JPH05291278A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
半導体装置及びその製造方法Info
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- JPH05291278A JPH05291278A JP8726892A JP8726892A JPH05291278A JP H05291278 A JPH05291278 A JP H05291278A JP 8726892 A JP8726892 A JP 8726892A JP 8726892 A JP8726892 A JP 8726892A JP H05291278 A JPH05291278 A JP H05291278A
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- semiconductor layer
- sic
- semiconductor
- electrode
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 良好な耐環境性を持つ半導体装置を提供す
る。 【構成】 このトランジスタは、ノンドープのSiC基
板111上に、p+ −SiC層160,p−SiC層1
50,n+ −SiC層140,p−BPx N1-x層13
2,p+ −BPx N1-x 層122が順次形成され、p+
−SiC層160にはコレクタ電極230が、n+ −S
iC層140にはベース電極220が、p+ −BPxN
1−x層121にはエミッタ電極210が、それぞれ形
成され電気的に接続された構造を有し、p型BPx N
1-x とn型SiCによるヘテロ接合を有するPNPトラ
ンジスタである。
る。 【構成】 このトランジスタは、ノンドープのSiC基
板111上に、p+ −SiC層160,p−SiC層1
50,n+ −SiC層140,p−BPx N1-x層13
2,p+ −BPx N1-x 層122が順次形成され、p+
−SiC層160にはコレクタ電極230が、n+ −S
iC層140にはベース電極220が、p+ −BPxN
1−x層121にはエミッタ電極210が、それぞれ形
成され電気的に接続された構造を有し、p型BPx N
1-x とn型SiCによるヘテロ接合を有するPNPトラ
ンジスタである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な耐環境性を持つ
半導体装置に関する。
半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】1947年のトランジスタの発明以来、
トランジスタからIC,LSIなどが開発され、半導体
技術は大きな進歩を遂げている。特に、シリコン半導体
技術は確立されたものになっており、様々な回路が集積
化され広く利用されている。しかし、シリコンの物性に
起因する素子の動作上の限界があり、また、一部の用途
についてはシリコン以外の材料による半導体が用いられ
るようになっている。
トランジスタからIC,LSIなどが開発され、半導体
技術は大きな進歩を遂げている。特に、シリコン半導体
技術は確立されたものになっており、様々な回路が集積
化され広く利用されている。しかし、シリコンの物性に
起因する素子の動作上の限界があり、また、一部の用途
についてはシリコン以外の材料による半導体が用いられ
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シリコンを用いてバイ
ポーラトランジスタを構成した場合、単にPNPの層構
造をもたせただけでは電流増幅率即ち利得は余り大きな
ものにならない。また、コレクタ耐圧も大きくならな
い。
ポーラトランジスタを構成した場合、単にPNPの層構
造をもたせただけでは電流増幅率即ち利得は余り大きな
ものにならない。また、コレクタ耐圧も大きくならな
い。
【0004】このような用途には、バンドギャップの大
きな材料が望ましい。従来のシリコンバイポーラ半導体
に変わるものの一つとしてヘテロ接合トランジスタが考
えられており、例えば、特開昭62−216364,特
開昭62−2657762,特開昭62−16076
0,特開昭62−159463などがある。これらは、
シリコンと、炭化シリコンなどとの間にできるヘテロ接
合を利用したトランジスタである。しかし、シリコンを
材料として用いていることから、前低耐圧性、低耐圧環
境性の問題に対して根本的な解決にならない。
きな材料が望ましい。従来のシリコンバイポーラ半導体
に変わるものの一つとしてヘテロ接合トランジスタが考
えられており、例えば、特開昭62−216364,特
開昭62−2657762,特開昭62−16076
0,特開昭62−159463などがある。これらは、
シリコンと、炭化シリコンなどとの間にできるヘテロ接
合を利用したトランジスタである。しかし、シリコンを
材料として用いていることから、前低耐圧性、低耐圧環
境性の問題に対して根本的な解決にならない。
【0005】本発明は、前述の問題点に鑑み、既存の半
導体の限界を越え得る性能を持つ半導体装置を提案する
ものである。
導体の限界を越え得る性能を持つ半導体装置を提案する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の半導体装置は、炭化ケイ素を主成分とし、
所定の多数キャリアを有する第1の半導体層と、炭化ケ
イ素を主成分とし、第1の半導体層とは反対極性の多数
キャリアを有する第2の半導体層と、BPx N1- x (但
し、0≦x≦1)を主成分とし、第1の半導体層と同極
性の多数キャリアを有する第3の半導体層とを備え、第
1の半導体層をコレクタ領域に、第2の半導体層をベー
ス領域に、第3の半導体層をエミッタ領域に有すること
を特徴とする。
に、本発明の半導体装置は、炭化ケイ素を主成分とし、
所定の多数キャリアを有する第1の半導体層と、炭化ケ
イ素を主成分とし、第1の半導体層とは反対極性の多数
キャリアを有する第2の半導体層と、BPx N1- x (但
し、0≦x≦1)を主成分とし、第1の半導体層と同極
性の多数キャリアを有する第3の半導体層とを備え、第
1の半導体層をコレクタ領域に、第2の半導体層をベー
ス領域に、第3の半導体層をエミッタ領域に有すること
を特徴とする。
【0007】第1,第2,第3の半導体層が順次基板上
に形成され、第3の半導体層が最上層になっていること
を特徴としても良い。
に形成され、第3の半導体層が最上層になっていること
を特徴としても良い。
【0008】また、本発明の半導体装置の製造方法は、
基板上に、炭化ケイ素を主成分とし、所定の多数キャリ
アを有する第1の半導体層を形成する第1の工程と、炭
化ケイ素を主成分とし、第1の半導体層とは反対極性の
多数キャリアを有する第2の半導体層を第1の半導体層
上に形成する第2の工程と、BPx N1-x (但し、0≦
x≦1)を主成分とし、第1の半導体層と同極性の多数
キャリアを有する第3の半導体層を第2の半導体層上に
形成する第3の工程と、第1の半導体層に接続するコレ
クタ電極、第2の半導体層に接続するベース電極及び第
3の半導体層に接続するエミッタ電極を形成する第4の
工程とを有することを特徴とする。
基板上に、炭化ケイ素を主成分とし、所定の多数キャリ
アを有する第1の半導体層を形成する第1の工程と、炭
化ケイ素を主成分とし、第1の半導体層とは反対極性の
多数キャリアを有する第2の半導体層を第1の半導体層
上に形成する第2の工程と、BPx N1-x (但し、0≦
x≦1)を主成分とし、第1の半導体層と同極性の多数
キャリアを有する第3の半導体層を第2の半導体層上に
形成する第3の工程と、第1の半導体層に接続するコレ
クタ電極、第2の半導体層に接続するベース電極及び第
3の半導体層に接続するエミッタ電極を形成する第4の
工程とを有することを特徴とする。
【0009】第4の工程では、第1,第2,第3の半導
体層が、これらの層上のエミッタ電極、ベース電極及び
コレクタ電極を形成する部分の近傍を残して除去され、
第1,第2,第3の半導体層のうち残された層の側壁に
絶縁膜を形成し、残された層および絶縁膜を用いて自己
整合的にベース電極及びコレクタ電極を形成することを
特徴としても良い。
体層が、これらの層上のエミッタ電極、ベース電極及び
コレクタ電極を形成する部分の近傍を残して除去され、
第1,第2,第3の半導体層のうち残された層の側壁に
絶縁膜を形成し、残された層および絶縁膜を用いて自己
整合的にベース電極及びコレクタ電極を形成することを
特徴としても良い。
【0010】
【作用】本発明の半導体装置では、BPx N1-x ,炭化
ケイ素(六方晶または立方晶の結晶構造をもつもの)を
主成分としてエミッタ領域,ベース領域,コレクタ領域
が形成されている。特に、エミッタ−ベース間には、B
Px N1-x −炭化ケイ素のヘテロ接合が形成され、この
ヘテロ接合によるポテンシャル障壁によって少ないベー
ス電流で大きなコレクタ電流を得られる。即ち大きな電
流増幅率を持つ。これはPx N1-x ,炭化ケイ素による
ものであるため、非常に高い温度においても良好に動作
する。また、コレクタのバンドギャップが大きいため、
コレクタ耐圧が高い。また、BPx N1-x を主成分とす
る第3の半導体層は形成しにくいが、最上層に形成する
ようにしているため、比較的容易なものになる。
ケイ素(六方晶または立方晶の結晶構造をもつもの)を
主成分としてエミッタ領域,ベース領域,コレクタ領域
が形成されている。特に、エミッタ−ベース間には、B
Px N1-x −炭化ケイ素のヘテロ接合が形成され、この
ヘテロ接合によるポテンシャル障壁によって少ないベー
ス電流で大きなコレクタ電流を得られる。即ち大きな電
流増幅率を持つ。これはPx N1-x ,炭化ケイ素による
ものであるため、非常に高い温度においても良好に動作
する。また、コレクタのバンドギャップが大きいため、
コレクタ耐圧が高い。また、BPx N1-x を主成分とす
る第3の半導体層は形成しにくいが、最上層に形成する
ようにしているため、比較的容易なものになる。
【0011】また、本発明の半導体装置の製造方法によ
れば、第1,第2,第3の半導体層が順次基板上に形成
され、良好な動作をする上記半導体装置を製作すること
ができる。
れば、第1,第2,第3の半導体層が順次基板上に形成
され、良好な動作をする上記半導体装置を製作すること
ができる。
【0012】自己整合的にベース電極及びコレクタ電極
を形成する場合、ベース抵抗の低減、べース、コレクタ
容量低減により素子の高性能化が図れる。
を形成する場合、ベース抵抗の低減、べース、コレクタ
容量低減により素子の高性能化が図れる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1には、一実施例であるトランジスタの構造が示され
ている。このトランジスタは、ノンドープのSiC基板
111上に、p+ −SiC層160,p−SiC層15
0,n+ −SiC層140,p−BPx N1-x 層13
1,p+ −BPx N1-x 層121が順次形成され、p+
−SiC層160にはコレクタ電極230が、n+ −S
iC層140にはベース電極220が、p+ −BPx N
1-x 層121にはエミッタ電極210が、それぞれ形成
され電気的に接続された構造になっている。ここで、B
Px N1-x はSiCと格子定数が一致するように「x」
をおよそ0.1としている。ここではまず、SiCが立
方晶の結晶構造(3C−SiC又はβ−SiCと呼ばれ
る)をもつものとして説明する。
図1には、一実施例であるトランジスタの構造が示され
ている。このトランジスタは、ノンドープのSiC基板
111上に、p+ −SiC層160,p−SiC層15
0,n+ −SiC層140,p−BPx N1-x 層13
1,p+ −BPx N1-x 層121が順次形成され、p+
−SiC層160にはコレクタ電極230が、n+ −S
iC層140にはベース電極220が、p+ −BPx N
1-x 層121にはエミッタ電極210が、それぞれ形成
され電気的に接続された構造になっている。ここで、B
Px N1-x はSiCと格子定数が一致するように「x」
をおよそ0.1としている。ここではまず、SiCが立
方晶の結晶構造(3C−SiC又はβ−SiCと呼ばれ
る)をもつものとして説明する。
【0014】このトランジスタは、つぎに示す工程で製
作される。
作される。
【0015】まず、SiC基板111上に、減圧CVD
法にて、p+ −SiC層160,p−SiC層150,
n+ −SiC層140を順に形成する。このとき、原料
ガスにC3 H8 /SiHCl2 の1:2の混合ガスを用
い、また、H2 をキャリアガスとし、圧力200Pa,
セ氏900〜1200度の条件で成長させた。ここで、
n+ −SiC層140を成長させる際、原料ガスにPH
3 を混入させてPドープする。また、p−SiC層15
0,p+ −SiC層160を成長させる際、原料ガスに
B2 H6 を混入させてBドープし、p−SiC層15
0,p+ −SiC層160を成長させる。この後、熱C
VD法にて、p−BPx N1-x 層131,p+ −BPx
N1-x 層121を順に形成する。このとき、原料ガスに
は、B2 H6 (例えば、5%),PH3 (例えば、5
%),NH3 ,H2 の混合ガスを用い、セ氏800〜1
100度の条件で成長させた。ここで、p型ドーパント
としてZnを用い、原料ガスにZn(CH3 )3 を混入
させる。そして、その混入量を変えてp+ −BPx N
1-x 層121,p−BPx N1-x 層131を成長させて
いる(図2(a))。n型とするには、例えば、p型ド
ーパントとしてSiを用い、原料ガスにSiH4 を混入
させる。
法にて、p+ −SiC層160,p−SiC層150,
n+ −SiC層140を順に形成する。このとき、原料
ガスにC3 H8 /SiHCl2 の1:2の混合ガスを用
い、また、H2 をキャリアガスとし、圧力200Pa,
セ氏900〜1200度の条件で成長させた。ここで、
n+ −SiC層140を成長させる際、原料ガスにPH
3 を混入させてPドープする。また、p−SiC層15
0,p+ −SiC層160を成長させる際、原料ガスに
B2 H6 を混入させてBドープし、p−SiC層15
0,p+ −SiC層160を成長させる。この後、熱C
VD法にて、p−BPx N1-x 層131,p+ −BPx
N1-x 層121を順に形成する。このとき、原料ガスに
は、B2 H6 (例えば、5%),PH3 (例えば、5
%),NH3 ,H2 の混合ガスを用い、セ氏800〜1
100度の条件で成長させた。ここで、p型ドーパント
としてZnを用い、原料ガスにZn(CH3 )3 を混入
させる。そして、その混入量を変えてp+ −BPx N
1-x 層121,p−BPx N1-x 層131を成長させて
いる(図2(a))。n型とするには、例えば、p型ド
ーパントとしてSiを用い、原料ガスにSiH4 を混入
させる。
【0016】つぎに、エミッタ領域,ベース領域となる
部分を残すようにマスクをし、BPx N1-x 層121,
131を「Ar+N2 O(20%)」の混合ガスのRI
BE(反応性イオンビームエッチング)にて、エッチン
グする(図2(b))。この後、BPx N1-x 層12
1,131上のレジスト等をマスクとしてRIE(反応
性イオンエッチング)にて、p−SiC層150及びn
+ −SiC層140をエッチングする(図2(c))。
このときの反応ガスには、CF4 +O2 (5%)の混合
ガスを用いる。そして、AlSiのエミッタ電極21
0,TaSiのベース電極220,Mo/Auのコレク
タ電極230を形成して配線する(図2(d))。
部分を残すようにマスクをし、BPx N1-x 層121,
131を「Ar+N2 O(20%)」の混合ガスのRI
BE(反応性イオンビームエッチング)にて、エッチン
グする(図2(b))。この後、BPx N1-x 層12
1,131上のレジスト等をマスクとしてRIE(反応
性イオンエッチング)にて、p−SiC層150及びn
+ −SiC層140をエッチングする(図2(c))。
このときの反応ガスには、CF4 +O2 (5%)の混合
ガスを用いる。そして、AlSiのエミッタ電極21
0,TaSiのベース電極220,Mo/Auのコレク
タ電極230を形成して配線する(図2(d))。
【0017】このトランジスタは、p型BPx N1-x と
n型SiCによるヘテロ接合を有するPNPトランジス
タであり、エミッタ−ベース間には、ヘテロ接合ととも
にキャリア濃度の低いp−BPx N1-x 層131が、ま
た、コレクタ−ベース間のキャリア濃度の低いp−Si
C層150が設けられている。このトランジスタは、ホ
ールを多数キャリアとして動作がなされ、図3(a)に
示すようなバンドダイアグラムを有するものと推定され
る。エミッタ領域のバンドギャップはおよそ3.0e
V、ベース領域,コレクタ領域のバンドギャップはおよ
そ2.2eVで、エミッタ−ベース間は、約0.8eV
のバンドギャップ差がある。
n型SiCによるヘテロ接合を有するPNPトランジス
タであり、エミッタ−ベース間には、ヘテロ接合ととも
にキャリア濃度の低いp−BPx N1-x 層131が、ま
た、コレクタ−ベース間のキャリア濃度の低いp−Si
C層150が設けられている。このトランジスタは、ホ
ールを多数キャリアとして動作がなされ、図3(a)に
示すようなバンドダイアグラムを有するものと推定され
る。エミッタ領域のバンドギャップはおよそ3.0e
V、ベース領域,コレクタ領域のバンドギャップはおよ
そ2.2eVで、エミッタ−ベース間は、約0.8eV
のバンドギャップ差がある。
【0018】図3(b)は、直流増幅させた状態のバン
ドダイアグラムである。この図において、ベース領域
(n+ −SiC層140)の伝導帯の下端のエネルギー
レベルより上の部分において電子がフェルミ−ディラッ
ク分布し、価電子帯の上端のエネルギーレベルEV1,E
V2より上の部分においてホールがフェルミ−ディラック
分布して様子を示している。ここで、ホールについて
は、下向きの方向が高いエネルギーである。この図3
(b)を用いて直流増幅動作を説明するとつぎのように
なる。
ドダイアグラムである。この図において、ベース領域
(n+ −SiC層140)の伝導帯の下端のエネルギー
レベルより上の部分において電子がフェルミ−ディラッ
ク分布し、価電子帯の上端のエネルギーレベルEV1,E
V2より上の部分においてホールがフェルミ−ディラック
分布して様子を示している。ここで、ホールについて
は、下向きの方向が高いエネルギーである。この図3
(b)を用いて直流増幅動作を説明するとつぎのように
なる。
【0019】エミッタを正電圧、ベースを負電圧とする
順バイアスがかけられて、エミッタ領域に対しベース領
域が持ち上げられる。また、コレクタを負電圧とするバ
イアスによりコレクタ領域が持ち上げられる。ベースか
らは少数キャリアである電子が注入されるが、エミッタ
領域のポテンシャル障壁により、この障壁よりも高い僅
かな電子しかエミッタ領域に流れない。一方、ホールに
ついては、ヘテロ接合により価電子帯のポテンシャル障
壁が小さくなっており、また、バイアスによりポテンシ
ャル障壁がより小さくなる。そのため、エミッタ領域の
ホールの多くが、ベース領域を越えてコレクタ領域に流
れる。これにより、少ないベース電流で大きなコレクタ
電流が流れることになり、大きな電流増幅率が得られ
る。
順バイアスがかけられて、エミッタ領域に対しベース領
域が持ち上げられる。また、コレクタを負電圧とするバ
イアスによりコレクタ領域が持ち上げられる。ベースか
らは少数キャリアである電子が注入されるが、エミッタ
領域のポテンシャル障壁により、この障壁よりも高い僅
かな電子しかエミッタ領域に流れない。一方、ホールに
ついては、ヘテロ接合により価電子帯のポテンシャル障
壁が小さくなっており、また、バイアスによりポテンシ
ャル障壁がより小さくなる。そのため、エミッタ領域の
ホールの多くが、ベース領域を越えてコレクタ領域に流
れる。これにより、少ないベース電流で大きなコレクタ
電流が流れることになり、大きな電流増幅率が得られ
る。
【0020】エミッタ領域,ベース領域,コレクタ領域
は大きなバンドギャップを持つため、高い温度において
も、若干バンドギャップは小さくなるが、上述の動作は
良好に保たれる。これに加えて、高いコレクタ電圧にお
いても動作をする。層厚などのパラメータを適切に保つ
ことなどによって現状のシリコントランジスタを越える
ものになる。また、基板に熱伝導率が高いSiCを使用
していることから、放熱が良好になる。これは、大電
力,高周波で用いるのに大きな利点となっている。
は大きなバンドギャップを持つため、高い温度において
も、若干バンドギャップは小さくなるが、上述の動作は
良好に保たれる。これに加えて、高いコレクタ電圧にお
いても動作をする。層厚などのパラメータを適切に保つ
ことなどによって現状のシリコントランジスタを越える
ものになる。また、基板に熱伝導率が高いSiCを使用
していることから、放熱が良好になる。これは、大電
力,高周波で用いるのに大きな利点となっている。
【0021】図4は、前述のトランジスタを自己整合的
に製作した場合の構造を示したものである。
に製作した場合の構造を示したものである。
【0022】このトランジスタは、BPx N1-x 層13
1,121の側壁に設けたSi02の保護膜170によ
ってベース電極220を自己整合的に形成するとともに
この形成されたベース電極220上のSi02 の保護膜
180を使ってコレクタ領域のエッチング,コレクタ電
極230の形成を行ったものである。図5にはその製造
工程が示されている。
1,121の側壁に設けたSi02の保護膜170によ
ってベース電極220を自己整合的に形成するとともに
この形成されたベース電極220上のSi02 の保護膜
180を使ってコレクタ領域のエッチング,コレクタ電
極230の形成を行ったものである。図5にはその製造
工程が示されている。
【0023】前述の図2と同様に、SiC基板111上
に、p+ −SiC層160,p−SiC層150,n+
−SiC層140を順次形成する(図5(a))。その
後、エミッタ領域となる部分を残すようにマスクをし、
p−BPx N1-x 層131,p+ −BPx N1-x 層12
1を選択成長で形成し、保護膜170を形成する(図5
(b))。次いで、ベース電極220,Si02 の保護
膜180を形成し、これをマスクとしてn+ −SiC層
140、p−SiC層150,p+ −SiC層160,
のエッチングを行う(図5(c))。そして、エミッタ
電極210及びコレクタ電極230を形成する(図5
(d))。これによって、このエピタキシャル成長が比
較的容易なものになり、全面に成長させるよりも歩留ま
りが向上するようになる。
に、p+ −SiC層160,p−SiC層150,n+
−SiC層140を順次形成する(図5(a))。その
後、エミッタ領域となる部分を残すようにマスクをし、
p−BPx N1-x 層131,p+ −BPx N1-x 層12
1を選択成長で形成し、保護膜170を形成する(図5
(b))。次いで、ベース電極220,Si02 の保護
膜180を形成し、これをマスクとしてn+ −SiC層
140、p−SiC層150,p+ −SiC層160,
のエッチングを行う(図5(c))。そして、エミッタ
電極210及びコレクタ電極230を形成する(図5
(d))。これによって、このエピタキシャル成長が比
較的容易なものになり、全面に成長させるよりも歩留ま
りが向上するようになる。
【0024】また、保護膜170,180などをマスク
として、エッチングを行い、電極の形成を行っているた
め、製造工程上フォトマスクが少なくて済む上にレジス
トを塗布するなどのフォトリソグラフィによる工程が簡
素化される。また、マスクのアラインメントなどによる
誤差要因が少なくなり、より微細に製作することができ
るようになる。
として、エッチングを行い、電極の形成を行っているた
め、製造工程上フォトマスクが少なくて済む上にレジス
トを塗布するなどのフォトリソグラフィによる工程が簡
素化される。また、マスクのアラインメントなどによる
誤差要因が少なくなり、より微細に製作することができ
るようになる。
【0025】本発明は前述の実施例に限らず様々な変形
が可能である。
が可能である。
【0026】例えば、SiCが立方晶の結晶構造をもつ
ものとして説明したが、六方晶の結晶構造のもの(6H
−SiC又はα−SiCと呼ばれる)でも良い。6H−
SiCは、バンドギャップが2.86eVあり、3C−
SiCの場合よりも高い電圧の動作が要求されるが、耐
熱性,コレクタ耐圧が向上したものになる。さらに、P
NP型のものについて示したが、ドーパントを変えるこ
とにより、NPN型にすることができる。そして、BP
x N1-x のxの値を変えることで、バンドギャップを変
化させることができる。
ものとして説明したが、六方晶の結晶構造のもの(6H
−SiC又はα−SiCと呼ばれる)でも良い。6H−
SiCは、バンドギャップが2.86eVあり、3C−
SiCの場合よりも高い電圧の動作が要求されるが、耐
熱性,コレクタ耐圧が向上したものになる。さらに、P
NP型のものについて示したが、ドーパントを変えるこ
とにより、NPN型にすることができる。そして、BP
x N1-x のxの値を変えることで、バンドギャップを変
化させることができる。
【0027】
【発明の効果】以上の通り本発明の半導体装置によれ
ば、コレクタのバンドギャップが大きいため、高い電圧
でも動作させることが可能になる。そのうえ、これらが
非常に高い温度においても保たれ、良好な動作を得るこ
とができる。
ば、コレクタのバンドギャップが大きいため、高い電圧
でも動作させることが可能になる。そのうえ、これらが
非常に高い温度においても保たれ、良好な動作を得るこ
とができる。
【0028】また、本発明の半導体装置の製造方法によ
れば、良好な動作をする上記半導体装置を製作すること
ができる。
れば、良好な動作をする上記半導体装置を製作すること
ができる。
【0029】自己整合的にベース電極及びコレクタ電極
を形成する場合、これらの配線などを形成するための工
程を簡略化することができる。
を形成する場合、これらの配線などを形成するための工
程を簡略化することができる。
【図1】一実施例の構成図。
【図2】図1のトランジスタの製造工程図。
【図3】図1のトランジスタのバンドダイアグラム。
【図4】他の実施例の構成図。
【図5】図4のトランジスタの製造工程図。
111…SiC基板,121…p+ −BPx N1-x 層,
131…p−BPx N1-x 層,140…n+ −SiC
層,150…p−SiC層,160…p+ −SiC層,
170,180…保護層,210…エミッタ電極,22
0…ベース電極,230…コレクタ電極。
131…p−BPx N1-x 層,140…n+ −SiC
層,150…p−SiC層,160…p+ −SiC層,
170,180…保護層,210…エミッタ電極,22
0…ベース電極,230…コレクタ電極。
Claims (4)
- 【請求項1】 炭化ケイ素を主成分とし、所定の多数キ
ャリアを有する第1の半導体層と、 炭化ケイ素を主成分とし、前記第1の半導体層とは反対
極性の多数キャリアを有する第2の半導体層と、 BPx N1-x (但し、0≦x≦1)を主成分とし、前記
第1の半導体層と同極性の多数キャリアを有する第3の
半導体層とを備え、 前記第1の半導体層をコレクタ領域に、前記第2の半導
体層をベース領域に、前記第3の半導体層をエミッタ領
域に有することを特徴とするの半導体装置。 - 【請求項2】 前記第1,第2,第3の半導体層が順次
基板上に形成され、前記第3の半導体層が最上層になっ
ていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項3】 基板上に、炭化ケイ素を主成分とし、所
定の多数キャリアを有する第1の半導体層を形成する第
1の工程と、 炭化ケイ素を主成分とし、前記第1の半導体層とは反対
極性の多数キャリアを有する第2の半導体層を前記第1
の半導体層上に形成する第2の工程と、 BPx N1-x (但し、0≦x≦1)を主成分とし、前記
第1の半導体層と同極性の多数キャリアを有する第3の
半導体層を前記第2の半導体層上に形成する第3の工程
と、 前記第1の半導体層に接続するコレクタ電極、前記第2
の半導体層に接続するベース電極及び前記第3の半導体
層に接続するエミッタ電極を形成する第4の工程とを有
することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項4】 前記第4の工程では、前記第1,第2,
第3の半導体層が、これらの層上の前記エミッタ電極、
前記ベース電極及び前記コレクタ電極を形成する部分の
近傍を残して除去され、前記第1,第2,第3の半導体
層のうち残された層の側壁に絶縁膜を形成し、前記残さ
れた層および前記絶縁膜を用いて自己整合的に前記ベー
ス電極及び前記コレクタ電極を形成することを特徴とす
る請求項3記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8726892A JPH05291278A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 半導体装置及びその製造方法 |
CA002092215A CA2092215A1 (en) | 1992-03-24 | 1993-03-23 | Semiconductor device |
DE69319360T DE69319360T2 (de) | 1992-03-24 | 1993-03-23 | Heteroübergang-Bipolartransistor mit Siliziumkarbid |
EP93104757A EP0562549B1 (en) | 1992-03-24 | 1993-03-23 | Heterojunction bipolar transistor containing silicon carbide |
US08/280,805 US5536952A (en) | 1992-03-24 | 1994-07-26 | Heterojunction bipolar transistor |
US08/417,781 US5624853A (en) | 1992-03-24 | 1995-04-06 | Method for forming heterojunction bipolar transistors |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8726892A JPH05291278A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 半導体装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05291278A true JPH05291278A (ja) | 1993-11-05 |
Family
ID=13910023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8726892A Pending JPH05291278A (ja) | 1992-03-24 | 1992-04-08 | 半導体装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05291278A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7315050B2 (en) | 2001-05-28 | 2008-01-01 | Showa Denko K.K. | Semiconductor device, semiconductor layer and production method thereof |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP8726892A patent/JPH05291278A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7315050B2 (en) | 2001-05-28 | 2008-01-01 | Showa Denko K.K. | Semiconductor device, semiconductor layer and production method thereof |
US7622398B2 (en) | 2001-05-28 | 2009-11-24 | Showa Denko K.K. | Semiconductor device, semiconductor layer and production method thereof |
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