JPH05294622A - 酸化亜鉛配向膜の製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛配向膜の製造方法

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JPH05294622A
JPH05294622A JP10436292A JP10436292A JPH05294622A JP H05294622 A JPH05294622 A JP H05294622A JP 10436292 A JP10436292 A JP 10436292A JP 10436292 A JP10436292 A JP 10436292A JP H05294622 A JPH05294622 A JP H05294622A
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JP
Japan
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zinc oxide
substrate
heat treatment
zinc
film
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JP10436292A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Oyama
正嗣 大山
Sumio Sakka
濟夫 作花
Toshinobu Yokoo
俊信 横尾
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一かつ緻密なC軸が基板の表面に垂直に配
向した酸化亜鉛薄膜を簡便かつ低コストで製造する方法
の開発。 【構成】 亜鉛化合物溶液を基板に塗布して得られた塗
布膜を2段階の加熱処理を経ることによって得られる酸
化亜鉛配向膜の製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化亜鉛配向膜の製造方
法に関し、さらに詳しくは、センサ,表面波デバイス,
バリスタ,透明電極等の材料,γ線の発光材料,光導波
路素子,強誘電性薄膜作成用基板等として有用な均一か
つ緻密なC軸が基板の表面に垂直に配向している酸化亜
鉛薄膜を簡便かつ低コストで製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、酸化亜鉛配向膜は、光学的に透
明で、圧電性やn−型半導体特性を有し、例えば表面波
デバイス,バリスタ,透明電極等に幅広く利用できる材
料である。このように、酸化亜鉛配向膜は利用価値が高
いため、簡便で安価な製造方法が望まれている。従来、
金属酸化物薄膜の製造方法、特にC軸が基板の表面に垂
直に配向した薄膜の製造方法としては、例えば真空蒸着
法,スパッタリング法,気相化学反応法(CVD法),
噴霧熱分解法(スプレーパイロリシス法)等がよく用い
られている。しかしながら、従来の方法においては、薄
膜製造設備が大がかりとなり、大面積の薄膜を製造する
ことが困難であり、C軸が基板の表面に垂直に配向して
いない薄膜も製造されていた。また、高橋らは第30回
セラミックス基礎科学討論会予稿集(1991年)にお
いて、イソプロパノールに亜鉛n−プロポキシドおよび
/または酢酸亜鉛2水和物をジエタノールアミンと共に
溶解し、基板に塗布後熱処理することにより得られる酸
化亜鉛薄膜を開示している。この酸化亜鉛薄膜は、50
0℃以下での第1段目の加熱処理を行わずに600℃で
焼成しているため、C軸が基板の表面に垂直に配向した
ものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
上記従来技術の欠点を解消し、均一かつ透明で緻密なC
軸が基板の表面に垂直な配向を有する亜鉛酸化配向膜
を、簡便かつ低コストで製造する方法を開発すべく鋭意
研究を重ねた。
【0004】
【課題を解決するための手段】その結果、亜鉛化合物溶
液を塗布して得られた塗布膜を、2段階にわけて加熱処
理することによって、上記目的を達成できることを見出
した。本発明はかかる知見に基いて完成したものであ
る。すなわち本発明は、亜鉛化合物溶液を基板に塗布し
て得られた塗布膜を200℃以上500℃以下で1段目
加熱処理をし、さらに1段目の加熱温度より高い温度〜
1000℃以下で2段目加熱処理をすることを特徴とす
る酸化亜鉛配向膜の製造方法を提供するものである。
【0005】本発明において、亜鉛化合物溶液の原料で
ある亜鉛化合物は、特に限定されないが、例えば塩化亜
鉛,硝酸亜鉛,硫酸亜鉛等の無機化合物や酢酸亜鉛,蟻
酸亜鉛,アセチルアセトナト亜鉛,亜鉛アルコキシド等
の有機化合物が挙げられる。好ましくは酢酸亜鉛であ
る。また、上記亜鉛化合物溶液の溶媒は、特に限定され
ないが、例えばメタノール,エタノール,n−プロパノ
ール,イソプロパノール,n−ブタノール,イソブタノ
ール,sec−ブタノール,t−ブタノール,エチレン
グリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモ
ノエチルエーテル等の炭素数1〜5の脂肪族アルコール
類あるいはその誘導体、アセトン,アセチルアセトン,
メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル,
ジエチルエーテル等のエーテル、酢酸,プロピオン酸等
のカルボン酸等を挙げることができる。これらの中で特
に炭素数1〜5の脂肪族アルコール類が好適である。ま
た、上記溶媒は、場合に応じてそれぞれ単独で用いても
よく、二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0006】さらに本発明においては、上記溶媒に対す
る亜鉛化合物の溶解性を向上させるために、添加剤を用
いてもよい。この添加剤としては、アミンが好ましく、
例えばモノエタノールアミン,ジエタノールアミン,ト
リエタノールアミン,2−アミノ−2−メチル−1−プ
ロパノール等の水酸基含有アミン、n−プロピルアミ
ン,イソプロピルアミン等の炭素数1〜15のアルキル
アミン、アニリン等の芳香族アミン等が挙げられる。こ
れらの中で特に水酸基含有アミンが好適である。さら
に、アミンとの混合物として無機塩類も用いることがで
きる。無機塩類としては、硝酸,塩酸,硫酸等が挙げら
れる。また、上記添加剤はそれぞれ単独で用いてもよ
く、場合に応じて二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0007】本発明は、まず亜鉛化合物および溶媒を混
合して亜鉛化合物溶液である塗布液を調製する。この
際、必要に応じて添加剤を加えることができる。この塗
布液の調製において、各成分の混合順序については特に
制限はなく、任意の順序で混合を行ってもよい。例え
ば、亜鉛化合物と溶媒を混合した後、添加剤を添加する
調製方法が挙げられる。
【0008】上記塗布液における亜鉛化合物の濃度につ
いては特に制限はなく、低濃度でもよいが、0.001モ
ル/リットル以上が好ましい。また、添加剤の添加量
は、通常、亜鉛化合物1モルに対し、0.5モル以上であ
ればよい。さらに、上記塗布液には、本発明の目的が損
なわれない範囲で、所望に応じ酢酸等の酸や上記含酸素
有機化合物以外のアルカリ等の添加剤、あるいは水を添
加してもよいし、粘度等を調整する目的で他の有機溶媒
を添加してもよく、さらには使用する溶媒に溶解する他
の金属の化合物、例えばアルミニウム,インジウム,ス
ズ,ビスマス等の金属化合物を添加してもよい。
【0009】このようにして調製された塗布液は加水分
解が起こりにくく、安定性に優れている。次に、この塗
布液を基板上に塗布するが、この塗布方法については特
に制限はなく、溶液からの薄膜の形成に従来慣用されて
いる方法、例えば、スプレー法,ディップコート法,ス
ピンコート法等を用いることができる。基板上に塗布さ
れたゲル膜は2段階の熱処理が施される。1段目熱処理
は、200以上500℃未満の温度、即ち塗布液中の酸
化亜鉛の結晶成長の速度が遅い温度範囲で行われる。ま
た2段目熱処理は、1段目の加熱温度より高い温度〜1
000℃以下、好ましくは300〜800℃の範囲で行
われる。また、熱処理時間は10分ないし5時間程度で
充分である。このようにして形成された酸化亜鉛薄膜は
サイズの均一な酸化亜鉛粒子からなるため透明性が良好
であり、C軸が基板の表面に垂直な配向を有するもので
ある。また、その膜厚は通常0.01〜10μmの範囲で
ある。本発明において用いられる基板は、塗布液及び熱
処理に耐えるものであればよく、例えば耐熱ガラス,石
英ガラス,単結晶,セラミックス,プラスチック等の基
板を用いることができる。
【0010】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら
限定されるものではない。 実施例1 エチレングリコールモノメチルエーテルに酢酸亜鉛2水
和物を濃度0.75モル/リットルとなるように加え、更
にモノエタノールアミンを酢酸亜鉛2水和物の0.5倍の
モル量を添加し、40℃で攪拌および加温して塗布液を
得た。得られた塗布液にシリカガラス基板を室温で浸漬
した後、約3.5cm/分で基板を塗布液から引上げ電気
炉で300℃,10分間熱処理(1段目)して透明なゲ
ル膜を得た。浸漬−引上げ−熱処理を3回繰り返した
後、電気炉で800℃,60分間熱処理(2段目)し
た。得られた薄膜は、X線回折測定によるとC軸が基板
の表面に垂直に配向した酸化亜鉛配向膜であることを確
認した。膜厚は、約1000Å(走査型電子顕微鏡によ
る測定)であった。
【0011】比較例1 1段目の加熱処理を850℃とした以外は、実施例1と
同様にして酸化亜鉛薄膜を得た。得られた薄膜は、X線
回折測定によるとC軸が基板の表面に垂直に配向してい
ない酸化亜鉛薄膜であった。
【0012】実施例2 モノエタノールアミンの代わりにジエタノールアミンを
用いた以外は、実施例1と同様にして酸化亜鉛薄膜を得
た。得られた薄膜は、X線回折測定によるとC軸が基板
の表面に垂直に配向した酸化亜鉛配向膜であった。膜厚
は、約1000Å(走査型電子顕微鏡による測定)であ
った。
【0013】比較例2 1段目の加熱処理を850℃とした以外は、実施例2と
同様にして酸化亜鉛薄膜を得た。得られた薄膜は、X線
回折測定によるとC軸が基板の表面に垂直に配向してい
ない酸化亜鉛薄膜であった。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、均一透明で緻密なC軸
が基板の表面に垂直な配向を有する(導電性,圧電性に
優れている)亜鉛酸化薄膜を、簡便かつ低コストで製造
することができる。本発明によって製造される酸化亜鉛
配向膜は、センサ,表面波デバイス,バリスタ,透明電
極等の材料やγ線の発光材料,光導波路素子,強誘電性
薄膜作成用基板等として有効な利用が期待される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛化合物溶液を基板に塗布して得られ
    た塗布膜を200℃以上500℃未満で1段目加熱処理
    をし、さらに1段目の加熱温度より高い温度〜1000
    ℃以下で2段目加熱処理をすることを特徴とする酸化亜
    鉛配向膜の製造方法。
JP10436292A 1992-04-23 1992-04-23 酸化亜鉛配向膜の製造方法 Pending JPH05294622A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004256377A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Nippon Shokubai Co Ltd 金属酸化物膜の製造方法
JP2007022851A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ポーラス酸化亜鉛膜、同製造方法、ポーラス酸化亜鉛膜を備えた色素増感型太陽電池、光触媒、化学センサー又は蛍光体、ポーラス酸化亜鉛膜形成用前駆体、同製造方法
JP2013103843A (ja) * 2011-11-10 2013-05-30 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 無機結晶膜およびその製造方法

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