JP2858133B2 - トリムタブ自動制御装置 - Google Patents

トリムタブ自動制御装置

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JP2858133B2 JP22095389A JP22095389A JP2858133B2 JP 2858133 B2 JP2858133 B2 JP 2858133B2 JP 22095389 A JP22095389 A JP 22095389A JP 22095389 A JP22095389 A JP 22095389A JP 2858133 B2 JP2858133 B2 JP 2858133B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、モーターボードの姿勢を安定させるため
に、トリムタブの角度を自動的に制御する装置に関す
る。
(従来の技術) 従来のボート用トリムタブ制御装置におけるトリムタ
ブの角度の設定は、運転者が手動により行なっていた。
第11、12、13図に示す従来のボート用トリムタブ制御
装置では、ハンドル1の近傍に、右側トリムタブ2Rの上
下動を操作するスイッチ3Rと、左側トリムタブ2Lの上下
動を操作するスイッチ3Lとを設けている。このスイッチ
3R、3Lはそれぞれコントローラ6と接続している。又、
船尾に設けた右左側トリムタブ2R、2Lには右左側トリム
タブ2R、2Lの角度を調整するシリンダ5R、5Lを接続して
いる。このシリンダ5R、5Lに作動油が流入すると、シリ
ンダ5R、5Lに内蔵するピストンロッド4R、4Lが伸縮し、
左右トリムタブ2R、2Lの角度が変化する。
コントローラ6では、上記スイッチ3R、3Lの切換位置
に応じて、モータ9を回転させる。モータ9の回転によ
り、ポンプ7が作動し、右左シリンダ5R、5Lへ作動油を
供給する。そして、このポンプ7から右左シリンダ5R、
5Lへ送られる圧油の通路は、スイッチ3L、3Rと接続する
ソレノイドバルブ10L、10Rによって開閉するようにして
いる。なお、図中符号11は、コントローラ6を動作させ
るバッテリ、符号Vは余剰圧力をタンク8へ逃がすリリ
ーフバルブである。
今、スイッチ3Rをダウン側に切り換えると、モータ9
は正転し、ポンプ7がタンク8より作動油を吸込む。ポ
ンプ7の作動と同時にソレノイドバルブ10Rは開位置に
切り換わる。
ポンプ7から吐出された作動油は、このソレノイドバ
ルブ10Rを介してシリンダ5Rに流入する。
流入した作動油の圧力は、シリンダ5Rに内蔵されたス
プリング12Rのばね力に打ち勝ってピストンロッド4Rを
伸長させる。
このピストンロッド4Rの伸長により、右側トリムタブ
2Rが押し下がる。
希望の位置まで、右側トリムタブ2Rが押し下がったと
判断した場合は、スイッチ3RをOFF位置に切り換える。
スイッチ3RがOFF位置にある場合、モータ9の回転が
停止し、ポンプ7が止る。このポンプ7の停止と同時に
バルブ10Rが閉位置に切り換わる。ソレノイドバルブ10R
が閉位置に切り換わるとシリンダ5R内の作動油は移動し
ない。このため、シリンダ5Rのピストンロッド4Rはその
位置に保持され、右側トリムタブ2Rもそのままの角度で
保持される。
次にスイッチ3Rをアップ側に切り換えると、ソレノイ
ドバルブ10Rも開位置に切り換わる。このソレノイドバ
ルブ10Rの切り換えと同時に、モータ9は逆転し、ポン
プ7が、シリンダ5Rからタンク8へ作動油を戻す。
このため、ピストンロッド4Rは、スプリング12Rによ
って押し戻されるので、右側トリムタブ2Rは、引き上げ
られる。
以上の作動は、スイッチ3Rの切り換えによる右側トリ
ムタブ2Rの作動であるが、スイッチ3Lの切り換えによっ
て作動する左側トリムタブ2Lについてもその作動原理は
同一である。
(本発明が解決しようとする課題) 上記のようにした従来の装置では、スイッチ3R、3Lの
切り換えにより、運転者が手動で、トリムタブの角度の
制御を行なっていた。
このため、船体の姿勢を常に考えながらスイッチ3R、
3Lを操作しなければならないので、運転者に相当な経験
と、高度な熟練技術とを要求しなければならないという
問題があった。
特に、船速が上り、船首が浮き上る場合や、旋回によ
り船体が左右に傾く場合等は、トリムタブの角度を変
え、船首の浮き上がりや左右の傾きを緩和する必要があ
る。つまり、運転者は、船速を上げる場合、アクセル操
作を行ないながら、スイッチ3R、3Lを少しずつ切り換え
なければならない。さらに、転舵を行なう場合、ハンド
ル操作を行ないながら一方のスイッチによって一方のト
リムタブを徐々に上げ、同時に他の一方のスイッチによ
って他の一方のトリムタブを徐々に下げるという複雑な
操作を行なわなければならない。
この発明の目的は、運転者がトリムタブの角度を手動
操作しなくても、自動的にトリムタブの角度を制御し、
船体の傾きを緩和させることができるトリムタブ自動制
御装置を提供することである。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために本発明の装置では、船体
の姿勢を制御するトリムタブと、トリムタブの角度を調
節する出力機構と、操舵量およびその方向を検出するト
ルクセンサと、エンジン回転数等から船速を検出する速
度センサと、実際のトリムタブの角度を検出する角度セ
ンサと、上記出力機構を制御するコントローラとを備
え、コントローラは、上記トルクセンサと速度センサと
角度センサとの信号に基づいて出力機構を制御するトリ
ムタブ自動制御装置において、一対のトリムタブを船尾
に設けるとともに、これらトリムタブには、その角度を
変化させる出力機構をそれぞれ設ける一方、コントロー
ラは、船速に応じてトリムタブの角度を制御し、かつ、
トルクセンサからの信号がゼロのときに両方のトリムタ
ブを同じ角度に制御し、トルクセンサからの信号が入力
されると、そのトルクの方向に応じて一方のトリムタブ
の角度と他方のトリムタブの角度とを、逆の方向に制御
する構成にしたことを特徴とする。
(本発明の作用) 本発明の装置は、上記のように構成したので、船速に
応じてトリムタブの角度を制御する。そして、トルクセ
ンサからの信号がゼロのときに両方のトリムタブを同じ
角度に制御して、船体の縦方向の揺れを緩和する。一
方、トルクセンサからの信号が入力されると、そのトル
クの方向に応じて一方のトリムタブの角度と他方のトリ
ムタブの角度とを逆の方向に制御して、船体の横方向の
揺れを緩和する。
(本発明の効果) この発明の装置によれば、操舵トルクと速度とに応じ
てトリムタブが自動的に制御されるので、運転者がトリ
ムタブの角度を手動操作しなくても、船体の姿勢を自動
的に安定させることができる。したがって、その分、転
舵やアクセル操作などを運転者が容易に行えるようにな
った。
また、トリムタブを2つ設けるとともに、これらトリ
ムタブの角度を、船速やトルクの方向に応じて同じ角度
に調節したり、両者の角度を逆に調節したりすることに
よって、船体の縦方向の揺れと、横方向の揺れとを同時
に緩和させることができる。したがって、船首の浮き上
がりと、船体の左右の傾きとを同時に緩和させることが
できる。
(本発明の実施例) 第1〜8図に示す本発明の第1実施例について説明す
る。
14は船体、15はハンドルである。ハンドル15の回転力
は、ワイヤ16、レバー17を介してステアリングアーム18
に伝達され、回転軸19を中心としてステアリングアーム
18を回動するようにしている。そして、このステアリン
グアーム18に連結しているエンジン20は、ステアリング
アーム18の回動により、左右に揺動し、船体が旋回す
る。
このときのハンドル15の回転力は、コントローラ13に
接続するトルクセンサ21によって検出され、ハンドル15
の回転力に応じて、操舵トルク信号をコントローラ13に
出力するようにしている。
又、エンジン20には、コントローラ13に接続するエン
ジン回転数センサ22が設けられ、エンジン20の回転数に
応じてエンジン回転数信号rをコントローラ13に出力す
るようにしている。
一般に、航行中、転舵による旋回を行なった場合、旋
回円の内側の方向に船体が傾くことが知られている。
又、横風に対して当て舵を切った場合、当て舵をあてた
方向に船体が傾くことが知られている。
さらに、又、エンジンの回転数を上げ、船速を増加さ
せると、船首が浮き上ることも知られている。
この実施例におけるコントローラ13では、トルクセン
サ21で検出した操舵トルク信号rを船体の左右の傾きを
示す姿勢信号の1つとしてとらえ、又、エンジン回転数
センサ22で検出したエンジン回転数信号rを船首の浮上
がりの角度を示す姿勢信号の1つとしてとらえる。
そして、コントローラ13では、これらの姿勢を示す信
号に応じて、後述する出力機構を作動させるソレノイド
駆動電流iRS、iLSを決定し、トリムタブ制御機構に出力
するようにしている。
次にコントローラ13の内部の構成を第5図をもちいて
詳述する。
このコントローラ13には、トルクセンサ21、エンジン
回転数センサ22の他に右側のシリンダの位置を検出し、
右シリンダ位置信号xRを出力する右シリンダ位置センサ
23と、左側のシリンダの位置を検出し、左シリンダ信号
xLを出力する左シリンダ位置センサ24とを接続してい
る。
さらに、このコントローラ13には、エンジンを始動す
るイグニッションスイッチSWと、エンジン20の回転力を
スクリュー25に伝達するか又は、しないかを検出するニ
ュートラルスイッチ26と、エンジン20の回転方向とスク
リュー25の回転方向とを一致させるか又は、逆回転させ
るかを検出するリバーススイッチ27とをそれぞれ接続し
ている。
又、図示しないポンプ28を作動させるモータ29は、上
記イグニッションスイッチSWによって、ON・OFFできる
ようにバッテリbに接続している。
そして、このモータ29とバッテリbとの間にはリレー
スイッチ31を接続している。このリレースイッチ31は、
リレー駆動回路30を介して、上記ニュートラルスイッチ
26に接続している。
この回路では、上記のように接続したので、ニュート
ラルスイッチ26がONかOFFかにより、リレー駆動回路30
を働かせ、モータ29とバッテリbとの間の接続を開閉さ
せることができる。
つまり、ニュートラルスイッチ26がニュートラル位置
を検出しているときは、リレースイッチ31の動作によ
り、モータ29とバッテリbとの間の接続を断ち、モータ
29を駆動させないようにすることができる。
そして、このモータ29とバッテリbとの間には、さら
に、リレースイッチ33を接続している。このリレースイ
ッチ33も、上記リレースイッチ31と同様にリレー駆動回
路32を介して、リバーススイッチ27と接続している。
この回路では、上記のように構成したので、リバース
スイッチ27がONかOFFかにより、リレー駆動回路32を働
かせ、モータ29とバッテリbとの間の接続を開閉するこ
とができる。
つまり、リバーススイッチ27が、リバース側を検出し
ているときは、リレースイッチ33の動作により、接続を
断ち、モータ29を駆動させないようにしている。
さらに、このモータ29とバッテリbとの間には、リレ
ースイッチ34を接続している。
このリレースイッチ34は、リレー駆動回路36、回転数
判定回路35を介して、上記エンジン回転数センサ22に接
続している。
今、エンジン回転数センサ22で検出された回転数信号
rが回転数判定回路35に入力すると、この回転数判定回
路35では、エンジン回転数がある一定値r0以下の場合
は、リレーOFF信号をリレー駆動回路36に出力する。
又、この回転数判定回路35は、エンジン回転数がある
一定値r0以上の場合は、リレーON信号をリレー駆動回路
36に出力するようにしている。
リレー駆動回路36では、これらリレーON・OFF信号に
応じて、リレースイッチ34をON・OFFするようにしてい
る。
よって、エンジン回転数信号rが一定値r0以下の場合
は、バッテリbとモータ29との間の接続が断たれ、モー
タ29は駆動しないように構成されている。
上記エンジン回転数センサ22で検出されたエンジン回
転数信号rは、関数発生器37aにも入力している。
関数発生器37aでは、この入力したエンジン回転数信
号rに応じて第6図に示すようなトリムタブ目標値f
1(r)を演算する。この実施例の装置のトリムタブ目
標値f1(r)はエンジン回転数rがある一定値r0以下で
はトリムタブを最もあげた状態に維持し、ある一定値r0
を越えた場合、回転数の増加とともに徐々にトリムタブ
を下げ、ある角度までトリムタブが下がると、回転数が
増加してもその角度よりもトリムタブが下がらないよう
に演算されている。しかし、この第6図に示すようなト
リムタブ目標値f1(r)の演算に限らず、航行条件や船
体の条件によってどのような値を取る演算を行なっても
よいことは当然である。
このようにして演算されたトリムタブ目標値f1(r)
は、関数発生器37aから目標値決定部38、39へ出力され
る。
又、上記トルクセンサ21で検出された操舵トルク信号
Tは、関数発生器37bに入力している。関数発生器37bで
は、この入力した操舵トルク信号Tに応じて第7図に示
すようなトリムタブ目標値f2(T)を演算する。このト
リムタブ目標値f2(T)は、操舵トルク信号Tが0のと
きには、0の値を取り、操舵トルク信号Tが右転舵によ
って増加するのにしたがって徐々に増加し、左転舵によ
って操舵トルク信号Tが増加するにしたがって、徐々に
減少するように演算されている。
しかし、このトリムタブ目標値f2(T)は、第7図に
示すような特性に限らず、航行条件や船体の条件によっ
てどのような値を取る演算を行なってもよいことは当然
である。
このようにして演算されたトリムタブ目標値f2(T)
は、関数発生器37bから右左目標値決定部38、39へ出力
される。
右左目標値決定部38、39では、次の第(1)(2)式
の演算を行ない、右左のシリンダストロークの目標位置
を決める右左シリンダストローク目標値を決
定する。
=f1(r)+f2(T) …(1) =f1(r)+f2(T) …(2) 第(1)(2)式では、シリンダが伸長し、トリムタ
ブが下がる方向を正とし、ハンドルトルクも右回りを正
としている。
このように左右シリンダストローク目標値
を決定しているので、エンジン回転数が増加し、船速が
増加するとともに、左右両方のトリムタブが下がり、船
首の浮き上がりを自動的に緩和できる。
又、ハンドル15を右に切ると、その操舵トルクTに応
じて右側のトリムタブが下がり、左側のトリムタブが上
がる。
これにより、旋回や、横風に対して当て舵を行なった
場合の船体の傾きを自動的に緩和できる。
このようにして決定された右左シリンダストローク目
標値は、偏差計算部40、41において、シリン
ダの位置を検出する右左シリンダ位置センサ23、24から
送られてくる右左シリンダ位置信号xR、xLと比較され
る。この比較は、次の第(3)(4)式のように偏差Δ
xR、ΔxLを計算することにより行なわれる。
ΔxR−xR …(3) ΔxL−xL …(4) この偏差ΔxR、ΔxLは、偏差計算部40、41から出力部
88へ送られる。
この実施例の装置の出力部88は、電流値決定部42、43
と駆動部44、45とからなる。
上記ΔxR、ΔxLは、偏差計算部40、41から電流値検定
部42、43へ送られる。
電流値検定部42、43では、この偏差ΔxR、ΔxLをもち
いて、次の第(5)(6)式に示すソレノイド駆動電流
指示電圧ViR、ViLを決定する。
ViR=lΔxR+m・dΔxR/dt +n∫ΔxR dt …(5) ViL=lΔxL+m・dΔxL/dt +n∫ΔxL dt …(6) この第(5)(6)式中、l、m、nは船体条件によ
って定まる定数である。
この第(5)(6)式の第1項lΔxR、lΔxLは、偏
差ΔxR、ΔxLに比例した電流値を与えるもので、偏差Δ
xR、ΔxLが大きければ大きいほどソレノイドに大きな電
流を与えるものである。
又、この第(5)(6)式の第2項は、偏差ΔxR、Δ
xLの微分値に比例した電流値を与えるものである。この
微分値が大きくなれば、その分、大きな電流値を与え、
トリムタブの慣性等による応答性を向上させている。
そして、この第(5)(6)式の第3項は、偏差Δ
xR、ΔxLの積分値に比例した電流値を与えるものであ
る。この第3項は、スプリング力や外力によって生じた
シリンダ位置の定常的な偏差を打ち消す電流値を与えて
いる。
この電流値決定部42、43で計算されたソレノイド駆動
電流指示電圧ViR、ViLは、駆動部44、45に送られ、これ
に比例した実際の駆動電流iRS、iLSとなり、さらに、こ
の駆動電流iRS、iLSは、ソレノイド46、47に出力され
る。
ソレノイド46、47では、このソレノイド駆動電流
iRS、iLSに応じてソレノイドバルブ48、49のスプール5
0、51の位置を調整し、シリンダに供給する作動油の量
を調整するようにしている。
次に第3図をもちいてこのソレノイドバルブ48の動作
について説明する。
ソレノイドバルブ48は、ソレノイド46と、このソレノ
イド46にその端部を当接するスプール50をバルブ本体52
内に収納している。
又、スプール50のソレノイド46側の端部とは反対側の
端部には、スプリング54が内蔵され、図中右方向にスプ
ール50を付勢している。そして、ソレノイドバルブ48の
ポンプポートPPはポンプ28と連通し、タンクポートTPは
タンク8と連通している。
さらに、ソレノイドバルブ48のポートAは、シリンダ
55のボトム側室57と連通し、ポートBはシリンダ55のロ
ッド側室59と連通している。
今、ソレノイド46が駆動電流iRSが強まることにより
励磁すると、スプール50は、スプリング54のばね力に逆
らって図中左方向に移動する。
スプール50が左方向に移動すると、絞り61、63が広が
るとともに、絞り62、64が狭くなる。
よって、ポンプ28から流入した作動油は、ポンプポー
トPP、絞り63を介してポートAからシリンダ55のボトム
側室57へ流出する。そして、シリンダ55のロッド側室59
からの戻り油は、ポートBへ流入し、さらに、絞り61、
タンクポートTPを介してタンク8へ流出する。
このため、ボトム側室57の圧力が上昇し、ピストン65
がこの圧力により、スプリング67のばね反力に抗して押
され、シリンダ55は伸長する。
又、駆動電流iRSが弱まると、スプール50は、スプリ
ング54のばね力により押し戻され、図中右方向に移動す
る。
スプール50が右方向に移動すると、絞り62、64が広く
なるとともに、絞り61、63が狭くなる。
よって、ポンプ28から流入した作動油は、ポンプポー
トPP、絞り62を介して、ポートBからシリンダ55のロッ
ド側室59へ流出する。
そして、シリンダ55のボトム側室57からの戻り油は、
ポートAへ流入し、さらに、絞り64、タンクポートTPを
介して、タンク8へ流出する。
このため、ロッド側室59の圧力が上昇し、ピストン65
がこの圧力により押されて、シリンダ55が収縮する。
つまり、駆動電流iRSの強弱により、ピストンロッド6
9の伸長、収縮が決められ、このピストンロッド69に連
結するトリムタブ2Rの角度を変えるようにしている。
これはトリムタブ2Lの角度の制御についても同様であ
る。つまり、駆動電流iLSの強弱により、ソレノイドバ
ルブ49の位置を切り換え、作動油の流量を調節し、ピス
トンロッド70の伸長、収縮により、ピストンロッド70に
連結するトリムタブ2Lの角度を変えるようにしている。
次に、第8図をもちいて、自動制御のパターンを示
す。なお、第8図中、*印はいかなる状態でもよい場合
を示し、矢印は左の場合と同じ場合を示している。そし
て、図中記号の大小関係は、a<c、α>0、r0<r1
r2である。
ケースNo1では、リバーススイッチ27がリバース側にO
Nされている場合を示している。
この場合は、ニュートラルスイッチ26の切換位置や、
エンジン回転数とハンドルトルクとがいかなる状態であ
っても、左右トリムタブ2L、2Rが最も上がった位置にあ
る。
ケースNo2では、ニュートラルスイッチ26がニュート
ラル位置を検出している場合を示している。
この場合は、リバーススイッチ27の切換位置や、エン
ジン回転数とハンドルトルクとがいかなる状態であって
も、左右トリムタブ2L、2Rが最も上がった位置にある。
ケースNo3では、エンジン回転数がある一定値r0未満
である場合を示している。
この場合、リバーススイッチ27とニュートラルスイッ
チ26との切換装置と、ハンドルトルクとがいかなる状態
であっても、左右トリムタブ2L、2Rが最も上がった位置
にある。
ケースNo4からケースNo7までは、いずれの場合も、リ
バーススイッチ27と、ニュートラルスイッチ26とがOFF
の位置にある場合を示している。このうち、ケースNo4
では、エンジン回転数がr1の場合を示している。
この場合、左右のトリムタブ2L、2Rは、a度下がる。
左右のトリムタブ2L、2Rがa度下がると、船体後部の
抵抗が増加し、船首の浮き上がりを緩和することができ
る。
ケースNo5では、ケースNo4の場合よりもさらにエンジ
ン回転数が増加し、r2となった場合を示している。
この場合、左右のトリムタブ2L、2Rはc度まで下が
る。
左右のトリムタブ2L、2Rがc度まで下がると、船体後
部の抵抗がさらに増加し、船速の増加による船首の浮き
上がりを緩和することができる。
ケースNo6では、ケースNo5の場合においてさらに、ハ
ンドル15を右に転舵した場合を示している。
この場合、右側のトリムタブ2Rは、c度下がった位置
から、さらにα度下がり、左側のトリムタブ2Lは、c度
下がった位置からα度上がる。
このため、転舵による右側への傾きを緩和することが
できる。
ケースNo7は、ケースNo6におけるハンドル15の転舵方
向が逆の場合を示している。
この場合、左側のトリムタブ2Lは、c度下がった位置
からさらにα度下がり、右側のトリムタブ2RはC度下が
った位置からα度上がる。
このため、転舵による左側への傾きを緩和することが
できる。
第9図に示す第2実施例の装置では、シリンダ5R、5L
と、ピストンロッド4R、4Lとのかわりにラック71と、こ
のラックにかみ合うピニオン72と、このピニオン72に減
速機構73を介して、回転力を付与するモータ74と、上記
ラック71とピニオン72とを内包するギヤケース75とによ
ってなる電動式出力機構を採用している。
このギヤケース75の一端には、ヒンジ部76を設け、船
体と揺動自在に連結している。
又、このギヤケース75の他端には、開口部を有し、こ
の開口部からラック71を挿入するようにしている。ラッ
ク71には、ギヤケース75に挿入した端部と反対側の端部
にヒンジ部77を設けている。このヒンジ部77は、トリム
タブ2R又は2Lと回動自在に連結し、ラック71が長手方向
に移動することにより、トリムタブ2R又は2Lが上下動す
るようにしている。。
今、駆動電流iRS又はiLSがコントローラ13からモータ
74に入力すると、図示しないモータ軸が回転する。
このモータ軸の回転力は、減速機構73を介して減速さ
れ、ベアリング78、79によって支持される図示しないピ
ニオン軸を回転させる。このピニオン軸の回転により、
ピニオン72も回転し、ピニオン72とかみ合うラック71を
図中水平方向に移動させる。
このラック71の移動により、トリムタブ2R又は2Lが上
下動し、自動的に船体の左右傾きや船首の浮き上がりを
緩和することができる。
他の構成については、第1実施例と同様である。
第10図に示す第3実施例の装置では、ソレノイドバル
ブ48aは、ポートAを介してシリンダ55、56のボトム側
室57、58にのみ作動油を供給するようにしている。
今、駆動電流iRSが強まり、ソレノイド46が励磁する
と、スプール50は図中左方向に移動し、絞り63が広くな
るとともに絞り64が狭くなる。
このため、ポンプ28から流入した作動油は、ポンプポ
ートPP、絞り63を介してポートAからシリンダ55のボト
ム側室57の圧力が上昇し、シリンダ55が伸長する。
又、駆動電流iRSが弱まると、スプール50は図中右方
向に移動し、絞り64が広くなるとともに、絞り63が狭く
なる。
このため、ボトム側室57からの戻り油は、ポートAへ
流入し、さらに絞り64、タンクポートTPを介してタンク
8へ流出する。
これにより、ボトム側室57の圧力は下がり、シリンダ
55が収縮する。このシリンダ55の収縮により、トリムタ
ブ2Rが上下動することは、第1実施例と同様である。
なお、この各実施例に上げた装置では、速度センサと
してエンジン回転数センサ22を用いているが、船速を検
出できるものであれば、スクリュー回転数センサ、流量
センサ等いかなるセンサを用いてもよい。
又、第1〜3実施例の装置では、角度センサとして、
左右シリンダ位置センサ23、24を用いているが、トリム
タブの角度を検出できるセンサであれば、いかなるセン
サを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1〜8図は本発明の第1実施例を示すもので、第1図
は全体の構成を示す図、第2図は船体の側方から見た側
面図、第3図はソレノイドバルブの断面図、第4図は油
圧による出力機構の回路を示す回路図、第5図はコント
ローラ内の構成を示す回路図、第6図はエンジン回転数
rとトリムタブ目標値f1(r)との関係を示す図、第7
図は操作トルクTとトリムタブ目標値f2(T)との関係
を示す図、第8図はトリムタブ角の自動制御のパターン
を示す図、第9図は本発明の第2実施例のトリムタブ制
御機構を示す図、第10図は本発明の第3実施例に用いら
れるソレノイドバルブの断面図、第11〜13図は従来の構
造を示す図、第11図は全体の構成を示す図、第12図は船
体を側方から見た図、第13図は油圧をもちいた回路の構
成を示す図である。 2L、2R……左右トリムタブ、13……コントローラ、21…
…トルクセンサ、22……エンジン回転数センサ、23、24
……右左シリンダ位置センサ、38、39……右左目標値決
定部、40、41……偏差計算部、42、43……電流値決定
部、44、45……駆動部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−31898(JP,A) 特開 昭62−231895(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63H 25/42 B63B 39/06 B63H 21/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船体の姿勢を制御するトリムタブと、トリ
    ムタブの角度を調節する出力機構と、操舵量およびその
    方向を検出するトルクセンサと、エンジン回転数等から
    船速を検出する速度センサと、実際のトリムタブの角度
    を検出する角度センサと、上記出力機構を制御するコン
    トローラとを備え、コントローラは、上記トルクセンサ
    と速度センサと角度センサとの信号に基づいて出力機構
    を制御するトリムタブ自動制御装置において、一対のト
    リムタブを船尾に設けるとともに、これらトリムタブに
    は、その角度を調節する出力機構をそれぞれ設ける一
    方、コントローラは、船速に応じてトリムタブの角度を
    制御し、かつ、トルクセンサからの信号がゼロのときに
    両方のトリムタブを同じ角度に制御し、トルクセンサか
    らの信号が入力されると、そのトルクの方向に応じて一
    方のトリムタブの角度と他方のトリムタブの角度とを逆
    の方向に制御する構成にしたことを特徴とするトリムタ
    ブ自動制御装置。
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