JPH05288269A - トルクコンバータの油圧制御方法 - Google Patents

トルクコンバータの油圧制御方法

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JPH05288269A
JPH05288269A JP8861992A JP8861992A JPH05288269A JP H05288269 A JPH05288269 A JP H05288269A JP 8861992 A JP8861992 A JP 8861992A JP 8861992 A JP8861992 A JP 8861992A JP H05288269 A JPH05288269 A JP H05288269A
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尚司 中村
Takahiro Taki
高弘 瀧
Yoichi Furuichi
曜一 古市
Yuzo Yano
裕三 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機関の出力軸と自動変速機の入力軸とを完全
な直結状態に保持し得るダンパクラッチをトルクコンバ
ータに組み込んだ車両において、自動変速機による変速
操作の際の変速ショックを従来のものよりも緩和するこ
とが可能なトルクコンバータの油圧制御方法を提供す
る。 【構成】 機関のクランク軸に連結される入力ケース1
3と変速機の入力軸16に連結されるタービン15との
間にこれらの係合状態を制御するダンパクラッチ23を
組み込んだトルクコンバータ12において、ダンパクラ
ッチ23が完全に係合した状態での変速操作の際に、実
際の変速操作の開始直後にダンパクラッチ23の開放側
油室44に対する圧油の供給圧力を徐々に上昇させ、こ
の変速操作の終了直前にダンパクラッチ23の開放側油
室44に対する圧油の供給圧力を徐々に下降させて元の
状態に戻すようにしたことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関と自動変速機とを
完全な直結状態に保持し得るダンパクラッチを内蔵した
トルクコンバータに対する供給油圧の制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】遊星歯車機構を用いた自動変速機は、機
関のクランク軸に接続する変速機入力軸に複数組の遊星
歯車装置とこれら遊星歯車装置を構成する複数の回転要
素をそれぞれ拘束する複数の摩擦係合要素とを組み込
み、これら摩擦係合要素の係合状態の組み合わせを切り
換えることにより、所望の変速段を達成するようにして
いる。このような自動変速機においては、機関のトルク
変動を吸収すると共に機関の低回転時における駆動トル
クの増大を企図して機関の出力軸と自動変速機の入力軸
との間にトルクコンバータを介在させている。
【0003】このような車両に搭載されるトルクコンバ
ータは、油の粘性を利用して機関の出力軸からの動力を
自動変速機の入力軸側へ伝達しているため、通常、機関
の回転速度が高速となるほど動力の伝達ロスが大きくな
り、燃費を悪化させる一因となっている。
【0004】そこで、トルクコンバータの入力側と出力
側との間にダンパクラッチを組み込み、このトルクコン
バータに対する圧油を車両の運転状態に応じて制御する
ことにより、トルクコンバータの入力側と出力側とを完
全に一体化させ、機関の出力軸と自動変速機の入力軸と
を完全な直結状態に保持するようにしたものが、例えば
特公平2−31266号公報等で提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】機関の出力軸と自動変
速機の入力軸とを完全な直結状態に保持し得るダンパク
ラッチが組み込まれたトルクコンバータにあっては、機
関に駆動力が発生しているいわゆるパワー・オンの状態
で変速操作が行われる場合、この変速中に機関の駆動ト
ルクがそのまま自動変速機の入力軸側に伝達されてしま
うため、ダンパクラッチを組み込んでいないトルクコン
バータや、常に微小なスリップを許容するダンパクラッ
チを組み込んだトルクコンバータが付設された自動変速
機の場合よりも、大きな変速ショックが発生し易く、良
好な変速フィーリングを損なう虞がある。
【0006】このような不具合は、変速終了後でも機関
の出力軸と自動変速機の入力軸とが完全な直結状態に保
持されているような場合や、パワー・オンの状態でのア
ップシフト等の際に、特に大きく顕れる。
【0007】
【発明の目的】本発明は、機関の出力軸と自動変速機の
入力軸とを完全な直結状態に保持し得るダンパクラッチ
をトルクコンバータに組み込んだ車両において、自動変
速機による変速操作の際の変速ショックを従来のものよ
りも緩和することが可能なトルクコンバータの油圧制御
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるトルクコン
バータの油圧制御方法は、機関のクランク軸に連結され
る入力ケースと変速機の入力軸に連結されるタービンと
の間にこれらの係合状態を制御するダンパクラッチを組
み込んだトルクコンバータにおいて、前記ダンパクラッ
チが完全に係合した状態での変速操作の際に、実際の変
速操作の開始直後に前記ダンパクラッチの開放側油室に
対する圧油の供給圧力を徐々に上昇させ、この変速操作
の終了直前に前記ダンパクラッチの開放側油室に対する
圧油の供給圧力を徐々に下降させて元の状態に戻すよう
にしたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】ダンパクラッチが完全に係合した状態での変速
操作の際には、実際の変速操作の開始直後にダンパクラ
ッチの開放側油室に対する圧油の供給圧力を徐々に上昇
させ、入力ケースに対するダンパクラッチの係合状態を
徐々に開放側に移行させ、入力ケースとタービンとの相
対回転を許容する。これにより、変速中における機関の
トルク変動がトルクコンバータ内の圧油によって緩和さ
れた状態でタービン側に伝達される。
【0010】そして、この変速操作の終了直前にダンパ
クラッチの開放側油室に対する圧油の供給圧力を徐々に
下降させて元の状態に戻し、最終的に入力ケースとター
ビンとを再び完全な係合状態に移行させる。
【0011】
【実施例】以下、本発明によるトルクコンバータの油圧
制御方法を前進4段の自動変速機と機関との間に設けら
れたトルクコンバータに対して応用した一実施例の動力
伝達機構の概念を表す図1に示すように、図示しない機
関のクランク軸に連結される駆動軸11には、トルクコ
ンバータ12の入力ケース13と一体に形成されたポン
プ14が連結されている。このポンプ14と対向するト
ルクコンバータ12のタービン15には、変速機入力軸
16を介して摩擦係合要素である3速・後退クラッチ1
7及び1−3速クラッチ18及び3−4速クラッチ19
が連結され、このタービン15とポンプ14との間に位
置するトルクコンバータ12のステータ20は、一方向
クラッチ21を介して変速機ケース22に連結されてい
る。
【0012】又、前記タービン15には、トルクコンバ
ータ12の入力ケース13と対向するダンパクラッチ2
3が設けられており、このダンパクラッチ23と入力ケ
ース13との間から圧油を排出すると共にダンパクラッ
チ23とタービン15との間に圧油を供給することによ
り、ダンパクラッチ23が入力ケース13に押し当てら
れ、入力ケース13とタービン15とがダンパクラッチ
23を介して完全な直結状態となる。
【0013】逆に、このダンパクラッチ23と入力ケー
ス13との間に圧油を供給すると共にダンパクラッチ2
3とタービン15との間から圧油を排出することによ
り、ダンパクラッチ23と入力ケース13との直結状態
が解除され、ダンパクラッチ23と入力ケース13との
間に供給される油圧に対応した入力ケース13とタービ
ン15との係合状態が保持される。
【0014】前記3−4速クラッチ19の出力側は、連
結軸24を介して遊星歯車装置25のキャリア26と、
この連結軸24の回転を停止させるための1速・後退ブ
レーキ27とに連結されている。又、前記1−3速クラ
ッチ18の出力側は、前進用太陽歯車28に連結されて
おり、前記3速・後退クラッチ17の出力側は、中間筒
29を介して後退用太陽歯車30と、この中間筒29の
回転を停止させるための2−4速ブレーキ31とに連結
されている。
【0015】前記遊星歯車装置25は、前述した前進用
太陽歯車28及び後退用太陽歯車30と、前進用太陽歯
車28に噛み合う前進用遊星歯車32及び後退用太陽歯
車30に噛み合う後退用遊星歯車33と、これら前進用
遊星歯車32及び後退用遊星歯車33を回転自在に支持
すると共に変速機ケース22に対して回転可能に保持さ
れた前記キャリア26と、後退用遊星歯車33に噛み合
う内歯歯車34とで主要部が構成されている。又、この
内歯歯車34は、連結軸24が貫通する中空の変速機出
力軸35に連結されている。
【0016】この変速機出力軸35に形成された出力歯
車36には、前記変速機入力軸16とほぼ平行に変速機
ケース22内に配設された駆動伝達軸37の従動歯車3
8が中間歯車39を介して噛み合っており、この駆動伝
達軸37には、前輪用ディファレンシャル40を介して
左右の駆動車軸41に連結された最終減速歯車42が接
続している。
【0017】なお、図中の符号で43は、変速機ケース
22と連結軸24との間に介装されて連結軸24の回転
方向を規制する一方向クラッチである。
【0018】前記遊星歯車装置25の回転要素に対する
摩擦係合要素として機能するクラッチ17〜19やブレ
ーキ27,31は、図示しないピストン装置或いはサー
ボ装置等を備えており、これらに対する圧油の給排を行
うことによって、これらの係合や解放を行うようになっ
ている。前記圧油は、図示しない油圧制御装置により上
述した各クラッチ17〜19やブレーキ27,31に対
して選択的に供給され、これらの係合状態の組み合わせ
によって、前進4段後進1段の変速段が達成されるが、
これらの基本的な構成や作用等については例えば特開昭
63−298350号公報等で周知の通りであるので、以下では
主として本考案に関する部分に関して説明する。
【0019】なお、これら摩擦係合要素の係合状態の組
み合わせと各変速段との関係を表す図2に示すように、
図中の○印は該当する摩擦係合要素の係合状態を表し、
●印は変速段を1速固定に設定した場合のみ係合するこ
とを表す。
【0020】本実施例におけるトルクコンバータ12に
対する油圧制御回路の概略構造を表す図3に示すよう
に、トルクコンバータ12の入力ケース13とダンパク
ラッチ23との間に形成された開放側油室44には、開
放用油路45が連通しており、同様に、トルクコンバー
タ12のタービン15とダンパクラッチ23との間に形
成された係合側油室46には、係合側油路47が連通し
ている。これら開放用油路45及び係合側油路47に
は、前記開放側油室44及び係合側油室46に対する圧
油の給排を制御するダンパクラッチ制御弁48が接続し
ており、このダンパクラッチ制御弁48のスプール49
の一端側には、このスプール49を図3中、常に右側に
付勢する圧縮コイルばね50が組み込まれている。
【0021】又、ダンパクラッチ制御弁48には、前記
スプール49の両側に臨む一対の制御油路51a,51bと、
スプール49の中央部に臨むトルクコンバータ潤滑油路
52と、スプール49の一端側に臨むライン圧供給油路
53とが接続し、それぞれ所定の油圧に調圧された圧油
が供給されるようになっている。
【0022】前記一対の制御油路51a,51bの上流側は、
一本の制御油路51に合流してライン圧供給油路53の
途中に接続しているが、この制御油路51の途中には、
ライン圧供給油路50から制御油路51へ供給される圧
油を減圧する減圧弁54が介装されている。更に、ダン
パクラッチ制御弁48の圧縮コイルばね50側に接続し
得る一方の制御油路51aの途中には、この一方の制御油
路51a内の圧油を排出することより、ダンパクラッチ制
御弁48のスプール49を駆動する非通電時閉塞型のダ
ンパクラッチ制御ソレノイド55が接続し、このダンパ
クラッチ制御ソレノイド55には、当該ダンパクラッチ
制御ソレノイド55に対する通電状態をデューティ制御
する電子制御ユニット56が接続している。
【0023】従って、ダンパクラッチ制御ソレノイド5
5に対する通電のデューティ率(以下、これを制御デュ
ーティ率と呼称する)DRが100%となる連続的な通
電状態の場合には、一方の制御油路51a内の圧油がダン
パクラッチ制御ソレノイド55から排油されるため、他
方の制御油路51bからダンパクラッチ制御弁48のスプ
ール49の他端側に供給される圧油により、圧縮コイル
ばね50のばね力に抗してスプール49が図3に示すよ
うに左側に変位し、ライン圧供給油路53と係合側油路
47とが連通路57を介して接続する一方、開放側油路
45とダンパクラッチ制御弁48の排油ポートEXとが
連通し、開放側油室44内の圧油が開放側油路45を介
して排油ポートEXから排油される一方、ライン圧供給
油路53からの圧油が連通路57,係合側油路47を介
して係合側油室46に供給される。
【0024】この結果、ダンパクラッチ23がトルクコ
ンバータ12の入力ケース13に押し当てられ、この入
力ケース13とタービン15とがダンパクラッチ23を
介して直結状態となる。この場合、トルクコンバータ潤
滑油路52からの圧油は、油路58を介して図示しない
油冷却器から油溜め側に戻される。
【0025】逆に、ダンパクラッチ制御ソレノイド55
に対する制御デューティ率DRが0%となる完全な非通
電状態の場合には、一方の制御油路51a内がダンパクラ
ッチ制御ソレノイド55にて閉鎖されているため、圧縮
コイルばね50のばね力によりスプール49が図3に示
す状態から右側に変位し、ライン圧供給油路53がスプ
ール49によって塞がれると共にトルクコンバータ潤滑
油路52と開放側油路45とが接続する一方、開放側油
路45と前記油路58とが連通し、トルクコンバータ潤
滑油路52からの圧油が開放側油路45を介して開放側
油室44に供給される一方、係合側油室46内の圧油が
係合側油路47から前記油路58を通って前記油溜め側
に戻される。
【0026】この結果、ダンパクラッチ23がトルクコ
ンバータ12の入力ケース13から押し離される開放状
態となり、この入力ケース13と一体のポンプ14とタ
ービン15との間に介在する圧油の粘性によって入力ケ
ース13の回転がタービン15側に伝達される。
【0027】このようにして、ダンパクラッチ制御ソレ
ノイド55に対する制御デューティ率DRを0〜100
%の間で任意に切り換えることにより、開放側油室44
に対する圧油の供給圧を制御して入力ケース13に対す
るダンパクラッチ23の係合圧を微妙に調整することが
できる。
【0028】前記電子制御ユニット56には、図示しな
い機関の回転速度を検出する機関回転速度センサ59
と、図示しないスロットル弁の開度(以下、これをスロ
ットル開度と呼称する)θを検出するスロットル開度セ
ンサ60と、変速機ケース22に取り付けられて中間筒
29の回転速度を検出するブレーキドラム回転速度セン
サ61と、変速機ケース22に取り付けられて車両の走
行速度(以下、これを車速と呼称する)に対応する前記
駆動伝達軸37の回転速度を検出する車速センサ62
と、運転者によって踏み込まれる図示しないアクセルペ
ダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ63と
がそれぞれ接続し、これら各種センサ59〜63からの
検出信号に基づいてダンパクラッチ制御ソレノイド55
に対する通電状態をデューティ制御し、入力ケース13
とダンパクラッチ23との間の開放側油室44に供給さ
れる圧油の圧力を所望の値に設定するようになってい
る。
【0029】又、電子制御ユニット56内には、トルク
コンバータ12のタービン15の回転速度(以下、これ
をタービン回転速度と呼称する)NTとスロットル開度
θとに基づいて予め設定された図4に斜線で示すダンパ
クラッチ23の完全係合領域と、交差斜線で示す半係合
領域とを予め設定したマップが図示しないROM中に記
憶されており、この完全係合領域内にて変速操作の開始
と終了とが行われる場合、以下に説明する本発明による
制御が実行される。
【0030】この場合、本実施例では上述したタービン
回転速度NTをブレーキドラム回転速度センサ61から
の検出信号及び車速センサ62からの検出信号に基づい
て算出される現在の変速段と、この車速センサ62によ
る車速とから算出するようにしている。
【0031】かかるトルクコンバータの油圧制御手順を
表す図5,図6及びパワー・オンの状態で2速から3速
に変速した場合の制御デューティ率DR及びタービン回
転速度NTの変化状態を表す図7に示すように、まずS
1のステップにて電子制御ユニット56は図4に示すマ
ップに基づいて車両の運転状態が完全係合領域にあるか
否かを判定し、このS1のステップにて車両の運転状態
が完全係合領域にあると判断した場合には、S2のステ
ップにて制御デューティ率DRとして現在のスロットル
開度θに対応した完全係合用の制御デューティ率DRL
算出し、これをダンパクラッチ制御ソレノイド55に出
力する。そして、S3のステップにて変速指令が発せら
れているか否かを判定する。
【0032】前記完全係合用の制御デューティ率D
RLは、スロットル開度θにほぼ比例する関数として前記
電子制御ユニット56内のROM中に記憶されており、
必要最小限の圧力でダンパクラッチ23を係合させるこ
とにより、ダンパクラッチ23を完全係合領域から開放
側に移行させる際の制御タイミングに遅れが発生しない
ように配慮している。
【0033】一方、S1のステップにて車両の運転状態
が完全係合領域にないと判断した場合には、S4のステ
ップにて車両の運転状態が半係合領域にあるか否かを判
定し、このS4のステップにて車両の運転状態が半係合
領域にあると判断した場合には、S5のステップにて制
御デューティ率DRとしてダンパクラッチ23の最適ス
リップ量に対応する半係合用の制御デューティ率DRS
算出し、これをダンパクラッチ制御ソレノイド55に出
力して入力ケース13に対してダンパクラッチ23がス
リップしつつ係合するように移行させた後、S1のステ
ップに戻って再び車両の運転状態が完全係合領域にある
か否かを判定する。
【0034】又、前記S4のステップにて車両の運転状
態が半係合領域にないと判断した場合には、S6のステ
ップにて制御デューティ率DRを0%に設定し、これを
ダンパクラッチ制御ソレノイド55に出力して入力ケー
ス13に対するダンパクラッチ23の係合状態を開放し
た後、S1のステップに移行する。
【0035】前記S3のステップにて変速指令が発せら
れていると判断した場合には、この変速指令がパワー・
オンの状態でのアップシフトの指令であるか否かをS7
のステップにて判断する。又、S3のステップにて変速
指令が発せられていないと判断した場合には、前記S1
のステップに戻る。
【0036】なお、機関の運転状態がパワー・オンの状
態であるか否かは、機関回転速度とスロットル開度とに
基づいて予め設定されたマップから読み出すようにして
おり、基本的には機関回転速度が所定回転速度以上で且
つスロットル開度θが所定開度以上の場合に、パワー・
オンの状態であると判断している。
【0037】前記S7のステップにてパワー・オンの状
態でのアップシフトの指令が発せられていると判断した
場合には、S8のステップにてこの変速操作の終了後も
機関の運転状態が完全係合領域にあるか否かを推定す
る。又、前記S7のステップにて機関に駆動力が発生し
ていない、いわゆるパワー・オフの状態であったり、ダ
ウンシフトの変速指令が発せられていると判断した場合
には、S9のステップに移行して別制御を実行するが、
この制御内容については本発明と関係がないので、その
説明を省略する。
【0038】前記S8のステップにて今回の変速操作の
終了後も機関の運転状態が完全係合領域にあると予想さ
れる場合には、S10のステップにて実際の変速操作が
始まっているか否かを判定し、このS10のステップに
て実際の変速操作が始まっていると判断した場合には、
S11のステップにて開始用制御デューティ率DRKを出
力し、更にS12のステップにて下式に基づく変速用制
御デューティ率DRPを設定し、これをダンパクラッチ制
御ソレノイド55に出力して入力ケース13に対するダ
ンパクラッチ23の係合状態を半係合状態に移行させ
る。
【0039】DRP=DRK−α・t 但し、αは単位時間当たりの制御デューティ率の変化量
であり、開始用制御デューティ率DRKと共に機関の性能
や自動変速機油の特性等を加味してダンパクラッチ23
のスリップ量がおよそ数十〜百rpm前後となるように設
定する必要があるが、本実施例ではαを毎秒10%に設
定している。又、tは時間である。
【0040】なお、実際の変速操作が始まっているか否
かの判定は、前記タービン回転速度NTが変速前の変速
段に対応する回転速度から外れた時点で、変速操作が始
まったと判断するようにしている。
【0041】そして、S13のステップにて実際の変速
操作が終了直前であるか否かを判定するが、この判定は
前記タービン回転速度NTが変速後の変速段に対応する
回転速度に対して予め設定した多少多めの回転速度以下
となった時点で、変速操作が終了直前であると判断する
ようにしている。
【0042】前記S8のステップにて変速終了後におけ
る機関の運転状態が完全係合領域にはないと判断した場
合には、S14のステップに移行して別制御を実行する
が、この制御内容については本発明と関係がないので、
その説明を省略する。又、S10のステップにて実際の
変速が開始されていないと判断した場合には、S8のス
テップに戻って変速終了後も機関の運転状態が完全係合
領域にあるか否かを再び判定する。
【0043】前記S13のステップにて実際の変速操作
が終了直前であると判断した場合には、S15のステッ
プにて現在の変速用制御デューティ率DRPを毎秒5%の
割合で段階的に増加させる終了用制御デューティ率DRF
を算出し、これをダンパクラッチ制御ソレノイド55に
出力して入力ケース13に対するダンパクラッチ23の
半係合状態を再び完全係合側に移行させる。
【0044】そして、S16のステップにてこの終了用
制御デューティ率DRFが完全係合用の制御デューティ率
RLよりも大きいか否かを判定し、終了用制御デューテ
ィ率DRFが完全係合用の制御デューティ率DRLよりも大
きい、即ちダンパクラッチ23が既に完全係合状態にあ
ると判断した場合には、S1のステップに戻る。又、こ
のS16のステップにてこの終了用制御デューティ率D
RFが完全係合用の制御デューティ率DRLよりも大きくな
いと判断した場合には、S15のステップに戻って終了
用制御デューティ率DRFの出力を継続する。
【0045】一方、前記S13のステップにて実際の変
速操作がまだ終了直前ではないと判断した場合には、S
17のステップにて現在の変速用制御デューティ率DRP
が予め設定した最小変速用制御デューティ率DRMよりも
小さいか否かを判定し、このS17のステップにて現在
の変速用制御デューティ率DRPが最小変速用制御デュー
ティ率DRMよりも小さいと判断した場合には、S18の
ステップにて変速用制御デューティ率DRPを最小変速用
制御デューティ率DRMにクリップし、S13のステップ
に戻って実際の変速操作が終了直前であるか否かを再び
判定する。
【0046】このように、本実施例では変速用制御デュ
ーティ率DRPが最小変速用制御デューティ率DRMよりも
小さくなる虞がある場合には、S18のステップにて変
速用制御デューティ率DRPを最小変速用制御デューティ
率DRMにクリップし、ダンパクラッチ23が必要以上に
スリップしないように配慮している。
【0047】又、S17のステップにて現在の変速用制
御デューティ率DRPが最小変速用制御デューティ率DRM
よりも小さくないと判断した場合には、S12のステッ
プに戻って変速用制御デューティ率DRPの出力を継続す
る。
【0048】
【発明の効果】本発明のトルクコンバータの油圧制御方
法によると、ダンパクラッチが完全に係合した状態での
変速操作の際に、実際の変速操作の開始直後にダンパク
ラッチの係合側油室に対する圧油の供給圧力を徐々に低
下させ、この変速操作の終了直前にダンパクラッチの係
合側油室に対する圧油の供給圧力を徐々に元の状態に戻
すようにしたので、ダンパクラッチが入力ケースとター
ビンとの相対的なすべりを許容することとなり、変速中
に発生する機関のトルク変動をトルクコンバータによっ
て吸収することができる。
【0049】このため、機関に駆動力が発生しているい
わゆるパワー・オンの状態でのアップシフトであって
も、変速ショックを従来のものより緩和することがで
き、良好な変速フィーリングを確保することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を前進4段の自動変速機と機関との間に
設けられたトルクコンバータに対して応用した一実施例
の動力伝達機構の概念を機構概念図である。
【図2】本実施例における自動変速機を構成する摩擦係
合要素の係合状態とと各変速段との関係を表す作動エレ
メント図である。
【図3】本実施例における主要部の油圧回路図である。
【図4】本実施例におけるダンパクラッチの完全係合領
域及び半係合領域を表すマップである。
【図5】図6と共に本実施例による制御手順を表すフロ
ーチャートである。
【図6】図5と共に本実施例による制御手順を表すフロ
ーチャートである。
【図7】パワー・オンの状態で2速から3速へ変速した
場合におけるダンパクラッチ制御ソレノイドに対する制
御デューティ率及びタービン回転速度の変化状態をそれ
ぞれ表すグラフである。
【符号の説明】
11は駆動軸、12はトルクコンバータ、13は入力ケ
ース、14はポンプ、15はタービン、16は変速機入
力軸、17は3速・後退クラッチ、18は1−3速クラ
ッチ、19は3−4速クラッチ、20はステータ、21
は一方向クラッチ、22は変速機ケース、23はダンパ
クラッチ、24は連結軸、25は遊星歯車装置、26は
キャリア、27は1速・後退ブレーキ、28は前進用太
陽歯車、29は中間筒、30は後退用太陽歯車、31は
2−4速ブレーキ、32は前進用遊星歯車、33は後退
用遊星歯車、34は内歯歯車、35は変速機出力軸、3
6は出力歯車、37は駆動伝達軸、38は従動歯車、3
9は中間歯車、40は前輪用ディファレンシャル、41
は駆動車軸、42は最終減速歯車、43は一方向クラッ
チ、44は開放側油室、45は開放用油路、46は係合
側油室、47は係合側油路、48はダンパクラッチ制御
弁、49はスプール、50は圧縮コイルばね、51は制
御油路、51a,51bも制御油路、52はトルクコンバータ
潤滑油路、53はライン圧供給油路、54は減圧弁、5
5はダンパクラッチ制御ソレノイド、56は電子制御ユ
ニット、57は連通路、58は油路、59は機関回転速
度センサ、60はスロットル開度センサ、61はブレー
キドラム回転速度センサ、62は車速センサ、63はア
クセル開度センサである。又、NTはタービン回転速
度、θはスロットル開度、DRは制御デューティ率、D
RLは完全係合用の制御デューティ率、DRSは半係合用の
制御デューティ率、D RKは開始用制御デューティ率、D
RPは変速用制御デューティ率、DRFは終了用制御デュー
ティ率、DRMは最小変速用制御デューティ率である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 裕三 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関のクランク軸に連結される入力ケー
    スと変速機の入力軸に連結されるタービンとの間にこれ
    らの係合状態を制御するダンパクラッチを組み込んだト
    ルクコンバータにおいて、前記ダンパクラッチが完全に
    係合した状態での変速操作の際に、実際の変速操作の開
    始直後に前記ダンパクラッチの開放側油室に対する圧油
    の供給圧力を徐々に上昇させ、この変速操作の終了直前
    に前記ダンパクラッチの開放側油室に対する圧油の供給
    圧力を徐々に下降させて元の状態に戻すようにしたこと
    を特徴とするトルクコンバータの油圧制御方法。
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