JPH0527623Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、軽量気泡コンクリート等のコンク
リートパネルを用いた外壁構造において、この外
壁のコーナー部に取付けられるコーナー部材の取
付け構造に関するものである。

従来の技術 従来、工場で生産した外壁パネルを現場に搬入
して骨組へ固定する場合、外壁のコーナー部にお
いては互いに直角方向の外壁パネルを相互に接合
して構成しており、コーナー部材は用いられてい
ない。

考案が解決しようとする問題点 一般に、オートクレーブ養生したいわゆる
ALC板は、軽量でしかも耐火性に秀れていると
いう利点があるが、その半面、欠け易いという欠
点を有している。そのため、このようなALC板
からなる外壁パネルを上記の如くコーナー部で互
いに接合するものでは、該コーナー部分が欠け易
くなる。

そこで、この考案は、このコーナー部分に、コ
ンクリート製コーナー部材を用いることとすると
ともに、このようなコーナー部材を簡単でしかも
能率よく取付けることのできる構造を提供するこ
とを目的としてなされたものである。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するため、この考案では、コン
クリート板からなる外壁パネル端面とこれと直角
な方向の他のコンクリート板からなる外壁パネル
端面との間に形成された出隅部のコーナー空間部
において、板状本体部の両端を同じ方向に斜めに
折曲げて固定片を形成した支持金具を、各固定片
を前記外壁パネルの端面に固定してそれら両外壁
パネル端面間に跨つて取付ける一方、この支持金
具の本体部に形成され且つその上端が解放された
凹部に取付ボルトを挿入して、その取付ボルトの
先端を、前記空間部を埋めるコンクリート製コー
ナー部材のボルト穴へ貫通させてそのコーナー部
材を支持するとともに、このコーナー部材の外側
面を前記外壁パネルの外側面に連続するような円
周部としたことを特徴とする。

実施例 以下、この考案の構成を図示の実施例に基づい
て説明すると、第１図は、この種ALCパネルを
用いた建築物の一例を示したものであり、これら
のALCパネルを用いて構成される外壁１におい
て、建物本屋部２やバルコニー３の各コーナー部
に、ALC材よりも欠けの少ないプレキヤストコ
ンクリートのコーナー部材４を用いるものであ
る。

第２図が、上記コーナー部材４の取付け構造を
示している。図において、５，６は、ALC材に
よつて形成され、かつ、互いに直角方向に配置さ
れたコーナー部の外壁パネルであり、これらの外
壁パネル５，６は、その両端部が互いに隣接され
ないで、その端面５ａ，５ｂ間に空間部７を残し
ている。

８は、第４図の如く帯板状の金属板からなり、
かつ、本体部９の両端を同じ側面側の斜め方向に
折り曲げて固定片１０，１０とした支持金具を示
している。固定片１０，１０には、各々取付け穴
１１，１１が形成され、他方、本体部９には、上
端から一定深さに亘つて切欠凹部１２が形成され
ている。そして、固定片１０，１０は、前記各取
付け穴１１，１１に差し込んだ固定用アンカー１
３，１３によつて、各外壁パネル５，６の端面５
ａ，５ｂに固定し、これによつて、両外壁パネル
５，６の端面５ａ，５ｂ間に橋渡し状に取付け
る。この固定用アンカー１３は従来公知のもので
あつて、その先端部外周に固定鋲１４を有してお
り、外壁パネル端面５ａ，５ｂへ差し込んで円周
方向に回転させると、該鋲１４が外壁パネル５，
６内に食い込んで固定保持するようになつてい
る。

コーナー部材４は、前述したように、軽量気泡
コンクリートよりも欠けの少ない普通コンクリー
ト等のプレキヤストコンクリート製であつて、第
３図でも示すように、その断面が前記空間部７に
適合するよう、一対の平面部１５，１５と円周部
１６とからなる扇形に形成されている。そして、
各平面部１５，１５が交わる側の端部には、その
上下方向の適宜間隔をおいて凹欠部１７が形成さ
れて、この凹欠部１７の底部１７ａが平面状に形
成してある。１８は、この凹欠部底部１７ａから
円周部１６に向けて穿設したボルト穴である。

上記のように形成されたコーナー部材４は、円
周部１６が外側に位置するようにして前記空間部
７内へ配置されるが、その際、前記凹欠部底部１
７ａと支持金具本体部９との間に、硬質発砲フオ
ーム材等からなるスペーサ１９を介装する。２０
は、コーナー部材４を固定するためのボルトであ
つて、このボルト２０は、その頭部２１側が前記
支持金具８の切欠凹部１２内へ落とし込まれ、更
に、他方の端部を、スペーサ１９を貫通してコー
ナー部材４の前記ボルト穴１８に挿入し、外側よ
りナツト２２を螺合してこのコーナー部材４を締
付け固定するものである。なお、このナツト２２
の締付け部分においては、前記ボルト穴１８の周
りに凹部２３が形成されている。

２４は、コーナー部材４の前記平面部１５，１
５と外壁パネル端面５ａ，６ａとの間に介装した
隙間充填材であり、この充填材２４は、例えばス
ポンジ等の柔軟な材料によつて形成されて両者間
の隙間誤差を吸収するとともに、地震の際には、
外壁パネル５，５とコーナー部材４との間に振動
差を生じた場合でも、これを吸収して破損を生ず
るのを防ぐことができる。更に、この充填材２４
の外側には、シール用のコーキング材２５が詰め
込まれる。

考案の効果 以上の如く、この考案によれば、コンクリート
板からなる外壁パネル間のコーナー部の空間にコ
ンクリート製のコーナー部材を取付け、かつ、こ
のコーナー部材の外側面を外壁パネルの外側面に
連続するような半円形状としているから、コーナ
ー部分に尖つたエツジを生ずることがなく、欠け
易いALC板の外壁パネルを用いた場合でも、比
較的掛けの少ない構造を得ることが出来るという
効果がある。更に、本考案では、支持金具の両端
を斜めに折曲げて固定片を形成し、この固定片を
外壁パネルの端面に固定しているから、それら固
定片間の本体部がボルトの差し込み方向と直角に
配置されることとなつて、ボルトの頭部又はナツ
トの座面が平面部に確実に当接し、ボルトの締め
付けが容易で且つ確実に締め付けることが出来
る。更に、ボルトを差し込む支持金具の切欠凹部
は上端が解放された形状となつているので、ボル
トを上方から落とし込むのみで簡単に取付けるこ
とが出来、例えば、予めコーナー部材のボルト穴
に差し込んで取り付けた状態で、上から落とし込
むことが出来るなど、取付作業が容易に行えると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示すコーナー部材の横
断面図、第２図はコーナー部材の要部斜視図、第
３図は支持金具の斜視図、第４図はコーナー部材
を取付けた建築物の斜視図である。 ４……コーナー部材、５，６……外壁パネル、
５ａ，６ａ……端面、７……空間部、８……支持
金具、１０……固定片、１２……切欠凹部、１６
……円周部、２０……支持ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート板からなる外壁パネル端面とこれ
   と直角な方向の他のコンクリート板からなる外壁
   パネル端面との間に形成された出隅部のコーナー
   空間部において、板状本体部の両端を同じ方向に
   斜めに折曲げて固定片を形成した支持金具を、各
   固定片を前記外壁パネルの端面に固定してそれら
   両外壁パネル端面間に跨つて取付ける一方、この
   支持金具の本体部に形成され且つその上端が解放
   された切欠凹部に取付ボルトを挿入して、その取
   付ボルトの先端を、前記空間部を埋めるコンクリ
   ート製コーナー部材のボルト穴へ貫通させてその
   コーナー部材を支持するとともに、このコーナー
   部材の外側面を前記外壁パネルの外側面に連続す
   るような円周部としたことを特徴とする外壁コー
   ナー部材の取付け構造。