JP2926608B2 - 自動変速機のスクォート制御装置 - Google Patents

自動変速機のスクォート制御装置

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JP2926608B2
JP2926608B2 JP3252913A JP25291391A JP2926608B2 JP 2926608 B2 JP2926608 B2 JP 2926608B2 JP 3252913 A JP3252913 A JP 3252913A JP 25291391 A JP25291391 A JP 25291391A JP 2926608 B2 JP2926608 B2 JP 2926608B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機のスクォー
ト制御、即ち、Nレンジ(ニュートラルレンジ)から走
行レンジ(前進あるいは後進レンジ)に切換えた際のシ
フトショックを軽減するように構成した自動変速機のス
クォート制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭50−709号公報は、電子制御
式自動変速機において、N→Dシフト(ニュートラルレ
ンジからドライブレンジへのシフト)時のショックを軽
減するために、一時的に第1速段(最低速段)以外の変
速段を経由させる技術(スクォート制御)を開示してい
る。このスクォート制御は、N→Dシフトされてから、
予め定められた時間(例えば0.8秒程度)だけ、第1
速段以外の変速段となるように、該第1速段以外の変速
段を形成するための摩擦係合装置を係合させる指令を出
し、その後に第1速段を形成するための指令を出すもの
である。
【0003】例えば、図4に示された係合線図を参照し
ながら説明すると、N→Dシフトされた場合、本来なら
ば、クラッチC1 を係合させるのみでシフトが完了する
のであるが、この場合に、先ずクラッチC1 とブレーキ
B2 の係合指令を出して第2速段を一時的に形成し、そ
の後にブレーキB2を開放させて第1速段に戻す操作を
行うのである。
【0004】これにより、N→Dシフト時のショックを
ギヤ比が急変しない分だけ緩和することができ、車両の
テール部分が沈込むいわゆるスクォート現象を軽減する
ことができる。
【0005】又、特開昭61−116160号公報は、
車速が零、且つエンジン回転速度が所定値以上のときに
のみこのスクォート制御を実行する技術を開示してい
る。これは、エンジン回転速度が高いときに行われるN
→Dシフトが特に大きなショックを発生することを考慮
し、その他のN→Dシフトについては速やかな発進を優
先させた方がよいという設計思想に基づいたものであ
る。
【0006】ところで、この特開昭61−116160
号公報の技術によれば、N→Dシフト時の車速及びエン
ジン回転速度の状態のみに基づいてスクォート制御を実
行するか否かが決定されるようになつていたため、N→
Dシフト時に車速及びエンジン回転速度の条件が満足さ
れないと、そのわずか後に条件が成立するような状態と
なったとしてもスクォート制御が実行されないという問
題があった。
【0007】この問題をより具体的に言うと、近年、左
右の前後輪を常時駆動するいわゆるフルタイム4輪駆動
のような駆動形式が普及してきているが、この種の駆動
形式の車両は、急係合発進を実施した場合、駆動力が4
輪に分配されることにより従来の2輪駆動よりはるかに
エンジンの駆動力をロスすることなく発進することが可
能である。従って、2輪駆動ではタイヤのグリップ限界
オーバーによるスリップで回避していた衝撃的な入力負
荷トルクが4輪駆動の車両では直接的に自動変速機をは
じめとする駆動系の各部材に付加されることになり、従
来以上にこれら駆動系の耐久性が問題視されるようにな
ってきた。
【0008】従って、アクセル開度(エンジン負荷)が
所定値以上という条件、あるいはエンジン回転速度が所
定値以上という条件を取ってみても、これをN→Dシフ
トが行われた瞬間における状態のみを見ていたのでは、
十分な対応がなされないことがあるという問題が発生し
てきたのである。
【0009】このような点に鑑み、特開平2−2106
4では、N→Dシフト時におけるスクォート制御の実行
に関し、N→Dシフトを行つた瞬間の状態のみならず、
シフト後においてもある程度条件判断を継続し、駆動系
の耐久性を考慮したよりきめ細かなスクォート制御を実
行する技術が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにスクォート制御を実行するための条件を所定時間に
わたって判断するようにした場合、それだけスクォート
制御が実行される確率が増えることになるが、これは換
言すると運転者の要求する速やかな加速性能を満足する
ことができなくなる確率が増えることを意味する。
【0011】耐久性に着目した場合、エンジン負荷がそ
れほど高くないときはエンジン回転速度が比較的高くて
も耐久性はそれほど問題とならない。一方、エンジン負
荷が高いときは、エンジン回転速度が比較的低くても耐
久性が問題となる場合がある。
【0012】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、駆動系の耐久性を確保するという観点
をも考慮しながら、同時に可能な限り運転者の要求する
駆動特性を実現することのできる自動変速機のスクォー
ト制御装置を提供することにより、上記課題を解決せん
とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1の(A)
にその要旨を示す如く、シフトレンジを検出する手段を
備え、該シフトレンジがNレンジから走行レンジに切換
えられたときに、一時的に最低速段以外の変速段を形成
するように構成した自動変速機のスクォート制御装置に
おいて、前記Nレンジから走行レンジに切換えられてか
らの所定時間T0 を確定する手段と、車速を検出する手
段と、エンジン負荷を検出する手段と、エンジン回転速
度を検出する手段と、前記所定時間T0 以内に、車速が
零、エンジン負荷が所定値以上、及びエンジン回転速度
が前記エンジン負荷に応じて設定された基準回転速度以
上の3条件が成立したときに、前記最低速段以外の変速
段を形成する指令を出す手段と、を備えたことにより、
上記課題を解決したものである。
【0014】又、本発明は、図1の(B)にその要旨を
示す如く、シフトレンジを検出する手段を備え、該シフ
トレンジがNレンジから走行レンジに切換えられたとき
に、一時的に最低速段以外の変速段を形成するように構
成した自動変速機のスクォート制御装置において、Nレ
ンジから走行レンジに切換えられてからの所定時間T0
を確定する手段と、車速を検出する手段と、エンジン負
荷を検出する手段と、エンジン回転速度を検出する手段
と、前記所定時間T0 以内に、車速が零、エンジン負荷
が所定値以上の条件が成立したときに、前記エンジン負
が低いときほど短く、且つエンジン回転速度が低いと
きほど短く設定した実行タイマT1 を確定する手段と、
該実行タイマT1 に相当する時間のみ前記最低速段以外
の変速段を形成する指令を出す手段と、を備えたことに
より、同じく上記課題を解決したものである。
【0015】
【作用】本発明においては、N→D(N→2、N→L、
N→Rを含む)シフト時のスクォート制御の実行に際
し、当該N→Dシフトがなされた瞬間の状態のみを考慮
するのではなく、NレンジからDレンジに切換えられて
からの所定時間を確定し、この所定時間以内に所定の条
件が満足した場合には当該スクォート制御を実行するよ
うにしている。その結果、例えばN→Dシフトがなされ
たわずか後に所定の条件が成立したときでも速やかにス
クォート制御を実行することができるようになる。
【0016】従って、それだけ変速ショックの小さなN
→Dシフトを実現でき、又駆動系の耐久性を確保できる
ことになる。
【0017】ここにおいて、本第1発明においては、ス
クォート制御成立のための条件として、車速が零(実質
的に零の場合を含む)、エンジン負荷が所定値以上、及
びエンジン回転速度が前記エンジン負荷に応じて設定さ
れた基準回転速度以上の3条件を規定している。
【0018】この結果、エンジン負荷が高いときは(耐
久性上問題が生じ易いため)エンジン回転速度が比較的
低いときであってもスクォート制御を実行して耐久性を
確保し、一方、エンジン負荷がそれほど高くないときは
エンジン回転速度がかなり高くても耐久性上特に支障が
生じないため、スクォート制御を中止し、運転者の加速
要求に応えることができるように構成することができる
ようになる。
【0019】又、本第2発明は、所定時間T0 以内に車
速が零、エンジン負荷が所定値以上の条件が成立したと
きには、エンジン負荷が低いときほど短く、且つエンジ
ン回転速度が低いときほど短く設定された実行タイマT
1 だけスクォート制御を実行するようにしている。この
結果、エンジン負荷が高いとき、あるいはエンジン回転
速度が高いときほど長時間スクォート制御を実行して耐
久性を確保すると共に、エンジン負荷、あるいはエンジ
ン回転速度が低いときにはスクォート制御の実行時間を
短くしてそれだけ応答性を高め、運転者の加速要求に応
えることができるようになる。
【0020】
【実施例】以下添付の図面に基づいて本発明の実施例を
詳細に説明する。
【0021】図2にこの実施例が適用される車両用自動
変速機のギヤトレインの概略を示す。
【0022】このギヤトレインは、フロント遊星歯車機
構部1と、リヤ遊星歯車機構部2と、オーバードライブ
遊星歯車機構部3との3組の遊星歯車機構部を備える。
【0023】フロント遊星歯車機構部1のサンギヤ4と
リヤ遊星歯車機構部2のサンギヤ5とが互いに連結され
ている。又、フロント遊星歯車機構部1のキャリア6と
リヤ遊星歯車機構部2のリングギヤ7とが連結され、
又、これらのキャリア6及びリングギヤ7がオーバード
ライブ遊星歯車機構部3のキャリア8に連結されてい
る。
【0024】一方、トルクコンバータ9に連結されたタ
ービン軸10とフロント遊星歯車機構部1のリングギヤ
11との間にはクラッチC1 が設けられ、タービン軸1
0とフロント遊星歯車機構部1のサンギヤ4との間には
クラッチC2 が設けられている。更に、互いに連結され
たサンギヤ4、5とトランスミッションケース12との
間にはブレーキB1 が設けられると共に、互いに直列に
配列した一方向クラッチF1 及びブレーキB2 が前述の
ブレーキB1 に対して並列関係になるように前記サンギ
ヤ4、5とトランスミッションケース12との間に設け
られている。更に、リヤ遊星歯車機構部2のキャリア1
3とトランスミッションケース12との間には、ブレー
キB3 と一方向クラッチF2 とが並列に配置されてい
る。
【0025】オーバードライブ遊星歯車機構部3は、変
速比を「1」以下に設定し、いわゆるオーバードライブ
走行を可能にするものであつて、そのキャリア8とサン
ギヤ14との間にはクラッチC0 と一方向クラッチF0
とが並列に配置され、更に、そのサンギヤ14とケース
12との間にはブレーキB0 が設けられている。
【0026】このギヤトレインの出力は、オーバードラ
イブ遊星歯車機構部3のリングギヤ15に連結されたカ
ウンタギヤ16とされている。
【0027】上述のギヤトレインによる変速段の設定
は、各クラッチC0 〜C2 、B0 〜B3 を油圧によって
選択的に係合・開放することによって行われる。
【0028】図3にそのための油圧制御装置の要部を示
す。シフトレンジを切換えるためのマニュアルバルブ2
0は、運転席のシフトレバー(図示せず)に機械的に連
結され、運転者の手動操作によってP(パーキング)、
R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライ
ブ)、2(セカンド)、L(ロー)の各シフトレンジの
設定を行う。
【0029】マニュアルバルブ20の入力ポート21に
は油圧ポンプ30によって発生された油圧をプライマリ
レギュレータバルブ40によって周知の方法で調圧した
ライン油圧が供給されている。
【0030】図3において、符号50は第1速段と第2
速段との間で変速を行う1−2シフトバルブ、60は第
2速段と第3速段との間で変速を行う2−3シフトバル
ブ、70は第3速段と第4速段との間で変速を行う3−
4シフトバルブをそれぞれ示している。各シフトバルブ
50、60、70のスプール51、61、71は、スプ
リング52、62、72によって図中上方向に付勢され
ている。しかしながら、各シフトバルブ50、60、7
0のパイロットポート53、63、73にライン油圧が
供給されると、各スプール51、61、71がスプリン
グ52、62、72の付勢力に打ち勝って図中下方向に
移動させられるため、このときの各スプール51、6
1、71の移動によってそれぞれのシフトバルブ50、
60、70に形成された油路の切換えが行われるように
なっている。
【0031】前記パイロットポート53、63、73
は、マニュアルバルブ20の位置をDレンジ及び2レン
ジ並びにLレンジの前進走行レンジに設定した際に入力
ポート21と連通される出力ポート22に連結されてい
る。この連結にあたって、2−3シフトバルブ60のパ
イロットポート63に至る油路23には電磁弁S1 が介
在・装着されている。又1−2シフトバルブ50のパイ
ロットポート53及び3−4シフトバルブ70のパイロ
ットポート73に至る油路24には電磁弁S2 が介在・
装着されている。
【0032】これらの電磁弁S1 、S2 はOFF状態で
各油路23、24に対峙したポート25、26を閉じる
ことにより各油路23、24に供給されてくるライン油
圧をそのまま維持し、反対にON状態でポート25、2
6を開いて各油路23、24中のオイルをドレンするよ
うな構成とされている。
【0033】電磁弁S1 、S2 のON−OFF制御は後
述するようにECT(エレクトロニック コントロール
トランスミッション)制御用コンピュータによって行
われる。
【0034】クラッチC1 はマニュアルバルブ20の出
力ポート22に連通されており、又クラッチC2 は2−
3シフトバルブ60のうちそのスプール61がスプリン
グ62に抗して押された際にライン油圧が供給されるポ
ート64に連通されている。クラッチC0 は3−4シフ
トバルブ70の各ポートのうちそのスプール71がスプ
リング72によって限界位置まで図中上方に押されてい
る状態でライン油圧が供給されるポート74に連通され
ている。又、ブレーキB1 〜B3 は1−2シフトバルブ
50の各ポート54〜56に連通され、ブレーキB0 は
3−4シフトバルブ70のポート75に連通されてい
る。
【0035】これらの構造により、マニュアルバルブ2
0によって適宜のシフトレンジを選択する一方、電磁弁
S1 、S2 を図4に示すようにON−OFF(ONは
○、OFFは×で示されている)させることにより、第
1速段〜第4速段が達成される。なお、各変速段でのク
ラッチやブレーキ等の係合・開放状態は同じく第4図に
示す通りである。
【0036】図5に示されるように、ECT制御用コン
ピュータ80には、エンジン負荷(エンジントルク)を
反映させるためのスロットル開度θを検出するスロット
ルセンサ81、車速Vを検出する車速センサ82、Nレ
ンジ、Dレンジ、Pレンジ等のシフトレンジの位置を検
出するためのシフトポジションセンサ83、エンジン回
転速度を検出するエンジン回転速度センサ84、ブレー
キが踏込まれたことを検出するブレーキセンサ85、動
力性能を重視した走行及び燃費を重視した走行のうち、
いずれを運転者が選択したかを検出するためのパターン
セレクトスイッチ86等の各信号が入力される。
【0037】ECT制御用コンピュータ80は、これら
の入力信号を得て、従来と同様に、スロットル開度−車
速の変速マップに従って、前述の油圧制御装置内の電磁
弁S1 、S2 を駆動することにより第1速段〜第4速段
の変速制御を実行する。
【0038】N→Dシフトが行われた場合、スクォート
制御を行わない場合には、直接第1速段を形成するため
にクラッチC1 のみに油圧が供給される。しかしなが
ら、スクォート制御の実行条件が成立した場合には、よ
り高速段(例えば第2速段)への係合指令(クラッチC
1 及びブレーキB2 の係合指令)が出され、その後第1
速段への指令(この場合ブレーキB2 の開放指令)が出
される。なお、形成する高速段は、第2速段でなくて
も、例えば第3速段でもよい。
【0039】スクォート制御の実行条件は、所定時間T
0 以内に、車速Vが零に近いV0 以下、スロットル
開度θ(エンジン負荷)が所定値以上、シフトレンジ
がNレンジでない、及びエンジン回転速度Ne がスロ
ットル開度θに応じて設定されている基準回転速度Neo
以上の4条件が全て成立することである。
【0040】その理由は以下の通りである。
【0041】車速Vが零に近いV0 以下であることを
条件としたのは、車両が動いているときは、N→Dシフ
トを行ったとしてもトルクの変動はそれ程問題とならな
いため、敢てスクォート制御を実行する必要はなく、む
しろ速やかに第1速段を形成した方がよいからである。
【0042】又、エンジン負荷が所定値以上としたの
は、エンジン負荷が低い状態では、もともとN→Dシフ
ト時のショックが小さいうえに、一旦高速段にした後に
第1速段に戻す際のショックが反って大きくなってしま
うことがあるためである。このように、スクォート制御
を実行したことによるメリットは余りない場合は、むし
ろスクォート制御を実行せずに直接第1速段にシフトす
る方がそれだけ速やかに発進態勢に入れるため良好であ
る。
【0043】又、シフトレンジがNレンジでないとい
うことを条件としたのは、運転者が実際にシフトレバー
を操作する場合、必ずしも1つの操作を間違いなく実行
するとは限らず、例えば、N→D→N、あるいはN→R
→N等の操作はしばしば実行されるからである。このよ
うな場合、たとえ他のスクォート条件が満足されたとし
ても、シフトレンジがその段階でNレンジに戻されてい
たとしたならば、N→Dシフト時のスクォート制御を実
行するのは無意味なことである。このシフトレンジが
Nレンジでないという条件は、本発明がN→Dシフトが
行われた瞬間における状態のみを考慮してスクォート制
御を実行するのでなく、N→Dシフトが行われてから所
定時間T0 以内に特定の条件が成立したときに実行する
ことになっているが故に意義が生じてくる条件である。
【0044】最後に、エンジン回転速度Ne がスロッ
トル開度θに応じて設定されている基準回転速度Neo以
上であることを条件としたのは、主に耐久性の確保を考
慮したもので、スロットル開度θが高いときはエンジン
回転速度Ne がそれほど高くなくても耐久性上問題があ
り、一方、スロットル開度θがそれほど高くないときは
エンジン回転速度Ne が比較的高くても耐久性上特に支
障は生じない。従って、このような事情を反映させるべ
く、上記基準回転速度Neoをスロットル開度θをパラメ
ータとしてマップ化し、エンジン回転速度Ne がこのマ
ップ化された基準回転速度Neoより高いときに耐久性上
スクォート制御を実行した方がよいと判断するようにし
たものである。
【0045】又、前記所定時間T0 の間に前記所定の条
件〜のうちの1つでも成立しないものが出て来た場
合は即座に第1速段に復帰させるようにしている。それ
は、〜のうち1つでも成立しない状態のときはスク
ォート制御をそれ以上実行する意味がないため、むしろ
速やかに第1速段を形成させるようにした方がそれだけ
円滑な発進ができるためである。
【0046】このように、たとえN−Dシフトが行われ
たときに所定の条件が成立したとしても、所定の時間T
0 内にその条件が成立しなくなつたときは、即スクォー
ト制御を中止するような構成に発展させることができる
のも本発明の特徴の1つである。
【0047】以下、図6にこのスクォート制御の条件判
断を行う際のフローチャートを示す。
【0048】ステップ101において、N→D(L、
2)シフトの判定(Nレンジか否かの判定)がなされ
る。N→Dシフトがなされないとき(Nンジのとき)は
そのままリターンされ、スクォート制御は実行されな
い。N→Dシフトがなされたと判断されると、ステップ
102に進んで制御判定時間T0 の設定が行われる。
【0049】その後、ステップ103で車速Vが零に近
い所定値V0 以下であるか否かが判定される。ここで車
速VがV0 以上であるとき、即ち車両が動いていると判
定されたときはそのままリターンされ、スクォート制御
は実行されない。
【0050】ステップ104ではエンジン回転速度Ne
とスロットル開度θが図7に示されるマップに該当して
いるか否かが判定される。即ち、このマップによればス
ロットル開度がθ2 未満のときはエンジン回転速度の如
何にかかわらずスクォート制御は実行されない。又、ス
ロットル開度θがθ2 以上のときであっても、そのとき
のスロットル開度θに応じた基準回転速度Neo以下であ
ったときにはスクォート制御は実行されない。マップか
ら明らかなように、スロットル開度θが低いときは基準
回転速度Neoが高めに設定されており、スロットル開度
θが大きくなるに従って基準回転速度Neoは低めに設定
されている。これは、スロットル開度θが大きいときは
エンジン回転速度Ne が低くても耐久性上スクォート制
御を実行した方がよく、又、スロットル開度θが比較的
低いときはたとえエンジン回転速度が多少高くても耐久
性上特に支障が生じないため、速やかに第1速段を形成
して運転者の加速要求を満した方が合理的なためであ
る。
【0051】ステップ104において「YES」の判断
がなされた場合には、ステップ105に進んで実行タイ
マT1 の処理がなされる。この実行タイマT1 は、エン
ジン負荷とエンジン回転速度とによって図8に示される
ようにマップ化されている。このマップから明らかなよ
うに、スロットル開度θが低いときは実行タイマT1は
短めに設定されており、一方、エンジン回転速度が低い
ときも実行タイマT1が短くなるように設定されてい
る。これは、スロットル開度θが大きいときは耐久性上
厳しいためスクォート制御の実行時間を長くしてショッ
クを緩和し、一方、エンジン回転速度が高いときも耐久
性上厳しいためスクォート制御の実行時間を長めに設定
する必要があるためである。
【0052】この結果、スクォート制御はスロットル開
度とエンジン回転速度とを合理的に考慮した時間だけ実
行されるようになるため、耐久性の確保と発進応答性の
向上とを両立させることができる。
【0053】ステップ105では、スクォート制御を実
行するための条件が全て整ったと判断して通常よりハイ
ギヤ段の指示が出され、スクォート制御が実行される。
このスクォート制御は、ステップ105で設定された実
行タイマT1 の間だけ実行され、この実行タイマT1 の
カウントアウトと共に、第1速段へ復帰される(ステッ
プ107)。
【0054】なお、この実行タイマT1 の間でもステッ
プ101〜104のステップは繰返し判断されており、
当該実行タイマT1 のカウント中であっても、例えば車
速が零でなくなったようなときには即座にステップ10
7に進んで第1速段への復帰がなされるようになってい
る。
【0055】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、駆
動系の耐久性の観点をも考慮した上でスクォート制御を
実行することができ、しかも、可能な限り運転者の加速
要求を満足させることができようになるという優れた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の要旨を示すブロック図であ
る。
【図2】図2は、本発明の実施例が適用された車両用自
動変速機のギヤトレインのスケルトン図である。
【図3】図3は、上記自動変速機の油圧制御装置の要部
を示す油圧回路図である。
【図4】図4は、各シフトレンジを達成するときの電磁
弁の切換え状態、及び摩擦係合装置の係合・作用状態を
示す線図である。
【図5】図5は、ECT制御用コンピュータの入出力関
係を示すブロック図である。
【図6】図6は、上記実施例装置で実行される制御手順
を示す流れ図である。
【図7】図7は、スロットル開度と基準(エンジン)回
転速度とのマツプの例を示す線図である。
【図8】図8は、実行タイマT1 を設定する際のマップ
の例を示す線図である。
【符号の説明】
80…ECT制御用コンピュータ、 81…スロットルセンサ、 82…車速センサ、 83…シフトポジションセンサ、 S1 、S2 …電磁弁、 T0 …所定時間、 T1 …実行タイマ。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シフトレンジを検出する手段を備え、該シ
    フトレンジがNレンジから走行レンジに切換えられたと
    きに、一時的に最低速段以外の変速段を形成するように
    構成した自動変速機のスクォート制御装置において、N
    レンジから走行レンジに切換えられてからの所定時間T
    0 を確定する手段と、車速を検出する手段と、エンジン
    負荷を検出する手段と、エンジン回転速度を検出する手
    段と、前記所定時間T0 以内に、車速が零、エンジン負
    荷が所定値以上、及びエンジン回転速度が前記エンジン
    負荷に応じて設定された基準回転速度以上の3条件が成
    立したときに、前記最低速段以外の変速段を形成する指
    令を出す手段と、を備えたことを特徴とする自動変速機
    のスクォート制御装置。
  2. 【請求項2】シフトレンジを検出する手段を備え、該シ
    フトレンジがNレンジから走行レンジに切換えられたと
    きに、一時的に最低速段以外の変速段を形成するように
    構成した自動変速機のスクォート制御装置において、 Nレンジから走行レンジに切換えられてからの所定時間
    T0 を確定する手段と、 車速を検出する手段と、 エンジン負荷を検出する手段と、 エンジン回転速度を検出する手段と、 前記所定時間T0 以内に、車速が零、エンジン負荷が所
    定値以上の条件が成立したときに、前記エンジン負荷
    低いときほど短く、且つエンジン回転速度が低いときほ
    ど短く設定した実行タイマT1 を確定する手段と、 該実行タイマT1 に相当する時間のみ前記最低速段以外
    の変速段を形成する指令を出す手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機のスクォート制御
    装置。
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