JPH05278685A - 船外機 - Google Patents

船外機

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JPH05278685A
JPH05278685A JP4110814A JP11081492A JPH05278685A JP H05278685 A JPH05278685 A JP H05278685A JP 4110814 A JP4110814 A JP 4110814A JP 11081492 A JP11081492 A JP 11081492A JP H05278685 A JPH05278685 A JP H05278685A
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thrust
mount
vibration
rigid body
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Kazuyuki Shiomi
和之 塩見
Yasushi Fujita
藤田  泰
Tomoharu Muneda
智治 宗田
Kentaro Furuya
健太郎 古谷
Kazuomi Kiku
和臣 禧久
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
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    • F02B75/18Multi-cylinder engines
    • F02B75/22Multi-cylinder engines with cylinders in V, fan, or star arrangement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 船外機本体20の推力方向と略直交する方向
に設けた空間部99,101内の剛体部13,17と、
この剛体部13,17を包むように設けた弾性体12,
16とを備え、且つ剛体部13,17の両端と、船外機
取付手段1の支持部材6,8に設けた左右一対のアーム
部とを結合してなる横断型の防振手段11,15であっ
て、その弾性体12,16を、空間部99,101内の
推力方向と対向する面との接触面の面積が、推力の増加
に伴って非線形的に増加する形状に形成する。 【効果】 特に、推力の方向においては、推力がかかる
ときは硬く、推力を伝えることができ、それ以外では柔
らかく、振動を吸収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バーチカルクランク軸
のエンジンを搭載した船外機に関し、特に、その防振手
段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船外機は、エンジンと、その下方のバー
チカル軸を介しプロペラを有するプロペラ軸までの駆動
手段を内包するケース手段からなる船外機本体を、ブラ
ケット等の取付手段により、船尾等に取り付けること
で、船体に支持される。そして、プロペラの発生する推
力は、ケース手段等から取付手段を介して船体に伝達さ
れる。このような船外機において、より大きい推力を得
るため、エンジンを高出力化することの一手段として、
エンジン自体を大型化すれば、船外機の重量も重くな
り、船体に対する支持系並びに推力伝達系への考慮が必
要となる。また、船外機の発生する振動は、ケース手段
等と取付手段との間に介設する防振手段によって、船体
への伝達が減少させられるものであり、その防振手段と
して、マウントラバーのような弾性体が用いられる。そ
の場合、振動の吸収を考慮すれば、その弾性体は変形自
在である方が良く、よって柔らかく設定されるが、弾性
体には、前記のように船外機本体の重量及び推力がかか
るので、これらをも考慮すれば、推力の方向において
は、硬く、推力を伝え、それ以外の方向では、柔らか
く、振動を吸収することが望ましい。これに応えるよう
にした防振手段は、例えば、米国特許第3,599,5
94号明細書により公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記米
国特許第3,599,594号明細書に開示の防振手段
では、剛体とケースとの間の弾性体が一様のため、推力
のかかる方向における特性の変化が一様で、推力が大き
くかかり、硬い特性が望まれるときと、推力がさほどか
からず、柔らかい特性が望まれるときとの両立、或いは
過渡的範囲での任意の特性を十分得ることができなかっ
た。
【0004】そこで本発明の目的は、エンジンの高出力
化に対応でき、且つ振動の吸収にも好適な防振手段を備
え、特に、その弾性体が、推力の方向においても、最大
推力がかかるときは硬く、推力を伝え、それ以外では柔
らかく、振動を吸収することを可能とした船外機を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
本発明は、略垂直方向に向けたクランク軸及び略水平方
向に向けたシリンダを有するエンジン、このエンジンの
下方に配置されるバーチカル軸及び推進手段を収納する
ケース手段からなる船外機本体と、この船外機本体を支
持して船体に取り付ける船外機取付手段と、この船外機
取付手段と前記船外機本体との間に介設する防振手段と
を備える船外機であって、前記船外機本体に、前記推進
手段の推力方向と略直交する面を含む空間部を設けて、
前記防振手段を、前記空間部内に収容され、前記推力方
向と略直交する方向に延びる剛体部と、この剛体部を包
むように設けた弾性体とで構成し、前記船外機取付手段
を構成する支持部材に、前記剛体部の両端と結合する左
右一対のアーム部を設けるとともに、前記弾性体を、前
記空間部内の前記推力方向と対向する面との接触面の面
積が、前記推力の増加に伴って増加する形状に形成した
ことを特徴とする。以上において、前記剛体部の表面を
凹凸形状に形成したことも特徴とする。そして、前記弾
性体の前記接触面は、前記左右のアーム部の両外側にお
いて、前記推力が比較的小さい範囲で前記空間部内の前
記推力方向と対向する面に接触する部分と、前記左右の
アーム部の間において、前記推力の増加に伴って前記空
間部内の前記推力方向と対向する面に接触する部分とを
有することも特徴とする。
【0006】
【作用】船外機本体の推力方向と略直交する面を含む空
間部内の剛体部と、この剛体部を包むように設けた弾性
体とを備え、且つ剛体部の両端と、船外機取付手段の支
持部材に設けた左右一対のアーム部とを結合してなる横
断型の防振手段としたので、エンジンの高出力化に伴う
発生推力の増加に対し、弾性体の受圧面積を確保でき
る。また、ジャンプ時に発生する上下方向の衝撃荷重に
対し、十分なラバーフレーム剛性を確保できる。そし
て、弾性体を、空間部内の推力方向と対向する面との接
触面の面積が、推力の増加に伴って増加する形状に形成
したので、特に、推力の方向においては、推力がかかる
ときは硬く、推力を伝え、それ以外では柔らかく、振動
を吸収できる。
【0007】更に、剛体部の表面を凹凸形状に形成する
ことで、弾性体表面の凹凸形状に加え、剛体部表面の凹
凸形状によっても調整がしやすく、任意の特性が得られ
やすい。そして、弾性体の空間部内の推力方向と対向す
る面との接触面が、左右のアーム部の両外側において、
推力が比較的小さい範囲で接触する部分と、左右のアー
ム部の間において、推力の増加に伴って接触する部分と
を有することで、特に、マウントフレーム間の比較的広
い範囲を、推力が大きくなったときの接触面に適用する
ことができ、十分な推力の伝達が行なえる。
【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明を適用した船外機Aを示す図1及び図2に
おいて、1は船外機取付手段、20は船外機本体であ
る。船外機取付手段1は、船体Bの船尾に固定されるス
ターンブラケット2と、このスターンブラケット2に水
平方向の軸線を有するチルト軸3を介して揺動可能に支
持されたスイベルケース4と、このスイベルケース4に
回動可能に支持された略垂直方向の軸線を有するスイベ
ル軸5と、このスイベル軸5の上下に一体に設けられて
船外機本体20を支持する上下の支持部材6,8とから
構成されている。また、上側支持部材6には、前方へ延
びる操作用ハンドルまたはリモコン用ステアリングケー
ブルの取付部7が一体に設けられている。そして、上下
の支持部材6,8は、防振手段11,15を夫々介して
船外機本体20を支持するものである。
【0009】船外機本体20は、クランク軸22を略垂
直方向に向けて、片側バンク上下2本のシリンダ26,
26、計上下4本のシリンダを後方へ向け左右V型に拡
開して夫々備え、その左右のシリンダ軸線C,CのV型
拡開角度を90゜以内としたV型4気筒4ストロークエ
ンジン21を上部に配置して、その下方に、ケース手段
60を組み付けてなる。エンジン21において、23は
クランク軸22のジャーナル部、24は同クランクピ
ン、25は同クランクウェブ、27はピストン、28は
ピストンピン、29はコンロッド、31はクランクケー
ス、32はシリンダブロック、33はシリンダヘッド、
34はシリンダヘッドカバー、35はタイミングベルト
装置、36はカム軸、37はロッカーアーム、38は吸
気弁、39は排気弁である。以上のV型4気筒4ストロ
ークエンジン21は、エンジンカバー41にて覆われ、
このエンジンカバー41に設けた空気取入口42から、
サイレンサ43、気化器44、吸気マニホルド45を介
して、Vバンク内側に形成した左右2本ずつの吸気通路
46,46に吸気が行われるようになっており、47は
燃焼室、48はシリンダヘッド33のVバンク外側に形
成した排気通路、49はシリンダブロック32のVバン
ク外側に形成した排気通路である。
【0010】そして、エンジン21の下方において、そ
のクランクケース31及びシリンダブロック32の下面
にボルト結合して、マウントケース51が一体化して備
えられている。尚、52はスタータモータ、53はフラ
イホイール、54はリングギヤ、55はクランク軸22
下端部に設けたオイルポンプ、56はオイルフィルター
である。以上のV型4気筒4ストロークエンジン21の
下方に組み付けるケース手段60は、マウントケース5
1下面にボルト結合したエクステンションケース61
と、このエクステンションケース61の下面にボルト結
合したギヤケース71からなる。
【0011】エクステンションケース61は、クランク
軸22下端部に直結したバーチカル軸62を収納すると
ともに、シリンダブロック32のVバンク外側に夫々形
成した縦方向の排気通路49,49の下流に接続される
2本の排気管63,63と、マウントケース51下面に
ボルト結合したオイルパン64を収納する。64aはオ
イルパン64に設けた排気管支持ステイ、64bはオイ
ルドレンボルト、65はオイルパン64に一体形成した
アッパーマウント用蓋部、66はオイルストレーナ、6
7はオイル汲み上げ管、68はシリンダブロック32に
形成したオイル吸入路、69はクランクケース31に形
成したオイル吐出路である。ギヤケース71は、バーチ
カル軸62の下部、その下端部の駆動用ベベルギヤ7
2、推進手段であるプロペラ73を備えるプロペラ軸7
4、その端部の前進後退用の一対の従動用ベベルギヤ7
5,76、その間の前進後退切換用のドグクラッチ7
7、その偏心式のクラッチ操作機構78及び操作軸79
を収納する。操作軸79は、エクステンションケース6
1下部から外部に突出するとともに、スイベル軸5内を
貫通して、上方に突出し、エンジンルーム内の操作系に
直結されている。
【0012】エクステンションケース61内及びギヤケ
ース71内には、バーチカル軸62の後方で前後に仕切
る隔壁81,82が形成されており、この隔壁81,8
2の後方が排気室83となっている。船外機本体20下
部の水没状態において、排気室83内の排気は、プロペ
ラ73による推進状態では、ギヤケース71のプロペラ
軸ホルダ84との間の排気孔85を経て、プロペラ73
中央部内の排気口86から水中に排出される。また、エ
ンジン21のアイドリング状態における排気は、排気室
83上部からマウントケース51下面の排気通路87を
経て、エクステンションケース61上部の排気口88か
ら外気に排出される。
【0013】ギヤケース71内には、隔壁82前方でバ
ーチカル軸62下部周囲に、冷却水取入室91が形成さ
れ、その上方にウォーターポンプ92が設けられてお
り、その冷却水吐出口93は、ホース94を介してアッ
パーマウント用蓋部65の冷却水取入口95に接続され
ている。この冷却水取入口95は、図3及び図4に示す
ように、マウントケース51下面に形成した冷却水通路
96に連通し、その左右の通孔96a,96aを介して
上面側の冷却水通路97,97に連通している。この冷
却水通路97,97の外側には、上下方向に貫通する排
水口98,98が形成され、その隣には、排気通路8
9,89が形成されている。この排気通路89は、上方
をシリンダブロック32の排気通路49に接続して、下
方に排気管63を接続するものである。
【0014】そして、マウントケース51の中央部に
は、下面に開口する空間部であるアッパーマウント用凹
部99が形成されており、このアッパーマウント用凹部
99内に、上側支持部材6の防振手段11が収納されて
いる。即ち、上側防振手段11は、図5にも示すよう
に、左右方向に延びる剛体部である芯金13を埋設した
弾性体であるアッパーマウントラバー12を、下方から
アッパーマウント用凹部99内に収納して、上側支持部
材6左右の二股アーム部6a,6aと芯金13とをボル
トナット14,14により結合してなる。アッパーマウ
ントラバー12は、左右対称である。その後、凹部99
を、マウントケース51中央部下面にボルト結合したア
ッパーマウント用蓋部65により閉じる。アッパーマウ
ント用蓋部65には、必要に応じ、防振ラバー11まで
の延出脚部を備える。
【0015】以上の上側防振手段11において、詳細に
は、アッパーマウントラバー12は、アッパーマウント
用凹部99内で、特に、プロペラ73による推力方向と
対向する前後面と夫々接触する前側接触面210及び後
側接触面220の面積が、推力の増加に伴って、ともに
増加する凹凸形状となっている。ラバーの特性は非線形
となる。即ち、図7に示す通り、前側接触面210は、
前進時の推力が比較的小さい範囲で接触する四隅の凸部
211…と、その間の上下の凸部212,212と、前
進推力の増加に伴って接触する平面部215と、その中
央の横長小凹部216とからなる。また、後側接触面2
20は、後進時の推力が比較的小さい範囲で接触する四
隅の凸部221…と、その間の上下の凸部222,22
2と、その間の中央の凸部223と、後進推力の増加に
伴って接触する平面部225とからなる。
【0016】更に、アッパーマウントラバー12は、上
面に前後方向へ延びる左右一対の凹部231,231を
有し、下面にも前後方向へ延びる左右一対の凹部23
3,233を有するとともに、両側面にも前後方向へ延
びる凹部235,235を有している。そして、芯金1
3は、左右のボス部241,241及びその間の連結部
246を一体に形成してなり、ボス部241は前方への
雌ねじ部242を有しており、243は前記アーム部6
aとの結合面である。この芯金13は、ボス部241,
241間の前フランジ244と同様に、且つその周囲の
後フランジ245を有するとともに、連結部246は、
ボス部241,241間の水平板部247と、その前側
の上下突条部248,248と、後端部の垂直板部24
9とを有する断面形状となっている。
【0017】また、エクステンションケース61の下方
寄り部には、左右両側面に開口する空間部であるロアー
マウント用貫通口101が形成されており、このロアー
マウント用貫通口101内に、下側支持部材8の防振手
段15が収納されている。即ち、下側防振手段15は、
図6にも示すように、左右方向に延びる剛体部である芯
金17を埋設した弾性体であるロアーマウントラバー1
6を、一側方からロアーマウント用貫通口101内に挿
入して、下側支持部材8左右の二股アーム部8a,8a
と芯金17とを、結合部材であるカラー18,18を介
設してボルトナット19,19により結合してなる。そ
の後、貫通口101を、エクステンションケース61の
左右両側面にボルト結合した蓋部材102,102によ
り閉じる。103は、貫通口101の開口前方部に、蓋
部材102と略面一になるよう形成したエクステンショ
ンケースと一体の補強部である。
【0018】以上の下側防振手段15も、ロアーマウン
トラバー16は、ロアーマウント用貫通口101内で、
プロペラ73による推力方向と対向する前後面と夫々接
触する前側接触面250及び後側接触面260の面積
が、推力の増加に伴って、ともに増加する凹凸形状とな
っている。即ち、図8に示す通り、前側接触面250
は、後進時の推力が比較的小さい範囲で接触する四隅の
凸部251…と、その間の上下の大凸部252,252
と、後進推力の増加に伴って接触する平面部255とか
らなる。また、後側接触面260は、前進時の推力が比
較的小さい範囲で接触する四隅の凸部261…と、その
間の上下の大凸部262,262と、前進推力の増加に
伴って接触する平面部265とからなる。
【0019】更に、ロアーマウントラバー16は、上面
に、前後方向へ延びる左右一対の凹部271,271、
その間の平面部272及び両外側の凸部273,273
を有し、下面にも、前後方向へ延びる左右一対の凹部2
75,275、その間の平面部276及び両外側の凸部
277,277を有するとともに、両側面には、前後方
向へ延びる凹部279,279を有している。そして、
芯金17は、左右のボス部281,281及びその間の
連結部286を一体に形成してなり、ボス部281は前
方へのボルト通し孔282を有しており、283は前記
カラー18との結合面、284はナット締め付け面であ
る。この芯金17は、ボス部281の周囲中央に太径部
285を有するとともに、連結部286は、水平板部2
87と、その中央の垂直板部288とを有する断面略十
字形状となっている。
【0020】更に、マウントケース51には、図1、図
3及び図4に示すように、冷却水通路96を挟んでアッ
パーマウント用凹部99と反対側の後方に、主オイル戻
し口111が形成されるとともに、上面に開口する凹状
壁面112及び下面に開口する凹状壁面113が形成さ
れている。そして、アッパーマウント用凹部99の左右
には、副オイル戻し通路114,114が下面に開口
し、アッパーマウント用蓋部65によって閉じられる断
熱空間51aを間に挟んで形成されている。尚、図3
中、115はクランクケース31との結合面、116は
シリンダブロック32との結合面である。また、図4
中、117はオイルパン64及びアッパーマウント用蓋
部65との結合面、118はエクステンションケース6
1との結合面である。
【0021】次に、エンジン21のオイル循環経路につ
いて説明する。先ず、クランク軸22下端部に設けたオ
イルポンプ55により、オイルパン64内のオイルが、
ストレーナ66、汲み上げ管67、吸入路68を経て汲
み上げられ、オイルフィルターの後、吐出路69に吐出
されたオイルは、クランクケース31に形成したオイル
通路121を通り、シリンダブロック32に形成したオ
イル通路122、シリンダヘッド33に形成したオイル
通路123等を通って、必要潤滑部に供給される。そし
て、潤滑に供されたクランクケース31内のオイルは、
マウントケース51上面に開口する凹状壁面112に落
ちてから、主オイル戻し口111及び副オイル戻し通路
114,114に流れ込み、また、シリンダヘッド33
のカム室からのオイルは、主オイル戻し口111の左右
に直接落下(図3の仮想線124,124参照)する。
尚、副オイル戻し通路114,114は、船外機のチル
トアップ時におけるオイル戻しとして有効である。
【0022】次に、エンジン21の冷却水循環経路につ
いて説明する。先ず、バーチカル軸62下部に設けたウ
ォーターポンプ92により、水路の水が、ギヤケース7
1内の冷却水取入室91、冷却水吐出口93、ホース9
4を通って、アッパーマウント用蓋部65の冷却水取入
口95から、マウントケース51下面の冷却水通路96
に送られ、その左右の通孔96a,96aを介して上面
側の冷却水通路97,97に送られる。シリンダブロッ
ク32のVバンク外側の両排気通路49,49の側部に
は、対面して開口し、連通する冷却水通路131,13
1を形成し、従って冷却水は、両排気通路49,49か
ら冷却水通路131,131を通り、各シリンダ26…
周囲に形成した冷却水通路132…、シリンダヘッド3
3の各排気通路48…周囲に形成した冷却水通路133
…及び各燃焼室47…周りに形成した冷却水通路134
…へと流れる。
【0023】こうして、冷却に供された温水は、シリン
ダブロック31のVバンク外側の両冷却水通路131,
131に並べて形成した排水通路135,135を通っ
て、マウントケース51の排水口98,98から、多孔
パッキンPの孔を通してエクステンションケース61の
内外へ排出される。尚、図2中、136は、冷却水通路
排水通路135の間に設けたサーモスタットである。ま
た、エクステンションケース61内の排気室83上部と
排気口88との間に形成したマウントケース51下面の
排気通路87は、図4に示すように、オイルパン64と
の結合面117周りの室87aと、その後方の仕切壁8
7bに形成した通孔87c…を介して連通する室87d
とに区画されており、この排気通路87とエクステンシ
ョンケース61との間には、多孔パッキンが介装されて
いる。
【0024】以上の構成による船外機によれば、上下の
マウントポイント間に、前進・後進時の推力発生状態で
の揺動ポイントを有することから、前進時において、ア
ッパーマウントラバー12の前側接触面210が、アッ
パーマウント用凹部99内の前面に干渉し、ロアーマウ
ントラバー16の後側接触面250が、ロアーマウント
用貫通口101内の前面に干渉する。即ち、アッパーマ
ウント用凹部99内の前面に対し、アッパーマウントラ
バー12の前側接触面210は、前進時の推力が比較的
小さい範囲では、左右のアーム部6a,6aの両外側
(図7の結合面243,243参照)に設けた四隅の凸
部211…及びその間の上下の凸部212,212が圧
縮変形し、前進推力の増加に伴って、アーム部6a,6
a間の平面部215が圧接され、ストッパーとして機能
する。同様にして、ロアーマウント用貫通口101内の
後面に対し、ロアーマウントラバー16の後側接触面2
50は、前進時の推力が比較的小さい範囲では、左右の
アーム部8a,8aの両外側(図8の結合面283,2
83参照)に設けた四隅の凸部251…が圧縮変形して
から、続いて、その間の上下の大凸部252,252が
圧縮変形し、前進推力の増加に伴って、アーム部8a,
8a間の平面部255が圧接され、ストッパーとして機
能する。
【0025】また、後進時においては、アッパーマウン
トラバー12の後側接触面220が、アッパーマウント
用凹部99内の後面に干渉し、ロアーマウントラバー1
6の後側接触面260が、ロアーマウント用貫通口10
1内の後面に干渉する。即ち、アッパーマウント用凹部
99内の後面に対し、アッパーマウントラバー12の後
側接触面220は、後進時の推力が比較的小さい範囲で
は、アーム部6a,6a両外側に設けた四隅の凸部22
1…及びその間の凸部222,222,223が圧縮変
形してから、後進推力の増加に伴って、アーム部6a,
6a間に設けた平面部225が圧接する。同様にして、
ロアーマウント用貫通口101内の後面に対し、ロアー
マウントラバー16の後側接触面260は、後進時の推
力が比較的小さい範囲では、左右のアーム部8a,8a
の両外側(図8の結合面284,284参照)に設けた
四隅の凸部261…が圧縮変形してから、続いて、その
間の上下の大凸部262,262が圧縮変形し、後進推
力の増加に伴って、アーム部8a,8a間の平面部26
5が圧接する。
【0026】以上の通り、アッパーマウントラバー12
及びロアーマウントラバー16ともに、各々のマウント
用凹部99内またはマウント用貫通口101内の推力方
向と対向する面との接触面210,220,250,2
60の面積が、推力の増加に伴って増加するので、特
に、前後進ともにその推力の方向においては、推力がか
かるときは、平面部215,225,255,265ま
での圧接により硬く、推力を伝えることができ、それ以
外では、凸部211,212,221,222,22
3,251,252,261,262…の圧縮変形によ
り柔らかく、振動を吸収することができるものとなって
いる。また、上側防振手段11について、支持部材6左
右のアーム部6a,6aと、アッパーマウントラバー1
2の芯金13とにより、閉ループを構成するとともに、
下側防振手段15についても、支持部材8左右のアーム
部8a,8aと、ロアーマウントラバー16の芯金17
と、その間を結合する2つのカラー18,18とによ
り、閉ループを構成しているので、ジャンプ時に発生す
る上下方向の衝撃荷重に対して、十分なラバーフレーム
剛性を備えたものとなっている。
【0027】ところで、エクステンションケース61の
ロアーマウント部に関しては、その左右両側面に開口す
るロアーマウント用貫通口101を形成して、この貫通
口101内に、左右方向に延びる芯金17をロアーマウ
ントラバー16に埋設してなる防振手段15を横断させ
るようにしたので、ロアーマウントラバー16を大型化
させても、断面2次モーメントを大幅に増加することが
でき、十分な剛性が得られる。しかも、エクステンショ
ンケース61には、ロアーマウントラバー16の芯金1
7と支持部材8とを結合する左右のカラー18,18を
収容する空間部の両側方に補強部103,103を一体
成形したため、結合部材の周辺が側方に突出しなくて済
むとともに、十分な剛性が得られて、断面2次モーメン
トを大幅に増加することができる。また、芯金17を埋
設してなるロアーマウントラバー16を外側方から装着
させるため、ロアーマウント部の組付作業性を大きく損
うことが無い。
【0028】ところで、実施例においては、各部の詳細
構造にまで及んで説明したが、具体的な細部構造等につ
いては、適宜に変更可能であることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明の船外機によれば、
船外機本体の推力方向と略直交する方向面を含む空間部
内の剛体部と、この剛体部を包むように設けた弾性体と
を備え、且つ剛体部の両端と、船外機取付手段の支持部
材に設けた左右一対のアーム部とを結合してなる横断型
の防振手段としたため、エンジンの高出力化に伴う発生
推力の増加に対し、弾性体の受圧面積を確保することが
できるとともに、ジャンプ時に発生する上下方向の衝撃
荷重に対し、十分なラバーフレーム剛性を確保すること
ができる。そして、弾性体を、空間部内の推力方向と対
向する面との接触面の面積が、推力の増加に伴って増加
する形状に形成したため、特に、推力の方向において
は、推力がかかるときは硬く、推力を伝えることがで
き、それ以外では柔らかく、振動を吸収することができ
る。
【0030】更に、剛体部の表面を凹凸形状に形成する
ことにより、弾性体表面の凹凸形状に加え、剛体部表面
の凹凸形状によっても調整がしやすく、任意の特性が得
られやすいものとなる。そして、弾性体の空間部内の推
力方向と対向する面との接触面が、左右のアーム部の両
外側において、推力が比較的小さい範囲で接触する部分
と、左右のアーム部の間において、推力の増加に伴って
接触する部分とを有することにより、特に、マウントフ
レーム間の比較的広い範囲を、推力が大きくなったとき
の接触面に適用することができ、十分な推力の伝達が行
なえるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した船外機を示す縦断側面図
【図2】そのエンジン部分の横断面図
【図3】マウントケース部分の平面図
【図4】同マウントケース部分の底面図
【図5】アッパーマウント部分の一部破断平面図
【図6】ロアーマウント部分の横断面図
【図7】アッパーマウントの詳細を示す正面図、破断平
面図、背面図、側面図、中央縦断面図及び部分断面図
【図8】ロアーマウントの詳細を示す背面図、破断平面
図、正面図、側面図、中央縦断面図及び部分断面図
【符号の説明】
1…船外機取付手段、6,8…支持部材、6a,8a…
アーム部、11,15…防振手段、12,16…弾性
体、13,17…剛体部、20…船外機本体、21…エ
ンジン、22…クランク軸、26…シリンダ、51…マ
ウントケース、60…ケース手段、61…エクステンシ
ョンケース、62…バーチカル軸、71…ギヤケース、
73…推進手段、99…アッパーマウント用空間部、1
01…ロアーマウント用空間部、210,220,25
0,260…接触面、B…船体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明を適用した船外機Aを示す中心断面
図、図2はそのエンジン部分の横断面図、図9は本発明
に係る船外機の外形図、そして図10はその防振手段の
説明図である。図9において、20は船外機本体であ
り、船外機取付手段1にて船体Bの船尾に取付けられて
いる。そして、図1及び図2において、船外機取付手段
1は、前記船体Bの船尾に固定されるスターンブラケッ
ト2と、このスターンブラケット2に水平方向の軸線を
有するチルト軸3を介して揺動可能に支持されたスイベ
ルケース4と、このスイベルケース4に回動可能に支持
された略垂直方向の軸線を有するスイベル軸5と、この
スイベル軸5の上下に一体に設けられて船外機本体20
を支持する上下の支持部材6,8とから構成されてい
る。また、上側支持部材6には、前方へ延びる操作用ハ
ンドルまたはリモコン用ステアリングケーブルの取付部
7が一体に設けられている。図10に示すとおり、上下
の支持部材6,8は、防振手段(防振ラバー)11,1
5を夫々介して船外機本体20を支持するものである。
図1,2に戻って説明を続ける。なお、防振手段に1
1,15については図10を参照すること。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】次に、エンジン21のオイル循環経路につ
いて説明する。先ず、クランク軸22下端部に設けたオ
イルポンプ55により、オイルパン64内のオイルが、
ストレーナ66、汲み上げ管67、吸入路68を経て汲
み上げられ、オイルフィルターの後、吐出路69に吐出
されたオイルは、クランクケース31に形成したオイル
通路121を通り、シリンダブロック32に形成したオ
イル通路122、シリンダヘッド33に形成したオイル
通路123等を通って、必要潤滑部に供給される。そし
て、潤滑に供されたクランクケース31内のオイル及び
シリンダヘッドからのオイルはマウントケース51上面
に流れ落ち、主オイル戻し口111及び副オイル戻し通
路114,114に流れ込む。尚、副オイル戻し通路1
14,114は、船外機のチルトアップ時におけるオイ
ル戻しとして有効である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明に係る船外機の中心断側面図
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図9
【補正方法】追加
【補正内容】
【図9】本発明に係る船外機の外形図
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】追加
【補正内容】
【図10】本発明に係る船外機の防振手段の説明図
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】追加
【補正内容】
【図9】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】追加
【補正内容】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 健太郎 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 禧久 和臣 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略垂直方向に向けたクランク軸及び略水
    平方向に向けたシリンダを有するエンジン、このエンジ
    ンの下方に配置されるバーチカル軸及び推進手段を収納
    するケース手段からなる船外機本体と、この船外機本体
    を支持して船体に取り付ける船外機取付手段と、この船
    外機取付手段と前記船外機本体との間に介設する防振手
    段とを備える船外機であって、前記船外機本体に、前記
    推進手段の推力方向と略直交する面を含む空間部を設け
    て、前記防振手段を、前記空間部内に収容され、前記推
    力方向と略直交する方向に延びる剛体部と、この剛体部
    を包むように設けた弾性体とで構成し、前記船外機取付
    手段を構成する支持部材に、前記剛体部の両端と結合す
    る左右一対のアーム部を設けるとともに、前記弾性体
    を、前記空間部内の前記推力方向と対向する面との接触
    面の面積が、前記推力の増加に伴って増加する形状に形
    成したことを特徴とする船外機。
  2. 【請求項2】 前記剛体部の表面を凹凸形状に形成した
    ことを特徴とする請求項1記載の船外機。
  3. 【請求項3】 前記弾性体の前記接触面は、前記左右の
    アーム部の両外側において、前記推力が比較的小さい範
    囲で前記空間部内の前記推力方向と対向する面に接触す
    る部分と、前記左右のアーム部の間において、前記推力
    の増加に伴って前記空間部内の前記推力方向と対向する
    面に接触する部分とを有することを特徴とする請求項1
    または2記載の船外機。
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