JP2935476B2 - 静電荷像現像用トナ− - Google Patents

静電荷像現像用トナ−

Info

Publication number
JP2935476B2
JP2935476B2 JP3022608A JP2260891A JP2935476B2 JP 2935476 B2 JP2935476 B2 JP 2935476B2 JP 3022608 A JP3022608 A JP 3022608A JP 2260891 A JP2260891 A JP 2260891A JP 2935476 B2 JP2935476 B2 JP 2935476B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
styrene
developing
electrostatic image
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3022608A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04338972A (ja
Inventor
尚人 久保
正俊 丸山
芹沢  洋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP3022608A priority Critical patent/JP2935476B2/ja
Publication of JPH04338972A publication Critical patent/JPH04338972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2935476B2 publication Critical patent/JP2935476B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、静電記録法などにおいて形成される静電荷像を現像
するためのトナ−に関するものである。
【0002】一般に静電荷像現像用トナ−は樹脂成分、
顔料もしくは染料からなる着色剤成分および可塑剤、電
荷制御剤等の添加成分によって構成されており、樹脂成
分としては天然または合成樹脂が単独或いは適宜混合し
て使用されている。近年急速に技術開発が進められた乾
式現像方式に適したトナ−に対してもその樹脂成分に関
し多くの改良技術が提案されている。特に高速度複写を
目的とする電子写真複写機においては、加熱ロ−ラ−定
着法が採用され、静電記録体(感光ドラム)上に現像に
よって得られたトナ−像を一旦紙などの転写シ−トに転
写した後、該転写シ−トを加熱圧着を行う定着ロ−ラ−
に通してトナ−像をシ−トに融着させて定着が行なわれ
る。
【0003】斯かる定着の方法としては種々のものが知
られているが、特に加熱ロ−ラ定着機に代表される接触
加熱定着方式は、熱板定着器などの無接触加熱定着方式
に比して熱効率が高い点で優れており、特に高速度定着
が可能である点で好ましい。
【0004】この接触加熱定着方式においては、トナ−
のバインダ−樹脂の物性、ランニングスピ−ド、消費電
力の大きさ、像形成装置の保守その他の作業性の観点か
ら、通常150〜220℃の温度範囲内で定着が遂行さ
れる。
【0005】そこでこの定着方式に供されるトナ−にお
いては、定着温度において確実に定着が達成されるよ
う、バインダ−樹脂に低分子量重合体を含有させトナ−
粘度を下げると共に接触加熱ロ−ラにトナ−の一部が付
着することによるオフセット現象が生じないよう、当該
バインダ−樹脂に高分子量重合体を含有させトナ−弾性
率を上げることが好ましいとされている。
【0006】又、高速度複写を目的とする電子写真複写
機においては、キャリア粒子とトナ−粒子との混合物か
らなる謂ゆる二成分系乾式現像剤がよく用いられてい
る。この二成分系乾式現像剤は、比較的大きなキャリア
粒子表面上に微小なトナ−粒子が両粒子の摩擦により発
生した電気力により保持されており、静電潜像に近接さ
れると静電潜像が形成する電界によるトナ−粒子に対す
る該潜像方向への吸引力が、トナ−粒子とキャリア粒子
間の結合力に打ち勝ってトナ−粒子は静電潜像上に吸引
付着されて静電潜像が可視化されるものである。そし
て、現像剤は現像によって消費されたトナ−を補充しな
がら反復使用される。
【0007】従って、キャリアは長期間の使用中、常に
トナ−粒子を所望とする極性で、且つ充分な帯電量に摩
擦帯電しなければならない。しかしながら従来の現像剤
は、粒子間の衝突又は粒子と現像装置との衝突等の機械
的衝突又はこれらによる発熱でキャリア表面にトナ−膜
が形成され、所謂スペント化が生じ、キャリアの帯電特
性が使用時間と共に低下し、現像剤全体を取換える必要
が生じる。
【0008】このようなスペント化を防止すると共に長
期間の使用中、常に安定な帯電量を得る為、従来よりシ
ャリア表面に種々の樹脂を被覆する方法が提案されてい
るがいまだ満足の行くものは得られていない。
【0009】特に、高速度複写を目的とする電子写真複
写機用トナ−においては確実な定着性を達成されるよう
に低分子量重合体量を多く用いられる事及び高速度現像
装置内で更に強い機械的衝突を受ける事等によりスペン
ト化を起こし易い。
【0010】更に高速度複写においては、コピ−の枚数
が増え1台当りのトナ−消費量が増大するので、特にス
ペント化の防止を行ない現像剤全体を取換えるメンテナ
ンス回数を減らす事が望まれた。
【0011】又、仮に要求される特性が定着性と非オフ
セット性のみである場合であっても、バインダ−樹脂が
単に高分子量重合体と低分子量重合体とを含有すること
のみでは不十分であって、更にそれらの重合体が互に相
溶して渾然一体となった状態でバインダ−樹脂に含有さ
れることが必要であり、トナ−の製造時、保存時或いは
像形成時などにおいて互に分離しないものであることが
要請される。
【0012】これは、そのような状態にあって初めて低
分子量重合体による定着性と高分子量重合体による非オ
フセット性が同時に発揮されるからであって、単に共存
した状態では各々の重合体が個別の作用を発揮するため
にトナ−として目的の効果を得ることはできないからで
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の如き事
情に基いてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、非オフセット性、定着性、製造時の粉砕性、保存
時の耐ブロッキング性(非凝集性)、像形成時の現像
性、おいて良好な特性を有する静電荷像現像用トナ−を
提供するにある。
【0014】本発明の他の目的は、樹脂で表面を被覆さ
れたキャリアを含む現像剤において、前記キャリアのト
ナ−のスペント化に対する高い防止効果を維持したま
ま、長時間使用しても帯電量分布が狭く、且つ逆帯電性
トナ−の発生、画質劣化、地肌汚れのない静電潜像用現
像剤を提供するものであり、
【0015】更には、環境変化、例えば、湿度変化など
によるトナ−帯電量変化を少なく抑えて、常に安定した
画像を形成しうる現像剤を提供することにある。一般に
帯電量は、低湿時には高く、高湿時には低くなり、これ
によって画像の品質も変化してくるが、本発明現像剤
は、この様な欠点をも改良したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は結合剤樹脂と着
色剤とを主成分とする静電荷像現像用トナ−において、
該結合樹脂が (a) GPC分子量ピ−クLpが5×103〜1.5×1
4であるスチレン系共重合体A(スチレン系モノマ−
含有率Wl重量%)が70〜80重量部と
【0017】(b) GPC分子量ピ−クHpが4×1
5〜2×106であるスチレン系共重合体B(スチレン
系モノマ−含有率Wh重量%)が30〜20重量部と を含有し、(但し、スチレン系共重合体Aとスチレン系
共重合体Bの合計は100重量部である。)WlとWh
が50重量%以上であり、且つWl<Whの条件を満足
する混合樹脂であり、
【0018】該混合樹脂の170℃における溶融状態で
の角周波数ω=10〔rad/sec〕で測定した時の貯蔵弾
性率(G´)が5×103〜5×104〔rad/sec〕にお
ける力学的損失正接(tanδ)が1.2≦tanδ≦3.5の範囲
にあり
【0019】且つ動的粘性率(η´)が500≦η´≦
2500〔ポイズ〕の範囲であることを特徴とする高速
電子写真に適した静電荷像現像用トナ−を提供するもの
である。
【0020】更に別の好ましい実施態様に従えば、前記
混合樹脂はスチレン系共重合体Aを、スチレン系共重合
体Bの為のモノマ−に溶解した後、懸濁重合する事によ
り得られるスチレン系共重合体AとBが溶解した混合樹
脂により得られるものである。
【0021】かくして本発明による静電荷像現像用トナ
−は、従来のトナ−に比べて定着可能な最低温度が低く
て良好な定着性を有し、これを損うことなく、優れた非
オフセット性及び耐ブロッキング性を具え、製造時の粉
砕性が良好であり摩擦帯電性が好適であって優れた現像
性が発揮され、しかも樹脂被覆層を有するキャリアを用
いた現像剤においてスペント化を起こさず繰り返し使用
時の耐久性が大きい卓越した性能を有するものである。
【0022】前記主成分樹脂A及びBの構成単位となる
スチレン系成分を与えるものはいわゆるスチレン系モノ
マ−であり、その具体例としては、スチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−
n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−
n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−
メトキシステレン、p−フェニルスチレン、p−クロル
スチレン、3,4−ジクロルスチレンなどを挙げること
ができるが、このうちスチレンが最も好ましい。
【0023】前記スチレン系成分と共に前記主成分樹脂
A及びBを構成する第1のアクリル系成分及び第2のア
クリル系成分を与えるものはいわゆるアクリル系モノマ
−であり、その具体例としては、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタアクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸nブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ラウリル、メタ
クリル酸ステアリル等があり、特にアクリル酸nブチ
ル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸ラウリルが好ましい。
【0024】このアクリル系成分は、前記スチレン系成
分のモノマ−と通常の条件下で重合せしめて得られる共
重合体のガラス転移温度が40℃〜80℃の範囲内にあ
るものである事が好ましい。
【0025】またスチレン系共重合体Aが70〜80重
量部とスチレン系共重合体Bが30〜20重量部(但し
スチレン系共重合体Aとスチレン系共重合体Bの合計は
100重量部である)の範囲である事が好ましく更に好
ましくはスチレン系共重合体Aが72〜78重量部とス
チレン系共重合体Bが28〜22重量部のものが好適に
使用される。
【0026】スチレン系共重合体Aが70重量部より少
ないと(スチレン系共重合体Bが30重量部より多い)
耐オフセット性は良好であるが低温領域での定着性は不
良となり定着下限温度が上昇し好ましくない。またスチ
レン系共重合体Aが80重量部より多いと(スチレン系
共重合体Bが20重量部より少ない)定着性は良好であ
るがホット・オフセットが発生しやすくなり、定着可能
温度幅が狭くなり好ましくない。
【0027】スチレン系共重合体AのGPC分子量ピ−
クLpが好ましくは、5×103〜1.5×104、更に好
ましくは7×103〜1.2×104のものが好適に使用さ
れる。
【0028】GPC分子量ピ−クLpが5×103より
低いと定着性は良好であるが、現像機中でトナ−がスペ
ントを起こし易く現像剤の寿命が短い。又、分子量ピ−
クLpが1.5×104より高いと、スペント化は起きにく
いが低温領域での定着性は不良となり、定着下限温度が
上昇し、かつコ−ルド・オフセット温度も不良となり好
ましくない。
【0029】スチレン系共重合体BのGPC分子量ピ−
クHpが好ましくは、4×105〜2×106更に好まし
くは、5×105〜1.5×106、最も好ましくは6×1
5〜1.0×106のものが好適に使用される。
【0030】GPC分子ピ−クHpが4×105より低
いと定着性は良好であるがホット・オフセットが発生し
やすくなり定着可能温度幅が狭くなり好ましくない。
【0031】又、分子量ピ−クHpが2×106より高
いとスチレン系共重合体Aとの相溶性によるものの考え
られるがスチレン系共重合体Aとスチレン系共重合体B
の各々の重合体が個別の作用を発揮する為に、トナ−と
しての目的の効果を得る事が難しい。
【0032】スチレン系共重合体Aのスチレン系モノマ
−含有率Wl〔重量%〕とスチレン系共重合体Bのスチ
レン系モノマ−含有率Wh〔重量%〕が各々WlとWh
が50重量%以上であり、かつWl<Whの条件を満足
している事が好ましい。
【0033】WlとWhが50重量%より少ないと得ら
れる共重合体のガラス転移温度が低くなり、トナ−の保
存時の安定性が悪くなり好ましくない。又、Wh>Wl
の条件を満たしていないと良好な定着性と優れた現像性
と繰り返し使用時の耐久性に卓越した性能が得られな
い。
【0034】上記混合樹脂の好適範囲を満たすだけで
は、目的の効果を得る事が難しく混合樹脂の170℃に
おける溶融状態での角周波数ω=10〔rad/sec〕で測
定した時の動的粘弾性を満たす事が必要である事を見出
した。
【0035】すなわち、力学的正接が好ましくは1.2≦t
anδ≦3.5、更に好ましくは1.3≦tanδ≦3.0、最も好ま
しくは1.4≦tanδ≦2.5の範囲であり、かつ動的粘性率
が好ましくは500≦η´≦2500〔poise〕、更に
好ましくは600≦η´≦2000〔poise〕最も好ま
しくは、700≦η´≦1500の範囲のものが好適に
使用される。
【0036】tanδ<1.2では、定着時のトナ−は弾性体
として挙動し、耐オフセット性は良好であるが、低温領
域での定着性は不良となり、定着下限温度上昇し、かつ
コ−ルドオフセット温度も不良となり好ましくない。ま
た、tanδ>3.5では、定着時のトナ−は粘性体に近い挙
動を示し、定着性は良好であるが、ホットオフセットが
発生しやすくなり定着可能温度幅が狭くなり好ましくな
い。
【0037】さらに500>η´では低温定着性は十分
であるが、オフセットが発生するため、定着可能領域が
なく使用できない。
【0038】また、2500<η´では充分な耐オフセ
ット性が得られるが、低温領域での定着性は不良とな
り、実用上充分な定着性が得られない。
【0039】また混合樹脂の酸価が好ましくは0.1〜1.0
KOHmg/g更に好ましくは0.2〜0.7KOHmg/gのものが好適
に使用される。
【0040】酸価が0.1KOHmg/gより低いとトナ−の主
構成成分である樹脂の抵抗が高い事によると考えられる
がキャリアとトナ−との帯電特性が使用時間と共に変化
し、安定な現像剤が得られない。又、酸価が1.0KOHmg/
gより大きいと樹脂の極性が大きくなり、目的とするキ
ャリアとトナ−の帯電量を得ることが難しくなる。
【0041】本発明により得られる静電荷像現像用トナ
−は、鉄粉或いはガラスビ−ズなどより成るキャリアが
前記トナ−に混合されたいわゆる二成分系現像剤を用い
る現像法において、樹脂被覆層を有するキャリアを使用
する現像剤に好適に用いられる。
【0042】樹脂被覆層を有するキャリアとしては、一
般に鉄、ニッケル、フエライト、ガラスビ−ズより成る
核体粒子の表面を絶縁性樹脂の被覆層により被覆したキ
ャリアが代表的なものであり、絶縁性樹脂材料として
は、一般にフッ素樹脂シリコン樹脂、アクリル樹脂、ス
チレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブ
タジエン樹脂が代表的なものである。
【0043】本発明により得られる静電荷像現像用トナ
−と樹脂被覆層を有する。
【0044】キャリアとを成分とする現像剤を用いた場
合、キャリア粒子の表面にトナ−粒子が付着して汚染さ
れるスペントが著しく少ない、キャリアとトナ−の摩擦
帯電特性を制御することが可能であり、耐久性に優れ使
用寿命が長い点で特に高速の電子複写機に好適である。
【0045】本発明トナ−のバインダ−樹脂の主成分樹
脂は例えば下記の方法によって合成することができる。
即ち一般的に知られている重合方法、即ち塊状重合法、
懸濁重合法、溶液重合法などによりスチレン系共重合体
A(低分子量重合体)を合成し、これを、重合されてス
チレン系共重合体B(高分子量重合体)となるべく単量
体に溶解し、然る後この混合物を懸濁重合法により合成
する事ができる。
【0046】以上の合成方法の特徴は、その合成過程に
おいて、低分子量重合体と高分子量重合体が均一に混合
され、両重合体が渾然一体となって状態が得られる点に
ある。
【0047】また、本発明に係る静電荷像現像用トナ−
には、適当な顔料または染料が着色剤として配合され更
に必要に応じて電荷制御剤、(離型剤・磁性体などの他
の種類のトナ−添加剤を配合せしめることができる。
【0048】トナ−は、主要樹脂成分に上記添加剤を配
合して均一に混合溶融し、溶融混合物を劣却後必要に応
じ粗砕した上ジェットミル等で微粉砕のち、分級機で分
級することにより、平均粒径が5〜30μmの所望粒度
分布の最終製品(トナ−)を得る事ができる。
【0049】本明細書で使用する各試験方法を以下に説
明する。 分子量測定法 分子量分布のピ−ク位置分子量は、ゲルパ−ミエ−ショ
ンクロマトグラフィ−(GPC)に、カラム(東ソ−製
GMH×3本)を装着した装置を用いて試料をテトラヒ
ドロフラン(THF)に0.2wt%の濃度で溶解し、温
度20℃において1ml/minの流速で測定を行った。な
お試料の分子量測定に際しては該試料の有する分子量が
数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検
量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に
包含される測定条件を選択した。
【0050】粘弾性測定法 粘弾性特性はレオメ−タ−と呼ばれるレオロジ−的性質
を測定する為の機器により得られる。本発明に使用した
レオメ−タ−は(株)レオロジ社製MR−3ソリキッド
メ−タ−であり、測定条件は170℃における溶融状態
において、角周波数ω=10〔rad/sec〕を固定し、こ
の時の貯蔵弾性率(G´)と力学的損失正接(tanδ)
と動的粘性率(η´)のレオロジ−特性を測定した。
【0051】酸価測定法 樹脂試料400mg秤量し、アセトン50mlを加えN
2ガス雰囲気中で溶解した後、フェノ−ルフタレン指示
液(1%エチルアルコ−ル溶液)を1〜2滴加えて、N
2ガス雰囲気中で1/100NのN2OHで滴定を行い、
次式より酸価を算出した。
【0052】 酸価〔KOHmg/g〕=〔(x−B)×f×56.11×0.01〕÷試料採取量 f:1/100NのN2OH規定溶液のファクタ− x:試料の滴定量〔ml〕 B:空試験の滴定量〔ml〕
【0053】〔紙上かぶり〕複写試験において余白部へ
のトナ−のかぶりは、ミノルタ社製CR−200色彩色
差計を用いて測定した。かぶりが少ない場合は0.5%以
下の値をかぶりが多い場合は1%以上の値を示す。
【0054】
【実施例−1】50lの重合機にスチレン8.7kgアク
リル酸ブチル1.3kg、過酸化ベンゾイル800gを仕
込み混合溶解させた後、ポリビニルアルコ−ル(ゴ−セ
ノ−ルKH−17)10gを溶解させた脱イオン水の水
溶液20kgを加え攪拌下重合機内部を90℃に加熱し
て10時間重合反応を行ない分子量ピ−クが10000
の低分子量重合体を得た。
【0055】続いて、50lの重合機に上記低分子量重
合体7.4kgとスチレン2.08kgアクリル酸ブチル0.52
kg、カヤエステルHTP(Di-t-intyl peroxy hexah
ydroterephthalate)3.9gを仕込み、混合溶解させた
後、ゴ−セノ−ルKH-17 10gを溶解させた脱イオン
水の水溶液20kgを加え、攪拌下重合機内部を85℃
に加熱して12時間重合反応後、10%NaOHを25
0g投入して85℃で2時間熟成した。分子量ピ−クが
710000の高分子量重合体と10000の低分子量
重合体で酸価が0.3KOHmg/gの混合樹脂を得た。
【0056】得られた混合樹脂の170℃における溶融
状態での力学的正接損失(tanδ)は1.4であり、動的粘
性率〔η´〕は1600poiseであった。上記混合樹脂
100重量部カ−ボンブラック(MA−100)6重量
部、ポリプロピレン・ワックス(550P)2重量部、
含金染料(S−34)2重量部をボ−ルミルで粉砕混合
した後、140℃の熱ロ−ルで30分間よく混練した。
【0057】冷却後、ハンマ−ミルで粗砕し、次いでジ
ェットミルで微粉砕を行なった。更に得られた微粉砕粉
体を風力分級機にて分級を行ない5〜20μmの粒子を
得た後、疎水性シリカ(R−972)0.2重量部を加え
て混合し、平均粒子径10μmのトナ−を得た。
【0058】上記トナ−とシリコン樹脂被覆キャリアを
用いて市販の複写機(東芝レオドライ9230…複写速
度60枚/A4紙)で複写試験を行なったところ画像の
定着は145℃から可能となり230℃においても加熱
定着ロ−ルへのトナ−のオフセットによる汚れはなく1
00000枚の複写後も初期と同様、汚れカブリのない
鮮明な画像が得られた。その他得られた結果を表1に記
す。また部はすべて重量部を示す。
【0059】
【実施例2〜5及び比較例1〜4】実施例1において重
合体を得るモノマ−を表1、表2に記載するモノマ−の
種類及び使用量とする以外は実施例1と同様に試作し
た。その結果を表1及び表2に記す。また表1及び表2
に使用するモノマ−はSt−スチレン、BA−ブチルア
クリレ−ト、BMA−ブチルメタアクリレ−トの略号で
ある。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明は、電子写真法、静電印刷法、静
電記録法などにおいて形成される静電荷像を現像するた
めのトナ−に関するものであり、
【0063】かくして本発明による静電荷像現像用トナ
−は従来のトナ−に比べて、定着可能な最低温度が低く
て良好な定着性を有し、これを損うことなく、優れた非
オフセット性及び耐ブロッキング性を具え、製造時の粉
砕性が良好であり摩擦帯電性が好適であって優れた現像
性が発揮され、
【0064】しかも樹脂被覆層を有するキャリアを用い
た現像剤においてスペント化を起こさず繰り返し使用時
の耐久性が大きい卓越した性能を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08 325 G03G 9/08 384

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤樹脂と着色剤とを主成分とする静
    電荷像現像用トナ−において、該結合樹脂が (a) GPC分子量ピ−クLpが5×103〜1.5×1
    4であるスチレン系共重合体A(スチレン系モノマ−
    含有率Wl重量%)が70〜80重量部と (b) GPC分子量ピ−クHpが4×105〜2×1
    6であるスチレン系共重合体B(スチレン系モノマ−
    含有率Wh重量%)が30〜20重量部と を含有し、(但し、スチレン系共重合体Aとスチレン系
    共重合体Bの合計は100重量部である。)WlとWh
    が50重量%以上であり、且つWl<Whの条件を満足
    する混合樹脂であり、該混合樹脂の170℃における溶
    融状態での角周波数ω=10〔rad/sec〕で測定した時
    の貯蔵弾性率(G´)が5×103〜5×104〔rad/s
    ec〕における力学的損失正接(tanδ)が1.2≦tanδ≦
    3.5の範囲にあり且つ動的粘性率(η´)が500≦η
    ´≦2500〔ポイズ〕の範囲であることを特徴とする
    高速電子写真に適した静電荷像現像用トナ−。
  2. 【請求項2】 該混合樹脂の酸価が0.1〜1.0KOHmg/gで
    あることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用ト
    ナ−。
  3. 【請求項3】 該混合樹脂が懸濁重合法によってスチレ
    ン系共重合体Aを重合し、モノマ−に溶解した後スチレ
    ン系共重合体Bを重合することにより得られるスチレン
    系共重合体AとBが溶解した混合樹脂であることを特徴
    とする請求項1〜2いずれかに記載の静電荷像現像用ト
    ナ−。
  4. 【請求項4】 該静電荷像現像用トナ−が樹脂被覆層を
    有するキャリアを使用する現像剤に適することを特徴と
    する請求項1〜3いずれかに記載の静電荷像現像用トナ
    −。
JP3022608A 1991-01-24 1991-01-24 静電荷像現像用トナ− Expired - Lifetime JP2935476B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3022608A JP2935476B2 (ja) 1991-01-24 1991-01-24 静電荷像現像用トナ−

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3022608A JP2935476B2 (ja) 1991-01-24 1991-01-24 静電荷像現像用トナ−

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04338972A JPH04338972A (ja) 1992-11-26
JP2935476B2 true JP2935476B2 (ja) 1999-08-16

Family

ID=12087557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3022608A Expired - Lifetime JP2935476B2 (ja) 1991-01-24 1991-01-24 静電荷像現像用トナ−

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2935476B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5072113B2 (ja) * 2006-12-20 2012-11-14 三井化学株式会社 電子写真用トナーおよびトナー用バインダー樹脂

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04338972A (ja) 1992-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4882258A (en) Toner for development of electrostatic image and electrostatic latent image developer
JP3525705B2 (ja) 負荷電性トナー
JP2976078B2 (ja) 静電荷像現像剤組成物
JPS63217364A (ja) 第4級アンモニウム塩を含有する静電潜像現像トナ−
EP0952493B1 (en) Process for producing toner for developing electrostatic latent images
JP2935476B2 (ja) 静電荷像現像用トナ−
JP3211504B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JPH11125931A (ja) 非磁性トナー
JP4332367B2 (ja) トナー
JPH0697348B2 (ja) トナ−
JP3392038B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3034371B2 (ja) 静電荷像現像用トナ−
JP2925039B2 (ja) 静電荷像現像用トナ−
JPH10246987A (ja) 負荷電性トナー
JP3817410B2 (ja) トナー
JP3021178B2 (ja) 静電荷像現像用トナ−
JP3411175B2 (ja) トナー用樹脂組成物およびトナー
JP4143443B2 (ja) トナー
JP4328524B2 (ja) トナー
JP3450634B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3045323B2 (ja) 静電荷像現像用トナ−
JP3850096B2 (ja) 負荷電性トナー
JP2000098650A (ja) 負荷電性トナー
JP3347150B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4086411B2 (ja) トナー

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080604

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090604

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090604

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100604

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100604

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110604

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110604

Year of fee payment: 12