JPH05285040A - 脱臭機能付炊飯器 - Google Patents
脱臭機能付炊飯器Info
- Publication number
- JPH05285040A JPH05285040A JP4092530A JP9253092A JPH05285040A JP H05285040 A JPH05285040 A JP H05285040A JP 4092530 A JP4092530 A JP 4092530A JP 9253092 A JP9253092 A JP 9253092A JP H05285040 A JPH05285040 A JP H05285040A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rice
- odor
- rice cooker
- adsorbent
- deodorizing function
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cookers (AREA)
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 米飯の保温時特有の臭気、米粒の色調の変化
を抑制し、長時間保温しても炊きたてのようなおいしい
米飯を得る。 【構成】 ゼオライト、珪酸マグネシウム、シリカゲル
の少なくとも一つと無機質バインダーで構成した多孔質
無機物、または活性炭、木炭、石炭のうちの少なくとも
一つで構成した炭質物で構成した吸着材7を設け、炊飯
物より発生する臭気を吸着する。
を抑制し、長時間保温しても炊きたてのようなおいしい
米飯を得る。 【構成】 ゼオライト、珪酸マグネシウム、シリカゲル
の少なくとも一つと無機質バインダーで構成した多孔質
無機物、または活性炭、木炭、石炭のうちの少なくとも
一つで構成した炭質物で構成した吸着材7を設け、炊飯
物より発生する臭気を吸着する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米飯などの穀類をおい
しく炊飯し保温するための炊飯器に関する。
しく炊飯し保温するための炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】日本人は古来より美味しいご飯に対する
執着が強く、これまでにも炊飯器として種々の提案がさ
れてきている。近年は、強火でむらなく炊ける誘導加熱
を熱源として用いるものが好評を博している。
執着が強く、これまでにも炊飯器として種々の提案がさ
れてきている。近年は、強火でむらなく炊ける誘導加熱
を熱源として用いるものが好評を博している。
【0003】従来、この種の炊飯器は、炊飯した後、保
温することによってできるだけ炊きたてに近い状態のも
のを食べられるような機能も備えられている。
温することによってできるだけ炊きたてに近い状態のも
のを食べられるような機能も備えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の炊飯
器では、米飯を長時間保温することで米飯が黄変した
り、保温時特有の嫌な臭いが米飯に付着するなどの問題
を有していた。
器では、米飯を長時間保温することで米飯が黄変した
り、保温時特有の嫌な臭いが米飯に付着するなどの問題
を有していた。
【0005】この米飯から臭気を取り除く方法として、
米飯を他の容器に移し変えること、またはファンなどに
より臭気を強制的に排除することなどが考えられる。し
かし、米飯を他の容器に移し変えても、保温機能がなけ
ればおいしいご飯は食べられない。保温機能を付けると
他の容器に移し代えても臭気は発生する。また、ファン
を用いて臭気を強制的に排気するものでは、ファンが回
転することにより米飯から水分が奪われ米飯がおいしく
なくなるという問題を有していた。
米飯を他の容器に移し変えること、またはファンなどに
より臭気を強制的に排除することなどが考えられる。し
かし、米飯を他の容器に移し変えても、保温機能がなけ
ればおいしいご飯は食べられない。保温機能を付けると
他の容器に移し代えても臭気は発生する。また、ファン
を用いて臭気を強制的に排気するものでは、ファンが回
転することにより米飯から水分が奪われ米飯がおいしく
なくなるという問題を有していた。
【0006】本発明は上記課題を解決するもので、米飯
を保温しているときに発生する臭気を取り除き、長時間
保温しても炊きたての状態を保つことのできるようにす
ることを目的としている。
を保温しているときに発生する臭気を取り除き、長時間
保温しても炊きたての状態を保つことのできるようにす
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、炊飯物より発生する臭気を吸着する臭気吸
着剤を設け、臭気吸着剤は、多孔質無機物または炭質物
で構成したことを課題解決手段としている。
するために、炊飯物より発生する臭気を吸着する臭気吸
着剤を設け、臭気吸着剤は、多孔質無機物または炭質物
で構成したことを課題解決手段としている。
【0008】
【作用】本発明は上記した課題解決手段により、臭気吸
着剤の吸着、吸収効果により保温時の米飯からでる臭気
成分を除去でき、米粒に付着する臭いや黄変を抑制する
ことが可能となる。すなわち、米飯が変色したり、保温
時特有の臭いが付着するのは、炊飯米を保温するときに
発生するヘキサノール、2−アセチル−1−ピロリン、
アンモニア、アルデヒド、硫黄などが原因であると考え
られ、これらの臭気物質が米飯に付着することにより、
米粒が黄変したり、保温時特有の臭気が米飯に吸着され
るため、これらを臭気吸着剤の吸着、吸収効果により除
去する。
着剤の吸着、吸収効果により保温時の米飯からでる臭気
成分を除去でき、米粒に付着する臭いや黄変を抑制する
ことが可能となる。すなわち、米飯が変色したり、保温
時特有の臭いが付着するのは、炊飯米を保温するときに
発生するヘキサノール、2−アセチル−1−ピロリン、
アンモニア、アルデヒド、硫黄などが原因であると考え
られ、これらの臭気物質が米飯に付着することにより、
米粒が黄変したり、保温時特有の臭気が米飯に吸着され
るため、これらを臭気吸着剤の吸着、吸収効果により除
去する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1を参照しなが
ら説明する。
ら説明する。
【0010】図に示すように、炊飯器本体1は、内釜2
と外釜3とを備えており、内蓋4を内蓋止め5により取
着した外蓋6を開閉自在に取り付けている。吸着材7
は、多孔質無機物または炭質物の形成物または破砕体を
袋につめたもの、紙状にしたもので、炊飯終了後、すぐ
に吸着材7を内蓋止め5に差し込む。密閉状態にある内
釜2の内部に挿入された吸着材7は、保温時に米飯から
発生する臭気を吸着する。吸着材7を米飯と接触させな
いのは吸着材7の成分が米飯に付着することを防ぐため
である。また、吸着材7は内含する吸着剤の種類にもよ
るが、吸着材7は吸着できる臭気の総量に限界があり、
通常1〜10回使用すると廃棄する。なお、発熱体8
は、外釜3を介して内釜2を加熱するものである。
と外釜3とを備えており、内蓋4を内蓋止め5により取
着した外蓋6を開閉自在に取り付けている。吸着材7
は、多孔質無機物または炭質物の形成物または破砕体を
袋につめたもの、紙状にしたもので、炊飯終了後、すぐ
に吸着材7を内蓋止め5に差し込む。密閉状態にある内
釜2の内部に挿入された吸着材7は、保温時に米飯から
発生する臭気を吸着する。吸着材7を米飯と接触させな
いのは吸着材7の成分が米飯に付着することを防ぐため
である。また、吸着材7は内含する吸着剤の種類にもよ
るが、吸着材7は吸着できる臭気の総量に限界があり、
通常1〜10回使用すると廃棄する。なお、発熱体8
は、外釜3を介して内釜2を加熱するものである。
【0011】一般に、臭気の吸着は、化学的吸着、物理
的吸着、電気的吸着などにより気体、液体、固体を特定
物質に吸着させる。化学的吸着には双極子相互作用、表
面化学反応、吸着電荷移動錯体がある。表面化学反応は
表面物質が酸化、還元、分解などの反応性を持つものは
強い吸着が起こる。物理吸着は水素結合、ファンデアワ
ールス力、毛細管凝縮などがある。たとえば、水素結合
は固体表面にある水素原子が結合することにより、吸着
が行われる。電気的吸着にはLondon分散力相互作
用、電気四重極相互作用、靜電引力などがある。たとえ
ば、London分散力相互作用は固体表面にある原子
と吸着質分子または吸着質分子どうしが互いに接近した
ときに、一方の分子または表面の原子を構成する原子核
と軌道電子の相対的振動の揺らぎにより瞬間的に電気分
極を誘起し、その分極どうしの間に弱い電気的相互作用
力が起きる。
的吸着、電気的吸着などにより気体、液体、固体を特定
物質に吸着させる。化学的吸着には双極子相互作用、表
面化学反応、吸着電荷移動錯体がある。表面化学反応は
表面物質が酸化、還元、分解などの反応性を持つものは
強い吸着が起こる。物理吸着は水素結合、ファンデアワ
ールス力、毛細管凝縮などがある。たとえば、水素結合
は固体表面にある水素原子が結合することにより、吸着
が行われる。電気的吸着にはLondon分散力相互作
用、電気四重極相互作用、靜電引力などがある。たとえ
ば、London分散力相互作用は固体表面にある原子
と吸着質分子または吸着質分子どうしが互いに接近した
ときに、一方の分子または表面の原子を構成する原子核
と軌道電子の相対的振動の揺らぎにより瞬間的に電気分
極を誘起し、その分極どうしの間に弱い電気的相互作用
力が起きる。
【0012】つぎに、本実施例に使用した吸着材7の構
成材料について説明する。吸着材7は、ゼオライト、珪
酸マグネシウム、シリカゲルの少なくとも一つと無機質
バインダーで構成した多孔質無機物、または活性炭、木
炭、石炭のうちの少なくとも一つで構成した炭質物で構
成されている。
成材料について説明する。吸着材7は、ゼオライト、珪
酸マグネシウム、シリカゲルの少なくとも一つと無機質
バインダーで構成した多孔質無機物、または活性炭、木
炭、石炭のうちの少なくとも一つで構成した炭質物で構
成されている。
【0013】珪酸マグネシウムは、オルト珪酸マクネシ
ウム、メタ珪酸マクネシウム、タルク、四珪酸マグネシ
ウムおよび三珪酸マグネシウムなどの酸化マグネシウム
と二酸化珪素と水を種々の割合で結合した組成物であ
る。
ウム、メタ珪酸マクネシウム、タルク、四珪酸マグネシ
ウムおよび三珪酸マグネシウムなどの酸化マグネシウム
と二酸化珪素と水を種々の割合で結合した組成物であ
る。
【0014】ゼオライトは、別名沸石とも呼ばれる含水
アルミノケイ酸塩の結晶である。この結晶は3次元的な
網目構造を有しており、この構造の中にNa、Caなど
のアルカリ金属やアルカリ土類金属が存在している。こ
れらの金属イオンは他の金属イオンと置換したり、空洞
に他の水や臭気成分を選択的に吸着する機能を有してい
ることが特徴である。本実施例では、こうした天然石や
合成されたゼオライトのどちらを用いることも可能であ
る。天然石は吸着能力が合成されたものより劣るが、コ
スト的に安価なので大量に用いることが可能なこと、石
であるのでカッティングすることにより任意の成型体や
粒状に添加剤を加えることなしに成型できる利点があ
る。一方、合成品は、天然品と比較しコストが高いもの
の、吸着能力に優れるものを選択して使用が可能なこ
と、また少量で効果が発揮できることから、基材に塗布
することによって被覆できると言った利点を有する。合
成ゼオライトには、その結晶構造から、A、X,Y,L
形が知られているが、本実施例でガラス管に被覆する場
合はこれらのいずれをも使用することができる。中でも
A型で銅イオン交換したCuイオン交換A型ゼオライト
が特に吸着性能が優れるので望ましい。
アルミノケイ酸塩の結晶である。この結晶は3次元的な
網目構造を有しており、この構造の中にNa、Caなど
のアルカリ金属やアルカリ土類金属が存在している。こ
れらの金属イオンは他の金属イオンと置換したり、空洞
に他の水や臭気成分を選択的に吸着する機能を有してい
ることが特徴である。本実施例では、こうした天然石や
合成されたゼオライトのどちらを用いることも可能であ
る。天然石は吸着能力が合成されたものより劣るが、コ
スト的に安価なので大量に用いることが可能なこと、石
であるのでカッティングすることにより任意の成型体や
粒状に添加剤を加えることなしに成型できる利点があ
る。一方、合成品は、天然品と比較しコストが高いもの
の、吸着能力に優れるものを選択して使用が可能なこ
と、また少量で効果が発揮できることから、基材に塗布
することによって被覆できると言った利点を有する。合
成ゼオライトには、その結晶構造から、A、X,Y,L
形が知られているが、本実施例でガラス管に被覆する場
合はこれらのいずれをも使用することができる。中でも
A型で銅イオン交換したCuイオン交換A型ゼオライト
が特に吸着性能が優れるので望ましい。
【0015】無機質バインダーはアルミナ、シリカを含
むものであるが、本実施例ではシリカを含むことが望ま
しい。シリカを被覆層に含むことにより、石英管やガラ
ス基材への被覆層の密着性を強固にすることができる。
むものであるが、本実施例ではシリカを含むことが望ま
しい。シリカを被覆層に含むことにより、石英管やガラ
ス基材への被覆層の密着性を強固にすることができる。
【0016】活性炭は大部分が炭素で構成されている。
原子間の結晶構造はダイアモンド型と黒鉛型があり、共
有結合とファンデアワールス力により結合している。そ
の表面化学構造は疎水性である。酸素原子が数パーセン
ト含まれており、主に結晶子と結晶子の連結部の非晶質
領域に有機官能基の構成原子として存在している。この
ような炭素網平面の存在によって、活性炭の大部分の表
面は疎水性であるが、これらの官能基のために若干の親
水性も兼ね揃えている。よく検出される官能基としては
カルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、キノン
型カルボニル基などがある。活性炭の細孔は結晶子と結
晶子の間隙や連結部によって存在している。細孔は大き
さによってマクロ、マイクロなどに分類される。たとえ
ば、椰子殻活性炭は、ほとんど2nm以下のマイクロ孔
のみからなっている。したがって、椰子殻活性炭は比較
的分子サイズの小さなものを対象とする気相吸着に適し
ている。粒状活性炭ではマクロ孔の内壁にメソ孔が分布
し、メソ孔の内壁にマイクロ孔が分布している。通常の
吸着はマイクロ孔で起こるため、吸着が起こるためには
マクロ孔、メソ孔内を吸着質が拡散してこなければなら
ず、吸着速度は遅い。一方、繊維状活性炭は繊維表面に
マイクロ孔が開口しているため拡散をあまり必要としな
いので、吸着速度が大きいという特徴を有する。
原子間の結晶構造はダイアモンド型と黒鉛型があり、共
有結合とファンデアワールス力により結合している。そ
の表面化学構造は疎水性である。酸素原子が数パーセン
ト含まれており、主に結晶子と結晶子の連結部の非晶質
領域に有機官能基の構成原子として存在している。この
ような炭素網平面の存在によって、活性炭の大部分の表
面は疎水性であるが、これらの官能基のために若干の親
水性も兼ね揃えている。よく検出される官能基としては
カルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、キノン
型カルボニル基などがある。活性炭の細孔は結晶子と結
晶子の間隙や連結部によって存在している。細孔は大き
さによってマクロ、マイクロなどに分類される。たとえ
ば、椰子殻活性炭は、ほとんど2nm以下のマイクロ孔
のみからなっている。したがって、椰子殻活性炭は比較
的分子サイズの小さなものを対象とする気相吸着に適し
ている。粒状活性炭ではマクロ孔の内壁にメソ孔が分布
し、メソ孔の内壁にマイクロ孔が分布している。通常の
吸着はマイクロ孔で起こるため、吸着が起こるためには
マクロ孔、メソ孔内を吸着質が拡散してこなければなら
ず、吸着速度は遅い。一方、繊維状活性炭は繊維表面に
マイクロ孔が開口しているため拡散をあまり必要としな
いので、吸着速度が大きいという特徴を有する。
【0017】この他木炭は細胞孔が細孔として働き、活
性炭同様の作用を有するものである。また石炭は植物組
織の破砕片から成り立っているが、この破砕片のうち、
フジニットおよびセミフジニットと呼ばれる微細組織成
分は木炭同様に細胞孔を有するため、細孔として働くこ
とができる。したがって、石炭のなかでもフジニットま
たはセミフジニットと呼ばれる微細組織成分を含むもの
であれば活性炭同様な働きをする。
性炭同様の作用を有するものである。また石炭は植物組
織の破砕片から成り立っているが、この破砕片のうち、
フジニットおよびセミフジニットと呼ばれる微細組織成
分は木炭同様に細胞孔を有するため、細孔として働くこ
とができる。したがって、石炭のなかでもフジニットま
たはセミフジニットと呼ばれる微細組織成分を含むもの
であれば活性炭同様な働きをする。
【0018】吸着材は吸着できる臭気の総量に限界があ
るため、容量を超過したものは廃棄または再生して使用
する必要がある。つぎに、吸着材を再生するようにした
実施例を図2を参照しながら説明する。なお、上記実施
例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略す
る。
るため、容量を超過したものは廃棄または再生して使用
する必要がある。つぎに、吸着材を再生するようにした
実施例を図2を参照しながら説明する。なお、上記実施
例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略す
る。
【0019】図に示すように、3方バルブ9は、炊飯時
は外蓋10の上方向に活栓が開き、水蒸気を通路11を
通って外部へ放出する。炊飯終了後すぐに三方バルブ9
の活栓はガラス管12の方向に開く。ガラス管12は再
生可能な吸着剤を塗布している。米飯から発生する臭気
はガラス管12を通り、通路13から排出される。この
とき臭気を含んだガラス管12の吸着剤は、炊飯時の熱
により吸着した臭気物質を脱離して再生する。三方バル
ブ9は、手動またはコンピュータにより制御する。保温
時に米飯から発生する臭気は、ガラス管12の方向に導
けば、吸着剤により許容能力の限界まで臭気が吸着され
る。したがって、釜の内部を臭気が循環することがな
い。よって、米粒に臭気が付着したり、黄変することは
ない。吸着剤をガラス管12に塗布するのは熱による膨
張率が吸着剤と類似しているためである。ガラス管12
の代わりにたとえば金属管を用いたとすると熱膨張率が
吸着剤と大きく異なるため、吸着剤にひび割れ、剥離な
どが起こる可能性があるためである。
は外蓋10の上方向に活栓が開き、水蒸気を通路11を
通って外部へ放出する。炊飯終了後すぐに三方バルブ9
の活栓はガラス管12の方向に開く。ガラス管12は再
生可能な吸着剤を塗布している。米飯から発生する臭気
はガラス管12を通り、通路13から排出される。この
とき臭気を含んだガラス管12の吸着剤は、炊飯時の熱
により吸着した臭気物質を脱離して再生する。三方バル
ブ9は、手動またはコンピュータにより制御する。保温
時に米飯から発生する臭気は、ガラス管12の方向に導
けば、吸着剤により許容能力の限界まで臭気が吸着され
る。したがって、釜の内部を臭気が循環することがな
い。よって、米粒に臭気が付着したり、黄変することは
ない。吸着剤をガラス管12に塗布するのは熱による膨
張率が吸着剤と類似しているためである。ガラス管12
の代わりにたとえば金属管を用いたとすると熱膨張率が
吸着剤と大きく異なるため、吸着剤にひび割れ、剥離な
どが起こる可能性があるためである。
【0020】つぎに、本発明の実施例について説明す
る。 (実施例1) 活性炭を吸着剤とした実施例 5合の米飯に対して比表面積1000m2/gの活性炭
5gを吸着剤として図1の吸着材7を構成して取り付
け、保温時の米飯の臭いと米粒の色調の変化を経時的に
測定した。その結果を(表1)に示している。
る。 (実施例1) 活性炭を吸着剤とした実施例 5合の米飯に対して比表面積1000m2/gの活性炭
5gを吸着剤として図1の吸着材7を構成して取り付
け、保温時の米飯の臭いと米粒の色調の変化を経時的に
測定した。その結果を(表1)に示している。
【0021】
【表1】
【0022】ただし、 +:臭気および色調の変化あり ++:臭気および色調の強い変化あり −:臭気および色調の変化なし としている。
【0023】(表1)より明らかなように、従来例では
2時間経過したところで臭気が計測され、3時間経過す
ると色調にも変化が見られた。また、6時間経過後は米
飯の1粒1粒に臭いの付着が認められた。一方、本実施
例は24時間保温しても保温時の臭いが確認されなかっ
た。このように、保温時に発生する臭気を吸着するため
に米飯に活性炭を入れることにより、活性炭が米飯の保
温時に特有の臭いや米粒が黄変することを抑制すること
が認められた。
2時間経過したところで臭気が計測され、3時間経過す
ると色調にも変化が見られた。また、6時間経過後は米
飯の1粒1粒に臭いの付着が認められた。一方、本実施
例は24時間保温しても保温時の臭いが確認されなかっ
た。このように、保温時に発生する臭気を吸着するため
に米飯に活性炭を入れることにより、活性炭が米飯の保
温時に特有の臭いや米粒が黄変することを抑制すること
が認められた。
【0024】なお、使用した活性炭の比表面積と米飯の
割合は上記実施例に特に限定したものではない。また、
木炭、石炭を使用した時も同様の結果が得られた。
割合は上記実施例に特に限定したものではない。また、
木炭、石炭を使用した時も同様の結果が得られた。
【0025】(実施例2) ゼオライトを吸着剤とした
実施例 米飯5合に対して比表面積500m2/gのゼオライト
10gを吸着剤として図2のガラス管12に塗布し、保
温時の米飯の臭いと米粒の色調の変化を経時的に測定し
た。その結果を(表2)に示している。
実施例 米飯5合に対して比表面積500m2/gのゼオライト
10gを吸着剤として図2のガラス管12に塗布し、保
温時の米飯の臭いと米粒の色調の変化を経時的に測定し
た。その結果を(表2)に示している。
【0026】
【表2】
【0027】ただし、 +:臭気および色調の変化あり ++:臭気および色調の強い変化あり ±:臭気および色調の変化若干あり −:臭気および色調の変化なし としている。
【0028】(表2)より明らかなように、従来例では
2時間経過したところで臭気が計測され、3時間経過す
ると色調にも変化が見られた。また、6時間経過後は米
飯の1粒1粒に臭いの付着が認められた。一方、本実施
例は24時間保温しても保温時の臭いが確認されなかっ
た。しかし、32時間保温するとごく微量の臭気の発生
が見られた。このように、米飯の臭気を除去する目的で
臭気の抜け道にゼオライトを入れることにより、米飯の
保温時に特有の臭気や米粒が黄変することを抑制するこ
とが認められた。
2時間経過したところで臭気が計測され、3時間経過す
ると色調にも変化が見られた。また、6時間経過後は米
飯の1粒1粒に臭いの付着が認められた。一方、本実施
例は24時間保温しても保温時の臭いが確認されなかっ
た。しかし、32時間保温するとごく微量の臭気の発生
が見られた。このように、米飯の臭気を除去する目的で
臭気の抜け道にゼオライトを入れることにより、米飯の
保温時に特有の臭気や米粒が黄変することを抑制するこ
とが認められた。
【0029】なお、使用したゼオライトの比表面積と米
飯の割合は上記実施例に特に限定したものではない。ま
た、木炭、石炭を使用した時も同様の結果が得られた。
また、吸着剤は炊飯時に発生する熱により再生可能であ
ることも確認された。
飯の割合は上記実施例に特に限定したものではない。ま
た、木炭、石炭を使用した時も同様の結果が得られた。
また、吸着剤は炊飯時に発生する熱により再生可能であ
ることも確認された。
【0030】以上のように本発明は、従来例と比較する
と臭気を吸着させることにより米飯保温時の臭いの付着
や米粒の黄変を抑制することができた。
と臭気を吸着させることにより米飯保温時の臭いの付着
や米粒の黄変を抑制することができた。
【0031】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
によれば、炭素質または多孔質無機物を主成分とする吸
着剤を脱臭剤として炊飯器中に挿入することにより、米
飯を保温するときに発生する臭気物質を吸着し、保温時
特有の臭気や米粒の色調の変化を抑制することが可能と
なり、実用上きわめて有効なものである。
によれば、炭素質または多孔質無機物を主成分とする吸
着剤を脱臭剤として炊飯器中に挿入することにより、米
飯を保温するときに発生する臭気物質を吸着し、保温時
特有の臭気や米粒の色調の変化を抑制することが可能と
なり、実用上きわめて有効なものである。
【図1】本発明の一実施例の脱臭機能付炊飯器の断面図
【図2】本発明の他の実施例の脱臭機能付炊飯器の断面
図
図
7 吸着材(臭気吸着剤)
Claims (9)
- 【請求項1】 炊飯物より発生する臭気を吸着する臭気
吸着剤を設けた脱臭機能付炊飯器。 - 【請求項2】 臭気吸着剤は、多孔質無機物または炭質
物で構成した請求項1記載の脱臭機能付炊飯器。 - 【請求項3】 多孔質無機物は、ゼオライト、珪酸マグ
ネシウムの少なくとも一つと無機質バインダーで構成し
た請求項2項記載の脱臭機能付炊飯器。 - 【請求項4】 炭質物は、活性炭、木炭、石炭のうちの
少なくとも一つで構成した請求項2項記載の脱臭機能付
炊飯器。 - 【請求項5】 石炭は、微細組織成分としてフジニット
またはセミフジニットを含有した請求項4項記載の脱臭
機能付炊飯器。 - 【請求項6】 多孔質無機物は、ガラス管により被覆し
た構成とした請求項2記載の脱臭機能付炊飯器。 - 【請求項7】 臭気吸着剤は、炊飯物と接触しない位置
に配設した請求項1から6項のいずれか1項に記載の脱
臭機能付炊飯器。 - 【請求項8】 少なくとも蒸気排出口と臭気吸着剤およ
び切り替え弁とを備え、炊飯中は前記蒸気排出口から蒸
気を排出し、炊飯終了後に切り替え弁によって蒸気が臭
気吸着剤を通過するようにした脱臭機能付炊飯器。 - 【請求項9】 炊飯時の熱により臭気の脱着が可能であ
るようにした脱臭機能付炊飯器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092530A JPH05285040A (ja) | 1992-04-13 | 1992-04-13 | 脱臭機能付炊飯器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092530A JPH05285040A (ja) | 1992-04-13 | 1992-04-13 | 脱臭機能付炊飯器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05285040A true JPH05285040A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14056916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4092530A Pending JPH05285040A (ja) | 1992-04-13 | 1992-04-13 | 脱臭機能付炊飯器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05285040A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0847352A (ja) * | 1994-08-08 | 1996-02-20 | Hitachi Kako Kk | ペット用トイレ砂 |
KR20010113981A (ko) * | 2000-06-20 | 2001-12-29 | 정 담 | 숯수납부를 갖는 전기밥솥 |
-
1992
- 1992-04-13 JP JP4092530A patent/JPH05285040A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0847352A (ja) * | 1994-08-08 | 1996-02-20 | Hitachi Kako Kk | ペット用トイレ砂 |
KR20010113981A (ko) * | 2000-06-20 | 2001-12-29 | 정 담 | 숯수납부를 갖는 전기밥솥 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7255647B2 (ja) | 機能性材料が付着された材料及びその製造方法、浄水器及びその製造方法 、浄水器カートリッジ及びその製造方法、空気清浄機及びその製造方法、フィルター部材及びその製造方法、支持部材及びその製造方法、発泡ポリウレタンフォーム及びその製造方法、ボトル及びその製造方法、容器及びその製造方法、キャップ又は蓋から成る部材及びその製造方法、固形化された多孔質炭素材料又は該多孔質炭素材料の粉砕品と結着剤とから成る材料及びその製造方法、並びに、多孔質炭素材料及びその製造方法 | |
TWI548450B (zh) | 包含複合吸收劑的真空絕熱材料 | |
US3449266A (en) | Stabilized solid granular perfume composition | |
JP2002512083A (ja) | 臭気吸着能をもつ繊維部材およびその製造方法 | |
IE843336L (en) | Hydrophobic microporous tectosilicate | |
JPH05285040A (ja) | 脱臭機能付炊飯器 | |
JP4769927B2 (ja) | シリカ吸着材の製造方法 | |
JPH07148073A (ja) | ゼオライトを用いた調理用器材 | |
JP3945369B2 (ja) | 脱臭体 | |
JP2001219059A (ja) | 珪質頁岩を利用した調湿消臭材料 | |
JP3528293B2 (ja) | 脱臭剤 | |
JPS6322185B2 (ja) | ||
JPH11319810A (ja) | 水質改善具 | |
JPH08308917A (ja) | 脱臭装置 | |
JP4562838B2 (ja) | ゲル状脱臭剤 | |
JPS62286538A (ja) | 消臭剤及びその製造方法 | |
JP3295973B2 (ja) | 耐熱性層状シリカ多孔体及びその製造方法 | |
JPH0810150A (ja) | 脱臭・再生機能付炊飯器 | |
JP2000139726A (ja) | 油の浄化装置及び方法 | |
JPH1043583A (ja) | エチレン吸着剤 | |
JPH08245210A (ja) | 金属酸化物を担持した活性炭の製造方法 | |
JPH10314577A (ja) | 脱臭剤 | |
JPH05133530A (ja) | 加熱調理器 | |
HU180470B (hu) | Szagtalanító hatású regenerálható, többkomponensű ásványi kompozíció | |
JPH0759650A (ja) | 炊飯・保温器 |