JPH05295259A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH05295259A JPH05295259A JP12276392A JP12276392A JPH05295259A JP H05295259 A JPH05295259 A JP H05295259A JP 12276392 A JP12276392 A JP 12276392A JP 12276392 A JP12276392 A JP 12276392A JP H05295259 A JPH05295259 A JP H05295259A
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- JP
- Japan
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- copolymer
- resin
- weight
- resin composition
- heat resistance
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリアリーレンスルフィド樹脂5〜95重量
%とフッ素樹脂95〜5重量%とからなる樹脂混合物1
00重量部およびメタクリル酸メチルとα,β−不飽和
酸のグリシジルエステルとの共重合体1〜50重量部か
らなり、該フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデン5〜95
重量%と四フッ化エチレンの単独重合体または共重合体
95〜5重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物。 【効果】 上記組成物から得られる成形品は、良好な耐
熱性および耐薬品性を有し、さらに、優れた摺動特性お
よび機械的性質を有している。
%とフッ素樹脂95〜5重量%とからなる樹脂混合物1
00重量部およびメタクリル酸メチルとα,β−不飽和
酸のグリシジルエステルとの共重合体1〜50重量部か
らなり、該フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデン5〜95
重量%と四フッ化エチレンの単独重合体または共重合体
95〜5重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物。 【効果】 上記組成物から得られる成形品は、良好な耐
熱性および耐薬品性を有し、さらに、優れた摺動特性お
よび機械的性質を有している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業用材料、特に耐熱
性および耐薬品性ならびに高い摺動特性が要求される工
業用材料として有用な、フッ素樹脂とポリアリーレンス
ルフィドとを主成分とする熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
性および耐薬品性ならびに高い摺動特性が要求される工
業用材料として有用な、フッ素樹脂とポリアリーレンス
ルフィドとを主成分とする熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリフッ化ビニリデンは耐薬品性に優る
ため、耐薬品性が要求される分野で広く用いられている
が、融点が約170℃と低く、約150℃を超える高温
条件下ではその強度が大巾に低下するため、耐熱性が要
求される分野では実用化されていない。
ため、耐薬品性が要求される分野で広く用いられている
が、融点が約170℃と低く、約150℃を超える高温
条件下ではその強度が大巾に低下するため、耐熱性が要
求される分野では実用化されていない。
【0003】一方、ポリフェニレンスルフィド樹脂(以
下、PPS樹脂という。)で代表されるポリアリーレン
スルフィド樹脂(以下、PAS樹脂という。)は耐熱性
に優れている。PPS樹脂の融点は約280℃と高く、
150℃以上の高温下でも十分実用的に許容される機械
的性質を持っている。PAS樹脂は結晶性高分子であっ
て、比較的耐薬品性にも優れているが、ポリフッ化ビニ
リデンと比較すると耐薬品性に劣り、特にハロゲン化炭
化水素、硝酸等の溶媒に弱い。また、PAS樹脂は溶融
粘度が低いために押出成形性が悪く、パイプその他の押
出成形品を得るには好ましい樹脂材料とは言い難い。
下、PPS樹脂という。)で代表されるポリアリーレン
スルフィド樹脂(以下、PAS樹脂という。)は耐熱性
に優れている。PPS樹脂の融点は約280℃と高く、
150℃以上の高温下でも十分実用的に許容される機械
的性質を持っている。PAS樹脂は結晶性高分子であっ
て、比較的耐薬品性にも優れているが、ポリフッ化ビニ
リデンと比較すると耐薬品性に劣り、特にハロゲン化炭
化水素、硝酸等の溶媒に弱い。また、PAS樹脂は溶融
粘度が低いために押出成形性が悪く、パイプその他の押
出成形品を得るには好ましい樹脂材料とは言い難い。
【0004】耐熱性と耐薬品性に優れた工業材料を得る
ためにポリフッ化ビニリデンとPAS樹脂とを単にブレ
ンドしても、これら両樹脂は相溶性に劣るため、両樹脂
のブレンドから得られる成形品は機械的強度に劣るもの
であった。さらに、ポリフッ化ビニリデンとPAS樹脂
とのブレンドから得られる成形品は、摺動特性に劣って
おり、摺動材として利用することはできない。
ためにポリフッ化ビニリデンとPAS樹脂とを単にブレ
ンドしても、これら両樹脂は相溶性に劣るため、両樹脂
のブレンドから得られる成形品は機械的強度に劣るもの
であった。さらに、ポリフッ化ビニリデンとPAS樹脂
とのブレンドから得られる成形品は、摺動特性に劣って
おり、摺動材として利用することはできない。
【0005】本発明の目的は、ポリフッ化ビニリデンと
PAS樹脂とをベースとする樹脂組成物であって、両樹
脂の相溶性がより一層向上し、耐熱性および耐薬品性に
優るのみならず、機械的性質および摺動特性が非常に優
れた成形品とするのに適合する熱可塑性樹脂組成物を提
供するにある。
PAS樹脂とをベースとする樹脂組成物であって、両樹
脂の相溶性がより一層向上し、耐熱性および耐薬品性に
優るのみならず、機械的性質および摺動特性が非常に優
れた成形品とするのに適合する熱可塑性樹脂組成物を提
供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、PAS樹
脂5〜95重量%とフッ素樹脂95〜5重量%とからな
る樹脂混合物100重量部およびメタクリル酸メチルと
α,β−不飽和酸のグリシジルエステルの共重合体1〜
50重量部からなり、該フッ素樹脂がポリフッ化ビニリ
デン5〜95重量%と四フッ化エチレンの単独重合体ま
たは共重合体95〜5重量%とからなることを特徴とす
る熱可塑性樹脂組成物によって達成される。
脂5〜95重量%とフッ素樹脂95〜5重量%とからな
る樹脂混合物100重量部およびメタクリル酸メチルと
α,β−不飽和酸のグリシジルエステルの共重合体1〜
50重量部からなり、該フッ素樹脂がポリフッ化ビニリ
デン5〜95重量%と四フッ化エチレンの単独重合体ま
たは共重合体95〜5重量%とからなることを特徴とす
る熱可塑性樹脂組成物によって達成される。
【0007】本発明で用いるPAS樹脂は、実質的に繰
り返し単位−R−S−(R:アリーレン基)からなるポ
リマーである。好ましくは、下記式
り返し単位−R−S−(R:アリーレン基)からなるポ
リマーである。好ましくは、下記式
【化1】 で表わされる繰返し単位からなるポリパラフェニレンス
ルフィド樹脂、ならびにこの繰返し単位を70モル%以
上、より好ましくは90モル%以上含むランダム共重合
体およびブロック共重合体である。共重合体中の少量共
重合成分としては、下記式で表わさるアリーレンスルフ
ィド単位が挙げられる。
ルフィド樹脂、ならびにこの繰返し単位を70モル%以
上、より好ましくは90モル%以上含むランダム共重合
体およびブロック共重合体である。共重合体中の少量共
重合成分としては、下記式で表わさるアリーレンスルフ
ィド単位が挙げられる。
【0008】
【化2】
【0009】PAS樹脂には、一般に、特公昭45−3
368号公報で代表される製造法により得られる比較的
分子量の小さい重合体を、重合後酸素雰囲気下で加熱
し、または過酸化物等の架橋剤を添加して加熱すること
により架橋および高分子量化した、いわゆる熱架橋型P
AS樹脂、および特公昭52−12240号公報、特公
昭54−8719号公報、特開昭61−7332号公報
で代表される製造法により得られる直鎖状で高分子量の
重合体、いわゆる直鎖型PAS樹脂等があるが、本発明
では、いずれも使用することができる。
368号公報で代表される製造法により得られる比較的
分子量の小さい重合体を、重合後酸素雰囲気下で加熱
し、または過酸化物等の架橋剤を添加して加熱すること
により架橋および高分子量化した、いわゆる熱架橋型P
AS樹脂、および特公昭52−12240号公報、特公
昭54−8719号公報、特開昭61−7332号公報
で代表される製造法により得られる直鎖状で高分子量の
重合体、いわゆる直鎖型PAS樹脂等があるが、本発明
では、いずれも使用することができる。
【0010】本発明で用いられるPAS樹脂の溶融粘度
は、射出成形や押出成形などの通常の方法で成形品を得
ることが可能であるば特に制限はないが、温度300
℃、ダイオリフィスL/D=10、荷重20kgで測定
したみかけの溶融粘度が概ね100ポアズ以上、50,
000ポアズ以下のものが、樹脂物性と成形性の面から
好ましい。本発明で用いられるポリフッ化ビニリデン
は、PAS樹脂と同様に、射出成形や押出成形などによ
って実用上支障のない機械的強度を有する成形品が得ら
れるのであれば格別限定されないが、一般に数平均分子
量10,000〜1,500,000のものが用いられ
る。
は、射出成形や押出成形などの通常の方法で成形品を得
ることが可能であるば特に制限はないが、温度300
℃、ダイオリフィスL/D=10、荷重20kgで測定
したみかけの溶融粘度が概ね100ポアズ以上、50,
000ポアズ以下のものが、樹脂物性と成形性の面から
好ましい。本発明で用いられるポリフッ化ビニリデン
は、PAS樹脂と同様に、射出成形や押出成形などによ
って実用上支障のない機械的強度を有する成形品が得ら
れるのであれば格別限定されないが、一般に数平均分子
量10,000〜1,500,000のものが用いられ
る。
【0011】本発明で用いられる四フッ化エチレンの重
合体は、単独重合体または、四フッ化エチレンを主成分
とし、これと共重合可能な他のフッ素含有もしくは非含
有単量体を劣成分とする共重合体である。一般に、得ら
れる樹脂組成物の溶融成形性を向上する目的で共重合体
が用いられる。四フッ化エチレンと共重合される単量体
としては、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ヘキ
サフルオロプロピレン、エチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルなどが挙げ
られる。これら単量体の種類および量は、得られる樹脂
組成物の摺動特性が損なわない範囲で適宜設定すればよ
い。
合体は、単独重合体または、四フッ化エチレンを主成分
とし、これと共重合可能な他のフッ素含有もしくは非含
有単量体を劣成分とする共重合体である。一般に、得ら
れる樹脂組成物の溶融成形性を向上する目的で共重合体
が用いられる。四フッ化エチレンと共重合される単量体
としては、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ヘキ
サフルオロプロピレン、エチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルなどが挙げ
られる。これら単量体の種類および量は、得られる樹脂
組成物の摺動特性が損なわない範囲で適宜設定すればよ
い。
【0012】PAS樹脂とフッ素樹脂との両樹脂に対し
相溶化剤として作用するメタクリル酸メチルとα,β−
不飽和酸のグリシジルエステルは、メタクリル酸メチル
と下記式で表されるグリシジルエステル
相溶化剤として作用するメタクリル酸メチルとα,β−
不飽和酸のグリシジルエステルは、メタクリル酸メチル
と下記式で表されるグリシジルエステル
【化3】 とのラジカル共重合により得られる共重合体である。上
記式中のRは水素または低級アルキル基であり、このグ
リシジルエステルの具体例としては、メタクリル酸グリ
シジル、アクリル酸グリシジルおよびエチルアクリル酸
グリシジルが挙げられる。これらの中でメタクリル酸グ
リシジルが最も好ましい。このラジカル共重合は、乳化
重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合のいずれによって
行うこともできる。メタクリル酸メチルと上記グリシジ
ルエステルとの共重合に際して、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、他の単量体、例えば、アクリル酸メチル、
スチレン、酢酸ビニルなどを共重合せしめることができ
る。
記式中のRは水素または低級アルキル基であり、このグ
リシジルエステルの具体例としては、メタクリル酸グリ
シジル、アクリル酸グリシジルおよびエチルアクリル酸
グリシジルが挙げられる。これらの中でメタクリル酸グ
リシジルが最も好ましい。このラジカル共重合は、乳化
重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合のいずれによって
行うこともできる。メタクリル酸メチルと上記グリシジ
ルエステルとの共重合に際して、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、他の単量体、例えば、アクリル酸メチル、
スチレン、酢酸ビニルなどを共重合せしめることができ
る。
【0013】メタクリル酸メチルとグリシジルエステル
との共重合比(モル比)は98/2〜20/80、特に
90/10〜40/60の範囲から選ぶことが好まし
い。共重合体の分子量は、樹脂成形品の機械的強度、耐
熱性、成形性を考慮して、その重量平均分子量が2,0
00〜1,000,000の範囲、特に5,000〜5
00,000の範囲であることが好ましい。
との共重合比(モル比)は98/2〜20/80、特に
90/10〜40/60の範囲から選ぶことが好まし
い。共重合体の分子量は、樹脂成形品の機械的強度、耐
熱性、成形性を考慮して、その重量平均分子量が2,0
00〜1,000,000の範囲、特に5,000〜5
00,000の範囲であることが好ましい。
【0014】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、P
AS樹脂とフッ素樹脂との割合は95/5〜5/95
(重量比)、好ましくは90/10〜10/90(重量
比)であり、このフッ素樹脂はポリフッ化ビニリデン5
〜95重量%、好ましくは10〜90重量%と四フッ化
エチレンの単独重合体または共重合体から95〜5重量
%、好ましくは90〜10重量%からなる。本発明の熱
可塑性樹脂組成物中のPAS樹脂、ポリフッ化ビニリデ
ンおよび四フッ化エチレンの重合体の相対的割合が上記
範囲より小さいと、それぞれ耐熱性、耐薬品性および摺
動特性が許容水準より低下する。
AS樹脂とフッ素樹脂との割合は95/5〜5/95
(重量比)、好ましくは90/10〜10/90(重量
比)であり、このフッ素樹脂はポリフッ化ビニリデン5
〜95重量%、好ましくは10〜90重量%と四フッ化
エチレンの単独重合体または共重合体から95〜5重量
%、好ましくは90〜10重量%からなる。本発明の熱
可塑性樹脂組成物中のPAS樹脂、ポリフッ化ビニリデ
ンおよび四フッ化エチレンの重合体の相対的割合が上記
範囲より小さいと、それぞれ耐熱性、耐薬品性および摺
動特性が許容水準より低下する。
【0015】相溶化剤であるメタクリル酸メチルとα,
β−不飽和酸のグリシジルエステルとの共重合体の配合
量は、フッ素樹脂とPAS樹脂との合計100重量部に
対し1〜50重量部、好ましくは3〜20重量部であ
る。この共重合体の配合量が1重量部未満では、相溶性
向上効果が認められず、樹脂組成物は機械的性質および
耐薬品性に劣る。逆に、共重合体の配合量が50重量部
を超えると樹脂組成物の熱的性質および機械的性質が低
下する。
β−不飽和酸のグリシジルエステルとの共重合体の配合
量は、フッ素樹脂とPAS樹脂との合計100重量部に
対し1〜50重量部、好ましくは3〜20重量部であ
る。この共重合体の配合量が1重量部未満では、相溶性
向上効果が認められず、樹脂組成物は機械的性質および
耐薬品性に劣る。逆に、共重合体の配合量が50重量部
を超えると樹脂組成物の熱的性質および機械的性質が低
下する。
【0016】本発明の樹脂組成物において、強度、耐熱
性、剛性および寸法安定性を改善するために、強化繊維
および/または無機充填材を配合することができる。強
化繊維としては、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル系
およびピッチ系などの炭素繊維、グラファイト繊維、チ
タン酸カリウム繊維、炭化ケイ素繊維、アスベスト繊
維、セラミック繊維、ステンレス繊維などの無機金属繊
維や芳香族ポリアミド(アラミド)繊維などの有機繊維
が挙げられる。無機充填材としては、カリオン、クレ
ー、ベントナイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タル
ク、ウオラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、黒鉛、セッコ
ウ、ガラス、ビーズ、ガラス・バルーンなどが挙げられ
る。必要ならばシラン系、チタネート系またはアルミネ
ート系などのカップリング剤でこれらの強化繊維および
無機充填材の表面を予備処理したうえ使用することがで
きる。強化繊維および無機充填材の配合量は、PAS樹
脂、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレンの重合体
とからなる樹脂混合物100重量部に基づき、それぞれ
100重量部以下および80重量部以下が好ましい。
性、剛性および寸法安定性を改善するために、強化繊維
および/または無機充填材を配合することができる。強
化繊維としては、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル系
およびピッチ系などの炭素繊維、グラファイト繊維、チ
タン酸カリウム繊維、炭化ケイ素繊維、アスベスト繊
維、セラミック繊維、ステンレス繊維などの無機金属繊
維や芳香族ポリアミド(アラミド)繊維などの有機繊維
が挙げられる。無機充填材としては、カリオン、クレ
ー、ベントナイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タル
ク、ウオラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、黒鉛、セッコ
ウ、ガラス、ビーズ、ガラス・バルーンなどが挙げられ
る。必要ならばシラン系、チタネート系またはアルミネ
ート系などのカップリング剤でこれらの強化繊維および
無機充填材の表面を予備処理したうえ使用することがで
きる。強化繊維および無機充填材の配合量は、PAS樹
脂、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレンの重合体
とからなる樹脂混合物100重量部に基づき、それぞれ
100重量部以下および80重量部以下が好ましい。
【0017】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的達
成に支障のない範囲で熱安定剤、紫外線吸収剤、発泡
剤、難燃剤、着色剤、離型剤、ガス吸着剤等を含有せし
めることができる。
成に支障のない範囲で熱安定剤、紫外線吸収剤、発泡
剤、難燃剤、着色剤、離型剤、ガス吸着剤等を含有せし
めることができる。
【0018】本発明の樹脂組成物は一般にペレットの形
態とされたうえ、主として射出成形および射出成形用の
成形原料として用いられる。ペレットの製造手段は特に
限定されるものではないが、PAS樹脂、ポリフッ化ビ
ニリデン、四フッ化エチレンの重合体、相溶化剤をタン
ブラーミキサー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサ
ー、Vブレンダーなどを用いてドライブレンドした後、
ニーダー、バンバリーミキサー、単軸または二軸の押出
機を用いて溶融混練し、押出し、切断してペレットとす
る。溶融混練には、特に混練力の大きい単軸および二軸
押出機が好ましい。この場合の溶融混練温度は280℃
〜350℃、好ましくは290〜330℃である。
態とされたうえ、主として射出成形および射出成形用の
成形原料として用いられる。ペレットの製造手段は特に
限定されるものではないが、PAS樹脂、ポリフッ化ビ
ニリデン、四フッ化エチレンの重合体、相溶化剤をタン
ブラーミキサー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサ
ー、Vブレンダーなどを用いてドライブレンドした後、
ニーダー、バンバリーミキサー、単軸または二軸の押出
機を用いて溶融混練し、押出し、切断してペレットとす
る。溶融混練には、特に混練力の大きい単軸および二軸
押出機が好ましい。この場合の溶融混練温度は280℃
〜350℃、好ましくは290〜330℃である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の樹脂組成物を実施例について
具体的に説明する。実施例において、樹脂組成物から得
られる成形品の耐熱性および機械的特性は、射出成形試
験片について次の方法に従って測定した。 曲げ弾性率 JIS K7203 引張強度 JIS K7113 熱変形温度 JIS K7207(18.6kg
荷重)
具体的に説明する。実施例において、樹脂組成物から得
られる成形品の耐熱性および機械的特性は、射出成形試
験片について次の方法に従って測定した。 曲げ弾性率 JIS K7203 引張強度 JIS K7113 熱変形温度 JIS K7207(18.6kg
荷重)
【0020】摺動特性としては、摩耗量W、摩擦係数μ
および限界PV値を評価した。それぞれの測定方法は次
のとおりである。シート状成形品を30mm×30mm
×3mmの大きさに切断し、摩擦面は研磨仕上げする。
相手材として機械構造用炭素鋼を用意し、内径20m
m、外径25.6mm、高さ15mmの円筒形とし、研
磨仕上げする。
および限界PV値を評価した。それぞれの測定方法は次
のとおりである。シート状成形品を30mm×30mm
×3mmの大きさに切断し、摩擦面は研磨仕上げする。
相手材として機械構造用炭素鋼を用意し、内径20m
m、外径25.6mm、高さ15mmの円筒形とし、研
磨仕上げする。
【0021】オリエンテック社製円筒端面型摩擦・摩耗
試験機を用いて摩擦速度60cm/sにて荷重を5kg
から30kgに変えたときの摩耗量W〔試験片の重量減
少(mg)〕を測定した。また、次式(1)によって摩
擦力F(kgf)を算出し、さらに摩擦力Fの測定結果
から次式(2)によって摩擦係数μを求めた。 摩擦力F=(R・f)/r (1) R:ロードセル中心と回転中心との距離(mm) f:ロードセル中心直下における荷重(kgf) r:相手材の半径(外径) 摩擦係数μ=F/P (2) P:荷重(kgf) また、限界PV値は摩擦速度60cm/sの条件下に荷
重を高めたときに、摩擦面が溶融し、摩擦係数が上昇し
始める時の荷重から算出した。
試験機を用いて摩擦速度60cm/sにて荷重を5kg
から30kgに変えたときの摩耗量W〔試験片の重量減
少(mg)〕を測定した。また、次式(1)によって摩
擦力F(kgf)を算出し、さらに摩擦力Fの測定結果
から次式(2)によって摩擦係数μを求めた。 摩擦力F=(R・f)/r (1) R:ロードセル中心と回転中心との距離(mm) f:ロードセル中心直下における荷重(kgf) r:相手材の半径(外径) 摩擦係数μ=F/P (2) P:荷重(kgf) また、限界PV値は摩擦速度60cm/sの条件下に荷
重を高めたときに、摩擦面が溶融し、摩擦係数が上昇し
始める時の荷重から算出した。
【0022】使用した樹脂は以下の通りである。 PAS樹脂:トープレン製社PPS「トープレンT−
7」 〔300℃溶融粘度7000ポアズ(ダイオリフィスL
/D=10、荷重20kgで測定〕 ポリフッ化ビニリデン(PVDF):ソルベー社製So
lef1010 ポリ四フッ化エチレン:ダイキン社製L−5 メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体
(MMA−co−GMA):日本油脂社製ブレンマーC
P−50M(メタクリル酸グリシジル含有量31重量
%、重量平均分子量10,000)
7」 〔300℃溶融粘度7000ポアズ(ダイオリフィスL
/D=10、荷重20kgで測定〕 ポリフッ化ビニリデン(PVDF):ソルベー社製So
lef1010 ポリ四フッ化エチレン:ダイキン社製L−5 メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体
(MMA−co−GMA):日本油脂社製ブレンマーC
P−50M(メタクリル酸グリシジル含有量31重量
%、重量平均分子量10,000)
【0023】各成分をドライブレンドした後45mmφ
二軸押出機を用いて300℃にて溶融混練し、ペレット
とした。ペレットは300℃、金型温度140にて射出
成形して試験片を作成し、その特性を評価した(実施例
1〜7)。結果を表1に示す。比較のために、ポリ四フ
ッ化エチレンとMMA−co−GMAを含まない樹脂組
成物について同様に評価した。結果を表2に示す(比較
例1〜3)。
二軸押出機を用いて300℃にて溶融混練し、ペレット
とした。ペレットは300℃、金型温度140にて射出
成形して試験片を作成し、その特性を評価した(実施例
1〜7)。結果を表1に示す。比較のために、ポリ四フ
ッ化エチレンとMMA−co−GMAを含まない樹脂組
成物について同様に評価した。結果を表2に示す(比較
例1〜3)。
【0024】
【作用および発明の効果】本発明で用いるメタクリル酸
メチルとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとの共
重合体は、そのグリシジルエステル部分がPAS樹脂の
分子末端の−SH基と反応し、また、共重合体中のメタ
クリル酸メチル部分がフッ素樹脂、特にポリフッ化ビニ
リデンに対して大きな相溶性を示す。従って、本発明の
樹脂組成物中のPAS樹脂とポリフッ化ビニリデンとが
相溶してアロイを形成し、これから形成される成形品
は、ポリフッ化ビニリデンが本来有する耐薬品性、耐溶
剤性とPAS樹脂が本来有する優れた機械的性質、耐熱
性を兼備している。しかも、メタクリル酸メチルとα,
β−不飽和酸のグリシジルエステルとの共重合体と四フ
ッ化エチレン共重合体とを含むことによって、摺動特性
と機械的性質とが格段と向上する。従って、本発明の樹
脂組成物から得られる成形品は、ローラー、歯車、軸受
などとして有用である。
メチルとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとの共
重合体は、そのグリシジルエステル部分がPAS樹脂の
分子末端の−SH基と反応し、また、共重合体中のメタ
クリル酸メチル部分がフッ素樹脂、特にポリフッ化ビニ
リデンに対して大きな相溶性を示す。従って、本発明の
樹脂組成物中のPAS樹脂とポリフッ化ビニリデンとが
相溶してアロイを形成し、これから形成される成形品
は、ポリフッ化ビニリデンが本来有する耐薬品性、耐溶
剤性とPAS樹脂が本来有する優れた機械的性質、耐熱
性を兼備している。しかも、メタクリル酸メチルとα,
β−不飽和酸のグリシジルエステルとの共重合体と四フ
ッ化エチレン共重合体とを含むことによって、摺動特性
と機械的性質とが格段と向上する。従って、本発明の樹
脂組成物から得られる成形品は、ローラー、歯車、軸受
などとして有用である。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/00 LKS 7142−4J
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリアリーレンスルフィド樹脂5〜95
重量%とフッ素樹脂95〜5重量%とからなる樹脂混合
物100重量部およびメタクリル酸メチルとα,β−不
飽和酸のグリシジルエステルとの共重合体1〜50重量
部からなり、該フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデン5〜
95重量%と四フッ化エチレンの単独重合体または共重
合体95〜5重量%とからなることを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12276392A JPH05295259A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12276392A JPH05295259A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295259A true JPH05295259A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14844015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12276392A Pending JPH05295259A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05295259A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100769859B1 (ko) * | 2005-12-30 | 2007-10-24 | 제일모직주식회사 | 용융장력이 우수한 고온 분체 도장용 폴리페닐렌 설파이드수지 조성물 |
-
1992
- 1992-04-16 JP JP12276392A patent/JPH05295259A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100769859B1 (ko) * | 2005-12-30 | 2007-10-24 | 제일모직주식회사 | 용융장력이 우수한 고온 분체 도장용 폴리페닐렌 설파이드수지 조성물 |
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