JPH05294928A - フタルイミド−過カプロン酸(pap)の精製法 - Google Patents

フタルイミド−過カプロン酸(pap)の精製法

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JPH05294928A JP5032258A JP3225893A JPH05294928A JP H05294928 A JPH05294928 A JP H05294928A JP 5032258 A JP5032258 A JP 5032258A JP 3225893 A JP3225893 A JP 3225893A JP H05294928 A JPH05294928 A JP H05294928A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フタルイミド過カプロン酸(PAP)結晶格
子に閉じ込まれた合成に由来のクロル化溶剤不純物を除
去する。 【構成】 フタルイミド−過カプロン酸を溶解し、次い
で結晶化又は溶剤を蒸発(除去)することからなり、フ
タルイミド−過カプロン酸が、アルコール類、ケトン類
および脂肪族エステル類からなる群から選択された極性
で揮発性溶剤に溶解されることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、合成に使用されたフ
タルイミド過カプロン酸(PAP)結晶格子に閉じ込ま
れたクロル化溶剤からなる不純物から、PAPを精製す
る方法に関する。より詳しくは、不純物を構成するクロ
ル化溶剤を特定の特性を示す溶剤によって除去するPA
Pの精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】PAPの製法は、ヨーロッパ特許出願第
490,409 号で知られている。この方法によると、フタル
イミドカプロン酸(PAC)が強酸の存在下H22によ
って過酸に変換される。ジクロロメタンとトリクロロメ
タンから選ばれたハロゲン化脂肪族炭化水素からなる有
機溶剤の存在下、二相系で得られるPAPは低温での結
晶化又は真空下の溶剤除去により有機相から回収されて
いる。
【0003】製品(PAP)を分析(ガスクロマトグラ
フィー、X線蛍光)すると、合成に使用したクロル化溶
剤の存在が測定される。PAP結晶は、500〜2,5
00ppm の範囲内の量でエントラップした溶剤を含んで
いる。
【0004】ハロゲン化脂肪族化合物は毒性で潜在的に
発癌性であるため公害問題を生ずる可能性がある。従っ
て、PAP内にエントラップされたクロル化溶剤の含量
は、消費者の用途向けの全ての製品で極く低レベルに減
少されることが必要である。このような減少をさせるか
除去することが、中温度〜低温の洗浄組成物で、漂白剤
としてPAPを工業的に使用する場合に望まれる。
【0005】この発明の目的は、ヨーロッパ特許出願第
490,409 号に開示の方法によって得られるPAPの結晶
格子内にエントラップされたクロル化溶剤で構成される
不純物を減少さすため、工業的レベルで行うことができ
る方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、PA
Pの合成後に使用され、特定の特性を示す溶剤を使用す
ることにより、PAP結晶格子内に存在するクロル化溶
剤を工業的レベルで除去できることを見出した。
【0007】従って、この発明は、フタルイミド−過カ
プロン酸を溶解し、次いで結晶化および溶剤を蒸発(除
去)することからなり、フタルイミド−過カプロン酸
が、アルコール類、ケトン類および脂肪族エステル類か
らなる群から選択された極性で揮発性溶剤に溶解される
ことを特徴とするフタルイミド−過カプロン酸の精製法
に関する。
【0008】より詳しくは、PAPを溶解させ、続いて
結晶化又は溶剤の蒸発(除去)で、PAPが脂肪族エス
テル類の群に属する溶剤に溶解させることを特徴とする
PAPの精製法に関する。この発明によるPAP精製に
用いる溶剤の選択が重要である。この発明の目的に適す
る溶剤は次の要件を満たす必要がある。溶剤は、PAP
とその合成に使用され、得られるPAP結晶内にエント
ラップされたクロル化溶剤に対して良溶媒であること。
【0009】溶剤は、過酸からの溶剤除去を促進するた
めに良揮発性であるべきで、但し、その揮発性は、それ
の工業的使用を危険にする程過剰に高くないこと。溶剤
は、別の毒性の溶剤がPAP結晶内にエントラップされ
るのを防止するため非毒性であること。
【0010】溶剤は、過酸に対し完全に不活性であり、
かつ、ごく良好な酸化耐性であること、これは使用した
溶剤の痕跡が最終製品又は酸化製品内に残存(100〜
800ppm )すると、安全性問題が生ずる他に、過酸結
晶内に残り、それの安定性を減少するからである(例え
ばエステルが酸素と接触すると過酸化物を形成)。
【0011】この発明の方法に必要とされる上部の要件
を満す溶剤は、極性で揮発性溶剤である。特に酢酸メチ
ル、酢酸エチルのような脂肪族エステル類がある。好ま
しい溶剤は酢酸エチルである。この発明の方法により、
過酸とそれを溶解するのに用いる溶剤との重量比は、過
酸の溶剤に対する溶解性で決められ、1:2〜1:8の
範囲内が好ましい。脂肪族エステルを溶剤として用いた
際、その比は、1:3〜1:6の範囲内が好ましい。
【0012】方法を行う温度は、過酸の分解を防止する
ために40℃以下である。この発明の方法で、結晶化又
は溶剤蒸発(ストリッピング)は、脱ミネラル化水の存
在下又は非存在下で行うことができる。過酸は、結晶形
で分離できる。この発明の方法で得たPAPは、ハロゲ
ン化溶剤の3ppm 以下を含有する。この発明の方法では
溶剤として特に脂肪族エステルを使用して、ハロゲン化
溶剤を除いたPAPは安定である。
【0013】好ましい具体例によれば、クロル溶剤によ
る不純物含有するPAPを脂肪族エステルの群に属する
溶剤に溶解し、精製を、+40℃以下の温度で、当該分
野で公知の方法を用いて行うことができる。次にこの発
明を実施例によって説明するが、それによって限定され
るものではない。
【0014】
【実施例】実施例1〜4 50gのPAPを+40℃より低温で、以下の表1に示す溶
剤にそれぞれ溶かした。このように溶かしたPAPを、
塩素化溶剤から実質的に遊離させてPAPを回収するた
めに、公知の方法[(a)と(b)]によって処理し
た。
【0015】(a)結晶化方法によって、溶かしたPA
Pを0℃で再結晶した。生じた結晶を懸濁液から濾過
し、その後真空下、+25℃で24時間、デシケーター(C
aCl 2 )中で乾燥させた。 (b)ストリッピング方法によって、溶かしたPAPを
+40℃より低い温度で、回転エバポレーターからなる反
応器或いは反応がまに、断続的或いは回分的に供給し
た。溶剤を蒸留させるために、PAP溶液を、このよう
な減圧下、この温度で保つことによって処理した。過酸
を濾過した後、真空下、室温で24/48時間、デシケータ
ー(CaCl2 )中で乾燥させた。
【0016】上記に開示された[(a)と(b)]の方
法で実行された操作は、脱イオン水の存在下(実施例2
及び4)及び非存在下(実施例1及び3)で行った。こ
の工程の条件と得られた結果を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】実施例5〜8 PAPの生成用の溶剤をアルコール(エタノール)及び
ケトン(アセトン)を使用することを除いては、実施例
1〜4の操作方法を繰り返した。ストリッピング及び結
晶化はH2 Oの非存在下で行った。操作条件と得られた
結果を表2に示した。
【0019】
【表2】
【0020】生成したPAPの安定性 生成したPAPの熱安定性を、パーキン−エルマー(PE
RKIN-ELMER)DSC-2C装置を使用して、ASTM方法No.E
-537-84 によって、DSC(示差走査熱量計)で測定す
ると共に、前記生成した過酸化物酸の過酸化物損失分
(%)を測定した。
【0021】この損失を測定するために、試験(A)及
び(B)を行った。試験(A)によれば、10gの精製し
たPAPを30日間、+25℃できつく閉めた容器内に貯蔵
した。試験(B)によれば、0.3 gの精製したPAPを
+70℃で1時間、炭化水素中に懸濁液として貯蔵した。
実施例1〜6による精製した、PAPの検査によって得
られた結果を、以下の表3に示した。
【0022】
【表3】
【0023】実施例7(比較例) PAP結晶内部に閉じ込められたクロロ炭化水素を溶解
することができるヘキサンを比較精製工程に使用した
が、前記PAPを溶解することはできず、それゆえ、本
発明による工程に使用するために溶剤に要求される必須
の条件に対応することはできなかった。
【0024】実施例1〜4の操作方法と同様に、溶剤と
してのn−ヘキサンの使用と、+37℃でストリッピング
することによるPAPの分離を繰り返し行った。圧力は
20mmHgの減圧とした。操作条件と得られた結果を表4に
示した。表4のデータはジクロロメタンがPAPから分
離できず、精製できないことを証明している。
【0025】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロベルト ガラフッア イタリア国、80127 ナポリ、ビア サン ドメニコ 75(アル コルソ ユアロ プ)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フタルイミド−過カプロン酸を溶解し、
    次いで結晶化又は溶剤を蒸発(除去)することからな
    り、フタルイミド−過カプロン酸が、アルコール類、ケ
    トン類および脂肪族エステル類からなる群から選択され
    た極性で揮発性溶剤に溶解されることを特徴とするフタ
    ルイミド−過カプロン酸の精製法。
  2. 【請求項2】 溶剤が脂肪族エステルである請求項1に
    よる方法。
  3. 【請求項3】 溶剤が酢酸エチルである請求項1又は2
    による方法。
  4. 【請求項4】 前記過酸と溶剤との比が1:2〜1:8
    重量比の範囲内である請求項1〜3の何れか1つによる
    方法。
  5. 【請求項5】 前記過酸と溶剤との比が1:3〜1:6
    重量比の範囲内である請求項4による方法。
  6. 【請求項6】 方法が40℃以下で行われる請求項1〜
    5の何れか1つによる方法。
JP03225893A 1992-02-21 1993-02-22 フタルイミド−過カプロン酸(pap)の精製法 Expired - Fee Related JP3256016B2 (ja)

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