JPH05281780A - 静電荷像現像用トナ− - Google Patents

静電荷像現像用トナ−

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JPH05281780A
JPH05281780A JP4105261A JP10526192A JPH05281780A JP H05281780 A JPH05281780 A JP H05281780A JP 4105261 A JP4105261 A JP 4105261A JP 10526192 A JP10526192 A JP 10526192A JP H05281780 A JPH05281780 A JP H05281780A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は良好な定着性、優れた非オフセット
性、耐ブロッキング耐久性を有する静電荷像を現像する
ためのトナ−を得るものである。 【構成】 結合樹脂と着色剤とを主成分とする静電荷像
現像用トナ−において、該結合樹脂が(a) GPC分子量ピ
−ク(Lp)が4×103〜5×104未満で且つその重量平均分子
量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4.0未満であるスチレン系
単独重合体である低分子量重合体と(b) GPC分子量ピ−
ク(Mp)が3×104〜5×105であるスチレン系共重合体であ
る中分子量重合体と(C) 架橋されたスチレン系共重合体
である高分子量重合体とを特定量含有する静電荷像現像
用トナ−である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、静電記録法などにおいて形成される静電荷像を現像
するためのトナ−に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に静電荷像現像用トナ−は樹脂成
分、顔料もしくは染料からなる着色剤成分および離型
剤、電荷制御剤等の添加成分によって構成されており、
樹脂成分としては天然または合成樹脂が単独或いは適宜
混合して使用されている。近年急速に技術開発が進めら
れた乾式現像方式に適したトナ−に対してもその樹脂成
分に関し多くの改良技術が提案されている。特に高速度
複写を目的とする電子写真複写機においては、加熱ロ−
ラ−定着法が採用され、静電記録体(感光ドラム)上に
現像によって得られたトナ−像を一旦紙などの転写シ−
トに転写した後、該転写シ−トを加熱圧着を行う定着ロ
−ラ−に通してトナ−像をシ−トに融着させて定着が行
なわれる。
【0003】斯かる定着の方法としては種々のものが知
られているが、特に加熱ロ−ラ定着機に代表される接触
加熱定着方式は、熱板定着器などの無接触加熱定着方式
に比して熱効率が高い点で優れており、特に高速度定着
が可能である点で好ましい。
【0004】この接触加熱定着方式においては、トナ−
のバインダ−樹脂の物性、コピ−速度、消費電力の大き
さ、像形成装置の保守その他の作業性の観点から、通常
150〜220℃の温度範囲内で定着が遂行される。
【0005】そこでこの定着方式に供されるトナ−にお
いては、定着温度において確実に定着が達成されるよ
う、バインダ−樹脂に低分子量重合体を含有させトナ−
粘度を下げると共に接触加熱ロ−ラにトナ−の一部が付
着することによるオフセット現象が生じないよう、当該
バインダ−樹脂に高分子量重合体を含有させトナ−弾性
率を上げることが好ましいとされている。
【0006】又、高速度複写を目的とする電子写真複写
機においては、キャリア粒子とトナ−粒子との混合物か
らなる謂ゆる二成分系乾式現像剤がよく用いられてい
る。この二成分系乾式現像剤は、比較的大きなキャリア
粒子表面上に微小なトナ−粒子が両粒子の摩擦により発
生した電気力により保持されており、静電潜像に近接さ
れると静電潜像が形成する電界によるトナ−粒子に対す
る該潜像方向への吸引力が、トナ−粒子とキャリア粒子
間の結合力に打ち勝ってトナ−粒子は静電潜像上に吸引
付着されて静電潜像が可視化されるものである。そし
て、現像剤は現像によって消費されたトナ−を補充しな
がら反復使用される。
【0007】従って、キャリアは長期間の使用中、常に
トナ−粒子を所望とする極性で、且つ充分な帯電量に摩
擦帯電しなければならない。しかしながら従来の現像剤
は、粒子間の衝突又は粒子と現像装置との衝突等の機械
的衝突又はこれらによる発熱でキャリア表面にトナ−膜
が形成され、所謂スペント化が生じ、更にはトナ−粒子
の表面に添加されたシリカ等の外添剤が分離したり、あ
るいは埋没したりして、トナ−及びキャリアの帯電特性
及び、流動特性が使用時間と共に悪化し、現像剤全体を
取換える必要が生じる。
【0008】このような現像剤の劣化を防止すると共に
長期間の使用中、常に安定な帯電量を得る為、従来より
キャリア表面に種々の樹脂を被覆する方法が提案されて
いるがいまだ満足の行くものは得られていない。
【0009】特に、高速度複写を目的とする電子写真複
写機用トナ−においては確実な定着性を達成されるよう
に低分子量重合体量を多く用いられる事及び高速度現像
装置内で更に強い機械的衝突を受ける事等によりスペン
ト化及びトナ−の表面変化により現像剤の劣化を起こし
易い。
【0010】更に高速度複写においては、コピ−の枚数
が増え1台当りのトナ−消費量が増大するので、特に現
像剤劣化の防止を行ない現像剤全体を取換えるメンテナ
ンス回数を減らす事が望まれた。
【0011】又、仮に要求される特性が定着性と非オフ
セット性のみである場合であっても、バインダ−樹脂が
単に高分子量重合体と低分子量重合体とを含有すること
のみでは不十分であって、更にそれらの重合体が互に相
溶して渾然一体となった状態でバインダ−樹脂に含有さ
れることが必要であり、トナ−の製造時、保存時或いは
像形成時などにおいて互に分離しないものであることが
要請される。
【0012】これは、そのような状態にあって初めて低
分子量重合体による定着性と高分子量重合体による非オ
フセット性が同時に発揮されるからであって、単に共存
した状態では各々の重合体が個別の作用を発揮するため
にトナ−として目的の効果を得ることはできないからで
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の如き事
情に基いてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、非オフセット性、定着性、製造時の粉砕性、保存
時の耐ブロッキング性(非凝集性)、像形成時の現像
性、において良好な特性を有する静電荷像現像用トナ−
を提供するにある。
【0014】本発明の他の目的は、樹脂で表面を被覆さ
れたキャリアを含む現像剤において、前記キャリアのト
ナ−のスペント化とトナ−の表面変化に対する高い現像
剤劣化防止効果を維持したまま、長時間使用しても帯電
量分布が狭く、且つ逆帯電性トナ−の発生、画質劣化、
地肌汚れのない静電潜像用現像剤を提供するものであ
り、
【0015】更には、環境変化、例えば、湿度変化など
によるトナ−帯電量変化を少なく抑えて、常に安定した
画像を形成しうる現像剤を提供することにある。一般に
帯電量は、低湿時には高く、高湿時には低くなり、これ
によって画像の品質も変化してくるが、本発明現像剤
は、この様な欠点をも改良したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は結合樹脂と着色
剤とを主成分とする静電荷像現像用トナ−において、該
結合樹脂が
【0017】(a) GPC分子量ピ−クLpが1.5×103〜4×1
03未満で且つその重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n)が、4.0未満であるスチレン系単独重合体である、低
分子量重合体と
【0018】(b) GPC分子量ピ−ク(Mp)が3×104〜5×
105であるスチレン系共重合体である中分子量重合体と
【0019】(c) 架橋されたスチレン系共重合体である
高分子量重合体と
【0020】を含有し該低分子量重合体(a)と該高分子
量重合体(c)の合計当り、該低分子量重合体(a)が50〜80
重量部及び該高分子量重合体(c)が50〜20重量部であり
(但し、低分子量重合体(a)と高分子量重合体(c)の合計
は100重量部である)Lp<Mpであり、
【0021】且つ、該不溶不融性高分子量重合体(c)100
重量部に対して該中分子量重合体(b)が5〜60重量部であ
ることを特徴とする静電荷像現像用トナ−を提供するも
のであり、
【0022】該結着樹脂の酸価が0.1〜2.0KOHmg/gであ
ることを特徴とする静電荷像現像用トナ−が好ましく、
該高分子重合体が不溶不融性高分子重合体(c)で、その
粒子径が0.03μm〜1μmであることがより好ましく、該
低分子量重合体(a)が実質上溶剤が存在しない系で塊状
重合した低分子量重合体(a)であることが好ましい。
【0023】又、該静電荷像現像用トナ−が樹脂被覆層
を有するキャリアを使用する現像剤に適することを特徴
とする静電荷像現像用トナ−が好ましい。。
【0024】かくして本発明による静電荷像現像用トナ
−は、従来のトナ−に比べて定着可能な最低温度が低く
て良好な定着性を有し、これを損うことなく、優れた非
オフセット性及び耐ブロッキング性を具え、製造時の粉
砕性が良好であり摩擦帯電性が好適であって優れた現像
性が発揮され、しかも樹脂被覆層を有するキャリアを用
いた現像剤において現像剤劣化が起こりにくく繰り返し
使用時の耐久性が大きい卓越した性能を有するものであ
る。
【0025】前記結着剤樹脂の構成単位となる(a)のス
チレン系単独重合体を得るためのスチレン系成分を与え
るものはいわゆるスチレン系モノマ−であり、その具体
例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p
−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4-ジクロル
スチレンなどを挙げることができるが、このうちスチレ
ンが最も好ましい。上記スチレン系モノマ−を単独又は
混合使用してスチレン系単独重合体を得る。
【0026】また、前記(b)のスチレン系共重合体を得
るためには前記スチレン系モノマ−が使用できる。前記
スチレン系成分と共に前記結着剤樹脂を構成する第1の
アクリル系成分及び第2のアクリル系成分を与えるもの
はいわゆるアクリル系モノマ−であり、その具体例とし
ては、アクリル酸アルキルエステル及びメタアクリル酸
アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタアクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸nブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸ステアリル等があり、特にアクリル酸nブ
チル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸ラウリルが好ましい。
【0027】このアクリル系成分は、前記スチレン系成
分のモノマ−と通常の条件下で重合せしめて得られる共
重合体のガラス転移温度が40℃〜80℃の範囲内にあるも
のである事が好ましく、更に好ましくは、ガラス転移温
度が50℃〜70℃の範囲内にある事が好ましい。但し、中
分子量重合体(b)のガラス転移温度はこの限りではな
い。
【0028】前記結着剤樹脂を構成する好ましい例の不
溶不融性高分子量重合体(c)の「不溶不融性 」とは、
「不溶性」であり且つ「不融性」をいうものであり、こ
ゝで「不溶性」とはAFTM-407-02(アメリカ合衆国、自
動車塗料試験法)に拠り、樹脂のプレス成形試験片を30
0メッシュの金網で包みアセトン中で還流下7時間加熱し
たとき不溶解樹脂分が当初重量当り90%以上好ましくは
95%以上のものをいゝ、一方「不融性」とは、上記アセ
トン不溶性樹脂分を降下式フロ−テスタ−(島津製作所
製)にて、200℃で10Kgの荷重をかけたときに径0.5×1m
/mのノズルから最初の1分間の融出量が1mm未満のものを
いう。
【0029】又、高分子量重合体(c)は、架橋剤を構成
成分として有するが、このような架橋剤は主に重合性の
二重結合を二個以上持つ化合物で、例えばジビニルベン
ゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、
エチレングリコ−ル・ジメタアクリレ−ト、テトラエチ
レングリコ−ル・ジメタクリレ−ト、1,3ブタンジオ−
ル・ジメタクリレ−ト、1,6ヘキサンジオ−ル・ジアク
リレ−ト、アリ−ル・メタクリレ−ト、等のジエチレン
性カルボン酸エステル、N,Nジビニルアニリン、ジビニ
ルエ−テル、ジビニルスルフイド等がある。ジビニルベ
ンゼン、エチレングリコ−ルジメタアクリレ−ト、1,6
ヘキサンジオ−ル・ジアクリレ−トが好適に使用され
る。
【0030】また、架橋剤量は高分子量重合体(c)を構
成するモノマ−の内、0.01〜2重量%のものが好適に使
用され、更に好ましくは0.02〜1重量%、特に好ましく
は、0.04から0.8重量%のものが好適に使用される。
【0031】本願発明で用いられる低分子量重合体(a)
は、スチレン系モノマ−を100重量%含有してなる、ス
チレン系単独重合体であり、特に好適な例は、スチレン
100重量%のスチレン・ホモ・ポリマ−である。
【0032】また中分子量重合体(b)は、スチレン30〜9
0重量%、及びアクリル酸アルキルエステル及び/又は
メタアクリル酸アルキルエステル70〜10重量%をモノマ
−単位として含有してなるスチレン系重合体であり、殊
に好適な例は、スチレン50〜90重量%及びアクリル酸n
ブチル50〜20重量%のものである。
【0033】また高分子量重合体(c)は、スチレン50〜1
00重量%、及びアクリル酸アルキルエステル及び/又は
メタアクリル酸アルキルエステル50〜0重量%及び架橋
剤0.01〜2重量%(三者の合計が100重量%となる)をモ
ノマ−単位として含有してなる架橋したスチレン系重合
体であり、殊に好適な例は、スチレン60〜90重量%、メ
タアクリル酸nブチル5〜20重量%、アクリル酸nブチル3
0〜10重量%及び架橋剤0.01〜2重量%(四者の合計が10
0重量%となる)のものである。
【0034】また、低分子量重合体(a)が50〜80重量部
と、高分子量重合体(c)が50〜20重量部(但し、低分子
量重合体(a)と高分子量重合体(c)の合計は、100重量部
である)の範囲にある事が好ましく、更に好ましくは、
低分子量重合体(a)が55〜75重量部と不溶不融性高分子
量重合体(c)が45〜25重量部のものが好適に使用され、
且つ、不溶不融性高分子量重合体(c)100重量部に対し
て、中分子量重合体(b)が5〜50重量部の範囲にある事が
好ましく、更に好ましくは中分子量重合体(b)が10〜40
重量部のものが好適に使用される。
【0035】低分子量重合体(a)が50重量部より少ない
と(高分子量重合体(c)が50重量部より多い)耐オフセ
ット性は良好であるが低温領域での定着性は不良となり
定着下限温度が上昇し好ましくない。また低分子量重合
体(a)が80重量部より多いと(高分子量重合体(c)が20重
量部より少ない)定着性は良好であるがホット・オフセ
ットが発生しやすくなり、定着可能温度幅が狭くなり好
ましくない。
【0036】上記低分子量重合体(a)と高分子量重合体
(c)の好適範囲を満たすだけでは目的の効果を得る事が
難しく、中分子量重合体(b)を用いて低分子量重合体(a)
と中分子量重合体(b)と高分子量重合体(c)とが各々均一
に相溶分散した混合樹脂により満たすことが更に好まし
い。
【0037】また、高分子量重合体(c)100重量部に対し
て、中分子量重合体(b)が5重量部より少ないと、定着性
は良好であるがホット・オフセットが発生しやすくな
り、定着可能温度幅が狭くなり好ましくない。また得ら
れたトナ−は脆くなり、キャリアへのスペント化及びト
ナ−の微細化を起こし易く、長期間使用するとキャリア
からのトナ−飛散及び余白部へのトナ−かぶりが増え
る。
【0038】また、高分子量重合体(c)100重量部に対し
て、中分子量重合体(b)が50重量部より多いと耐オフセ
ット性は良好であるが低温領域での定着性は不良となり
定着下限温度が上昇し好ましくない。
【0039】低分子量重合体(a)のGPC分子量ピ−クLpが
1.5×103〜4×103未満、好ましくは、2×103〜3.5×103
で且つ低分子量重合体(a)の重量平均分子量(Mw)/数平
均分子量(Mn)が4.0未満のものが好適に使用される。
【0040】低分子量重合体(a)のGPC分子量ピ−クLpが
1.5×103より低いと定着性は良好であるが、現像機中で
トナ−が凝集し易く現像剤の寿命が短い。又、トナ−の
保存安定性が悪く、高温保存時に固まる。又、分子量ピ
−クLpが4×103より高いと、スペント化及び微細化は起
きにくいが低温領域での定着性は不良となり、定着下限
温度が上昇し、かつコ−ルド・オフセット温度も不良と
なり好ましくない。
【0041】中分子量重合体(b)のGPC分子量ピ−クMpが
3×104〜5×105好ましくは、5×104〜5×105、更に好ま
しくは、8×104〜4×105のものが好適に使用される。
【0042】中分子量重合体(b)のGPC分子量ピ−クMpが
3×104より低いと定着性は良好であるがホット・オフセ
ットが発生しやすくなり定着可能温度幅が狭くなり好ま
しくない。更に、低分子量重合体(a)と高分子量重合体
(c)との相溶性への中分子量重合体の継ぎ効果によるも
のと考えられるが低分子量重合体(a)と高分子量重合体
(c)の各々の重合体が個別の作用を発揮する為に、得ら
れたトナ−は脆くなり、キャリアへのスペント化及びト
ナ−の微細化を起こし易く、長期間使用すると、キャリ
アからのトナ−飛散及び余白部へのトナ−かぶりが増え
る。中分子量重合体(b)のGPC分子量ピ−クMpが50×104
より高いと耐オフセット性は良好であるが低温領域での
定着性は不良となり、定着下限温度が上昇し好ましくな
い。
【0043】また前記低分子重合体(a)のGPC分子量ピ−
ク(Lp)より中分子重合体(b)のGPC分子量ピ−ク(Mp)が高
い(Lp<Mp)であることが必要であり、Lp>Mpであると中
分子と低分子の関係が逆転することとなり耐オフセット
性、耐久性が劣る傾向がある。
【0044】更に、中分子量重合体(b)のガラス転移温
度(Tg)は0℃〜70℃で且つ降下式フロ−テスタ−の軟化
点は80℃〜160℃の範囲のものが好適に使用され、更に
好ましくはTgが20℃〜55℃で且つ軟化点が90℃〜150℃
のものが好適に使用される。
【0045】Tgが70℃より高く、且つ軟化点が160℃よ
り高くなると耐オフセット性は良好であるが、低温領域
での定着性は不良となる傾向があり定着下限温度が上昇
し好ましくない傾向がある。又、Tgが0℃より低く、且
つ軟化点が80℃より低くなると定着性は良好であるがホ
ット・オフセットが発生しやすくなる傾向があり定着可
能温度幅が狭くなる傾向がある。又、トナ−の保存性が
悪くなる傾向もある。
【0046】酸価が0.05KOHmg/gより低いとトナ−の主
構成成分である樹脂の抵抗が高い事によると考えられる
がキャリアとトナ−との帯電特性が使用時間と共に変化
し、安定な現像剤が得られない傾向がある。又、酸価が
2.0KOHmg/gより大きいと樹脂の極性が大きくなり、目
的とするキャリアとトナ−の帯電量を得ることが難しく
なる傾向がある。好ましくは、酸価が0.1から2.0KOHmg
/gの範囲のものが好適に使用される。
【0047】本発明により得られる静電荷像現像用トナ
−は、鉄粉或いはガラスビ−ズなどより成るキャリアが
前記トナ−に混合されたいわゆる二成分系現像剤を用い
る現像法において、樹脂被覆層を有するキャリアを使用
する現像剤に好適に用いられる。
【0048】更に、本発明のトナ−は、二成分系現像剤
のみに限定するものではなく、キャリアを用いない一成
分系現像剤、例えばトナ−中に磁性粉を含有した磁性一
成分トナ−、トナ−中に磁性粉を含有しない非磁性一成
分トナ−についても適用できる。
【0049】樹脂被覆層を有するキャリアとしては、一
般に鉄、ニッケル、フエライト、ガラスビ−ズより成る
核体粒子の表面を絶縁性樹脂の被覆層により被覆したキ
ャリアが代表的なものであり、絶縁性樹脂材料として
は、一般にフッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、
スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ブタジエン樹脂が代表的なものである。
【0050】本発明により得られる静電荷像現像用トナ
−と樹脂被覆層を有するキャリアとを成分とする現像剤
を用いた場合、キャリア粒子の表面にトナ−粒子が付着
して汚染されるスペントが著しく少ない、キャリアとト
ナ−の摩擦帯電特性を制御することが可能であり、耐久
性に優れ使用寿命が長い点で特に高速の電子写真機に好
適である。
【0051】本発明トナ−のバインダ−樹脂の主成分樹
脂は例えば下記の方法によって合成することができる。
即ち一般的に知られている重合方法、即ち塊状重合法、
懸濁重合法、溶液重合法などにより低分子量重合体(a)
と中分子量重合体(b)とを各々合成を行ない、乳化重合
法、懸濁重合法、溶液重合法などにより合成された高分
子量重合体(c)とを、溶融混合して得ることができる。
【0052】低分子量重合体(a)は、実質上溶剤や分散
剤・乳化剤等が存在しない系で塊状重合したものが、特
にトナ−の帯電性の保持性が高く、好ましい。
【0053】高分子量重合体(c)は、粒子径が0.03μm〜
1μmの範囲であることが、低分子量重合体(a)及び中分
子量重合体(b)との相溶分散性に優れ好ましく、乳化重
合で得られた粒子が好ましく用いられる。
【0054】以上の合成方法の特徴は、その合成過程に
おいて、低分子量重合体(a)と中分子量重合体(b)と高分
子量重合体(c)とが均一に混合され、中分子量重合体(b)
が存在することにより、低分子量重合体(a)と高分子量
重合体(c)の3つの重合体が渾然一体となった状態が得ら
れる点にある。
【0055】低分子量重合体(a)と中分子量重合体(b)と
高分子量重合体(c)の3つの重合体が均一に相溶分散した
状態の混合樹脂である事は「ゲル分を推定する方法」に
より確認できる。
【0056】「ゲル分を推定する方法」とは、樹脂組成
物中の架橋されて溶媒に(例えば不溶不融性)高分子量
重合体となったポリマ−成分が混合樹脂中で低分子量重
合体及び中分子量重合体とマトリックスを組むと可溶性
成分の溶出速度に影響を与えるので一定時間抽出による
溶媒に対して可溶となったポリマ−成分の重合割合を測
定する事により、3つの重合体の均一相溶分散した状態
の程度を示すパラメ−タ−として使うことができる。以
下に示す方法により測定された値をもってテトラヒドロ
フラン(以下THFと略す)不溶分と定義する。
【0057】すなわち、約1gの樹脂を秤量し(W
1〔g〕)、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R)に入れてソッ
クスレ−抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを用
いて6時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分を
濃縮した後、100℃で数時間乾燥し可溶性樹脂成分量を
坪量(W2〔g〕)し、以下の式に従って計算する。
【0058】 THF不溶分=(W1−W2)/W1×100〔%〕 本発明で得られた3つの重合体の均一相溶分散した状態
の混合樹脂においては、THF不溶分が好ましくは70〜98
%、更に好ましくは75〜95%のものが好適に使用され
る。
【0059】THF不溶分が70%より低いと、均一相溶分
散状態が悪く、ホット・オフセットが発生しやすくなり
定着可能温度幅が狭くなり好ましくない。又THF不溶分
が98%より高いと、架橋密度が高くなり過ぎ、定着性が
不良となり好ましくない。
【0060】また、本発明に係る静電荷像現像用トナ−
には、適当な顔料または染料が着色剤として配合され更
に必要に応じて電荷制御剤、(離型剤・磁性体などの他
の種類のトナ−添加剤を配合せしめることができ、流動
性改質剤、クリ−ニング助剤などの外添剤をトナ−表面
に処理する事ができる。
【0061】また、メインの結合樹脂以外に補助的に他
のスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等をブレンドし
て使用してもよいが、全結合樹脂中補助的結合樹脂は30
重量%以下が好ましい。
【0062】トナ−は、主要樹脂成分に上記添加剤を配
合して均一に混合溶融し、溶融混合物を冷却後必要に応
じ粗砕した上ジェットミル等で微粉砕のち、分級機で分
級することにより、平均粒径が3〜30μmの所望粒度分布
の最終製品(トナ−)を得る事ができる。
【0063】本明細書で使用する各試験方法を以下に説
明する。 〔分子量測定法〕分子量分布のピ−ク位置分子量は、ゲ
ルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)に、カラ
ム(東ソ−製GMH×3本)を装着した装置を用いて試料を
テトラヒドロフラン(THF)に0.2wt%の濃度で溶解し、温
度20℃において1ml/minの流速で測定を行った。なお
試料の分子量測定に際しては該試料の有する分子量が数
種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量
線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包
含される測定条件を選択した。
【0064】〔酸価測定法〕樹脂試料400mg秤量し、ア
セトン50mlを加えN2ガス雰囲気中で溶解した後、フェノ
−ルフタレン指示液(1%エチルアルコ−ル溶液)を1〜
2滴加えて、N2ガス雰囲気中で1/100NのN2OHで滴定を行
い、次式より酸価を算出した。
【0065】酸価〔KOHmg/g〕=〔(x−B)×f×56.11
×0.01〕÷試料採取量 f:1/100NのN2OH規定溶液のファクタ− x:試料の滴定量〔ml〕 B:空試験の滴定量〔ml〕
【0066】〔軟化点測定法〕樹脂試料1gを坪量し、島
津フロ−テスタ−CFT500において、ノズル1×10mm,荷
重30kg,昇温速度3℃/分の条件で測定を行ない、フロ
−開始から終了までの距離の中間点の温度を軟化点とし
た。
【0067】〔ガラス転移点(Tg)〕示差走査熱量計、島
津DSC-30において、N2ガス雰囲気下、昇温速度10℃/分
の条件で測定を行ない、ショルダ−をTgとした。
【0068】〔複写試験〕 定着性試験(オフセット性及び最低定着温度) 市販の電子写真複写機を改造して(感光体はOPC系感光
体、定着ロ−ラ−の回転速度は450mm/sec、定着装置中
のヒ−トロ−ラ−温度を可変にし、オイル塗布装置を除
去したもの)にて画像出しを行った。定着温度を120℃
〜230℃にコントロ−ルし、画像の定着性、オフセット
性を評価した。
【0069】ここでの最低定着温度とは底面をスウェ−
ドでカバ−した堅ろう度試験機に500gの荷重を載せ、定
着機を通して定着された画像の上を5往復こすり、こす
る前後でマクベス社の反射濃度計にて光学反射密度を測
定し、以下の定義による定着率が70%を越える際の定着
ロ−ラ−の温度をいう。
【0070】定着率=(こすった後の像濃度/こする前
の像濃度)×100% また、指こすり試験として、ハ−フ・ト−ン定着画像部
を折り曲げ、そのエッヂ部を指でこすり、定着画像の汚
れがない時の定着ロ−ラ−の温度をいう。
【0071】オフセットとは、230℃の定着温度におけ
る定着ロ−ルの汚れ及び、画像汚れの有無を評価した。
【0072】 紙上かぶり 複写試験においてバック・グラウンド(余白部)へのト
ナ−のかぶりは、ミノルタ社製CR-200色彩色差計を用い
て測定した。かぶりが少ない場合は0.5%以下の値をか
ぶりが多い場合は1%以上の値を示す。
【0073】 保存安定性 保存安定性については、各トナ−を50℃の恒温槽に24時
間放置したときの凝集の発生の程度を評価した。
【0074】〔中分子量重合体(b)、製造例−1〕50リットル
の重合機にスチレン(st)7.3kgアクリル酸ブチル(BA)2.7
kg、過酸化ベンゾイル22gを仕込み混合溶解させた後、
ポリビニルアルコ−ル(ゴ−セノ−ルKH-17)10gを溶解
させた脱イオン水の水溶液20kgを加え攪拌下重合機内部
を85℃に加熱して10時間重合反応を行ない分子量ピ−ク
が26×104で、ガラス転移点(以下Tgと略す)54℃、軟
化点142℃の中分子量重合体を得た。
【0075】〔中分子量重合体(b)、製造例−2〕50リットル
の重合機にスチレン7.0kgアクリル酸ブチル3.0kg、過酸
化ベンゾイル65gを仕込み混合溶解させた後、ポリビニ
ルアルコ−ル(ゴ−セノ−ルKH-17)10gを溶解させた脱
イオン水の水溶液20kgを加え攪拌下重合機内部を90℃に
加熱して10時間重合反応を行ない分子量ピ−クが12×10
4で、Tgが47℃、軟化点123℃の中分子量重合体を得た。
【0076】〔中分子量重合体(b)、製造例−3〕50リットル
の重合機にスチレン6.8kgアクリル酸ブチル3.2kg、過酸
化ベンゾイル31gを仕込み混合溶解させた後、ポリビニ
ルアルコ−ル(ゴ−セノ−ルKH-17)10gを溶解させた脱
イオン水の水溶液20kgを加え攪拌下重合機内部を90℃に
加熱して10時間重合反応を行ない分子量ピ−クが19×10
4でTgが41℃、軟化点122℃の中分子量重合体を得た。
【0077】 〔低分子量重合体(a)の調製〕 スチレン(St) 100 部 ジ・タ−シャリ・ブチル・パ−オキサイド 0.3 部 をオ−ト・クレ−ブ中で攪拌下220℃で6時間重合させた
後、減圧にて未反応モノマ−を回収して、分子量ピ−ク
が3,600でMw/Mnが2.7の低分子量重合体を得た。
【0078】〔高分子量重合体(c)の調製〕 スチレン(St) 77 部 アクリル酸ブチル(BA) 23 部 ジビニル・ベンゼン 0.1 部 以上のモノマ−混合物を 水 100 部 ノニオン乳化剤(エマルゲン950) 1 部 アニオン乳化剤(ネオゲン R) 1.5 部 過硫酸カリウム 0.2 部
【0079】の水溶液混合物に添加し、攪拌下80℃で8
時間重合させた後、45℃にて乾燥して粒子径0.2μmの微
粒子樹脂粉を得た。得られた重合体は、AFTM-407-02の
試験において不溶分96%であり、かつ、前記降下式フロ
−テスタ−試験において融出量は、0.9mmである不溶不
融性の高分子量重合体であった。
【0080】続いて、微粉砕した上記低分子量重合体
(a)64.2部と、製造例-1で得た中分子量重合体(b)10.2
部と、上記高分子量重合体(c)微粉末25.6部を混合した
後、2軸押出し機で200℃において溶融混練して、均一
に相溶分散した混合樹脂を得た。
【0081】(トナ−の調製)前記、均一に相溶分散し
た混合樹脂100重量部、カ−ボンブラック(MA-100)6重量
部、ポリプロピレン・ワックス(550P)2重量部、ニグロ
シン染料(N-01)2重量部をボ−ルミルで粉砕混合した
後、140℃の熱ロ−ルで30分間よく混練した。
【0082】冷却後、ハンマ−ミルで粗砕し、次いでジ
ェットミルで微粉砕を行なった。更に得られた微粉砕粉
体を風力分級機にて分級を行ない5〜20μmの粒子を得た
後、疎水性シリカ(R-972)0.2重量部を加えて混合し、平
均粒子径10μmのトナ−を得た。
【0083】上記トナ−とシリコン樹脂被覆キャリアを
用いて市販の複写機で複写試験を行なったところ画像の
定着は145℃から可能となり230℃においても加熱定着ロ
−ルへのトナ−のオフセットによる汚れはなく100000枚
の複写後もキャリアへのトナ−・スペントがなく初期と
同様、汚れカブリのない鮮明な画像が得られた。その他
得られた試験結果を表1に記す。また部はすべて重量部
を示す。
【0084】(THF不溶分の測定)実施例−1で得られた
混合樹脂の、前記THF不溶分は、78.1%であり、均一に
相溶分散した混合樹脂であった。
【0085】
【実施例−2】実施例−1の低分子量重合体(a)の調製
と同様に スチレン(St) 100 部 ジ・タ−シャリ・ブチル・パ−オキサイド 0.5 部 を重合させ、分子量ピ−クが2,900でMw/Mnが3.6の低分
子量重合体を得た。
【0086】実施例−1の高分子量重合体(C)の調製と
同様に スチレン(St) 75 部 アクリル酸ブチル(BA) 15 部 メタアクリル酸ブチル(BMA) 10 部 1-6ヘキサンジオ−ル・ジアクリレ−ト 0.2 部 のモノマ−混合物を重合させ、AFTM試験不溶分97%融出
量0.6mmの不溶不融性の高分子量重合体を得た。
【0087】続いて、微粉砕した上記低分子量重合体
(a)55.2部と、製造例-2で得た中分子量重合体(b)4.1部
と、上記高分子量重合体(c)微粉末40.8部を溶融混合し
て、均一に相溶分散した混合樹脂を得た。実施例−1と
同様に上記混合樹脂用いてトナ−を得、その試験結果を
表−1に記す。
【0088】〔実施例−3〕実施例−1の低分子量重合
体(a)の調製と同様に スチレン(St) 100 部 ジ・タ−シャリ・ブチル・パ−オキサイド 0.4 部 を重合させ、分子量ピ−クが3,200でMw/Mnが2.9の低分
子量重合体を得た。
【0089】実施例−1の高分子量重合体(C)の調製と
同様に スチレン(St) 77 部 アクリル酸ブチル(BA) 13 部 メタアクリル酸ブチル(BMA) 10 部 エチレングリコ−ルジメタアクリレ−ト 0.2 部 のモノマ−混合物を重合させ、AFTM試験不溶分96%、融
出量0.4mmの不溶不融性の高分子量重合体を得た。
【0090】続いて、微粉砕した上記低分子量重合体
(a)59.0部と、製造例−3の得た中分子量重合体(b)5.7
部と、上記高分子量重合体(c)微粉末35.3部を溶融混合
して、均一に相溶分散した混合樹脂を得た。実施例−1
と同様に上記混合樹脂用いてトナ−を得、その試験結果
を表−1に記す。
【0091】〔実施例−4〕実施例−1の低分子量重合
体(a)の調製と同様に スチレン(St) 100 部 ジ・タ−シャリ・ブチル・パ−オキサイド 0.4 部 を重合させ、分子量ピ−クが3,200でMw/Mnが2.9の低分
子量重合体を得た。
【0092】重合機に下記モノマ−及び開始剤 スチレン(St) 77 部 アクリル酸ブチル(BA) 18 部 メタアクリル酸ブチル(BMA) 5 部 1-6ヘキサンジオ−ル・ジアクリレ−ト 0.12 部 カヤエステルHTP 0.24 部
【0093】を仕込み混合溶解させた後、ゴ−セノ−ル
KH-170.5部を溶解させた脱イオン水の水溶液200部を加
え、攪拌下重合機内部を85℃に加熱して12時間重合反応
を行ない、冷却後、脱水、乾燥を行なった。得られた重
合体は、AFTM試験不溶分98%、融出量0.4mmの不溶不融
性高分子重合体を得た。
【0094】続いて、微粉砕した上記低分子量重合体
(a)62.9部と、製造例−2で得た中分子量重合体(b)6.1
部と、上記高分子量重合体(c)31.0部を溶融混合して、
均一に相溶分散した混合樹脂を得た。実施例−1と同様
に上記混合樹脂用いてトナ−を得、その試験結果を表−
1に示す。
【0095】〔比較例−1〕実施例−3の低分子量重合
体の調製で得た低分子量重合体(a)36.4部と、製造例−
1で得た中分子量重合体(b)9.1部と、実施例−1の高分
子量重合体の調製で得た高分子量重合体(c)54.5部を溶
融混合して、均一に相溶分散した混合樹脂を得た。実施
例−1と同様に上記混合樹脂用いてトナ−を得、その試
験結果を表−1に記す。
【0096】〔比較例−2〕実施例−2の低分子量重合
体の調製で得た低分子量重合体(a)87.8部と、製造例−
1で得た中分子量重合体(b)4.6部と、実施例−2の高分
子量重合体の調製で得た高分子量重合体(c)7.6部を溶融
混合して、均一に相溶分散した混合樹脂を得た。実施例
−1と同様に上記混合樹脂用いてトナ−を得、その試験
結果を表−1に記す。
【0097】〔比較例−3〕実施例−1の低分子量重合
体(a)の調製と同様に スチレン(St) 100 部 ジ・タ−シャリ・ブチル・パ−オキサイド 3 部 を重合させ、分子量ピ−クが1,000でMw/Mnが3.1の低分
子量重合体を得た。
【0098】上記低分子量重合体(a)80部と実施例−2
の高分子量重合体(c)の調製で得た高分子量重合体20部
を溶融混合して、均一に相溶分散した混合樹脂を得た。
実施例−1と同様に上記混合樹脂用いてトナ−を得、そ
の試験結果を表−1に記す。
【0099】〔比較例−4〕実施例−1の低分子量重合
体(a)の調製と同様に スチレン(St) 100 部 ジ・タ−シャリ・ブチル・パ−オキサイド 0.02 部 を重合させ、分子量ピ−クが8,000でMw/Mnが2.8の低分
子量重合体を得た。
【0100】上記低分子量重合体(a)55.7部と製造例−
3で得た中分子量重合体(b)23.2部と、上記高分子量重
合体(c)21.2部を溶融混合して、均一に相溶分散した混
合樹脂を得た。実施例−1と同様に上記混合樹脂用いて
トナ−を得、その試験結果を表−1に記す。
【0101】
【比較例−5】50リットルの重合機にスチレン6.5kgアクリ
ル酸ブチル3.5kg、過酸化ベンゾイル600gを仕込み混合
溶解させた後、ポリビニルアルコ−ル(ゴ−セノ−ルKH
-17)10gを溶解させた脱イオン水の水溶液20kgを加え、
攪拌下重合機内部を140℃に加熱して10時間重合反応を
行ない平均分子量12,000の重合体を得た。
【0102】別の重合機でスチレン6.5kg、アクリル酸
ブチル3.5kgを反応させ、平均分子量210,000の重合体を
得た。更に別の重合機でスチレン6.5kg、アクリル酸ブ
チル3.5kgを反応させ、平均分子量1,150,000の重合体を
得た。上記反応で得た平均分子量12,000の重合体60部
と、平均分子量210,000の重合体30部と、平均分子量1,1
50,000の重合体10部とを混合した重合体混合物100部を
用いて、実施例−1と同様にトナ−を得、その試験結果
を表2に示す。
【0103】
【比較例−6】50リットルの重合機にスチレン8.0kgアクリ
ル酸ブチル2.0kg、ジビニルベンゼン50g、過酸化ベンゾ
イル500gを仕込み混合溶解させた後、ポリビニルアルコ
−ル(ゴ−セノ−ルKH-17)10gを溶解させた脱イオン水
の水溶液20kgを加え、攪拌下重合機内部を85℃に加熱し
て10時間反応を行ない、架橋された重合体を得た。実施
例−1と同様に上記架橋樹脂を用いてトナ−を得その試
験結果を表2に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【発明の効果】本発明は、電子写真法、静電印刷法、静
電記録法などにおいて形成される静電荷像を現像するた
めのトナ−に関するものである。本発明で得られたトナ
−は非オフセット性、定着性、製造時の粉砕性、保存時
の耐ブロッキング性(非凝集性)像形成時の現像性に優
れ、また樹脂で表面を被覆されたキャリアを含む現像剤
において、キャリアのトナ−のスペント化に対する高い
防止効果を維持したまま、長時間使用しても帯電量分布
が狭く、且つ逆帯電性トナ−の発生、画質劣化、地肌汚
れのないという優れた物性を示すものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合樹脂と着色剤とを主成分とする静電
    荷像現像用トナ−において、該結合樹脂が(a) GPC分子
    量ピ−クLpが1.5×103〜4×103未満で且つその重量平均
    分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が、4.0未満であるスチ
    レン系単独重合体である、低分子量重合体と(b) GPC分
    子量ピ−ク(Mp)が3×104〜5×105であるスチレン系共
    重合体である中分子量重合体と(c) 架橋されたスチレン
    系共重合体である高分子量重合体とを含有し該低分子量
    重合体(a)と該高分子量重合体(c)の合計当り、該低分子
    量重合体(a)が50〜80重量部及び該高分子量重合体(c)が
    50〜20重量部であり(但し、低分子量重合体(a)と高分
    子量重合体(c)の合計は100重量部である)Lp<Mpであ
    り、且つ、該高分子量重合体(c)100重量部に対して該中
    分子量重合体(b)が5〜60重量部であることを特徴とする
    静電荷像現像用トナ−。
  2. 【請求項2】 該高分子重合体(c)が不溶不融性高分子
    重合体(c)であることを特徴とする請求項1記載の静電
    荷像現像用トナ−。
  3. 【請求項3】 該結着樹脂の酸価が0.05〜2.0KOHmg/g
    であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用
    トナ−。
  4. 【請求項4】 該高分子重合体(c)の粒子径が0.03μm〜
    1μmであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現
    像用トナ−。
  5. 【請求項5】 該低分子量重合体(a)が実質上溶剤が存
    在しない系で塊状重合した低分子量重合体(a)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナ−。
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