JP2956283B2 - 有機錫化合物の製造方法 - Google Patents
有機錫化合物の製造方法Info
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Description
として好適に用いることができる有機錫化合物の製造方
法に関する。
過性があり、物理的および化学的な耐久性に優れてお
り、しかも比較的安価である。このため、例えば表示素
子等の電気光学素子、タッチパネル等の透明電極材、赤
外線反射用窓材、太陽電池用表面膜材、帯電防止用コー
ティング材、ガスセンサーなどとして広い分野で用いら
れている。
膜は、スプレー法、CVD法、蒸着法、スパッタリング
法などの形成法によって作製されている。しかし、これ
らの形成法には、装置が複雑であったり、膜形成速度が
遅かったり、作業効率が悪かったり、また大面積化に適
さないなどの問題がある。
サン酸などの酸化錫前駆体を含有している水系コーティ
ング液を、基板にコーティングし焼成して透明導電膜を
形成する塗布法は、比較的簡単な操作で当該膜を形成す
ることができ、成膜コストも安価である。また、この方
法は大面積の基板や管の作製にも適用することができ
る。
化錫前駆体を水に溶解させるために、一般的には水に強
酸または強塩基を添加しなければならない。ところが、
これらの強酸または強塩基にはNa、K、Clなどが含
まれており、形成された透明導電膜中にNa、K、Cl
などのイオンが残存し、これらの不純物が透明導電膜を
形成した基板およびこの基板の周辺のエレクトロニクス
部品を汚染し、この基板または部品を使用している機器
に損傷を与えるという問題もある。
塗布法における問題を解決しうる有機錫化合物の製造方
法を提供することにある。すなわち本発明は、塗布法に
よる透明導電膜の形成に適する前駆体であって、得られ
るコーティング液が安定で良好な成膜性を有する、有機
錫化合物の製造方法を提供しようとするものである。さ
らに本発明の別の目的は、透明導電膜としてばかりでは
なく、固体触媒、めっき組成物、合成樹脂組成物、安定
化剤、感光剤、抗菌剤、防虫剤などの製造原料としても
利用できる有機錫化合物の製造方法を提供しようとする
ものである。
(I): R1 Sn(OR2 )3 …………(I) (ここで、R1 は水素原子、アルキル基またはアリール
基であり、R2 は水素原子、アルキル基、アリール基ま
たはアシル基である。)で表わされるスズ化合物と、 一般式(II): HO−A−COOH …………(II) (ここで、Aはアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アシル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリー
レン基およびカルボニル基からなるグループから選ばれ
た少なくとも1種の構造を有する、2価の有機基であ
る。)で表わされるヒドロキシカルボン酸とを、反応さ
せることを特徴とする有機錫化合物の製造方法を提供す
るものである。
子、アルキル基好ましくは炭素数1〜10のアルキル基
またはアリール基好ましくは炭素数6〜10のアリール
基である。R1 のアルキル基の炭素数が10をまたはア
リール基の炭素数が10を越える場合、得られる透明導
電膜の緻密性が低下する。
ル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチ
ル基、n−ノニル基、n−デシル基などを、アリール基
の例としては、フェニル基、トリル基、エチルフェニル
基、メシチル基、ナフチル基などを挙げることができ
る。これらR1 の中で特に好ましいものは、メチル基、
エチル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、n−オ
クチル基およびフェニル基である。
アルキル基好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、、
アリール基好ましくは炭素数6〜10のアリール基また
はアシル基好ましくは炭素数1〜10のアシル基であ
る。R2 のアルキル基の炭素数が10を、アリール基の
炭素数が10をまたはアシル基の炭素数が10を越える
ものは、得られる透明導電膜の緻密性が低下する。
例としては、R1 で例示したものと同様の基を挙げるこ
とができ、アシル基の例としては、アセチル基、プロピ
オニル基、ブチリル基、ヘキサノイル基、2−エチルヘ
キサノイル基、デカノイル基、ベンゾイル基などが挙げ
られる。これらのR2 の中で特に好ましいものは炭素数
1〜10のアルキル基であり、さらに好ましいものは、
エチル基、iso−プロピル基およびn−ブチル基であ
る。
の具体例としては、メチルトリエトキシスズ、メチルト
リ−n−ブトキシスズ、エチルトリエトキシスズ、エチ
ルトリ−n−ブトキシスズ、n−ブチルトリメトキシス
ズ、n−ブチルトリエトキシスズ、n−ブチルトリ−i
so−プロポキシスズ、n−ブチルトリ−フェノキシス
ズ、フェニルトリメトキシスズ、フェニルトリエトキシ
スズ、フェニルトリ−iso−プロポキシスズ、フェニ
ルトリ−n−ブトキシスズ、エチルトリアセトキシス
ズ、n−ブチルトリアセトキシスズ、フェニルトリアセ
トキシスズなどを挙げることができる。この中でさらに
好ましいものは、メチルトリエトキシスズ、メチルトリ
−n−ブトキシスズ、n−ブチルトリメトキシスズ、n
−ブチルトリ−iso−プロポキシスズ、フェニルトリ
メトキシスズ、フェニルトリエトキシスズおよびn−ブ
チルトリアセトキシスズである。
アルケニル基、アリール基、アシル基、アルキレン基、
アルケニレン基、アリーレン基およびカルボニル基から
なるグループから選ばれた少なくとも1種の構造を有す
る、2価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜15の
前記2価の有機基から選ぶことができる。前記2価の有
機基の炭素数が15を越える場合、得られる透明導電膜
の緻密性が低下する。
基としては、次の構造式で表わされるものを例示するこ
とができる。
ボン酸中に複数有していてもよい。一般式(II)で表わ
されるヒドロキシカルボン酸の中で好ましいものとし
て、2−ヒドロキシイソ酪酸、4−ヒドロキシ安息香
酸、サリチル酸、4−ヒドロキシけい皮酸、4−ヒドロ
キシ−3−メトキシ安息香酸、12−ヒドロキシデカン
酸、グリコール酸などを挙げることができる。さらに好
ましいものとしては、グリコール酸、2−ヒドロキシイ
ソ酪酸および4−ヒドロキシ安息香酸を挙げることがで
きる。
反応方法について説明する。まず、一般式(I)で表わ
されるスズ化合物と一般式(II)で表わされるヒドロキ
シカルボン酸とを、それぞれ別々に有機溶剤中に溶解し
たのち2つの溶液を混合する。このとき、スズ化合物と
ヒドロキシカルボン酸との使用量は、好ましくは1:1
〜1:3の範囲となるようにする。これ以外の範囲では
収率が低下する。
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノアセテートなどの1価のアルコール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ポリ(エチレングリコー
ル)、プロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコ
ール)、1,4−ブタンジオール、ポリ(テトラメチレ
ングリコール)などの2価のアルコール、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、アセチル
アセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチルなどの
β−ジケトン類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド
類、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトンなどの
ケトン類を挙げることができる。
ロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコール、テトラヒド
ロフラン、キシレン、トルエン、アセチルアセトン、ア
セト酢酸エチル、ジメチルアセトアミドおよびメチルイ
ソプロピルケトンである。
び沸点によっても異なるが、好ましくは20℃〜100
℃の範囲である。反応は、外部からの水分の混入を防ぐ
ために、窒素などの不活性ガス雰囲気中または乾燥空気
中で実施するのが好ましく、反応器具および有機溶剤は
十分乾燥して用いることが好ましい。
あるいは用いるスズ化合物とヒドロキシカルボン酸との
組み合せによっても異なるが、一般的には混合後瞬時〜
5時間である。
どで十分に撹拌しながら行なう。この際、反応生成物で
ある有機錫化合物は固体状沈澱物であることもあるの
で、反応スケールを500ml以上にする場合は、ガラ
ス製あるいはテフロン製の撹拌棒により撹拌するのが好
ましい。
機錫化合物を、透明導電膜の製造原料として用いる場合
は、好ましくは次のようにして精製する。
し、固体状の沈澱物となる場合は、これを濾別し、トル
エン、ベンゼンなどの芳香族系、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなどのアセトン系あ
るいはメタノール、エタノール、iso−プロパノール
などのアルコール系の低沸点有機溶剤を用いて、十分洗
浄する。このとき、精製は、窒素等の不活性ガス雰囲気
下で、十分乾燥した溶剤を用いて行なう。
き、好ましくは減圧度は10mmHg〜30mmHgで
あり、加熱温度は60〜110℃である。加熱、乾燥が
不十分な場合は、有機溶剤が残留し、透明導電膜として
の成膜性が悪くなる原因となる。
状態で長時間加熱、乾燥すると、有機錫化合物が分解を
起こす場合がある。
解している場合は、不純物などの少量の析出物を濾過し
て除き、室温に戻したのちこれをそのまま透明導電膜の
製造原料の溶液として用いることができる。
中でも、蒸気圧浸透法による分子量が150〜1500
0であるものは、透明導電膜の製造原料として特に好ま
しい。
を製造原料とする透明導電膜の形成法について述べる。
成において例示した有機溶剤の他に、メチルイソブチル
ケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、γ−ブ
チロラクトン、2−アミノエタノール、2,4−ヘキサ
ンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,6−ジメチル
−3,5−ヘプタンジオン、t−ブチルアセトアセテー
ト、アセト酢酸イソペンチル、アセト酢酸ベンジル、フ
タル酸、マロン酸などの有機溶剤を用いることができ
る。また、塗布液の調製における有機溶剤に対する有機
錫化合物の含量は、通常、3〜40重量%、好ましくは
5〜30重量%である。
モン化合物を有機錫化合物100重量部に対して0.5
〜20重量部配合することが好ましく、得られる透明導
電膜中のアンチモン原子の含量がスズ原子に対して1〜
10モル%、特に3〜7モル%になるように選ばれる。
得られる透明導電膜中のアンチモン原子の含量がスズ原
子に対して1モル%未満であると導電性が低下し、10
モル%を越えると、透明導電膜の成膜性が著しく低下す
る。ここで、アンチモン化合物としては、酸化アンチモ
ン(III)、トリエトキシアンチモン、トリ−n−プロポ
キシアンチモン、トリ−iso−プロポキシアンチモ
ン、トリ−n−ブトキシアンチモン、トリ−iso−ブ
トキシアンチモンなどを挙げることができる。また、ド
ープ剤としては、フッ化第一スズ、硝酸カドミウム、五
酸化ニオブ、酸化タンタル、シュウ酸クロムなどを用い
ることもできる。
は、シリコンウェハ、石英ガラス、ソーダ石灰ガラスな
どを用いることができる。
布液として用いる一般式(I)で表わされるスズ化合物
と一般式(II)で表わされるヒドロキシカルボン酸の種
類および有機溶剤の種類によって異なるが、一般には前
処理として30〜150℃で0.1〜3時間加熱し、そ
の後350〜550℃で0.1〜6時間加熱する。な
お、これらの規定温度への昇温速度は通常、10℃/毎
分程度で行なう。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
イソプロパノール」という)30mlに、ブチルスズト
リisoプロポキシド3.67g(10.4mmol)
を加えて溶解し、これに無水イソプロパノール10ml
にグリコール酸0.79g(10.4mmol)を溶解
したものを加え、窒素気流中で攪拌下、80℃にて3時
間加熱した。次いで、生成した有機錫化合物(白色沈澱
物)を、アセトンおよびイソプロパノールで十分に洗浄
し、80〜110℃、減圧度20〜30mmHg程度で
6〜7時間加熱減圧乾燥した。このときの有機錫化合物
の収率は63%であった。この有機錫化合物をジメチル
ホルムアミドに溶解し、蒸気圧浸透法(日立製作所製1
17型分子量測定装置を使用)で分子量を測定したとこ
ろ、560〜580であった。次に、この有機錫化合物
の元素分析、フーリエ変換IRの測定(日本分光製JI
R−5500型フーリエ変換赤外分光光度計を使用)、
1Hおよび13C−NMRの測定(日本分光製JNM−E
X90型フーリエ変換NMR装置を使用)、熱重量分析
(セイコー電子製SSC5000型熱分析装置を使用)
を行なった。その結果を次に示す。
また、550℃燃焼温度での灰分(SnO2 分)は56
〜58%を示した。
ことによって低波数側にシフトしたケトン基由来のピー
ク;3400cm-1〜3200cm-1にOH基由来のブ
ロードなピーク;ならびに678cm-1と570cm-1
に−Sn−O−および−Sn−C−に由来するピークが
あることがわかった。このときのIRのチャート図を図
1に示す。
とメチレン基を含む構造であり、イソプロポキシ基は含
まないことがわかった。 4. 13C−NMR ブチル基、メチレン基およびケトン基があることがわか
った。
度は、485〜500℃であった。
0.343gをアセチルアセトン2mlに溶解し、さら
にドープ剤としてトリ−n−ブトキシアンチモンを〔S
b/(Sn+Sb)=3モル%〕となるように添加し塗
布液を調製した。これを石英ガラスおよびシリコンウェ
ハ上に3000rpmの回転速度でスピンコートした。
このときの塗膜性の評価結果を、表1に示す。なお、塗
膜性の評価は、窒素気流中、室温で1時間乾燥し、クラ
ック、ボイドなどが無く平滑であるものを良好とした。
ラスおよびシリコンウェハを1時間窒素気流中で乾燥し
たのち、空気中にて100℃で3時間、続いて500℃
で5時間焼成し、透明導電膜を作製した。この透明導電
膜をフーリエ変換IR反射法で石英ガラスおよびシリコ
ンウェハ基板上にて測定することにより、有機分が完全
に分解し、消失した状態であることを確認した。また、
この透明導電膜の焼成後の成膜性(クラック、ボイドな
どが無く平滑であるものを良好と評価)、膜厚(Dek
tak社製3030型触針式膜厚計を使用)、シート抵
抗(ヒューレッドパッカード社製HP−3457A型マ
ルチメーターを使用)および可視光透過率(日立製作所
製U−3410型スペクトロフォトメーターを使用)を
評価あるいは測定した結果を、表1に示す。
mol)と2−ヒドロキシイソ酪酸0.104g(10
-3mol)を、無水イソプロパノールを用いて実施例1
と同様に反応させて、有機錫化合物(白色沈澱物)を
得、洗浄し乾燥した。蒸気圧浸透法で分子量を測定した
ところ、580〜590であった。この有機錫化合物に
対して、実施例1と同様にアセチルアセトンおよびドー
プ剤を加えて〔Sb/(Sb+Sn)=3モル%〕塗布
液を調整し、石英ガラスおよびシリコンウェハに塗布し
た。次いで、1時間窒素気流中で乾燥したのち、空気中
にて100℃で3時間、続いて500℃で6時間焼成
し、透明導電膜を作製した。このときの塗膜性、膜厚、
シート抵抗、可視光透過率および焼成後の成膜性を評価
あるいは測定した結果を、表1に示す。
mol)と、4−ヒドロキシ安息香酸0.138g(1
0-3mol)を、無水イソプロパノールを用いて実施例
1と同様に反応させて、有機錫化合物(白色沈澱物)を
得、洗浄し乾燥した。蒸気圧浸透法で分子量を測定した
ところ、610〜630であった。この有機錫化合物に
対して、実施例1と同様にアセチルアセトンおよびドー
プ剤を加えて〔Sb/(Sb+Sn)=3モル%〕塗布
液を調製し、石英ガラスおよびシリコンウェハに塗布し
た。次いで1時間窒素気流中で乾燥したのち、空気中に
て100℃で3時間、続いて500℃で5時間焼成し、
透明導電膜を作製した。このときの塗膜性、膜厚、シー
ト抵抗、可視光透過率および焼成後の成膜性を評価ある
いは測定した結果を、表1に示す。
mol)と、4−ヒドロキシけい皮酸0.164g(1
0-3mol)を、無水イソプロパノールを用いて実施例
1と同様に反応させて、有機錫化合物(白色沈澱物)を
得、洗浄し乾燥した。蒸気圧浸透法で分子量を測定した
ところ、630〜640であった。この有機錫化合物に
対して、実施例1と同様にアセチルアセトンおよびドー
プ剤を加えて〔Sb/(Sb+Sn)=3モル%〕塗布
液を調製し、石英ガラスおよびシリコンウェハに塗布し
た。次いで1時間窒素気流中で乾燥したのち、空気中に
て100℃で3時間、続いて500℃で5時間焼成し、
透明導電膜を作製した。このときの塗膜性、膜厚、シー
ト抵抗、可視光透過率および焼成後の成膜性を評価ある
いは測定した結果を、表1に示す。
mol)と12−ヒドロキシデカン酸0.216g(1
0-3mol)を、無水イソプロパノールを用いて実施例
1と同様に反応させて、有機錫化合物(白色沈澱物)を
得、洗浄し乾燥した。蒸気圧浸透法で分子量を測定した
ところ、700〜710であった。この有機錫化合物に
対して、実施例1と同様にアセチルアセトンおよびドー
プ剤を加えて〔Sb/(Sb+Sn)=3モル%〕塗布
液を調製し、石英ガラスおよびシリコンウェハに塗布し
た。次いで1時間窒素気流中で乾燥したのち、、空気中
にて100℃で3時間、続いて500℃で6時間焼成
し、透明導電膜を作製した。このときの塗膜性、膜厚、
シート抵抗、可視光透過率および焼成後の成膜性を評価
あるいは測定した結果を、表1に示す。
-3mol)とグリコール酸0.076g(10-3mo
l)を、無水イソプロパノールを用いて実施例1と同様
に反応させて、有機錫化合物(白色沈澱物)を得、洗浄
し乾燥した。蒸気圧浸透法で分子量を測定したところ、
580〜585であった。この有機錫化合物に対して実
施例1と同様にアセチルアセトンおよびドープ剤を加え
て〔Sb/(Sb+Sn)=3モル%〕塗布液を調製
し、石英ガラスおよびシリコンウェハに塗布した。次い
で1時間窒素気流中で乾燥したのち、空気中にて100
℃で3時間、続いて500℃で6時間焼成し、透明導電
膜を作製した。このときの塗膜性、膜厚、シート抵抗、
可視光透過率および焼成後の成膜性を評価あるいは測定
した結果を、表1に示す。
ン2mlに溶解し、実施例1と同様にドープ剤を加えて
〔Sb/(Sb+Sn)=3モル%〕塗布液を調製し、
石英ガラスおよびシリコンウェハに塗布した。次いで1
時間窒素気流中で乾燥したのち、空気中にて100℃で
3時間、続いて500℃で6時間焼成し、透明導電膜を
作製した。このときの塗膜性、膜厚、シート抵抗、可視
光透過率および焼成後の成膜性を評価あるいは測定した
結果を、表1に示す。
ば、塗布法によって酸化錫膜を形成することができる酸
化錫膜前駆体が得られ、この酸化錫膜前駆体は、強酸や
強塩基を用いることなく水に溶解することができ、しか
も得られるコーティング液は安定である。したがって、
上記酸化錫膜前駆体によれば、良好な成膜性を有する透
明導電性酸化錫膜を得ることができる。
機錫化合物の用途は透明導電性膜に限定されず、固体触
媒、めっき組成物、合成樹脂組成物、安定化剤、感光
剤、抗菌剤、防虫剤などとしても有用である。
リエ変換IRによるチャート図である。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(I): R1 Sn(OR2 )3 …………(I) (ここで、R1 は水素原子、アルキル基またはアリール
基であり、R2 は水素原子、アルキル基、アリール基ま
たはアシル基である。)で表わされるスズ化合物と、 一般式(II): HO−A−COOH …………(II) (ここで、Aはアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アシル基、アルキレン基、アルケニレン基、アリー
レン基およびカルボニル基からなるグループから選ばれ
た少なくとも1種の構造を有する、2価の有機基であ
る。)で表わされるヒドロキシカルボン酸とを、反応さ
せることを特徴とする有機錫化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16385191A JP2956283B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 有機錫化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16385191A JP2956283B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 有機錫化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04360893A JPH04360893A (ja) | 1992-12-14 |
JP2956283B2 true JP2956283B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=15781966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16385191A Expired - Lifetime JP2956283B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 有機錫化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2956283B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP5777276B2 (ja) * | 2009-08-19 | 2015-09-09 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | スズアルコキシドからアルコールを回収する方法 |
-
1991
- 1991-06-07 JP JP16385191A patent/JP2956283B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
JPH04360893A (ja) | 1992-12-14 |
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