JPH05295010A - 乳化重合用分散安定剤 - Google Patents

乳化重合用分散安定剤

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JPH05295010A
JPH05295010A JP12555692A JP12555692A JPH05295010A JP H05295010 A JPH05295010 A JP H05295010A JP 12555692 A JP12555692 A JP 12555692A JP 12555692 A JP12555692 A JP 12555692A JP H05295010 A JPH05295010 A JP H05295010A
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JP
Japan
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polymerization
monomer
emulsion
vinyl
vinyl alcohol
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Application number
JP12555692A
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English (en)
Inventor
Masato Nakamae
昌人 仲前
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 平均重合度が3500以上のPVAからなる
(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モ
ノマー、ジエン系モノマーおよびハロゲン化ビニル系モ
ノマーより選ばれた少なくとも1種のモノマーの乳化重
合用分散安定剤。 【効果】 従来の分散剤に比べて、接着特性および厚塗
り性が大幅に改良される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(メタ)アクリル酸エ
ステル系モノマー、スチレン系モノマー、ジエン系モノ
マー、ハロゲン化ビニル系モノマーより選ばれた少なく
とも1種のモノマーの乳化重合用分散安定剤に関する。
さらに詳しくは、接着特性および塗料特性が優れた水性
エマルジョンを容易に得ることのできる(メタ)アクリ
ル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー、ジエン
系モノマーおよびハロゲン化ビニル系モノマーより選ば
れた少なくとも1種のモノマーの乳化重合用分散安定剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニルアルコール系重合体などの
水溶性高分子を保護コロイドとした水性エマルジョン
は、乳化作用を有する界面活性剤だけを乳化重合用分散
安定剤に用いてモノマーを乳化重合して得られた水性エ
マルジョンに比べて、エマルジョンの安定性が良好で、
無機物などとの混和性にも優れ、しかも、各種用途に合
った流動特性を比較的容易に付与できるといった多くの
利点を有することから、接着剤および塗料をはじめとし
た多岐にわたる用途で幅広く使用されている。しかしな
がら、従来のビニルアルコール系重合体を保護コロイド
とした場合には、得られた水性エマルジョンは幾つかの
問題点があり、水性エマルジョンの用途の拡大および高
性能化の流れの中では、従来のビニルアルコール系重合
体を保護コロイドとした水性エマルジョンでは性能が不
十分な点があった。一般に、従来のビニルアルコール系
重合体を保護コロイドとした水性エマルジョンは、接着
性および作業性は優れるが、皮膜の耐水性が劣ると言わ
れている。これは、分散剤である従来のビニルアルコー
ル系重合体によるところが大であることが知られてい
る。また、従来のビニルアルコール系重合体を保護コロ
イドにした水性エマルジョンを接着剤の用途に用いた場
合、乳化作用を有る界面活性剤だけを分散剤にした水性
エマルジョンに比べて、はるかに大きい初期接着力が得
られるが、最近の高速接着指向の流れの中ではさらに大
きい初期接着力が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術における問題点を解消し、接着特性および塗料特性
が飛躍的に改善された水性エマルジョンを工業的規模で
容易に得ることのできる(メタ)アクリル酸エステル系
モノマー、スチレン系モノマー、ジエン系モノマーおよ
びハロゲン化ビニル系モノマーより選ばれた少なくとも
1種のモノマーの乳化重合用分散安定剤を提供するもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のビ
ニルアルコール系重合体を保護コロイドに用いて製造さ
れていた水性エマルジョンが有する種々の特徴(すなわ
ち機械的安定性、化学的安定性、凍結融解安定性、無機
物との混和性などの特徴)を損わずに、接着特性(特
に、初期接着性)および塗料特性が優れた水性エマルジ
ョンを工業的な規模で容易に得ることのできる(メタ)
アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー、
ジエン系モノマーおよびハロゲン化ビニル系モノマーよ
り選ばれた少なくとも1種のモノマーの乳化重合用分散
安定剤について鋭意検討した結果、平均重合度が350
0以上のビニルアルコール系重合体(A)からなる乳化
重合用分散安定剤、該ビニルアルコール系重合体(A)
および乳化作用を有する界面活性剤(B)からなる乳化
重合用分散安定剤、ならびに該ビニルアルコール系重合
体(A)および末端にメルカプト基を有するビニルアル
コール系重合体(C)からなる乳化重合用分散安定剤
が、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン
系モノマー、ジエン系モノマーおよびハロゲン化ビニル
系モノマーより選ばれた少なくとも1種のモノマーの乳
化重合用分散安定剤に適していることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0005】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明の第1発明は、上記の平均重合度が3500以上の
ビニルアルコール系重合体(A)からなる(メタ)アク
リル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー、ジエ
ン系モノマーおよびハロゲン化ビニル系モノマーより選
ばれた少なくとも1種のモノマーの乳化重合用分散安定
剤である。本発明において、乳化重合用分散安定剤とし
て使用されるビニルアルコール系重合体(A)の平均重
合度は3500以上であることが必要であり、5000
〜30000が好ましく、6000〜20000がより
好ましい。ここで、ビニルアルコール系重合体(A)の
平均重合度は、該ビニルアルコール系重合体を再酢化し
たポリ酢酸ビニルについて、アセトン中、30℃で測定
した極限粘度から次式により求めた粘度平均重合度で表
したものである。 P=([η]×103/7.94)(1/0.62) ビニルアルコール系重合体(A)のけん化度は50〜1
00モル%が好ましく、60〜99モル%がより好まし
い。ビニルアルコール系重合体(A)の1,2−グリコ
−ル結合量は1.4モル%以下が好ましく、1.2モル
%以下がより好ましい。本発明のビニルアルコール系重
合体(A)は、実質的に水溶性であり、安定な水性エマ
ルジョンが得られるものであれば、その他の条件に制限
なく、ビニルアルコール単位を主構成単位とする共重合
体、ポリビニルアルコールを一成分とするブロック共重
合体であっても良い。本発明に用いるビニルアルコール
系重合体(A)は、公知の重合方法およびけん化方法に
よって製造される。重合方法としては、例えば塊状重合
法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げら
れる。次に、重合反応で得られたビニルエステル系重合
体をアルコール、ジメチルスルホキシド等に溶解し、ア
ルカリまたは酸などの触媒を用いてけん化することによ
って、本発明のビニルアルコール系重合体(A)を得る
ことができる。
【0006】乳化重合時における乳化重合用分散安定剤
の使用量は、モノマー100重量部に対して0.2〜4
0重量部、好ましくは、0.3〜10重量部、さらに好
ましくは0.5〜5重量部である。ビニルアルコール系
重合体(A)からなる乳化重合用分散安定剤が、0.2
重量部より小さいと、水性エマルジョンの分散質粒子を
安定に保つことが不可能となり、分散質粒子の凝集やブ
ロック化が生じる場合がある。またビニルアルコール系
重合体(A)の使用量が40重量部より大きくなると、
重合系の粘度が高くなりすぎる場合があり、均一に重合
を進行することができなかったり、重合熱の除熱が不十
分であったりする場合がある。
【0007】本発明の第2発明は、平均重合度が350
0以上のビニルアルコール系重合体 (A)および乳化作用を有する界面活性剤(B)からな
る(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系
モノマー、ジエン系モノマーおよびハロゲン化ビニル系
モノマーより選ばれた少なくとも1種のモノマーの乳化
重合用分散安定剤である。本発明における平均重合度が
3500以上のビニルアルコール系重合体 (A)は、第1発明の欄に記載したものが使用されてい
る。本発明における乳化作用を有する界面活性剤(B)
としては特に制限はなく、従来公知の陰イオン性界面活
性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、
両性界面活性剤、高分子界面活性剤が1種または2種以
上組み合わせて用いられる。本発明において、平均重合
度が3500以上のビニルアルコール系重合体(A)と
乳化作用を有する界面活性剤(B)の配合割合は特に制
限はないが、通常99:1〜1:99(重量比)であ
り、好ましくは95/5〜5/95(重量比)である。
また、平均重合度が3500以上のビニルアルコール系
重合体(A)の使用量は、上記モノマー100重量部に
対して0.2〜40重量部、好ましくは0.3〜10重
量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。ビニ
ルアルコール系重合体(A)が0.2重量部より小さい
場合、分散質粒子の安定性は、併用する乳化作用を有す
る界面活性剤(B)により確保できるものの、その水性
エマルジョンはビニルアルコール系重合体を保護コロイ
ドにしたことによる特徴が損われる上に、本発明の目的
である接着特性および塗料特性の改善効果が小さくな
る。またビニルアルコール系重合体(A)の使用量が4
0重量部より大きくなると、重合系の粘度が高くなりす
ぎる場合があり、均一に重合を進行することができなか
ったり、重合熱の除熱が不十分であったりする場合があ
る。
【0008】本発明の第3の発明は、平均重合度が35
00以上のビニルアルコール系重合体(A)および末端
にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体
(C)からなる(メタ)アクリル酸エステル系モノマ
ー、スチレン系モノマー、ジエン系モノマーおよびハロ
ゲン化ビニル系モノマーより選ばれた少なくとも1種の
モノマーの乳化重合用分散安定剤である。本発明におけ
る平均重合度が3500以上のビニルアルコール系重合
体は、第1発明の欄に記載したものが使用される。本発
明における末端にメルカプト基を有するビニルアルコー
ル系重合体(C)としては、分子の主鎖中にメルカプト
基を有する重合体の場合にはビニルアルコール系重合体
自体の酸化によりジスルフィド結合を形成することによ
り不溶化する恐れがあるので、分子の片末端にのみメル
カプト基を有するビニルアルコール系重合体の方が不溶
化の心配がなく、取扱い易いことから、特に好ましい。
このような分子の片末端にのみメルカプト基を有するビ
ニルアルコール系重合体はチオール酸の存在下にビニル
エステル類を主体とするモノマーを重合して得たビニル
エステル系重合体を常法によりけん化して得られる。本
発明の末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系
重合体(C)は、末端のメルカプト基以外に、分子主鎖
および側鎖に官能基を導入したものでも良い。ビニルア
ルコール系重合体(C)の重合度は特に制限はないが、
平均重合度3500未満が好ましく、2000以下がよ
り好ましい。ビニルアルコール系重合体(C)のけん化
度は、他の変性基の種類によっても異なるが水溶性の点
からは70モル%以上が好ましい。本発明において使用
される末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系
重合体(C)は、ラジカル反応において極めて活性なメ
ルカプト基を有するために、末端にメルカプト基を有さ
ない従来のビニルアルコール系重合体と比べて、分散質
粒子に化学的に結びつきやすく、そのため分散質の安定
化効果が著しく向上する。
【0009】本発明において、平均重合度が3500以
上のビニルアルコール系重合体(A)と末端にメルカプ
ト基を有するビニルアルコール系重合体(C)の配合割
合は特に制限はないが、通常99/1〜1/99(重量
比)であり、好ましくは95/5〜5/95である。ま
た、平均重合度が3500以上のビニルアルコール系重
合体(A)の使用量は、上記モノマー100重量部に対
して0.2〜40重量部、好ましくは、0.3〜10重
量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。平均
重合度が3500以上のビニルアルコール系重合体
(A)が0.2重量部より小さい場合、分散質粒子の安
定性および従来のビニルアルコール系重合体を保護コロ
イドにした水性エマルジョンの特徴(機械的安定性、化
学的安定性、凍結融解安定性、無機物との混和性等の特
徴)は、併用する末端にメルカプト基を有するビニルア
ルコール系重合体(C)により確保できるものの、本発
明の主たる目的である水性エマルジョンの接着特性およ
び塗料特性の改善効果が小さくなる。また、平均重合度
3500以上のビニルアルコール系重合体(A)の使用
量が40重量部より大きくなると、重合系の粘度が高く
なりすぎる場合があり、均一に重合が進行することがで
きなかったり、重合熱の除去が不十分であったりする場
合がある。
【0010】本発明の第1〜3発明の乳化重合用分散安
定剤は、本発明の効果を損なわない範囲で他の保護コロ
イド、たとえば従来のポリビニルアルコール;ポリアク
リル酸またはポリメタクリル酸およびその塩類;ポリビ
ニルアルキルエーテル;酢酸ビニルとアクリル酸、メタ
クリル酸又は無水マレイン酸との共重合物およびそのけ
ん化物;低級アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸
共重合物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセ
ルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;ア
ルキル澱粉、カルボンキシメチル澱粉、酸化澱粉などの
澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアル
キレングリコールなどを重合時もしくは重合後に添加し
て、エマルジョンに望まれる特性を付与することも有効
である。この他、乳化重合の際に従来用いられている液
性調節剤、1価または多価のアルコール類、可塑剤、消
泡剤などの助剤を重合時または重合後に併用することは
何ら差し支えない。
【0011】本発明における乳化重合用分散安定剤の重
合系への仕込み方法および添加方法については特に制限
はないが、重合初期に、平均分子量3500以上のビニ
ルアルコール系重合体(A)が多すぎると、重合系の粘
度が高くなりすぎる場合がある。従って、重合系の粘度
を抑制するために、平均重合度3500以上のビニルア
ルコール系重合体を連続的に重合系中に添加し、重合後
に粘度調節することが好ましい。
【0012】本発明に使用される重合開始剤は、乳化重
合に通常用いられる水溶性の単独開始剤(1成分で良い
開始剤を意味する)あるいは水溶性のレドックス系開始
剤が適用される。例えば、単独開始剤としては過酸化水
素、過硫酸塩(K、Naまたはアンモニウム塩)等が挙
げられる。レドックス系開始剤としては、(a)過酸化
水素、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパ
ーオキシド等のヒドロパーオキシド、過硫酸塩(K、N
aまたはアンモニウム塩)等の過酸化物および過酢酸t
−ブチル、過安息香酸t−ブチル等の過酸エステルの中
から選ばれた少なくとも1種、(b)Fe2+、Cr2+
2+、Co2+、Ti3+、Cu+等の1電子移動を受ける
ことのできる金属イオン、(c)ロンガリット、l(エ
ル)−アスコルビン酸等の還元性物質が挙げられ、
(a)/(b)または(a)/(b)/(c)の組合せ
で使用される。
【0013】本発明において用いられる(メタ)アクリ
ル酸エステル系モノマーとしては、アクリル酸エステル
またはメタクリル酸が挙げられ、その具体例としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ドデシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの四級
化物、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げら
れる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メ
チルスチレン、P−スチレンスルホン酸およびそのナト
リウム、カリウム塩等が挙げられる。ジエン系モノマー
としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンが挙
げられる。ハロゲン化ビニル系モノマーとしては、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン等が挙げられる。また、上記モノマーと共重合可能
なモノマーを本発明の効果を損なわない範囲で共重合す
ることも可能であり、これらの共重合可能なモノマーと
しては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテ
ン等のオレフィン系モノマー;メチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエ
ーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル系モノマー;アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およ
びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよ
びその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルア
ミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタ
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホ
ン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチル
アミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロール
メタクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミ
ド誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
ニトリル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合
物;マレイン酸およびその塩またはそのエステル;イタ
コン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメ
トキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペ
ニル等が挙げられる。
【0014】本発明の乳化重合用分散安定剤を用いた場
合には、従来の乳化重合用分散安定剤を用いた場合に比
べて、分散質の粒子径が比較的大きく、また皮膜の耐水
性が良好な水性エマルジョンが得られる。特に、初期接
着力に代表される接着特性が著しく改善され、また、分
散質の粒子径が比較的大きくなることにより、マイグレ
ーションが起こりにくく、そのため厚み塗り性に代表さ
れる塗料特性についても著しく改善された水性エマルジ
ョンを容易に製造することができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが本発明はこれらによって何ら制限されるもの
ではない。なお、実施例中の「%」および「部」は特に
断りのない限り、それぞれ「重量%」および「重量部」
を表す。なお、初期接着力は、接着力試験機ASM−0
1(日本たばこ産業株式会社製)を用いて、次の測定条
件により接着強度を測定した。 原紙 :ライナー紙(コブサイズ度19g
/m2/2分) 測定環境 :20℃、65%RH 接着剤塗工量 :60g/m2(wet塗工量) 接着剤温度 :40℃ 塗工速度 :0.5m/秒 塗工後の放置時間 :1秒 プレス圧 :3kg 圧着時間 :1秒、3秒、5秒、10秒 圧着後の放置時間 :1秒 剥離速度 :200mm/秒 また、塗料の厚塗り性試験は、モデル的な塗料組成物を
調製して以下の条件で実施した。 塗料組成:水性エマルジョン(固形分40%として)/
炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル製、商品名:P
−30)/珪砂7号(三栄銀砂)/酸化第2クロム=3
3/19/31/5(重量部) 塗工条件:ゴムシート上に、上記塗料を1.5kg/m
2塗工した後、20℃65%RH下で、14日間乾燥さ
せた。 評価方法:塗料表面を目視観察した。
【0016】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水100部、ポリビニ
ルアルコール(平均重合度5500、けん化度90.0
モル%)2.5部を計りとり、95℃で完全溶解させ
た。次に、メタクリル酸メチル7部とアクリル酸n−ブ
チル7部を添加し、窒素置換後65℃まで昇温し、1%
過硫酸カリウム水溶液2部を添加して重合を開始し、さ
らに2時間かけてメタクリル酸メチル30部、アクリル
酸n−ブチル30部を連続的に添加した。重合は4時間
で完結し、固形分濃度41.0%、粘度2500mpa
s.s(ミリパスカル・秒)、平均粒子径0.9μmの
メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体エ
マルジョンが得られた。このエマルジョンを用いて、必
要に応じて水またはカルボキシメチルセルロース(CM
C)を添加して目標粘度の2000mpas・sに調整
し、初期接着力および塗料厚塗り性を評価した。結果を
表1および表2に示す。
【0017】実施例2 窒素吹込口、温度計を備えた耐圧オートクレーブに、1
%ポリビニルアルコール(平均重合度12600、けん
化度88.0モル%)水溶液120部と、アルキルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸Na塩(三洋化成製、商品
名:サンデントBL)0.5部を仕込み、次に、スチレ
ン60部を仕込んだ後、窒素置換を行った。次いで、ブ
タジエン40部を耐圧計量器より圧入し、70℃に昇温
した後、2%過硫酸カリウム水溶液25部を圧入して重
合を開始した。内圧は4.3kg/cm2から重合の進
行と共に低下し、15時間後には0.3kg/cm2
なり、重合率を求めたところ99.2%であった。得ら
れたスチレン/ブタジエン共重合体エマルジョンは、固
形分濃度42.8%、粘度3500mpas・s、平均
粒子径0.9μmの安定なものであった。このエマルジ
ョンを用いて、実施例1と同様にして初期接着力および
塗料厚塗り性を評価した。結果を表1および表2に示
す。
【0018】実施例3 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水130部、ポリビニ
ルアルコール(平均重合度8800、けん化度87.6
モル%)1部と末端にメルカプト基を有するポリビニル
アルコール(平均重合度1500、けん化度98.0モ
ル%、[SH]含量1.5×10-5当量/g)3部を計
りとり、95℃で完全溶解させた。次にスチレン8部、
アクリル酸2−エチルヘキシル12部を添加し、窒素置
換後60℃まで昇温し、2%過硫酸カリウム水溶液5部
を添加して重合を開始し、さらに3時間かけてスチレン
30部、アクリル酸2−エチルヘキシル45部を連続的
に添加した。重合は4時間で完了し、固形分濃度42.
3%、粘度6900mpas・s、平均粒子径1.5μ
mの安定なスチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル共
重合体エマルジョンが得られた。このエマルジョンを用
いて、実施例1と同様にして初期接着力および塗料厚塗
り性を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0019】実施例4 窒素吹込口、温度計を備えた耐圧オートクレーブに、
1.5%ポリビニルアルコール(平均重合度7700、
けん化度89.0モル%)水溶液120部を仕込み、硫
酸でpHを4.0に調整し、窒素置換を充分に行った
後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3部を仕込
み、その後塩化ビニルモノマー80部を耐圧計量器より
圧入した。次いで、エチレンを30kg/cm2まで圧
入し、60℃に昇温した後、2%過硫酸カリウム水溶液
25部を圧入して重合を開始した。6時間後、残存塩化
ビニルモノマー濃度は0.01%以下となり、固形分濃
度43.3%、粘度2400mpas・s、平均粒子径
1.1μmの塩化ビニル/エチレン共重合体エマルジョ
ンが得られた。このエマルジョンを用いて、実施例1と
同様にして初期接着力および塗料厚塗り性を評価した。
結果を表1および表2に示す。
【0020】比較例1 実施例2のポリビニルアルコールに代えて、平均重合度
1750、けん化度88.2モル%のポリビニルアルコ
ール(クラレ製、商品名:PVA217)を用いたほか
は、実施例2と同様の方法により乳化共重合を行った。
得られたエマルジョンは、固形分濃度42.8%、粘度
800mpas・s、平均粒子径0.4μmの安定なも
のであった。このエマルジョンを用いて実施例1と同様
にして初期接着力および塗料厚塗り性の試験を行った。
結果を表1および表2に示す。
【0021】比較例2 実施例1のポリビニルアルコールに代えて、ポリオキシ
エチレン40モル付加ノニルフェニルエーテル(三洋化
成製、商品名:ノニポール400)を用いたほかは、実
施例1と同様の方法により乳化共重合を行った。得られ
たエマルジョンは、固形分濃度41.3%、粘度300
mpas・s、平均粒子径0.15μmの安定なもので
あった。このエマルジョンを用いて実施例1と同様にし
て初期接着力および塗料厚塗り性の試験を実施した。結
果を表1および表2に示す。
【0022】比較例3 実施例3のポリビニルアルコール(平均重合度880
0、けん化度87.6モル%)に代えて、アルキルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸Na塩(三洋化成製、商品
名:サンデットBL)を用いたほかは、実施例3と同様
の方法により乳化共重合を実施した。得られたエマルジ
ョンは、固形分濃度42.6%、粘度600mpas・
s、平均粒子径0.5μmの安定なものであった。この
エマルジョンを用いて実施例1と同様にして、初期接着
力および塗料厚塗り性の試験を実施した。結果を表1お
よび表2に示す。
【0023】比較例4 実施例3のポリビニルアルコール(平均重合度880
0、けん化度87.6モル%)を用いないほかは、実施
例3と同様の方法により乳化共重合を実施した。得られ
たエマルジョンは、固形分濃度42.5%、粘度110
0mpas・s、平均粒子径0.7μmの安定なもので
あった。このエマルジョンを用いて実施例1と同様にし
て初期接着力および塗料厚塗り性の試験を実施した。結
果を表1および表2に示す。
【0024】
【表1】 (表1の脚注) *1)サンデットBL:アルキルジフェニルエーテルジ
スルホン酸Na塩(三洋化成製) ノニポール400:ポリオキシエチレン40モル付加ノ
ニルフェニルエーテル (三洋化成
製) 末端メルカプト基含有PVA:重合度1500 けん化度98.0モル% [SH]含量=1.5×10-5当量/g *2)MMA :メタクリル酸メチル n−BA :アクリル酸n−ブチル St :スチレン Bt :ブタジエン 2−EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル Vc :塩化ビニル Et :エチレン *3)30℃、B型粘度計、60rpm
【表2】
【0025】
【発明の効果】上記の実施例により明らかなとおり、本
発明の乳化重合用分散安定剤を用いて乳化重合して得ら
れたエマルジョンは、従来の分散剤を用いた場合に比べ
て、接着特性および塗料特性が改良される。本発明の乳
化重合用分散安定剤を用いて得られたエマルジョンは、
上記の特徴を生かして、接着剤、塗料、紙、センイ加工
剤などに有用であり、工業上の利用価値が極めて大き
い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均重合度が3500以上のビニルアル
    コール系重合体(A)からなる(メタ)アクリル酸エス
    テル系モノマー、スチレン系モノマー、ジエン系モノマ
    ーおよびハロゲン化ビニル系モノマーより選ばれた少な
    くとも1種のモノマーの乳化重合用分散安定剤。
  2. 【請求項2】 平均重合度が3500以上のビニルアル
    コール系重合体(A)および乳化作用を有する界面活性
    剤(B)からなる(メタ)アクリル酸エステル系モノマ
    ー、スチレン系モノマー、ジエン系モノマーおよびハロ
    ゲン化ビニル系モノマーより選ばれた少なくとも1種の
    モノマーの乳化重合用分散安定剤。
  3. 【請求項3】 平均重合度が3500以上のビニルアル
    コール系重合体(A)および末端にメルカプト基を有す
    るビニルアルコール系重合体(C)からなる(メタ)ア
    クリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー、ジ
    エン系モノマーおよびハロゲン化ビニル系モノマーより
    選ばれた少なくとも1種のモノマーの乳化重合用分散安
    定剤。
JP12555692A 1992-04-17 1992-04-17 乳化重合用分散安定剤 Pending JPH05295010A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122911A (ja) * 1999-10-28 2001-05-08 Showa Denko Kk 乳化重合法及び組成物

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JP2001122911A (ja) * 1999-10-28 2001-05-08 Showa Denko Kk 乳化重合法及び組成物

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