JP2002097364A - ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents
ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物Info
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Abstract
ポリフェニレンサルファイドの特性を備えるとともに、
一般的なポリテトラフルオロエチレンを主成分とする摺
動材が有する優れた摩擦摩耗特性のような摺動特性を備
えるポリフェニレンサルファイド樹脂組成物をうる。 【解決手段】 その融点以上の温度で焼成されてえられ
た数平均分子量が150万以上で平均粒径2〜800μ
mのPTFE粉末またはフィブリル化しうる数平均分子
量が150万以上の高分子量PTFEからなる芯部とフ
ィブリル化しない低分子量PTFEからなる殻部とから
なる平均粒径0.05〜1μmのPTFE微粒子が、マ
トリックスとしてのPPSに組成物中含量が40〜80
重量%となるように充填されてなり、測定温度300℃
におけるメルトフローレートが0.01以上であるPP
S樹脂組成物。
Description
ルファイド(以下、PPSと称す)樹脂組成物、特にポ
リテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称す)が
高い割合で充填され、自動車、産業機器分野の軸受、す
べり板、ガイド部材などの摺動部材に適したPPS樹脂
組成物に関する。
形性を有する樹脂であり、特に射出成形ができること
は、産業上大きな利点である。一方、PTFEは、成形
用原料として微粒子や粉末の形状で市販されており、耐
熱耐寒性・難燃性・非粘着性・防汚性・耐薬品性・耐候
性・電気特性などの性質を活かして利用されており、摺
動材料にも広く適用されている。PTFEは、射出成形
のような溶融加工はできず、通常生産性の低い圧縮成形
により成形される。
を添加したPPS樹脂組成物が市販されている。この樹
脂組成物は、通常、PTFE含量が組成物基準で30重
量%までであり、機械的強度が高い、成形性がよい、射
出成形ができるなどの利点を有するが、摺動材としては
PTFEをマトリックスとする市販の摺動材(たとえ
ば、ダイキン工業(株)製ポリフロンTFEフィラー入
りモールディングパウダー)と比べてシール性、摩擦摩
耗特性、耐衝撃性が不充分である。
PSに分子量30万(後述の溶融粘度で約6×105ポ
イズに相当する)以上の未焼成PTFEを0.5〜50
重量%配合混練することが記載されている。未焼成PT
FEとしてはモールディングパウダーと呼ばれるPTF
E粉末が使用され、えられるPPS樹脂組成物の耐衝撃
性がPTFE粉末のフィブリル化により改善される。実
施例によればPTFE含量は最高でも30重量%であ
る。この方法により本発明のようなPTFE高充填のP
PS樹脂組成物を調製すると、フィブリル化によりPP
S固有の射出成形性が失われる。
PS100重量部に対して1〜80重量部のPTFE
を、PTFEの融点以下の温度で混練することが記載さ
れている。しかし、この公報で用いられるPTFEは固
体潤滑剤として市販されている微粉末であり、それらは
通常分子量100万(溶融粘度で約6×106ポイズに
相当する)以下、特に30万(溶融粘度で約6×105
ポイズに相当する)以下である。分子量150万以上
(溶融粘度で107ポイズより大きい)の高分子量PT
FEは使用されていない。また、実質的に本発明のよう
なPTFE高充填のPPS樹脂組成物も開示されていな
い。
鎖状PPS30〜85重量%、オキソベンゾイルポリエ
ステル5〜30重量%およびPTFE10〜60重量%
を含んでなる樹脂組成物が開示されている。しかし、こ
こで使用されているPTFEも潤滑用の低分子量PTF
Eである。
の融点以上の温度で予め焼成されたPTFEをPPSに
50重量%以下の量で配合することが記載されている
が、用いられているPTFEは分子量の低いもの(数平
均分子量10〜40万と推定される)である。実施例に
おいて、PTFEを15重量%使用した例が記載されて
いるが、50重量%より多いと利点がないことが明細書
中に記載されている。
ルディングパウダーまたはファインパウダーとして市販
されている高分子量PTFE粉末3〜40重量%、およ
び低分子量PTFE粉末5〜40重量%をPPSに配合
し、高分子量PTFEをフィブリル化させることにより
PPS樹脂組成物の強度を高くする記載がなされてい
る。しかし、この実施例において、PTFEの合計含量
は最高でも35重量%である。
Sに高分子量PTFEを溶融混合することが開示されて
いるが、その量は20重量%と低い。
Eは低分子量のものが潤滑剤としてPPS樹脂組成物に
添加され高分子量のものが強化剤としてPPS樹脂組成
物に添加されていたにすぎない。高分子量PTFEをP
PSに高い割合で充填することは行なわれておらず、一
般的なPTFEを主成分とする摺動材と比べて充分な摺
動特性を備えたPTFEを含むPPS樹脂組成物は現在
までえられていない。一般に、PPSに対して高分子量
PTFEを高充填したばあいは、PTFEのフィブリル
化ないし凝集により樹脂組成物の流動性がなくなる。低
分子量PTFEを高充填したばあいは、流動性はあるが
凝集による分散不良が生じた樹脂組成物がえられたり、
機械的性質に劣った樹脂組成物がえられたりする。
あり、その目的は、射出成形性、優れた機械的特性、耐
熱性のようなPPSの特性を備えるとともに、一般的な
PTFEを主成分とする摺動材が有する優れた摩擦摩耗
特性、シール性、耐薬品性、耐衝撃性を備えるPPS樹
脂組成物を提供すること、およびそのような樹脂組成物
の製法を提供することを目的とする。
の融点以上の温度で焼成されてえられた数平均分子量が
150万以上で平均粒径2〜800μmのPTFE粉末
またはフィブリル化しうる数平均分子量が150万以上
の高分子量PTFEからなる芯部とフィブリル化しない
低分子量PTFEからなる殻部とからなる平均粒径0.
05〜1μmのPTFE微粒子が、マトリックスとして
のPPSに組成物中含量が40〜80重量%、好ましく
は45〜80重量%となるように充填されてなり、測定
温度300℃におけるメルトフローレート(MFR)が
0.01以上であるPPS樹脂組成物に関する。
械的特性、耐熱性および成形性に優れた熱可塑性樹脂で
あり、未加硫もしくは一部加硫されたPPSおよびその
混合物、または変性物であってよい。その分子量は特に
限定されない。また、その融点は、270〜300℃で
あることが好ましい。好ましいPPSとして、たとえ
ば、フィリップス社製の「ライトンP−4」、呉羽化学
工業(株)製の「W−214」、(株)トープレン製の
「T−4」などがあげられる。
性、難燃性、非粘着性、防汚性、耐薬品性、耐候性、電
気特性などに優れた樹脂であり、数平均分子量が150
万以上の高分子量PTFE(通常、380℃における溶
融粘度が107ポイズより大きい)である。数平均分子
量が150万より小さくなると、PPS樹脂組成物に対
して摺動性を付与できるが、成形品の強度、伸びなどの
機械的特性が充分でなくなる傾向がある。好ましい分子
量は、数平均分子量で300万以上(溶融粘度で108
ポイズ以上)、より好ましくは溶融粘度で1010〜約1
013ポイズ(数平均分子量は数千万と推定される。)で
ある。また、本発明で使用されるPTFEの融点は、3
27〜345℃であることが好ましい。このようなPT
FEとして、たとえば、平均粒径2〜800μm、好ま
しくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜300
μmのあらかじめ焼成されたPTFE粉末、または、フ
ィブリル化しうる高分子量PTFEからなる芯部とフィ
ブリル化しない低分子量PTFEからなる殻部とからな
る複合PTFE微粒子があげられる。
組成物中にPPS基準で40〜80重量%、好ましくは
45〜80重量%充填される。PTFE充填量が40重
量%より少ないとPPS樹脂組成物の限界PVやシール
性が低下し、80重量%より多いと実質的にPPS樹脂
組成物の成形が困難になり、成形品強度が低下する。特
に好ましい充填量は45〜70重量%である。
びPTFE以外に、フィラー、他の高分子成分などを含
みうる。
ために配合され、フィラーとして各種の繊維状または粒
子状の有機または無機フィラーを用いることができる。
フィラー配合量は、組成物基準で通常5〜40重量%で
ある。繊維状フィラーとしては、たとえば、ガラス繊
維、炭素繊維、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエス
テル樹脂などがあげられ、粒子状フィラーとしては、た
とえば、グラファイト、二硫化モリブデン、金属粉末な
どがあげられる。
めに配合される。配合量は1〜20重量%である。この
高分子として、ポリケトン類、ポリエーテルサルホン、
ポリサルホン、液晶ポリマーなどのいわゆるエンジニア
リングプラスチック、エチレン/テトラフルオロエチレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン系ポリマーなどのフッ素
樹脂、およびエラストマーがあげられる。
ち、その融点以上の温度で焼成されてえられた数平均分
子量150万以上の高分子量PTFEからなる平均粒径
2〜800μmのPTFE粉末または数平均分子量15
0万以上の高分子量PTFEからなるフィブリル化しう
る芯部と低分子量PTFEからなるフィブリル化しない
殻部とからなる平均粒径0.05〜1μmのPTFE微
粒子が、マトリックスとしてのPPSに組成物中含量が
40〜80重量%となるように充填されてなり、MFR
が0.01以上であるPPS樹脂組成物は、PTFE粉
末またはPTFE微粒子およびPPSを用いて、PPS
の融点以上かつ高分子量PTFEの融点以下の温度で同
時に溶融混練を行なうことにより製造することができ
る。
り、PTFEの融点は通常327〜345℃である。混
練温度は両者の中間あたり、すなわち310±15℃が
好ましく、より好ましくは310±10℃である。この
ような条件の温度で溶融混練することにより、過度なP
TFEのフィブリル化を起こすことなくPTFEを高い
割合で配合することが可能となる。PTFEの融点以上
の温度で混練すると、PTFE粉末同士が凝集し、その
結果えられるPPS組成物の溶融粘度が著しく上昇し、
射出成形性が失われる。なお、従来は通常、PPSへ無
機繊維などを混練するばあいは、約280〜350℃の
広い範囲の温度で行なわれていた。
は、その融点近傍またはそれ以上の温度で焼成し粉砕し
てえられた粉末状のPTFEとPPSとを、PPSの融
点以上かつPTFEの融点以下の温度で同時に溶融混練
することにより製造される。この粉末状PTFEは、焼
成されることによってフィブリル化が抑制されPPS中
で分散しやすくなっている。このPTFE粉末の平均粒
径は2〜800μmの広い範囲内にあればよいが、成形
物の外観上、好ましくは5〜500μm、より好ましく
は10〜300μmの範囲内にあればよい。
は、PPSの融点以上かつ高分子量PTFEの融点以下
の温度での同時溶融混練により製造されるが、数平均分
子量150万以上の高分子量PTFEからなるフィブリ
ル化しうる芯部と低分子量PTFEからなるフィブリル
化しない殻部とからなる平均粒径0.05〜1μmのP
TFE微粒子とPPSとを溶融混練するばあい、高分子
量PTFEの融点はこのPTFE微粒子を後述するDS
Cによる融解特性の測定でえられるチャート上の最高ピ
ーク温度とする。この微粒子状PTFEは、たとえば、
特開平4−154842号公報に記載の方法により、フ
ィブリル化しうる高分子量PTFEからなる芯部とフィ
ブリル化しない低分子量PTFEからなる殻部とからな
る平均粒径0.05〜1μmのコロイド状PTFE微粒
子であり、水性分散体を凝集・凝析・乾燥することによ
りえられる平均粒径100〜1000μmの凝集粉末の
形で使用するのが好ましい。芯部と殻部との重量比は9
0:10〜50:50が好ましい。芯部の高分子量PT
FEの数平均分子量は150万以上であるが、好ましく
は300万〜数千万である。殻部の低分子量PTFEの
数平均分子量は数千〜100万である。芯部と殻部との
重量比を考慮してそれぞれの数平均分子量を算術平均し
てえられる微粒子の平均分子量が150万以上であるこ
とが好ましい。この微粒子を高分子量PTFEの融点以
上の温度で熱処理し、粒径5〜300μmの大きさに粉
砕した粉末をPPSと溶融混練することも好ましい。
練するばあい、熱処理されたPTFE粉末を溶融混練す
るばあいよりもPTFEがより良好に分散した均一な組
成物がえられ、その外観も優れている。
融点は、デュポン社製1090示差走査熱量計(DS
C)を用いて10℃/分の割合で室温から昇温すること
によりえられる吸熱カーブのピーク温度とした。ダブル
ピークのばあいは、高温側のピーク温度とした。
量が150万以上か150万より小さいかは、PTFE
の溶融粘度を測定することにより判断できる。PTFE
の溶融粘度は、まず下記に示す(A)法により測定が行
なわれる。(A)法により測定可能(PTFEが流出す
るばあい)であるばあいは、その測定値を溶融粘度とす
る。(A)法により測定不可能なばあい、すなわちPT
FEが流出しないばあいには、下記に示す(B)法によ
り測定し、その測定値を溶融粘度とすることができる。
前述したように、数平均分子量が150万であるばあい
に溶融粘度は107ポイズであるので、溶融粘度の測定
値が107ポイズより大きいばあいは、数平均分子量は
150万以上であることがわかる。
ターを用い、ポリマー粉末を内径11.3mmのシリン
ダーに装填し、温度380℃で5分間保持したのち、ピ
ストンに荷重し(7または32kg)、内径(2R)
0.21cm、長さ(L)0.8cmのオリフィスを通
して押出し、流出量(Q:cm2/秒)を測定して、溶
融粘度をつぎの式で求める。
万のばあいにえられる値は約107ポイズである。
TMA」(理学電機株式会社製)を用いて以下の手順で
クリープ試験を行ない測定する。
0mmの円筒形の金型に、80gのPTFEの粉末また
は微粒子を紙片にはさんで充填し、約30秒間徐々に圧
力をかけて最終圧力約352kg/cm2となるように
し、この圧力を2分間保つ。次に金型から成形体を取り
出し、371℃で昇温した空気電気炉中で90分間焼成
し、続いて1℃/分の速度で250℃まで降温し、この
温度で30分間保った後取り出す。この円柱形の焼成体
を側面にそって切削加工し、厚み0.5mmの帯状シー
トをうる。
mmの小片を切り取り、幅と厚みを正確に測定し、断面
積を計算する。小片の両端に試料装着金具を装着間距離
が1.0cmになるように取り付ける。この金具−試料
のアセンブリーを円柱状の炉に入れ、20℃/分の速度
で室温から380℃まで昇温し、この温度を保持する。
約5分間保持したのち、約15gの負荷をかける。伸び
の時間変化の曲線から、負荷後の60〜120分の間の
伸びを読取り、時間(60分)に対する割合を求める。
溶融粘度を次の式から計算する。
式を用いて計算することができる。
さ)÷A(室温での断面積)
均粒径はJIS K 6891−5.4に準拠して50
gの粉末を用いて測定し、小さなPTFE粉末およびP
TFE微粒子の平均粒径は、(株)堀場製作所製 CA
PA500を用い、粉末を2重量%のC7F15COON
H4水溶液中に超音波により分散し、自然沈降法により
測定した。
未満の次記変性剤で共重合変性されたPTFEを含みう
るが、この変性により本発明の効果は損なわれない。変
性剤として、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ
アルキルビニルエーテル、パーフルオロアルキル(炭素
数1〜10)エチレン、パーフルオロアルキル(炭素数
1〜10)アリルエーテル、および式:CF2=CF
〔OCF2CFX(CF2)m〕nOCF2(CF2)pY
(式中、Xはフッ素またはトリフルオロメチル基、Yは
ハロゲン、mは0または1の数、ただしmが1のばあ
い、Xはフッ素に限る、nは0〜5の数、pは0〜2の
数を表す)で示される化合物があげられる。
は、公知の混合方法を利用してえられる。たとえば、V
型ブレンダ、タンブラー、ヘンシェルミキサーなどの混
合機によりPPS、PTFEおよびその他の成分を混合
したのち、さらに、二軸押出し機などの溶融混練装置を
用いて混練することによりえられる。ここでPPS樹脂
組成物はペレットとしてえられる。また、溶融混練装置
内で溶融しているPPSに、PTFEおよびその他の成
分を供給してもよい。
れたPPS樹脂組成物は、一般的熱可塑性樹脂用の成形
機械、たとえば射出成形機、圧縮成形機、押出し成形機
などにより所望の形状、たとえば、シート状、パイプ
状、板状に成形することができる。この樹脂組成物の溶
融成形性はMFR(測定温度300℃)の値により判断
される。樹脂組成物を溶融成形するためには樹脂組成物
のMFR(300℃)が0.01以上でなくてはならな
い。また、MFR(300℃)の上限は成形性の面から
は特に限定されないが、高分子量PTFEを配合したば
あいは後述する実施例3に示す2.5程度である。射出
成形するためには樹脂組成物のMFR(300℃)が
0.03以上でなくてはならない。MFR(300℃)
が0.03のとき溶融粘度は約107である。MFRの
測定は、本発明においては、MELTINDEXER
((株)東洋精機製作所製)を使用して、試験圧力5k
gf/cm2、オリフィス径2.1mm、オリフィス長
8mmで行なった。
樹脂組成物は、PTFEが高い割合で充填されているの
で、PPSの有する機械的特性、耐熱性および成形性、
特に射出成形性とともに、PTFEの有する耐熱耐寒
性、難燃性、非粘着性、防汚性、耐薬品性、耐候性、電
気特性などを充分に備える。
本発明はこの範囲に限定されるものではない。
いったん融点以上の温度で熱処理を受けたPTFE粉末
(ダイキン工業(株)製ポリフロンM−12を380℃
で加熱処理し粉砕した平均粒径150μmの粉末:融点
329℃、溶融粘度約2×1011ポイズ((B)法によ
る))を表1に示す配合割合でヘンシェルミキサーによ
り均一に混合し、えられた粉末80gをブラベンダーミ
キサーにより300℃(実施例1)および320℃(実
施例2)で10分間溶融混練した。えられた組成物のM
FRを、それぞれ300℃、320℃および340℃の
温度で求めた。結果を表1に示す。
を供え、内容量が6Lのステンレス鋼(SUS316)
製オートクレーブに、脱イオン水2960ml、および
パーフルオロオクタン酸アンモニウム1.0gを仕込
み、55℃に加温しながら、窒素ガスで3回、TFEガ
スで2回系内を置換して酸素を除いた後、TFEで内圧
を8kgf/cm2にして攪拌を250rpm、内温を
55℃に保った。
0.4g、続いて20mlの水に34mg(全水量に対
し23ppm)の過硫酸アンモニウム(ASP)を溶か
した水溶液をTFEで圧入し、オートクレーブ内圧を9
kgf/cm2にした。反応温度は55℃、攪拌速度は
250rpmに維持した。TFEを、オートクレーブの
内圧が常に9±0.5kgf/cm2に保たれるように
連続的に供給した。
FEが480gに達した時点で、TFEの供給と攪拌を
停止し、かつオートクレーブ内のTFEを放出し、つぎ
にTFEで内圧を9kgf/cm2まで昇圧しながら2
0mlの水に700mg(全水量に対し233ppm)
のASPを溶かした水溶液、および1,2−ジクロロエ
タン20gを圧入した。その後、攪拌することで反応を
再開し、オートクレーブの内圧が常に9±0.5kgf
/cm2に保たれるようにTFEを連続的に供給した。
費された時点で、攪拌およびモノマー共有を停止し、直
ちにオートクレーブ内のガスを常圧になるまで放出し反
応を終了させた。全反応時間は17時間であり、芯部と
殻部との重量比は80:20であった。えられたラテッ
クスに炭酸アンモニウムを添加し、攪拌して凝析・洗浄
ののち、140℃で15時間攪拌して平均粒径500μ
mの凝集粉末をえた。合計3バッチの反応を行なった。
粉末を構成する微粒子の平均粒径は0.20〜0.21
μmであった。芯部の溶融粘度は、約1.5〜約2.0
×1011ポイズであり、殻部の溶融粘度は、約2000
〜約3000ポイズであった。粉末をDSCで測定した
ところ、吸熱カーブはダブルピークを示し、高温側のピ
ーク温度は338℃であった。
TFEに属するに充分な大きさであり、通常、それに対
応する溶融粘度は約108ポイズ以上であるが、芯・殻
構造のために見掛け上低い溶融粘度を有する。
い、MFRを測定した。結果を表1に示す。
間熱処理(焼成)し、粉砕してえられた粒径35μmの
PTFE粉末と、実施例1で用いたPPSとを重量比7
0:30で使用した以外は実施例1と同様にして溶融混
練を行ないMFRを測定した。結果を表1に示す。
溶融混練を行ないMFRを測定した。結果を表1に示
す。
2(融点341℃、溶融粘度約2×1011ポイズ
((B)法による)、未焼成、芯・殻構造ではないも
の)を用い、PPSとPTFEとの重量比を70:30
にした以外は実施例1と同様にして溶融混練を行ないM
FRを測定した。結果を表1に示す。
PTFE50重量%および炭素繊維(呉羽化学工業
(株)製M−201S)10重量%をヘンシェルミキサ
ーで均一に混合し、えられた混合粉末を二軸押出し機
((株)東洋精機製作所製ラボプラストミル)により2
80〜300℃で溶融混練しペレット化した。押出速度
は1.5kg/時であった。えられたペレット状樹脂組
成物の300℃で測定したMFRは0.03であった。
業(株)製SG50)に供給し、シリンダー温度270
〜320℃、金型温度140℃として各種試験片を作製
した。えられた試験片を利用して、ペレット状樹脂組成
物のロックウェル硬度、引張強度、伸び、引張弾性率、
曲げ強度、曲げ弾性率、比摩耗量、および摩擦係数を測
定した。結果を表2に示す。
所製ロックウェル硬さ試験機を使用し、ASTM D7
85にしたがってRスケールにより測定した。
エンテック社製万能試験機を使用し、ASTM D63
8にしたがって室温下、引張強度10mm/分として測
定した。 曲げ強度および曲げ弾性率は、オリエンテッ
ク社製万能試験機を使用し、JIS K6911にした
がって室温下、曲げ速度2mm/分として測定した。
製鈴木・松原式(スラスト型)摩擦摩耗試験機を使用
し、次の条件下に測定した: 荷 重: 10kgf/cm2 速 度: 60m/分 距 離: 10km 雰囲気:ドライ 相手材:鋼(S45C)
示す組成を適用したほかは、実施例5と同様に溶融混練
を行ない、同じ特性を測定した。結果を表2に示す。な
お、えられた樹脂組成物の300℃で測定したMFRは
1.0であった。
(融点327℃、溶融粘度2×105ポイズ((A)法
による))を用いたほかは、実施例5と同様に溶融混練
を行ない、同じ特性を測定した。結果を表2に示す。な
お、えられた樹脂組成物の300℃で測定したMFRは
3.3であった。
PPSとPTFEと炭素繊維の重量比を60:20:2
0とした以外は実施例5と同様に溶融混練を行ない、同
じ特性を測定した。結果を表2に示す。なお、えられた
樹脂組成物の300℃で測定したMFRは18であっ
た。
上かつPTFEの融点以下の温度で溶融混練を行うと、
PTFEの充填量が高くても流動性を有する(成形性が
優れた)樹脂組成物がえられることがわかる。また、P
TFEの融点より低い温度では樹脂組成物の流動性がよ
り高いことがわかる。
PTFEを用いると低分子量PTFEを用いたばあいよ
り機械的強度が向上し、かつPTFEの高充填により優
れた摩擦摩耗特性がえられることがわかる。したがっ
て、本発明のPPS樹脂組成物は各種のシール材、軸受
などに好適である。
械的特性、耐熱性、シール性、耐薬品性、耐衝撃性を備
えるとともに、摩擦摩耗特性のような摺動特性が優れて
いるPPS樹脂組成物がえられる。
Claims (3)
- 【請求項1】 その融点以上の温度で焼成されている数
平均分子量が150万以上で平均粒径2〜800μmの
ポリテトラフルオロエチレン粉末またはフィブリル化し
うる数平均分子量が150万以上の高分子量ポリテトラ
フルオロエチレンからなる芯部とフィブリル化しない低
分子量ポリテトラフルオロエチレンからなる殻部とから
なる平均粒径0.05〜1μmのポリテトラフルオロエ
チレン微粒子が、マトリックスとしてのポリフェニレン
サルファイドに組成物中含量が40〜80重量%となる
ように充填されてなり、測定温度300℃における組成
物のメルトフローレートが0.01以上であるポリフェ
ニレンサルファイド樹脂組成物。 - 【請求項2】 その融点以上の温度で焼成されている数
平均分子量が150万以上で平均粒径2〜800μmの
ポリテトラフルオロエチレン粉末またはフィブリル化し
うる数平均分子量が150万以上の高分子量ポリテトラ
フルオロエチレンからなる芯部とフィブリル化しない低
分子量ポリテトラフルオロエチレンからなる殻部とから
なる平均粒径0.05〜1μmのポリテトラフルオロエ
チレン微粒子が、マトリックスとしてのポリフェニレン
サルファイドに組成物中含量が45〜80重量%となる
ように充填されてなる請求項1記載のポリフェニレンサ
ルファイド樹脂組成物。 - 【請求項3】 さらに、組成物中含量が5〜40重量%
となるようにフィラーが充填されてなる請求項1記載の
ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
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