JPH05286721A - 二酸化チタンの表面処理方法 - Google Patents

二酸化チタンの表面処理方法

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JPH05286721A
JPH05286721A JP4113121A JP11312192A JPH05286721A JP H05286721 A JPH05286721 A JP H05286721A JP 4113121 A JP4113121 A JP 4113121A JP 11312192 A JP11312192 A JP 11312192A JP H05286721 A JPH05286721 A JP H05286721A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光化学活性度の抑制あるいは分散性の向上の
目的で酸化アルミニウム水和物を二酸化チタン微粉末の
表面に均一に析出させることと酸化アルミニウム水和物
のゲル状物を混入しない表面処理法の開発。 【構成】 アルミニウム塩基性塩水溶液を酸でpHを1
0.5〜12.0に調節し、これに二酸化チタンスラリ
ーを混合し、次いでこれを酸にて中和する二酸化チタン
表面処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は白色顔料として各種ペイ
ント剤、製紙用サイジング剤、プラスチック用フィラ
ー、紫外線吸収剤等に広く用いられる二酸化チタンの表
面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化チタンは、光学活性度の抑制、耐
候安定性または顔料としての分散性を向上させるなどの
目的で、各種の材料を用いた表面処理が施される。その
中で光学活性度の抑制の目的では酸化アルミニウム水和
物を用いた表面処理はもっとも一般的な方法の一つであ
る。酸化アルミニウム水和物による処理は通常次のよう
な手順で行われる。
【0003】例えば米国特許4,416,699号にお
いては、 二酸化チタンを水に所定量添加してスラリーとす
る。 スラリー温度を所定の範囲に調整する。 スラリーの中に可溶性アルミニウム化合物を添加し
て溶解させる。 所定温度、所定pHにて一定時間熟成する 手順による方法が提案されている。
【0004】また、特開昭55−154317号におい
ては「チタン酸あるいは二酸化チタンを100〜500
g/l、望ましくは250〜400g/lの濃度になる
よう水中に分散させてスラリーとし、これにアルミン酸
ナトリウムを、更に必要に応じて分散剤を加えて、チタ
ン酸あるいは二酸化チタンを良く分散させた後、酸で中
和し、アルミニウムの水和酸化物を沈着させる」手順に
よる方法が提案されている。
【0005】また、本発明者らは特願平2−74536
号においてアルミナゾルと酸化チタンの水分散スラリー
をあらかじめ別々に作製し、これらを混合することによ
って二酸化チタンの酸化アルミニウムによる表面処理を
する方法、即ち、「純水中にアルミニウムの塩基性塩ま
たは酸性塩を溶解し、そこへそれぞれ酸またはアルカリ
を添加してpHを5〜9.5の適当な値にすることでア
ルミナゾルを生成させる。これとは別に二酸化チタンを
重量濃度で1〜60%、好ましくは5〜30%になるよ
うな比率で水中に分散させ、更に必要に応じて分散剤を
加えて二酸化チタンスラリーを調製する。このようにし
て調製したアルミナゾルおよび二酸化チタンスラリーと
を混合することによって二酸化チタンに表面処理を行
う」方法を提案した。
【0006】米国特許4,416,699号及び特開昭
55−154317号に開示された処理方法では、いず
れも二酸化チタンのスラリー中に可溶性アルミニウム化
合物を溶解させて、沈殿反応を行わせ、反応と同時に二
酸化チタン表面に酸化アルミニウム水和物を沈着させる
点が特徴である。
【0007】しかし、可溶性アルミニウム化合物と酸ま
たは塩基の沈殿剤が接触すると、およそpHが4〜1
0.5の範囲で酸化アルミニウム水和物のゾルが瞬間的
に生成する。従って従来法にてアルミン酸ソーダを含む
二酸化チタンスラリーに酸を滴下して表面処理反応を行
わせる方法では、ゾルの生成と表面処理反応が同時に進
行するため、表面処理反応が不均一なpHのもとで行わ
れる結果になる。このことは、表面処理状態の不均一性
を引き起こし、表面処理した二酸化チタンの生成物中
に、二酸化チタン表面に沈着しないゲル状酸化アルミニ
ウム水和物の存在につながる。
【0008】これらの問題点を防ぐために、前記米国特
許4,416,699号および特開昭55−15431
7号の発明においては、酸と塩基を同時に滴下して表面
処理反応時のpHを均一に保つ手法がとられている。し
かし、その場合でもpHの均一性を保つためには表面処
理に要する時間を長く取る必要があり、また回分式処理
を前提としているため、装置の処理能力が非常に制限さ
れるという問題点があった。
【0009】これらの問題点を解決した方法が特願平2
−74536号の方法であるが、この方法はアルミナゾ
ルを調製するためにアルミニウムの塩基性塩あるいは酸
性塩溶液を酸あるいはアルカリでpHを5〜9.5に調
節するため、酸化アルミニウム水和物の微粒子が生成し
てしまい、二酸化チタンの表面処理を行う際には、この
微粒子と二酸化チタン表面の静電気力あるいは物理吸着
であるため表面処理物が剥れ易いことが考えられる。
【0010】またゾル生成時に酸化アルミニウム水和物
の巨大粒子が生成してしまうと遊離状態のアルミナ粒子
が混入することになるという問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は光化学活性度
の抑制あるいは分散性の向上の目的で二酸化チタン微粉
末を酸化アルミニウム水和物により表面処理をするにあ
たり、二酸化チタン微粉末表面に均一に酸化アルミニウ
ム水和物を析出させると共に、酸化アルミニウム水和物
のゲル状物の存在しない二酸化チタンを得る方法の開発
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】これらの問題点を改善す
るために種々検討した結果、アルミニウムの塩基性塩の
水溶液に酸を添加しpHを10.5〜12.0の範囲内
に調節した溶液に二酸化チタンスラリーを混合し、次い
で酸にて中和することを特徴とする二酸化チタンの表面
処理方法を見いだした。またこのとき、好ましくは第一
段階の処理後30秒〜3時間熟成を行うのが良い。
【0013】本発明方法によるときは酸化アルミニウム
水和物が均一に被覆されると共に、酸化アルミニウム水
和物のゲル状物ができない原理についてはいまだ明らか
ではないが、二酸化チタンがアルミニウム塩基性塩水溶
液に混合したとき、二酸化チタン表面の酸性点により表
面近傍のみpHの低下があって、二酸化チタン表面に選
択的に酸化アルミニウム水和物の析出があると考えられ
る。この段階の析出率は10〜70%である。この方法
では第一段階の処理により均一な酸化アルミニウム水和
物の表面被覆を形成し、第二段階の処理で酸化アルミニ
ウム水和物の完全な析出と表面処理済二酸化チタンのp
H調節を行う。
【0014】本発明によれば第一段階処理のアルミニウ
ム塩基性水溶液のpH調製を二酸化チタンを存在させず
酸化アルミニウム水和物が析出しないpH領域で行うた
め、酸化アルミニウム水和物の析出を二酸化チタン表面
でのみ選択的に行うことが可能となる。
【0015】次に本法による処理方法を更に詳しく述べ
る。表面処理を行う二酸化チタンは、ルチル型でもアナ
ターゼ型でもいずれでも良い。二酸化チタンの粒径は
0.01μm〜10μmの範囲であればいかなる大き
さ、分布のものでも可能である。この粒径範囲外でも粒
子が分散さえすれば本法による処理は不可能ではない
が、顔料としての光学特性、例えば隠蔽力等が大幅に低
下してしまうため実用に適さない。
【0016】本発明におけるアルミニウムの塩基性塩と
しては、水溶性塩であれば何でも良いが、アルミン酸ソ
ーダがコスト的にはもっとも適している。これを溶解
し、そこへ酸を添加してpHを10.5〜12.0、好
ましくは10.5〜11.5の適当な値に調整してアル
ミニウム塩基性塩水溶液を調製する。その場合、温度は
30℃〜90℃で行うことが望ましい。添加混合の方法
は双方を同時に添加しても良い。
【0017】アルミニウムの塩基性塩溶液の濃度は0.
005〜0.7モル/lくらいの間で適宜選べるが、二
酸化チタンに対して最終的に表面処理量をいくらにする
かによって決められる。
【0018】二酸化チタンの表面処理量は、一般的な用
途のものに対しては、二酸化チタン100重量部に対
し、酸化アルミニウム水和物をアルミナ(Al23
換算で0.1〜20重量部が付着する程度の表面処理を
行うのが普通である。従ってこの範囲の量が二酸化チタ
ンにつくようにアルミニウムの塩基性塩溶液濃度を調節
して処理を行う。
【0019】二酸化チタンの水分散スラリーの調製に使
用する水は、純度が良いものが好ましく、不溶なイオ
ン、固形物等を含む場合はそれらを除去するのが望まし
い。
【0020】二酸化チタンのスラリー濃度は水と二酸化
チタンの合計量を100としたときの二酸化チタン重量
濃度として1〜50%であることが好ましく、5〜40
%がより好ましい範囲である。
【0021】スラリー濃度が50重量%を越えると、ス
ラリー粘度が上昇し、また二酸化チタン粒子同士の接触
頻度が増加するため粒子同士の凝集を引き起こし、表面
処理状態が悪化する。
【0022】また1重量%未満だと処理効率が低下する
ため望ましくない。二酸化チタンを水中に分散させる際
にリン酸イオン、ナトリウムイオン等を問題としない用
途においてはヘキサメタリン酸ソーダ等の分散剤あるい
は界面活性剤を適宜添加して分散させたほうが好まし
い。この分散剤の添加は少量で良く、かつアルミニウム
化合物溶液との混合時に急激なpH変動を起こさないも
のが良く、具体的にはスラリーのpHを4.0〜12.
0の間に保つものがより好ましい。
【0023】上記のように、調製したアルミニウムの塩
基性塩溶液及び二酸化チタンスラリーとを混合すること
により二酸化チタンの表面に選択的に酸化アルミニウム
水和物が析出するわけであるが、全体を適当な力で撹拌
しながら混合を行うのが好ましい。
【0024】混合後のスラリーはより均一な表面処理を
行うために更に多くとも4時間程度撹拌しながら熟成を
行う。
【0025】熟成は二酸化チタンがpH11近辺におい
て分散性が良く、この状態の液中においては凝集してい
た二酸化チタン粒子がほぐれ、新しく現れた未処理の表
面に酸化アルミニウム水和物が沈着することが期待でき
るので行うことが好ましい。
【0026】従って処理前の二酸化チタンスラリーのp
Hが11近辺であるときには必要でないが、通常の二酸
化チタンスラリーのpH領域(pH4.0〜10.0
位)である二酸化チタンにおいては微粒子同士が凝集し
ていることが避けられないので熟成を行うことは均一な
表面処理のためには好ましい方法である。
【0027】この第一段階の処理では全アルミニウム化
合物の10〜70%のみ析出しているため第二段階の中
和を行う。この第一段階における析出率は表面処理する
二酸化チタンの表面性状あるいはスラリー自体のpHに
よって決まる。
【0028】第一段階処理後のスラリー中に残存するア
ルミニウムの塩基性塩を酸化アルミニウム水和物として
ほぼ全量析出させるためにpHを5.0〜9.0の適当
な値に調節する。
【0029】この中和に際してもできるだけ局所的なp
Hの変動による液中への酸化アルミニウム水和物の析出
を避けるためゆっくりとした中和反応が好ましい。
【0030】その後常法により、ろ過、洗浄、乾燥、解
砕等の工程を経て二酸化チタン顔料粉末とすることがで
きる。
【0031】
【作用】従来酸化アルミニウム水和物をコートした二酸
化チタンの製造法は、二酸化チタンを懸濁させたアルミ
ニウム成分の水溶液をそのままpHを変更させてアルミ
ニウム酸化物水和物を二酸化チタン微粒子上に析出させ
る工程をとっていたため、反応がどうしても局所的に不
均一となり易く、アルミニウム酸化物水和物が二酸化チ
タン表面に沈着しないゲルとなって存在することが避け
られなかったと推定した。
【0032】従って、本発明においてはまだその機構を
充分に解明してはいないが、沈着しないゲルの発生を避
けるためアルミニウム塩基性塩水溶液をアルミニウム酸
化物水和物が析出しない限度まであらかじめ中和してお
き、これに二酸化チタンを混合させ、二酸化チタン微粉
末自身の酸性度を利用して二酸化チタン表面上に析出さ
せ、次いでこの二酸化チタン上に析出したアルミニウム
酸化物水和物結晶を成長させることにより二酸化チタン
表面に沈着しないゲル状酸化アルミニウム水和物の存在
は防げるものと推定し、本発明を完成させた。
【0033】
【実施例】次に本発明にて詳細に説明する。表面処理し
た二酸化チタンは次の方法により測定を行った。
【0034】〈酸化アルミニウム水和物被覆量〉酸化ア
ルミニウム水和物の含有量を誘導プラズマ発光分析装置
(I.C.P.)によるアルミニウム元素の分析より酸
化アルミニウムとしてAl23 /TiO2 より求め
た。
【0035】〈ゲル状遊離酸化アルミニウム水和物の存
在の検査〉あわせて透過型電子顕微鏡(TEM)により
ゲル状遊離酸化アルミニウム水和物の存在の有無を調べ
た。
【0036】〈光化学的活性度〉また酸化チタンの光化
学反応性が高いことに着目して酸化チタンを触媒とする
テトラリンの液晶酸化反応から光化学反応性を測定し
た。この測定法は加藤、増尾両氏の研究(工業化学雑
誌,63,5,748〜751(1960))を参照し
た装置を用いて酸素吸収速度を測定し、この値をもって
光化学的活性度を示した。測定条件をテトラリン投入量
10ml,TiO2 投入量0.200g、雰囲気O2
反応温度40 0.1℃として、スターラーで撹拌しな
がら、紫外線を照射し、各時間ごとの圧力変化をプロッ
トし、その傾きを酸素吸収速度とした。
【0037】(実施例1〜4)市販のルチル型二酸化チ
タン(昭和タイタニウム(株)製「スーパータイタニア
G」平均粒子径0.21μm)150gを純粋1300
mlに分散させ、この中に分散剤として界面活性剤(花
王(株)デモールEP)3gを加え、二酸化チタンスラ
リーを調製した。次にこれとは別に0.026mol/
lのアルミン酸ソーダ水溶液900mlに0.06mo
l/lの希硫酸水溶液を滴下して、pHを10.5〜1
1.8に調節し、アルミニウム化合物溶液を調製した。
このアルミニウム化合物溶液調製後、前記二酸化チタン
スラリーの添加混合を開始した。混合時は撹拌機(羽根
径100mmφ)を用いて170rpmにて撹拌をし、
二酸化チタンスラリー添加後も撹拌を継続して酸化アル
ミニウム水和物の二酸化チタン表面への沈着を行った。
この時間を熟成と呼び、3時間行った。この後0.06
mol/lの希硫酸水溶液を用い1時間かけて中和処理
を行い、スラリーのpHを8.15に調節した。処理に
際してはスラリー及び溶液の温度はすべて30℃で行っ
た。表面処理後のスラリーはメンブランフィルター
(0.2μm)にてろ過、洗浄し、採取したケーキを1
70℃で12時間乾燥し、市販の自動式乳鉢(ニット−
ANM−1000型)を用いて1時間解砕を行い二酸化
チタン顔料粉末とした。測定結果は表1に示す。
【0038】(実施例5〜8)市販のアナターゼ型二酸
化チタン(古河機械金属FA−80、平均粒子径0.1
3μm)150gを純水1300mlに分散させ、この
中に分散剤として界面活性剤(花王(株)デモールE
P)3gを加え、二酸化チタンスラリーを調製した。次
にこれとは別に0.026mol/lのアルミン酸ソー
ダ水溶液900mlに0.06mol/lの希硫酸水溶
液を滴下して、pHを10.5〜11.8に調節し、ア
ルミニウム化合物溶液を調製した。このアルミニウム化
合物溶液調製後、前記二酸化チタンスラリーの添加混合
を開始した。混合時は撹拌機(羽根径100mmφ)を
用いて170rpmにて撹拌をし、二酸化チタンスラリ
ー添加後も撹拌を継続して酸化アルミニウム水和物の二
酸化チタン表面への沈着を3時間行った。この後0.0
6mol/lの希硫酸水溶液を用い1時間かけて中和処
理を行い、スラリーのpHを8.15に調節した。処理
に際してはスラリー及び溶液の温度はすべて30℃で行
った。表面処理後のスラリーはメンブランフィルター
(0.2μm)にてろ過、洗浄し、採取したケーキを1
70℃で12時間乾燥し、市販の自動式乳鉢(ニット−
ANM−1000型)を用いて1時間解砕を行い二酸化
チタン顔料粉末とした。これらの測定結果は表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例9〜12)市販のルチル型二酸化
チタン(昭和タイタニウム(株)製「スーパータイタニ
アG」、平均粒子径0.21μm)150gを純水13
00mlに分散させ、この中に分散剤として界面活性剤
(花王(株)デモールEP)3gを加え、二酸化チタン
スラリーを調製した。次にこれとは別に0.016〜
0.588mol/lと濃度を変えたアルミン酸ソーダ
水溶液900mlに0.02mol/lの希硫酸水溶液
を滴下して、pHを11.0に調節し、アルミニウムの
塩基性塩溶液を調製した。このアルミニウム塩基性塩調
製後、前記二酸化チタンスラリーの添加混合を開始し
た。混合時は撹拌機(羽根径100mmφ)を用いて1
70rpmにて撹拌をし、二酸化チタンスラリー添加後
も撹拌を継続して酸化アルミニウム水和物の二酸化チタ
ン表面への沈着を3時間行った。この後0.02mol
/lの希硫酸水溶液を用い1時間かけて中和処理を行
い、スラリーのpHを8.15に調節した。処理に際し
てはスラリー及び溶液の温度はすべて30℃で行った。
表面処理後のスラリーはメンブランフィルター(0.2
μm)にてろ過、洗浄し、採取したケーキを170℃で
12時間乾燥し、市販の自動式乳鉢(ニット−ANM−
1000型)を用いて1時間解砕を行い二酸化チタン顔
料粉末とした。これらの測定結果は表2に示す。
【0041】(実施例13〜14)市販のルチル型二酸
化チタン(昭和タイタニウム(株)製「スーパータイタ
ニアG」、平均粒子径0.21μm)150gを純水1
300mlに分散させ、この中に分散剤として界面活性
剤(花王(株)デモールEP)3gを加え、二酸化チタ
ンスラリーを調製した。次にこれとは別に0.026m
ol/lのアルミン酸ソーダ水溶液900mlに0.0
6mol/lの希硫酸水溶液を滴下して、pHを11.
0に調節し、アルミニウム化合物溶液を調製した。この
アルミニウム化合物溶液調製後、前記二酸化チタンスラ
リーの添加混合を開始した。混合時は撹拌機(羽根径1
00mmφ)を用いて170rpmにて撹拌をし、二酸
化チタンスラリー添加後も撹拌を継続して酸化アルミニ
ウム水和物の二酸化チタン表面への沈着を30秒及び2
時間行った。この後0.06mol/lの希硫酸水溶液
を用い1時間かけて中和処理を行い、スラリーのpHを
8.15に調節した。処理に際してはスラリー及び溶液
の温度はすべて30℃で行った。表面処理後のスラリー
はメンブランフィルター(0.2μm)にてろ過、洗浄
し、採取したケーキを170℃で12時間乾燥し、市販
の自動式乳鉢(ニット−ANM−1000型)を用いて
1時間解砕を行い二酸化チタン顔料粉末とした。これら
の測定結果は表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】(実施例15)市販のルチル型二酸化チタ
ン(昭和タイタニウム(株)製「スーパータイタニア
G」、平均粒子径0.21μm)150gを純水130
0mlに分散させ、この中に分散剤として界面活性剤
(花王(株)デモールEP)3gを加え、二酸化チタン
スラリーを調製した。次にこれとは別に0.026mo
l/lのアルミン酸ソーダ水溶液900mlに0.06
mol/lの希硫酸水溶液を滴下して、pHを11.0
に調節し、アルミニウム化合物溶液を調製した。このア
ルミニウム化合物溶液調製後、前記二酸化チタンスラリ
ーの添加混合を開始した。混合時は撹拌機(羽根径10
0mmφ)を用いて170rpmにて撹拌をし、二酸化
チタンスラリー添加後も撹拌を継続して酸化アルミニウ
ム水和物の二酸化チタン表面への沈着を3時間行った。
この後0.06mol/lの希硫酸水溶液を用い1時間
かけて中和処理を行い、スラリーのpHを8.15に調
節した。処理に際してはスラリー及び溶液の温度はすべ
て60℃で行った。表面処理後のスラリーは冷却後メン
ブランフィルター(0.2μm)にてろ過、洗浄し、採
取したケーキを170℃で12時間乾燥し、市販の自動
式乳鉢(ニット−ANM−1000型)を用いて1時間
解砕を行い二酸化チタン顔料粉末とした。これらの測定
結果は表3に示す。
【0044】(実施例16〜17)市販のルチル型二酸
化チタン(昭和タイタニウム(株)製「スーパータイタ
ニアG」、平均粒子径0.21μm)150gを純水1
300mlに分散させ、この中に分散剤として界面活性
剤(花王(株)デモールEP)3gを加え、二酸化チタ
ンスラリーを調製した。次にこれとは別に0.026m
ol/lのアルミン酸ソーダ水溶液900mlに0.0
6mol/lの希硫酸水溶液を滴下して、pHを11.
0に調節し、アルミニウム化合物溶液を調製した。この
アルミニウム化合物溶液調製後、前記二酸化チタンスラ
リーの添加混合を開始した。混合時は撹拌機(羽根径1
00mmφ)を用いて170rpmにて撹拌をし、二酸
化チタンスラリー添加後も撹拌を継続して酸化アルミニ
ウム水和物の二酸化チタン表面への沈着を3時間行っ
た。この後0.06mol/lの希硫酸水溶液を用い1
時間かけて中和処理を行い、スラリーのpHを7.00
及び6.00に調節した。処理に際してはスラリー及び
溶液の温度はすべて30℃で行った。表面処理後のスラ
リーは冷却後メンブランフィルター(0.2μm)にて
ろ過、洗浄し、採取したケーキを170℃で12時間乾
燥し、市販の自動式乳鉢(ニット−ANM−1000
型)を用いて1時間解砕を行い二酸化チタン顔料粉末と
した。これらの測定結果は表3に示す。
【0045】(実施例18〜19)市販のルチル型二酸
化チタン(昭和タイタニウム(株)製「スーパータイタ
ニアG」、平均粒子径0.21μm)26g及び650
gを純水1300mlに分散させ、この中に分散剤とし
て界面活性剤(花王(株)デモールEP)0.5g及び
13gを加え、二酸化チタンスラリーを調製した。次に
これとは別に0.0057mol/lおよび0.113
mol/lのアルミン酸ソーダ水溶液900mlに0.
01mol/lおよび0.3mol/lの希硫酸水溶液
を滴下して、pHを11.0に調節し、アルミニウム化
合物溶液を調製した。このアルミニウム化合物溶液調製
後、前記二酸化チタンスラリーの添加混合を開始した。
混合時は撹拌機(羽根径100mmφ)を用いて170
rpmにて撹拌をし、二酸化チタンスラリー添加後も撹
拌を継続して酸化アルミニウム水和物の二酸化チタン表
面への沈着を3時間行った。この後0.01mol/l
の希硫酸水溶液を用い1時間かけて中和処理を行い、ス
ラリーのpHを7.50に調節した。処理に際してはス
ラリー及び溶液の温度はすべて30℃で行った。表面処
理後のスラリーは冷却後メンブランフィルター(0.2
μm)にてろ過、洗浄し、採取したケーキを170℃で
12時間乾燥し、市販の自動式乳鉢(ニット−ANM−
1000型)を用いて1時間解砕を行い二酸化チタン顔
料粉末とした。これらの測定結果は表3に示す。
【0046】(実施例20)分散剤としての界面活性剤
(花王(株)デモールEP)を使用しないほかはすべて
実施例1と同一条件で二酸化チタン顔料粉末を製造し
た。この測定結果は表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】(比較例1)実施例1と同じルチル型二酸
化チタン20gを0.016mol/lのアルミン酸ソ
ーダ水溶液500ccに、分散剤として界面活性剤(花
王(株)デモールEP)0.1gを添加して市販の撹拌
機(羽根径50mmφ、回転数300rpm)で分散さ
せた。次にそこへ0.002mol/lの希硫酸水溶液
約1.81を1時間20分かけて添加し最終pHを8.
1とした。その後スラリーを実施例1と同様にろ過、洗
浄後、乾燥、解砕を行って顔料粉末を得た。
【0049】(比較例2)希硫酸水溶液の滴下を6時間
かけて行った以外は比較例1と同じ条件等の処理を行い
顔料粉末を得た。
【0050】(比較例3〜4)アルミン酸ソーダ水溶液
のpHを10.0及び12.1および界面活性剤0.7
5gとしたほかはすべて実施例1と同一条件で二酸化チ
タン顔料粉末を製造した。
【0051】(比較例5)アルミン酸ソーダ水溶液のp
Hを10.0、界面活性剤0.75gとしたほかはすべ
て実施例5と同一条件で二酸化チタン顔料粉末を製造し
た。比較例1〜5の測定結果は表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明方法においては、機構的に推定の
段階ではあるが、酸化アルミニウム水和物の第1段階の
析出を、二酸化チタンの有する酸性度を利用して行わせ
るようにしてあるため、析出はすべて二酸化チタン表面
において行われる。そして、この状態で析出した酸化ア
ルミニウム水和物の結晶がある程度成長し、第2段階の
酸による中和においてもそれらの結晶が急速に成長する
ことにより、二酸化チタン表面以外のスラリー溶液中で
の核の発生を防止していると考えている。
【0054】結果的には表面が均一に酸化アルミニウム
水和物でコートされ、遊離したゲル状物が存在しない二
酸化チタンが容易にかつ迅速に製造することができるも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 桂 長野県塩尻市大字宗賀1昭和電工株式会社 微粉研究センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムの塩基性塩の水溶液に酸を
    添加しpHを10.5〜12.0の範囲内に調節した溶
    液に二酸化チタンをスラリー状態で混合し、次いでこれ
    を酸にて中和することを特徴とする二酸化チタンの表面
    処理方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウムの塩基性塩の水溶液がアル
    ミン酸ソーダ0.005〜0.7モル/lの水溶液であ
    り、熟成時間が4時間以内、最終的に酸で中和する際の
    pHが6.00〜8.50である請求項1記載の二酸化
    チタンの表面処理方法。
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