JPH05283278A - 積層型セラミックチップコンデンサの製造方法 - Google Patents
積層型セラミックチップコンデンサの製造方法Info
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- JPH05283278A JPH05283278A JP11089292A JP11089292A JPH05283278A JP H05283278 A JPH05283278 A JP H05283278A JP 11089292 A JP11089292 A JP 11089292A JP 11089292 A JP11089292 A JP 11089292A JP H05283278 A JPH05283278 A JP H05283278A
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Abstract
と誘電体層とを有する積層型セラミックチップコンデン
サを、焼成することによって製造する方法であって、焼
成雰囲気の酸素分圧を、焼成工程の昇温部の少なくとも
一部において、温度維持部より低くすることを特徴とす
る。 【効果】 焼結体粒子の粒径が小さくなり、層間厚みを
薄くすることができ、また長寿命となり、しかも初期絶
縁抵抗の値が高くなるという効果が得られる。
Description
プコンデンサの製造方法に関するものである。
通常、内部電極用のペーストと、誘電体層用のペースト
とをグリーンシート法や印刷法等により積層し、一体同
時焼成して製造される。
合金が用いられているが、Pdは高価であるため、比較
的安価なNiやNi合金が使用されつつある。
成する場合は、大気中で焼成を行うと電極が酸化してし
まうという問題がある。
とNiOの平衡酸素分圧よりも低い酸素分圧で焼成し、
その後熱処理により誘電体層を再酸化させている。この
場合、誘電体材料の緻密化を図るため、通常鉱化剤とし
てSiO2 が加えられる。さらには、工程中にAl2 O
3 等が混入されることが多い。これらとBaO、TiO
2 等を含むいわゆる粒界相成分は、還元雰囲気中で焼成
を行うと、絶縁抵抗の低下をもたらすものとも考えられ
る。
下等を防止するため、Mnの添加や、Ca置換等も行わ
れている。
金製の内部電極を有する積層型チップコンデンサは、大
気中で焼成して製造されるPd製の内部電極を有する積
層型チップコンデンサに比べ、絶縁抵抗の寿命が圧倒的
に短く、信頼性が低いという問題がある。
造しようとする場合、厚さが結晶粒1個分になることが
あり、このような場合には初期絶縁抵抗もとれなくなる
ことが多い。
電体であっても焼結体粒子粒径が小さく、長寿命でかつ
初期絶縁抵抗の高い積層型セラミックチップコンデンサ
を製造する方法を提供することによる。
(1)〜(2)の本発明により達成される。 (1)NiまたはNi合金である内部電極と誘電体層と
を有する積層型セラミックチップコンデンサを、昇温
部、該昇温部に続き、所定の焼成温度に維持する温度維
持部、降温部を含む焼成工程によって焼成することによ
って積層型セラミックチップコンデンサを製造する積層
型セラミックチップコンデンサの製造方法であって、焼
成における昇温部の1100〜1300℃の一部または
全部の酸素分圧を10-12atm以下とすることを特徴とす
る請求項1の積層型セラミックチップコンデンサの製造
方法。
100℃〜1200℃の酸素分圧を10-12 atm 以下で
あることを特徴する上記(1)の積層型セラミックチッ
プコンデンサ。
〜1300℃のときに酸素分圧を低くすることが好まし
い。
いて詳細に説明する。図1には、それぞれ本発明の製造
方法により製造される積層型セラミックチップコンデン
サの好適例を示す。
1、25と、誘電体層3とが交互に積層され、各内部電
極21、25に接続している1対の外部電極51、55
を有するものである。
プコンデンサは、内部電極21、25がNiまたはNi
合金から形成され、この場合、Ni合金としては、Ni
を95重量%以上含有するNiと、Mn、Cr、Co、
Al等の1種以上との合金であることが好ましい。
な寿命や信頼性を得ることができる。
分として、0.1重量%以下のP等が含有されていても
よい。
的や用途に応じ適宜決定をすればよいが、通常厚みは、
1〜5μm 、特に2〜3μm 程度である。
れている。
わされる組成の誘電体酸化物を含有するものである。
0〜0.10、yは0〜0.05、好ましくは0〜0.
01、zは0.1〜0.3、好ましくは0.15〜0.
20、mは1.000〜1.020、好ましくは1.0
02〜1.015である。
により酸化物になる化合物を含有しても構わない。
重量%以下、特には0〜0.25重量%程度が好まし
い。
物、Co酸化物、Hf酸化物等が0.5重量%程度以下
含有されてもよい。
焼成により酸化物になる化合物を酸化物MnO換算で
0.01〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.4重
量%、イットリウムの酸化物および/または焼成により
酸化物になる化合物を酸化物Y2 O3 換算で0.05〜
0.5重量%、好ましくは0.2〜0.4重量%、バナ
ジウムの酸化物および/または焼成により酸化物になる
化合物を酸化物V2 O5換算で0.005〜0.3重量
%、好ましくは0.01〜0.1重量%、タングステン
の酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物
を酸化物WO3換算で0.005〜0.3重量%、好ま
しくは0.01〜0.1重量%程度含まれることが好ま
しい。
セラミックチップコンデンサは、前記酸化物に加え、L
i酸化物が含有されてもよい。この場合は、Li2 Oで
換算し、合計量が前記範囲であることが好ましい。
がLi2 O換算で0.005〜0.5重量%、好ましく
は0.01〜0.25重量%、特に好ましくは0.05
〜0.20重量%程度含まれるようにしてもよい。
P以外は通常、上記の最も安定な酸化物の形で含有させ
る。
目的や用途に応じ適宜決定すればよい。
程度であり、厚みは、3〜50μm、特に10〜20μm
程度である。
は、1〜5μm 程度であることが好ましく、また誘電体
を構成するグレイン以外の部分である粒界相の面積比
が、誘電体層3の任意の断面にて2%以下、好ましくは
0.5〜1.5%、特に好ましくは0.5〜1.0%程
度であることが好ましい。前記範囲をこえると寿命が短
くなり、信頼性が低下する傾向にある。
電子顕微鏡を用いて写真を撮り、これから求めればよ
い。この粒界相は、通常誘電体材料あるいは内部電極材
料を構成する材質の酸化物や、別途添加された材質の酸
化物、さらには工程中に不純物として混入する材質の酸
化物を成分とし、通常ガラスないしガラス質で形成され
ている。
1、55には、通常CuやCu合金あるいはNiやNi
合金等を用いる。
目的や用途に応じ適宜決定すればよいが、通常10〜5
0μm 程度である。
チップコンデンサ1の形状やサイズは、目的や用途に応
じ適宜決定すればよい。例えば直方体状の場合は、通常
1.6〜3.2mm×0.8〜1.6mm×0.6〜1.2
mm程度である。
まず、誘電体層3用ペースト、内部電極21、25用ペ
ーストおよび外部電極51、55用ペーストをそれぞれ
製造する。誘電体層3用のペーストを製造する際に用い
る誘電体の原料粉末としては、通常、後述される誘電体
酸化物の組成に応じ、Ti、Ba、Sr、Ca、Zr等
の酸化物とを用いればよい。
より一層高い効果が得られる。
化合物、例えば炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、
有機金属化合物等を用いてもよい。
なる化合物とを併用してもよい。
0.0005〜5μm 程度のものが用いられる。
には例えば下記のようにすればよい。
ば、ボールミル等により湿式混合する。
させ、その後仮焼し、、酸化マンガンと、下記式の誘電
体酸化物とを得る。
て、2〜10時間程度行う。
等にて所定粒径となるまで粉砕し、誘電体材料を得る。
いられる結合剤、可塑剤、分散剤、溶剤等の添加剤は種
々のものであってよい。また、ガラスフリットを添加し
てもよい。
ス、アビエチン酸レジン、ポリビニール・ブチラールな
ど、可塑剤としては、例えばアビエチン酸誘導体、ジエ
チル蓚酸、ポリエチレングリコール、ポリアルキレング
リコール、フタール酸エステル、フタール酸ジブチルな
ど、分散剤としては、例えばグリセリン、オクタデシル
アミン、トリクロロ酢酸、オレイン酸、オクタジエン、
オレイン酸エチル、モノオレイン酸グリセリン、トリオ
レイン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、メ
ンセーデン油など、溶剤としては、例えばトルエン、テ
ルピネオール、ブチルカルビトール、メチルエチルケト
ンなどが挙げられる。
全体に対する割合は50〜80重量%程度とし、その
他、結合剤は2〜5重量%、可塑剤は0.1〜5重量
%、 分散剤は0.1〜5重量%、溶剤は20〜50重量
%程度とする。
し、例えば3本ロール等で混練してペースト(スラリ
ー)とする。
る際に用いる導体材料としては、NiやNi合金さらに
はこれらの混合物を用いる。
等、その形状に特に制限はなく、またこれらの形状のも
のが混合したものであってもよい。
らには0.1〜1μm 程度のものを用いればよい。
を含有するものである。バインダーとしては、例えばエ
チルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等公知
のものはいずれも使用可能である。
る。
チルカルビトール、ケロシン等公知のものはいずれも使
用可能である。
る。
で、必要に応じ、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリ
ン脂肪酸エステル等の分散剤や、ジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ブチルフタリルグリコール酸
ブチル等の可塑剤や、デラミ防止、焼結抑制等の目的
で、誘電体、絶縁体等の各種セラミック粉体等を添加す
ることもできる。
も有効である。
の導体材料粉末を含有する通常のペーストを用いればよ
い。
5用ペーストと、誘電体3用ペーストは、印刷法、転写
法、グリーンシート法等により、それぞれ交互に積層さ
れる。
脱バインダ処理および焼成を行い、誘電体層3を再酸化
させるため、熱処理を行う。
よいが、特に下記の条件で行なうことが好ましい。
合ガスを用いることが好適である。
atm 以下、より好ましくは、10-7〜10-13 atm にて
行うことが好ましい。
が酸化する傾向にあり、またあまり小さすぎると電極材
料が異常焼結を起こし、途切れてしまう傾向にある。
ましい。
加湿したN2 とH2 の混合ガスを用い、焼成雰囲気の酸
素分圧を昇温部の1100〜1300℃のとき、特に1
100℃〜1200℃のときに酸素分圧を10-12atm以
下と低くする。
高温度を800〜1200℃、より好ましくは900〜
1100℃、特に好ましくは1000〜1100℃とし
て行うことが好ましい。
分なために寿命が短くなる傾向になり、前記範囲を越え
ると内部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでな
く、誘電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向
にある。
上、より好ましくは10-4〜10-7atm が好ましい。
4の再酸化が困難であり、前記範囲をこえると内部電極
21、25が酸化する傾向にある。
い。 保持時間:0〜10時間、 特に2〜5時間 冷却速度:50〜500℃/時間 特に100〜300℃/時間
ェッターを使用する。そして、昇温中の一部において大
気における酸素分圧よりも低くするには、かかるウエッ
タ−温度で20℃以下、好ましくは0℃程度とし、それ
以外は25℃以上とすればよい。
は、それぞれを連続して行っても、独立に行ってもよ
い。
ばバレル研磨、サンドブラスト等にて端面研磨を施し、
外部電極用ペーストを焼きつけて外部電極51、55を
形成する。
き等によりパッド層を形成する。
いて、焼成時の昇温中に、特には昇温中の温度が110
0〜1300℃、特に1100℃〜1200℃のとき
に、誘電体の中の酸素が放出されることが、酸素分析計
を用いた実験により確かめられた。
部よりも低くしてやることにより、焼結して閉気孔がで
きる前に十分に誘電体から酸素を吐き出させることがで
き、これにより、次のような作用が生ずるものとも考え
られる。
ら酸素を放出させることにより、粒成長が抑制され、
アクセプタ準位が形成され(Mn4+→Mn2+)、かつ
電極が還元されることになる(例えば、脱バインダ中
に酸化したNi電極(NiO)はNiに戻されることに
なる)。
なり、層間厚みを薄くすることができ、また上記及び
の作用により初期絶縁抵抗の値を向上させることがで
きる。
ることができる。すなわち、耐還元性が良好でない場合
には初期絶縁抵抗値が低く、初期値がとれずに、寿命は
ゼロ時間となってしまうが、上記のようにアクセプタ準
位が形成されることによって耐還元性が良好となるから
である。
から生ずる酸素の分圧を、ウエッターの温度により制御
しようとするものである。参考のために、ウエッター0
℃と35℃の場合の、H2が5%のときの酸素分圧の計
算値を下記の表1及び表2に示す。
をさらに詳細に説明する。 実施例1〜7,比較例1〜3 出発原料 BaCO3 :65.28重量% TiO2 :23.72重量% ZrO2 : 7.49重量% CaCO3 : 2.88重量% SiO2 : 0.18重量% MnCO3 : 0.20重量%
で16時間湿式混合した。
後、空気中にて、1200℃の温度で、3時間仮焼し、
下記式で表わされる組成の誘電体酸化物と、SiO2
と、MnOとを得た。 [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.52重量% SiO2 :0.18重量% MnO :0.3重量%
し、平均粒子径0.5μm のチタン酸バリウム系の誘電
体材料を得た。
配合比にて、3本ロールにより混練し、スラリー化して
誘電体層用ペーストとした。
ルにより混練し、スラリー化して内部電極用ペーストと
した。
て図1に示される積層型セラミックチップコンデンサ1
を製造した。
ペーストを用いて、印刷法により交互に積層した。
ダ処理、焼成および熱処理を連続して下記の条件にて行
った。
ガス 酸素分圧:10-6atm
それぞれの雰囲気用ガスの加湿には、ウエッターを使用
し、このウエッターの水温を、図2に示すX℃からY℃
の温度領域については0℃(W=0℃)とし、この温度
領域を種々変動させ、それ以外の領域を35℃(W=3
5℃)として、昇温中の少なくとも一部において焼成雰
囲気の酸素分圧を低くした。
は下記の表2に示す。
トにて研磨した後、In−Ga合金を塗布して、試験用
電極を形成した。
チップコンデンサ1のサイズは、3.2mm×1.6mm×
1.2mmであり、誘電体層3の厚みは6.5μm 、内部
電極21、25の厚みは2.5μm である。
対し、温度200℃、電圧DC64Vにて、加速寿命試
験を行い、併せて初期特性試験を行った。
型セラミックチップコンデンサの製造方法においては、
焼成時の昇温中の少なくとも一部において、焼成雰囲気
の酸素分圧を温度維持部における酸素分圧よりも低くす
ることにより焼結体粒子の粒径が小さくなり、層間厚み
を薄くすることができ、また長寿命となり、しかも初期
絶縁抵抗の値が高くなるという効果が得られる。
クチップコンデンサの1例が示される断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 NiまたはNi合金である内部電極と誘
電体層とを有する積層型セラミックチップコンデンサ
を、昇温部、該昇温部に続き、所定の焼成温度に維持す
る温度維持部、降温部を含む焼成工程によって焼成する
ことによって積層型セラミックチップコンデンサを製造
する積層型セラミックチップコンデンサの製造方法であ
って、焼成における昇温部の1100〜1300℃の一
部または全部の酸素分圧を10-12atm以下とすることを
特徴とする請求項1の積層型セラミックチップコンデン
サの製造方法。 - 【請求項2】 焼成において昇温部の少なくとも110
0℃〜1200℃の酸素分圧を10-12 atm 以下である
ことを特徴する請求項1の積層型セラミックチップコン
デンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11089292A JP3272763B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 積層型セラミックチップコンデンサの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08239265A (ja) * | 1994-12-23 | 1996-09-17 | Korea Advanced Inst Of Sci Technol | 誘電体磁器組成物とこれを用いた積層セラミックキャパシタおよびその製造方法 |
US7276130B2 (en) | 2001-04-12 | 2007-10-02 | Tdk Corporation | Production method of multilayer ceramic electronic device |
JP2011185451A (ja) * | 2010-03-04 | 2011-09-22 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 熱処理雰囲気ガス発生方法 |
-
1992
- 1992-04-03 JP JP11089292A patent/JP3272763B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08239265A (ja) * | 1994-12-23 | 1996-09-17 | Korea Advanced Inst Of Sci Technol | 誘電体磁器組成物とこれを用いた積層セラミックキャパシタおよびその製造方法 |
US7276130B2 (en) | 2001-04-12 | 2007-10-02 | Tdk Corporation | Production method of multilayer ceramic electronic device |
US7578896B2 (en) | 2001-04-12 | 2009-08-25 | Tdk Corporation | Production method of multilayer ceramic electronic device |
JP2011185451A (ja) * | 2010-03-04 | 2011-09-22 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 熱処理雰囲気ガス発生方法 |
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