JPH0528304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として室内の間仕切りドアーに対し
て取り付けるための仮止め錠に関するものであつ
て、幼児に依る悪戯的開閉が良く阻止されるよう
にすると同時に、ドアーの内外何れの面からもそ
の仮止め及び解除の操作が成されるようにしたこ
とを特徴とするものである。

（従来の技術） 幼児の居る家庭で最も注意しなければならない
ことは、ドアーを勝手に開いて、中に入り込んで
悪戯をすることである。そして、単なる悪戯だけ
ならまだしも、例えばトイレに入り込んで便器内
に手を突つ込んだり、浴室に入り込んで浴槽内に
落下して重大事故を招いてしまうと言うことが儘
生じるものであつた。

従来、このような事故発生を防止するために、
ドアーに鍵を掛けておくか、または、ドアーの内
部に仮止め用掛け止め金具を取り付け、ドアーを
開けるに際しては、当該ドアーをやや開いた状態
で手を挿入してこれの係止を解除し、然る後、完
全開扉を図るように構成した専用金具を用いるも
のであつた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記したような鍵を掛けておく場合、その開閉
毎に鍵に依る解錠及び鎖錠操作を要するため、そ
の開閉操作は著しい煩雑感が、必然、伴うもので
ある。

そして、上記したようなドアーの内部に仮止め
用掛け止め金具を取り付けた場合、その操作はド
アーを少し開いた状態で手探りでおこなうため、
その開閉操作が極めて不自然であり、来客の際に
これを行うには、何と無く気恥ずかしさが伴うも
ことを余儀なくされた。そして、親に依るこのよ
うな操作を、幼児が見ていた場合、却つて幼児の
興味を惹き、やや開いた状態にあるドアーを無理
に引き開けたり、親の真似をして手を入れている
うちに、開け方を覚えてしまつたり等の問題が生
じてしまうものである。そして、このような形態
の仮止め錠に於ける致命的な欠点は、例えば外面
側から手を入れて操作するものであると、内面側
からは自由にその掛け外しが出来るため、室内の
間仕切り用ドアーに対する仮止め錠としては、全
く利用不能とされた。

本考案は上述したような従来に於ける問題点の
解決化を図つたものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために本考案に係るドア
ー用仮止め錠は、ドアーＡの上縁に、当該ドアー
の内外両面側から摺動操作可能とする仮止め用ス
ライダー１を摺動自在に取付け、該仮止め用スラ
イダー１は、ドアーＡの取付け枠部Ｂに於ける上
部枠ｂの所要箇所に設けた適宜掛け止め部材に対
して係脱自在とするように構成してある。

そして、具体的には、両側部に嵌合用垂下片部
１ｂ，１ｃを垂設してドアーＡの上縁に対して摺
動自在に嵌合可能とするように成した仮止め用ス
ライダー１を形成し、当該一方の嵌合用垂下片部
１ｂの外側面所要箇所には摺動用第１操作片２を
突設し、また、他方の嵌合用垂下片部１ｃの下縁
には、係止用板部３を外向き方向にしてかつ水平
状に連設すると共に、当該係止用板部３には、ド
アーＡの取付け枠部Ｂに於ける上部枠ｂの所要箇
所に垂設する掛け止め用軸体Ｃに対して係脱自在
に係止させるための係合用切り溝３ａを切設し、
更に、該係止用板部３の下面所要箇所には摺動用
第２操作片４を垂設するように構成してある。

（作用） 図面に示す実施例について本考案の使用形態を
説明すれば次の通りである。

第１図に示すようなドアーＡの開扉状態におい
て、これをぴつたりと閉め、然る後、摺動用第２
操作片４を介して仮止め用スライダー１を同図に
矢印で示す方向に摺動させれば、その係合用切り
溝３ａが、ドアーＡの取付け枠部Ｂに於ける上部
枠ｂの所要箇所に垂設する掛け止め用軸体Ｃに対
して係止することとなる。従つて、ドアーＡは仮
止め状態に保持され、幼児に依る不用意な開扉が
阻止される。

また、開扉に際しては、仮止め用スライダー１
を上記と反対方向に摺動させれば、係合用切り溝
３ａが掛け止め用軸体Ｃから離脱し、ドアーの開
閉が自由化されることとなる。

尚、ドアーＡの反対側から上記のような仮止め
操作を行う時は、摺動用第１操作片２を介して行
うものである。すなわち、上記の仮止め操作は、
摺動用第１操作片２または摺動用第２操作片４の
何れかを使用することにより、ドアーＡの内外両
面の何れの側からも操作可能とされるわけであ
る。

（実施例） 本考案の実施例を図面について詳細に説明すれ
ば次の通りである。

図に於いて、Ａはドアー、Ｂはドアーの取付け
枠部であつて、その上部枠ｂの所要箇所には掛け
止め用軸体Ｃが垂設されている。

１はドアーＡの上縁に対して摺動自在に嵌合す
るための仮止め用スライダーであつて、当該スラ
イダー１は、ドアーＡの上縁に接触する水平板部
１ａの両側部に嵌合用垂下片部１ｂ，１ｃを垂設
して成り、その断面形状が下向きコ字状を呈する
ように構成してある。

２は上記仮止め用スライダー１於ける一方の嵌
合用垂下片部１ｂの外側面所要箇所に突設した摺
動用第１操作片であつて、仮止め用スライダー１
を手動的にドアーＡの上縁左右方向にスライドさ
せるためのものである。

３は上記仮止め用スライダー１に於ける他方の
嵌合用垂下片部１ｃの下縁に外向き方向にしてか
つ水平状に連設した係止用板部であつて、その前
端縁には、前記した掛け止め用軸体Ｃに対して係
脱自在に係止させるための係合用切り溝３ａを形
成してある。３ｂは該係止用板部３の側端縁寄り
部分に形成した補強用突条である。

４は上記した係止用板部３の下面に垂設した摺
動用第２操作片であつて、仮止め用スライダー１
を手動的にドアーＡの上縁左右方向にスライドさ
せるためのものである。

（考案の効果） 本考案は、ドアーＡの上縁に、当該ドアーの内
外両面側から摺動操作可能とする仮止め用スライ
ダー１を摺動自在に取付け、該仮止め用スライダ
ー１は、ドアーＡの取付け枠部Ｂに於ける上部枠
ｂの所要箇所に設けた適宜掛け止め部材に対して
係脱自在と成したから、ドアーに対する極めて良
好なる仮止め目的が達成され、かつ、幼児はドア
ーの上縁に位置している仮止め用スライダー１に
は到底手が届かず、従つて、幼児による不測の開
扉を招くような恐れを絶無とする。

そして、当該仮止めのための操作は、ドアーの
表面側に位置している第１操作片２または第２操
作片４を介して行うものであるから、従来のよう
にドアーをやや開き、その隙間から手を挿入して
行うように構成したものに比して、著しく簡便か
つ容易に達成されることとなる。

また、仮止め用スライダー１はドアーの上縁に
単に摺動自在に嵌合するだけで事足りるものであ
るから、既存のドアーに対する本考案の取付け
は、何等の工具を要する事無く極めて簡便かつ容
易に達成されることとなる。

更に、本考案は仮止め用スライダー１の一側に
摺動用第１操作片２を突設し、またその他側に摺
動用第２操作片４を垂設することに依り、当該仮
止め用スライダー１はドアーの内外両面側から摺
動操作可能とするように構成したから、前記した
ような仮止めは、ドアーの内外両面の何れの側か
らも操作可能とされる。

従つて、従来のこの種仮止め錠のように、例え
ば外面側から手を入れて操作するものであると、
内面側からは自由にその掛け外しが出来るため、
室内の間仕切り用ドアーに対する仮止め錠として
は、全く利用不能とされる、と言うような使用上
の制限性は、本考案にあつては全く解消化され
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものであつて、第
１図は本考案の使用状態を示す説明用斜視図、第
２図は本考案に依る仮止め状態を示す要部の側面
図、第３図は本考案の斜視図、第４図は第３図に
於ける−線断面図である。 Ａ……ドアー、Ｂ……取付け枠部、ｂ……上部
枠、Ｃ……掛け止め用軸体、１……仮止め用スラ
イダー、１ａ……水平板部、１ｂ，１ｃ……嵌合
用垂下片部、２……摺動用第１操作片、３……係
止用板部、３ａ……係合用切り溝、３ｂ……補強
用突条、４……摺動用第２操作片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ドアーＡの上縁に、当該ドアーの内外両面側
   から摺動操作可能とする仮止め用スライダー１
   を摺動自在に取付け、該仮止め用スライダー１
   は、ドアーＡの取付け枠部Ｂに於ける上部枠ｂ
   の所要箇所に設けた適宜掛け止め部材に対して
   係脱自在と成したことを特徴とするドアー用仮
   止め錠。 (2) 両側部に嵌合用垂下片部１ｂ，１ｃを垂設し
   てドアーＡの上縁に対して摺動自在に嵌合可能
   とするように成した仮止め用スライダー１を形
   成し、当該一方の嵌合用垂下片部１ｂの外側面
   所要箇所には摺動用第１操作片２を突設し、ま
   た、他方の嵌合用垂下片部１ｃの下縁には、係
   止用板部３を外向き方向にしてかつ水平状に連
   設すると共に、当該係止用板部３には、ドアー
   Ａに対する取付け枠部Ｂに於ける上部枠ｂの所
   要箇所に垂設する掛け止め用軸体Ｃに対して係
   脱自在に係止させるための係合用切り溝３ａを
   切設し、更に、該係止用板部３の下面所要箇所
   には摺動用第２操作片４を垂設したことを特徴
   とする請求項１記載のドアー用仮止め錠。