JPH05283377A - 有機シリコーン系樹脂膜の形成方法、半導体装置の製造方法及び位相シフトマスクの製造方法 - Google Patents

有機シリコーン系樹脂膜の形成方法、半導体装置の製造方法及び位相シフトマスクの製造方法

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JPH05283377A
JPH05283377A JP34327692A JP34327692A JPH05283377A JP H05283377 A JPH05283377 A JP H05283377A JP 34327692 A JP34327692 A JP 34327692A JP 34327692 A JP34327692 A JP 34327692A JP H05283377 A JPH05283377 A JP H05283377A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機シリコーン系樹脂をエッチングして使用
する場合も、上層膜との密着性の劣化を防止し、かつ、
平坦性の劣化無く、有機シリコーン系樹脂の膜質の劣化
無く、かつ膜にクラックが入るようなおそれ無く使用す
ることができる有機シリコーン系樹脂膜の形成方法、こ
れを用いた半導体装置の製造方法、及び位相シフトマス
クの製造方法。 【構成】 有機シリコーン系樹脂4を成膜し、該有機シ
リコーン系樹脂4をエッチングする工程を有する有機シ
リコーン系樹脂膜の形成方法、半導体装置または位相シ
フトマスクの製造方法において、エッチング工程後、ホ
ローカソード処理または平行平板型RIE処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機シリコーン系樹脂
膜の形成方法、半導体装置の製造方法及び位相シフトマ
スクの製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】有機系のシリコーン樹脂が各種分野で成
膜材料として用いられている。
【0003】例えば、電子材料(半導体装置等)に用い
る塗布型の絶縁膜として、有機シリコーン系樹脂が厚塗
り可能で平坦化に好適であることから、使用されつつあ
る。この有機系シリコーン樹脂(SOG、ないし有機S
OGと称されている)は、一般的には、エッチバックし
て用いられる。このエッチバックに伴い、従来の技術に
あっては、いくつかの問題点が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】第1の問題点は、次
のようなものである。エッチバックは、一般に、平行平
板型のプラズマを用いたエッチング装置を使う。使用す
るガスは、CHF3 、C26 等のフッ素系ガス(フッ
化炭素ないしはフッ化炭化水素)である。このガスを用
いると、エッチバック後に有機シリコーン系樹脂の表面
に炭素系のポリマーが付着し、該有機シリコーン系樹脂
の上層に堆積するCVD膜(一般的には、TEOSやS
iH4 を用いた酸化膜)との密着性が劣化する。
【0005】この対策に、Arスパッタエッチング(半
導体・集積回路技術シンポジウム講演論文集4頁参照)
を用いる方法が提案されているが、この技術を用いる
と、平坦化が劣化するという問題がある。
【0006】更に、アッシング装置によるO2 プラズマ
(主にO2 ラジカル)による処理も考えられるが、この
技術では有機シリコーン系樹脂にクラックが入ってしま
う。
【0007】更に、発煙硝酸などによる湿式処理の場
合、有機シリコーン系樹脂膜中の含有水分量が増加する
等の問題が生じる。
【0008】上記のような従来技術については、例え
ば、特開平1−319942号、プレスジャーナル社
「月刊Semicondrctor World」19
90年1月号156頁以下などに記載がある。
【0009】次に、有機系シリコーン樹脂膜(有機SO
G)には、その組成に有機基(例えば、メチル基)を有
することに由来する問題点がある。この有機基は、40
0℃以上の熱処理で分解され、ガスとして放出される。
よって、高温に基板を加熱してAl配線を形成する場
合、このガスがAl膜質とコンタクトの埋め込みに影響
を与える。
【0010】これについて図9を用いて説明すると、次
のとおりである。一般的に、半導体装置の配線2(Al
配線等)は、その下地1(下層)の構造により、図9の
如く高さがそろっていない。更に、有機シリコーン樹脂
4(有機SOG)は、これがコンタクト側壁に露出しな
いようにエッチバックする。このとき、配線2の高さが
そろっていないために、図9に示す深い方のコンタクト
ホール(b)では、図の如くその側壁に有機SOG4が
露出する(なお、これを避けようとして、深い方のコン
タクトホール(b)で有機SOGが露出しないようにな
るまでエッチバックすると、平坦度が劣化してしま
う)。
【0011】この結果、次工程の上層Al配線形成時
(例えば、基板加熱500℃のスパッタリング)に、コ
ンタクトホール側壁に露出した有機SOGから、有機系
のガスが放出され、上層配線の形成の際にボイド(ガス
による中空)などが生じ、コンタクトホール(b)の埋
め込み不良を起こしてしまう。または、コンタクト抵抗
値が上昇してしまう。
【0012】上述した問題の解決のための対策として、
有機シリコーン樹脂(有機SOG)の表面のみを無機化
することが考えられ、提案されているが、これだけでは
膜内部に残存した有機基からのガスが表面を透過してく
る。また、有機シリコーン樹脂(有機SOG)の膜全体
を無機化する方法も考えられるが、膜の収縮が大きく、
クラックが入りやすい。
【0013】有機シリコーン樹脂は、位相シフトマスク
のシフター(位相シフト部)の材料としても用いられ
る。位相シフトマスクのシフターを無機SOGで作る
と、無機SOGはストレスが大きく、マスクに歪みが生
じるおそれが大きいが、有機シリコーン樹脂(有機SO
G)は低ストレスであるため、有利である。シフターの
パターンは、レジストをマスクとし、ドライエッチング
またはウエットエッチングし、その後レジストを除去す
る必要があるが、この時従来技術では、通常のアッシン
グ(O2 ラジカルが主反応種)を行いレジストを除去し
ているため、シフターである有機SOGにクラックが入
ることがあり、更に、有機SOGが収縮する等の問題が
ある。
【0014】図10ないし図14を用いて、上述の従来技術
について説明すると、次のとおりである。図10は位相シ
フトマスクとなるガラス基板71に光を遮光する遮光部72
(Cr)が形成されいる図である。図11は、シフターと
なる有機SOG4をコーティングした図である。図12
は、シフターとなる有機SOG4を所望のパターンにす
るために、レジストパターニングを行った図である。レ
ジストパターン73の形成は、通常の方法をそのまま使用
している。図13は、有機SOG4をエッチングしてパタ
ーン形成した図で、CF系のガスを用いたプラズマエッ
チングを使用している。この時にシフターとなる有機S
OG4が、所望のパターンとなる。図14は、レジスト73
をアッシャー(この場合は、バレル型のもの)で剥離し
た図である。この時、SOGが有機系のSOGであるた
めに、O2 ラジカルと有機SOGの有機基が反応し膜収
縮及びクラックが発生する。更に収縮するために、寸法
も変わってしまう。
【0015】本発明は、上述した問題点を解決して、有
機シリコーン系樹脂を用いる技術における問題点を解決
することを目的とする。第1の目的は、有機シリコーン
樹脂をエッチングして使用する場合も、表面の炭素系ポ
リマーに起因すると考えられる上層膜(CVD膜等)と
の密着性の劣化を防止し、しかもこの効果を、平坦性の
劣化なく、有機シリコーン系樹脂の膜質の劣化なく(含
有水分量の増加なく)、かつ膜にクラックが入るような
おそれなく、実現することができる有機シリコーン系樹
脂膜の形成方法、及びこれを用いた半導体装置の製造方
法を提供することである。
【0016】第2の目的は、有機シリコーン樹脂を用い
る場合もガス発生に基づくボイド発生などの問題がな
く、よって上層配線を形成する場合も不都合の生じない
有機シリコーン樹脂膜の形成方法を提供することであ
る。
【0017】第3の目的は、有機シリコーン樹脂を位相
シフトマスクのシフターとして用いる場合に、収縮やク
ラックの発生が防止され、寸法変動も抑制できる位相シ
フトマスクの製造方法を提供することである。
【0018】
【問題点を解決するための手段】本出願の請求項1の発
明は有機シリコーン系樹脂を成膜し、該有機シリコーン
系樹脂をエッチングする工程を有する有機シリコーン系
樹脂膜の形成方法において、前記エッチング工程の後、
ホローカソード処理または平行平板型RIE処理を行う
ことを特徴とする有機シリコーン系樹脂膜の形成方法で
あって、これにより上記目的を達成するものである。
【0019】本出願の請求項2の発明は有機シリコーン
系樹脂を成膜し、該有機シリコーン系樹脂をエッチング
して有機シリコーン系樹脂絶縁膜を形成する工程を有す
る半導体装置の製造方法において、前記エッチング工程
の後、ホローカソード処理または平行平板型RIE処理
を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法であっ
て、これにより上記目的を達成するものである。
【0020】本明細書中において、有機シリコーン系樹
脂とは、SiにOH基及びアルキル基(メチル基)等の
有機基が結合して成るものを言う。これは一般に、有機
溶剤に溶解して塗布・焼成し、成膜される。
【0021】上記発明は、本発明者による以下の知見に
より完成されたものである。即ち、同じプラズマ処理装
置であるUNA−2000を用い、μ波ダウンフロー方
式で有機シリコーン系樹脂を処理した場合(ラジカル主
体の処理)と、RFホローカソードを用いて処理した場
合(イオンリッチな処理)とを実験し、その減少膜厚を
調べた。また、そのときのクラックの発生の有無を調べ
た。次の表1に×で示すように、μ波ダウンフロー方式
ではクラックが生じたが、ホローカソードではそれがな
かった。かつ、IRスペクトルにより、イオンリッチな
2 プラズマ処理では、シリコーン系樹脂の表面が緻密
な無機化層となり、それ以上内部まで無機化されない
が、ラジカルを主とする場合は、無機化層がポーラスに
なって、内部まで無機化反応が進行してしまう傾向があ
ることがわかった(有機SOGの表面無機化処理技術に
ついては、本出願人により、特願平3−45872にお
いて提案がなされている)。
【0022】
【表1】 固定条件:μ波ダウンフロー μ波1000W,
2.0Torr,O2 5000SCCM,ピンダウン RFホローカソード RF200W,0.1Tor
r,O2 1000SCCM,ピンアップ *1:N2 2 300SCCM *2:N2 2 30SCCM ×はクラックが発生
【0023】また、図3に、ホローカソード処理、μ波
ダウンフロー処理、TCA処理の各処理後における減少
膜厚の比較を示す。
【0024】上記本出願の請求項1,2の発明によれ
ば、ホローカソード処理または平行平板型RIE処理に
より、有機シリコーン系樹脂表面の炭素系ポリマーが除
去されると考えられる。この結果、その上層に成膜する
場合も、良好な接着性をもって、膜形成することが可能
となる。
【0025】かつ、この場合、上記したようにクラック
の発生や膜減りなどの劣化が小さく、悪影響をもたらさ
れない処理が達成され、これにより良好な有機シリコー
ン樹脂膜が得られる。また、かかる有機シリコーン樹脂
を有する半導体装置が得られる。
【0026】本出願の請求項3の発明は、有機シリコー
ン系樹脂を成膜し、酸素雰囲気中で熱処理を行い、下層
配線との接続のためのコンタクトホールを形成する工程
を有する半導体装置の製造方法において、前記有機シリ
コーン系樹脂の前記コンタクトホール側壁部が前記熱処
理工程にり無機化されていることを特徴とする半導体装
置の製造方法であって、これにより上記目的を達成する
ものである。
【0027】この発明によれば、有機SOGの表面近傍
のみを無機化するため、クラックが入らない。また、コ
ンタクト側壁には無機化されたSOGが露出するため、
高温スパッタ時に有機基の分解したガスが放出されず、
コンタクトの埋め込みを劣化させることがない。かつ有
機SOGからの放出ガス量が低減し、Al配線の膜質劣
化が軽減される。500℃以下の温度で行えるため、下
層にあるAl配線への影響(消失等)が少ない。
【0028】本出願の請求項4の発明は、基板上に遮光
パターンを形成する工程と、該基板及び遮光パターン上
に有機シリコーン系樹脂を成膜する工程と、ホローカソ
ード処理または平行平板型RIE処理を行う工程と、前
記有機シリコーン系樹脂上にレジストパターンを形成す
る工程と、該レジストパターンをマスクに前記有機シリ
コーン系樹脂をパターニングする工程と、ホローカソー
ド処理または平行平板型RIE処理を行う工程を有する
ことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法であっ
て、これにより上記目的を達成するものである。
【0029】この発明によれば、請求項1,2の発明と
同様な作用により、シフター材とする有機シリコーン表
面が緻密に無機化され、クラックの発生や、収縮が防止
されたシフターが得られる。
【0030】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
て説明する。本実施例は、有機シリコーン系樹脂により
絶縁膜を形成して半導体装置を得る場合について、本発
明を適用したものである。本実施例では、図1に示した
処理装置を用いた。
【0031】半導体基板1上にあらかじめ第1の配線パ
ターン2(第1層アルミニウム)が形成されたもの(図
2)を基板として用い、その上にCVD絶縁膜3を形成
し(図3)、更に平坦化のために有機シリコーン系樹脂
絶縁膜4をスピンコートし(図4)、エッチバックし
(図5)、その後、ホローカソード処理を施し(図
6)、更にCVD絶縁膜6を形成する(図7)工程を有
した層間絶縁膜の形成方法を示したものである。以下図
2〜図7を用いて、本実施例を工程順に説明する。
【0032】図2は、その内部に半導体装置が組み込ま
れ、その表面に配線パターン2の形成された基板1を示
す。
【0033】図3は、上記基板1上にプラズマCVD技
術を用い、TEOS(Tetraethoxysila
ne Si(OC2 5)4 )をソースガスとして用いた
SiO2 (以下P−SiO2 と記す)を400nmの厚
さで形成して絶縁膜3を設けた状態を示す。
【0034】図4は、上記図3にシリコーン系樹脂絶縁
膜4として、東京応化工業製OCD−14000Tをス
ピンコートして形成し、次いで3.0×10-3Torr
の真空中で400℃、30分のベーキングを行い、50
0nmの厚さで形成し、平坦化をした状態を示す。
【0035】図5は、上記図4に平行平板型のRIE
(Reactive Ion Etching)装置を
用い有機シリコーン系樹脂膜4と絶縁膜3であるP−S
iO2のエッチングレートの比を1とする条件でエッチ
バックした状態を示す。この時のエッチバックの条件
は、圧力2.0Torr、RFパワー550W、C2
85SCCM、CHF3 35SCCM、He50SCC
Mとした。本処理後の表面には、図5に×で模式的に示
す如く炭素系ポリマー5が付着している。この炭素系ポ
リマーために、次いで形成されるCVD絶縁膜6との密
着性が劣化し、有機シリコーン系樹脂膜4との界面で剥
がれるという問題が発生する。
【0036】本実施例では、この問題を解決するため、
図1に示す装置によりホローカソード処理を施す。ホロ
ーカソード処理を施している基板1の状態を、図6に模
式的に示す。
【0037】図1のホローカソードについて説明する。
図1は、ホローカソード処理を実行するための処理装置
の概略図である。真空容器11は、O2 の導入口と排気口
を有している。真空容器11の内部には、電極12が、真空
容器11と電気的に絶縁されて存在している。
【0038】電極12は、図に示されている如く、2個の
向かい合った電極が電気的に接続されて、ホローカソー
ド10を構成している。向かい合った電極の上側の電極
は、メっシュ構造をなしている。このような電極12に、
RF電力が印加される。この2個の向かい合った電極間
の距離は、1cm〜5cmが適当である。この実施例で
は、2cmのものを使用した。
【0039】ホローカソードは、放電インピーダンスが
小さいため、大きな電流が流れる。即ちプラズマの密度
が非常に高く、基板表面に、多量のO2 イオンが入射す
る。そしてイオンのエネルギーは小さい。この結果、有
機シリコーン系樹脂の最表面の薄い層のみが緻密な無機
化層に変化するのである。
【0040】処理条件としては、O2 100SCCM、
RFパワー200W、圧力0.7Torr、1分とし
た。本処理とアッシャーでの処理との大きな違いは、ア
ッシャーでは、主反応種がO2 ラジカルであるのに対し
て、ホローカソード処理では、主反応種がO2 イオンで
あることである。このため、アッシャーでは、有機シリ
コーン系樹脂にクラックが入ってしまったが、ホローカ
ソード処理では、有機シリコーン系樹脂膜4の表面だけ
が緻密な無機化層となり、クラックが入らない。そして
本処理により、エッチバック後の炭素系ポリマー5が十
分に除去される。
【0041】図7は、上記図6にプラズマCVD技術を
用い、前出のTEOSをソースガスとして用いたSiO
2 を300nmの厚さで形成して、CVD絶縁膜6を設
けた状態を示す。これで第1配線パターン2上の層間絶
縁膜の形成が完成された。
【0042】本実施例によれば、次のような効果がもた
らされる。即ち、炭素系ポリマーを除去するため、従来
のように、例えば、ArイオンによるArスパッタエッ
チングを用いると、有機シリコーン系樹脂とP−SiO
2 のエッチングレートの比を1にすることができないた
め、平坦性が劣化してしまい、また、別の方法として、
レジスト剥離用の装置であるアッシャーを用いる場合
は、O2 ラジカルが主反応種であることから、有機シリ
コーン系樹脂にクラックが入ってしまい、更に、発煙硝
酸などによる湿式処理を施すと、有機シリコーン系樹脂
膜中の含有水分量が増加する等の問題が発生したのに対
し、これらの問題を一掃でき、膜質の劣化等の悪影響を
何らもたらすことなく、炭素系ポリマーを除去でき、上
層の成膜を良好にすることができる。
【0043】実施例2 本実施例では、炭素系ポリマー除去のための処理を、平
行平板型のRIE装置によるO2 イオンの処理によって
行った。本実施例では、イオンの密度がホローカソード
処理より小さいので、実施例1よりも処理能力が小さく
なる傾向はあったが、実施例1とほぼ同様の効果が得ら
れた。
【0044】実施例3 この実施例は、請求項3の発明を具体化したものであ
る。図15及び図16を参照する。
【0045】本実施例においては、図15に示すような、
基板1上にAl配線2及び絶縁層3が形成された下地上
に有機シリコーン樹脂4(有機SOG)を塗布し、その
後400℃、30分の熱処理を真空中で行った後に、急
熱装置(RTA)を用いて、500℃、O2 雰囲気中
で、深い方のコンタクトホール(図16のコンタクトホー
ル(b)参照)の側壁に露出する位置に対応する有機シ
リコーン樹脂が無機化されるまで処理を行う。図15中、
4aで無機化された有機シリコーン樹脂4の上層部を示
し、4bで無機化されずに有機基が残っている有機シリ
コーン樹脂4の下層部を示す。
【0046】その後、エッチバックしプラズマCVDを
用いたSiO2 膜6を堆積する。これにより、図16の構
造を得る。この場合は、コンタクトホール(b)の側壁
部分の有機シリコーン樹脂4は無機化されていて無機化
層4aになっているために、次工程の上層Al配線形成
時(例えば、基板加熱500℃のスパッタリング)に
も、有機系のガスが放出されず、よって埋め込み特性の
劣化がなく、抵抗値が上がることもない。
【0047】更に、有機シリコーン樹脂からの放出され
るガスの総量が減少するために、上層のAl配線の膜質
劣化が抑えられる。またここで、500℃で加熱を行う
ので、下層にあるAl配線への影響(消失等)もない。
【0048】実施例4 次に、図17〜図21を参照して、実施例4を説明する。こ
の実施例は、請求項3の発明を具体化したものである。
【0049】この実施例は、半導体基板1にあらかじめ
第1層の配線2を形成し(図17)、その上にシリコーン
樹脂絶縁膜4を塗布成膜し(図18)、それに開孔(B)
を作り(図20)、第2の配線20を形成する(図21)際
に、本発明を適用した。
【0050】図17は、その内部に半導体装置が組み込ま
れ、その表面に配線2を形成した基板1を示す。
【0051】図18は、上記基板1上に東京応化工業製O
CD−14000Tを塗布し、次いで真空中で400
℃、30分ベーキングを行い、シリコーン樹脂絶縁膜4
を形成した状態を示す。
【0052】図22はこの状態のシリコーン樹脂絶縁膜4
を赤外吸収スペクトルメータ(FT−IR)を用いて、
膜中の組成を測定した結果得られたスペクトルを示す。
1000−1130cm-1付近に見られるピークはSi
−O−Siの結合、1245−1275cm-1付近に見
られるピークはSi−CH3 の結合、3000cm-1
近に見られるピークはSi−CHの結合を表す。このよ
うに図18の状態ではシリコーン樹脂絶縁膜4中にCH3
のメチル基が存在することがわかる。
【0053】図19は、酸素雰囲気中で熱処理を行い、シ
リコーン樹脂絶縁膜4を無機化した図を示す。図23は、
この状態の無機化SOG膜4aをFT−IRによって測
定した結果、得られたスペクトルを示す。図22で見られ
た1250cm-1付近のSi−CH3 結合のピーク、3
000cm-1付近のSi−CHのピークは見られない。
即ち、メチル基が除去されたことを示す。なお、この時
の熱処理温度は600℃、処理時間は3分である。ま
た、この処理は急熱処理装置(RTP)を用いて行っ
た。図24は、この熱処理を窒素雰囲気中で行った場合の
FT−IRスペクトルを示す。この場合、Si−CH3
のピーク、Si−CHのピークが測定されている。ま
た、この強度は熱処理う行う前の強度(図22)と同程度
である。これより窒素雰囲気中での熱処理した場合、メ
チル基は除去できないことがわかる。
【0054】図20はレジスト73を塗布し、パターニング
後、配線2が露出する深さまでエッチングした状態を示
す。
【0055】図21は基板1を500℃に加熱し、第2の
配線20をスパッタで形成し、レジストを塗布し、パター
ニングを行った後、エッチングし、レジストを除去した
状態を示す。コンタクト部でボイドが発生せずに配線が
埋め込まれ、良好な上層配線が形成される。
【0056】本実施例においては、少なくともシリコー
ン樹脂を含有する絶縁膜について、この絶縁膜を熱処理
によって無機化処理する工程において、熱処理を酸素雰
囲気中で行うようにしたので良好な有機シリコーン膜を
成膜でき、性能の良い半導体装置を得ることができた。
【0057】実施例5 この実施例は、請求項4の発明を具体化したもので、位
相シフトマスクのシフターに有機シリコーン樹脂(有機
SOG)を使う場合、有機シリコーン樹脂の表面及び側
面を平行平板やホローカソードを用いたO2 プラズマを
用いて、O2 イオンを主とするプラズマにさらすように
した例である。
【0058】図25は、図10と同様、位相シフトマスクと
なるガラス基板71に、光を遮光するための遮光部72をな
すCrがパターニングされたものである。
【0059】図26はシフターとなる有機シリコーン樹脂
4をコーティングした後に、この有機シリコーン樹脂4
をO2 イオンを主反応種とするO2 プラズマ8にさらし
たものである。このO2 プラズマは平行平板型のプラズ
マ発生装置にO2 ガスを導入しRFによる放電をさせた
ものでよい。この時の条件は、0.1Torr、O2
ス100SCCM、RF200W、処理時間2分であっ
た。この処理により、有機シリコーン樹脂4(有機SO
G)の最表面が緻密に無機化される。この無機化層が、
後工程のアッシング時のO2 ラジカルのストッパーとな
る。この無機化層を符号4aで示し、特に×印を付して
無機化された部分を模式的に示す。更にO2 イオンを高
密度化する方法であるホローカソード構造の装置を用い
ると、より緻密な無機化層を形成することができる。
【0060】このホローカソードについて説明する。図
31は、ホローカソード処理を実行するための処理装置の
概略図である。真空容器11は、O2 の導入口と排気口を
有している。真空容器11の内部には電極12が真空容器1
と電気的に絶縁されて存在している。電極12は図に示さ
れている如く2個の向かい合った電極が電気的に接続さ
れている。この向かい合った電極の内の上側の電極はメ
ッシュ構造をしている。そしてこの電極12にRF電力が
印加されている。この2個の向かい合った電極間距離は
1cm〜5cmが適当であるが、ここでは2cmのもの
を使用した。ホローカソードは、放電インピーダンスが
小さいため、大きな電流が流れる。即ちプラズマの密度
が非常に高く基板表面に多量のイオンが入射する。そし
て、イオンのエネルギーは小さい。このため、SOGの
最表面の薄い層のみが緻密な無機化層に変化するのであ
る。この処理の条件は本実施例では0.1Torr、O
2ガス100SCCM、RF200W、処理時間1分で
あった。
【0061】図26の構造を得た後は、通常のレジストの
パターニング方法を用いて、シフターとなるSOGを所
望のパターンにするために、レジスト73をパターニング
し、図27の構造とした。
【0062】図28は、レジスト73をマスクとして、有機
シリコーン樹脂膜4をプラズマエッチングして得た構造
を示す。
【0063】次に、図29のように、図26において用いた
2 プラズマによる処理を更に施し、図示の如く有機シ
リコーン樹脂4の側面も無機化する。
【0064】次いで、レジスト73を剥離し、図30の構造
を得る。この時通常のアッシャー(O2 ラジカル)を用
いても、有機シリコーン樹脂には、クラックも入らず、
もちろん膜の収縮もない。
【0065】本実施例によれば、シフターである有機シ
リコーン樹脂(有機SOG)表面、及び側面をアッシン
グ前にO2 イオンを主とするプラズマにさらすことによ
り、有機シリコーン樹脂(SOG)表面が緻密に無機化
されるために、その後のO2ラジカルを主反応種とする
アッシング処理をしても、シフターである有機シリコー
ン樹脂にクラックが入ることや、収縮することを防ぐこ
とができる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、良好な膜質の有機シリ
コーン系樹脂を得ることができる。即ち表面の炭素系ポ
リマーを除去できたため、及び/または樹脂表面のみが
緻密に無機化したためと考えられる処理により、その上
層に形成する膜(CVD膜等)との密着性の向上が達成
され、上層の配線の形成なども問題なく良好に達成でき
る。しかもこの場合、平坦性の劣化がなく、有機シリコ
ーン系樹脂の膜厚の劣化(含有水分量の増加)がなく、
かつ有機シリコーン系樹脂にクラックが生じることな
く、この効果を得ることができる。位相シフトマスクの
シフターとして用いる場合も、良好な結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に用いた処理装置(ホローカソード処
理装置)の構成図である。
【図2】実施例1の工程を示す図である(1)。
【図3】実施例1の工程を示す図である(2)。
【図4】実施例1の工程を示す図である(3)。
【図5】実施例1の工程を示す図である(4)。
【図6】実施例1の工程を示す図である(5)。
【図7】実施例1の工程を示す図である(6)。
【図8】本発明の作用説明のための図である。
【図9】問題点を示す図である。
【図10】従来の位相シフトマスクの製造方法を示す図で
ある(1)。
【図11】従来の位相シフトマスクの製造方法を示す図で
ある(2)。
【図12】従来の位相シフトマスクの製造方法を示す図で
ある(3)。
【図13】従来の位相シフトマスクの製造方法を示す図で
ある(4)。
【図14】従来の位相シフトマスクの製造方法を示す図で
ある(5)。
【図15】実施例3の工程を示す図である(1)。
【図16】実施例3の工程を示す図である(2)。
【図17】実施例4の工程を示す図である(1)。
【図18】実施例4の工程を示す図である(2)。
【図19】実施例4の工程を示す図である(3)。
【図20】実施例4の工程を示す図である(4)。
【図21】実施例4の工程を示す図である(5)。
【図22】作用説明図である。
【図23】作用説明図である。
【図24】作用説明図である。
【図25】実施例5の工程を示す図である(1)。
【図26】実施例5の工程を示す図である(2)。
【図27】実施例5の工程を示す図である(3)。
【図28】実施例5の工程を示す図である(4)。
【図29】実施例5の工程を示す図である(5)。
【図30】実施例5の工程を示す図である(6)。
【図31】実施例4で用いたホローカソード処理装置であ
る。
【符号の説明】
1 基板 4 有機シリコーン系樹脂 5 炭素系ポリマー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機シリコーン系樹脂を成膜し、該有機シ
    リコーン系樹脂をエッチングする工程を有する有機シリ
    コーン系樹脂膜の形成方法において、 前記エッチング工程の後、ホローカソード処理または平
    行平板型RIE処理を行うことを特徴とする有機シリコ
    ーン系樹脂膜の形成方法。
  2. 【請求項2】有機シリコーン系樹脂を成膜し、該有機シ
    リコーン系樹脂をエッチングして有機シリコーン系樹脂
    絶縁膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記エッチング工程の後、ホローカソード処理または平
    行平板型RIE処理を行うことを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  3. 【請求項3】有機シリコーン系樹脂を成膜し、酸素雰囲
    気中で熱処理を行い、下層配線との接続のためのコンタ
    クトホールを形成する工程を有する半導体装置の製造方
    法において、 前記有機シリコーン系樹脂の前記コンタクトホール側壁
    部が前記熱処理工程にり無機化されていることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】基板上に遮光パターンを形成する工程と、
    該基板及び遮光パターン上に有機シリコーン系樹脂を成
    膜する工程と、ホローカソード処理または平行平板型R
    IE処理を行う工程と、前記有機シリコーン系樹脂上に
    レジストパターンを形成する工程と、該レジストパター
    ンをマスクに前記有機シリコーン系樹脂をパターニング
    する工程と、ホローカソード処理または平行平板型RI
    E処理を行う工程を有することを特徴とする位相シフト
    マスクの製造方法。
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