JPH05284970A - ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用 - Google Patents

ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用

Info

Publication number
JPH05284970A
JPH05284970A JP8516792A JP8516792A JPH05284970A JP H05284970 A JPH05284970 A JP H05284970A JP 8516792 A JP8516792 A JP 8516792A JP 8516792 A JP8516792 A JP 8516792A JP H05284970 A JPH05284970 A JP H05284970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ala
asp
val
gly
thr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8516792A
Other languages
English (en)
Inventor
Miki Kobayashi
幹 小林
Keiko Kohama
恵子 小浜
Yasurou Kurusu
泰朗 久留主
Hideaki Yugawa
英明 湯川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Petrochemical Co Ltd filed Critical Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority to JP8516792A priority Critical patent/JPH05284970A/ja
Publication of JPH05284970A publication Critical patent/JPH05284970A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233
からジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする
遺伝子を含むDNA断片を単離し、この遺伝子の塩基配
列を決定した。 【効果】 このジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼを
コードする遺伝子DNAを導入したコリネ型細菌内で複
製増殖可能なプラスミドで形質転換されたブレビバクテ
リウム・フラバムMJ233−dapYのL−リジン産
生能は著しく増加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジアミノピメリン酸デ
ヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.16.)をコー
ドする遺伝子を含むブレビバクテリウム属細菌由来の遺
伝子DNA、該遺伝子DNAを含む組換えプラスミド、
該プラスミドで形質転換されたコリネ型細菌、及び該コ
リネ型細菌を用いるL−リジンの製造法に関する。
【0002】L−リジンは、必須アミノ酸として蛋白質
中にその存在が知られ、医薬や食品添加物として用いら
れている。
【0003】
【従来の技術】従来、L−リジンの工業的製造法として
は、グルタミン生産菌であるコリネ型細菌の各種栄養要
求株、各種製剤耐性株、各種薬剤感受性株を用いてL−
リジンを製造する方法が知られている(例えば、特公昭
51−21078号公報、特公昭53−1833号公
報、特公昭62−8692号公報等参照)。また、組換
え菌を用いた製造法も提案されている(特開昭56−1
60997号公報、特開昭60−62994号公報、特
開昭62−79788号公報等参照)。しかしながら、
従来提案されている方法によるL−リジンの製造法で
は、対糖収率が低く及び/又はL−リジンの蓄積に限界
があり、新たな観点から、遺伝子工学的手法による菌株
の改良等を含め、L−リジンをより効率的に生成させる
方法の提供が強く求められている。
【0004】一方、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナー
ゼ(E.C.1.4.1.16.)をコードする遺伝子
としては、コリネバクテリウム・グルタミカム(Cor
ynebacterium glutamicum)由
来のものが知られている(Nucleic Acids
Research 15,p3917,1987参
照)。しかしながら、ブレビバクテリウム(Brevi
bacterium)属由来のジアミノピメリン酸デヒ
ドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.16.)をコード
する遺伝子については従来の報告例は見当らない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ブレ
ビバクテリウム属細菌由来のジアミノピメリン酸デヒド
ロゲナーゼ(E.C.1.4.1.16.)をコードす
る遺伝子を単離し、該遺伝子を同種であるブレビバクテ
リウム属細菌に導入し、該ブレビバクテリウム属細菌を
用いて、新たな観点から効率的にL−リジンを製造する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ブレビバクテリウ
ム属細菌染色体よりジアミノピメリン酸デヒドロゲナー
ゼ遺伝子を単離し、該遺伝子を適当なベクタープラスミ
ドに導入して、コリネ型細菌を形質転換し、該形質転換
されたコリネ型細菌を用いると、効率的にL−リジンを
製造しうることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0007】かくして本発明によれば (1)ブレビバクテリウム属細菌由来のジアミノピメリ
ン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子DNA; (2)該遺伝子DNAが導入された組換えプラスミド; (3)該組換えプラスミドで形質転換されたコリネ型細
菌;及び (4)該形質転換されたコリネ型細菌を用い、グルコー
スを原料としてL−リジンを製造する方法が提供され
る。
【0008】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明の「ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼを
コードする遺伝子DNA」とは、ジアミノピメリン酸よ
りアンモニアを解離させ水を付加する酵素、すなわちジ
アミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.
1.16.)をコードする遺伝子DNAを意味するもの
である。
【0009】ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコ
ードする遺伝子を含むDNA断片(以下、これを「A断
片」と略称することがある)は、その塩基配列が決定さ
れた後においては合成することも可能であるが、通常は
ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ生産性微生物から
クローニングされる場合が多く、その供給源となる微生
物としては、ブレビバクテリウム属細菌、殊にブレビバ
クテリウム・フラバム(Brevibacterium
flavum)MJ−233(FERM BP−14
97)およびその由来株が有利に使用される。
【0010】これらの供給源微生物からA断片を調製す
るための基本的操作の一例を述べれば次のとおりであ
る:A断片は、上記ブレビバクテリウム属細菌、例えば
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233(FERM
BP−1497)株の染色体上に存在し、この染色体
を適当な制限酵素で切断することにより生ずる切断断片
の中から以下に述べる方法で分離、取得することができ
る。
【0011】先ず、ブレビバクテリウム・フラバムMJ
−233株の培養物から染色体DNAを抽出する。この
染色体DNAを適当な制限酵素、例えばKpnI,Xh
oIを用いて染色体DNAを完全に分解する。得られる
DNA断片をクローニングベクター、例えばpHSG3
99(宝酒造製)に挿入し、このベクターを用いて、サ
クシニルジアミノピメリン酸アミノトランスフェラーゼ
遺伝子が欠損したL−リジン要求性大腸菌(エシェリヒ
ア・コリ)変異株CGSC4545〔エシェリヒア・コ
リ ジエネテック・ストックセンター(Escheri
chia coli Genetic StockCe
nter)、デパートメントオブバイオロジー、エール
ユニバーシィティ(Department of Bi
ology,Yale University);P.
O.Box6666 New Haven,CT 06
511−744、U.S.A.保存菌株〕を形質転換
し、選択培地に塗抹することにより、形質転換株を取得
する。さらに形質転換株よりプラスミドDNAを抽出
し、サクシニルジアミノピメリン酸アシラーゼ遺伝子が
欠損したL−リジン要求性大腸菌変異株CGSC455
8〔エシェリヒア・コリ ジエネテック・ストック セ
ンター(Escherichia coli Gene
tic Stock Center)、デパートメント
オブバイオロジー、エールユニバーシィティ(Depa
rtment of Biology,Yale Un
iversity);P.O.Box6666 New
Haven,CT 06511−744、U.S.
A.保存菌株〕を形質転換し、選択培地に塗抹すること
により、形質転換株を取得することができる。
【0012】得られる形質転換株よりプラスミドDNA
を抽出し、制限酵素で解析することにより挿入されたブ
レビバクテリウム・フラバムMJ−233株染色体由来
のA断片を確認・取得することができる。かくして得ら
れるA断片をさらに適当な制限酵素を用いて切断し、得
られるDNA断片を、大腸菌で複製可能なベクタープラ
スミドに挿入し、このベクタープラミスドを、通常用い
られる形質転換法、例えば、塩化カルシウム法、電気パ
ルス法等による形質転換により、前記L−リジン要求性
大腸菌変異株CGSC4545又はCGSC4558に
導入し、選択培地に塗抹する。
【0013】得られる形質転換体よりプラスミドDNA
を抽出し、制限酵素で解析することにより挿入されたブ
レビバクテリウム・フラバムMJ−233株染色体由来
のA断片を確認・取得することができる。このようにし
て得られるA断片の一つは、上記ブレビバクテリウム・
フラバムMJ−233株の染色体DNAを制限酵素Kp
nIの完全分解により切り出し、さらにそれを制限酵素
XhoIで切断することによって得られる大きさが約
1.6kbのDNA断片を挙げることができる。
【0014】この約1.6kbのジアミノピメリン酸デ
ヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片
を、各種の制限酵素で切断したときの認識部位数及び切
断断片の大きさを下記第1表に示す。
【0015】
【表1】 第 1 表 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kb) BamHI 1 0.6、 1.0 SphI 1 0.2、 1.4 Hind III 1 0.7、 0.9 NaeI 2 0.8、 0.3、 0.5
【0016】なお、本明細書において、制限酵素による
「認識部位数」は、DNA断片又はプラスミドを、制限
酵素の存在下で完全分解し、それらの分解物をそれ自体
既知の方法に従い1%アガロースゲル電気泳動および5
%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、分離可能な
断片の数から決定した値を採用した。
【0017】また、「切断断片の大きさ」及びプラスミ
ドの大きさは、アガロースゲル電気泳動を用いる場合に
は、エシェリヒア・コリのラムダファージ(λphag
e)のDNAを制限酵素Hind III で切断して得ら
れる分子量既知のDNA断片の同一アガロースゲル上で
の泳動距離で描かれる標準線に基づき、また、ポリアク
リルアミドゲル電気泳動を用いる場合には、エシェリヒ
ア・コリのファイ・エックス174ファージ(φx17
4phage)のDNAを制限酵素Hae IIIで切断し
て得られる分子量既知のDNA断片の同一ポリアクリル
アミドゲル上での泳動距離で描かれる標準線に基づき、
切断DNA断片又はプラスミドの各DNA断片の大きさ
を算出した。プラスミドの大きさは、切断断片それぞれ
の大きさを加算して求めた。なお、各DNA断片の大き
さの決定において、1kb以上の断片の大きさについて
は、1%アガロースゲル電気泳動によって得られる結果
を採用し、約0.1kbから1kb未満の断片の大きさ
については4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動によっ
て得られる結果を採用した。
【0018】一方、上記のブレビバクテリウム・フラバ
ムMJ−233の染色体DNAを制限酵素KpnIおよ
びXhoIによって切断することにより得られる大きさ
が約1.6kbのDNA断片については、その塩基配列
をプラスミドpUC118および/またはpUC119
(宝酒造製)を用いるジデオキシヌクレオチド酵素法
(dideoxychain termination
法、Sanger,F.et.al.,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA,74,p5463,
1977)により決定することができる。このようにし
て決定した上記約1.6kbのDNA断片の塩基配列の
オープンリーディングフレームの存在から決定したジア
ミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子
は、後記配列表の配列番号:1に示す配列を有するもの
であり、320個のアミノ酸をコードする960の塩基
対から構成されている。
【0019】上記した後記配列表の配列番号:1に示す
塩基配列を包含する本発明のジアミノピメリン酸デヒド
ロゲナーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片は、天
然のブレビバクテリウム属細菌染色体DNAから分離さ
れたもののみならず、通常用いられるDNA合成装置、
例えばベックマン社製System−1 Plusを用
いて合成されたものであってもよい。
【0020】また、上記の如くブレビバクテリウム・フ
ラバムMJ−233の染色体DNAから取得される本発
明のDNA断片は、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナー
ゼをコードする機能を実質的に損なうことがない限り、
塩基配列の一部の塩基が他の塩基と置換されていてもよ
く又は削除されていてもよく、或いは新たに塩基が挿入
されていてもよく、さらに塩基配列の一部が転位されて
いるものであってもよく、これらの誘導体のいずれも
が、本発明のジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコ
ードする遺伝子を含むDNA断片に包含されるものであ
る。
【0021】以上に詳述した大きさが約1.6kbのD
NA断片の制限酵素による切断点地図を図1に示す。本
発明のジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードす
る遺伝子を含むDNA(A断片)は、適当なプラスミ
ド、例えば、コリネ型細菌内でプラスミドの複製増殖機
能を司る遺伝子を少くとも含むプラスミドベクターに導
入することにより、コリネ型細菌内でジアミノピメリン
酸デヒドロゲナーゼの高発現可能な組換えプラスミドを
得ることができる。
【0022】また、本発明のジアミノピメリン酸デヒド
ロゲナーゼをコードする遺伝子を発現させるためのプロ
モーターはコリネ型細菌が保有する該遺伝子自身のプロ
モーターであることができるが、それに限られるもので
はなく、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の
転写を開始させるための原核生物由来の塩基配列であれ
ばいかなるプロモーターであってもよい。
【0023】本発明のA断片を導入することができる、
コリネ型細菌内での複製増殖機能を司る遺伝子を少くと
も含むプラスミドベクターとしては、例えば、特開平3
−210184号公報に記載のプラスミドpCRY3
0;特開平2−276575号公報に記載のプラスミド
pCRY21、pCRY2KE、pCRY2KX、pC
RY31、pCRY3KE及びpCRY3KX;特開平
1−191686号公報に記載のプラスミドpCRY2
及びpCRY3;特開昭58−67679号公報に記載
のpAM330;特開昭58−77895号公報に記載
のpHM1519;特開昭58−192900号公報に
記載のpAJ655、pAJ611及びpAJ184
4;特開昭57−134500号に記載のpCG1;特
開昭58−35197号公報に記載のpCG2;特開昭
57−183799号公報に記載のpCG4及びpCG
11等を挙げることができる。
【0024】中でもコリネ型細菌の宿主−ベクター系で
用いられるプラスミドベクターとしては、コリネ型細菌
内でプラスミドの複製増殖機能を司る遺伝子とコリネ型
細菌内でプラスミドの安定化機能を司る遺伝子とをもつ
ものが好ましく、例えば、プラスミドpCRY30、p
CRY21、pCRY2KE、pCRY2KE、pCR
Y2KX、pCRY31、pCRY3KE及びpCRY
3KX等が好適に使用される。
【0025】上記プラスミドベクターpCRY30を調
製する方法としては、ブレビバクテリウム・スタチオニ
ス(Brevibacterium stationi
)IFO12144(FERM BP−2515)か
らプラスミドpBY503(このプラスミドの詳細につ
いては特開平1−95785号公報参照)DNAを抽出
し、制限酵素XhoIで大きさが約4.0kbのプラス
ミドの複製増殖機能を司る遺伝子を含むDNA断片を切
り出し、制限酵素EcoRIおよびKpnIで大きさが
約2.1kbのプラスミドの安定化機能を司る遺伝子を
含むDNA断片を切り出す。これらの両断片をプラスミ
ドpHSG298(宝酒造製)のEcoRI、KpnI
部位及びSalI部位に組み込むことにより、プラスミ
ドベクターpCRY30を調製することができる。
【0026】次に、上記プラスミドベクターへの本発明
のA断片の導入は、例えばプラスミドベクター中に1個
所だけ存在する制限酵素部位を、該制限酵素で開裂し、
そこに前記A断片および開裂したプラスミドベクターを
必要に応じてS1ヌクレアーゼで処理して平滑末端とす
るか、または適当なアダプターDNAの存在下にDNA
リガーゼ処理で連結させることにより行うことができ
る。
【0027】プラスミドpCRY30への本発明のA断
片の導入は、プラスミドpCRY30を制限酵素Eco
RIで開裂させ、そこに前記ジアミノピメリン酸デヒド
ロゲナーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片(A断
片)をDNAリガーゼで連結させることにより行うこと
ができる。かくして造成されるプラスミドpCRY30
に本発明の大きさが約1.6kbのA断片を導入した組
換えプラスミドは、L−リジンの製造に好適に用いるこ
とができる組換えプラスミドの一つであり、本発明者ら
はこれをプラスミドpCRY30−dapYと命名し
た。プラスミドpCRY30−dapYの作成方法の詳
細については、後記実施例4で説明する。
【0028】このようにして造成されるジアミノピメリ
ン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を含むコリネ型細菌内で複
製増殖可能なプラスミドを、宿主微生物に導入して該微
生物の培養物を用いてL−リジンを安定に効率よく生産
することが可能となる。本発明によるプラスミドで形質
転換しうる宿主微生物としては、コリネ型細菌、例えば
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233(FERM
BP−1497)、ブレビバクテリウム・フラバムM
J−233−AB−41(FERM BP−149
8)、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233−A
BT−11(FERM BP−1500)、ブレビバク
テリウム・フラバムMJ−233−ABD−21(FE
RM BP−1499)等が挙げられる。
【0029】なお、上記のFERM BP−1498の
菌株は、FERM BP−1497の菌株を親株として
DL−α−アミノ酪酸耐性を積極的に付与されたエタノ
ール資化性微生物である(特公昭59−28398号公
報参照)。また、FERMBP−1500の菌株は、F
ERM BP−1497の菌株を親株としたL−α−ア
ミノ酪酸トランスアミナーゼ高活性変異株である(特開
昭62−51998号公報参照)。さらに、FERM
BP−1499の菌株はFERM BP−1497の菌
株を親株としたD−α−アミノ酪酸デアミナーゼ高活性
変異株である(特開昭61−177993号公報参
照)。
【0030】これらの微生物の他に、ブレビバクテリウ
ム・アンモニアゲネス(Brevibacterium
ammoniagenes)ATCC6871、同A
TCC13745、同ATCC13746;ブレビバク
テリウム・デバリカタム(Brevibacteriu
divaricatum)ATCC14020、ブ
レビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevi
bacteriumlactofermentum)A
TCC13869、コリネバクテリウム・グルタミカム
Corynebacterium glutamic
um)ATCC31831等を宿主微生物として用いる
こともできる。
【0031】なお、宿主としてブレビバクテリウム・フ
ラバムMJ−233由来の菌株を用いる場合、本菌株が
保有するプラスミドpBY502(特開昭63−367
87号公報参照)のため、形質転換が困難である場合が
あるので、そのような場合には、本菌株よりプラスミド
pBY502を除去することが望ましい。そのようなプ
ラスミドpBY502を除去する方法としては、例え
ば、継代培養を繰り返すことにより自然に欠失させるこ
とも可能であるし、人為的に除去することも可能である
〔Bact.Rev.36 p.361〜405(19
72)参照〕。上記プラスミドpBY502を人為的に
除去する方法の一例を示せば次のとおりである。
【0032】宿主ブレビバクテリウム・フラバムMJ−
233の生育を不完全に阻害する濃度のアクリジンオレ
ンジ(濃度:0.2〜50μg/ml)もしくはエチジ
ウムブロミド(濃度:0.2〜50μg/ml)等を含
む培地に、1ml当り約10細胞になるように植菌し、
生育を不完全に阻害しながら約24時間約35℃で培養
する。培養液を希釈後寒天培地に塗布し、約35℃で約
2日培養する。出現したコロニーから各々独立にプラス
ミド抽出操作を行い、プラスミドpBY502が除去さ
れている株を選択する。この操作によりプラスミドpB
Y502が除去されたブレビバクテリウム・フラバムM
J−233由来菌株が得られる。
【0033】このようにして得られるブレビバクテリウ
ム・フラバムMJ−233由来菌株への前記プラスミド
の形質転換法としては、エシェリヒア・コリ及びエルビ
ニア・カロトボラについて知られているように〔Cal
vin,N.M.and Hanawalt,P.
C.,Journal of Bacteriolog
y,170,2796(1988);Ito,K.,N
ishida,T.andIzaki.K.,Agri
cultural and Biological C
hemistry,52,293(1988)参照〕、
DNA受容菌へのパルス波通電〔Satoh,Y.et
al.,Journal of Industria
l Microbiology,,159(199
0)参照〕によりプラスミドを導入することが可能であ
る。
【0034】かくして得られる、本発明の、ジアミノピ
メリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子DNAが
導入されたプラスミドで形質転換されたコリネ型細菌
は、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ高産生能を有
しており、L−リジンの製造に好適に用いることができ
る。これらのコリネ型細菌の好適具体例としては、例え
ば前記プラスミドpCRY30−dapYを保有するブ
レビバクテリウム・フラバムMJ233−dapY(F
ERM P−12859)を挙げることができる。
【0035】上記の方法で形質転換して得られるジアミ
ノピメリン酸デヒドロゲナーゼ産生能を有するコリネ型
細菌、例えばブレビバクテリウム・フラバムMJ−23
3由来株の培養方法を以下に述べる。培養は炭素源、窒
素源、無機塩等を含む通常の栄養培地で行うことがで
き、炭素源としては、例えばグルコース、エタノール、
メタノール、廃糖蜜等が、そして窒素源としては、例え
ばアンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、
硝酸アンモニウム、尿素等がそれぞれ単独もしくは混合
して用いられる。また、無機塩としては、例えばリン酸
−水素カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシ
ウム等が用いられる。この他にペプトン、肉エキス、酵
母エキス、コーンスティープリカー、カザミノ酸、ビオ
チン等の各種ビタミン等の栄養素を培地に添加すること
ができる。
【0036】培養は、通常、通気撹拌、振盪等の好気条
件下に、約20〜約40℃、好ましくは約25℃〜約3
5℃の温度で行うことができる。培養途中のpHは5〜
10、好ましくは7〜8付近とすることができ、培養中
のpH調整は酸又はアルカリを添加して行うことができ
る。培養開始時の炭素源濃度は、好ましくは1〜5容量
%、更に好ましくは2〜3容量%である。また、培養期
間は通常1〜7日間とすることができ、最適期間は3日
間である。
【0037】このようにして得られる培養物又は培養物
から得られる菌体はL−リジンの製造に使用することが
できる。L−リジン生成反応においては、これらの培養
物又は菌体をそのまま用いることができ、あるいは菌体
に超音波処理等を加えた菌体破砕物、さらにそれから分
離回収した粗酵素又は精製酵素として、あるいはそれら
を適当な担体に固定化して用いることができる。以上に
述べた如き菌体の破砕物や粗または精製酵素、固定化物
等を本明細書ではまとめて「菌体処理物」という。
【0038】しかして本発明に従えば、グルコースを、
上記培養菌体又は菌体処理物と接触させて、L−リジン
を生成せしめることからなるL−リジンの製造法が提供
される。グルコースと上記培養菌体又は菌体処理物との
接触は、通常の酵素反応と同様に、水性反応液中におい
て、行なうことができる。
【0039】特に、本発明のプラスミドで形質転換しう
る宿主微生物がビオチン要求性のコリネ型細菌である場
合は、上記の如く調製された培養菌体またはその固定化
物と、少なくともグルコースを含有しかつビオチンを含
有しない水性反応液中で、グルコースを接触させてL−
リジンを生成せしめるのが好適である。この場合、ビオ
チン要求性のコリネ型細菌はビオチンを実質的に含有し
ない水性反応液中では菌体増殖せずに、該菌体の保有す
る代謝系においてグルコースがエネルギー共役を伴う酵
素反応を介して反応せしめられ、L−リジンが製造され
る。
【0040】上記水性反応液中のグルコース濃度は、通
常0.1〜5.0重量%の範囲内とすることができる。
グルコースは反応中上記範囲内の濃度に維持されるよう
に連続的または間欠的に水性反応液に添加するのが好ま
しい。該水性反応液は、上記のように、グルコースを含
有し且つビオチンを実質的に含有しない水あるいはリン
酸またはトリス塩酸等の緩衝液であることもできるが、
好ましくはグルコースを含有し且つビオチンを含有しな
い合成培地が用いられる。この合成培地には、酵母エキ
ス、ペプトン、コーンスティープリカー等の天然栄養物
質を含まない化学構造が既知の無機窒素源及び/又は無
機物を含有する水溶液が包含される。本発明において用
いうる合成培地の無機窒素源としては、例えばアンモニ
ア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモ
ニウム、リン酸アンモニウム等を例示することができ、
また、無機物としては、例えば、リン酸−水素カリウ
ム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マ
ンガン、硫酸鉄等を例示することができる。これらの無
機窒素源および無機塩はそれぞれ、単独でまたは2種以
上混合して用いることができる。
【0041】本発明に従うL−リジン製造法において用
いられる合成培地の一例を示すと次のとおりである:
(NH4)2 SO4 2g/1;KH2 PO4 0.5g/
1;K2HPO4 0.5g/1;MgSO4 ・7H2
0.5g/1;FeSO4 ・7H 2 O20ppm;Mn
SO4 ・4〜6H2 O20ppm含有するpH7.6の
水溶液。
【0042】本発明のL−リジン製造法において使用さ
れる前記のようにして調製された培養菌体又は菌体処理
物の使用量は、特に制限されるものではないが、培地の
容量を基準にして一般に1〜50%(wt/vol)、
好ましくは2〜20%(wt/vol)の範囲内の濃度
で使用することができる。上記したとおりの組成を有す
る水性反応液中における培養菌体又は菌体処理物を用い
る酵素反応は、一般に約20〜約50℃、好ましくは約
30〜約40℃の温度で通常約10〜約72時間行うこ
とができる。
【0043】上記の如く酵素反応によって生成するL−
リジンの水性反応液からの分離、精製は、それ自体既知
の通常用いられる方法に従って行なうことができ、例え
ば、イオン交換樹脂処理法、晶析法等の方法を適宜組合
せて行うことができる。
【0044】また、本発明のコリネ型細菌は、通常の酵
素法及び菌体増殖を伴う通常の発酵法によるL−リジン
の製造法にも用いることができる。
【0045】
【実施例】以上に本発明を説明してきたが、下記の実施
例によりさらに具体的に説明する。実施例1 ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233由来のジア
ミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を
含むDNA(A断片)のクローン化 (A)ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233の全
DNAの抽出 半合成培地A培地〔組成:尿素2g、(NH4)2 SO4
7g、K2 HPO4 0.5g、KH2 PO4 0.5g、
MgSO4 0.5g、FeSO4 ・7H2 O6mg、M
nSO4 4〜6H2 O6mg、酵母エキス2.5g、カ
ザミノ酸5g、ビオチン200μg、塩酸チアミン20
0μg、グルコース20g、蒸留水1l〕1lにブレビ
バクテリウム・フラバムMJ−233(FERM BP
−1497)を対数増殖期後期まで培養し、菌体を集め
た。得られた菌体を10mg/mlの濃度にリゾチーム
を含む10mM NaCl−20mMトリス緩衝液(p
H8.0)−1mM EDTA−2Na溶液15mlに
懸濁した。次にプロテナーゼKを、最終濃度が100μ
g/mlになるように添加し、37℃で1時間保温し
た。さらにドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度が0.5
%になるように添加し、50℃で6時間保温して溶菌し
た。この溶菌液に、等量のフェノール/クロロホルム溶
液を添加し、室温で10分間ゆるやかに振盪した後、全
量を遠心分離(5,000×g、20分間、10〜12
℃)し、上清画分を分取し、酢酸ナトリウムを0.3M
となるように添加した後、2倍量のエタノールをゆっく
りと加えた。水層とエタノール層の間に存在するDNA
をガラス棒でまきとり、70%エタノールで洗浄した
後、風乾した。得られたDNAに10mMトリス緩衝液
(pH7.5)−1mM EDTA・2Na溶液5ml
に加え、4℃で一晩静置し、以後の実験に用いた。
【0046】(B)組換え体の創製 上記(A)項で得たブレビバクテリウム・フラバムMJ
−233の全DNA溶液の90μlを制限酵素KpnI
50unitsを用い、37℃で1時間反応させ完全分
解した。このKpnI分解DNAにクローニングベクタ
ーpHSG399(宝酒造より市販)を制限酵素Kpn
Iで切断した後、脱リン酸化処理したものを混合し、5
0mMトリス緩衝液(pH7.6)、10mMジチオス
レイトール、1mM ATP、10mM MgCl2
びT4 DNAリガーゼ1unitの各成分を添加し(各
成分の濃度は最終濃度である)、4℃で15時間反応さ
せ、結合させた。
【0047】(C)ジアミノピメリン酸デヒドロゲナー
ゼをコードする遺伝子を含むプラスミドの選択 ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝
子が導入されたプラスミドの選択は、L−リジン要求性
大腸菌変異株、すなわちエシェリヒア・コリCGSC4
545〔サシニルジアミノピメリン酸アミノトランスフ
ェラーゼ遺伝子欠損株;遺伝子型(Genotyp
e):dapD〕およびエシェリヒア・コリCGSC4
548〔サクシニルジアミノピメリン酸デアシラーゼ遺
伝子欠損株;遺伝子型(Genotype):dap
E〕を用いて行った。
【0048】上記(B)項で得られたプラスミド混液を
用い、塩化カルシウム(Journal of Mol
ecular Biology,53,159,197
0)により上記エシェリヒア・コリCGSC4545株
を形質転換し、クロラムフェニコール50mgを含む選
択培地〔K2 HPO4 7g、KH2 PO4 2g、(NH
4)2 SO4 1g、MgSO4 ・7H2 O0.1g、グル
コース20g及び寒天16gを蒸留水1lに溶解〕に塗
抹した。さらに形質転換株よりプラスミドDNAを抽出
し前記エシェリヒア・コリCGSC4558株を形質転
換し、選択培地に塗抹し、両変異株を相補する形質転換
株をスクリーニングした。
【0049】この培地上の生育株を常法により液体培養
し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミ
ドを制限酵素により切断し、アガロースゲル電気泳動を
用いて調べたところ、プラスミドpHSG399の長さ
2.2kbのDNA断片に加え、長さ4.2kbの挿入
DNA断片が認められた。本プラスミドをpHSG39
9−dapYと命名した。
【0050】(D)ジアミノピメリン酸デヒドロゲナー
ゼをコードする遺伝子を含むDNA断片(A断片)のサ
ブクローニング 上記(C)項で得たプラスミドpHSG399−dap
Yに含まれるDNA挿入断片を、必要な部分だけに小型
化するために、プラスミドpUC119(宝酒造より市
販)へジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードす
る遺伝子を含むDNA断片を下記のとおりサブクローニ
ングした。
【0051】上記(C)項で得たプラスミドpHSG3
99−dapYを制限酵素KpnIおよびXhoIで切
断したものと、プラスミドpUC119を制限酵素Kp
nI、SalIで切断したものを混合し、50mMトリ
ス緩衝液(pH7.6)、10mMジチオスレイトー
ル、1mM ATP、10mM MgCl2 及びT4D
NAリガーゼ1unitの各成分を添加し(各成分の濃
度は最終濃度である)、12℃で15時間反応させ、結
合させた。
【0052】得られたプラスミド混液を用い、塩化カル
シウム法(Journal ofMolecular
Biology,53,159,1970)により前記
エシェリヒア・コリCGSC4558株を形質転換し、
アンピシリン50mgを含む選択培地〔K2 HPO4
g、KH2 PO4 2g、(NH4)2 SO4 1g、MgS
4 ・7H2 O0.1g、グルコース20g及び寒天1
6gを蒸留水1lに溶解〕に塗抹した。
【0053】この培地上の生育株を常法により液体培養
し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミ
ドを制限酵素により切断し、アガロースゲル電気泳動を
用いて調べたところ、プラスミドpUC119の長さ
3.2kbのDNA断片に加え、長さ約1.6kbの挿
入DNA断片が認められた。各種の制限で切断したとき
の、長さ約1.6kbのDNA断片の制限酵素認識部位
数および切断断片の大きさは前記表1に示したとおりで
あった。このDNA断片の制限酵素切断点地図を図1に
示す。
【0054】また上記で得たプラスミドを各種制限酵素
で切断して、切断断片の大きさを測定した。その結果を
下記第2表に示す。
【0055】
【表2】 第2表 プラスミドpUC119−dapY 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kb) BamHI 1 4.8 SphI 2 3.4、 1.4 Hind III 2 4.1、 0.7
【0056】上記の制限酵素により特徴づけられるプラ
スミドをpUC119−dapYと命名した。
【0057】以上によりジアミノピメリン酸デヒドロゲ
ナーゼをコードする遺伝子を含む大きさが約1.6kb
のDNA断片(KpnI−XhoI断片)を得ることが
できた。
【0058】実施例2 ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝
子の塩基配列の決定実施例1の(D)項で得られたジア
ミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を
含む長さが約1.6kbのDNA断片について、その塩
基配列をプラスミドpUC118、pUC119(宝酒
造製)を用いるジデオキシヌクレオチド酵素法(did
eoxy chain termination法)
(Sahger,F.et al.,Proc.Na
t.Acad.Sci.USA74,5463,197
7)により図2に示した戦略図に従って決定した。
【0059】その塩基配列中のオープンリーディングフ
レームの存在から、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナー
ゼをコードする遺伝子は、後記配列表の配列番号:1に
示す配列を有する320個のアミノ酸をコードする96
0の塩基対より構成されていることが判明した。
【0060】実施例3 コリネ型細菌内で複製し安定なプラスミドベクターpC
RY30の作成 (A)プラスミドpBY503の調製 プラスミドpBY503は、ブレビバクテリウム・スタ
チオニスIFO12144(FERM BP−251
5)から分離された分子量約10メガダルトンのプラス
ミドであり、特開平1−95785号公報に記載のよう
にして調製した。
【0061】半合成培地A培地〔尿素2g、(NH4)2
SO4 7g、K2 HPO4 0.5g、KH2 PO4 0.
5g、MgSO4 0.5g、FeSO4 ・7H2 O6m
g、MnSO4 ・4〜6H2 O6mg、酵母エキス2.
5g、カザミノ酸5g、ビチオン200μg、塩酸チア
ミン200μg、グルコース20g及び蒸留水1l〕1
lに、ブレビバクテリウム・スタチオニスIFO121
44を対数増殖期後期まで培養し、菌体を集めた。得ら
れた菌体を10mg/mlの濃度にリゾチームを含む緩
衝液〔25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン、10mMのEDTA、50mMグルコース〕20m
lに懸濁し、37℃で1時間反応させた。反応液にアル
カリ−SDS液〔0.2N NaOH、1%(W/V)
SDS〕40mlを添加し、緩やかに混和して室温にて
15分間静置した。次に、この反応液に酢酸カリウム溶
液〔5M酢酸カリウム溶液60ml、酢酸11.5m
l、蒸留水28.5mlの混合液〕30mlを添加し、
充分混和してから氷水中に15分間静置した。
【0062】溶菌物全量を遠心管に移し、4℃で10分
間、15,000×gの遠心分離にかけ、上澄液を得
た。これに等量のフェノール−クロロホルム液(フェノ
ール:クロロホルム=1:1混和液)を加え懸濁した
後、遠心管に移し、室温下で5分間、15,000×g
の遠心分離にかけ、水層を回収した。水層に2倍量のエ
タノールを加え、−20℃で1時間静置後、4℃で10
分間、15,000×gの遠心分離にかけ、沈澱を回収
した。
【0063】沈澱を減圧乾燥後、TE緩衝液〔トリス1
0mM、EDTA 1mM;HClにてpH8.0に調
整〕2mlに溶解した。溶解液に塩化セシウム溶液〔5
倍濃度のTE緩衝液100mlに塩化セシウム170g
を溶解させた液〕15mlと10mg/mlエチジウム
ブロマイド溶液1mlを加えて、密度を1.392g/
mlに合わせた。この溶液を12℃で42時間、11
6,000×gの遠心分離を行った。
【0064】プラスミドpBY503は紫外線照射によ
り遠心管内で下方のバンドとして見い出される。このバ
ンドを注射器で遠心管の側面から抜きとることにより、
プラスミドpBY503を含む分画液を得た。次いでこ
の分画液を等量のイソアミルアルコールで4回処理して
エチジウムブロマイドを抽出除去し、その後にTE緩衝
液に対して透析を行った。このようにして得られたプラ
スミドpBY503を含む透析液に3M酢酸ナトリウム
溶液を最終濃度30mMに添加した後、2倍量エタノー
ルを加え、−20℃1時間静置した。この溶液を15,
000×gの遠心分離にかけてDNAを沈降させ、プラ
スミドpBY503を50μg得た。
【0065】(B)プラスミドベクターpCRY30の
作成 プラスミドpHSG298(宝酒造製)0.5μgを制
限酵素SalI(5units)を37℃1時間反応さ
せ、プラスミドDNAを完全に分解した。上記(A)項
で調製したプラスミドpBY503の2μgに制限酵素
XhoI(1unit)を37℃で30分間反応させ、
プラスミドDNAを部分分解した。
【0066】両者のプラスミドDNA分解物を混合し、
制限酵素を不活性化するために65℃で10分間加熱処
理した後、該失活溶液中の成分が最終濃度として各々5
0mMトリス緩衝液pH7.6、10mM MgC
2 、10mMジチオスレイトール、1mM ATP及
びT4DNAリガーゼ1unitになるように各成分を
強化し、16℃で15時間保温した。この溶液を用いて
エシェリヒア・コリJM109コンピテントセル(宝酒
造製)を形質転換した。
【0067】形質転換株は30μg/ml(最終濃度)
のカナマイシン、100μg/ml(最終濃度)のIP
TG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシ
ド)100μg/ml(最終濃度)のX−gal(5−
ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラク
トピラノシド)を含むL培地(トリプトン10g、酵母
エキス5g、NaCl 5g及び蒸留水1l、pH7.
2)で37℃にて24時間培養し、生育株として得られ
た。これらの生育株のうち、白いコロニーで生育してき
たものを選択し、各々プラスミドをアルカリ−SDS法
〔T.Maniatis,E.F.Fritsch,
J.Sambrook,“Molecular clo
ning”(1982)p90〜91参照〕により抽出
した。
【0068】その結果、プラスミドpHSG298のS
alI部位にプラスミドpBY503由来の約4.0k
bの断片が挿入されたプラスミドpHSG298−or
iが得られた。次に同様の方法を用い、前記(A)項で
得られたプラスミドpBY503DNAを制限酵素Kp
nI及びEcoRIにて処理して得られる約2.1kb
のDNA断片を上記プラスミドpHSG298−ori
のKpnI及びEcoRI部位にクローニングし、プラ
スミドベクターpCRY30を調製した。
【0069】実施例4 プラスミドpCRY30−dapYの作成及びコリネ型
細菌の導入 実施例1の(C)項で得られたプラスミドpHSG39
9−dapY5μgを制限酵素KpnIおよびXhoI
を各5units用い、37℃で1時間反応させ分解し
たものと、EcoRIリンカー(宝酒造より市販)1μ
lを混合し、50mMトリス緩衝液(pH7.6)、1
0mMジチオスレイトール、1mM ATP、10mM
MgCl2 およびT4DNAリガーゼ1unitの各
成分を添加し(各成分の濃度は最終濃度である)、12
℃で15時間反応させ結合させた。
【0070】このDNAを制限酵素EcoRI 3un
itsを用い37℃で1時間反応させ分解したものと、
実施例3の(B)項で得られたプラスミドpCRY30
1μgを制限酵素EcoRI 1unitを用い、3
7℃で1時間反応させ分解したものを混合し、50mM
トリス緩衝液(pH7.6)、10mMジチオスレイト
ール、1mM ATP、10mM MgCl2 およびT
4DANリガーゼ1unitの各成分を添加し(各成分
の濃度は最終濃度である)、12℃で15時間反応させ
結合させた。このプラスミドを用いて、前記方法に従い
前記エシェリヒア・コリCGSC4558株を形質転換
し、カナマイシン50μg/mlを含む選択培地〔K2
HPO4 7g、KH2 PO4 2g、(NH4)2 SO4
g、MgSO4 ・7H2 O0.1g、グルコース20g
及び寒天16gを蒸留水1lに溶解〕に塗抹した。
【0071】この培地上の生育株を常法により液体培養
し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミ
ドを制限酵素により切断し、アガロースゲル電気泳動を
用いて調べたところ、プラスミドpCRY30の長さ
8.6kbのDNA断片に加え、大きさ1.6kbの挿
入DNA断片が認められた。上記の如く調製されたプラ
スミドDNAを、電気パルス法を用いてコリネ型細菌へ
次のとおり形質転換した。
【0072】ブレビバクテリウム・フラバムMJ−23
3(FERM BP−1497)プラスミドpBY50
2除去株を100mlの前記A培地で対数増殖初期まで
培養し、ペニシリンGを1ユニット/mlになるように
添加して、さらに2時間振盪培養し、遠心分離により菌
体を集め、菌体を20mlのパルス用溶液(272mM
Sucrose、7mM KH2 PO4 、1mM M
gCl2 ;pH7.4)にて洗浄した。さらに菌体を遠
心分離して集め、5mlのパルス用溶液に懸濁し、0.
75mlの細胞と、前記で得られたプラスミドDNA溶
液50μlとを混合し、水中にて20分間静置した。ジ
ーンパルサー(バイオラド社製)を用いて、2500ボ
ルト、25μFDに設定し、パルスを印加後氷中に20
分間静置した。全量を3mlの前記A培地に移し30℃
にて1時間培養後、カナマイシン15μg/ml(最終
濃度)を含む前記A寒天培地に植菌し30℃で2〜3日
間培養した。出現したカナマイシン耐性株より、前記実
施例3(A)項に記載の方法を用いてプラスミドを得
た。このプラスミドを各種制限酵素で切断して、切断断
片の大きさを測定した。その結果を下記第3表に示す。
【0073】
【表3】 第3表 プラスミドpCRY30−dapY 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kb) EcoRI 2 8.7、 1.6 BamHI 2 7.2、 3.1 KpnI 1 10.3 XhoI 1 10.3
【0074】上記制限酵素により特徴づけられるプラス
ミドをpCRY30−dapYと命名した。このプラス
ミドの制限酵素による切断点地図を図3に示す。
【0075】なお、プラスミドpCRY30−dapY
により形質転換されたブレビバクテリウム・フラバムM
J233−dapYは、茨城県つくば市東1丁目1番3
号の工業技術院微生物工業技術研究所に、平成4年3月
10日付で:微工研菌寄第12859号(FERM P
−12859)として寄託されている。
【0076】実施例5 プラスミドpCRY30−dapYの安定性 前記のA培地100mlを500ml容三角フラスコに
分注し、120℃で15分間滅菌処理したものに、実施
例4で得た形質転換株ブレビバクテリウム・フラバムM
J233−dapYを植菌し、30℃にて24時間振盪
培養を行った後、同様にして調製したA培地100ml
を500ml容三角フラスコに分注し、120℃で15
分間滅菌したものに、1ml当たり50cellsの割
合になるように植継し、同じく30℃にて24時間振盪
培養を行った。次に遠心分離して集菌し、菌体を洗浄
後、カナマイシンを15μg/mlの割合で添加したA
培地及び無添加のA培地を用いて調製した平板培地に一
定量塗抹し、30℃にて1日培養後生育コロニーをカウ
ントした。
【0077】この結果、カナマイシン添加および無添加
培地に生育したコロニーは同数であること、さらにA培
地生育コロニーは全てカナマイシン添加培地に生育する
こと、すなわち該プラスミドの高度の安定性を確認し
た。
【0078】実施例6 L−リジンの生産 培地(尿素0.4%、硫酸アンモニウム1.4%、KH
2 PO4 0.05%、K2 HPO4 0.05%、MgS
4 ・7H2 O0.05%、CaCl2 ・2H 2 O2p
pm、FeSO4 ・7H2 O2ppm、MnSO4 ・4
〜6H2 O2ppm、ZnSO4 ・7H2 O2ppm、
NaCl 2ppm、ビオチン200μg/l、チアミ
ン・HCl 100μg/l、カザミノ酸0.1%、酵
母エキス0.1%)100mlを500ml容三角フラ
スコに分注、滅菌(滅菌後pH7.0)した後ブレビバ
クテリウム・フラバム(Brevibacterium
flavum)MJ233−dapY(FERM P−
12859号)を植菌し、無菌的にグルコースを5g/
lの濃度になるように加え、30℃にて2日間振盪培養
を行った。
【0079】次に、本培養培地(グルコース5%、硫酸
アンモニウム2.3%、KH2 PO 4 0.05%、K2
HPO4 0.05%、MgSO4 ・7H2 O0.05
%、FeSO4 ・7H2 O20ppm、MnSO4 ・4
〜6H2 O20ppm、ビオチン200μg/l、チア
ミン・HCl 100μg/l、カザミノ酸0.3%、
酵母エキス0.3%)の1000mlを2l容通気撹拌
槽に仕込み、滅菌(120℃、20分間)後、前記前培
養物の20mlを添加して、回転数1000rpm、通
気量1vvm、温度33℃、pH7.6にて24時間培
養を行った。
【0080】培養終了後、培養物500mlから遠心分
離にて集菌後、脱塩蒸留水にて2度洗浄した菌体を反応
液〔(NH4)2 SO4 2g/l;KH2 PO4 0.5g
/l;KH2 PO4 0.5g/l;MgSO4 ・7H2
O0.5g/l;FeSO4・7H2 O20ppm;M
nSO4 ・4〜6H2 O20ppm;チアミン塩酸塩1
00μg/l;pH7.6〕の1000mlに懸濁後、
該懸濁液を2l容通気撹拌槽に仕込み、グルコース9g
を添加して、回転数300rpm、通気量0.1vv
m、温度33℃、pH7.6にて24時間反応を行っ
た。
【0081】反応終了後、遠心分離(4000rpm、
15分間、4℃)にて除菌した上清液中のL−リジンを
定量した。その結果、上清液中のL−リジン生成量は、
1.0g/lであった。この反応終了後の培養液500
mlを、強酸性陽イオン交換樹脂(H+ 型)のカラムに
通してL−リジンを吸着させ、水洗後、0.5Nアンモ
ニア水で溶出させた後、L−リジン画分を濃縮し、冷エ
タノールでL−リジンの結晶を析出させた。その結果、
260mgのL−リジン結晶を得た。
【0082】また、比較例として、同様の条件にて、ブ
レビバクテリウム・フラバム(Brevibacter
ium flavum)MJ−233(FERM BP
−1497)を培養し、同様の条件にて反応させた後上
清液中のL−リジンを定量した。その結果、上清液中の
L−リジン生成量は0.6g/lであった。
【0083】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:963 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:ブレビバクテリウム フラバム 株名 :MJ233 配列の特徴 特徴を表す記号:peptide 存在位置:1-963 特徴を決定した方法:p 配列 ATG ACC AAC ATC CGC GTA GCT ATC GTG GGC TAC GGA AAC CTG GGA CGC 48 Met Thr Asn Ile Arg Val Ala Ile Val Gly Tyr Gly Asn Leu Gly Arg 1 5 10 15 AGC GTC GAA AAG CTT ATT GCC AAG CAG CCC GAC ATG GAC CTT GTA GGA 96 Ser Val Glu Lys Leu Ile Ala Lys Gln Pro Asp Met Asp Leu Val Gly 20 25 30 ATC TTC TCG CGC CGG GCC ACC CTC GAC ACA AAG ACG CCA GTC TTT GAT 144 Ile Phe Ser Arg Arg Ala Thr Leu Asp Thr Lys Thr Pro Val Phe Asp 35 40 45 GTC GCC GAC GTG GAC AAG CAC GCC GAC GAC GTG GAC GTG CTG TTC CTG 192 Val Ala Asp Val Asp Lys His Ala Asp Asp Val Asp Val Leu Phe Leu 50 55 60 TGC ATG GGC TCC GCC ACC GAC ATC CCT GAG CAG GCA CCA AAG TTC GCG 240 Cys Met Gly Ser Ala Thr Asp Ile Pro Glu Gln Ala Pro Lys Phe Ala 65 70 75 80 CAG TTC GCC TGC ACC GTA GAC ACC TAC GAC AAC CAC CGC GAC ATC CCA 288 Gln Phe Ala Cys Thr Val Asp Thr Tyr Asp Asn His Arg Asp Ile Pro 85 90 95 CGC CAC CGC CAG GTC ATG AAC GAA GCC GCC ACC GCA GCC GGC AAC GTT 336 Arg His Arg Gln Val Met Asn Glu Ala Ala Thr Ala Ala Gly Asn Val 100 105 110 GCA CTG GTC TCT ACC GGC TGG GAT CCA GGA ATG TTC TCC ATC AAC CGC 384 Ala Leu Val Ser Thr Gly Trp Asp Pro Gly Met Phe Ser Ile Asn Arg 115 120 125 GTC TAC GCA GCG GCA GTC TTA GCC GAG CAC CAG CAG CAC ACC TTC TGG 432 Val Tyr Ala Ala Ala Val Leu Ala Glu His Gln Gln His Thr Phe Trp 130 135 140 GGC CCA GGT TTG TCA CAG GGC CAC TCC GAT GCT TTG CGA CGC ATC CCT 480 Gly Pro Gly Leu Ser Gln Gly His Ser Asp Ala Leu Arg Arg Ile Pro 145 150 155 160 GGC GTT CAA AAG GCA GTC CAG TAC ACC CTC CCA TCC GAA GAC GCC CTG 528 Gly Val Gln Lys Ala Val Gln Tyr Thr Leu Pro Ser Glu Asp Ala Leu 165 170 175 GAA AAG GCC CGC CGC GGC GAA GCC GGC GAC CTT ACC GGA AAG CAA ACC 576 Glu Lys Ala Arg Arg Gly Glu Ala Gly Asp Leu Thr Gly Lys Gln Thr 180 185 190 CAC AAG CGC CAA TGC TTC GTG GTT GCC GAC GCG GCC GAT CAC GAG CGC 624 His Lys Arg Gln Cys Phe Val Val Ala Asp Ala Ala Asp His Glu Arg 195 200 205 ATC GAA AAC GAC ATC CGC ACC ATG CCT GAT TAC TTC GTT GGC TAC GAA 672 Ile Glu Asn Asp Ile Arg Thr Met Pro Asp Tyr Phe Val Gly Tyr Glu 210 215 220 GTC GAA GTC AAC TTC ATC GAC GAA GCA ACC TTC GAC GCC GAG CAC ACC 720 Val Glu Val Asn Phe Ile Asp Glu Ala Thr Phe Asp Ala Glu His Thr 225 230 235 240 GGC ATG CCA CAC GGT GGC CAC GTG ATT ACC ACC GGC GAC ACC GGT GGC 768 Gly Met Pro His Gly Gly His Val Ile Thr Thr Gly Asp Thr Gly Gly 245 250 255 TTC AAC CAC ACC GTG GAA TAC ATC CTC AAG CTG GAC CGA AAC CCA GAT 816 Phe Asn His Thr Val Glu Tyr Ile Leu Lys Leu Asp Arg Asn Pro Asp 260 265 270 TTC ACC GCT TCC GCG CAG ATC GCT TTC GGT CGC GCA GCT CAC CGC ATG 864 Phe Thr Ala Ser Ala Gln Ile Ala Phe Gly Arg Ala Ala His Arg Met 275 280 285 AAG CAG CAG GGC CAA AGC GGA GCT TTC ACC GTC CTC GAA GTT GCT CCA 912 Lys Gln Gln Gly Gln Ser Gly Ala Phe Thr Val Leu Glu Val Ala Pro 290 295 300 TAC CTG CTC TCC CCA GAG AAC TTG GAC GAT CTG ATC GCA CGC GAC GTC 960 Tyr Leu Leu Ser Pro Glu Asn Leu Asp Asp Leu Ile Ala Arg Asp Val 305 310 315 320 TAA 963
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ
をコードする遺伝子を含む大きさが約1.6kbのDN
A断片の制限酵素による切断点地図。
【図2】大きさが約1.6kbの本発明DNA断片の塩
基配列決定のための戦略図。
【図3】本発明のプラスミドpCRY30−dapYの
制限酵素による切断点地図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 15/53 C12R 1:13) (C12N 1/21 C12R 1:13) (C12P 13/08 C12R 1:13) (72)発明者 湯川 英明 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレビバクテリウム属細菌由来のジアミ
    ノピメリン酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.4.1.
    16.)をコードする遺伝子DNA。
  2. 【請求項2】 ブレビバクテリウム属細菌がブレビバク
    テリウム・フラバム(Brevibacterium
    flavum)MJ233である請求項1記載の遺伝子
    DNA。
  3. 【請求項3】 次のDNA塩基配列 ATGACCAACA TCCGCGTAGC TATCGTGGGC TACGGAAACC TGGGACGCAG CGTCGAAAAG 60 CTTATTGCCA AGCAGCCCGA CATGGACCTT GTAGGAATCT TCTCGCGCCG GGCCACCCTC 120 GACACAAAGA CGCCAGTCTT TGATGTCGCC GACGTGGACA AGCACGCCGA CGACGTGGAC 180 GTGCTGTTCC TGTGCATGGG CTCCGCCACC GACATCCCTG AGCAGGCACC AAAGTTCGCG 240 CAGTTCGCCT GCACCGTAGA CACCTACGAC AACCACCGCG ACATCCCACG CCACCGCCAG 300 GTCATGAACG AAGCCGCCAC CGCAGCCGGC AACGTTGCAC TGGTCTCTAC CGGCTGGGAT 360 CCAGGAATGT TCTCCATCAA CCGCGTCTAC GCAGCGGCAG TCTTAGCCGA GCACCAGCAG 420 CACACCTTCT GGGGCCCAGG TTTGTCACAG GGCCACTCCG ATGCTTTGCG ACGCATCCCT 480 GGCGTTCAAA AGGCAGTCCA GTACACCCTC CCATCCGAAG ACGCCCTGGA AAAGGCCCGC 540 CGCGGCGAAG CCGGCGACCT TACCGGAAAG CAAACCCACA AGCGCCAATG CTTCGTGGTT 600 GCCGACGCGG CCGATCACGA GCGCATCGAA AACGACATCC GCACCATGCC TGATTACTTC 660 GTTGGCTACG AAGTCGAAGT CAACTTCATC GACGAAGCAA CCTTCGACGC CGAGCACACC 720 GGCATGCCAC ACGGTGGCCA CGTGATTACC ACCGGCGACA CCGGTGGCTT CAACCACACC 780 GTGGAATACA TCCTCAAGCT GGACCGAAAC CCAGATTTCA CCGCTTCCGC GCAGATCGCT 840 TTCGGTCGCG CAGCTCACCG CATGAAGCAG CAGGGCCAAA GCGGAGCTTT CACCGTCCTC 900 GAAGTTGCTC CATACCTGCT CTCCCCAGAG AACTTGGACG ATCTGATCGC ACGCGACGTC 960 TAA 963 で示されるジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ(E.
    C.1.4.1.16.)をコードする遺伝子DNA。
  4. 【請求項4】 次のアミノ酸配列 Met Thr Asn Ile Arg Val Ala Ile Val Gly Tyr Gly Asn Leu Gly Arg 1 5 10 15 Ser Val Glu Lys Leu Ile Ala Lys Gln Pro Asp Met Asp Leu Val Gly 20 25 30 Ile Phe Ser Arg Arg Ala Thr Leu Asp Thr Lys Thr Pro Val Phe Asp 35 40 45 Val Ala Asp Val Asp Lys His Ala Asp Asp Val Asp Val Leu Phe Leu 50 55 60 Cys Met Gly Ser Ala Thr Asp Ile Pro Glu Gln Ala Pro Lys Phe Ala 65 70 75 80 Gln Phe Ala Cys Thr Val Asp Thr Tyr Asp Asn His Arg Asp Ile Pro 85 90 95 Arg His Arg Gln Val Met Asn Glu Ala Ala Thr Ala Ala Gly Asn Val 100 105 110 Ala Leu Val Ser Thr Gly Trp Asp Pro Gly Met Phe Ser Ile Asn Arg 115 120 125 Val Tyr Ala Ala Ala Val Leu Ala Glu His Gln Gln His Thr Phe Trp 130 135 140 Gly Pro Gly Leu Ser Gln Gly His Ser Asp Ala Leu Arg Arg Ile Pro 145 150 155 160 Gly Val Gln Lys Ala Val Gln Tyr Thr Leu Pro Ser Glu Asp Ala Leu 165 170 175 Glu Lys Ala Arg Arg Gly Glu Ala Gly Asp Leu Thr Gly Lys Gln Thr 180 185 190 His Lys Arg Gln Cys Phe Val Val Ala Asp Ala Ala Asp His Glu Arg 195 200 205 Ile Glu Asn Asp Ile Arg Thr Met Pro Asp Tyr Phe Val Gly Tyr Glu 210 215 220 Val Glu Val Asn Phe Ile Asp Glu Ala Thr Phe Asp Ala Glu His Thr 225 230 235 240 Gly Met Pro His Gly Gly His Val Ile Thr Thr Gly Asp Thr Gly Gly 245 250 255 Phe Asn His Thr Val Glu Tyr Ile Leu Lys Leu Asp Arg Asn Pro Asp 260 265 270 Phe Thr Ala Ser Ala Gln Ile Ala Phe Gly Arg Ala Ala His Arg Met 275 280 285 Lys Gln Gln Gly Gln Ser Gly Ala Phe Thr Val Leu Glu Val Ala Pro 290 295 300 Tyr Leu Leu Ser Pro Glu Asn Leu Asp Asp Leu Ile Ala Arg Asp Val 305 310 315 320 で示されるジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ(E.
    C.1.4.1.16.)をコードする遺伝子DNA。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の遺伝子
    DNAが導入された組換えプラスミド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の遺伝子
    DNAと、コリネ型細菌内で複製増殖機能を司る遺伝子
    を含むDNAを保有する組換えプラスミド。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の組換えプラスミドで形質
    転換されたコリネ型細菌。
  8. 【請求項8】 グルコースを、請求項7記載のコリネ型
    細菌の培養菌体又は菌体処理物と接触させてL−リジン
    を生成せしめることを特徴とするL−リジンの製造法。
JP8516792A 1992-04-07 1992-04-07 ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用 Pending JPH05284970A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8516792A JPH05284970A (ja) 1992-04-07 1992-04-07 ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8516792A JPH05284970A (ja) 1992-04-07 1992-04-07 ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05284970A true JPH05284970A (ja) 1993-11-02

Family

ID=13851110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8516792A Pending JPH05284970A (ja) 1992-04-07 1992-04-07 ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05284970A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0811682A3 (en) * 1996-06-05 1998-06-10 Ajinomoto Co., Inc. Method of producing L-lysine
EP1702980A1 (en) 1999-07-01 2006-09-20 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum gene encoding Hpr of phosphoenolpyruvate:sugar phosphotransferase system
US7273721B2 (en) 1999-06-25 2007-09-25 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum genes encoding proteins involved in membrane synthesis and membrane transport
US7393675B2 (en) 1999-06-25 2008-07-01 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum genes encoding proteins involved in carbon metabolism and energy production
US7410766B2 (en) 1999-07-01 2008-08-12 Basf Se Corynebacterium glutamicum genes encoding phosphoenolpyruvate: sugar phosphotransferase system proteins
US7439050B2 (en) 1999-06-25 2008-10-21 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum genes encoding diaminopimelate epimerase

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0811682A3 (en) * 1996-06-05 1998-06-10 Ajinomoto Co., Inc. Method of producing L-lysine
US6090597A (en) * 1996-06-05 2000-07-18 Ajinomoto Co., Inc. Method of producing L-lysine
US7273721B2 (en) 1999-06-25 2007-09-25 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum genes encoding proteins involved in membrane synthesis and membrane transport
US7393675B2 (en) 1999-06-25 2008-07-01 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum genes encoding proteins involved in carbon metabolism and energy production
US7439050B2 (en) 1999-06-25 2008-10-21 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum genes encoding diaminopimelate epimerase
EP1702980A1 (en) 1999-07-01 2006-09-20 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum gene encoding Hpr of phosphoenolpyruvate:sugar phosphotransferase system
US7410766B2 (en) 1999-07-01 2008-08-12 Basf Se Corynebacterium glutamicum genes encoding phosphoenolpyruvate: sugar phosphotransferase system proteins
US7425435B2 (en) 1999-07-01 2008-09-16 Basf Aktiengesellschaft Corynebacterium glutamicum genes encoding phosphoenolpyruvate: sugar phosphotransferase system proteins

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2678995B2 (ja) トリプトフアンシンターゼの製造法
JPS6279788A (ja) アミノ酸の製造法
JPH0129559B2 (ja)
JPH06261766A (ja) フィードバックインヒビションの解除されたアスパルトキナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用
US5017482A (en) Process for producing L-arginine
US4946781A (en) Recombinant DNA, bacteria carrying said recombinant DNA and a process for producing L-threonine or L-isoleucine using said bacteria
JPH0523750B2 (ja)
EP0183175B1 (en) Coryneform bacteria carrying recombinant dna and a process for producing aromatic amino acids using said bacteria
US5643790A (en) Plasmid vector and a method for regulation of gene expression using the same
JP3009257B2 (ja) アスパルターゼをコードする遺伝子dna及びその利用
JPH05184366A (ja) アスパルトキナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用
JPH05284970A (ja) ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子dna及びその利用
JPH05344893A (ja) アセトヒドロキシ酸シンターゼをコードする遺伝子dna及びその利用
JPH06277067A (ja) アセトヒドロキシ酸イソメロレダクターゼをコードする遺伝子dna
KR900004424B1 (ko) 아미노산의 제조방법
JPH05284972A (ja) スレオニンシンターゼをコードする遺伝子dna及びその利用
EP0312089B1 (en) Method for producing L-threonine
JPH05184371A (ja) ジヒドロジピコリン酸シンセターゼをコードする遺伝子dna及びその利用
JPS62186795A (ja) アミノ酸の製造法
JPH0775579A (ja) ジアミノピメリン酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子を含むdna断片およびその利用
JPH0775578A (ja) ジヒドロジピコリン酸レダクターゼをコードする遺伝子を含むdna断片およびその利用
JPH06277073A (ja) 蛋白質のトランスロケーションマシナリーをコードする遺伝子dna
JPH06169780A (ja) 膜蛋白質の膜への組み込みに関与する遺伝子dna
JPS6178378A (ja) 芳香族アミノ酸生合成遺伝子を含有する組換えdna及びそれを有するコリネ型細菌
JPH0529437B2 (ja)