JPH0529360B2 - - Google Patents

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JPH0529360B2
JPH0529360B2 JP20006787A JP20006787A JPH0529360B2 JP H0529360 B2 JPH0529360 B2 JP H0529360B2 JP 20006787 A JP20006787 A JP 20006787A JP 20006787 A JP20006787 A JP 20006787A JP H0529360 B2 JPH0529360 B2 JP H0529360B2
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JP
Japan
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reaction
phosphorus
group
hydroxyphosphorus
oxide
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JP20006787A
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English (en)
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JPS6445390A (en
Inventor
Koji Yamashita
Hiroyuki Imoto
Yoshinori Tamada
Tatsuo Oshikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shizuoka University NUC
Original Assignee
Shizuoka University NUC
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【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はβ−ヒドロキシリン化合物類、特に医
薬用途が期待されるリン糖およびその誘導体を含
む各種β−ヒドロキシリン化合物類を合成する方
法における中間体としての、またはそれ自体有用
な、β−ヒドロキシホスフインオキシド誘導体の
新規な製造法に関する。 (従来の技術) ヘミアセタール環内に硫黄・窒素を含む糖は天
然物中にも存在し、生理活性を示すことが知られ
ている。一方、リンを含む糖は天然物中には発見
されていないが、リンは生体内において重要な役
割を果していることや、リンを含むヘテロ環化合
物が生理活性を示すこと、さらにアミノ糖、チオ
糖の物質から類推してリン糖においても生理活性
が期待できる。しかし、リン糖合成は糖骨格の二
級炭素とリンとの結合生成および結合生成後の官
能基変換の難しさのため、現在迄に環内にリンを
含む糖は例えば下記平衡反応式で示されるものな
ど、僅かに十数例の報告しかない。 ところで、リンのβ位にヒドロキシル基を有す
る化合物は、リン糖の骨格の一部をなしており、
この種のリン化合物合成法の開発はリン糖合成方
法の確立の上で重要である。 かかるβ−ヒドロキシリン化合物は、従来は、
下記反応式に示すごとく、ニトロアルケンへのリ
ン化合物の付加によりα−ニトロメチルリン化合
物を合成し、次いでそのα−ニトロメチル基を強
塩基の存在下−78℃にてオゾン分解してα−ホル
ミルリン化合物を合成し、さらにホルミル基を水
素化ホウ素ナトリウムにより還元してβ−ヒドロ
キシリン化合物を合成する方法により、得られて
いた。 かかる従来法では、 (1) オゾン分解の際に反応時間を長くすると、生
成したホルミル誘導体がオゾンにより二次的に
酸化されて、カルボキシル誘導体が副生する、 (2) そのために反応の規模を大きくすると、副生
成物が多く生成するので大量合成には適さな
い、 (3) −78℃での反応条件のために冷却装置を必要
とし、経済的でない、 (4) リンのβ位に置換基を導入するのに困難を伴
う、 (5) 出発物質ニトロアルケンの前駆体はアルデヒ
ドであり、出発物質の合成法が大いに制約され
る、また (6) 立体化学の面では、オゾン分解に際して強塩
基を用いるために、R1またはR2がHの場合に
は、リンのα−炭素上のエピ化が起こり、立体
選択性が失われる、 等の問題点があつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は上述せる従来の合成法に附帯する問題
点を解決すべくなされたもので、その目的とする
ところは、特別な酸化または冷却装置あるいは寒
剤などを要することなく、簡単容易な操作による
単一段階のクリーンな反応を以て、目的生成物を
立体選択性を失うことなく高純度且つ高収率で取
得せんとするにある。 上記目的を達成するための本発明に係るβ−ヒ
ドロキシリン化合物類の合成法は、α,β−エポ
キシホスフインオキシド誘導体をヒドリドを求核
試薬とする反応により還元することによりそのエ
ポキシ環を開裂し、β−ヒドロキシホスフインオ
キシド誘導体となす工程を含んでなることを特徴
とする。 本発明方法の出発物質であるα,β−エポキシ
ホスフインオキシド誘導体は、好ましくは次の一
般式() (但し、R1、R2は互いに同一でも異なつてもよ
く、それぞれ水素原子、炭素数1〜12個の飽和ま
たは不飽和の置換または非置換の脂肪族炭化水素
残基、芳香族炭化水素残基を示し、両者架橋して
環を形成していてもよく、更に窒素または硫黄原
子を含むことができ、また、 R3、R4は互いに同一または異なる炭素数12個
までの置換または非置換のアリール基、アリカリ
ール基を示す) で表わされ、β−ヒドロキシホスフインオキシド
誘導体が一般式() (但し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ上記と同じ
であり、Nuは前記反応により導入された原子ま
たは原子団を示す) で表わされる。 前記一般式()および()における更に好
適な具体例は、R1およびR2が水素または炭素数
3個までの低級アルキル基、フエニル基または両
者連結して炭素数5個以下のアルキレン基であ
り、R3およびR4がそれぞれフエニル基であり、
またNuは水素原子である。 さらに、前記反応は、最も好ましくは水素化リ
チウムアルミニウムを求核試薬として行なわれ
る。 以下、本発明の構成をさらに具体的態様につき
説明する。 本発明方法に適用する出力物質としてのα,β
−エポキシホスフインオキシド誘導体は、例えば
次のような各種の方法によつて容易に合成され
る。 (イ) 1−アルケニルホスフインオキシドのトリフ
ルオロ過酢酸によるエポキシ化。 種々の置換基を有する1−アルケニルホスフ
インオキシドに、トリフルオロ無水酢酸と30%
過酸化水素により調製したトリフルオロ過酢酸
を加えた後、約12時間加熱してα,β−エポキ
シホスフインオキシド誘導体を得る。 (ロ) α−ケトトシラートのリン化合物の付加およ
び自発的環化によるエポキシ化。 種々の置換基を有するα−ケトトシラート
に、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウ
ンデカー7ーエン(DBU)の存在下、ジフエ
ニルホスフインオキシドを作用させると、ケト
ンへの付加は続くトシルオキシ基の脱離を伴な
う分子内反応によるエポキシ化が連続して進行
し、α,β−エポキシホスフインオキシド誘導
体を得る。 (ハ) α−ハロケトンへのリン化合物の付加および
分子内環化反応によるエポキシ化。 α−ハロケトンにトリエチルアミン存在下、
ジフエニルホスフインオキシドを作用させる
と、ケトンへのリン化合物の付加が進行し、α
−ヒドロキシ−β−ハロ置換基を持つリン化合
物が生成し、これをさらにメタノール中、水酸
化カリウムで処理すると、環化反応が進行して
α,β−エポキシホスフインオキシド誘導体を
得る。 本発明方法は、上記の如きα,β−エポキシホ
スフインオキシド誘導体を出発物質としてこれに
公知のヒドリドを求核試薬とする反応を適用する
ことによつて容易に実施し得る。すなわち、出発
物質である上記エポキシリン化合物を水混和性有
機溶媒、例えばテトラヒドロフランに溶解し、求
核試薬として好ましくは水素化リチウムアルミニ
ウムを約0℃の温度で攪拌下に加えることによつ
て還元すれば、目的とするβ−ヒドロキシホスフ
インオキシド誘導体に容易に転換することができ
る。 この反応を一般式で下記に示す。 かくして得られたβ−ヒドロキシホスフインオ
キシド誘導体はそのままでも有用なものを多く含
むが、さらに次に示す各種含リン誘導体合成のた
めの中間体として高い価値を有する。 (a) β−ヒドロキシホスフインオキシド誘導体 (b) β−ヒドロキシホスフイン誘導体 (c) β−ヒドロキシホスフイン酸誘導体 (d) β−ヒドロキシホスホン酸誘導体 (e) 上記(a)〜(d)の多置換体 (f) リン糖およびその誘導体 (作用) 一般にエポキシドは求核試薬により開裂する
が、その配向性は、より置換基の少ない側、電子
吸引基のない側から求核試薬が攻撃する。ところ
が、本発明方法における反応は、より置換基が多
いにもかわらず、また強力な電子吸引基であるホ
スフイニル基が存在するにもかかわらず、リンの
α位で攻撃が起こつており、極めて異常な配向性
である。 また、本反応はα,β−エポキシリン化合物の
求核試薬によるエポキシ環開裂によつてβ−ヒド
ロキシ化合物を生成する初めての反応でもある。 (実施例) 以下、本発明を実施例について説明する。 参考例 出発物質としてのα,β−エポキシホスフイン
オキシドの合成を以下の操作により行なつた。 ジフエニルホスフインオキシドのジエチルケト
ンへの付加をトリエチルアミン溶媒中で行ない、
(1−ヒドロキシ−1−エチルプロピル)ジフエ
ニルホスフインオキシド1〜を得た。次いで1〜と五
塩化リンとの反応を行ない、続いて水酸化カリウ
ム水溶液により処理して、対応するオレフイン2〜
を得た。さらに2〜を1,2−ジクロルエタン溶媒
中でトリフルオル過酢酸を用いて酸化し、(1,
2−エポキシ−1−エチルプロピル)ジフエニル
ホスフインオキシド3〜を合成した。この反応を下
記に化学反応式で示す。 実施例 1 上記参考例で得た(1,2−エポキシ−1−エ
チルプロピル)ジフエニルホスフオンオキシド
3〜、0.227gの乾燥テトラヒドロフラン(THF)
10ml溶液に求核試薬として水素化リチウムアルミ
ニウム(LiAlH4)0.05gを0℃にて少量ずつ加
え、7時間攪拌した。少量の水(1ml)を注意深
く加え、残つている水素化物を分解し、希塩酸を
加えて溶液を中和した。THFを減圧下留去し、
クロロホルム(15ml×3回)で抽出し、水(10ml
×2回)で洗浄した。次いで無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、溶媒を減圧下留去し、3−(ジフエニ
ルホスフイニル)−2−ペンタノール4〜、0.204g
を得た。このもののm.pは83〜86℃であり、収率
は89%であつた。またIR(KBr)吸収スペクトル
は3380cm-1でOH結合伸縮振動スペクトルを示
し、また質量分析のピーク(M+)は288であつ
た。 上記の反応式を下記に示す。 実施例 2〜8 前記一般式()のR1、R2、R3、R4を種々に
変えたα,β−エポキシリン化合物を出発物質と
し、上記実施例1と同様の操作により、エポキシ
環開裂反応を施し、各種のβ−ヒドロキシリン化
合物を得た。それらの収率、融点、IR吸収スペ
クトル、質量分析値を次表に示す。
【表】 (発明の効果) 本発明方法は、従来法におけるニトロメチル基
のオゾンによる変換および還元反応によりβ−ヒ
ドロキシリン化合物を得る方法に比べて次の如き
数多くの利点がある。 (1) (イ)オゾン発生装置等、特別な装置が不要であ
ること、(ロ)反応が一段階で進行し、温和である
から、操作が簡単容易であること、(ハ)反応を0
℃付近で行ない得るので、ドライアイス等、特
別な寒剤を要しないこと、(ニ)副反応がなく、目
的生成物の純度、収率が高いこと、などのた
め、経済的に頗る有利であり、且つ工業化に適
している。 (2) 強塩基を使用しないので原料の立体化学が生
成物において保持される。すなわち立体化学の
制御ができるので、医薬品等、精密合成に適し
ている。 (3) 反応出発物質のエポキシリン化合物は数種の
方法で合成できるので原料入手機会が増大し、
本発明方法の適用範囲も広い。糖類にも適用可
能であり、天然物を原料とした合成に用いるこ
とができる。 (4) また、ホスホノマイシンはリンのエポキシド
誘導体構造を有する抗生物質として知られてい
る有用な化合物であるが、特に本発明方法は、
ホスホノマイシンおよび類似体の種々の誘導体
の合成を容易化するとともに、抗癌作用等の生
理活性の発現が大いに期待されるリン糖の部分
骨格を有するβ−ヒドロキシリン化合物を容易
に且つ高収率で与えるものであり、医薬品分野
における新規物質の製造法として重要な役割を
果たすものである。

Claims (1)

  1. 誘導体が次の一般式() (但し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ上記と同じ
    であり、Nuは前記反応により導入された原子ま
    たは原子団を示す) で表わされる特許請求の範囲第1項記載のβ−ヒ
    ドロキシリン化合物類の合成法。 3 前記一般式()および()において、
    R1およびR2が水素または炭素数3個までの低級
    アルキル基、フエニル基または両者連結して炭素
    数5個以下のアルキレン基であり、R3およびR4
    がそれぞれフエニル基であり、またNuが水素原
    子である特許請求の範囲第2項記載のβ−ヒドロ
    キシリン化合物類の合成法。 4 前記反応が水素化リチウムアルミニウムを求
    核試薬として行なわれる前記特許請求の範囲第1
    項、第2項または第3項記載のβ−ヒドロキシリ
    ン化合物類の合成法。
JP20006787A 1987-08-12 1987-08-12 Production of beta-hyroxyphosphorus compounds Granted JPS6445390A (en)

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