JPH0528800U - 船舶のトランクピストン型操舵装置 - Google Patents
船舶のトランクピストン型操舵装置Info
- Publication number
- JPH0528800U JPH0528800U JP3707891U JP3707891U JPH0528800U JP H0528800 U JPH0528800 U JP H0528800U JP 3707891 U JP3707891 U JP 3707891U JP 3707891 U JP3707891 U JP 3707891U JP H0528800 U JPH0528800 U JP H0528800U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steering angle
- steering
- hydraulic
- pump
- angle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Fluid-Pressure Circuits (AREA)
- Power Steering Mechanism (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 大舵角操舵が可能なトランクピストン型操舵
装置において、小舵角での舵角精度を向上させると共に
シリンダストローク差に起因する油圧低下を防ぐ為のブ
ースト油圧供給用のブーストポンプの小型化を図る。 【構成】 舵Kを操舵する為の1対の油圧シリンダ3・
4へ油圧を供給する油圧ポンプ5と、シリンダの油圧回
路へブースト油圧を供給するポンプ20と、ポンプ5の
傾転角を制御するレギュレータ40を設け、レギュレー
タ40は制御装置から供給されるモータ駆動信号により
駆動されるトルクモータ83により操作され、駆動信号
の回路に小舵角レンジ用の第1リミッタ回路81と大舵
角レンジ用の第2リミッタ回路82とを設けて、舵角セ
ンサ72で検出される舵角に応じて切換えスイッチ80
を切り換える。
装置において、小舵角での舵角精度を向上させると共に
シリンダストローク差に起因する油圧低下を防ぐ為のブ
ースト油圧供給用のブーストポンプの小型化を図る。 【構成】 舵Kを操舵する為の1対の油圧シリンダ3・
4へ油圧を供給する油圧ポンプ5と、シリンダの油圧回
路へブースト油圧を供給するポンプ20と、ポンプ5の
傾転角を制御するレギュレータ40を設け、レギュレー
タ40は制御装置から供給されるモータ駆動信号により
駆動されるトルクモータ83により操作され、駆動信号
の回路に小舵角レンジ用の第1リミッタ回路81と大舵
角レンジ用の第2リミッタ回路82とを設けて、舵角セ
ンサ72で検出される舵角に応じて切換えスイッチ80
を切り換える。
Description
【0001】
本考案は、船舶のトランクピストン型操舵装置に関するものである。
【0002】
船舶の操舵装置のうち比較的大型の船舶の操舵装置では、一般に油圧式のラプ ソンスライド型操舵装置やトランクピストン型操舵装置が用いられており、前者 は舵柄の両端部のフォーク部に係合させたピン部材を夫々1対の油圧シリンダで つまり4つの油圧シリンダで駆動する形式のものであり、また後者は舵柄の両端 部に1対の複動型油圧シリンダを連結し、これら1対の油圧シリンダのシリンダ 本体の基端部を夫々回動自在にピン結合し、両油圧シリンダにより駆動する形式 のものである。 前記ラプソンスライド型操舵装置における流量制御方式には、通常バルブ制御 方式とポンプ制御方式とが適用される。例えば、実開平1−76397号公報に は、ラプソンスライド型操舵装置の流量制御をポンプ制御方式で行うようにした ものが記載されている。
【0003】 一方、トランクピストン型操舵装置における流量制御方式には、通常バルブ制 御方式が適用され、このトランクピストン型操舵装置は通常±35度程度の比較 的小さい舵角で使用される。 ところで、このトランクピストン型操舵装置を大舵角(±45度以上)の操舵 装置に適用すると、大舵角の時に油圧低下を招くことから、この操舵装置の油圧 回路の要部は、例えば図11に示すように構成される。可変容量型油圧ポンプ1 00の吐出量は舵角指令信号に従って吐出量制御装置101により制御され、油 圧ポンプ100の吐出ポート100aが1対の油圧シリンダ102・103の油 室102a・103bに接続されまた吐出ポート100bが1対の油室102b ・103aに接続され、圧油は両シリンダ102・103とポンプ100とに亙 って循環する。 同一回動角に対し前記シリンダ102のストロークとシリンダ103のストロ ークとが等しくないことから、油室102a・103bの容積と油室102b・ 103aの容積とが等しくなく、その容積差の変動に起因して、シリンダ内容量 に過不足を来す。不足に対してはブーストポンプ104からリリーフ型の減圧弁 とチェック弁を介して油圧シリンダ102・103への油圧回路へブースト油圧 が供給され、また過剰に対してはフラッシングバルブと減圧弁を介してタンクへ リリーフされる。
【0004】
油圧ポンプから略一定の吐出量を供給して舵角を変化させていくものとすると 、トランクピストン型の構造により、舵角角速度は実施例に係る図7の曲線Fと Gに示すように、大舵角になるのに応じて急激に増大する。そして、この舵角角 速度の増大は操舵装置にとって特に必要ではなく、またトランクピストン型操舵 装置の機械的機構の制約から生じるものであるにもかかわらず、この舵角角速度 の増大に応じて充填側の油室の油圧低下が著しくなるので、それを防ぐ為にそれ だけブーストポンプを大型化しなければならないという問題がある。
【0005】 本考案の目的は、前記ブーストポンプを小型化でき且つ大舵角時の操舵精度を 向上し得るような船舶のトランクピストン型操舵装置を提供することである。
【0006】
請求項1に係る船舶のトランクピストン型操舵装置は、船舶の舵の舵柄の両端 部に連結された1対の複動型油圧シリンダと、これら油圧シリンダに油圧を供給 する油圧ポンプと、油圧シリンダへの油圧回路へブースト油圧を供給するブース トポンプと、油圧ポンプの吐出量を調整する為のレギュレータとを備えた船舶の トランクピストン型操舵装置において、 前記レギュレータの制御入力部を操作するトルクモータと、舵角を検出する舵 角検出手段と、外部からの舵角指令信号と舵角検出手段からの舵角信号とを受け て舵角が指令舵角となるようにトルクモータを介してレギュレータを制御する制 御手段と、この制御手段からトルクモータへの出力回路に切換えスイッチを介し て並列接続され出力回路の出力信号に相互に異なるレベルの制限を付加する為の 複数のリミッタ回路と、舵角検出手段からの舵角信号を受け且つ舵角の増大に応 じて低いレベルの制限を加えるように予め設定された舵角レンジとリミッタ回路 との対応関係に基づいて、舵角に対応するリミッタ回路を選択するように切換え スイッチを切換える切換手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】 請求項2に係る船舶のトランクピストン型操舵装置は、船舶の舵の舵柄の両端 部に連結された1対の複動型油圧シリンダと、これら油圧シリンダに油圧を供給 する油圧ポンプと、油圧シリンダへの油圧回路へブースト油圧を供給するブース トポンプと、油圧ポンプの吐出量を調整する為のレギュレータとを備えた船舶の トランクピストン型操舵装置において、 前記レギュレータの制御入力部を操作するトルクモータと、舵角を検出する舵 角検出手段と、外部からの舵角指令信号と舵角検出手段からの舵角信号とを受け て、舵角が指令舵角となるように且つ舵角角速度が予め設定された設定値に略等 しくなるようにトルクモータを介してレギュレータを制御する制御手段とを備え たことを特徴とするものである。
【0008】
請求項1に係る船舶のトランクピストン型操舵装置においては、船舶の舵の舵 柄の両端部に1対の複動型油圧シリンダが夫々連結され、これら油圧シリンダへ は油圧ポンプから油圧が供給され、またブーストポンプからは油圧シリンダへの 油圧回路へブースト油圧が供給されるから大舵角時にも油圧低下が生じない。前 記油圧ポンプの吐出量はレギュレータにより調整されるが、このレギュレータの 制御入力部を操作する為のトルクモータが設けられている。そして、制御手段は 、外部からの舵角指令信号と舵角検出手段からの舵角信号とを受けて舵角が指令 舵角となるようにトルクモータを介してレギュレータを制御する。 ここで、前記制御手段からトルクモータへの出力回路に切換えスイッチを介し て並列接続され出力回路の出力信号に相互に異なるレベルの制限を付加する為の 複数のリミッタ回路と、舵角検出手段からの舵角信号を受け且つ舵角の増大に応 じて低いレベルの制限を加えるように予め設定された舵角レンジとリミッタ回路 との対応関係に基づいて、舵角に対応するリミッタ回路を選択するように切換え スイッチを切換える切換手段とが設けられているので、舵角の増大に応じて、ト ルクモータへ供給される出力信号に低いレベルの制限が段階的に付加されること になる。従って、舵角の増大に応じて舵角角速度が段階的に低く切り換えられる から、ブーストポンプでバックアップすべき油圧低下の速度が小さくなるため、 ブーストポンプを小型化することが可能になる。 このように、複数のリミッタ回路と切換えスイッチと切換手段とを主体とする 簡単な構成によってブーストポンプの小型化を実現し得る。 一方、前記のようにリミッタ回路を介して出力信号に制限を付加するので、大 舵角時の油圧ポンプの先進角を大きくする必要はなく、これにより操舵角全域で の操舵精度を向上させることが出来る。
【0009】 請求項2に係る船舶のトランクピストン型操舵装置においては、複動型油圧シ リンダと、油圧ポンプと、ブーストポンプと、レギュレータと、トルクモータの 作用に関しては請求項1と同様である。 外部からの舵角指令信号と舵角検出手段からの舵角信号とを受けて、舵角が指 令舵角となるように且つ舵角角速度が予め設定された設定値に略等しくなるよう にトルクモータを介してレギュレータを制御する制御手段が設けられているので 、舵角の大小によらず舵角角速度を予め設定された設定値に略等しく制御するこ とが出来るから、この設定値を比較的小さな適正な値に設定しておけば、舵角の 増大に応じて油圧シリンダのピストンの移動速度が小さくなるから、ブーストポ ンプでバックアップすべき油圧低下の速度も小さくなる。従って、ブーストポン プを一層小型化できる。 また、請求項1と同様に、大舵角時の油圧ポンプの先進角を大きくする必要は なく、これにより操舵角全域での操舵精度を向上させることが出来る。
【0010】
【考案の効果】 前記作用の項で説明したように、次のような効果が得られる。 請求項1に係る船舶のトランクピストン型操舵装置によれば、複数のリミッタ 回路と切換えスイッチと切換手段とを主体とする簡単な構成によってブーストポ ンプの小型化を実現し得る。また、前記のようにリミッタ回路を介して出力信号 に制限を付加することにより、大舵角時の油圧ポンプの先進角を小さくでき、大 舵角時の操舵精度を向上させることが出来る。
【0011】 請求項2に係る船舶のトランクピストン型操舵装置においては、外部からの舵 角指令信号と舵角検出手段からの舵角信号とを受けて、舵角が指令舵角となるよ うに且つ舵角角速度が予め設定された設定値に略等しくなるようにトルクモータ を介してレギュレータを制御する制御手段を設けることにより、舵角の大小によ らず舵角角速度を予め設定された設定値に略等しく制御することで、舵角の増大 に応じて油圧シリンダのピストンの移動速度を小さくしてブーストポンプでバッ クアップすべき油圧低下の速度を小さくし、ブーストポンプを一層小型化できる 。また、請求項1と同様に、大舵角時の油圧ポンプの先進角を大きくする必要は なく、これにより全操舵域での操舵精度を向上させることが出来る。
【0012】
以下、本考案の実施例について図面に基づいて説明する。 図1は、船舶のトランクピストン型操舵装置SMを示し、この操舵装置SMに おいて、舵Kの舵軸1の上端部には舵柄2が固着され、舵柄2の両端部には夫々 複動型の油圧シリンダ3・4のピストンロッドが連結され、舵Kはこの1対の油 圧シリンダ3・4により回動操作される。
【0013】 斜軸型のアキシャルピストンポンプからなる可変容量ポンプ5は、モータ95 で駆動されるが、このポンプ5のポート5aは油路6によりシリンダ3のロッド 側油室3aとシリンダ4のヘッド側油室4bとに接続され、またポート5bは油 路7によりシリンダ3のヘッド側油室3bとシリンダ4のロッド側油室4aとに 接続され、油路6・7には供給位置と非供給位置とに切り換え可能なパイロット 式の切換弁8が介設され、切換弁8は電磁パイロット弁9により切り換えられる 。 油圧ポンプ5の傾転角を変えてその吐出量を調整する為の後述のレギュレータ 40にサーボ油圧を供給する為のサーボポンプとシリンダ3・4の油路6・7の 油圧低下を防ぐ為のブースト圧を供給するブーストポンプとを兼ねるブースト兼 サーボポンプ20は、ギヤポンプからなり、モータ21で駆動されるが、その吐 出路11に接続されたブースト油路22には、絞り弁23と減圧弁24とが介設 され、油路22はチェック弁25を有する油路26により油路6に接続されると ともにチェック弁27を有する油路28により油路7に接続され、所定圧(例え ば、1MPa)のブースト圧が油路6・7に供給される。一方、シリンダの低圧 側圧力制御用にフラッシングバルブ29が油路22に接続され、その1次側は油 路30・31を介して夫々油路26・28に接続され、2次側は減圧弁24に接 続されている。また、舵Kに作用する外部負荷などによりシリンダ3・4の油圧 が異常上昇したときにその異常圧をリリーフさせる為のリリーフ弁90・91が 設けられている。尚、前記パイロット弁9は油路10により油路11に接続され ている。
【0014】 次に、油圧ポンプ5の吐出量を変える為のレギュレータ40について説明する と、レギュレータ40は、スプール・スリーブ弁機構からなるパイロット部41 と、油圧ポンプ5の傾転ピンに連結されたサーボピストン43を有するサーボシ リンダ42を備えている。 サーボシリンダ42において、そのサーボピストン43のピストン部43aの ロッド側には小室42aがまたヘッド側には大室42bが形成され、ピストンロ ッド43bは油圧ポンプ5の傾転ピンに連結されている。
【0015】 パイロット部41において、スプール44はスリーブ46内に摺動自在に装着 され、スリーブ46はハウジング内に摺動自在に装着され、スプール44は弱い バネ力の1対の中立復帰バネ47・48により中立位置に付勢され、スプール4 4の途中部にはランド部44aがまた左端部には制御入力部としてのパイロット ピストン部45が形成され、ポート59は油路11に接続された油路57により 小室42aに接続され、またポート60は油路58により大室42bに接続され 、フィードバックレバー50の上端部はピン51によりハウジングに連結され、 レバー50の途中部のピン52はスリーブ46の外周溝に係合され、レバー50 の下端部のピン53はピストンロッド43bの外周溝に係合されている。更に、 パイロットピストン部45を操作する操作レバー54の上端部のピン55はハウ ジングに枢支されるとともにトルクモータ83で回動駆動されるようにモータ8 3の出力軸に機械的に連結され、操作レバー54の下端部のピン56はパイロッ トピストン部45の外周溝に係合されている。尚、リリーフ弁49はサーボポン プ吐出圧を設定圧に調節する為のものであり、スプール44の右端部には、その 移動ストロークを電気的に検出する為の差動トランス75が設けられている。
【0016】 次に制御系について説明する。 操舵室の操舵輪70からの信号に基づいて操舵方向と指令舵角θcとを指令す る舵角指令信号Sθcを発生させる指令信号発生回路71が設けられ、また舵K の実際の舵角θを検出する為ポテンショメータからなる舵角センサ72が舵軸1 に連係して設けられ、舵角指令信号Sθcと舵角センサ72で検出された舵角信 号Sθとの偏差信号Δθが減算器73からサーボ増幅器74に供給される。減算 器76において、サーボ増幅器74からのトルクモータ傾転角信号Ssから差動 トランス75からのストローク信号Stが減算されてトルクモータ駆動回路77 に供給され、この駆動回路77はモータ駆動信号Mdをトルクモータ83へ出力 する。トルクモータ83は駆動信号Mdで指令される角度と方向に右回りまたは 左回りに回動して操作レバー54を回動させる。
【0017】 減算器76からトルクモータ83へ至る出力ライン84のうち駆動回路77よ り上流側部分には、切換えスイッチ80を介して第1リミッタ回路81と第2リ ミッタ回路82とが並列接続され、舵角センサ72の舵角信号Sθを受ける判別 回路78によりリレーコイル79が操作され、リレーコイル79により切換えス イッチ80が切り換え操作されるようになっている。 第1リミッタ回路81は、モータ駆動信号Mdに対して、図2に実線Aで示す ように0〜θa(例えば、θa=±55度)の舵角レンジにおいて通常と同様の 高い第1リミット値Kθ1の上限ガードを付加する為のものであり、第2リミッ タ回路82は、モータ駆動信号Mdに対して、図2に鎖線Bで示すようにθa超 の舵角レンジにおいて上記第1リミット値Kθ1の1/2〜1/3の低い第2リ ミット値Kθ2の上限ガードを付加する為のものであり、判別回路78は、リレ ーコイル79を介して舵角θが0〜θaの範囲のときには第1リミッタ回路81 をまた舵角θがθaより大のときには第2リミッタ回路82を接続するように切 換えスイッチ80を切り換え操作する。
【0018】 次に、以上説明した操舵装置SMの作用について説明する。 先ず、油圧ポンプ5は、操舵方向に対応して±の両方向に傾転され、モータ9 5は所定の一方向に回転駆動され、操舵装置の電源の投入によりパイロット弁9 は、切換弁8を供給位置にする位置に切り換えられる。 切換弁8が供給位置にあるとき、油圧ポンプ5の吐出ポート5aから吐出され ると舵Kは図1にて右回りに操舵され、また吐出ポート5aから吐出されると舵 Kは左回りに操舵される。
【0019】 次に、レギュレータ40に関して、これは可変容量型油圧ポンプの傾転角(吐 出量)を制御する一般的なレギュレータと同様に作動するものなので簡単に説明 すると、図1の状態において、スプール44のランド部44aによりポート孔4 6aは塞がれており、例えばトルクモータ83が右回りに回動して操作レバー5 4を介してスプール44が左方へ移動すると、ポート孔46aが開いてサーボ油 圧が油路58から大室42bへ追加充填されてサーボピストン43が左方へ移動 して傾転角が増加し、その傾転角増加分に相当する油量がシリンダ3・4へ供給 され舵角θが増加するが、モータ83の操作トルクに相当するストロークだけサ ーボピストン43が移動した後には、フィードバックレバー50のフィードバッ ク作用によりスリーブ46が左方へ移動してポート孔46aは再びランド部44 aにより封鎖され、その後モータ83により操作レバー54が原位置(左回りに )へ復帰操作されると、ポート孔46aはドレン側へ開かれ、大室42bの圧油 の一部は油路58とポート60とポート孔46aとを経てドレンポート46bへ 排出され、サーボピストン43は原位置へ復帰し、その後フィードバックレバー 50のフィードバック作用によりスリーブ46が右方へ移動してポート孔46a は再びランド部44aにより封鎖され、このように転舵後の舵Kの位置は保持さ れる。但し、図1の状態において、モータ83が左回りに操作されると、上記と は逆の作用により油圧ポンプ5は上記と反対方向へ傾転することになる。
【0020】 次に、制御系と関連づけた作用について説明する。 舵Kの舵角θが図示のように零の状態から、仮に操舵輪70から舵Kを右回り に指令舵角θcまで転舵する指令が入ると、それに対応する舵角信号Sθcが減 算器73に出力されるが、当初検出される舵角θが小さく、指令舵角θcと舵角 θとの偏差Δθが大きいので、また判別回路78により第1リミッタ回路81が 接続されているので、駆動回路77からは大きなモータ駆動信号Mdが出力され る。駆動信号Mdは図2の実線Aに対応する第1リミット値Kθ1で制限され、 その後駆動信号Mdにより信号Mdに対応するトルクでモータ83は右回りに回 動され、前記の如くレギュレータ40のサーボピストン43が左方へ移動し、ポ ンプ5の傾転角は略最大に操作されて、舵角θは図3のように増加していく。そ の後舵角θの増大により偏差信号SΔθが低減していくのでトルクモータ傾転角 信号Ssも低減して、ポンプ傾転角は徐々に減少し、最後には、偏差信号SΔθ が零となり、トルクモータ83は中立に復帰し前記の如くスプール44は再び図 1の状態に復帰して整定し、ポンプ5の傾転角は再び零となり、舵Kは指令舵角 θcの位置を保持することになる。ここで、指令舵角θcがθaよりも大きい場 合には前記と同様にして舵角θが指令舵角θcとなるようにフィードバック制御 されるが、舵角θがθaを越えた時点において切換えスイッチ80が第2リミッ タ回路82の方へ切り換えられ、駆動信号Mdは大幅に低い第2リミット値Kθ 2で制限されるので、モータ83のトルクは小さく切り換えられてポンプ5の傾 転角も小さく切り換えられる。
【0021】 次に、ブースト油圧について説明すると、トランクピストン型操舵装置SMで は、1対のシリンダ3・4を図1・図4に示すように逆「ハ」字状に配置するこ とになるが、シリンダ3・4の回動角が対称でないことから、図4において充填 側油室3b・4aの容積V1と排出側油室3a・4bの容積V2との容積差ΔV =V1−V2は、舵角θを変数として図5の実線Cのようになり、それを時間微 分したブースト必要油量及び排出必要油量が図6の実線Dのように得られる。即 ち、舵角θがθa以下のとき容積差ΔVの時間微分が正となるので、ポンプ5を 介してシリンダ3・4へ過剰の油量が供給されるためシリンダ3・4内の油圧が 上昇し前記フラッシングバルブ29と減圧弁24を介してリリーフされる。 これに対して、舵角θがθaより大のときには、容積差ΔVの時間微分が負と なるので、油圧シリンダ内へ十分な油量を供給出来なくなる。そこで、ポンプ2 0からブースト油圧が油室3a・4b又は3b・4aに供給されることになる。 図6から判るように、舵角θがθaより大のとき舵角θの増大に応じてブース ト必要油量が急増するが、前記のようにこのとき第2リミッタ回路82に切り換 えることで、ポンプ5の傾転角を小さくして舵角角速度を小さくできるから、ブ ースト必要油量を鎖線Eのような特性にできる。尚、図7は所定のモータ駆動信 号Mdにより転舵するときの舵角角速度を示し、第1リミッタ回路81だけの場 合には実線FとGのようになるが、第2リミッタ回路82に切り換えることで鎖 線Hのようになる。
【0022】 以上説明したように、本実施例のトランクピストン型操舵装置SMにおいては 、ポンプ20からシリンダ3・4へブースト油圧を供給するように構成してある ので、舵角θが大きな大舵角時における油圧低下を防止できる。また、大舵角時 に第2リミッタ回路82に切り換えることで大舵角時のブースト必要油量を少な くして、ポンプ20の小型化を図ることが出来る。また、差動トランス75のス トローク信号Stを減算器76に供給してモータ20の駆動信号Mdの形成に用 いるので、ポンプ5に対する傾転角制御の応答性を向上できる。また、小舵角時 に第1リミッタ回路81を適用しまた大舵角時に大舵角時に第2リミッタ回路8 2を適用するので、小舵角時のポンプ先進角αを適正に設定してハンチングや応 答遅れを防止しつつ、大舵角時のポンプ先進角βを小さくして操舵の応答性つま り操舵精度を高めることが出来る。更に、フラッシングバルブ29を設けたので 、前記容積差ΔVの変動によりシリンダ3・4に発生する異常に高い油圧をリリ ーフできる。 尚、前記リミッタ回路としては、相互に異なるリミット値の3つ以上のリミッ タ回路を前記同様に並列接続して設け、舵角θの増大に応じて段階的に小さいリ ミット値に切り換えるように構成してもよい。
【0023】 〔別実施例〕 図8〜図11参照 次に、前記符号73、74、76〜82で示した構成要素の代わりに、マイク ロコンピュータを主体とする制御装置CUを設けて、舵角指令信号Sθcと舵角 センサ72からの舵角信号Sθとを受けて、舵角θが指令舵角θcとなるように 且つ舵角角速度が予め設定された設定値V0に略等しくなるようにトルクモータ 83を介してレギュレータ40を制御するようにした別実施例について説明する 。但し、前記実施例と同一のものに同一符号を付して説明を省略する。 制御装置CUは、図8に示すように、CPU90とROM91とRAM92と 入出力インターフェース93とからなるマイクロコンピュータと、指令信号発生 回路71からの舵角指令信号SθcをA/D変換するA/D変換器71aと、舵 角センサ72からの舵角信号SθをA/D変換するA/D変換器72aと、差動 トランス75からのストローク信号StをA/D変換するA/D変換器75aと 、CPU90から入出力インターフェース93を介して供給される制御信号に基 づいて指定された方向と大きさの駆動電流を発生させてトルクモータ83へ供給 する駆動回路77Aとを備えている。 前記ROM91には、図9に示す舵角制御の制御プログラムが予め格納され、 RAM92にはその舵角制御に必要な種々のメモリなどが設けられている。
【0024】 次に、この舵角制御について図9のフローチャートに基づいて説明するが、図 中Si(i=1、2、・・・)は各ステップを示すものである。 この制御の開始前に操舵装置SMの電源は投入されて前記同様にパイロット弁 9が切り換えられているものとし、またこの制御は所定微小時間毎に繰り返し実 行される。制御の開始後、必要な初期化が実行されると(S1)、舵角指令信号 Sθcと舵角信号Sθとストローク信号Stとが読み込まれ(S2)、次にこれ らに基づいて指令舵角θcと舵角θとストロークSkとが演算される(S3)。 次に、舵角偏差Δθとトルクモータ83へ供給するモータ電流MIと舵角角速 度Vθとが図示の式で演算される(S4)が、式中KとCは夫々所定の定数であ り、例えばモータ83正転のときMIが正で、Skも正である。次に、舵角偏差 Δθが零か否かが判定され(S5)、当初はNoなのでS7へ移行して舵角角速 度の絶対値が設定舵角速度V0に略等しいか否か判定され(S7)、当初はNo なのでS8へ移行してモータ電流MIに所定の小さな増分Δが加算され(S8) 、次に、MIが最大傾転角に対応する所定のリミット値MI0以上か否か判定さ れ(S11)、当初はNoなのでS12へ移行して MIにMIが与えられ(S 12)、そのモータ電流MIがモータ83に出力される(S14)。 このようにして、舵角θが指令舵角θcとなるように且つ舵角角速度Vθが設 定速度V0に近づくようにする制御が実行され、これを繰り返すうちに、MIが 急増していき、MIがリミット値MI0以上になると、S11からS13へ移行 するようになってMIに上限ガードがかけられ、また舵角角速度Vθが急増して いってその絶対値が設定速度V0以上になるとS7からS10へ移行するように なってMIから所定の小さな減分Δが減算され、舵角角速度Vθのそれ以上の増 加が抑制される。
【0025】 このような制御が微小時間毎に繰り返されるので、舵角θは急速に指令舵角θ cまで増加または減少していくが、その結果舵角偏差Δθが解消すると、S5の 判定がYesとなって、S5からS9へ移行するようになり、S9ではMIにM Iが与えられ、S9からS11へ移行するようになる。即ち、舵角偏差Δθが解 消した後はS4においてモータ電流MI=C×Skとなり、これを介してレギュ レータ40のスプール44を原位置へ復帰させるような制御が実行されていって パイロット部41は原状態へ戻されることになる。このようにして、シリンダ3 ・4へは指令舵角θcで指令された量の圧油が供給され、舵Kの舵角θが指令舵 角θcに一致した状態になるとポンプ5の傾転角が再び零に戻り、舵角θは保持 され、パイロット部41は整定状態になる。 以上の制御により、操舵時に舵角角速度Vθが所定の比較的低い設定舵角角速 度V0となるように制御するので、安定した操舵が可能となり、また大舵角時に 舵角角速度が異常に大きくなることがないので、前記同様にブースト油圧供給の 為のポンプ20を小型化することが可能となる。
【0026】 尚、上記制御の一部に変更を加えて、操舵時において舵角θの増大に応じて舵 角角速度Vθが減少するように制御することもできる。このように、舵角θの増 大に応じて舵角角速度Vθが低減するように制御する場合には、前記シリンダ3 ・4やブースト油圧供給の為のポンプ20を更に一層小型化することが可能とな る。尚、航行する船舶の時定数は極めて大きいので、操舵装置SMにおける舵角 角速度Vθを小さくすることは実用上何ら問題がないのである。
【0027】 尚、前記サーボ弁41の代わりに、ロータリ式のサーボ弁機構を用いることが できることはいうまでもない。
【0028】
【図1】トランクピストン型操舵装置の全体構成図であ
る。
る。
【図2】舵角偏差に対するポンプ傾転量の特性を示す線
図である。
図である。
【図3】指令舵角に制御する時の舵角のタイムチャート
である。
である。
【図4】舵と舵軸と舵柄と操舵用油圧シリンダの配置説
明図である。
明図である。
【図5】油圧シリンダの油室の容積差の線図である。
【図6】ブースト必要油量の線図である。
【図7】舵角に対する舵角角速度の特性を示す線図であ
る。
る。
【図8】別実施例に係る操舵装置の制御系の構成図であ
る。
る。
【図9】図8の操舵装置における操舵制御のルーチンの
フローチャートである。
フローチャートである。
【図10】図8の操舵装置における舵角に対する舵角角
速度の特性を示す線図である。
速度の特性を示す線図である。
【図11】従来技術に係るトランクピストン型操舵装置
の要部構成図である。
の要部構成図である。
SM トランクピストン型操舵装置 K 舵 1 舵軸 2 舵柄 3・4 油圧シリンダ 5 油圧ポンプ 6・7 油路 20 ブースト兼サーボポンプ 40 レギュレータ 45 パイロットピストン部 72 舵角センサ 73 減算器 74 サーボ増幅器 76 減算器 77 トルクモータ駆動回路 78 判別回路 79 リレーコイル 80 切換えスイッチ 81 第1リミッタ回路 82 第2リミッタ回路 83 トルクモータ CU 制御装置
Claims (2)
- 【請求項1】 船舶の舵の舵柄の両端部に連結された1
対の複動型油圧シリンダと、これら油圧シリンダに油圧
を供給する油圧ポンプと、油圧シリンダへの油圧回路へ
ブースト油圧を供給するブーストポンプと、油圧ポンプ
の吐出量を調整する為のレギュレータとを備えた船舶の
トランクピストン型操舵装置において、 前記レギュレータの制御入力部を操作するトルクモータ
と、舵角を検出する舵角検出手段と、外部からの舵角指
令信号と舵角検出手段からの舵角信号とを受けて舵角が
指令舵角となるようにトルクモータを介してレギュレー
タを制御する制御手段と、この制御手段からトルクモー
タへの出力回路に切換えスイッチを介して並列接続され
出力回路の出力信号に相互に異なるレベルの制限を付加
する為の複数のリミッタ回路と、舵角検出手段からの舵
角信号を受け且つ舵角の増大に応じて低いレベルの制限
を加えるように予め設定された舵角レンジとリミッタ回
路との対応関係に基づいて、舵角に対応するリミッタ回
路を選択するように切換えスイッチを切換える切換手段
とを備えたことを特徴とする船舶のトランクピストン型
操舵装置。 - 【請求項2】 船舶の舵の舵柄の両端部に連結された1
対の複動型油圧シリンダと、これら油圧シリンダに油圧
を供給する油圧ポンプと、油圧シリンダへの油圧回路へ
ブースト油圧を供給するブーストポンプと、油圧ポンプ
の吐出量を調整する為のレギュレータとを備えた船舶の
トランクピストン型操舵装置において、 前記レギュレータの制御入力部を操作するトルクモータ
と、舵角を検出する舵角検出手段と、外部からの舵角指
令信号と舵角検出手段からの舵角信号とを受けて、舵角
が指令舵角となるように且つ舵角角速度が予め設定され
た設定値に略等しくなるようにトルクモータを介してレ
ギュレータを制御する制御手段とを備えたことを特徴と
する船舶のトランクピストン型操舵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3707891U JP2552811Y2 (ja) | 1991-04-22 | 1991-04-22 | 船舶のトランクピストン型操舵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3707891U JP2552811Y2 (ja) | 1991-04-22 | 1991-04-22 | 船舶のトランクピストン型操舵装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0528800U true JPH0528800U (ja) | 1993-04-16 |
JP2552811Y2 JP2552811Y2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=12487519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3707891U Expired - Fee Related JP2552811Y2 (ja) | 1991-04-22 | 1991-04-22 | 船舶のトランクピストン型操舵装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2552811Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011068225A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Japan Hamuwaaji Kk | 舵取機の作動監視方法 |
JP2014130532A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 制御装置 |
JP2015020660A (ja) * | 2013-07-22 | 2015-02-02 | 川崎重工業株式会社 | 操舵装置の異常検出装置及び異常検出装置付き操舵装置 |
-
1991
- 1991-04-22 JP JP3707891U patent/JP2552811Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011068225A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Japan Hamuwaaji Kk | 舵取機の作動監視方法 |
JP2014130532A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 制御装置 |
JP2015020660A (ja) * | 2013-07-22 | 2015-02-02 | 川崎重工業株式会社 | 操舵装置の異常検出装置及び異常検出装置付き操舵装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2552811Y2 (ja) | 1997-10-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4473128A (en) | Vehicular power steering system | |
EP2123541B1 (en) | Steering system for working vehicle | |
US7610989B2 (en) | Control system and a vehicle comprising the control system | |
US4933617A (en) | Servo steering system for motor boats | |
EP1511667B1 (en) | Control system and a vehicle comprising the control system | |
JPH0528800U (ja) | 船舶のトランクピストン型操舵装置 | |
US6082242A (en) | Power steering system | |
JPH0214224B2 (ja) | ||
JPH07127605A (ja) | 油圧建設機械の駆動制御装置 | |
KR100230051B1 (ko) | 자동 조향장치 | |
JP2858133B2 (ja) | トリムタブ自動制御装置 | |
JPS6181587A (ja) | 可変容量型油圧ポンプの制御装置 | |
JP2608997B2 (ja) | 油圧建設機械の駆動制御装置 | |
JPH049259Y2 (ja) | ||
KR102534470B1 (ko) | 선박 조타제어용 유압구동장치 | |
JPS5981267A (ja) | 車両の4輪操舵装置 | |
JPH11334622A (ja) | ステアリング装置を備える車両 | |
JPH03178877A (ja) | 車両の後輪操舵装置 | |
JP3308073B2 (ja) | 油圧建設機械の原動機回転数制御装置 | |
JP2509884B2 (ja) | 油圧走行車両の走行速度切換装置 | |
JPH03114996A (ja) | トリムタブ制御装置 | |
JP3241062B2 (ja) | 作業機のポンプ流量制御装置 | |
JPH02275177A (ja) | 可変速用可変容量油圧ポンプを備えたエンジン車両における走行制御装置 | |
JPH03267534A (ja) | 建設機械の原動機制御装置 | |
JPH0631076B2 (ja) | 舶用自動操舵システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |