JP3041965B2 - 含フッ素溶融樹脂組成物 - Google Patents

含フッ素溶融樹脂組成物

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JP3041965B2 JP2407893A JP40789390A JP3041965B2 JP 3041965 B2 JP3041965 B2 JP 3041965B2 JP 2407893 A JP2407893 A JP 2407893A JP 40789390 A JP40789390 A JP 40789390A JP 3041965 B2 JP3041965 B2 JP 3041965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素ガスにより処理さ
れた炭素繊維を含フッ素溶融樹脂と複合することによ
り、その成形体に機械的強度や荷重たわみ温度で示され
る耐熱性を与える新規組成物に関する。かかる組成物は
自動車分野等における構造材料、摺動材料として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】含フッ素溶融樹脂の機械的強度向上など
の特性改良の目的で、炭素繊維やガラス繊維等の繊維状
のフィラーを複合することが、一般的に行なわれてい
る。例えば特公昭52−13816号公報には、エチレ
ン/テトラフルオロエチレン共重合体に炭素繊維を混合
することによる改良方法が記載されている。しかしこの
場合に改良効果が充分とは言えず、例えば曲げ弾性率で
示される剛性や、自動車分野での使用では重要である荷
重たわみ温度は未だ不十分である。これらを改良する目
的で、混合するフィラーをシランカップリング剤等で処
理することがしばしば行なわれるが、この場合に必ずし
も充分な効果が得られず、逆に発泡等による耐熱性の低
下をもたらすことがある。一方、繊維状フィラーの繊維
長を長くすることや、フィラーの混合量を多くすること
も、特性改良には有効であるが、この場合は得られる組
成物の成形加工性を著しく低下させることが多い。
【0003】
【発明が解決しようする課題】本発明の目的は、その成
形体に高い剛性、高い荷重たわみ温度を与え、良好な成
形加工性を有する含フッ素溶融樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、含フッ
素溶融樹脂60〜95重量%、およびフッ素ガスにより
表面を改質した炭素繊維(C−F共有結合を形成してい
ないものを除く。)5〜40重量%から成る含フッ素溶
融樹脂組成物に存する。
【0005】炭素繊維は、フッ素化処理されている。炭
素繊維としては従来より知られるものを特に限定するこ
となく用いることができる。炭素繊維は、例えば、レー
ヨン、PAN(ポリアクリロニトリル)およびピッチなど
を出発原料として得られる炭素含有量90重量%以上の
繊維状物質である。好ましい炭素繊維において、繊維長
は20〜1000μm、好ましくは50〜100μm、ア
スペクト比は3〜300である。
【0006】フッ素化処理する方法は、フッ素ガスを用
いる乾式処理と、電解酸化法などの湿式処理の2種類に
大別できる。しかしながら湿式処理法では洗浄・乾燥な
どの工程が必要であり生産性の点からも乾式処理が好ま
しい。しかも本発明では、従来行なわれている酸素ガス
共存下でのフッ素ガスによる処理でなく、不活性ガス雰
囲気下、すなわち脱酸素状態でのフッ素ガス処理を使用
することが好ましい。不活性ガスは、例えば、窒素ガ
ス、ヘリウムガス、アルゴンガスである。具体的には、
オーブンに炭素繊維を仕込み、オーブン内部を不活性ガ
スで置換し、350℃〜550℃、好ましくは400℃
〜450℃の範囲の温度に昇温する。その後フッ素ガス
を5〜20cc/minの流量で流し、0.5〜3時間フッ素
化処理する。これらの条件は、炭素繊維の表面のみを改
質するものである。酸素がオーブンの中に混在しないよ
うにフッ素ガスボンベやオーブン等の反応装置の管理が
必要である。
【0007】フッ素化処理炭素繊維の量は、含フッ素溶
融樹脂とフッ素化処理炭素繊維との合計量に対して5〜
40重量%、好ましくは5〜30重量%である。40重
量%よりも多い場合、溶融粘度の増加による成形性の低
下が著しい。5重量%よりも少ない場合、その成形体の
剛性や荷重たわみ温度の増加が不十分なものとなる。
【0008】含フッ素溶融樹脂は、テトラフルオロエチ
レン/フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以
下、「PFA」という)、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(以下、「FEP」とい
う)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピ
レン/フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以
下、「EPE」という)、テトラフルオロエチレン/エチ
レン共重合体(以下、「ETFE」という)、ポリビニリデ
ンフルオライド(以下、「PVDF」という)、ポリクロロ
トリフルオロエチレン(以下、「PCTFE」という)など
である。これらの中でも、ETFEとPFAが好ましく
使用される。これら含フッ素溶融樹脂を使用したとき
は、その成形体の荷重たわみ温度の向上が顕著となる。
【0009】PFAは、テトラフルオロエチレンと式:
CF2=CF−O−Rf[式中、Rfは炭素数1〜10のフ
ルオロアルキル基を表す。]で示されるフルオロアルキ
ルビニルエーテルの少なくとも1種との共重合体であ
り、好ましいPFAはテトラフルオロエチレン99.5
〜92重量%とフルオロアルキルビニルエーテル0.5
〜8重量%から成る。好ましいFEPは、テトラフルオ
ロエチレン96〜87重量%と、ヘキサフルオロプロピ
レン4〜13重量%から成る。好ましいETFEは、テ
トラフルオロエチレン90〜74重量%とエチレン10
〜26重量%から成る。
【0010】含フッ素溶融樹脂は、これら重合体の本質
的な性質を損なわない範囲で他のモノマーを含んでも良
い。他のモノマーとしては、テトラフルオロエチレン、
ヘキサフルオロプロピレン、フルオロアルキルビニルエ
ーテル、パーフルオロアルキル(C1〜C10)エチレン、
パーフルオロアルキル(C1〜C10)アリルエーテル、お
よび式: CF2=CF[OCF2CFX(CF2)m]nOCF2(CF2)pY [式中、Xはフッ素またはトリフルオロメチル基、Yは
ハロゲン、mは0または1(ただしmが1の場合、Xはフ
ッ素に限る)、nは0〜5の数、pは0〜2の数を表す。]
で示される化合物が挙げられる。
【0011】本発明の含フッ素溶融樹脂組成物は、本発
明の目的を損なわない限り、無機又は有機の補強用充填
剤や、潤滑剤、顔料、増量剤、安定剤など種々の添加剤
を含有してよい。
【0012】本発明の樹脂組成物の調製に際し、通常公
知の混合方法が採用される。例えば、含フッ素溶融樹
脂、炭素繊維および要すれば他の成分をV型ブレンダ
ー、タンブラー、ヘンシェルミキサー、などの混合機で
混合した後、さらに二軸押出機等の溶融混練装置を用い
て混合し、ペレット化することができる。また、溶融混
練装置内で溶融している含フッ素溶融樹脂に炭素繊維お
よび他の充填剤を途中で供給する方法も可能である。こ
うして得られたペレットは、通常用いられている熱可塑
性樹脂を成形する成形機、例えば、射出成形機、圧縮成
形機、押出成形機などによって所望形状の成形物、例え
ば、板状体、フイルム等に成形することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、これらの実施例によって本発明は限定されるも
のではない。
【0014】なお、実施例および比較例で得られた含フ
ッ素溶融樹脂組成物は、以下の試験方法によって評価し
た。
【0015】〔試験方法〕 1)曲げ試験 オリエンテック社製テンシロン万能試験機を用い、JI
S K6911に従って、室温下、曲げ速度2mm/min
で曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
【0016】2)アイゾット衝撃試験 上島製作所製U−F衝撃試験機を用い、ASTM D2
56に従って、ノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定し
た。
【0017】3)荷重たわみ温度 安田精機製熱変形温度測定装置を用い、ASTM D6
48に従って、荷重18.6kgf/cm2で荷重たわみ温度
を測定した。
【0018】4)成形収縮率 ASTM D955に従って、流れ方向および流れに直
角方向の成形収縮率を測定した。
【0019】5)溶融粘度 島津製作所製高化式フローテスターを用い、測定温度3
00℃で溶融粘度を測定した。
【0020】6)線膨張係数 理学電機製TMAを用い、荷重10gで線膨張係数を測
定した。
【0021】7)摩擦・摩耗試験 東京試験機製作所製ピンオンディスク型摩擦・摩耗試験
機を用い、相手材としてアルミ合金(ADC−12)を用
い、JISK7218に従って、摩擦摩耗試験を行っ
た。動摩擦係数を面圧:15(kg/cm2)、速度:30(m/m
in)の条件で測定した。面圧:15(kg/cm2)、速度:30
(m/min)で距離1.8km摺動させた後の試験片の摩耗長
さを測定し、摩耗量とした。
【0022】実施例1 PAN系炭素繊維(東レ製MLD70、繊維長:70μ
m、アスペクト比:10)約500gをパレット上に均一に
広げオーブンに入れ、窒素ガスによりオーブン内部を置
換した。オーブンを450℃に昇温し、フッ素/窒素混
合ガス(10%フッ素ガス/90%窒素ガス)を220cc
/minの流量で1時間流し、フッ素ガス処理をした。そ
の後、オーブンの温度を300℃以下に下げ、再度窒素
ガスによって内部を置換し、処理を終了した。
【0023】フッ素ガス処理された炭素繊維とETFE
粉末(ダイキン工業株式会社製ネオフロンETFE E
P521)とを表1に示す量でヘンシェルミキサーで均
一に混合した後、異方向二軸押出機を用いて300〜3
40℃で溶融混練して成形用ペレットを得た。得られた
ペレットを射出成形機(シリンダー温度:300〜340
℃、金型温度:100℃)に供給し、各試験用試験片を射
出成形した。これらの試験片について上記の試験方法に
より、物性を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0024】比較例1 炭素繊維のフッ素ガス処理をしない以外は、実施例1と
同様の手順を繰り返した。得られた結果を表2に示す。
【0025】実施例2 炭素繊維として、ピッチ系炭素繊維(呉羽化学製M−1
07T、繊維長:700μm、アスペクト比:39)を用い
る以外は、実施例1と同様の手順を繰り返した。得られ
た結果を表2に示す。
【0026】比較例2 炭素繊維のフッ素ガス処理をしない以外は、実施例2と
同様の手順を繰り返した。得られた結果を表2に示す。
【0027】比較例3 実施例1と同様のETFE粉末のみを用いて試験片を作
成し、物性を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0028】実施例3 ピッチ系炭素繊維(呉羽化学製M−107T、繊維長:7
00μm、アスペクト比:39)を、実施例1と同様にし
てフッ素ガス処理した。炭素繊維とPFA粉末(ダイキ
ン工業株式会社製 ネオフロンPFA AP210)を
表1に示す量でヘンシェルミキサーで均一に混合した
後、異方向二軸押出機を用いて350〜370℃で溶融
混練して成形用ペレットを得た。得られたペレットを射
出成型機(シリンダー温度:350〜380℃、金型温
度:180℃)に供給し、試験片を射出成形した。物性を
測定した。得られた結果を表2に示す。
【0029】比較例4 炭素繊維のフッ素ガス処理をしない以外は、実施例3と
同様の手順を繰り返した。得られた結果を表2に示す。
【0030】比較例5 実施例3と同様のPFA粉末のみを用いて試験片を作成
し、物性を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表2より明らかなように、ピッチ系炭素繊
維、PAN系炭素繊維ともにフッ素化処理する事で含フ
ッ素溶融樹脂の物性が向上している。また、ETFE、
PFAのどちらの含フッ素溶融樹脂を用いても物性が向
上している。特に、荷重たわみ温度、曲げ特性の改善効
果が大きくなっている事は、注目すべき点である。
【0034】
【発明の効果】炭素繊維をフッ素化処理することによっ
て、炭素繊維による充填効果をさらに向上させる事がで
きる。特に荷重たわみ温度や剛性を向上させ得た事は、
摺動材料、構造材料として含フッ素溶融樹脂を用いる事
を可能する。また、組成物の成形加工性は良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (56)参考文献 特開 平2−212370(JP,A) 特開 昭60−191011(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/12 C08K 7/06 C08K 9/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含フッ素溶融樹脂60〜95重量%、お
    よびフッ素ガスにより表面を改質した炭素繊維(C−F
    共有結合を形成していないものを除く。)5〜40重量
    %から成る含フッ素溶融樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 炭素繊維が不活性ガス雰囲気下でフッ素
    ガスにより表面を改質されている請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 炭素繊維の繊維長が20〜1000μ
    m、アスペクト比が3〜300である請求項1記載の組
    成物。
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