JPH05282602A - 磁気記録再生装置 - Google Patents
磁気記録再生装置Info
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- JPH05282602A JPH05282602A JP3040068A JP4006891A JPH05282602A JP H05282602 A JPH05282602 A JP H05282602A JP 3040068 A JP3040068 A JP 3040068A JP 4006891 A JP4006891 A JP 4006891A JP H05282602 A JPH05282602 A JP H05282602A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、異なる周波数を有する少なくとも
2つの信号を重畳して記録媒体に記録する磁気記録再生
装置において、前記信号のうち最も周波数の高い信号f
B に対して、前記信号のうち信号fB 以外の一つの信号
fS を、当該信号fS が前記信号fB に対して逆位相と
なる期間加算する加算手段と、前記加算手段の出力信号
の振幅を制限する非線形処理手段と、前記非線形処理手
段の出力信号から、前記信号fS 成分を除去する除去手
段と、前記除去手段の出力信号が入力されて、磁気テー
プに記録を行う磁気ヘッドと、を具備する磁気記録再生
装置である。 【効果】 本発明によれば、2周波以上の重畳記録にお
いて、従来よりも低域信号のレべル変動を改善し、さら
に、歪特性や記録再生の効率の良好な磁気記録再生装置
を提供することができる。
2つの信号を重畳して記録媒体に記録する磁気記録再生
装置において、前記信号のうち最も周波数の高い信号f
B に対して、前記信号のうち信号fB 以外の一つの信号
fS を、当該信号fS が前記信号fB に対して逆位相と
なる期間加算する加算手段と、前記加算手段の出力信号
の振幅を制限する非線形処理手段と、前記非線形処理手
段の出力信号から、前記信号fS 成分を除去する除去手
段と、前記除去手段の出力信号が入力されて、磁気テー
プに記録を行う磁気ヘッドと、を具備する磁気記録再生
装置である。 【効果】 本発明によれば、2周波以上の重畳記録にお
いて、従来よりも低域信号のレべル変動を改善し、さら
に、歪特性や記録再生の効率の良好な磁気記録再生装置
を提供することができる。
Description
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は2周波以上の信号を重畳
して磁気テープ等に記録する磁気記録再生装置に関する
ものであり、特にビデオテープレコーダ(以下VTRと
略す)や音声用テープレコーダーに関するものである。
して磁気テープ等に記録する磁気記録再生装置に関する
ものであり、特にビデオテープレコーダ(以下VTRと
略す)や音声用テープレコーダーに関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来より、音声用テープレコーダにおい
ては、音声信号に対してそれよりも十分周波数の高い交
流バイアス(例えば周波数65KHz)を重畳して記録
することが広く行なわれている。これにより、磁気テー
プの非線形特性を改善し、歪を減少させることが可能で
ある。
ては、音声信号に対してそれよりも十分周波数の高い交
流バイアス(例えば周波数65KHz)を重畳して記録
することが広く行なわれている。これにより、磁気テー
プの非線形特性を改善し、歪を減少させることが可能で
ある。
【0004】また、現行のVTRにおいては、カラー信
号を低域変換し(例えば629KHz)、これに輝度信
号のFMキャリア(例えば50%ホワイトレベルに対し
6.4MHz)を重畳して記録することが一般的である
が、この場合もFMキャリアはカラー信号に対し交流バ
イアスとして作用し、カラー信号の直線性や歪特性を改
善している。記録重畳波のベクトル表示を図14に示す
が、FMキャリア(図中Yで示す)はカラー信号(図中
Cで示す)のベクトルの先端を中心として回転すること
になる。
号を低域変換し(例えば629KHz)、これに輝度信
号のFMキャリア(例えば50%ホワイトレベルに対し
6.4MHz)を重畳して記録することが一般的である
が、この場合もFMキャリアはカラー信号に対し交流バ
イアスとして作用し、カラー信号の直線性や歪特性を改
善している。記録重畳波のベクトル表示を図14に示す
が、FMキャリア(図中Yで示す)はカラー信号(図中
Cで示す)のベクトルの先端を中心として回転すること
になる。
【0005】一方、磁気テープのヒステリシス特性を図
15に示す。(横山克哉著「磁気記録技術入門」P2
3)これはB−H曲線とも呼ばれ、横軸に材料に加えた
外部磁界Hを、縦軸にその結果発生した磁束密度Bを示
したものである。もし交流信号をそのまま記録すると、
図中の初期磁化曲線の直線性の悪い部分(原点周辺)に
より波形は大きく歪んでしまうが、交流バイアス記録に
おいては以下の様な原理でこれが改善される。図16
(a)はカラー信号とY信号(輝度信号のFMキャリ
ア)の重畳波が磁気テープ内で磁化される過程をB−H
平面上に示したもので、実線は重畳波のエンベロープの
軌跡を表す。(記録波形におけるエンベロープは即ちカ
ラー成分に等しい。)バイアスとして働くY信号自身は
一般的にその周波数における最適記録電流で飽和記録さ
れるが、そのエンベロープとなるカラー信号については
最適記録電流よりもかなり小さい電流で登録されるの
で、その軌跡は初期磁化曲線に添ったループを形成す
る。その結果得られる再生波形を図16(b)に示す
が、点線はY信号、2つの実線は上側のエンベロープC
1 と下側のエンベロープC2 を表している。ここで、各
々のエンベロープC1 ,C2 の波形はかなり歪んでいる
ものの、これらを合成すると歪は打ち消されて直線性は
改善される。(これはプッシュプル回路における歪打ち
消し動作と良く似ている。) しかし、この様に都合の
良いバイアス記録においても、以下のような問題が存在
している。
15に示す。(横山克哉著「磁気記録技術入門」P2
3)これはB−H曲線とも呼ばれ、横軸に材料に加えた
外部磁界Hを、縦軸にその結果発生した磁束密度Bを示
したものである。もし交流信号をそのまま記録すると、
図中の初期磁化曲線の直線性の悪い部分(原点周辺)に
より波形は大きく歪んでしまうが、交流バイアス記録に
おいては以下の様な原理でこれが改善される。図16
(a)はカラー信号とY信号(輝度信号のFMキャリ
ア)の重畳波が磁気テープ内で磁化される過程をB−H
平面上に示したもので、実線は重畳波のエンベロープの
軌跡を表す。(記録波形におけるエンベロープは即ちカ
ラー成分に等しい。)バイアスとして働くY信号自身は
一般的にその周波数における最適記録電流で飽和記録さ
れるが、そのエンベロープとなるカラー信号については
最適記録電流よりもかなり小さい電流で登録されるの
で、その軌跡は初期磁化曲線に添ったループを形成す
る。その結果得られる再生波形を図16(b)に示す
が、点線はY信号、2つの実線は上側のエンベロープC
1 と下側のエンベロープC2 を表している。ここで、各
々のエンベロープC1 ,C2 の波形はかなり歪んでいる
ものの、これらを合成すると歪は打ち消されて直線性は
改善される。(これはプッシュプル回路における歪打ち
消し動作と良く似ている。) しかし、この様に都合の
良いバイアス記録においても、以下のような問題が存在
している。
【0006】 図16(b)中で時刻t1 に相当する
図16(a)における記録時のB−H平面上のエンベロ
ープの位置を(H1 ,B1 )及び(H2 ,B2 )とする
と、これらの点の近傍におけるB−H特性の傾きが異な
っている為に、記録磁界の大きさが変動した場合に記録
されるエンベロープの変化分が波形の上下で異なる。従
って、図16(b)の再生波形において、時刻t1 にお
ける上下のエンベロープの電位E1 ,E2 が異なる変化
量で変動することとなり、合成波形の中心位置が保持さ
れず、カラー信号の振幅変動となって表れる。
図16(a)における記録時のB−H平面上のエンベロ
ープの位置を(H1 ,B1 )及び(H2 ,B2 )とする
と、これらの点の近傍におけるB−H特性の傾きが異な
っている為に、記録磁界の大きさが変動した場合に記録
されるエンベロープの変化分が波形の上下で異なる。従
って、図16(b)の再生波形において、時刻t1 にお
ける上下のエンベロープの電位E1 ,E2 が異なる変化
量で変動することとなり、合成波形の中心位置が保持さ
れず、カラー信号の振幅変動となって表れる。
【0007】この様な現象は、記録時の磁気テープとヘ
ッドとの間のスペーシング量の変動によって発生する。
スペーシングロスは以下の式で表される。
ッドとの間のスペーシング量の変動によって発生する。
スペーシングロスは以下の式で表される。
【0008】 Ls=α・exp(s/λ) s:スペーシング量 λ:記録波長 α:比例定数 これより、周波数の低いカラー信号よりも周波数の高い
Y信号の方が損失が大きいのであるが、カラー信号の記
録磁界が影響を受けない様なスペーシング量であっても
バイアスとして働くY信号の記録磁界がスペーシングロ
スによって変動するとカラー信号の記録レベルは変動す
ることになる。Y信号はFM波なので記録レベルが変動
しても大きな影響は無いが、カラー信号はAM及びPM
波なので記録レベルの変動は画質に大きな妨害となって
現れる。音声信号等の交流バイアス記録においても事情
は同じである。
Y信号の方が損失が大きいのであるが、カラー信号の記
録磁界が影響を受けない様なスペーシング量であっても
バイアスとして働くY信号の記録磁界がスペーシングロ
スによって変動するとカラー信号の記録レベルは変動す
ることになる。Y信号はFM波なので記録レベルが変動
しても大きな影響は無いが、カラー信号はAM及びPM
波なので記録レベルの変動は画質に大きな妨害となって
現れる。音声信号等の交流バイアス記録においても事情
は同じである。
【0009】 一般的に良く知られたことであるが、
2周波以上の重畳記録においては混変調歪が発生する。
例えば周波数f1 の信号と周波数f2 の信号とを重畳記
録すると(f1 <f2 )、f2 ±2f1 や2f2 ±f1
の周波数に混変調歪を生じる。 記録信号のレベルが大きくなって来ると、各々の再
生エンベロープ(図16(b)におけるC1 ,C2 )の
歪は著しく増大し、ついには波形の半サイクルしか再現
しなくなる。(回路に例えると、A級動作からB級動作
に移行する。)従って、残りの半サイクルは無駄になっ
ていることになる。
2周波以上の重畳記録においては混変調歪が発生する。
例えば周波数f1 の信号と周波数f2 の信号とを重畳記
録すると(f1 <f2 )、f2 ±2f1 や2f2 ±f1
の周波数に混変調歪を生じる。 記録信号のレベルが大きくなって来ると、各々の再
生エンベロープ(図16(b)におけるC1 ,C2 )の
歪は著しく増大し、ついには波形の半サイクルしか再現
しなくなる。(回路に例えると、A級動作からB級動作
に移行する。)従って、残りの半サイクルは無駄になっ
ていることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に、従来の交
流バイアス記録(2周波以上の重畳記録)においては、
バイアスのスペーシングロスによる低域信号のレベル変
動や混変調歪や記録再生における効率の面で、まだ改善
の余地を残していると言える。
流バイアス記録(2周波以上の重畳記録)においては、
バイアスのスペーシングロスによる低域信号のレベル変
動や混変調歪や記録再生における効率の面で、まだ改善
の余地を残していると言える。
【0011】本発明はこの様な問題に鑑み、2周波以上
の重畳記録において、従来よりも低域信号のレべル変動
を改善し、さらに、歪特性や記録再生の効率を向上でき
る磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
の重畳記録において、従来よりも低域信号のレべル変動
を改善し、さらに、歪特性や記録再生の効率を向上でき
る磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0012】[発明の構成]
【0013】
【課題を解決するための手段】前述し目的を達成するた
めに、本発明は、異なる周波数を有する少なくとも2つ
の信号を重畳して記録媒体に記録する磁気記録再生装置
において、前記信号のうち最も周波数の高い信号fB に
対して、前記信号のうち信号fB 以外の所定の信号fS
を、逆位相となるように加算する加算手段と、前記加算
手段の出力信号の振幅を制限する非線形処理手段と、前
記非線形処理手段の出力信号から、前記信号fS 成分を
除去する除去手段と、前記除去手段の出力信号が入力さ
れて、記録媒体に記録を行う磁気ヘッドと、を具備する
磁気記録再生装置である。
めに、本発明は、異なる周波数を有する少なくとも2つ
の信号を重畳して記録媒体に記録する磁気記録再生装置
において、前記信号のうち最も周波数の高い信号fB に
対して、前記信号のうち信号fB 以外の所定の信号fS
を、逆位相となるように加算する加算手段と、前記加算
手段の出力信号の振幅を制限する非線形処理手段と、前
記非線形処理手段の出力信号から、前記信号fS 成分を
除去する除去手段と、前記除去手段の出力信号が入力さ
れて、記録媒体に記録を行う磁気ヘッドと、を具備する
磁気記録再生装置である。
【0014】
【作用】本発明では、記録時に記録媒体と磁気ヘッド間
のスペーシングロスが発生してバイアス磁界の強さが変
動しても、重畳波の上下のエンベロープ(即ちfS の情
報)が磁化の強さ(磁束密度)に与える影響は対等とな
り、磁化における上下のエンベロープの中心点は変化し
ないことからfS 成分の記録レベルの変動は大幅に抑圧
され、信号fS の再生出力が向上する。
のスペーシングロスが発生してバイアス磁界の強さが変
動しても、重畳波の上下のエンベロープ(即ちfS の情
報)が磁化の強さ(磁束密度)に与える影響は対等とな
り、磁化における上下のエンベロープの中心点は変化し
ないことからfS 成分の記録レベルの変動は大幅に抑圧
され、信号fS の再生出力が向上する。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例に係る磁気記録
再生装置の構成を示すブロック図である。同図に示され
るようにこの磁気記録再生装置は、入力端子1、3、反
転増幅器5、加算器7、非線形処理部9、カラー成分除
去部11、レベル調整部13、記録アンプ15、17、
磁気ヘッド19を有する。符号21は、磁気テープを表
す。
に説明する。図1は、本発明の一実施例に係る磁気記録
再生装置の構成を示すブロック図である。同図に示され
るようにこの磁気記録再生装置は、入力端子1、3、反
転増幅器5、加算器7、非線形処理部9、カラー成分除
去部11、レベル調整部13、記録アンプ15、17、
磁気ヘッド19を有する。符号21は、磁気テープを表
す。
【0016】入力端子1には、Y信号vy が入力され
る。入力端子3には、カラー信号vcが入力される。反
転増幅器5は、カラー信号vc を(−k倍)して、加算
器7に送る。加算器7は、Y信号vy と、反転増幅器5
の出力信号を加算する。このため、Y信号と、カラー信
号は、逆位相で重畳される。
る。入力端子3には、カラー信号vcが入力される。反
転増幅器5は、カラー信号vc を(−k倍)して、加算
器7に送る。加算器7は、Y信号vy と、反転増幅器5
の出力信号を加算する。このため、Y信号と、カラー信
号は、逆位相で重畳される。
【0017】非線形処理部9は、ダイオードリミッタ等
を有しており、加算器7の出力信号を振幅制限し、信号
S1を出力する。カラー成分除去部11は、信号S1か
らカラー信号を除去する。レベル調整部13は、カラー
成分除去部11の出力信号S2を、記録に適したレベル
に調整する。
を有しており、加算器7の出力信号を振幅制限し、信号
S1を出力する。カラー成分除去部11は、信号S1か
らカラー信号を除去する。レベル調整部13は、カラー
成分除去部11の出力信号S2を、記録に適したレベル
に調整する。
【0018】記録アンプ15は、レベル調整部13の出
力信号vy ´を増幅する。記録アンプ17は、カラー信
号を増幅する。磁気ヘッド19は、記録アンプ15と、
記録アンプ17の合成された信号S3に基づいて、磁気
テープ21に記録を行う。
力信号vy ´を増幅する。記録アンプ17は、カラー信
号を増幅する。磁気ヘッド19は、記録アンプ15と、
記録アンプ17の合成された信号S3に基づいて、磁気
テープ21に記録を行う。
【0019】次に本実施例の動作について説明する。図
2から図4は、それぞれ信号S1、S2、S3のベクト
ル表示を示す図である。
2から図4は、それぞれ信号S1、S2、S3のベクト
ル表示を示す図である。
【0020】加算器7により、Y信号vy に逆相のカラ
ー信号vc が加算され、非線形処理部9により、振幅制
限されるので信号S1のベクトル表示は、図2に示すよ
うになる。この信号S1は、カラー成分除去部11によ
って、カラー成分が除去されるので、信号S2のベクト
ル表示は図3に示すようなものとなる。さらに、磁気ヘ
ッド14に印加される信号S3のベクトル表示は、図4
に示すようなものとなり、Y信号と、カラー信号とが逆
位相となる期間を中心に振幅が制限される。
ー信号vc が加算され、非線形処理部9により、振幅制
限されるので信号S1のベクトル表示は、図2に示すよ
うになる。この信号S1は、カラー成分除去部11によ
って、カラー成分が除去されるので、信号S2のベクト
ル表示は図3に示すようなものとなる。さらに、磁気ヘ
ッド14に印加される信号S3のベクトル表示は、図4
に示すようなものとなり、Y信号と、カラー信号とが逆
位相となる期間を中心に振幅が制限される。
【0021】図5(a)、(b)は、それぞれ従来の入
力2信号の重畳波のリサージュ図形と、入力2信号の重
畳波を示したものである。
力2信号の重畳波のリサージュ図形と、入力2信号の重
畳波を示したものである。
【0022】図6(a)、(b)は、本実施例における
入力2信号の重畳波のリサージュ図形と、入力2信号の
重畳波を示したものである。
入力2信号の重畳波のリサージュ図形と、入力2信号の
重畳波を示したものである。
【0023】記録重畳波(図6(b))における上下の
エンベロープC1 (イ),C2 (イ)は変形されて、そ
の入出力応答(図6(a))は重畳波の記録過程におけ
る磁界に対する磁化の強さ(磁束密度)の応答(図16
(a))の非線形特性を補正することができる。
エンベロープC1 (イ),C2 (イ)は変形されて、そ
の入出力応答(図6(a))は重畳波の記録過程におけ
る磁界に対する磁化の強さ(磁束密度)の応答(図16
(a))の非線形特性を補正することができる。
【0024】即ち、図16(a)中の点(H1 ,B1 )
付近のB−H特性の傾きと点(H2,B2 )付近の傾き
の差を記録波形の等化によって打ち消すことにより、記
録時のスペーシングロスの変動で発生するカラー信号の
記録レベル変動が抑圧される。さらに、上下のエンベロ
ープが有効にカラー成分の記録に寄与することとなっ
て、カラー信号の再生出力は向上する。この様な効果
は、実際に通常の映像信号の記録において十分確認され
た。
付近のB−H特性の傾きと点(H2,B2 )付近の傾き
の差を記録波形の等化によって打ち消すことにより、記
録時のスペーシングロスの変動で発生するカラー信号の
記録レベル変動が抑圧される。さらに、上下のエンベロ
ープが有効にカラー成分の記録に寄与することとなっ
て、カラー信号の再生出力は向上する。この様な効果
は、実際に通常の映像信号の記録において十分確認され
た。
【0025】図7は、本発明の第2の実施例に係る磁気
記録再生装置の構成を示すブロック図である。この実施
例では、図1に示す第1の実施例のカラー成分除去部1
1のかわりに、ハイパスフィルタ(HPF)23を用い
たものである。
記録再生装置の構成を示すブロック図である。この実施
例では、図1に示す第1の実施例のカラー成分除去部1
1のかわりに、ハイパスフィルタ(HPF)23を用い
たものである。
【0026】なお、第1の実施例および第2の実施例で
は、記録アンプ15、17を用いて、記録アンプを2系
統に分けて記録アンプ15、17の非直線性によりY信
号とカラー信号の混変調歪の発生を避けている。しか
し、この混変調歪が問題とならない場合には、記録アン
プを1系統とすることもできる。この場合には、カラー
成分除去部11におけるカラー信号の加算量を増加させ
て非線形処理されたY信号と重畳させる。
は、記録アンプ15、17を用いて、記録アンプを2系
統に分けて記録アンプ15、17の非直線性によりY信
号とカラー信号の混変調歪の発生を避けている。しか
し、この混変調歪が問題とならない場合には、記録アン
プを1系統とすることもできる。この場合には、カラー
成分除去部11におけるカラー信号の加算量を増加させ
て非線形処理されたY信号と重畳させる。
【0027】前述した実施例においては、記録時のスペ
ーシングロスの変動で発生するカラー信号の記録レベル
変動が抑圧され、カラー信号の再生出力は向上する。し
かしながらカラー信号のSN比の測定に使用する様なレ
ベルの大きいカラー信号を入力した場合には、高調波歪
や混変調歪が問題となるレベルで発生することもある。
図8に示す本実施例は、このような問題に対処するも
のである。図8に示す磁気記録再生装置は、入力端子2
5,27、振幅変換部29、抵抗31、33、リミッタ
35、バッファアンプ47、可変抵抗器49、記録アン
プ51,53、を有する。リミッタ35は、オペアンプ
37、抵抗39,41、ダイオード43,45からな
る。本実施例において、振幅変換部29は、ダイオード
を図10に示すように組み合わせて用いることができ
る。
ーシングロスの変動で発生するカラー信号の記録レベル
変動が抑圧され、カラー信号の再生出力は向上する。し
かしながらカラー信号のSN比の測定に使用する様なレ
ベルの大きいカラー信号を入力した場合には、高調波歪
や混変調歪が問題となるレベルで発生することもある。
図8に示す本実施例は、このような問題に対処するも
のである。図8に示す磁気記録再生装置は、入力端子2
5,27、振幅変換部29、抵抗31、33、リミッタ
35、バッファアンプ47、可変抵抗器49、記録アン
プ51,53、を有する。リミッタ35は、オペアンプ
37、抵抗39,41、ダイオード43,45からな
る。本実施例において、振幅変換部29は、ダイオード
を図10に示すように組み合わせて用いることができ
る。
【0028】本実施例では、Y信号とカラー信号を重畳
する前に、振幅変換部29により、カラー信号に対し
て、振幅変換を行い、非線形特性を与えている。
する前に、振幅変換部29により、カラー信号に対し
て、振幅変換を行い、非線形特性を与えている。
【0029】なお、リミッタ35のオペアンプ37の反
転入力端子は、イマジナリアースとなるので、図8の回
路の一部は、等価的に図9で表される。
転入力端子は、イマジナリアースとなるので、図8の回
路の一部は、等価的に図9で表される。
【0030】ここで、ダイオードの電流電圧式は次の様
に近似される。
に近似される。
【0031】IF = β・exp(q・VF /kT) VF :順方向電圧、IF : 順方向電流、β:比例定数 直列抵抗31が十分小さい時には、カラー信号入力電圧
Vc に対する電流icの振幅特性は指数関数となる。実
際には、直列抵抗31がある程度大きい値を持ち大入力
時に振幅特性が直線に近付いても問題は無いので、全体
として指数関数的な特性を有していれば十分である。信
号電流ir ,ic はオペアンプ37のゲインG(出力電
圧/入力電流)によって電圧として出力されるが、帰還
ループ中のダイオード43、45によってリミッタ作用
を受ける。一方、Y信号に加算されたカラー信号とその
高調波は、バッファアンプ47と可変抵抗器49の経路
により逆相で打ち消される。
Vc に対する電流icの振幅特性は指数関数となる。実
際には、直列抵抗31がある程度大きい値を持ち大入力
時に振幅特性が直線に近付いても問題は無いので、全体
として指数関数的な特性を有していれば十分である。信
号電流ir ,ic はオペアンプ37のゲインG(出力電
圧/入力電流)によって電圧として出力されるが、帰還
ループ中のダイオード43、45によってリミッタ作用
を受ける。一方、Y信号に加算されたカラー信号とその
高調波は、バッファアンプ47と可変抵抗器49の経路
により逆相で打ち消される。
【0032】以上の動作により記録重畳波(vy ´+v
c )と入力信号(vy +vc )とのリサージュ図形は第
11図の様になり、磁気テープのB−H特性を打ち消す
のにさらに良好な等化特性となる。実験によれば、混変
調歪が従来よりも改善され高調波歪レベルも問題のない
ことを確認できたが、逆に、従来と同じ混変調歪率でカ
ラー信号の記録レベルを上げることも可能であり、その
場合にはカラー信号のSN比を改善できる。
c )と入力信号(vy +vc )とのリサージュ図形は第
11図の様になり、磁気テープのB−H特性を打ち消す
のにさらに良好な等化特性となる。実験によれば、混変
調歪が従来よりも改善され高調波歪レベルも問題のない
ことを確認できたが、逆に、従来と同じ混変調歪率でカ
ラー信号の記録レベルを上げることも可能であり、その
場合にはカラー信号のSN比を改善できる。
【0033】尚、前述した各実施例では、記録信号中に
混変調歪が発生するが、これは上記の説明からも分かる
様に、記録過程で発生する混変調歪と相殺するものであ
る。Y信号をAejwyt、カラー信号をBejwctとおく
と、本発明中の非線形処理回路9もしくはリミッタ35
により次の混変調歪が発生する。
混変調歪が発生するが、これは上記の説明からも分かる
様に、記録過程で発生する混変調歪と相殺するものであ
る。Y信号をAejwyt、カラー信号をBejwctとおく
と、本発明中の非線形処理回路9もしくはリミッタ35
により次の混変調歪が発生する。
【0034】
【数1】
【0035】しかしながら、信号の主成分は依然として
AejwytとBejwctであり、記録過程において再度混変
調歪が発生する。この時振幅制限を受けるのは、Y信号
についてリミッターにおける時と逆位相側である。(図
2、図3、図4) これらの歪成分は加算されるので、角周波数(wy±2wc
)の項はゼロとなる。wcの項に関しては低レベルであ
るので問題ない。その他の項に関しては周波数が高いの
で影響しない。
AejwytとBejwctであり、記録過程において再度混変
調歪が発生する。この時振幅制限を受けるのは、Y信号
についてリミッターにおける時と逆位相側である。(図
2、図3、図4) これらの歪成分は加算されるので、角周波数(wy±2wc
)の項はゼロとなる。wcの項に関しては低レベルであ
るので問題ない。その他の項に関しては周波数が高いの
で影響しない。
【0036】なお、図8に示す実施例において、磁気テ
ープの特性により、振幅特性だけでなく、位相特性につ
いても、等化したほうが良い場合がある。この場合、振
幅変換部29の代わりに図12に示すように、ダイオー
ドとコイルを組み合わせた振幅位相変換部を用いること
ができる。このようにすると、記録過程において重畳波
のエンベロープ(即ちカラー成分)のたどる非飽和交流
ヒステリシス特性に近付けることができる。図13は、
この実施例のリサージュ図形を示す図である。
ープの特性により、振幅特性だけでなく、位相特性につ
いても、等化したほうが良い場合がある。この場合、振
幅変換部29の代わりに図12に示すように、ダイオー
ドとコイルを組み合わせた振幅位相変換部を用いること
ができる。このようにすると、記録過程において重畳波
のエンベロープ(即ちカラー成分)のたどる非飽和交流
ヒステリシス特性に近付けることができる。図13は、
この実施例のリサージュ図形を示す図である。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、2周波以上の重畳記録において、従来よりも低域
信号のレべル変動を改善し、さらに、歪特性や記録再生
の効率の良好な磁気記録再生装置を提供することができ
る。
れば、2周波以上の重畳記録において、従来よりも低域
信号のレべル変動を改善し、さらに、歪特性や記録再生
の効率の良好な磁気記録再生装置を提供することができ
る。
【図1】図1は、本発明の実施例に係る磁気記録再生装
置の構成を示すブロック図である。
置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、信号S1のベクトル表示図である。
【図3】図3は、信号S2のベクトル表示図である。
【図4】図4は、信号S3のベクトル表示図である。
【図5】図5(a)は、従来装置における入力2信号の
重畳波の自己リサージュ図形を示す図、図5(b)は、
従来装置における入力2信号の重畳波形を示す図であ
る。
重畳波の自己リサージュ図形を示す図、図5(b)は、
従来装置における入力2信号の重畳波形を示す図であ
る。
【図6】図6(a)は、本実施例における入力2信号の
重畳波の自己リサージュ図形を示す図、図6(b)は、
本実施例における入力2信号の重畳波形を示す図であ
る。
重畳波の自己リサージュ図形を示す図、図6(b)は、
本実施例における入力2信号の重畳波形を示す図であ
る。
【図7】図7は、他の実施例に係る磁気記録再生装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、他の実施例に係る磁気記録再生装置の
構成を示す回路図である。
構成を示す回路図である。
【図9】図9は、図8に示す回路の等価回路図である。
【図10】図10は、振幅変換部29の構成を示す回路
図である。
図である。
【図11】図11は、図8に示す回路のリサージュ図形
を示す図である。
を示す図である。
【図12】図12は、振幅位相変換部の構成を示す回路
図である。
図である。
【図13】図13は、他の実施例のリサージュ図形を示
す図である。
す図である。
【図14】図14は、従来の磁気記録再生装置における
重畳波のベクトル表示図である。
重畳波のベクトル表示図である。
【図15】図15は、磁気テープのヒステリシス特性を
示す図である。
示す図である。
【図16】図16(a)は、従来の重畳記録の過程を示
す図、図16(b)は、この場合の重畳波の波形図であ
る。
す図、図16(b)は、この場合の重畳波の波形図であ
る。
5………反転増幅器 7………加算器 9………非線形処理部 11………カラー成分除去部 13………レベル調整部 15,17,51,53…記録アンプ 19………磁気ヘッド 21………磁気テープ 23………ハイパスフィルタ 29………振幅変換部 35………リミッタ 47………バッファアンプ 49………可変抵抗器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】図5は従来装置における入力2信号の重畳波の
自己リサージュ図形と、この入力2信号の重畳波の波形
とを同一の縦軸のスケールで示した図である。
自己リサージュ図形と、この入力2信号の重畳波の波形
とを同一の縦軸のスケールで示した図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】図6は本実施例における入力2信号の重畳波の
自己リサージュ図形と、この入力2信号の重畳波の波形
とを同一の縦軸のスケールで示した図である。
自己リサージュ図形と、この入力2信号の重畳波の波形
とを同一の縦軸のスケールで示した図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】図16は入力2信号の重畳波の磁気テープ内
での磁化の過程と、この磁化によって出力される再生信
号の波形を示す図である。
での磁化の過程と、この磁化によって出力される再生信
号の波形を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 異なる周波数を有する少なくとも2つの
信号を重畳して記録媒体に記録する磁気記録再生装置に
おいて、 前記信号のうち最も周波数の高い信号fB に対して、前
記信号のうち信号fB以外の所定の信号fS を、逆位相
となるように加算する加算手段と、 前記加算手段の出力信号の振幅を制限する非線形処理手
段と、 前記非線形処理手段の出力信号から、前記信号fS 成分
を除去する除去手段と、 前記除去手段の出力信号が入
力されて、記録媒体に記録を行う磁気ヘッドと、 を具
備する磁気記録再生装置。 - 【請求項2】 前記信号fS に対して、指数関数的な振
幅特性を与えたのち、前記加算手段に出力する手段をさ
らに有する請求項第1項記載の磁気記録再生装置。 - 【請求項3】 前記信号fS に対して、記録媒体の非飽
和交流ヒステリミス特性に近い振幅位相特性を与えた
後、前記加算手段に出力する手段をさらに有する請求項
第1項記載の磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3040068A JPH05282602A (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 磁気記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3040068A JPH05282602A (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 磁気記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05282602A true JPH05282602A (ja) | 1993-10-29 |
Family
ID=12570613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3040068A Withdrawn JPH05282602A (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 磁気記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05282602A (ja) |
-
1991
- 1991-03-06 JP JP3040068A patent/JPH05282602A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980514 |