JPH05279879A - 磁石成形体の防錆処理方法及び防錆処理装置と、磁石成形体の受渡し装置 - Google Patents

磁石成形体の防錆処理方法及び防錆処理装置と、磁石成形体の受渡し装置

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JPH05279879A
JPH05279879A JP4079962A JP7996292A JPH05279879A JP H05279879 A JPH05279879 A JP H05279879A JP 4079962 A JP4079962 A JP 4079962A JP 7996292 A JP7996292 A JP 7996292A JP H05279879 A JPH05279879 A JP H05279879A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボンド磁石成形体に電着塗装を施すに当り、
焼付け処理工程における変形を防止すること。 【構成】 受渡し装置9 は、フック61付の焼付けラック
21を挿入可能な固定式ラックガイド33と、電極爪組51を
下に向けた電着ラック11を挿入可能な移動式ラックガイ
ド37と、バルン57で電極爪開放・保持動作を行わせる開
放・保持装置39と、移動式ラックガイド37及び開放・保
持装置39を上下動する油圧シリンダ43,45とを備えてい
る。この受渡し装置9 にて、バルン57が電極爪組51の略
中央部に位置し、かつ電極爪組51に保持された磁石成形
体1 が焼付けラック21上所定高さになるまで電着ラック
11及び開放・保持装置39を下降させ、バルン57を膨張さ
せて磁石成形体1 を焼付けラック21のクッション部材63
の上へ落下させ、焼付けラック21を立たせて磁石成形体
1 を吊下げ状態として焼付け処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁石成形体、特にボン
ド磁石成形体に、防錆塗料の電着・焼付け処理を施す防
錆処理方法と、この防錆処理方法の実施に直接使用する
磁石成形体の防錆処理装置及び磁石成形体の受渡し装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒状に成形したNd−Fe−B
ボンド磁石をモータの固定子等に用いる場合があった。
このNd−Fe−Bボンド磁石に対しては錆止めが必要
であった。このため、図9(A)に示す様に、複数の電
極爪101を配設した電着ラックに磁石成形体103を
保持し、これを電着槽に浸漬して防錆塗料の電着処理を
行い、その後、炉に入れて約150℃にて焼付け処理を
するという工程が採用されていた。ここで、電着ラック
に磁石成形体103を取り付けたままで焼付けするの
は、多数の磁石に同時に防錆処理を施すに当たって、電
極爪101から一つずつ取り外すのに要する工程を省略
し、工数の削減を図るためである。
【0003】肉厚の大きい磁石の製造においては、この
様な工程を採用しても問題はなかったが、薄肉円筒形ボ
ンド磁石に電着・焼付け処理を施す場合、以下の様な問
題が生じた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の電極爪101
は、磁石成形体103をしっかりと挟み付けることがで
きるように、かなりの締付力を発揮する。従って、磁石
成形体103には、焼付け処理中に締付力が作用してい
るため、焼付け処理後の磁石成形体103には、(B)
に誇張して示すような変形が生じ、真円度の低い製品し
か製造できないという問題があった。
【0005】この様な問題を解決するには、一つずつ取
り外して焼付け処理するという方法も考えられるが、そ
れでは工数の増加により、大量生産ができないという問
題がある。また、上記の電着塗装を止めて粉体塗装によ
り磁石成形体の表側に塗布・焼付けをし、裏返して塗布
・焼付けをするという工程を採用する対策もあるが、工
程が増加する上、粉体塗装は膜厚のバラツキが大きくて
精度を向上できず、防錆効果も低いという問題があっ
た。
【0006】そこで、形状精度が良好で防錆効果も高い
磁石(特にボンド磁石、それ以外も含む)を、工数・工
程の増加を伴うことなく製造することのできる磁石成形
体の防錆処理方法及び防錆処理装置と、磁石成形体の受
渡し装置を提供することを目的として本発明を完成し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる目的を達
成するためになされた本発明の磁石成形体の防錆処理方
法は、電着ラックに配設された電極爪に保持された中空
筒状の磁石成形体に防錆塗料の電着処理を施し、該電着
処理のなされた磁石成形体に焼付け処理を施す磁石成形
体の防錆処理方法において、前記電着処理を施した後に
前記電着ラックを電極爪を下にして保持し、該電極爪の
下方に、電極爪に相対するフックを植設した焼付けラッ
クを配設し、該電極爪に開放動作を行わせて磁石成形体
を焼付けラック上に落下させ、該焼付けラックを立たせ
ることにより磁石成形体をフックに吊り下げた状態とし
て前記焼付け処理を施すことを特徴とする。
【0008】この磁石成形体の防錆処理方法によれば、
電着処理を施した後の磁石成形体を焼付けラック上に落
下させ、この焼付けラックを立たせることにより磁石成
形体をフックに吊り下げた状態として焼付け処理を施す
から、焼付け処理中に締付力を受けることがない。従っ
て、焼付け処理中に製品に変形が発生することがない。
【0009】本発明の磁石成形体の防錆処理方法を実施
するに当たって発明された防錆処理装置は、請求項2記
載の様に、中空筒状の磁石成形体を上面に載置する載置
手段と、前記磁石成形体を2以上の方向から保持する電
極爪組を有する電着ラックと、該電着ラックの電極爪組
に磁石成形体を開放する動作を行わせる開放動作手段
と、該開放動作手段にて電極爪開放動作状態とされた電
着ラックを、前記載置手段上に載置された磁石成形体を
電極爪組で保持可能な位置へ移動させる移動手段と、該
磁石成形体を保持可能な位置において、前記電極爪組に
保持動作を行わせる保持動作手段と、該保持動作によっ
て電極爪組に磁石成形体を保持させた電着ラックを浸漬
して磁石成形体に防錆塗料の電着処理を施す電着処理槽
と、該電着処理の施された磁石成形体に焼付け処理を施
す焼付け処理手段とを備える磁石成形体の防錆処理装置
において、前記電着処理の施された磁石成形体を保持し
た電着ラックを、電極爪組を下にして配設する電着ラッ
ク配設手段と、該電着ラック配設手段に配設された電着
ラックの下方に配置され、前記電極爪組に保持された中
空筒状の磁石成形体の略中心に位置するフックを突設し
た焼付けラックと、該焼付けラックを配置した状態にお
いて、前記電着ラックの電極爪組に開放動作を行わせて
磁石成形体を焼付けラック上に落下させる落下手段とを
備えることを特徴とする。
【0010】この磁石成形体の防錆処理装置によれば、
開放動作手段にて電極爪開放動作状態とされた電着ラッ
クを、載置手段上に載置された磁石成形体を電極爪組で
保持可能な位置へ移動させ、そこで保持動作手段を作動
させることにより電極爪組に保持動作を行わせて電極爪
組に磁石成形体を保持させる。そして、電着処理槽にこ
の磁石成形体を保持した電着ラックを浸漬して磁石成形
体に防錆塗料の電着処理を施す。そして、電着処理の施
された磁石成形体を保持した電着ラックを、電着ラック
配設手段に電極爪組を下にして配設し、さらにその下方
に、電極爪組に保持された中空筒状の磁石成形体の略中
心に位置するフックを突設した焼付けラックを配置し、
その状態で落下手段を作動させることにより、電着ラッ
クの電極爪組に開放動作を行わせて磁石成形体を焼付け
ラック上に落下させる。こうして電着ラックから焼付け
ラックへ受渡しを完了した後、この焼付けラックを立て
れば磁石成形体はフックに吊下げられた状態となる。こ
の状態で焼付け処理手段にて焼付け処理を施せば、上記
本発明方法を実施することができる。なお、開放動作手
段と、保持動作手段とは、別々の構成としてもよいし、
後述実施例の様に両手段を兼ねる一つの機器として構成
してもよい。
【0011】この様な本発明の磁石の防錆処理装置にお
いて、前記焼付けラックの上面の少なくともフック突設
位置近傍に、耐熱性のあるクッション部材を取り付けて
おけば、落下の際に電着塗装膜に傷がつくことがなく一
層好適である。また、請求項4記載の様に、さらに、前
記焼付けラックを水平状態から吊下げ状態に変えること
で前記落下手段によって焼付けラック上に落下された磁
石成形体を前記フックに吊り下げた状態とする吊下げ手
段と、該吊下げ状態とした焼付けラックを前記焼付け処
理手段に搬入する搬入手段とを備えることとすれば、焼
付け処理工程の自動化が可能であり、加えて、請求項5
記載の様に、前記電着ラックを前記電着ラック配設手段
と前記電着処理槽との間で搬送・受渡しをする電着ラッ
ク搬送・受渡手段をも備えることとすれば、電着・焼付
け処理工程全体を自動化することができる。
【0012】この様な本発明の防錆処理方法及び防錆処
理装置においては、特に、請求項6記載の様に、中空筒
状の磁石成形体を2以上の方向から保持する電極爪組を
有する電着ラックと、該電着ラックを前記電極爪を下に
して配設する電着ラック配設手段と、該電着ラック配設
手段に配設された電着ラックの下方に配置され、前記電
極爪組に保持された中空筒状の磁石成形体の略中心に位
置するフックを突設した焼付けラックと、該焼付けラッ
クを配置した状態において、前記電着ラックの電極爪組
に開放動作を行わせて磁石成形体を落下させる落下手段
とを備える磁石成形体の受渡し装置が好適である。な
お、この磁石成形体の受渡し装置においても、請求項7
記載の様に、前記焼付けラックの上面の少なくともフッ
ク突設位置近傍に、耐熱性のあるクッション部材を取り
付けると一層好適である。
【0013】
【実施例】次に、本発明を一層明らかにするために、実
施例を以下に説明する。実施例のシステムの全体構成を
図1に示す。本実施例のシステムは、Nd−Fe−Bボ
ンド磁石成形体(以下、磁石成形体という)1を載置ラ
ック3上に多数載置する載置装置5と、この磁石成形体
1を載置した載置ラック3を搬送する載置ラック搬送路
7と、この載置ラック搬送路7の先に設けられた磁石成
形体の受渡し装置9と、受渡し装置9にて磁石成形体1
を受け渡された電極爪付の電着ラック11の取り出し等
のラックのハンドリングを行うロボットアーム13と、
ロボットアーム13から受け渡された電着ラック11を
搬送する電着ラック搬送路15と、この電着ラック搬送
路15の先に配置された電着処理槽17とからなる自動
化された電着処理工程を備えている。なお、載置ラック
3から電着ラック11への磁石成形体の受渡しは、本願
出願人が先に出願した特願平2−117238号(特開
平4−16421号)「物品装着方法およびその装置」
にて説明した手法を用いており、詳しくは後述する。
【0014】本実施例システムはさらに、電着処理した
磁石成形体1を焼付け処理炉19へ搬入する焼付け処理
工程をも自動化したものとしている。この自動化された
焼付け処理工程は、前述した電着ラック搬送路15の戻
り経路に沿って処理済みの電着ラック11を戻し、ロボ
ットアーム13にて電着処理後の磁石成形体1をこの電
着ラック11ごと受渡し装置9にセットすることから始
まる。ロボットアーム13は、また、この受渡し装置9
に、後述するフック付の焼付けラック21をセットする
作業も行う。そして、後述する手順により電着ラック1
1から焼付けラック21へ磁石成形体1を受渡した後に
再びロボットアーム13にてこれを取り出し、焼付け処
理炉19へ搬送するために設けられた焼付けラック搬送
路23にセットするという工程からなる。
【0015】まず、受渡し装置9の詳細を、図2,図3
に従って説明する。受渡し装置9は、ベース31と、こ
のベース31上に取り付けられて載置ラック3又は焼付
けラック21を正面から所定位置まで挿入可能な固定式
ラックガイド33と、この固定式ラックガイド33の側
方においてベース31から垂直に立設されたガイドバー
35と、このガイドバー35にガイドされて上下に移動
可能で、電着ラック11を正面から所定位置まで挿入可
能な移動式ラックガイド37と、この移動式ラックガイ
ド37の上方にガイドバー35でガイドされて上下に移
動可能な電極爪に磁石成形体の開放・保持動作を行わせ
る装置(以下、開放・保持装置という)39とを備え
る。また、移動式ラックガイド37の側端部には、ガイ
ドバー35上方の天井部41から吊下げられた油圧シリ
ンダ43が取り付けられてその上下動手段として機能す
るようになされている。同じく、開放・保持装置39の
中央にも天井部41から吊下げられた油圧シリンダ45
が取り付けられてその上下動手段として機能するように
なされている。
【0016】ここで、電着ラック11は、3本一組(図
では省略して2本)の電極爪組51を所定間隔で多数取
り付けられたものである。また、電着ラック11には、
図2〜図5に示す様に、この電極爪組51の中心に当た
る位置に円孔53が設けられている。一方、開放・保持
装置39には、この円孔53の位置に対応してパイプ5
5が取り付けられている。そして、このパイプ55の下
端にはゴム製のバルン57が取り付けられている。この
バルン57は、図示しない油圧源からの油圧操作によっ
て膨張・収縮する。このバルン57の膨張・収縮動作と
電極爪組51の各電極爪のバネ性とによって、図4,図
5に示す様に、電着ラック11の電極爪組51が開放動
作と保持動作とを行うのである。
【0017】焼付けラック21には、図2,3,6に示
す様に、電着ラック11の電極爪組51と対応する個数
・間隔で、上述した受渡し装置9に装着されたときに開
放・保持装置39のバルン57の真下に位置する様に成
形体フック61が立設されている。そして、この成形体
フック61の列に沿って、シリコンゴム製のクッション
部材63が各2列ずつ取り付けられている。シリコンゴ
ムを用いたのは、耐熱材,緩衝材としての性質を兼ね備
えているからである。なお、成形体フック61は断面円
形の細い線材で先端を屈曲して構成され、全体にテフロ
ン(商標名)でコーティングされている。
【0018】次に、この受渡し装置9を中心とした電着
処理工程の手順を図7に従って説明する。まず、載置ラ
ック3を受渡し装置9の固定式ラックガイド33に装着
し、さらに電極爪組51を下に向けて電着ラック11を
移動式ラックガイド37に装着する(図示(A))。次
に、油圧シリンダ45を伸長させ、バルン57が電極爪
組51の略中央部に位置するように開放・保持装置39
を下降させる(図示(B))。所定位置へ下降したか否
かは図示しない制御装置が図示しないリミットスイッチ
にて監視している。
【0019】次に、油圧源から油圧を供給してバルン5
7を膨張させ、電着ラック11の電極爪組51を開放状
態にする(図示(C))。そして、今度は油圧シリンダ
45と共に油圧シリンダ43を互いに同期して伸長さ
せ、開放状態の電極爪組51が載置ラック3上の磁石成
形体1を保持可能な位置まで、電着ラック11及び開放
・保持装置39を下降させる(図示(D))。ここで
も、所定位置へ下降したか否かは図示しないリミットス
イッチを介して監視されている。
【0020】そして、下降が完了したら、作動油を排出
してバルン57を収縮させ、磁石成形体1を電極爪組5
1で保持する(図示(E))。この後、油圧シリンダ4
3,45を初期状態まで収縮させて磁石成形体1を保持
した電着ラック11を受渡し装置9から取り出し可能な
状態にする(図示(F))。
【0021】こうして磁石成形体1を保持した電着ラッ
ク11を受渡し装置9から取り出し可能な状態にした
ら、図1に示すロボットアーム13の指13aを挟み付
け方向に動作させて電着ラック11の端部を把持し、移
動式ラックガイド37から引き出す。そして、手首13
bを回転させて電着ラック11を垂直に吊下げた状態に
し、腕13cにて高さ位置を調整して電着ラック搬送路
15のフック15aに受け渡す。そしてこのフック15
aを電着ラック搬送路15に沿って電着処理槽17の上
まで移動し、そこで下降させて電着ラック11ごと磁石
成形体1を浸漬する。
【0022】こうして所定時間経過して電着処理が完了
すると、フック15aを上昇させて戻り経路に沿って移
動させ、ロボットアーム13にて、電着ラック11を受
渡し装置9の移動式ラックガイド37に再度セットす
る。ここからが焼付け処理工程である。
【0023】焼付け処理工程は、図8に示す様に、受渡
し装置9の固定式ラックガイド33に焼付けラック21
を装着し、移動式ラックガイド37に電極爪組51を下
に向けて電着ラック11を装着した状態から開始される
(図示(A))。この状態から、油圧シリンダ43及び
油圧シリンダ45を伸長させ、バルン57が電極爪組5
1の略中央部に位置し、かつ、電極爪組51に保持され
た磁石成形体1が焼付けラック21上所定高さになるま
で、電着ラック11及び開放・保持装置39を下降させ
る(図示(B))。ここでも、所定位置へ下降したか否
かは図示しないリミットスイッチを介して監視されてい
る。
【0024】そして、下降が完了したら、作動油を供給
してバルン57を膨張させ、電極爪組51に、磁石成形
体1を開放する動作を実行させる(図示(C))。従っ
て、磁石成形体1は、焼付けラック21のクッション部
材63の上へ落下して中空部に成形体フック61が挿通
された状態となる。
【0025】この後、バルン57の膨張状態を保ったま
まで油圧シリンダ43,45を初期状態まで収縮させ、
電着ラック11から焼付けラック21への磁石成形体1
の受渡しを完了する(図示(D))。こうして磁石成形
体1の受渡しが完了したら、図1に示すロボットアーム
13の指13aで焼付けラック21の端部を把持し、移
動式ラックガイド37から引き出す。そして、手首13
bを回転させて焼付けラック21を垂直に吊下げた状態
にし、腕13cにて高さ位置を調整して焼付けラック搬
送路23のスタンド23aに受け渡す。そしてこのスタ
ンド23aを焼付けラック搬送路23に沿って焼付け処
理炉19内に搬送し、焼付けラック21ごと磁石成形体
1を約150℃に加熱保持する。
【0026】以上の工程を経て、実施例のシステムにお
けるボンド磁石への防錆処理工程が完了する。この工程
において、特に焼付け処理の際には、図6(A),
(B)に示す様に、各磁石成形体1が成形体フック61
に吊下げられた状態となっており、自重(薄肉円筒ゆえ
小さい)以外の外力が作用していないから、焼付け処理
中に変形を生じることがない。また、同図(B)に示す
様に、磁石成形体1は、成形体フック61に対して2点
で接触するだけで、しかも成形体フック61は断面円形
の細い線材を用いて構成したから、接触面積も最小で済
む。従って、焼付け不良箇所なども発生することがな
い。さらに、電着ラック11から磁石成形体1を落下さ
せるに当り、焼付けラック21上にクッション部材63
を配設したから、落下時の衝撃によって、電着処理によ
り付着した塗料がはげ落ちるといったことや、成形体自
体に欠損を生じるといったことがない。加えて、成形体
フック61はテフロン(商標名)にてコーティングして
あるから、成形体フック61との摩擦によって磁石成形
体1自体及びその塗膜が傷つくといったこともない。
【0027】また、載置ラック3から電着ラック11
へ、電着ラック11から焼付けラック21へと、受渡し
装置9を用いて多数の磁石成形体1を自動的に受け渡す
ことができるから、人手を要さず、大量のボンド磁石を
製造するシステム中に採用するのに適している。さら
に、受渡し装置9の近傍にロボットアーム13を設置し
たから、受渡し装置9と各ラック搬送路7,15,23
との間のラックの受渡しを自動化でき、人手の介在を最
小限にとどめることができる点でも優れている。
【0028】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
は上述した実施例に限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲内で種々なる態様にて実現することが
できることはいうまでもない。例えば、ロボットアーム
13を使用せずに、人手によって受渡し装置9と各搬送
路7,15,23との間のラックの受渡しをする構成と
しても構わない。また、電着ラックとしては、電極爪組
が磁石成形体の内側から保持を行う構成のものや、内外
から保持する構成のものとすることもできる。
【0029】さらに、特願平2−117238号(特開
平4−16421号)でも開示した様に、バルンの代わ
りに、下端が狭くなった円錐台上の突起物を取り付けた
開放・保持装置を用いて、これを下降させることで電極
爪組の間隔を広げ、上昇させることで元に復帰させる構
成とすることもできる。また、クッション部材としては
焼付けラックの全面にシリコンゴムを貼着してもよい
し、耐熱・耐緩衝性を有する他の材料にて構成してもよ
い。
【0030】加えて、ボンド磁石に限らず、その他の種
類の円筒状磁石について適用しても構わない。
【0031】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の磁石成形体
の防錆処理方法によれば、磁石成形体には焼付け処理中
に締付力が作用せず、製品に変形が発生することがな
い。また、電着塗装によるから塗膜の厚さも一定であ
る。しかも、電着ラックから焼付けラックへの落下によ
って磁石成形体の受渡しをするから、工数・工程の増加
も招くことがない。この結果、形状精度が良好で防錆効
果も高い磁石を大量かつ安価に製造することができる。
【0032】また、本発明の磁石成形体の防錆処理装置
及び磁石成形体の受渡し装置によれば、上記有益なる本
発明方法を的確に実施することができる。そして、これ
らについて耐熱性のあるクッション部材を取り付けた請
求項3,7記載の発明によれば、落下の際に電着塗装膜
に傷がつくことがなく一層好適である。
【0033】また、請求項4記載の防錆処理装置によれ
ば、焼付け処理工程の自動化が可能であり、請求項5記
載の装置によれば、電着・焼付け処理工程全体を自動化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の防錆処理システムの全体構成を示す
模式図である。
【図2】 実施例で使用する受渡し装置を一部断面で表
した正面図である。
【図3】 実施例で使用する受渡し装置を一部省略及び
断面で表した側面図である。
【図4】 実施例で使用する電着ラック及び開放・保持
装置の構造及び作動を図5と共に示す断面図である。
【図5】 実施例で使用する電着ラック及び開放・保持
装置の構造及び作動を図4と共に示す断面図である。
【図6】 実施例で使用する焼付けラックの構造を示す
説明図である。
【図7】 実施例の防錆処理システムの電着処理工程を
示す模式図である。
【図8】 実施例の防錆処理システムの焼付け処理工程
を示す模式図である。
【図9】 従来の問題点を指摘する説明図である。
【符号の説明】
1・・・磁石成形体、3・・・載置ラック、5・・・載
置装置、7・・・載置ラック搬送路、9・・・受渡し装
置、11・・・電着ラック、13・・・ロボットアー
ム、15・・・電着ラック搬送路、15a・・・フッ
ク、17・・・電着処理槽、19・・・焼付け処理炉、
21・・・焼付けラック、23・・・焼付けラック搬送
路、23a・・・スタンド、31・・・ベース、33・
・・固定式ラックガイド、35・・・ガイドバー、37
・・・移動式ラックガイド、39・・・開放・保持装
置、41・・・天井部、43,45・・・油圧シリン
ダ、51・・・電極爪組、53・・・円孔、55・・・
パイプ、57・・・バルン、61・・・成形体フック、
63・・・クッション部材。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/08 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電着ラックに配設された電極爪に保持さ
    れた中空筒状の磁石成形体に防錆塗料の電着処理を施
    し、該電着処理のなされた磁石成形体に焼付け処理を施
    す磁石成形体の防錆処理方法において、 前記電着処理を施した後に前記電着ラックを電極爪を下
    にして保持し、該電極爪の下方に、電極爪に相対するフ
    ックを植設した焼付けラックを配設し、該電極爪に開放
    動作を行わせて磁石成形体を焼付けラック上に落下さ
    せ、該焼付けラックを立たせることにより磁石成形体を
    フックに吊り下げた状態として前記焼付け処理を施すこ
    とを特徴とする磁石成形体の防錆処理方法。
  2. 【請求項2】 中空筒状の磁石成形体を上面に載置する
    載置手段と、 前記磁石成形体を2以上の方向から保持する電極爪組を
    有する電着ラックと、 該電着ラックの電極爪組に磁石成形体を開放する動作を
    行わせる開放動作手段と、 該開放動作手段にて電極爪開放動作状態とされた電着ラ
    ックを、前記載置手段上に載置された磁石成形体を電極
    爪組で保持可能な位置へ移動させる移動手段と、 該磁石成形体を保持可能な位置において、前記電極爪組
    に保持動作を行わせる保持動作手段と、 該保持動作によって電極爪組に磁石成形体を保持させた
    電着ラックを浸漬して磁石成形体に防錆塗料の電着処理
    を施す電着処理槽と、 該電着処理の施された磁石成形体に焼付け処理を施す焼
    付け処理手段とを備える磁石成形体の防錆処理装置にお
    いて、 前記電着処理の施された磁石成形体を保持した電着ラッ
    クを、電極爪組を下にして配設する電着ラック配設手段
    と、 該電着ラック配設手段に配設された電着ラックの下方に
    配置され、前記電極爪組に保持された中空筒状の磁石成
    形体の略中心に位置するフックを突設した焼付けラック
    と、 該焼付けラックを配置した状態において、前記電着ラッ
    クの電極爪組に開放動作を行わせて磁石成形体を焼付け
    ラック上に落下させる落下手段とを備えることを特徴と
    する磁石成形体の防錆処理装置。
  3. 【請求項3】 前記焼付けラックの上面の少なくともフ
    ック突設位置近傍に、耐熱性のあるクッション部材を取
    り付けたことを特徴とする請求項2記載の磁石成形体の
    防錆処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載の磁石成形体
    の防錆処理装置において、 さらに、前記焼付けラックを水平状態から吊下げ状態に
    変えることで前記落下手段によって焼付けラック上に落
    下された磁石成形体を前記フックに吊り下げた状態とす
    る吊下げ手段と、 該吊下げ状態とした焼付けラックを前記焼付け処理手段
    に搬入する搬入手段とを備えることを特徴とする磁石成
    形体の防錆処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜請求項4のいずれか記載の磁
    石成形体の防錆処理装置において、 さらに、前記電着ラックを前記電着ラック配設手段と前
    記電着処理槽との間で搬送・受渡しをする電着ラック搬
    送・受渡手段をも備えることを特徴とする磁石成形体の
    防錆処理装置。
  6. 【請求項6】 中空筒状の磁石成形体を2以上の方向か
    ら保持する電極爪組を有する電着ラックと、 該電着ラックを前記電極爪を下にして配設する電着ラッ
    ク配設手段と、 該電着ラック配設手段に配設された電着ラックの下方に
    配置され、前記電極爪組に保持された中空筒状の磁石成
    形体の略中心に位置するフックを突設した焼付けラック
    と、 該焼付けラックを配置した状態において、前記電着ラッ
    クの電極爪組に開放動作を行わせて磁石成形体を焼付け
    ラック上に落下させる落下手段とを備える磁石成形体の
    受渡し装置。
  7. 【請求項7】 前記焼付けラックの上面の少なくともフ
    ック突設位置近傍に、耐熱性のあるクッション部材を取
    り付けたことを特徴とする請求項6記載の磁石成形体の
    受渡し装置。
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