JP3175372B2 - 摺動部品用樹脂組成物 - Google Patents

摺動部品用樹脂組成物

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JP3175372B2
JP3175372B2 JP00905193A JP905193A JP3175372B2 JP 3175372 B2 JP3175372 B2 JP 3175372B2 JP 00905193 A JP00905193 A JP 00905193A JP 905193 A JP905193 A JP 905193A JP 3175372 B2 JP3175372 B2 JP 3175372B2
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tetrafluoroethylene
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resin composition
sliding
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和夫 石割
喜久 山本
強 宮森
政二 小森
憲康 山根
雅己 加藤
哲男 清水
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Daikin Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性の改善された摺
動部品材料に関し、特に軸受材料および自動車関係にお
けるパワーステアリングのシールリング、オートマチッ
クトランスミッションのシールリング、カーエアコンの
シール材、エンジンのピストンリング内のオイルリング
等の動的シール材料に適した樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術および問題点】近年、自動車、産業機械、O
A機器、家電機器などに用いられる摺動部品、たとえば
軸受、動的シールなどの製造に用いられる材料に対して
摺動特性の要求はますます厳しくなる傾向にあり、たと
えば高温下で高摺動面圧、高摺動速度に耐えることが望
まれている。また、これらの部品では軽量化のためにア
ルミニウム合金など軟質材料が用いられるようになり、
これらに対する低摩擦、低摩耗も要望され、また、一方
コストダウンを目的として優れた射出成形性も期待され
るようになった。
【0003】従来、このような用途に使用される材料と
して、耐クリープ性、耐摩耗性などを改善する目的で無
機または有機の充填材が配合されたテトラフルオロエチ
レン重合体組成物が知られているが、充填材による寸法
安定性および耐クリープ性の改善は充分達成されている
とは言いがたい。また、この組成物は射出成形できない
という欠点を有しており、生産性が悪く製造コスト上好
ましくない。
【0004】また、射出成形可能な耐熱性樹脂に対し、
摺動性または強化の目的で種々の固体潤滑剤や補強材を
配合した組成物が提案されているが、上記テトラフルオ
ロエチレン重合体組成物に比較して摺動性に劣り、ま
た、同時にシール性も要求されるような用途ではこれら
組成物は剛性が高すぎて充分なシール性が得られないこ
とがあった。また、軟質材料を相手材とした場合、この
ような材料では相手材を損傷するという問題点もある。
【0005】一方、射出成形可能な含フッ素溶融樹脂で
あるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体に補強
材などを配合した組成物も提案されているが、これを上
記のような用途に使用した場合には、基本組成である重
合体の結晶融点がテトラフルオロエチレンなどに比べて
低いため、特に高温下での高摺動面圧、高摺動速度の場
合には摺動時の発熱を受けて溶融してしまう欠点があっ
た。
【0006】このように自動車、産業機械、OA機器、
家電機器などに用いられる摺動部品で要求される優れた
摺動性、寸法安定性、高い荷重たわみ温度を有し、しか
も、成形性に優れた含フッ素溶融樹脂組成物は得られて
いない。
【0007】
【課題を解決するための手段】これら問題を解決するた
めに、本発明者らは鋭意研究を行なった結果、耐熱性に
優れた含フッ素溶融樹脂に特定の形状の炭素繊維を配合
すると、上記のような分野で用いられる摺動部品におい
て望まれる機械的特性、寸法安定性、耐熱性、成形性お
よび特に軟質金属材料に対する摺動特性に優れた組成物
が得られることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、テトラフルオロエチ
レン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体ま
たはテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体65〜90重量%および炭素繊維10〜35
重量%からなり、炭素繊維の平均繊維径が10〜30μ
m、平均アスペクト比が20〜300であることを特徴
とするアルミニウム合金に対する摺動部品用樹脂組成物
を提供する。
【0009】本発明において、テトラフルオロエチレン
/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)とは、テトラフルオロエチレンと式: CF2=CF−
O−Rf(式中、Rfは炭素数1〜10のフルオロアルキ
ル基を表す。)で示されるフルオロアルキルビニルエー
テルの少なくとも1種との共重合体であり、好ましくは
テトラフルオロエチレン99〜92重量%とフルオロア
ルキルビニルエーテル1〜8重量%からなるものであ
る。また、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体(FEP)とは、好ましくはテトラフル
オロエチレン96〜87重量%とヘキサフルオロプロピ
レン4〜13重量%からなるものである。
【0010】さらに、これら含フッ素溶融樹脂は、これ
ら重合体の本質的な性質を損なわない範囲で他のモノマ
ーを含んでもよい。他のモノマーとしてはヘキサフルオ
ロプロピレン(ただしFEPを除く)、パーフルオロアル
キルビニルエーテル(ただしPFAを除く)、パーフルオ
ロアルキル(炭素数1〜10)エチレン、パーフルオロア
ルキル(炭素数1〜10)アリルエーテル、および式: C
2=CF[OCF2CFX(CF2)m]nOCF2(CF2)pY
(式中、Xはフッ素またはトリフルオロメチル基、Yは
ハロゲン、mは0または1の数、ただしmが1の場合、X
はフッ素に限る、nは0〜5の数、pは0〜2の数を示
す。)で示される化合物が挙げられる。
【0011】また、本発明に用いられるテトラフルオロ
エチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体またはテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体は、本発明のもう一つの必須成分である
炭素繊維が配合された後においても充分な成形性を有す
るためには、ASTM D1238に従って温度372
℃、試験荷重5kgfで測定したメルトフローレシオ(MF
R)が3〜40g/minであることが望ましい。
【0012】また、本発明に用いられる炭素繊維は、寸
法安定性、補強性、耐摩擦摩耗性、耐クリープ性を改善
する目的で添加されるが、このような目的が、成形され
た摺動部品においても最も効果的に達成されるために
は、混合後の組成物中での平均繊維径が10〜30μm
で平均アスペクト比が8〜300であることが必要であ
り、混合および成形時に剪断を受けて繊維が折れること
を考慮して選択しなければならない。そのためには、混
合前に炭素繊維の平均繊維径が10〜30μm、平均ア
スペクト比が20〜300であることが望ましい。
【0013】これら本発明における必須成分の組成につ
いて、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体またはテトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン共重合体65〜90重量%
および炭素繊維10〜35重量%とした理由は、炭素繊
維の量が上記下限値未満では耐摩耗性、寸法安定性の改
良が不充分であり、また、上限値を超えると機械的強度
や成形性の低下がみられるためである。
【0014】なお、以上の組成物に対し本発明の目的を
損なわない範囲で、粒状あるいは繊維状の無機または有
機の補強材あるいは添加剤を1種以上添加することも可
能である。無機物質としては、グラファイト、MoS2
マイカ、タルク等が挙げられ、有機物質としては、PT
FE、LCP(液晶ポリマー)、PI(ポリイミド)、アラ
ミド繊維等が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる樹脂組成物の調製に
は、通常公知の混合方法が採用されるが、たとえば各成
分をV型ブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー
などの混合機で予備混合した後、二軸押出機などの溶融
混練装置を用いて混合させてペレット化し得る。ただ
し、組成物中の炭素繊維の有効繊維長を確保するために
含フッ素溶融樹脂の溶融粘度や押出スクリュの形状など
には充分な配慮が必要である。
【0016】なお、こうして得られた本発明の組成物か
らなるペレットは、通常用いられる熱可塑性樹脂の成形
機、たとえば射出成形機、圧縮成形機、押出成形機など
によって所望形状の成形物に成形できるが、本発明の組
成物が主に使用される摺動部品を生産性良く得るために
は射出成形を採用することが望ましい。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、これら実施例により本発明は限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例においては以下の試験方
法によって性能を評価した。 試験方法: 引張試験 ASTM D638に従って室温下、引張速度5mm/mi
nで引張破断強度を測定した。 曲げ試験 JIS K6911に従って室温下、曲げ速度2mm/mi
nで曲げ強度を測定した。 荷重たわみ温度 ASTM D648に従って荷重18.6kg/cm2で荷
重たわみ温度を測定した。 成形収縮率 ASTM D955に従って、流動方向および流動直角
方向の成形収縮率を測定した。 熱膨張係数 TMA法により、荷重0.16kg/cm2で40〜80℃
における熱膨張係数を測定した。 摩擦摩耗試験 スラスト型摩擦摩耗試験機を使用し、相手材としてアル
ミ合金(ADC12;表面粗さRa=0.3〜0.6μm)
を用いた。室温雰囲気無潤滑下で面圧5kg/cm2、速度
30mm/minで試験を行ない、摩擦係数、摩耗係数を測
定した。
【0018】実施例1〜6および比較例1〜3 テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(MFR、30g/10min)と種々の
平均繊維径、平均アスペクト比を有する炭素繊維を表1
に示す割合であらかじめヘンシェルミキサーで均一に混
合した後、スクリュー径25φの異方向二軸押出機を用
いて330〜370℃にて溶融混合し、ペレット化し
た。こうして得られたペレットを射出成形機(シリンダ
ー温度340〜380℃、金型温度180℃)に供給
し、各試験片を成形した。これらの試験片について上記
の試験方法により物性を測定した。得られた結果を表1
に示す。
【0019】比較例4 未充填のテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(ダイキン工業社製; ネオフ
ロンPFA AP210)を用い、実施例1と同様の方
法で試験片の作製を行なった。得られた試験結果を表1
に示す。
【0020】表1から明らかなように、本発明の組成物
は機械的強度、耐熱性、寸法安定性および特に軟質金属
材料に対する摺動特性に優れ、自動車、産業機械、OA
機器、家電機器などの摺動部品用材料に要求される特性
を有していた。一方、炭素繊維の配合量および形状が本
発明の範囲を外れる場合には、未充填の含フッ素溶融樹
脂に対して機械的強度、耐熱性、寸法安定性の改良は充
分に得られず、とりわけ軟質金属材料に対する摺動特性
においては摩耗が激しかった。
【0021】
【発明の効果】本発明により自動車、産業機械、OA機
器、家電機器などの摺動部品で要求される優れた摺動
性、寸法安定性、高い荷重たわみ温度を有し、しかも成
形性に優れた含フッ素溶融樹脂組成物が提供できる。
【0022】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小森 政二 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 山根 憲康 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 加藤 雅己 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (56)参考文献 特開 昭58−71939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/18 C08K 7/06 F16C 33/20 C08J 5/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフルオロエチレン/パーフルオロ
    アルキルビニルエーテル共重合体またはテトラフルオロ
    エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体65〜9
    0重量%および炭素繊維10〜35重量%からなり、炭
    素繊維の平均繊維径が10〜30μm、平均アスペクト
    比が20〜300であることを特徴とするアルミニウム
    合金に対する摺動部品用樹脂組成物。
JP00905193A 1992-01-24 1993-01-22 摺動部品用樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3175372B2 (ja)

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JP1102092 1992-01-24
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JPH05306356A JPH05306356A (ja) 1993-11-19
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