ5の
出力側に接続され、コントローラ5の入力側にはシフト
ノブ1(但し、図1ではブロック的に示す)が電気的に
接続されている。コントローラ5は、インヒビタスイッ
チ9とシフトノブ1からの入力信号に基づき、モータ1
3へシフト位置選択指令用の信号を出力する。従って、
本発明の実施例における操作入力手段は、シフトノブ1
とコントローラ5とにより構成されている。
【0020】トランスミッション17には、平板状の支
持板19が固定され、支持板19には、規制孔部21と
接続孔部31の2つの孔部が形成されている。規制孔部
21にはケーブル15が挿通され、これによりモータ1
3に連動するケーブル15の作動位置が規制される。
【0021】マニュアルバルブレバー7の先端付近に
は、可撓性の引張り部材としてのバックアップ用ワイヤ
23の一端が連結され、バックアップ用ワイヤ23の他
端には、接続孔部31を挿通可能に形成された略円柱状
の接続部材25が連結されている。接続部材25には、
補助駆動手段を構成する付勢部材としてのスプリング2
7の一端が連結され、スプリング27の他端は、支持板
19との間に所定の間隔を形成する固定基部29に連結
されている。
【0022】接続部材25の外周側面には、ストッパ3
3と係合する係合溝部26が形成され、接続部材25を
接続孔部31内に挿入し、スプリング27の反対側でス
トッパ33を係合することにより、接続部材25が支持
板19に係止される。この係止状態において、スプリン
グ27には、バックアップ用ワイヤ23を引く方向への
付勢力が付与され、バックアップ用ワイヤ23には、ス
プリング27の付勢力がマニュアルバルブレバー7へ伝
わらないようにするだけの余裕、すなわちマニュアルバ
ルブレバー7とスプリング27とを非連繋とする余裕が
付与される。従って、バックアップ用ワイヤ23は、こ
の実施例において非連繋を維持する手段を構成してい
る。
【0023】ストッパ33には、ストッパ解除ワイヤ3
5の一端が接続され、ストッパ解除ワイヤ35の他端
は、ハンドレバー3と連結している。このハンドレバー
3は、接続部材25、接続孔部31、ストッパ33及び
ストッパ解除ワイヤ35と共に、選択手段としての解除
手段を構成している。なお、図2に示すように、本発明
の実施例におけるシフトノブ1及びハンドレバー3は、
車室内の運転席正面左右に設けられ、車両の運転者によ
り適宜操作させる。
【0024】次に、本実施例の作用について説明する。
【0025】通常の運転時において、運転者によりシフ
トノブ1からコントローラー5へシフト位置選択の指示
が入力されると、コントローラー5は、車速等の情報か
ら選択されたシフト位置への変更が安全かどうかを判断
し、安全であればモータ13へ指令信号を出力する。こ
のとき、図3に示すように、接続部材25が支持板19
に係止された状態にあり、バックアップ用ワイヤ23に
は、マニュアルバルブレバー7とスプリング27とを非
連繋とする余裕が付与されているので、ハンドレバー3
が作動することなく、マニュアルバルブレバー7はケー
ブル15に連繋駆動され所望のシフト位置に設定され
る。
【0026】シフトノブ1、コントローラ5、モータ1
3、又はケーブル15に故障が生じた場合等のいわゆる
緊急時には、運転者はハンドレバー3を引く。これによ
り、ストッパ解除ワイヤ35が矢印A方向に引張られ、
ストッパ33が係合溝部26から離脱する。ストッパ3
3が係合溝部26から離脱すると、支持板19と接続部
材25との係止状態が解除され、バックアップ用ワイヤ
23にスプリング27の付勢力が伝わり、バックアップ
用ワイヤ23が矢印B方向に引張られる。バックアップ
用ワイヤ23がB方向に引張られると、マニュアルバル
ブレバー7が矢印C方向に作動して、シフト位置が1速
(1)に設定される。これにより、マニュアルバルブレ
バー7がニュートラル(N)、パーキング(P)等のシ
フト位置で停止して作動しなくなった場合でも、ワンタ
ッチ操作にて迅速に所定の走行レンジを維持することが
でき、車両の走行を確保することができる。
【0027】次に、本発明の第2実施例について、図5
及び図6に基づいて説明する。
【0028】図5は、本実施例に係る自動変速機のフェ
ールセーフ機構の車両への設置場所を示す平面図、図6
は、図5の自動変速機のフェールセーフ機構の全体構成
を示すブロック図である。
【0029】この第2実施例は、第1実施例のバックア
ップ用ワイヤ23を、マニュアルバルブレバーではなく
モータ側シフトレバー41に連結し、これに伴い、接続
部材25、スプリング27、ストッパ33、ストッパ解
除ワイヤ35等をモータ13側に設けたものである。
【0030】図5及び図6に示すように、車両のフロン
ト側のエンジンルーム38内に設置されたモータ13の
駆動軸13aには、ケーブル15を介して図示しないマ
ニュアルバルブレバーと連動連結するモータ側シフトレ
バー41が取り付けられ、モータ側シフトレバー41の
位置によってシフト位置が設定される。従って、モータ
側シフトレバー41は、シフト位置選択用の作動部を構
成し、モータ13は、駆動手段を構成している。モータ
側シフトレバー41の先端付近には、可撓性の引張り部
材としてのバックアップ用ワイヤ23の一端が連結さ
れ、バックアップ用ワイヤ23の他端は、略円柱状の接
続部材25に連結されている。接続部材25は、エンジ
ンルーム38内に固定された支持板39の接続孔部31
を挿通可能に形成され、接続部材25の外周側面には、
ストッパ33と係合する係合溝部26が形成されてい
る。接続部材25には、補助駆動手段を構成する付勢部
材としてのスプリング27の一端が連結され、スプリン
グ27の他端は、支持板39との間に所定の間隔を形成
する固定基部43に連結されている。
【0031】接続部材25は、接続部材25を接続孔部
31内に挿入しスプリング27の反対側からストッパ3
3を係合することにより、支持板39に係止される。こ
の係止状態で、スプリング27には、付勢力が付与さ
れ、バックアップ用ワイヤ23には、マニュアルバルブ
レバー7とスプリング27とを非連繋とする余裕が付与
される。
【0032】ストッパ33には、ストッパ解除ワイヤ3
5の一端が接続され、ストッパ解除ワイヤ35の他端
は、ハンドレバー3と連結している。ハンドレバー3
は、接続部材25、接続孔部31、ストッパ33及びス
トッパ解除ワイヤ35と共に解除手段を構成している。
【0033】次に、本実施例の作用について説明する。
【0034】通常の運転時には、バックアップ用ワイヤ
23にはたるみが付与されているので、ハンドレバー3
が作動することなく、マニュアルバルブレバー7はケー
ブル15に連動駆動される。
【0035】緊急時には、運転者はハンドレバー3を引
く。ハンドレバー3が引かれると、ストッパ解除ワイヤ
35が引張られ、支持板19と接続部材25との係合状
態が解除され、スプリング27の張力によりバックアッ
プ用ワイヤ23が引張られる。バックアップ用ワイヤ2
3が引張られると、モータ側シフトレバー41が作動し
て1速の位置に設定される。これにより、ワンタッチ操
作にてマニュアルバルブレバー7のシフト位置が1速に
設定され、車両の走行が確保される。
【0036】このように、本実施例によれば、トランス
ミッション周辺への自動変速機のフェールセーフ機構の
設置が困難であっても、エンジンルーム38内にフェー
ルセーフ機構を設けることができ、汎用性に富む。
【0037】次に、本発明の第3実施例について、図
7、図8及び図9に基づいて説明する。
【0038】図7は、本実施例に係る自動変速機のフェ
ールセーフ機構の全体構成を示すブロック図、図8及び
図9は、図7の自動変速機のフェールセーフ機構の動作
説明図である。
【0039】この第3実施例は、第1実施例の可撓性の
バックアップ用ワイヤ23に代えて、バックアップ用ケ
ーブル24をマニュアルバルブレバー7に連結し、バッ
クアップ用ケーブル24と接続部材25とを、可撓性の
支持ワイヤ47で連結したものである。
【0040】マニュアルバルブレバー7は作動部を構成
し、図示しないモータとケーブル15とは駆動手段を構
成している。マニュアルバルブレバー7の先端付近に
は、バックアップ用ケーブル24の一端が連結され、ケ
ーブル24の他端は、車室内に設けられた設定レバー5
3に連結されている。設定レバー53は、支軸53aを
中心に設定プレート52の孔部52a内を回動し、各シ
フト位置毎に設けられたゲート54に収容保持される。
【0041】バックアップ用ケーブル24の途中には、
中間部材45が設けられ、中間部材45には、支持ワイ
ヤ47の一端が連結されている。従って、本実施例で
は、バックアップ用ケーブル24、中間部材45及び支
持ワイヤ47が非連繋を維持する手段としての引張り部
材を構成する。支持ワイヤ47の他端には、略円柱状の
接続部材25が連結され、接続部材25には、補助駆動
手段を構成する付勢部材としてのスプリング27の一端
が連結されている。接続部材25は、台座状に形成され
た支持部材49の接続孔部50を挿通し得るように形成
され、この接続孔部50は、中間部材45を収容する形
状となっている。スプリング27の他端は、支持部材4
9との間に所定の間隔を形成する固定基部51に連結さ
れている。
【0042】接続部材25の外周側面には、ストッパ3
3と係合する係合溝部26が形成されている。接続部材
25は、接続孔部50内に挿入し、スプリング27の反
対側からストッパ33を係合することにより、支持部材
49に係止される。この係止状態において、スプリング
27には、支持ワイヤ47を引く方向への付勢力が付与
され、支持ワイヤ47には、マニュアルバルブレバー7
とスプリング27とを非連繋とする余裕(撓み)が付与
される。
【0043】ストッパ33には、ストッパ解除ワイヤ3
5の一端が接続され、ストッパ解除ワイヤ35の他端
は、ハンドレバー3と連結している。ハンドレバー3
は、接続部材25、接続孔部50、ストッパ33及びス
トッパ解除ワイヤ35と共に選択手段としての解除手段
を構成している。
【0044】次に、本実施例の作用について説明する。
【0045】通常の運転時には、図8に示すように、接
続部材25がストッパ33を介して支持部材49に係止
された状態にある。この状態において、支持ワイヤ47
には余裕が付与されているので、ハンドレバー3が作動
することなく、マニュアルバルブレバー7はケーブル1
5に連繋駆動される。
【0046】緊急時には、運転者はハンドレバー3を引
く。これにより、図9に示すように、ストッパ解除ワイ
ヤ35が矢印H方向に引張られ、支持部材49と接続部
材25との係止状態が解除される。両部材の係止状態が
解除されると、スプリング27の付勢力により支持ワイ
ヤ47が矢印I方向に引張られ、中間部材45が矢印J
方向に移動し、支持部材49の接続孔部50内に収納さ
れる。これにより、マニュアルバルブレバー7は、バッ
クアップ用ケーブル24を介してスプリング27により
駆動される。
【0047】ここで、図7に示すように、設定レバー5
3の位置を矢印D側とするとマニュアルバルブレバー7
は矢印F側に作動し、反対に設定レバー53の位置を矢
印E側とするとマニュアルバルブレバー7は矢印G側に
作動するので、予め設定レバー53を所望の位置に設定
することにより、フェールセーフ時におけるシフト位置
を任意に設定することができる。さらに、ワンタッチ操
作にて走行レンジが維持された後であっても、設定レバ
ー53を作動することによりフェールセーフ時における
シフト位置の選択駆動が可能となり、より良好な車両の
走行を確保することができる。
【0048】次に、本発明の第4実施例について、図1
0及び図11に基づいて説明する。
【0049】図10は、本実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の要部構成図、図11は、図10の自
動変速機のフェールセーフ機構の動作説明図である。
【0050】この第4実施例は、第3実施例におけるバ
ックアップ用ケーブル24の代わりにリンク機構を用い
たものである。
【0051】図10に示すように、3本のリンク部材5
5は、2カ所の支点57で連結され一連の部材となり、
その一端はマニュアルバルブレバー7に連結され、他端
は設定レバー53に連結されている。また、中間のリン
ク部材には中間部材45が設けられている。従って、本
実施例では、リンク部材55、中間部材45及び支持ワ
イヤ47が引張り部材を構成している。
【0052】従って、ケーブル15によってマニュアル
バルブレバー7が駆動されているとき、支持ワイヤ47
の撓みによりリンク55は自由に動き、マニュアルバル
ブレバー7の動きを規制することはない。同時に、設定
レバー53に連結されているリンク55は、設定レバー
53を支点に、図の破線図示と実線図示のように回動す
るため、設定レバー53が作動することはない。緊急時
には、上記同様にスプリング37が働き、リンク55を
介してマニュアルバルブレバー7が駆動され、所定の走
行レンジを維持することができる。
【0053】従って、本実施例は前記第3実施例と同様
の作用効果を奏し、さらに、リンク機構を用いたので、
フェールセーフ時におけるシフト位置の変更操作をより
確実に行うことができる。
【0054】次に、本発明の第5実施例について、図1
2及び図13に基づいて説明する。
【0055】図12は、本実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の全体構成を示すブロック図、図13
は、図12の自動変速機のフェールセーフ機構の動作説
明図である。
【0056】この第5実施例は、手動によりモータ13
の駆動力以上の力をマニュアルバルブレバー7に加え
て、マニュアルバルブレバー7を作動させるものであ
る。
【0057】マニュアルバルブレバー7は作動部を構成
し、モータ13とケーブル15とは駆動手段を構成して
いる。マニュアルバルブレバー7には、コントローラ5
によって制御されるソレノイド59が設けられ、ソレノ
イド59によって作動するソレノイドピン61がマニュ
アルバルブレバー7に形成された長穴62から突出して
いる。マニュアルバルブレバー7の位置はプレート63
によって規制され、プレート63には、各シフト位置毎
にマニュアルバルブレバー7をロックするための複数の
切欠き65を有する穴部67が形成され、マニュアルバ
ルブレバー7から穴部67へソレノイドピン61が突出
している。
【0058】プレート63は、モータ13の駆動力より
も大きい力が加えられたときに、マニュアルバルブレバ
ー7及びマニュアルバルブ8と共に回動するように取り
付けられ、これらソレノイドピン61、プレート63及
び切欠き65が、非連繋を維持する手段、及び駆動手段
よりも大きな駆動力で操作したときに補助駆動手段と作
動部との連繋を許容する手段を構成している。
【0059】プレート63には、手動リンク75の一端
が連結され、手動リンク75の他端は、ハンドレバー3
に連結されている。ハンドレバー3と手動リンク75と
は補助駆動手段及び選択手段を構成し、ハンドレバー3
としては、各シフト位置毎に設定保持することができる
ものを用いている。
【0060】次に、本実施例の作用について説明する。
【0061】通常の運転時において、運転者によりシフ
トノブ1からコントローラ5へシフト位置選択の指示が
入力されると、コントローラー5は、車速等の情報から
選択されたシフト位置への変更が安全かどうかを判断
し、安全であればモータ13へ指令信号を出力すると共
にソレノイド59へロック解除信号を出力する。
【0062】ロック解除信号を受けたソレノイド59
は、切欠き61に収容されてマニュアルバルブレバー7
の作動を規制しているソレノイドピン61を切欠き61
の外部(ソレノイド59側)へ作動させ、マニュアルバ
ルブレバー7のロック状態を解除する。ロック状態が解
除された後、モータ13によりケーブル15を介してマ
ニュアルバルブレバー7が駆動され、所望のシフト位置
に設定される。なお、ソレノイド59がロック解除信号
を受けていないときは、マニュアルバルブレバー7はモ
ータ13の駆動力では作動せず、指示されたシフト位置
が確実に保持される。また、このときプレート63は回
動せず、マニュアルバルブレバー7の駆動によってハン
ドレバー3は作動しない。
【0063】シフトノブ1等に故障が生じた場合には、
図13に示すように、運転者はモータ13の駆動力より
も大きい力でハンドレバー3を手動操作する。例えば、
マニュアルバルブレバー7がニュートラル(N)の位置
で動かなくなった場合には、図13に示すように、ハン
ドレバー3を矢印K方向に動かす。これにより、手動リ
ンク75を介してプレート63が矢印L方向に移動し、
マニュアルバルブ8がドライブ(D)のシフト位置に駆
動され、車両の走行が確保される。また、さらにハンド
レバー3を動かすことにより、他のシフト位置へ選択駆
動することもできる。従って、上記実施例と同様の作用
効果奏する他、装置を簡単な構造とすることができる。
【0064】次に、本発明の第6実施例について、図1
4に基づいて説明する。
【0065】図14は、本実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【0066】この第6実施例は、第5実施例におけるプ
レート63を固定し、プッシュフル形式の手動ケーブル
76をマニュアルバルブレバー7に連結したものであ
る。この手動ケーブル76は、第5実施例の手動リンク
75に対応するものである。
【0067】図14に示すように、穴部67に形成され
た切欠き65の側壁には、マニュアルバルブレバー7に
モータ13の駆動力よりも大きい力が加えられたとき
に、ソレノイドピン61が側壁を越えて隣接する切欠き
65に移動し得るように傾斜が設けられている。すなわ
ち、傾斜を有する切欠き65とソレノイドピン61と
が、駆動手段よりも大きな駆動力で操作したときに補助
駆動手段と作動部との連繋を許容する手段を構成する。
【0068】本実施例では、ハンドレバー85を手動操
作した場合、ソレノイドピン61が側壁を越えて隣接す
る切欠き65に移動する。これにより、前記第5実施例
と同様の作用効果を奏する。
【0069】ここで、本実施例では、ハンドレバー85
を、通常の運転時にモータ13とハンドレバー3とを非
連繋とすることが可能なように構成している。従って、
ハンドレバー85は、非連繋を維持する手段を構成し、
また、ハンドレバー85と手動ケーブル75とは、補助
駆動手段及び選択手段を構成する。
【0070】以下、ハンドレバー85について詳細に説
明する。このハンドレバー85は、図15〜図17に示
すように、フェールセーフ時のシフト位置の位置を設定
するポジションプレート91と、手動ケーブル75の連
結された連結用プレート95とを備えている。連結用プ
レート95には、連結用孔部97が形成され、ハンドレ
バー85の収容孔98内には、連結用孔部97内へ突出
可能な連結用ピン99が収容されている。この連結用ピ
ン99には、図17に示すように、スプリング101が
連結され、ハンドレバー85から突出するように付勢さ
れている。連結ピン99が突出すると、ハンドレバー8
5と連結用プレート95とが連結され、手動ケーブル7
5がハンドレバー85によって作動する。
【0071】ポジションプレート91には、各シフト位
置(例えば1速、2速、D,N,R,P)に対応して設
けられた切欠き93を有する穴部92が形成され、ハン
ドレバー85に形成された長穴90から穴部92へピン
89が突出している。ハンドレバー85の端部にはロッ
ク解除ボタン87が設けられ、ロック解除ボタン87を
押圧すると、ピン89が切欠き93の外部へ移動し、ハ
ンドレバー85のロック状態が解除される。ポジション
プレート91には、各シフト位置に対応する切欠きの他
に、どのシフト位置にも拘束されない切欠き(Fre
e)が設けられている。すなわち、ピン89がこの切欠
き(Free)に収容されているときは、図17(a)
に示すように、連結用プレート95の位置によらず連結
用ピン99が収容孔98内に収容され、ハンドレバー8
5と連結用プレート95とは連結されない。
【0072】従って、このようなハンドレバー85によ
れば、通常の運転時は、ピン89は前記切欠き(Fre
e)に収容され、手動用ケーブル75の作動にハンドレ
バー85が連動せず、また、緊急時は、運転者がロック
解除ボタン87を押圧し、ハンドレバー85を動かし
て、図17(b)に示すようにハンドレバー85を連結
用プレート85に連結した後、ハンドレバー85を所望
のシフト位置へ設定することにより、シフト位置の選択
駆動を行うことができる。
【0073】従って、本実施例は、第5実施例と同様の
作用効果を奏する他、プレート63を固定としたので、
フェールセーフ時におけるマニュアルバルブレバー7の
設定位置がより確実に維持され、緊急時の車両走行性が
さらに良好となる。
【0074】次に、本発明の第7実施例について、図1
8に基づいて説明する。
【0075】図18は、本実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【0076】この第7実施例は、第6実施例に第1実施
例を適用して、マニュアルバルブレバー7の作動をスプ
リング27によって行うものである。
【0077】図18に示すように、スプリング27は、
スプリングケース69に収容され、スプリング27の一
端はスプリングケース69に固着され、他端は可撓性の
バックアップ用ワイヤ23に連結されている。バックア
ップ用ワイヤ23は、スプリングケース69の孔部73
を挿通し、マニュアルバルブレバー7の先端付近に連結
されている。スプリングケース73は、孔部73が、ド
ライブ(D)のシフト位置に設定されたマニュアルバル
ブレバー7の延長線上に位置するように設定されてい
る。なお、このスプリング27は、モータ13よりも大
きな力をマニュアルバルブレバー7に付与し得るもので
ある。
【0078】スプリングケース69には、ストッパ71
が設けられ、ストッパ71には、ストッパ解除ワイヤ3
5が連結されている。スプリング27は、伸長された状
態でストッパ71によって保持され、この状態でバック
アップ用ワイヤ23には、マニュアルバルブレバー7と
スプリング27とを非連繋とするたるみが付与されてい
る。
【0079】本実施例では、通常時には、バックアップ
用ワイヤ23のたるみにより、ハンドレバー3が作動さ
れることなく、マニュアルバルブレバー7がケーブル1
5に連繋駆動される。
【0080】また、緊急時には、運転者がハンドレバー
3を引くことにより、ワンタッチ操作にてストッパ71
が外れて、バックアップ用ワイヤ23にスプリング27
の付勢力が伝わり、マニュアルバルブレバー7が1速に
設定され、より迅速に車両の走行を確保できる。なお、
ストッパケース69の位置を変えて、緊急時に他のシフ
ト位置へ駆動させても良い。
【0081】次に、本発明の第8実施例について、図1
9に基づいて説明する。
【0082】図19は、本実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の要部構成図である。
【0083】この第8実施例は、第6実施例の手動ケー
ブル75に代えて、マニュアルバルブレバー7に可撓性
の補助ケーブル78を連結すると共に、補助ケーブル7
8を引いたときのマニュアルバルブレバー7の位置をプ
ーリ79を移動させることにより任意に設定可能とした
ものである。
【0084】図19に示すように、マニュアルバルブレ
バー7は作動部を構成し、図示しないモータとケーブル
15とは駆動手段を構成している。マニュアルバルブレ
バー7の先端付近には、非連繋を維持する手段としての
可撓性の補助ケーブル78の一端が連結されている。
【0085】補助ケーブル78は、途中でプーリ79を
経由した後、車室内に設けられたステッキ式パーキング
ブレーキ型のレバー77に連結されている。レバー77
の補助ケーブル78が連結された側にはラチェット部7
7aが形成され,レバー77が引かれたとき、レバー7
7はラチェット部77aによってロックされ、レバー7
7を回転させることによりロックが解除されて元の状態
に戻る。従って、本実施例では、レバー77と補助ケー
ブル78とが補助駆動手段及び選択手段を構成してい
る。
【0086】プーリ79は、マニュアルバルブレバー7
の上方にウォームギア83によって移動可能に取り付け
られ、ウォームギア83は、ワイヤ82を介して車室内
の回転ハンドル81に接続され、回転ハンドル81を回
すことによりプーリ79が移動する。例えば、レバー7
7のロックを解除した状態で、回転ハンドル81を矢印
M方向へ回転させるとプーリ79は矢印O方向へ移動
し、反対に矢印N方向へ回転させると矢印P方向へ移動
する。また、補助ケーブル78には、レバー77を全く
引かない状態においてマニュアルバルブレバー7との非
連繋を維持するたるみが付与されている。
【0087】次に、本実施例の作用について説明する。
【0088】通常の運転時には、レバー77は全く引か
れていない状態にあり、補助ケーブル78には、たるみ
が付与されているので、レバー77が作動することな
く、マニュアルバルブレバー7はケーブル15に連動駆
動される。
【0089】緊急時には、運転者はレバー77を矢印Q
方向に一杯まで引いてロックする。レバー77を引く
と、補助ケーブル78が張られて、マニュアルバルブレ
バー7が作動して所定のシフト位置に保持されて、車両
の走行が確保される。この補助ケーブル78を張ったと
きのマニュアルバルブレバー7の位置は、回転ハンドル
81を回転させてプーリ79を所望の位置に設定してお
くことにより任意に変えることができ、マニュアルバル
ブレバー7を適当なシフト位置へ駆動することができ
る。従って、本実施例は、上記実施例と同様の作用効果
を奏する他、レバー77のロック状態を解除することに
より元の状態に戻すことができるので、マニュアルバル
ブレバー7等をフェールセーフ状態から通常の状態に容
易に復帰させることができ、繰り返しての使用が可能と
なる。
【0090】次に、本発明の第9実施例について、図2
0に基づいて説明する。
【0091】図20は、本実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の要部構成図である。
【0092】この第9実施例は、第8実施例の補助ケー
ブル78、プーリ79及びレバー77を、シフト位置に
相当する分だけ設けたものである。
【0093】図20に示すように、各補助ケーブル78
a〜78fは、プーリ79a〜79fを介して、マニュ
アルバルブレバー7とレバー77a〜77fとを連結し
ている。通常運転時は、各補助ケーブル78a〜78f
に付与されたたるみによって、マニュアルバルブレバー
7はケーブル15に連動駆動し、また、緊急時は、運転
者が所望のレバー78a〜78fを引くことにより、マ
ニュアルバルブレバー7を所定のシフト位置に駆動する
ことができる。従って、本実施例は、第8実施例と同様
の作用効果を奏する他、運転者が容易に所望のシフト位
置へ選択駆動することができる。
【0094】次に、本発明の第10実施例について、図
22及び図23に基づいて説明する。
【0095】図21は、本実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の全体構成を示すブロック図、図22
は、図21の自動変速機のフェールセーフ機構の動作を
示す要部拡大図である。
【0096】この第10実施例は、補助ケーブル78を
引いたときに、マニュアルバルブレバー7とケーブル1
5との機械的接続を解除可能としたものである。
【0097】マニュアルバルブレバー7は作動部を構成
し、モータ13及びケーブル15は駆動手段を構成す
る。本実施例では、ケーブル15の先端に略球状の係止
部103を取り付け、マニュアルバルブレバー7の先端
面に収容溝107を形成し、この収容溝107に係止部
103を収容させて、マニュアルバルブレバー7とモー
タ13とを連結している。収容溝107は、マニュアル
バルブレバー7の先端面で開口し、係止部103はこの
開口部分から離脱し得る。
【0098】マニュアルバルブレバー7の先端付近に
は、支軸109を中心に回動する略コ字状の切断部材1
05が取り付けられている。切断部材105は、図22
(a)に示すように、通常運転時におけるマニュアルバ
ルブレバー7の先端面の開口部分を閉鎖し、係止部10
3の収容溝部107からの離脱を防止する。また、切断
部材105には、非連繋を維持する手段としての可撓性
の補助ケーブル78の一端が連結され、補助ケーブル7
8の他端は、ハンドレバー3に連結されている。補助ケ
ーブル78には、マニュアルバルブレバー7との連結時
に、マニュアルバルブレバー7と非連繋を維持するたる
みが付与され、ハンドレバー3と補助ケーブル78とが
補助駆動手段及び選択手段を構成している。
【0099】次に、本実施例の作用について説明する。
【0100】通常の運転時には、ハンドレバー3は引か
れていない状態にあり、補助ケーブル78には、たるみ
が付与されているので、ハンドレバー3が作動すること
なく、マニュアルバルブレバー7はケーブル15に連動
駆動される。
【0101】緊急時には、運転者はハンドレバー3を引
く。ハンドレバー3を引くと、図22(b),(c)に
示すように、補助ケーブル78が矢印R方向に引張られ
て、切断部材105が支軸109を中心に回転する。切
断部材105が回転すると、マニュアルバルブレバー7
の先端面が開口すると共に、切断部材105によって係
止部103が持ち上げられて、係止部103が収容溝1
07から離脱する。
【0102】係止部103が収容溝107から離脱する
と、ケーブル15とマニュアルバルブレバー7との機械
的連結が解除され、マニュアルバルブレバー7が容易に
回動可能となる。したがって、補助ケーブル78によっ
て、マニュアルバルブレバー7が容易に1速に設定さ
れ、車両の走行が確保させる。
【0103】また、本実施例によれば、フェールセーフ
時にケーブル15とモータ13と機械的連結が解除され
ているので、マニュアルバルブレバー7がモータ13の
誤動作等によって作動される恐れがなく、フェールセー
フ時の安全性及び確実性が向上する。
【0104】次に、本発明の第11実施例について、図
23及び図24に基づいて説明する。
【0105】図23は、本実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の全体構成を示すブロック図、図24
は、図23の自動変速機のフェールセーフ機構の要部拡
大図である。
【0106】この第11実施例は、マニュアルバルブレ
バー7とモータ13との連繋接続を、電気的接続を切断
することにより解除可能としたものである。
【0107】マニュアルバルブレバー7は作動部を構成
し、モータ13及びケーブル15は駆動手段を構成す
る。
【0108】本実施例は、前記第10実施例とは異な
り、マニュアルバルブレバー7とケーブル15とが常に
機械的に連結されている。車室内には切断スイッチ11
5が設けられ、切断スイッチ115に信号入力がされる
と、電源切断コントローラ113が作動して、コントロ
ーラ5及びモータ13への電源供給が停止する。
【0109】マニュアルバルブレバー7と共に回動し、
トランスミッション17のシフト位置を設定するマニュ
アルバルブ8の外周には、カバー111が設けられてい
る。カバー111には、外周に沿ってケーブルガイド1
09が取り付けられ、ケーブルガイド109内には、非
連繋を維持する手段を構成する可撓性の補助ケーブル7
8が挿通されている。補助ケーブル78の一端はトラン
スミッション17側に固着され、他端はハンドレバー3
に連結されている。補助ケーブル78には、ハンドレバ
ー3を引かない状態でマニュアルバルブレバー3との非
連繋を維持するたるみが付与され、ハンドレバー3と補
助ケーブル78とは補助駆動手段及び選択手段を構成し
ている。
【0110】次に、本実施例の作用について説明する。
【0111】通常の運転時には、ハンドレバー3は引か
れていない状態にあり、補助ケーブル78には、たるみ
が付与されているので、ハンドレバー3が作動すること
なく、マニュアルバルブレバー7はケーブル15に連動
駆動される。
【0112】緊急時には、運転者は切断スイッチ115
を入れて電源切断コントローラ113を作動させる。こ
れにより、コントローラ5及びモータ13への電源供給
が停止し、マニュアルバルブレバー7が容易に回動可能
となる。
【0113】切断スイッチ115を入れた後、運転者は
ハンドレバー3を引く。ハンドレバー3が引かれると、
図24に示すように、補助ケーブル78が矢印S方向に
引張られて、マニュアルバルブ8が矢印T方向に回転す
る。これにより、シフト位置が容易に1速に設定され、
車両の走行が確保させる。また、フェールセーフ時にコ
ントローラ5とモータ13への電源供給が停止している
ので、第10実施例と同様に、マニュアルバルブレバー
7がモータ13の誤動作等によって作動される恐れがな
く、フェールセーフ時の安全性及び確実性が向上する。
【0114】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の自
動変速機のフェールセーフ機構によれば、装置の小型化
を図ることができると共に、緊急時には、補助駆動手段
によって作動部を所定のシフト位置に設定でき、また、
通常の運転時には、作動部が補助駆動手段と非連繋とな
るため、乗員に対する違和感や車室内に持ち込んだ物品
等への不用意な干渉を回避することができる。
【0115】また、請求項2の自動変速機のフェールセ
ーフ機構によれば、緊急時には、解除手段による引張り
部材の係止状態の解除のみにより作動部を所定のシフト
位置に設定することができ、迅速かつ簡単にフェールセ
ーフ状態を得ることができる。
【0116】また、請求項3の自動変速機のフェールセ
ーフ機構によれば、駆動手段の駆動力よりも大きな駆動
力で操作したとき補助駆動手段と作動部との連繋を許容
する手段を設けたので、構造の簡略化及び装置の小型化
が可能となる。
【0117】また、請求項4の自動変速機のフェールセ
ーフ機構によれば、作動部との連繋及び非連繋が可能な
補助ケーブルを設けたので、構造の簡略化及び装置の小
型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る自動変速機のフェー
ルセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の自動変速機のフェールセーフ機構を搭載
した車両の運転席正面図である。
【図3】図1の自動変速機のフェールセーフ機構の動作
説明図である。
【図4】図1の自動変速機のフェールセーフ機構の動作
説明図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る自動変速機のフェー
ルセーフ機構の車両への設置場所を示す平面図である。
【図6】図5の自動変速機のフェールセーフ機構の全体
構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る自動変速機のフェー
ルセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【図8】図7の自動変速機のフェールセーフ機構の動作
説明図である。
【図9】図7の自動変速機のフェールセーフ機構の動作
説明図である。
【図10】本発明の第4実施例に係る自動変速機のフェ
ールセーフ機構の要部構成図である。
【図11】図10の自動変速機のフェールセーフ機構の
動作説明図である。
【図12】本発明の第5実施例に係る自動変速機のフェ
ールセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【図13】図12の自動変速機のフェールセーフ機構の
動作説明図である。
【図14】本発明の第6実施例に係る自動変速機のフェ
ールセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【図15】ハンドレバーの全体の斜視図である。
【図16】ハンドレバーの要部拡大図である。
【図17】(a)は、通常運転時におけるハンドレバー
の要部断面図、(b)は、フェールセーフ時におけるハ
ンドレバーの要部断面図である。
【図18】本発明の第7実施例に係る自動変速機のフェ
ールセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第8実施例に係る自動変速機のフェ
ールセーフ機構の要部構成図である。
【図20】本発明の第9実施例に係る自動変速機のフェ
ールセーフ機構の要部構成図である。
【図21】本発明の第10実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【図22】(a)は、通常運転時における係止部の状態
説明図、(b),(c)は、故障時における係止部の状
態説明図である。
【図23】本発明の第11実施例に係る自動変速機のフ
ェールセーフ機構の全体構成を示すブロック図である。
【図24】図23の自動変速機のフェールセーフ機構の
要部拡大図である。
【図25】従来の自動変速機のフェールセーフ機構の説
明図である。
【符号の説明】
1 シフトノブ(操作入力手段) 3 ハンドレバー(補助駆動手段、選択手段、解除手
段) 5 コントローラ(操作入力手段) 7 マニュアルバルブレバー(作動部) 13 モータ(駆動手段) 15 ケーブル(駆動手段) 17 トランスミッション 23 バックアップ用ワイヤ(非連繋を維持する手段、
引張り部材) 24 バックアップ用ケーブル(非連繋を維持する手
段、引張り部材) 25 接続部材(選択手段、解除手段) 27 スプリング(補助駆動手段、付勢部材) 31 接続孔部(選択手段、解除手段) 33 ストッパ(選択手段、解除手段) 35 ストッパ解除ワイヤ(選択手段、解除手段) 45 中間部材(非連繋を維持する手段、引張り部材) 47 支持ワイヤ(非連繋を維持する手段、引張り部
材) 50 接続孔部(選択手段、解除手段) 55 リンク部材(非連繋を維持する手段、引張り部
材) 61 ソレノイドピン(非連繋を維持する手段、駆動手
段よりも大きな駆動力で操作したときに補助駆動手段と
作動手段との連繋を許容する手段) 63 プレート(非連繋を維持する手段、駆動手段より
も大きな駆動力で操作したときに補助駆動手段と作動手
段との連繋を許容する手段) 65 切欠き(非連繋を維持する手段、駆動手段よりも
大きな駆動力で操作したときに補助駆動手段と作動手段
との連繋を許容する手段) 71 ストッパ(選択手段、解除手段) 75 手動リンク(補助駆動手段、選択手段) 76 手動ケーブル(補助駆動手段、選択手段) 77 レバー(補助駆動手段、選択手段) 78 補助ケーブル(補助駆動手段、非連繋を維持する
手段、選択手段) 85 ハンドレバー(補助駆動手段、非連繋を維持する
手段、選択手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桂木 道裕 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 井上 正美 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シフト位置の選択指令に連動して作動可
    能な作動部を備えたトランスミッションと、前記作動部
    を連繋駆動してシフト位置の選択駆動を行う駆動手段
    と、この駆動手段へシフト位置選択指令用の信号を入力
    する操作入力手段とを備え、前記作動部を前記駆動手段
    とは別に駆動可能な補助駆動手段を設け、この補助駆動
    手段と前記作動部との非連繋を維持する手段を設け、前
    記補助駆動手段と前記作動部との連繋を選択可能とする
    選択手段を設けたことを特徴とする自動変速機のフェー
    ルセーフ機構。
  2. 【請求項2】 シフト位置の選択指令に連動して作動可
    能な作動部を備えたトランスミッションと、前記作動部
    を連繋駆動してシフト位置の選択駆動を行う駆動手段
    と、この駆動手段へシフト位置選択指令用の信号を入力
    する操作入力手段とを備え、前記作動部に可撓性の引張
    り部材の一端を連結し、この可撓性の引張り部材の他端
    を付勢部材を介して固定側に連結し、この付勢部材と前
    記作動部とを非連繋とする余裕を前記引張り部材に付与
    すると共に、前記付勢部材に付勢力を付与するように前
    記引張り部材の他端側を固定側に係止し、前記引張り部
    材の他端側の係止を選択的に解除操作可能な解除手段を
    設けたことを特徴とする自動変速機のフェールセーフ機
    構。
  3. 【請求項3】 シフト位置の選択指令に連動して作動可
    能な作動部を備えたトランスミッションと、前記作動部
    を連繋駆動してシフト位置の選択駆動を行う駆動手段
    と、この駆動手段へシフト位置選択指令用の信号を入力
    する操作入力手段とを備え、前記作動部を前記駆動手段
    とは別に駆動可能な補助駆動手段を設け、この補助駆動
    手段と前記作動部との間に前記駆動手段の駆動力よりも
    大きな駆動力で前記補助駆動手段を操作したとき前記補
    助駆動手段と前記作動部との連繋を許容する手段を設け
    たことを特徴とする自動変速機のフェールセーフ機構。
  4. 【請求項4】 シフト位置の選択指令に連動して作動可
    能な作動部を備えたトランスミッションと、前記作動部
    を連繋駆動してシフト位置の選択駆動を行う駆動手段
    と、この駆動手段へシフト位置選択指令用の信号を入力
    する操作入力手段とを備え、前記作動部に手動操作用の
    補助ケーブルを連結し、この補助ケーブルに前記作動部
    との非連繋を維持するたるみを付与すると共に、このた
    るみを解除可能に前記補助ケーブルを支持したことを特
    徴とする自動変速機のフェールセーフ機構。
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