JPH05295553A - 接着剤シートとこの接着剤シートを用いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板 - Google Patents

接着剤シートとこの接着剤シートを用いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板

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JPH05295553A
JPH05295553A JP34767892A JP34767892A JPH05295553A JP H05295553 A JPH05295553 A JP H05295553A JP 34767892 A JP34767892 A JP 34767892A JP 34767892 A JP34767892 A JP 34767892A JP H05295553 A JPH05295553 A JP H05295553A
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2203/00Indexing scheme relating to apparatus or processes for manufacturing printed circuits covered by H05K3/00
    • H05K2203/07Treatments involving liquids, e.g. plating, rinsing
    • H05K2203/0756Uses of liquids, e.g. rinsing, coating, dissolving
    • H05K2203/0773Dissolving the filler without dissolving the matrix material; Dissolving the matrix material without dissolving the filler

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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着剤の無電解めっき性を損なうこと無く、
生産性を改善することに効果のある接着剤シートの開発
とかかる接着剤シートを利用するプリント配線板製造技
術を確立する。 【構成】 酸あるいは酸化剤に対して可溶性の予め硬化
処理したアミノ樹脂微粉末を、硬化処理を受けると酸あ
るいは酸化剤に対して難溶性となる特性を示す未硬化状
態の樹脂マトリックス中に分散させてなる接着剤層を、
ベースフィルム上に形成してなる接着剤シートと、これ
を利用するプリント配線板の製造方法およびプリント配
線板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着剤シートと、この
接着剤シートを用いてプリント配線板を製造する方法、
およびプリント配線板に関するものであり、特に耐薬品
性,耐熱性,電気特性および基板と無電解めっき膜との
密着性に優れた無電解めっきに適合したフィルム状に形
成された接着剤(即ち、接着剤シート)と、この接着剤
シートを用いてプリント配線板を製造する方法、および
プリント配線板について提案する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子工業の進歩に伴い電子機器の
小型化あるいは高速化が進められており、このためプリ
ント配線板やLSIを実装するプリント配線板において
もファインパターンによる高密度化および高い信頼性が
要求されるようになってきた。
【0003】従来、プリント配線板の製造に当って、導
体回路を形成する方法としては、基板に銅箔を積層した
後フォトエッチングすることにより、導体回路を形成す
る”エッチドフォイル法”が知られている。この方法に
よれば、基板との密着性に優れた導体回路を形成するこ
とができるが、銅箔の厚さが厚いためにエッチングによ
り高精度のファインパターンが得難いという大きな欠点
があり、さらに製造工程も複雑で効率が良くないなどの
問題があった。
【0004】このため、最近、プリント配線板用基板上
に導体を形成する方法として、ジエン系合成ゴムを含む
接着剤をその基板表面に塗布して接着剤層を形成し、こ
の接着剤層の表面を粗化してから無電解めっきを施して
導体を形成する,いわゆる”アディティブ法”と呼ばれ
ている方法が採用されている。しかしながら、この方法
で一般的に使用されている接着剤は、合成ゴムを含むた
め、例えば高温時に密着強度が大きく低下したり、ハン
ダ付けの際に無電解めっき膜がふくれるなど耐熱性が低
いことと、表面抵抗などの電気特性が充分でないという
欠点があり、使用範囲がかなり制限されている。
【0005】これに対し、発明者らは、先に前述の如き
無電解めっきを施すための接着剤が有する欠点を解消
し、耐熱性,電気特性および無電解めっき膜との密着性
に極めて優れ、かつ比較的容易に実施できる無電解めっ
き用接着剤およびこの接着剤を用いた配線板の製造方法
を提案した(特開昭61−276875号公報参照)。すなわ
ち、この先行技術は、酸化剤に対して可溶性の予め硬化
処理された耐熱性樹脂粉末が、硬化処理することにより
酸化剤に対して難溶性となる特性を有する未硬化の耐熱
性樹脂液中に分散されてなることを特徴とする接着剤、
およびこの接着剤を基板に塗布した後、乾燥硬化して接
着剤層を形成させ、前記接着剤層の表面部分に分散して
いる上記微粉末の少なくとも一部を溶解除去して接着剤
層の表面を粗化し、次いで無電解めっきを施すことを特
徴とする配線板の製造方法である。
【0006】この先行提案技術によれば、上記接着剤
は、予め硬化処理された耐熱性樹脂微粉末が耐熱性樹脂
液中に分散されており、この接着剤を基板に塗布し乾燥
硬化させるとマトリックスを形成する耐熱性樹脂中に耐
熱性樹脂微粉末が均一に分散した状態となる。そして、
前記耐熱性樹脂微粉末とマトリックス耐熱性樹脂とは酸
化剤に対する溶解性に差異があるため、前記接着剤層を
酸化剤で処理することにより、接着剤層の表面部分に分
散している微粉末が主として溶解除去され、効果的なア
ンカー窪みが形成されて接着剤層の表面を均一粗化で
き、ひいては基板と無電解めっき膜との高い密着強度と
高い信頼性が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記接着剤
では、酸もしくは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂微粉末と
して、汎用的で容易に入手でき、しかも、耐薬品性,耐
熱性,電気特性,硬度に優れる樹脂であるエポキシ樹脂
を採用し使用していた。しかしながら、近年、プリント
基板の高密度化が急速に進んだこともあって、前記耐熱
性樹脂微粉末としてエポキシ樹脂を使用して製造したプ
リント配線板を、温度,湿度の高い場所に放置すると、
下記の〜式に示すような反応(マイグレーション)
および、その他の反応を起こし、これにより、導体回路
が溶けて表面抵抗値が低下し、ひいてはパターン間がシ
ョートする問題のあることが判った。 Na+ +Cl- +H2 O → NaOH + HCl … Cu +2NaOH → Cu(OH)2 + 2Na+ … Cu +2HCl → CuCl2 + 2H+
【0008】そこで、発明者らは、先に、上述した問題
点を克服した接着剤について開発した。ただし、本発明
に先行する未公開のこの先行技術は、プリント配線板の
製造に当って、主として基板上に塗布する形式をとって
いるため、その製造工程の中で、粘度やチキソ性などの
塗布条件を管理しなければならず、非常に煩雑で生産性
が低いという課題を残していた。
【0009】本発明の目的は、上述した従来技術が抱え
ている課題に加え、さらに上記先行技術の解決課題を克
服することにあり、接着剤の無電解めっき性を損なうこ
となく生産性を改善することに効果のある接着剤シート
と、これを用いてプリント配線板を製造する方法、なら
びにそのプリント配線板を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者は、先に、上記課
題に関して研究をすすめるうち、酸もしくは酸化剤に可
溶性の耐熱性樹脂微粉末として用いるエポキシ樹脂は、
製造の際にイオン性化合物を使用するために、樹脂中に
Na,塩素イオンなどが残留し、また、エポキシ樹脂の
架橋点間分子量が1000以上であるために、前記イオンが
樹脂中で動きやすく、それ故に上記の如き反応を引き起
こすことが判った。そこで、このようなイオン性化合物
でない樹脂に関し鋭意研究したところ、耐熱性樹脂微粉
末としてアミノ樹脂を使用すれば、上記反応を引き起こ
すことなく、耐薬品性や耐熱性,電気特性,硬度などに
優れる接着剤が得られることを新規に知見した。
【0011】さらに、発明者は、上記課題を克服するた
めに研究をすすめた結果、配線板用接着剤として、接着
剤溶液をベースフィルム上に塗布したのち所定量の溶剤
を除去し、Bステージ状態とすることによって得られる
フィルム状の接着剤層を有する接着剤シートを採用する
ことにより、プリント配線板製造工程中において、粘度
やチキソ性などの塗布条件を管理する必要がなくなり、
そのために膜厚均一性や強度等の品質管理が容易となっ
て優れた接着剤層を得ることができることも判り、本発
明に想到した。
【0012】すなわち、本発明の接着剤シートは、酸あ
るいは酸化剤に対して可溶性の予め硬化処理したアミノ
樹脂微粉末を、硬化処理を受けると酸あるいは酸化剤に
対して難溶性となる特性を示す未硬化状態の熱硬化性も
しくは感光性の耐熱性樹脂マトリックス中に分散させて
なる接着剤層が、ベースフィルム上に形成されている接
着剤シートである。
【0013】本発明のプリント配線板製造方法は、上記
の接着剤シートを用いる方法であって、基板上に、無電
解めっき用接着剤層を形成し、この接着剤層の表面を粗
化した後、無電解めっきを施して導体回路を形成してプ
リント配線板を製造する方法において、前記基板上に、
酸あるいは酸化剤に対して可溶性の予め硬化処理したア
ミノ樹脂微粉末を、硬化処理を受けると酸あるいは酸化
剤に対して難溶性となる特性を示す未硬化状態の耐熱性
樹脂マトリックス中に分散させてなる接着剤層をベース
フィルム上に形成してなる接着剤シートを、この接着剤
シートの接着剤層が基板に面するように重ね合わせ、つ
いで加圧加熱した後、前記ベースフィルムを剥離して接
着剤層とし、その後、粗化してから無電解めっきを施す
ことを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0014】そして、上述の如き製造方法の下で得られ
る本発明のプリント配線板は、少なくとも一方の基板表
面に接着剤層を設けて、その上に導体回路を形成してな
るプリント配線板において、前記接着剤層が、硬化処理
済のアミノ樹脂微粉末を、硬化処理を受けると酸あるい
は酸化剤に対して難溶性となる特性を示す未硬化状態の
耐熱性樹脂マトリックス中に分散させてなる接着剤層
を、剥離除去されるベースフィルム上に形成してなる接
着剤シートを貼着したものにて形成されていることを特
徴とするプリント配線板である。
【0015】
【作用】さて、既知の接着剤は、上述のようなマイグレ
ーション反応により、表面抵抗値が低下する現象が観察
される。このことから、発明者は、先に、種々の樹脂に
対し、温度40℃, 湿度90%,電圧24Vの条件下で長期劣
化試験を行い、抵抗値の経時変化を調べた。その結果、
電気特性に優れる樹脂としては、ポリイミド樹脂,エポ
キシ樹脂などが知られているが、なかでも酸あるいは酸
化剤に可溶で、かつ抵抗値の経時変化がない、いわゆる
マイグレーション反応を引き起こすことのない樹脂とし
て、アミノ樹脂が最も優れた特性を示す樹脂であること
を見出したのである。
【0016】さらに、発明者は、配線板用接着剤とし
て、膜厚均一性や強度等の品質が保証されたBステージ
状態の接着剤層を有する接着剤シートを採用することに
より、無電解めっき性を損なうことなく、プリント配線
板の生産性を改善することができることを突き止めたの
である。
【0017】従って、本発明によれば、酸あるいは酸化
剤に対して可溶性の予め硬化処理された耐熱性樹脂微粉
末としてアミノ樹脂を採用することにより、使用環境と
くに高温,高湿度雰囲気で使用される場合であっても、
マイグレーションを起こしたり、導体回路が溶けて、表
面抵抗値が低下するようなことがなく、充分な導体の密
着強度が得られ、しかも、耐薬品性,耐熱性,電気特
性,硬度に優れる接着剤とすることができるようにな
り、さらに、接着剤をフィルム状の接着剤層を有する接
着剤シートとすることにより、粘度やチキソ性などの塗
布条件を管理することなく、膜厚およびピール強度など
の全ての条件に満足した接着剤層を予め準備しておくこ
とができるようになる。
【0018】このようなアンカー形成用のアミノ樹脂微
粉末は、剥離性に優れたベースフィルム上に形成してフ
ィルム状の接着剤層を得るようにするため、平均粒径の
小さい方が良く、0.05〜50μmが望ましい。その理由
は、平均粒径が50μmより大きいと、溶解除去して形成
されるアンカーの密度が小さくなり、かつ不均一になり
やすいため、密着強度とその信頼性が低下する。しか
も、接着剤層表面の凹凸が激しくなるので、膜厚が不均
一となり、導体の微細パターンが得にくく、かつ部品な
どを実装する上でも好ましくないからである。
【0019】このようなアミノ樹脂微粉末としては、例
えば、平均粒径が2μm以下のアミノ樹脂粉末を凝集さ
せて平均粒径2〜10μmの大きさとした凝集粒子、平均
粒径2〜10μmのアミノ樹脂粉末と平均粒径が2μm以
下のアミノ樹脂粉末との粒子混合物、または平均粒径2
〜10μmのアミノ樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以
下のアミノ樹脂粉末もしくは無機微粉末のいずれか少な
くとも1種を付着させてなる疑似粒子のなかから選ばれ
ることが望ましい。
【0020】なお、アミノ樹脂微粉末の配合量は、樹脂
マトリックスの合計固形分100 重量部に対して、10〜10
0 重量部の範囲が好ましい。この理由は、この微粉末の
配合量が10重量部より少ないと、溶解除去して形成され
るアンカーが明確に形成されない。一方、微粉末の配合
量が100 重量部よりも多くなると、接着剤層が多孔質に
なり、接着剤層と無電解めっき膜の密着強度(ピール強
度)が低下するからである。
【0021】耐熱性樹脂微粉末として本発明で採用され
たアミノ樹脂は、ホルムアルデヒドと反応できるアミノ
基を有する樹脂であり、メラミン樹脂,尿素樹脂および
グアナミン樹脂のうちから選ばれるいずれか1種または
2種以上の樹脂とする。この理由は、これらの樹脂が、
耐熱性に優れる、表面硬度が大きい、機械的強度
に優れる、電気絶縁性,特に耐アーク特性に優れる、
耐有機溶剤性がよい、酸あるいは酸化剤に対して溶
解性が高いからである。
【0022】これらの樹脂のうち、メラミン樹脂は、メ
ラミンとホルムアルデヒドとの付加縮合物であり、酸性
で反応すると白色で水に不溶の樹脂を生成し、アルカリ
性で反応すると透明で水に可溶の樹脂を生成する。すな
わち、メラミン樹脂は、(化1)に示すように、メラミ
ンとホルムアルデヒドを中性もしくはアルカリ性で反応
させてメチロールメラミンとし、このメチロールメラミ
ンを、酸または加熱により脱水,脱ホルマリンして縮合
させ、メチレン結合,エーテル結合を形成して巨大分子
化することにより得られる。
【0023】さらに、このメラミン樹脂は、成形材料と
しては、一般に、メラミンに対するホルムアルデヒドの
モル比が約1:2〜1:3の範囲にあり、特にこのモル
比が大きいものほど硬度の高い成形品をつくるのに適す
る。従って、上記モル比の範囲内にあるメラミンとホル
ムアルデヒドを、アンモニアなどを用いて中性ないし微
アルカリ性に保ち、80〜90℃で反応させ、得られたシロ
ップにレーヨン, パルプ布細片, アスベスト, 繊維など
の基材を加えて乾燥, 粗砕し、顔料, 離型剤,硬化剤な
どを加え微粉砕し成形材料とする。なお、硬化剤を加え
なくても加熱加圧で十分硬化するが、一般には、クエン
酸, フタル酸, 有機カルボン酸エステルなどの硬化剤を
用いる。
【0024】
【化1】
【0025】尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドの縮
重合により作られる熱硬化性樹脂である(化2参照)。
この尿素樹脂からなる微粉末の製法としては、例えば、
まず、尿素とホルマリンを約1:2のモル比で混ぜ、中
性またはアルカリ性で熱することにより、モノメチロー
ル尿素,ジメチロール尿素を経て、45〜50%の初期重合
物を含む液を調製し、その後、この初期重合物にパルプ
または木粉などの充填材を加えて混合し、さらに加熱し
て重合を進め、乾燥後粉砕して微粉末とする。
【0026】
【化2】
【0027】グアナミン樹脂は、メラミン樹脂や尿素樹
脂と同様にして得られるグアナミンとホルムアルデヒド
の付加重合物であり(化3参照)、グアナミンとホルム
アルデヒドを酸または加熱により脱水,脱ホルマリンし
て縮合させ、メチレン結合,エーテル結合を形成して巨
大分子化することにより得られる。
【0028】
【化3】
【0029】なお、エポキシ樹脂微粉末,例えば、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製)微粉末
は、樹脂中に残留するナトリウムイオンや塩素イオンの
濃度が、いずれも5ppm程度あり、しかも、ジシアン系
硬化剤で硬化して酸や酸化剤に可溶としたものは、架橋
点間分子量が1900で、前記イオンが樹脂中で動きやす
い。それ故に、アンカー形成用耐熱性樹脂微粉末として
エポキシ樹脂を使用すると、マイグレーション反応を引
き起こすこととなる。一方、耐熱性樹脂マトリックスと
して使用される酸や酸化剤に不溶のエポキシ樹脂は、架
橋点間分子量が600程度で、ナトリウムイオンや塩素イ
オンが樹脂中で固定されるので、マイグレーション反応
を引き起こしにくい。
【0030】次に、上記アミノ樹脂微粉末を分散させる
接着剤溶液を構成する樹脂マトリックスとしては、多官
能性の、エポキシ樹脂,アクリル基を有する樹脂,
アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂、も
しくは前記,,の樹脂から選ばれる少なくとも1
種と2官能性の、エポキシ樹脂,アクリル樹脂から
選ばれる少なくとも1種との混合樹脂からなることが望
ましい。
【0031】なかでも、ビスフェノールA型,ビスフェ
ノールF型,クレゾールノボラック型やフェノールノボ
ラック型のエポキシ樹脂、ビスマレイドトリアジン樹
脂,ポリイミド樹脂およびフェノール樹脂などの熱硬化
性樹脂と、フェノールアラルキル型やフェノールノボラ
ック型のエポキシ樹脂をアクリル化した樹脂,アクリル
樹脂および感光性ポリイミド樹脂などの感光性樹脂が好
適に使用される。
【0032】この上記樹脂マトリックスは、固形分で、
20〜100 wt%の多官能性の、エポキシ樹脂,アクリ
ル基を有する樹脂,アクリル樹脂から選ばれる少なく
とも1種と、0〜80wt%の2官能性の、エポキシ樹
脂,アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種との混
合樹脂からなることが好適である。この理由は、多官能
性樹脂が固形分で20wt%より少ない場合には、接着剤の
硬度が低下し、しかも耐薬品性が低下するからである。
【0033】また、この樹脂マトリックスの硬化剤とし
ては、DICY,アミン系硬化剤,酸無水物およびイミダゾ
ール系硬化剤などがよい。特に、エポキシ樹脂の場合
は、このマトリックスの合計固形分に対して2〜10wt%
のイミダゾール系硬化剤を含有させることが好ましい。
この理由は、10wt%を超えると硬化しすぎて脆くなり、
2wt%より少ないと硬化が不十分なために充分な硬度が
得られないからである。
【0034】なお、硬化済のアミノ樹脂微粉末を、未硬
化の多官能性エポキシ樹脂および2官能性エポキシ樹脂
のなかから選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂マトリ
ックス中に分散させてなる混合物は、イミダゾール系硬
化剤とそれぞれ分離して保存し、使用直前にこの両者を
混合して使用することは、ポットライフ(可使用時間)
を長くする上で望ましい。
【0035】この樹脂マトリックスとしては、溶剤を含
まない耐熱性樹脂をそのまま使用することもできるが、
耐熱性樹脂を溶剤に溶解してなる耐熱性樹脂は、粘度調
節が容易にできるため微粉末を均一に分散させることが
でき、しかも、ベースフィルム上に塗布し易いので有利
に使用することができる。なお、前記耐熱性樹脂を溶解
するのに使用する溶剤としては、通常溶剤、例えばメチ
ルエチルケトン,メチルセロソルブ,エチルセロソル
ブ,ブチルセロソルブ,ブチルセロソルブアセテート,
ブチルカルビトール,ブチルセルロース,テトラリン,
ジメチルホルムアミド,ノルマルメチルピロリドンなど
を挙げることができる。また、上記マトリックス耐熱性
樹脂に、例えば、フッ素樹脂やポリイミド樹脂,ベンゾ
グアナミン樹脂などの有機質充填剤、あるいはシリカや
アルミナ,酸化チタン,ジルコニアなどの無機質微粉末
からなる充填剤を適宜配合してもよい。その他、着色剤
(顔料),レベリング剤,消泡剤,紫外線吸収剤および
難燃化剤などの添加剤を樹脂マトリックスおよびアミノ
樹脂微粉末に用いることができる。
【0036】なお、樹脂マトリックスの使用に際して
は、分子量の大きい樹脂(以下、Rで示す)と分子量の
小さい樹脂(以下、rで示す)の混合樹脂が望ましい。
具体的には、樹脂Rの分子量Mは、2000<M≦10万,
望ましくは2000≦M≦5000であり、樹脂rの分子量m
は、200<m≦2000,望ましくは 300≦m≦1000であ
り、その配合割合は、重量比で、 0.2≦r/(r+R)≦0.8 であることが好適である。さらに、混合樹脂の融点を常
温以上とするために、樹脂Rの融点は50〜150 ℃の範囲
にあり、樹脂rの融点は10〜50℃未満の範囲にあること
が好適である。
【0037】この理由は、フィルム化に対して要求され
る下記〜の特性のうち、分子量の小さい樹脂は〜
に対して効果があり、分子量の大きい樹脂は,に
対して効果があるため、いずれの効果も発揮できる上記
分子量および配合割合を逸脱すると、〜の特性低下
を招くからである。 タック性(接着剤の表面の粘着性)、 かとう性(曲げやすさ)、 カッティング性(切断したとき綺麗に割れずに切れる
か)、 エッジフュージョン性(フィルムを立てたとき、接着
剤層が流動を起こして流れないか)、および 酸や酸化剤に対する耐久性。
【0038】すなわち、上記のような低分子量と高分子
量の混合樹脂を樹脂マトリックスとして使用することに
より、接着剤層のピール強度を2kg/cm 以上にすること
も可能となった。この理由は、明確ではないが、樹脂が
細密充填されるため樹脂の破壊強度が大きくなるためと
考えられる。これにより、粗化面の粗度を小さくするこ
とができるため、よりファインなパターンが形成でき
る。
【0039】次に、本発明の配線板用接着剤シートは、
図1(a) に示すように、アミノ樹脂微粉末を、硬化処理
を受けると酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性
を示す樹脂マトリックス中に分散させてなる接着剤溶液
を、ベースフィルム上にロールコーターやドクターバー
などで塗布した後、60〜100 ℃に設定した乾燥炉で乾燥
することにより所定量の溶剤を除去し、Bステージ状態
とすることによって得られる。この際、ベースフィルム
上の接着剤層の厚さは、ドクターバーのギャップにより
25〜70μmに調整される。そして、この接着剤シートは
ロール状に巻き取られるため、接着剤層上に保護フィル
ム(カバーフィルム)を形成させて半硬化状態の接着剤
層を保護している。
【0040】ここで、上記接着剤シートの基材となるベ
ースフィルムは、ポリエチレンテレフタレート,ポリプ
ロピレンおよびポリエチレンフロライド(テドラーフィ
ルム)などのフィルムが好適に使用され、このフィルム
の厚さは、25〜50μmが望ましい。なお、ベースフィル
ムの剥離除去を容易にするために、接着剤層との接触面
に離型処理としてシリコンを塗布してもよい。また、反
対の面には、マッド処理(凹凸処理)を施してもよい。
【0041】また、ベースフィルム上に接着剤フィルム
を形成するのに適した接着剤溶液としては、回転粘度計
で測定した60回転の動粘度(JIS −K7117 )が、10〜20
00cps 好ましくは100 〜300cpsであるものが好適に使用
される。この理由は、粘度が10cps 未満では、十分なピ
ール強度を有する接着剤層が得られず、一方、粘度が20
00cps 超では、ベースフィルム上に塗布できないからで
ある。
【0042】なお、この接着剤溶液の固形分濃度は、45
〜75wt%が望ましい。この理由は、45wt%より少ないと
溶剤の残留が問題となり、75wt%より多いと十分な塗布
性(塗布性とは、レベリング性,気泡の抜けなどをさ
す)が得られないからである。また、固形分中の樹脂微
粉末と樹脂マトリックスの比率は、体積比で、1/100
〜 200/100 、望ましくは20/100 〜50/100 が好適で
ある。この理由は、1/100 より少ないと明確なアンカ
ーが形成されず、 200/100 より多いとアンカー同士が
近接しすぎて十分な強度が得られないからである。
【0043】さらに、本発明の配線板用接着剤シート
は、ベースフィルムを用いずに直接塗布することにより
製造することができる。
【0044】次に、上記接着剤シートを用いる本発明の
プリント配線板製造方法について説明する。まず、保護
フィルムを剥離した半硬化状態の接着剤層を有する接着
剤シートを、表面をRmAX =2μm程度に粗化した基板
上に、その接着剤シートの接着剤層が基板に面するよう
に重ね合わせ、ついで40〜120 ℃,40kg/cm2 でラミネー
ト硬化もしくは加熱プレスした後、ベースフィルムを除
去することにより、無電解めっき用の接着剤層を形成さ
せる。
【0045】ここで、本発明の製造方法で使用する上記
基板としては、例えばプラスチック基板,セラミック基
板,金属基板およびフィルム基板などを使用することが
でき、具体的にはガラスエポキシ基板,ガラスポリイミ
ド基板,アルミナ基板,低温焼成セラミック基板,窒化
アルミニウム基板,アルミニウム基板,鉄基板およびポ
リイミドフィルム基板などを使用することができる。そ
して、これらの基板を用いて、片面配線板,両面スルー
ホール配線板およびCu/ポリイミド多層配線板のような
多層配線板などを製作することができる。
【0046】次いで、接着剤溶液を構成する樹脂マトリ
ックスが熱硬化性樹脂の場合は、未硬化状態(Bステー
ジ状態)の接着剤層を熱硬化して硬化状態(Cステージ
状態)とし、その後、前記接着剤層の表面部分に分散し
ている熱硬化性微粉末の少なくとも一部を、酸や酸化剤
で溶解除去して接着剤層の表面を粗化し、その後、常法
により無電解めっきを施し、一方、接着剤溶液を構成す
る樹脂マトリックスが感光性樹脂の場合は、基板上に形
成させた未硬化状態(Bステージ状態)の接着剤層にフ
ォトマスクを密着させ、光硬化して硬化状態(Cステー
ジ状態)とし、その後、不要な部分を現像処理し、バイ
ヤホール用の穴などを形成して、上述した方法と同様に
して無電解めっきを施すことを特徴とするアディティブ
プロセスが適用される。なお、感光性樹脂を用いた場合
は、ビルドアップ多層配線板を製造するのに効果的であ
る。
【0047】ここで、接着剤層を粗化する酸化剤として
は、クロム酸やクロム酸塩,過マンガン酸塩,オゾンな
どがよく、酸としては、塩酸や硫酸,有機酸などがよ
い。
【0048】また、上記無電解めっきとしては、例えば
無電解銅めっき,無電解ニッケルめっき,無電解スズめ
っき,無電解金めっきおよび無電解銀めっきなどを挙げ
ることができ、特に無電解銅めっき,無電解ニッケルめ
っきおよび無電解金めっきのいずれか少なくとも1種で
あることが好適である。
【0049】なお、本発明の製造方法においては、前記
無電解めっきを施した上に、さらに異なる種類の無電解
めっきあるいは電気めっきを行ったり、ハンダをコート
したりすることもできる。
【0050】さらに、上述したような本発明の製造方法
により得られる配線板は、既知のプリント配線板につい
て実施されている種々の方法でも導体回路を形成するこ
とができ、例えば基板に無電解めっきを施してから回路
をエッチングする方法や無電解めっきを施す際に直接回
路を形成する方法などを適用することができる。
【0051】
【実施例】
(実施例1) (1) メラミン樹脂1275重量部と37%ホルマリン1366重量
部と水730 重量部を混合し、10%炭酸ナトリウムにてpH
=9.0 に調整し、90℃で60分間保持した後、メタノール
を109 重量部加えた。 (2) この樹脂液を噴霧乾燥法にて乾燥し、粉末状の樹脂
を得た。 (3) 樹脂粉末と離型剤、硬化触媒をボールミルにて粉砕
混合し、上記樹脂の混合粉末を得た。 (4) 上記の混合粉を150 ℃に加熱した金型中に入れて、
250 kg/cm2の圧力をかけて60分間保持して成形体を得
た。なお、成形中は金型を開いてガス抜きを行った。 (5) 上記成形品はボールミルにて粉砕し、粒径0.5 μm
と5.5 μmの耐熱性樹脂微粉末を得た。 (6) 次に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(日本
化薬製:分子量3600、mp=90℃)60重量部、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(油化シェル製:分子量900 、mp
=64℃)40重量部およびイミダゾール系硬化剤(四国化
成製)5重量部をブチルセロソルブアセテートに溶解し
て、樹脂マトリックス組成物を得た。そして、この組成
物の固形分100 重量部に対して、前記(5) で作成した微
粉末を粒径0.5 μmのものを15重量部、粒径5.5 μmの
ものを30重量部の割合でボールミルにて混合し、さらに
ブチルセルソルブアセテートを添加して固形分濃度60%
の接着剤溶液を調製した。この溶液の粘度は、JIS K711
7 に準じ、東京計器製デジタル粘度計(DVL-B )を用
い、20℃、60秒間測定したところ、60rpm で0.2 Pa・s
であった。 (7) この接着剤溶液を、表面にシリコンコートを施した
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム14上に
ドクターブレード16で塗布し、IR炉15で80℃で20分乾
燥させ、Bステージ状態とし、さらにポリエチレンのカ
バーフィルム11(接着剤表面を保護するため)を貼り合
わせて接着剤シートを作成した(図1(a) 参照)。 (8) 次に、ガラスエポキシ基板1を研磨により両面を粗
化し、2〜3μmの粗面を形成した後、この基板粗化面
上に、前記(7) で作成した接着剤シートを重ね合わせ、
80℃、3kg/cm 2 で加圧加熱した(図1(b),(c) 参
照)。 (9) 前記(8) の処理を終えた接着剤シート付基板1を、
クロム酸(CrO3 )500g/l水溶液からなる酸化剤に70
℃で15分間浸漬して接着剤層2の表面を粗化してから、
中和溶液(シプレイ社製)に浸漬して水洗した。粗化さ
れた接着剤層2を有する基板1に対しパラジウム触媒
(シプレイ社製)を付与して絶縁層2の表面を活性化さ
せた(図1(d) 参照)。 (10)前記基板1を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)中で12
0 ℃で30分間、触媒固定化のための熱処理を行った。そ
の後、感光性のドライフィルムをラミネートし、露光し
た後、変成クロロセンで現像し、めっきレジスト3(厚
さ40μm)を形成した(図1(e) 参照)。 (11)さらに、(10)の処理を終えた基板1を、表1に示す
組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、めっき膜4
の厚さ25μmの無電解銅めっきを施し、プリント配線板
を製造した(図1(f) 参照)。
【0052】
【表1】
【0053】(実施例2) (1) 実施例1の(1) 〜(5) と同様にして得られたメラミ
ン樹脂微粉末(平均粒径3.9 μm)200gを5lのアセト
ン中に分散させたメラミン樹脂粒子懸濁液中へ、ヘンシ
ェルミキサー(三井三池化工機製)内で攪拌しながら、
実施例1の(1)〜(5) と同様にして得られたメラミン樹
脂微粉末(平均粒径0.5 μm)300 gをアセトン1lに
対してメラミン樹脂を30g の割合でアセトン溶液中に分
散させた懸濁液を滴下することにより、上記メラミン樹
脂粒子表面にメラミン樹脂微粉末を付着せしめた後、上
記アセトンを除去し、その後、150 ℃に加熱して、擬似
粒子を作成した。この擬似粒子は、平均粒径が約4.3 μ
mであり、約75重量%が、平均粒径を中心として±2μ
mの範囲に存在していた。 (2) 前記(1) で作成した擬似粒子50重量部、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量2500
mp=60℃)30重量部、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂(油化シェル製、分子量700 、mp=40℃)40重量
部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、
分子量500 、mp=25℃)30重量部およびイミダゾール系
硬化剤(四国化成製)5重量部からなる混合物にブチル
カルビトールを添加し、固形分濃度が50%になるように
ボールミルにて調整し、接着剤溶液を調製した。この溶
液の粘度は、JIS K7117 に準じ、東京計器製デジタル粘
度計(DVL-B )を用い、20℃、60秒間測定したところ、
60rpm で0.1 Pa・s であった。 (3) この接着剤溶液を、ドクターブレード16でテドラー
フィルム12(デュポン製)表面に塗布し、連続炉で100
℃で5分乾燥させ、Bステージ状態とし、ポリエチレン
のカバーフィルム11(接着剤表面を保護するため)を貼
り合わせて接着剤シートを作成した(図2(a) 参照)。 (4) 実施例1(8) 〜(11)と同様にしてプリント配線板を
製造した(図2参照)。
【0054】(実施例3) (1) 実施例1の(1) と同様にして得られたメラミン樹脂
微粉末(平均粒径3.9μm)を熱風乾燥機内に装入し、1
80 ℃で3時間加熱処理して凝集結合させた。この凝集
結合させたメラミン樹脂微粉末を、アセトン中に分散さ
せ、ボールミルにて5時間解砕した後、風力分級機を使
用して分級し、凝集粒子を作成した。この凝集粒子は、
平均粒径が約3.5 μmであり、約68重量%が、平均粒径
を中心として±2μmの範囲に存在していた。 (2) 前記(1) で作成した凝集粒子50重量部、特殊官能性
エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量3200、mp=60℃)80
重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
製、分子量500 、mp=25℃)20重量部およびキャアゾー
ル硬化剤(四国化成製)7重量部をブチルカルビトール
に溶解し、固形分濃度65%の接着剤溶液を調製した。こ
の溶液の粘度は、JIS 7117に準じ、東京計器製デジタル
粘度計(DVL-B )を用い、20℃、60秒間測定したとこ
ろ、60rpm で0.3 Pa・s であった。 (3) 前記(2) で調製した接着剤溶液を、ドクターブレー
ド16を用いて、市販のプリプレグ13上に塗布し、100 ℃
で5分乾燥させBステージ状態とし、ポリエチレンのカ
バーフィルム11(接着剤表面を保護するため)を貼り合
わせ、さらにその接着剤層2を保護するためのPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム14を貼り合わ
せて、接着剤シートを作成した(図3(a) 参照)。 (4) カバーフィルム11を剥しながら、市販のプリプレグ
5枚と上記接着剤シートを、接着剤層2と接触するよう
に上下に重ね合わせ、150 ℃、50kg/cm2、200分加圧
し、その後、PET(ポリエチレンテレフタレート)フ
ィルム14を剥離して両面に接着剤層2が形成された絶縁
基板1を得た(図3(b),(c) 参照)。 (5) 次に、前記(4) の処理を終えた接着剤シート付基板
1を、ドリルにより削孔し、6N塩酸水溶液からなる酸
に70℃で15分間浸漬して接着剤層2の表面を粗化してか
ら、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬して水洗した。そ
して、粗化された接着剤層2を有する基板1に対しパラ
ジウム触媒(シプレイ社製)を付与して接着剤層2の表
面を活性化させた(図3(d),(e) 参照)。 (6) 前記基板1を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)中で12
0 ℃で30分間、触媒固定化のための熱処理を行った。そ
の後、感光性のドライフィルムをラミネートし、露光し
た後、変成クロロセンで現像し、めっきレジスト3(厚
さ40μm)を形成した(図3(f) 参照)。 (7) さらに、(6) の処理を終えた基板1を表1に示す組
成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、両面にめっき
膜4の厚さ30μmの無電解銅めっきを施し、導体回路と
スルーホールを形成し、両面プリント配線板を製造した
(図3(f) 参照)。
【0055】(実施例4) (1) 本実施例は基本的には実施例1と同様であるが、特
殊3官能性エポキシ樹脂(分子量3000、mp=80℃)50重
量部、ノボラック型多官能エポキシ樹脂(分子量500 、
mp=35℃)50重量部およびイミダゾール系硬化剤(四国
化成製)7重量部をブチルセロソルブアセテートに溶解
して樹脂マトリックス組成物を得た。この組成物の固形
分100 重量部に対して、実施例1(1) 〜(5) と同様の方
法で作成した微粉末を粒径0.5 μmのものを15重量部、
粒径5.5 μmのものを30重量部の割合でボールミルにて
混合し、さらにブチルセルソルブアセテートを添加して
固形分濃度45%の接着剤溶液を調製した。この溶液の粘
度は、JIS K7117 に準じ、東京計器製デジタル粘度計
(DVL-B )を用い、20℃、60秒間測定したところ、60rp
m で0.1 Pa・s であった。 (2) この接着剤溶液を用いて、実施例1と同様にしてプ
リント配線板を製造した(図1参照)。
【0056】(実施例5) (1) ガラスエポキシ銅張積層板(東芝ケミカル製)に感
光性ドライフィルム(デュポン製)をラミネートし、所
望の導体回路パターンが描画されたマスクフィルムを通
して紫外線露光させ画像を焼きつける。ついで1、1、
1ートリクロロエタンで現像を行い、塩化第二銅エッチ
ング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンク
ロリドでドライフィルムを剥離する。これにより、複数
の導体パターンからなる第一導体層を有する配線板1′
を得た(図4(a) 参照)。 (2) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の50%アクリ
ル化物80重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂20重
量部、2-メチル -4-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-
モリフォリノプロパノン-1(チババイギー製)4重量
部、ジアリルテレフタレート15重量部、イミダゾール系
硬化剤(四国化成)4重量部および中空メラミン樹脂微
粉末(ホーネン製:粒径2μm)50重量部を混合した
後、レベリング剤を添加し、さらにブチルセルソルブを
添加しながら、ホモディスパー攪拌機で攪拌し、次い
で、ボールミルで混練して固形分濃度50%の感光性接着
剤溶液を調製した。この溶液の粘度は、JIS 7117に準
じ、東京計器製デジタル粘度計(DVL-B )を用い、20
℃、60秒間測定したところ、60rpm で0.5 Pa・s であっ
た。 (3) 前記接着剤溶液を、シリコンコートを施したポリプ
ロピレンフィルム12上に実施例1と同様に塗布し、感光
性接着剤シートを作成した。 (4) 次に、上記(1) で作成した配線板1′上に、前記
(3) で作成した感光性接着剤シートを重ね合わせ、80
℃、圧力3kg/cm 2 で加圧加熱した(図4(b),(c)参
照)。 (5) 前記(4) の処理を終えた接着剤シート付配線板1′
に、100 μmΦの黒円が印刷されたフォトマスクフィル
ムを密着させ、超高圧水銀灯により500mj/cm2で露光し
た。これを、クロロセン溶液で超音波現像現像処理する
ことにより、配線板上に100 μmΦのバイアホールとな
る開口を形成し、さらに、超高圧水銀灯により約3000mj
/cm 2 で露光し、100 ℃で1時間、その後150 ℃で10時
間加熱処理することによりフォトマスクフィルムに相当
する寸法精度に優れた開口7を有する層間絶縁層2′を
形成した(図4(d) 参照)。 (6) 前記(5) の処理を終えた配線板1′を、クロム酸
(CrO3 )500g/l水溶液からなる酸化剤に70℃で15分
間浸漬して層間絶縁層2′の表面を粗化してから、中和
溶液(シプレイ社製)に浸漬して水洗した。粗化された
層間絶縁層2′を有する配線板1′に対してパラジウム
触媒(シプレイ社製)を付与して絶縁層2′の表面を活
性化させた(図4(d) 参照)。 (7) 前記配線板1′を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)中
で120 ℃で30分間、触媒固定化のための熱処理を行っ
た。その後、感光性のドライフィルムをラミネートし、
露光した後、変成クロロセンで現像し、めっきレジスト
3(厚さ40μm)を形成した(図4(e) 参照)。 (8) さらに、前記(7) の処理を終えた配線板1′を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、め
っき膜6の厚さ25μmの無電解銅めっきを施した。 (9) めっきレジスト3をメチレンクロライドで溶解除去
した(図4(f) 参照)。 (10)上記(4) 〜(8) を繰り返し、4層(4,6,8,10)のビ
ルドアップ多層プリント配線板を製造した(図4(g) 参
照)。
【0057】(実施例6) (1) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の50%アクリ
ル化物(油化シェル製)60重量部、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(油化シェル製)40重量部、2−メチル−
4−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリフォリ
ノプロパノン−1(チババイギー製)4重量部およびイ
ミダゾール系硬化剤(四国化成製)4重量部をブチルセ
ロソルブアセテートに溶解し、この組成物の固形分100
重量部に対して、ボールミルで粉砕したメラミン樹脂微
粉末(ホーネン製)を粒径0.5 μmのものを15重量部、
粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で、ボールミルに
て混合し、さらにブチルセルソルブアセテートを添加し
て固形分濃度45%の接着剤溶液を調製した。この溶液の
粘度は、JIS K7117 に準じ、東京計器製デジタル粘度計
(DVL-B )を用い、20℃、60秒間測定したところ、60rp
m で0.1 Pa・s であった。 (2) この接着剤溶液を、実施例5と同様にして感光性接
着剤シートとし、ビルドアップ多層プリント配線板を製
造した(図4参照)。
【0058】(実施例7) (1) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の75%アクリ
ル化物(油化シェル製)50重量部、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(ダウケミカル)50重量部およびイミダゾ
ール系硬化剤(四国化成製)5重量部をブチルセロソル
ブアセテートに溶解し、この組成物の固形分100 重量部
に対して、ボールミルで粉砕したメラミン樹脂微粉末
(ホーネン製)を粒径0.5 μmのものを15重量部、粒径
5.5 μmのものを30重量部の割合で、ボールミルにて混
合し、さらにブチルセルソルブアセテートを添加して固
形分濃度50%の接着剤溶液を調製した。この溶液の粘度
は、JIS K7117 に準じ、東京計器製デジタル粘度計(DV
L-B )を用い、20℃、60秒間測定したところ、60rpm で
0.3 Pa・s であった。 (2) 次に、この接着剤溶液を、シリコンコーティングを
施したテドラーフィルム12上にロールコータで塗布し、
80℃で30分間加熱乾燥させ、感光性接着剤シートを作成
した。 (3) この接着剤シートを用いて、実施例5と同様にし
て、ビルドアップ多層プリント配線板を製造した(図4
参照)。
【0059】(実施例8) (1) 本実施例は、基本的には実施例5と同じであるが、
オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製)の50%アクリル化物60重量部、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂40重量部、ジアリルテレフタレート15重量
部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパノン−1(チバ・ガイギー
製)4重量部、イミダゾール系硬化剤(四国化成)4重
量部、光開始剤(チバガイギー製)および中空メラミン
樹脂微粉末(ホーネン製:粒径2μm)50重量部を混合
した後、ブチルセルソルブを添加しながら、ホモディス
パー攪拌機で攪拌し、ボールミルで混練して固形分濃度
50%の感光性接着剤溶液を調製した。この溶液の粘度
は、JIS K7117 に準じ、東京計器製デジタル粘度計(DV
L-B )を用い、20℃、60秒間測定したところ、60rpm で
0.2 Pa・s であった。 (2) この接着剤溶液を用いて、実施例5と同様にして、
接着剤シートならびに多層プリント配線板を製造した
(図4参照)。
【0060】(実施例9)本実施例は、基本的には実施
例5と同じであるが、接着剤溶液として、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製)60重量部、2
官能性のアクリル樹脂(油化シェル製)40重量部および
イミダゾール系硬化剤(四国化成製)5重量部をブチル
セロソルブアセテートに溶解し、この組成物の固形分10
0 重量部に対して、メラミン樹脂微粉末を粒径0.5 μm
のものを15重量部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割
合で混合し、3本ロールにて混練した後、さらにブチル
セルソルブアセテートを添加して固形分濃度60%に調整
したものを使用した。
【0061】(実施例10)本実施例は、基本的には実
施例5と同じであるが、接着剤溶液として、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製)の60%アク
リル化物60重量部、2官能性のアクリル樹脂(油化シェ
ル製)40重量部およびイミダゾール系硬化剤(四国化成
製)5重量部をブチルセロソルブアセテートに溶解し、
この組成物の固形分100 重量部に対して、メラミン樹脂
微粉末を粒径0.5 μmのものを15重量部、粒径5.5 μm
のものを30重量部の割合で混合し、3本ロールにて混練
した後、さらにブチルセルソルブアセテートを添加して
固形分濃度65%に調整したものを使用した。
【0062】(実施例11)本実施例は、基本的には実
施例5と同じであるが、接着剤溶液として、アクリル樹
脂(油化シェル製)60重量部、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(油化シェル製)40重量部およびイミダゾール
系硬化剤(四国化成製)5重量部をブチルセロソルブア
セテートに溶解し、この組成物の固形分100 重量部に対
して、メラミン樹脂微粉末を粒径0.5 μmのものを15重
量部、粒径5.5 μmのものを50重量部の割合で混合し、
3本ロールにて混練した後、さらにブチルセルソルブア
セテートを添加して固形分濃度65%に調整したものを使
用した。
【0063】(実施例12)本実施例は、基本的には実
施例5と同じであるが、接着剤溶液として、アクリル樹
脂(油化シェル製)60重量部、2官能性のアクリル樹脂
(油化シェル製)40重量部およびイミダゾール系硬化剤
(四国化成製)5重量部をブチルセロソルブアセテート
に溶解し、この組成物の固形分100 重量部に対して、メ
ラミン樹脂微粉末を粒径0.5 μmのものを15重量部、粒
径5.5 μmのものを30重量部の割合で混合し、3本ロー
ルにて混練した後、さらにブチルセルソルブアセテート
を添加して固形分濃度55%に調整したものを使用した。
【0064】(実施例13)本実施例は、基本的には実
施例5と同じであるが、接着剤溶液として、アクリル樹
脂(新中村化学製)100 重量部、およびイミダゾール系
硬化剤(四国化成製)5重量部をブチルセロソルブアセ
テートに溶解し、この組成物の固形分100 重量部に対し
て、メラミン樹脂微粉末を粒径0.5 μmのものを15重量
部、粒径5.5μmのものを30重量部の割合で混合し、3
本ロールにて混練した後、さらにブチルセルソルブアセ
テートを添加して固形分濃度55%に調整したものを使用
した。
【0065】(実施例14) (1) グアナミン1モルに対してホルマリンを1.2 〜1.6
モルを混合し、PHを 6.5に調整し、60℃で反応させて透
明な樹脂液を得た。 (2) この樹脂液を乾燥した後、粗粉砕し、リン酸、可塑
剤とともにボールミルに入れ、硬化と同時に微粉砕を行
ってグアナミン樹脂微粉末を得た。 (3) 本実施例は、基本的には実施例1と同様であるが、
アミノ樹脂微粉末として、上記(1),(2) で得られたグア
ナミン樹脂微粉末を使用した。また、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂100 重量部を使用し、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂は使用しなかった。なお、本実施例
での接着剤溶液の粘度は、JIS−K7117に準じ、東京
計器製デジタル粘度計を用い、20℃、60秒間測定したと
ころ、6rpm で 5.0 Pa ・s であった。
【0066】(実施例15) (1) 尿素、イソチオ尿素およびホルマリンを1:1:2
のモル比で混合し、この混合物を80℃で加熱処理し、共
縮合させて尿素−チオ尿素共縮合樹脂微粉末を得た。 (2) 本実施例は、基本的には実施例7と同様であるが、
アミノ樹脂微粉末として、上記(1) で得られた尿素−チ
オ尿素共縮合樹脂微粉末を使用した。また、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂の75%アクリル化物100 重量
部を使用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は使用し
なかった。なお、本実施例での接着剤溶液の粘度は、J
IS−K7117に準じ、東京計器製デジタル粘度計を用
い、20℃、60秒間測定したところ、6rpm で0.05 Pa ・
s であった。
【0067】(比較例1)基本的には実施例1と同じで
あるが、耐熱性樹脂微粉末として、無水ピロメリット酸
で硬化させたエポキシ樹脂を使用した。
【0068】(比較例2) (1) 実施例1の(1) 〜(5) と同様の方法でメラミン樹脂
微粉末を得た。 (2) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェル製)40重量部およびイミダゾール系硬化剤(四国
化成製)5重量部をブチルセロソルブアセテートに溶解
し、この組成物の固形分100 重量部に対して、前記(1)
で得られた微粉末を粒径0.5 μmのものを15重量部、粒
径5.5 μmのものを30重量部の割合で混合し、3本ロー
ルにて混練した後、さらにブチルセルソルブアセテート
を添加して固形分濃度75%の接着剤溶液を調製した。こ
の溶液の粘度は、JIS K7117 に準じ、東京計器製デジタ
ル粘度計(DVL-B )を用い、20℃、60秒間測定したとこ
ろ、6rpm で5.2 Pa・s 、60rpm で2.5 Pa・s であっ
た。SVI値は、2であった。 (3) ガラスエポキシ基板を研磨により粗化し、2〜3μ
mの粗面を形成した後、前記(2) で調製した感光性樹脂
組成物の溶液をロールコーターを用いて塗布した。この
時の塗布方法は、コーティングロールとして、中高粘度
用レジスト用コーティングロール(大日本スクリーン
製)を用い、コーティングローラ、ドクターバー間を0.
4mm 、コーティングローラ、バックアップローラ間を1.
4mm 、搬送速度400mm/s であった。水平状態で20分放置
した後、70℃で乾燥させて厚さ約50μmの接着剤層を形
成した。 (4) 前記(3) の基板を、クロム酸(CrO3 )500g/l水
溶液からなる酸化剤に70℃で15分間浸漬して接着剤層の
表面を粗化してから、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬
して水洗した。粗化された接着剤層を有する基板に対し
パラジウム触媒(シプレイ社製)を付与して絶縁層の表
面を活性化させた。 (5) 前記基板を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)中で120
℃で30分間、触媒固定化のための熱処理を行った。その
後、感光性のドライフィルムをラミネートし、露光した
後、変成クロロセンで現像し、めっきレジスト(厚さ40
μm)を形成した。 (6) さらに、前記(5) の処理を終えた基板を、表1に示
す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、めっき膜
の厚さ25μmの無電解銅めっきを施し、プリント配線板
を製造した。
【0069】上述のようにして製造した配線板の無電解
めっき膜の密着性,電気特性,硬度および不純物の影響
(耐マイグレーション性)等を測定したところ、表2に
示す結果となった。
【0070】この表2から明らかなように、比較例1で
使用したトリメット酸無水物で硬化させたエポキシ樹脂
は、酸や酸化剤に対する溶解度が低いため、本発明の実
施例にかかるアミノ樹脂の場合に比べて低いピール強度
を示した。さらに、本発明の場合には、マイグレーショ
ン反応が観察されなかった。
【0071】次に、プリント配線板の生産性の指標とな
る接着剤形成時間を比較すると、表2から明らかなよう
に、比較例2の接着剤を塗布する方法では、接着剤溶液
の粘度やチキソ性などの塗布条件を管理しなければなら
ないので、本発明の接着剤シートを用いる方法に比べ
て、生産性が著しく劣ることが判った。
【0072】
【表2】
【0073】なお、無電解めっき膜の密着強度(ピール
強度),電気絶縁性,硬度および不純物の影響(耐マイ
グレーション特性)についての各試験方法を説明する。 (1) 無電解めっき膜の密着強度(ピール強度) JIS−C−6481 (2) 電気絶縁 プリント配線板に形成されているL/S=25/25μmの
くし型パターンに直流電圧または周波数50Hzもしくは60
Hzで正弦波交流のせん頭電圧を用い、500Vを印加する。
電圧の印加は約5秒間で規定電圧までに徐々に上昇さ
せ、1分間充電し、機械的損傷,フラッシュオーバーよ
おび絶縁破壊(0.5mA 以上の電流を流した場合)などの
異常の有無を調べる。 (3) 硬度(バーコル硬度) 装置:形式A アルミ合金製基準片の指示値85〜87(硬質), 43〜48
(軟質) 機種:GYZJ934−1 調整:ガラス板を用い、100 ±1の指示値になるように
調整し、次にアルミ合金製の基準片を用い、基準片指示
値になるように調整する。 操作:硬さ試験機の圧子が試料面に対して垂直になるよ
うに押しつけ、最大値の指示値を読み取る。測定位置
は、試料端から3mm以上内側の平滑な面であること。
また、同じ試料で測定する場合は、規定によってできた
窪みから3mm以上離れていること。 測定:基板を150 ℃に加熱し、5分間保ち、硬度を測定
する。 (4) 不純物の影響(耐マイグレーション) 試験片:L/S=50/50μmのくし型が形成されたプリ
ント配線板 測定 :温度85±1℃,相対湿度85〜90%の恒温恒湿槽
の中に入れ、バイアス30Vをかけ放置する。1000hr後パ
ターン間にマイグレーショ
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の接着剤シ
ートとこの接着剤シートを用いた配線板の製造方法によ
れば、アミノ樹脂を耐熱性樹脂微粉末として使用するこ
とにより、マイグレーション反応を引き起こすことな
く、使用環境に作用されることのないプリント配線板を
容易に製造することができる。さらに、配線板用接着剤
として、フィルム状の接着剤層を有する接着剤シートを
採用することにより、無電解めっき性を損なうことな
く、プリント配線板の生産性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す工程図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す工程図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す工程図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す工程図である。
【符号の説明】
1,1′ 基板(配線板) 2,2′ 接着剤層 3 めっきレジスト 4,6,8,10 めっき膜(導体層) 5 スルーホール用孔 7 バイアホール用開口 11 ポリエチレンフィルム 12 ポリプロピレンフィルム, テドラーフィルム 13 プリプレグ 14 PETフィルム 15 乾燥炉(IR炉) 16 ドクターブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/18 A 7511−4E 3/38 E 7011−4E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸あるいは酸化剤に対して可溶性の予め
    硬化処理したアミノ樹脂微粉末を、硬化処理を受けると
    酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を示す未硬
    化状態の樹脂マトリックス中に分散させてなる接着剤層
    が、ベースフィルム上に形成されている接着剤シート。
  2. 【請求項2】 上記樹脂マトリックスは、熱硬化性耐熱
    性樹脂もしくは感光性耐熱性樹脂のいずれかである請求
    項1に記載の接着剤シート。
  3. 【請求項3】 アミノ樹脂微粉末は、メラミン樹脂,尿
    素樹脂およびグアナミン樹脂のうちから選ばれるいずれ
    か1種または2種以上の樹脂微粉末である請求項1に記
    載の接着剤シート。
  4. 【請求項4】 基板上に、無電解めっき用接着剤層を形
    成し、この接着剤層の表面を粗化した後、無電解めっき
    を施して導体回路を形成してプリント配線板を製造する
    方法において、 前記基板上に、酸あるいは酸化剤に対して可溶性の予め
    硬化処理したアミノ樹脂微粉末を、硬化処理を受けると
    酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を示す未硬
    化状態の熱硬化性耐熱性樹脂マトリックス中に分散させ
    てなる接着剤層をベースフィルム上に形成してなる接着
    剤シートを、この接着剤シートの接着剤層が基板に面す
    るように重ね合わせ、ついで加圧加熱した後、前記ベー
    スフィルムを剥離して接着剤層とし、その後、粗化して
    から無電解めっきを施すことを特徴とするプリント配線
    板の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板上に、無電解めっき用感光性接着剤
    層を形成し、この接着剤層を露光した後、その表面を粗
    化し、無電解めっきを施して導体回路を形成してプリン
    ト配線板を製造する方法において、 前記基板上に、酸あるいは酸化剤に対して可溶性の予め
    硬化処理したアミノ樹脂微粉末を、硬化処理を受けると
    酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を示す未硬
    化状態の感光性耐熱性樹脂マトリックス中に分散させて
    なる接着剤層をベースフィルム上に形成してなる接着剤
    シートを、この接着剤シートの接着剤層が基板に面する
    ように重ね合わせ、ついで加圧加熱した後、前記ベース
    フィルムを剥離して接着剤層とし、その後、露光し、硬
    化させた後、粗化してから無電解めっきを施すことを特
    徴とするプリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の基板表面に接着剤層を
    設けて、その上に導体回路を形成してなるプリント配線
    板において、前記接着剤層が、 硬化処理済のアミノ樹脂微粉末を、硬化処理を受けると
    酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を示す未硬
    化状態の耐熱性樹脂マトリックス中に分散させてなる接
    着剤層を、剥離除去されるベースフィルム上に形成して
    なる接着剤シートを貼着したものにて形成されているこ
    とを特徴とするプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007168020A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Fujitsu Ltd 樹脂層の形成方法及びめっき方法
WO2009063883A1 (ja) * 2007-11-13 2009-05-22 Seiren Co., Ltd. 導電性細線の形成方法
JP2016040392A (ja) * 2010-03-09 2016-03-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 耐熱老化性ポリアミド

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