JP2646693B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2646693B2
JP2646693B2 JP63209978A JP20997888A JP2646693B2 JP 2646693 B2 JP2646693 B2 JP 2646693B2 JP 63209978 A JP63209978 A JP 63209978A JP 20997888 A JP20997888 A JP 20997888A JP 2646693 B2 JP2646693 B2 JP 2646693B2
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range
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gear
control
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誠一 西川
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は、自動変速機の変速制御、特に、非走行レン
ジから走行レンジに切換えた際の駆動系の耐久性を向上
させるように構成した自動変速機の変速制御装置の改良
に関する。
【従来の技術】
特公昭50−709号公報は、電子制御式自動変速機にお
いて、N→Dシフト(ニユートラルレンジからドライブ
レンジへのシフト)時のシヨツクを軽減するために、一
時的に第1速段(最低速段)以外の変速段を経由させる
技術(スクオート制御)を開示している。このスクオー
ト制御は、N→Dシフトされてから、予め定められた時
間(例えば0.8秒程度)だけ、第1速段以外の変速段を
形成するための摩擦係合装置を係合させる指令を出し、
その後に第1速段を形成するための指令を出すものであ
る。 例えば、第4図に示された係合線図を参照しながら説
明すると、N→Dシフトされた場合、本来ならば、クラ
ツチC1を係合させるのみでシフトが完了するのである
が、この場合に、先ずクラツチC1とブレーキB2の係合指
令を出して第2速段を一時的に形成し、その後にブレー
キB2を開放させて第1速段に戻す操作を行うのである。 これにより、N→Dシフト時のシヨツクをギヤ比が急
変しない分だけ緩和することができ、車両のテール部分
が沈込むいわゆるスクオート現象を軽減することができ
る。 又、特開昭61−116160号公報は、車速が零、且つエン
ジン回転速度が所定値以上のときにのみこのスクオート
制御を実行する技術を開示している。これは、エンジン
回転速度が高いときに行われるN→Dシフトが特に大き
なシヨツクを発生することを考慮し、その他のN→Dシ
フトについては速やかな発進を優先させた方がよいとい
う設計思想に基づいたものである。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、左右の前後輪を常時駆動するいわゆるフル
タイム4輪駆動のような駆動形式が普及してきている
が、この種の駆動形式の車両は、急発進を実施した場合
であつても駆動力が4輪に分配されるため従来の2輪駆
動よりはるかにエンジンの駆動力をロスすることなく発
進することが可能である。従つて、エンジンの駆動力が
ロスされないだけに、2輪駆動ではタイヤのグリツプ限
界オーバーによるスリツプ(駆動ロス)で回避していた
衝撃的な負荷トルクが4輪駆動の車両では直接的に自動
変速機をはじめとする駆動系の各部材(差動装置等を含
む)に付加されることになり、従来以上にこれら駆動系
の耐久性が問題視されるようになつてきた。 又、4輪駆動の形式に限らず、最近のエンジンの大出
力化に伴い、急発進時における駆動系の耐久性の確保は
重要な問題となつてきている。 しかしながら、いわゆる従来のスクオート制御は、N
−Dシフトが行われた瞬間の状態のみに着目していたた
め、十分な対応がなされないことがあつた。即ち、例え
ばN−Dシフトが行われてからわずか後にアクセルが急
に踏込まれた場合では、前述の特開昭61−116160号の技
術ではスクオート制御が全く実行されないことになる。
又、駆動系の受ける襲撃トルクはN−Dシフトが行われ
てからアクセルが踏込まれるまでの時間(タイミング)
によつて異なつてくるはずであるが、これに対しても従
来の技術では十分対応できなかつた。
【発明の目的】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたも
のであつて、非走行レンジから走行レンジへのシフト時
におけるいわゆるスクオート制御の実行に際し、急発進
が要求されたタイミングに応じてスクオート制御の内容
を変え、駆動系の耐久性の向上と、発振時のもたつき感
の低減との両立を図るようにした自動変速機の変速制御
装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1図にその要旨を示す如く、シフトレン
ジを検出する手段を備え、該シフトレンジが非走行レン
ジから走行レンジに切換えられたときに、一時的に高速
段を形成するための摩擦係合装置を係合させるように構
成した自動変速機の変速制御装置において、急発進が要
求されたか否かを検出する手段と、前記非走行レンジか
ら走行レンジに切換えられてから、前記急発進が要求さ
れたと検出されるまでの時間を検出する手段と、前記時
間の長さに応じて、前記一時的に形成する高速段側のギ
ヤ比を変更する手段と、を備えたことにより、上記目的
を達成したものである。 なお、本発明において、「急発進が要求されたか否
か」の検出は、例えば、アクセル開度が所定値以上とさ
れたか否か、スロツトル開度が所定値以上とされたか否
か、あるいは、エンジン回転数が所定値以上となつたか
否か等を検出することによつて判断することができる。
【作用】
本発明においては、非走行レンジから走行レンジへの
シフト、例えばN→D、N→2、N→L、N→R、ある
いはP→Rシフト(以下この項においてN→Dシフトで
代表させる)が行われたときのスクオート制御の実行に
際し、当該N→Dシフトがなされた瞬間の状態のみを考
慮するのではなく、NレンジからDレンジに切換えられ
てから急発進が要求されたと検出されるまでの時間を検
出し、この時間の長さに応じて、一時的に形成する高速
段のギヤ比(例えば第2速段経由とするか、あるいは第
3速段経由とするか)を変更するようにしている。 その結果、単にN→Dシフトがなされた瞬間だけを考
慮するのではなく、N→Dシフトがなされた後、どの程
度の時間(タイミング)で急発進が要求されたかによ
り、スクオート制御の内容を変更することができるよう
になる。 即ち、一般に、油圧制御装置内の摩擦係合装置は、N
→Dシフトと同時に係合できるわけではなく、従つて、
該N→Dシフトが行われてから暫くは、未だエンジンは
無負荷に近い状態にある。そのため、N→Dシフトが行
われた後直ちに急発進が要求された場合は、前記摩擦係
合装置が係合するまでにエンジンが極めて高回転状態に
まで吹き上がつてしまい、該摩擦係合装置の係合完了と
共にこの高回転状態となつたエンジンの出力が一気に車
両の駆動系に伝達されることになる。この状態は、駆動
系の耐久性上極めて厳しいものである。従つて本発明で
は、N→Dシフトが行われた後急発進が直ちに要求され
た場合には、一時的に例えば第3速段あるいは第4速段
を経由させるようにし、駆動系に加わるトルクを減少さ
せる。 一方、N→Dシフトが行われてから暫く後に急発進が
要求された場合は、摩擦係合装置が既に係合された後で
あるため、エンジンは急激に吹き上がることができず、
従つて、駆動系に突然エンジンの大出力が伝達されてく
ることはない。このようなときに、ギヤ比の小さな高速
段(例えば第3速段あるいは第4速段)を経由するよう
にしておくと、それだけ発進がもたつくことになり、運
転者の要求を十分に行かせないことになる。 本発明では、このような場合には、N→Dシフトが行
われた後直ちに急発進が要求された場合に比べてより低
速段(例えば第2速段)を経由するようなスクオート制
御が実行できるため、良好な発進加速性を得ることがで
きる。 なお、本発明は、N→Dシフトがなされた後どの程度
の時間で急発進状態とされたか否かによつて経由する高
速段を変更することを趣旨とするものであり、例えば、
N→Dシフトが行われた後直ちに急発進が要求された状
態となつた場合にのみスクオート制御を実行するような
構成を概念上含むものである。
【実施例】
以下添付の図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説
明する。 第2図にこの実施例が適用される車両用自動変速機の
ギヤトレインの概略を示す。 このギヤトレインは、フロント遊星歯車機構部1と、
リヤ遊星歯車機構部2と、オーバードライブ遊星歯車機
構部3との3組の遊星歯車機構部を備える。 フロント遊星歯車機構部1のサンギヤ4とリヤ遊星歯
車機構部2のサンギヤ5とが互いに連結されている。
又、フロント遊星歯車機構部1のキヤリア6とリヤ遊星
歯車機構部2のリングギヤ7とが連結され、又、これら
のキヤリア6及びリングギヤ7がオーバードライブ遊星
歯車機構部3のキヤリア8に連結されている。 一方、トルクコンバータ9に連結されたタービン軸10
とフロント遊星歯車機構部1のリングギア11との間には
クラツチC1が設けられ、タービン軸10とフロント遊星歯
車機構部1のサンギヤ4との間にはクラツチC2が設けら
れている。更に、互いに連結されたサンギヤ4、5とト
ランスミツシヨンケース12との間にはブレーキB1が設け
られると共に、互いに直列に配列した一方クラツチF1
びブレーキB2が前述のブレーキB1に対して並列関係にな
るように前記サンギヤ4、5とトランスミツシヨンケー
ス12との間に設けられている。更に、リヤ遊星歯車機構
部2のキヤリア13とトランスミツシヨンケース12との間
には、ブレーキB3と一方向クラツチF2とが並列に配置さ
れている。 オーバードライブ遊星歯車機構部3は、ギヤ比を
「1」以下に設定し、いわゆるオーバードライブ走行を
可能にするものであつて、そのキヤリア8とサンギヤ14
との間にはクラツチC0と一方向クラツチF0とが並列に配
置され、更に、そのサンギヤ14とケース12との間にはブ
レーキB0が設けられている。 このギヤトレインの出力は、オーバードライブ遊星歯
車機構部3のリングギヤ15に連結されたカウンタギヤ16
とされている。 上述のキヤトレインによる変速段の設定は、各クラツ
チC0〜C2、ブレーキB0〜B3を油圧によつて選択的に係合
・開放することによつて行われる。 第3図にそのための油圧制御装置の要部を示す。シフ
トレンジを切換えるためのマニユアルバルブ20は、運転
席のシフトレバー(図示せず)に機械的に連結され、運
転者の手動操作によつてP(パーキング)、R(リバー
ス)、N(ニユートラル)、D(ドライブ)、2(セカ
ンド)、L(ロー)の各シフトレンジの設定を行う。 マニユアルバルブ20の入力ポート21には油圧ポンプ30
によつて発生された油圧をプライマリレギユレータバル
ブ40によつて周知の方法で調圧したライン油圧が供給さ
れている。 第3図において、符号50は第1速段と第2速段との間
で変速を行う1−2シフトバルブ、60は第2速段と第3
速段との間で変速を行う2−3シフトバルブ、70は第3
速段と第4速段との間で変速を行う3−4シフトバルブ
をそれぞれ示している。各シフトバルブ50、60、70のス
プール51、61、71は、スプリング52、62、72によって図
中上方向に付勢されている。しかしながら、各シフトバ
ルブ50、60、70のパイロツトポート53、63、73にライン
油圧が供給されると、各スプール51、61、71がスプリン
グ52、62、72の付勢力に打ち勝って図中下方向に移動さ
せられるため、このときの各スプール51、61、71の移動
によつてそれぞれのシフトバルブ50、60、70に形成され
た油路の切換えが行われるようになつている。 前記パイロツトポート53、63、73は、マニユアルバル
ブ20の位置をDレンジ及び2レンジ並びにLレンジの前
進走行レンジに設定した際に入力ポート21と連通される
出力ポート22に連結されている。この連結にあたつて、
2−3シフトバルブ60のパイロツトポート63に至る油路
23には電磁弁S1が介在・装着されている。又1−2シフ
トバルブ50のパイロツトポート53及び3−4シフトバル
ブ70のパイロツトポート73に至る油路24には電磁弁S2
介在・装着されている。 これらの電磁弁S1、S2はOFF状態で各油路23、24に対
峙したポート25、26を閉じることにより各油路23、24に
供給されてくるライン油圧をそのまま維持し、反対にON
状態でポート25、26を開いて各油路23、24中のオイルを
ドレンするような構成とされている。 電磁弁S1、S2のON−OFF制御は後述するようにECT(エ
レクトロニツク コントロール トランスミツシヨン)
制御用コンピユータによつて行われる。 クラツチC1はマニユアルバルブ20の出力ポート22に連
通されており、又クラツチC2は2−3シフトバルブ60の
うちそのスプール61がスプリング62に抗して押された際
にライン油圧が供給されるポート64に連通されている。
クラツチC0は3−4シフトバルブ70の各ポートのうちそ
のスプール71がスプリング72によつて限界位置まで図中
上方に押されている状態でライン油圧が供給されるポー
ト74に連通されている。又、ブレーキB1〜B3は1−2シ
フトバルブ50の各ポート54〜56に連通され、ブレーキB0
は3−4シフトバルブ70のポート75に連通されている。 これらの構造により、マニユアルバルブ20によつて適
宜のシフトレンジを選択する一方、電磁弁S1、S2を第4
図に示すようにON−OFF(ONは○、OFFは×で示されてい
る)させることにより、第1速段〜第4速段が達成され
る。なお、各変速段でのクラツチやブレーキ等の係合・
開放状態は同じく第4図に示す通りである。 第5図に示されるように、ECT制御用コンピユータ80
には、エンジン負荷(エンジントルク)を反映させるた
めのスロツトル開度(アクセル開度に対応)θを検出す
るスロツトルセンサ81、車速Vを検出する車速センサ8
2、Nレンジ、Dレンジ、Pレンジ等のシフトレンジの
位置を検出するためのシフトポジシヨンセンサ83、エン
ジンの冷却水温を検出する冷却温水センサ84、ブレーキ
が踏込まれたことを検出するブレーキセンサ85、動力性
能を重視した走行及び燃費を重視した走行のうち、いず
れを運転者が選択したかを検出するためのパターンセレ
クトスイツチ86等の各信号が入力される。 ECT制御用コンピユータ80は、これらの入力信号を得
て、従来と同様に、スロツトル開度−車速の変速マツプ
に従つて、前述の油圧制御装置内の電磁弁S1、S2を駆動
することにより第1速段〜第4速段の変速制御を実行す
る。 N→Dシフト(他の非走行レンジ→走行レンジシフト
を含む)が行われた場合、スクオート制御を行わない場
合には、直接第1速段を形成するためにクラツチC1のみ
に油圧が供給される。しかしながら、スクオート制御の
実行条件が成立した場合には、より高速段(第2速段又
は第3速段)への係合指令が出され、その後第1速段へ
の指令が出される。 この場合、N→Dシフトが実行されてからスロツトル
開度θが所定値θ以上になるまで(急発進が要求され
るまで)の時間に応じて高速段として第3速段、第2速
段、及び第1速段(スクオート制御非実行)が選択され
る。 なお、スクオート制御の実行条件は、この実施例では
N−Dシフトが実用されてから所定時間T2以内に車速V
が所定値V1以下、スロツトル開度θが所定値θ以上、
シフトレンジが走行レンジ、の3条件が全て成立するこ
ととしている。 その理由は以下の通りである。 車速Vが所定値V1以下であることを条件としたのは、
車速Vがある速度V1以上の場合、あるいはある速度V1
上となつた場合は、N→Dシフトによるシヨツクも、N
−Dシフトによる駆動系の耐久性もそれ程問題とならな
いため、敢てスクオート制御を実行する必要はなく、む
しろ速やかに第1速段を形成した方がよいからである。 又、スロツトル開度θが所定値θ以上としたのは、
スロツトル開度θが近い状態では、もともと急発進とは
ならないため、N→Dシフト時のシヨツクが小さいうえ
に、駆動系の耐久性も問題とならないためである。この
ように、スクオート制御を実行したことによるメリツト
が余りない場合は、むしろスクオート制御を実行せずに
直接第1速段にシフトする方がそれだけ速やかに発進態
勢に入れるため良好である。 又、シフトレンジが走行レンジであるということを条
件としたのは、運転者が実際にシフトレバーを操作する
場合、例えば、N→D→N、あるいはN→R→P等の操
作がしばしば実行されるからである。このような場合、
たとえ車速Vが所定値V1以下、スロツトル開度θが所定
値θ以上であると検出されたとしても、シフトレンジ
がその段階で非走行レンジに戻されていたとしたなら
ば、N→Dシフト時のスクオート制御を実行するのは無
意味なことである。このシフトレンジが走行レンジであ
るという条件は、本発明がN→Dシフトが行われた瞬間
における状態のみを考慮してスクオート制御を実行する
のでなく、N→Dシフトが行われてからのちの状態にま
で着目しているが故に意義が生じてくる条件である。 又、前記所定の条件のうちの1つでも成立しないもの
が発生した場合は即座に第1速段に復帰させるようにし
ている。それは、前述した理由により、所定の条件のう
ち1つでも成立しない状態となつたときはスクオート制
御をそれ以上実行する意味がないため、むしろ速やかに
第1速段を形成させるようにした方がそれだけ円滑な発
進ができるためである。 以下、第6図にこの急発進制御の具体的なフローチヤ
ートを示す。 まずステツプ101でフラグF2の値が判定される。この
フラグF2は、本制御により高速段の経由制御による駆動
力の減少が開始されたときに1、そうでないときに零と
なるフラグである。当初はF2=0であるため、ステツプ
102に進む。 ステツプ102においては、フラグF1の値が判定され
る。このフラグF1は、シフトレバーの状態を示してお
り、非走行レンジ(Pレンジ、Nレンジ)から走行レン
ジ(Dレンジ、Lレンジ、及び2レンジ)へのシフトが
あつた場合にF1=1となる。初期状態では、F1=0であ
るため、ステツプ103へと進み車速Vの状態を見る。 車速Vが停止に近いような車速V1以下であつたときに
は、ステツプ104に進んで走行レンジへのシフトがあつ
たかどうかを判定し、N→D、あるいはN→L等のシフ
トがあつた場合はステツプ105に進んでタイマTAのカウ
ントをスタートし、ステツ106でF1を1に設定し、リタ
ーンする。このタイマTAは、走行レンジへのシフトがあ
つてからの経過時間を検出するためのものである。 次に、F1=1となつたため、ステツプ102からステツ
プ110以降へと進む。ステツプ110及び111では、本制御
の開始前に車速Vの状態が変わつたり、あるいは再び非
走行レンジにシフトされたか否かを判定する。車速Vが
所定値V1以上になつたと判定されたときは、ステツプ11
5に進んで通常通り第1速段が直接形成される。即ち、
高速段経由の制御は実行されない。その後、ステツプ11
6でタイマTAのカウントがリセツトされ、ステツプ117で
F1が零にリセツトされた後リターンされる。 又、ステツプ111で再び非走行レンジにシフトされた
と判断されたときには、ステツプ116に進み、タイマTA
のカウントがリセツトされ、ステツプ117でF1が零にリ
セツトされた後リターンされる。即ち、例えばP→Nシ
フトの場合は、P→R→Nとなつているため、ステツプ
111からステツプ116へと進み、そのまま本制御を終了す
ることになる。なお、自動変速機は当該非走行レンジの
状態とされる。 次に、ステツプ110及び111でいずれもYESの判定がな
された場合は、スロツトル開度(アクセル開度)θの状
態をみて、スロツトル開度θが所定値θ以上であつた
場合にステツプ113以降へと進む。ステツプ113及び114
では、走行レンジへのシフトがされてからθ≧θとな
るまでの時間(タイミング)により、ステツプ115、11
9、あるいは125においてそれぞれギヤ比の変更(経由す
る変速段の変更)による駆動力の減少制御の内容を変更
するための場合分けが実行される。 即ち、TA≦T1であるような早いタイミングでθ≧θ
となつたときには、ステツプ125に進んでギヤ比を(I2
よりもハイギヤ側の)I1(例えば第3速段)に設定す
る。これにより、早いタイミングでアクセルが踏み込ま
れて、従つて、エンジンがかなり高速領域まで吹き上が
つた後に走行レンジへのシフトが完了するような状態と
なるようなときには、一時的に第3速段へのシフトが実
行されるため、ギヤ比が小さい分だけトルクが増大され
ずにすみ、駆動系の耐久性を確保することができるよう
になる。 又、T1<TA≦T2であるようなタイミングであつた場合
は、ステツプ119に進んで、I1よりはローギヤ側のI
2(例えば第2速段)に設定する。これにより、駆動系
の耐久性を確保しながら、第3速段まで切換えるよりは
速やかな発進ができるようになる。 次に、TA>T2であるようなタイミングでθ≧θとな
つたときには、ステツプ115へ進んで第1速段が直接形
成され、高速段への経由制御は実行されない。これは、
走行レンジに完全に切換わつた後にアクセルが踏み込ま
れた場合は、エンジンの吹き上がり等の問題が生じない
ため、駆動系が特に苛酷な条件に晒されることがないた
めである。従つて、この場合は、直接第1速段を形成す
ることにより、速やかな発進ができるようになる。 高速段制御の実行が行われなかつた場合は、ステツプ
116でタイマTAのカウントをリセツトし、ステツプ117で
F1=0とし、本制御を終了する。 一方、前述のステツプ119、あるいは125へ進んだ場合
は、ステツプ120でF1=0とした後、ステツプ121でF2
1とし、以降本制御の解除判定を行うフローチヤートへ
と進む。 即ち、F2=1となつた後は、ステツプ101においてYES
と判定されるため、ステツプ125、127へと進み、ステツ
プ126でスロツトル開度θの状態が全閉(オフ)に近い
ようなθ以下となつたと判定された場合、あるいは、
ステツプ127で走行レンジでなくなつたと判定された場
合は、即時に本制御を終了するため、ステツプ129以下
へ進む。ステツプ129では、ギヤ比が通常の状態、即ち
第1速段に戻される。ステツプ130ではタイマTAのカウ
ントがリセツトされ、ステツプ131で本制御が終了した
ということでF2が零にリセツトされリターンされる。 ステツプ126及びステツプ127でいずれもYESであつた
場合は、ステツプ128に進んでタイマTAのカウント開始
から所定時間T3が経過したか否かが判定される。所定時
間T3の経過が判定されないうちはそのままリターンさ
れ、ステツプ119、あるい125で設定されたギヤ比の変速
段がそのまま維持される。その後、タイマTAが所定値T3
以上となつたときには、ステツプ129に進んで通常の変
速段、即ち第1速段に戻されるようになる。その後は、
ステツプ130でタイマTAのカウントはリセツトされ、ス
テツプ131で本制御が終了したということでF2が零にリ
セツトされリターンされる。 この制御フローによれば、走行レンジへのシフトから
アクセルが踏み込まれるタイミングが早ければ、第3速
段経由とされ、比較的遅ければ第2速段経由、十分遅い
場合には高速段の経由を省略した制御が実行される。 即ち、走行レンジへのシフトからアクセルが踏み込ま
れるまでのタイミングが早い場合には、走行レンジに完
全に切換わるまでの間にエンジンが吹き上がる量が多
く、その吹き上がつた状態から走行レンジへの切替えが
実行されるようになるため、吹き上がつた慣性量の分だ
け切換わり時の駆動系への負荷が大きくなり、又シヨツ
クも大きくなる。従つて、ギヤ比をよりハイギヤ側(第
3速段)に切換え、係合時のトルク変動が各駆動系に伝
達される量を減少さた方がよい。 一方、同様な理由から、アクセルが踏み込まれるまで
のタイミングが遅くなれば、吹き上がりによる慣性量の
増大も減少してくるため、ギヤ比のハイギヤ側への変更
量も少なくてよくなる。逆に、アクセルが踏み込まれる
までのタイミングが遅くなつてくるとそれから更に第3
速段のような高速段を経由させた場合には発進のもたつ
き感が強くなる。 この制御フローは、以上の点を考慮し、走行レンジへ
のシフトからアクセルが踏み込まれるまでのタイミング
に応じて第3速段経由、第2速段経由、あるいは直接第
1速段へのシフトを行うようにしているため、上述のよ
うな事情によく適合した制御を実行することが可能とな
る。 ところで、この制御フローにおいては、高速段を経由
した後、再び第1速段に戻されるときのタイミングを、
一律に走行レンジへの切換え時からの経過時間が所定値
T3になつたときとしている。 従つて、ギヤ比をハイギヤ側に維持している時間は、
ハイギヤ側へのシフト条件が早く成立するほど長くなる
ことになる。この作用は、換言すると、アクセルが早く
踏み込まれ、駆動系の耐久性上より不利な状況におかれ
るときにはそれだけ長く高速段が維持されているという
ことであり、逆に遅いタイミングでアクセルが踏み込ま
れた場合には、短時間で高速段経由の制御を終了させ、
発進のもたつき感を減少させているということになる。 なお、本発明がN→Dシフトの他、他の非走行レンジ
→走行レンジのシフトのときにも適用できるのは自明で
ある。 又、例えばN→Rシフト時には、一時的にオーバード
ライブ遊星歯車機構部3を係合(ブレーキB0係合及びク
ラツチC0解放)させることにより、高速段リバースを達
成できるため、後進側での急発進制御についても本発明
を適用することが可能である。
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、非走行レンジか
ら走行レンジへシフトされたときに、該シフトからアク
セルが踏み込まれるまでのタイミングによつて一時的に
経由させる高速段のギヤ比を変更するようにしたため、
駆動系の耐久性の向上を図りながら、発振時のもたつき
感をできるだけ少なくすることができるようになるとい
う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の要旨を示すブロツク図、 第2図は、本発明の実施例が適用された車両用自動変速
機のギヤトレインのスケルトン図、 第3図は、上記自動変速機の油圧制御装置の要部を示す
油圧回路図、 第4図は、各シフトレンジを達成するときの電磁弁の切
換え状態、及び摩擦係合装置の係合・作用状態を示す線
図、 第5図は、ECT制御用コンピユータの入出力関係を示す
ブロツク図、 第6図は、上記実施例装置で実行される制御手順を示す
流れ図である。 80……ECT制御用コンピユータ、 81……スロツトルセンサ(アクセル開度センサ)、 82……車速センサ、 83……シフトポジシヨンセンサ、 S1、S2……電磁弁、 TA……タイミングカウント用のタイマ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−45162(JP,A) 特開 昭59−89857(JP,A) 特開 昭61−116160(JP,A) 特開 昭63−34249(JP,A) 特開 昭55−78845(JP,A) 特開 昭62−152930(JP,A) 特開 昭61−102343(JP,A) 特開 昭58−170924(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シフトレンジを検出する手段を備え、該シ
    フトレンジが非走行レンジから走行レンジに切換えられ
    たときに、一時的に高速段を形成するための摩擦係合装
    置を係合させるように構成した自動変速機の変速制御装
    置において、 急発進が要求されたか否かを検出する手段と、 前記非走行レンジから走行レンジに切換えられてから、
    前記急発進が要求されたと検出されるまでの時間を検出
    する手段と、 前記時間の長さに応じて、前記一時的に形成する高速段
    のギヤ比を変更する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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