JPH05275834A - 金属パターンの形成方法 - Google Patents

金属パターンの形成方法

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JPH05275834A
JPH05275834A JP6895892A JP6895892A JPH05275834A JP H05275834 A JPH05275834 A JP H05275834A JP 6895892 A JP6895892 A JP 6895892A JP 6895892 A JP6895892 A JP 6895892A JP H05275834 A JPH05275834 A JP H05275834A
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pattern
master
metal foil
metal
original plate
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JP6895892A
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English (en)
Inventor
Seisaburo Shimizu
征三郎 清水
Akira Yoshizumi
章 善積
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷配線板の回路パターン等を廃液を発生す
ることなく簡単な工程により形成し得る方法を提供す
る。 【構成】 使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを
有すると共に前記金属箔と接する平坦面または凸状曲面
とこの面とは異なる側面とからなる凸状パターンが網状
基材上に形成されてなる原盤を用意し、前記原盤の凸状
パターン上に金属箔を密着させ前記原盤の網状基材側か
ら吸引減圧すると同時に、前記原盤を金属箔を介して所
定の部材に加圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属パターンの形成方法
に関し、特に詳しくは印刷配線板の回路パターンとなる
金属パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より印刷配線板の製造方法として
は、サブトラクト法が知られている。かかるサブトラク
ト法によるスルホール印刷配線板の製造方法を以下に説
明する。まず、銅張積層板に孔開け加工を施した後、前
記孔内を含む銅張積層板全面に無電解銅めっき及び必要
に応じて電気銅めっきを施して孔内壁面に銅めっき膜を
付着させてスルホールを形成する。つづいて、前記スル
ホールを保護するための充填材を該スルホールを含む周
辺に充填した後、写真蝕刻法又はテンティング法により
レジストパターンを前記銅めっき膜上に形成する。次い
で、前記レジストパターンをマスクとして露出する銅め
っき膜及び銅箔をエッチング除去して回路パターンを形
成することにより印刷配線板を製造する。
【0003】しかしながら、上述したサブトラクト法で
は多くの工程を要するため、操作が煩雑となる。しか
も、エッチングに際し、銅が溶解された多量の廃液が発
生するため、廃水処理等の公害対策が必要となり、ラン
ニングコストの高騰要因となる。更に、エッチング時に
アンダーカットやサイドエッチングが生じ、微細な線幅
の回路パターンを形成することは困難である。
【0004】このようなことから、銅張積層板を使用し
ないアディティブ法が開発されている。このアディティ
ブ法は、まず、積層板に孔開け加工を施した後、全面を
触媒処理する。つづいて、形成すべき回路パターンと逆
パターンのめっきレジストパターンを形成した後、無電
解銅めっきを行なって前記レジストパターンから露出し
た孔内壁面及び積層板表面に無電解銅めっき膜を付着さ
せてスルホール及び回路パターンを形成する。この後、
めっきレジストパターンの除去、触媒層の除去を行なう
ことにより印刷配線板を製造する。しかしながら、かか
るアディティブ法では銅めっき膜と積層板との密着性を
向上するために特殊なめっき液が必要となる。しかも、
積層板の必要な部分以外にも銅が析出する傾向があり、
微細な回路パターンを形成することが困難となる。さら
に、前記方法でもサブトラクト法と同様、廃液処理の問
題がある。
【0005】これに対し、廃液などの発生のない印刷配
線板の製造方法として、従来のダイスタンプ法(特開昭
51−126277号)が知られている。この方法は、
形成すべき回路パターンと同様な形状の凸状パターンの
外周に刃を突出させた金型を用い、絶縁基材の表面に接
着剤付き金属箔を重ね、前記金型を加熱または常温で加
圧することにより回路パターン状に接着剤付き金属箔を
切断すると同時にその周縁を絶縁基材に押入、接着する
ものである。しかしながら、前記方法では金型の回路パ
ターンの周縁に切断用刃を回路表面に対して垂直に作製
するため、微細な回路パターンを形成することが困難と
なる。また、切断用刃が使用時に摩耗すると切断回路幅
が不均一となり、さらに使用すると切断できなくなり、
非回路部の接着が起こる。しかも、このような形状であ
るため切断できなくなった刃を研ぐことが非常に難し
く、作製する数量が非常に少ないという問題がある。
【0006】また、絶縁基板として樹脂フィルムを用い
ると前記金型の刃による打ち抜きに際して樹脂フィルム
表面に切り込み部が生じるため、絶縁不良を発生する恐
れがある。更に、幅の広い回路パターンを形成する場合
には、前記金型の刃が銅箔に最初に当たるため、銅箔と
絶縁基板の間に空気溜まりが発生し易くなる。その結
果、前記金型の凸状パターンを打ち抜きされた銅箔部分
に押圧しても前記空気が抜けず、絶縁基板に回路パター
ンを高い密着力で形成できないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のサブトラクト法,アディティブ法により印刷配線板の
回路パターンを形成した場合、銅が溶解された多量の廃
液が発生するため、廃水処理が必要となるという問題が
あった。また従来のダイスタンプ法では、このような廃
液の発生はないものの、微細な回路パターンを形成する
ことが困難であった。
【0008】本発明はこのような問題に鑑みて、印刷配
線板の回路パターン等を廃液を発生することなく簡単な
工程により形成し得る金属パターンの形成方法を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の金属パ
ターンの形成方法は、使用される金属箔と接する平坦面
または凸状曲面とこの面とは異なる側面とからなる凸状
パターンが網状基材上に形成されてなる原盤を用意し、
前記原盤の凸状パターン上に金属箔を密着させ前記原盤
の網状基材側から吸引減圧すると同時に、前記原盤が金
属箔を介して所定の部材に加圧される工程を具備してな
るものであり、網状基材上に凸状パターンが形成されて
なる原盤を用いたことを特徴としている。
【0010】本発明において、前記原盤は可撓性を有す
るものであることが好ましく、この場合原盤を環状に形
成し、例えば搬送ロールにより原盤を間欠的に供給す
る。また前記原盤を作成するには、まず例えば太さが1
0〜100μmのステンレス線を織って形成したステン
レスメッシュからなる網状基材の一方の面にニッケルめ
っきを施し、厚さ50〜250μmのステンレスメッシ
ュ付きニッケル箔を用意する。次いで、このステンレス
メッシュ付きニッケル箔のニッケル箔側の表面に、形成
すべき凸状パターンと逆パターンであるレジストパター
ンを形成し、このレジストパターンをマスクとして前記
ステンレスメッシュ付きニッケル箔のニッケル箔部分を
エッチングすることにより、ステンレスメッシュ上にお
いてニッケル箔からなる凸状パターンが残存し、本発明
で用いられる原盤を作成することができる。
【0011】前記原盤に形成された凸状パターンの高さ
は、次のような理由により前記金属箔の厚さの1倍以上
に設定されることが好ましい。即ち、凸部の高さを前記
金属箔の厚さの1倍未満にすると、前記原盤を金属箔を
介して所定の部材に加圧した場合、前記凸状パターンに
より前記金属箔が変形するのみならず、凸状パターンの
金属箔と接する面と側面との間の角の部分での応力集中
により前記金属箔が切断されるか、或いは切断され易い
状態となり難く、不要な金属箔を除去して金属パターン
を形成することが困難となるからである。また、前記凸
状パターンの高さの上限は、前記金属箔の厚さの20倍
とすることが望ましい。その理由は、前記凸部の高さが
金属箔の厚さの20倍を越えると凸状パターンを形成す
る際のサイドエッチングのために細線パターンを形成で
きず、加圧工程においてパターンが破損する等の問題が
生じるからである。なお、形成すべき回路パターンがさ
ほど微細ではない場合、前記凸状パターンの高さに特に
上限はない。
【0012】また、前記原盤に形成された凸状パターン
における前記金属箔と接する面を平面または凸状曲面と
したのは、平面であることにより前記金属箔と前記部材
との間に気泡を抱き込まずに密着させることができるか
らである。一方、凸状曲面とするのは、例えば原盤を環
状にしてロール状の受け鋼材に重ね合わせて用いる場合
であり、これにより同様に金属箔と前記部材との間に気
泡を抱き込まずに密着させることができるからである。
さらに、前記金属箔と接する面とその側面とを異なる面
とする理由は、金属箔と接する面とその側面との間の角
により前記金属箔に応力集中を発生させ、当該部分のみ
延ばして薄くし、金属パターン形状を維持したまま切
断、または切断し易い状態とするためである。逆に、金
属箔と接する面とその側面と連続的に同一面により構成
される場合、曲面全体が延ばされ、切断形状がぎざぎざ
の状態となってしまう。また、本発明では金属箔と接す
る面とのその側面との間の角の角度が大きくなると金属
箔が切断され難くなる恐れがあり、逆に小さいと凸状パ
ターンが破損され易くなる。このため、前記角度は、6
0〜90°の範囲であることが好ましい。なお上述した
ような原盤の作成方法によれば、ニッケル箔をエッチン
グして凸状パターンを形成する際に発生するサイドエッ
チング等により、特に制御しなくても前記角度は60〜
90°の範囲内となる。
【0013】本発明において用いられる原盤では、凸状
パターンを上述したような形状とすることにより、加圧
の繰り返しのため原盤の凸状パターンが摩耗しても、凸
状パターンの表面を研磨すれば例えば金属箔と接する面
とその側面との間の角のくずれを容易に修正できる。従
って金属パターンの形成を数多く行なっても、初期とほ
とんど変わらない良好なパターン形状を維持し続けるこ
とが可能である。
【0014】さらに前記原盤においては、網状基材の凸
状パターンが形成された面と反対側の面に隣接して、ニ
ッケルめっき層などの金属層が設けられていてもよい。
ただし、網状基材に隣接してこのような金属層が設けら
れている場合は、金属パターンを形成する際原盤の網状
基材側からの吸引減圧を可能とするために、前記金属層
を貫通する吸引減圧用の孔,溝等を穿設することが必要
である。
【0015】本発明の金属パターンの形成方法では、上
述した原盤の凸状パターン上に金属箔を密着させ前記原
盤の網状基材側から吸引減圧すると同時に、前記原盤が
金属箔を介して所定の部材に加圧される。このとき前記
原盤は、減圧又は加圧用の溝又は孔が穿設されるか、あ
るいはポーラスメタルにより形成されたロール状又は平
板状等の受け鋼材に網状基材側が重ね合わせて用いら
れ、上記の溝,孔等を通じて吸引減圧が行なわれる。ま
た前記原盤の凸状パターン上に密着される金属箔として
は、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔等が用いられ
る。本発明ではこのような吸引減圧により、金属箔を前
記凸状パターンの突出面に接触させながら撓ませること
ができる。しかも前記原盤においては、網状基材上に前
記凸状パターンが形成されているため前述したような吸
引減圧を均一に行なうことができ、金属箔を原盤の表面
の形状に沿って充分に撓ませることが可能である。
【0016】さらに本発明では、前記原盤が金属箔を介
して所定の部材に加圧されることにより、金属箔が凸状
パターンの角で切断又は切断され易い状態とされる。こ
のとき完全に切断除去されなかった不要な金属箔は、ブ
ラッシング等により容易に除去することができる。また
この加圧の際には、原盤が重ね合わされた受け鋼材等を
加熱することが好ましい。
【0017】また上述した工程で用いられる前記部材と
しては、熱可塑性樹脂、表面に接着剤層を有する絶縁
体、プリプレグ等が挙げられ、その形状はフィルム状、
板状、ブロック状等特に限定されない。具体的に前記熱
可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリオキシベンゾイルポリ
エステル等のポリエステル類、液晶ポリマー、ポリサル
ホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルエ−テル
ケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミ
ド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルカーボネート、ポリアリレート、ポリ
アセテート、ポリパラバン酸、ポリテトラフロロエチレ
ン、ポリテトラフロロエチレンパーフロロアルキルエー
テル等のフッ素樹脂類、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリブタジエン、ポリスチレン、ABS樹脂等のポ
リオレフィン樹脂類、又はこれらの変性樹脂、あるいは
ポリマーアロイ等を挙げることができる。なお、このよ
うな熱可塑性樹脂のフィルムを前記部材として用いる場
合は、これらの熱可塑性樹脂を単独で又は多層化して用
いることができる。
【0018】また前記接着剤層を有する絶縁体として
は、具体的に、前述したような熱可塑性樹脂、イミド
系、ポリアミド系、アラミド系、エポキシ系、ポリエス
テル系、ポリウレタン系、フェノール系等の熱硬化性樹
脂、又はセラミック等の無機物からなる絶縁体上に、イ
ミド系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン
系、フェノール系等の熱硬化性樹脂系接着剤、上記絶縁
体よりも軟化温度の低い熱可塑性樹脂、ホットメルト系
接着剤、感圧接着剤等を塗布して接着剤層を形成したも
の等が挙げられる。さらに前記プリプレグとしては、ガ
ラス布等にエポキシ系、フェノール系、ポリエステル等
の未硬化樹脂を含浸させたもの等が例示される。
【0019】本発明においては、前記部材として少なく
とも表面が常温で固形で、溶融硬化時の粘度が高いもの
を用いることが好ましい。この理由は、常温で固形であ
る方が扱いが容易であり、また溶融硬化時の粘度が高い
方が、金属パターンの形成時に金属箔に加わる剪断力が
大きくなるからである。特に、前記部材として接着剤層
を有する絶縁体を用いる場合は、接着剤層の厚さを使用
する金属箔の厚さよりも薄くすることが好ましい。この
理由は、接着剤層の厚さがこれ以上に厚いと、金属箔が
原盤の凸状パターンにより前記部材に圧接される部分以
外において、部材の表面の接着剤層に接着する恐れがあ
るからである。さらに前記接着剤層の厚さは、その溶融
時の粘度や原盤が部材に加圧されるときの圧力等を考慮
して設定されることがより好ましい。
【0020】また前記部材の形状がフィルム状である場
合、前記部材に比べて使用時の弾性率が低く、かつ加圧
時に変形するシリコーンゴム等のゴム若しくはフッ素系
樹脂等の樹脂を当て板として表面に張り付けたり、又は
前記ゴム等を塗布した加圧用治具を用いて前記部材の金
属箔が位置する側と反対側の面を加圧するか、あるいは
前記ゴム等からなる当て板を前記部材と加圧用治具の間
に配置して、前記原盤による加圧を行なうことが好まし
い。これにより、前記原盤による加圧に際し、前記ゴム
又は樹脂において原盤の凸状パターンと対向する部分が
優先的に変形される。このようなゴム又は樹脂の変形に
より前記部材を背面から押圧する力が作用するため、前
記部材は原盤の凸状パターンを包み込むように撓み、そ
の撓み力によって凸状パターンと部材の間に配置される
金属箔が前記凸状パターンの角により切断又は切断され
易い状態となる。従って、前記部材が例えば比較的弾性
率の高い熱可塑性樹脂のフィルムである場合でも、極め
て容易に微細な金属パターンを形成することができる。
【0021】本発明の金属パターンの形成方法では、前
記原盤の凸状パターンと同形状の金属パターンを被転写
材に転写すること、及び前記原盤の凸状パターンと逆パ
ターンである金属パターンを被転写材に転写することの
いずれもが可能である。すなわち、前記原盤の凸状パタ
ーンと同形状の金属パターンが被転写材に転写されるの
は、前記部材が被転写材となる場合であり、上述したよ
うな原盤の加圧により、凸状パターンと同形状の金属パ
ターンが被転写材に転写される。なお、このとき完全に
切断除去されなかった不要な金属箔は、被転写材表面の
ブラッシング等により確実に除去することができる。ま
たこのとき完全に切断除去された不要な金属箔は、前記
原盤の凸状パターン以外の表面領域に残存するが、この
不要な金属箔も前記原盤の網状基材側から吐出加圧する
ことにより、容易に取り除かれる。
【0022】一方、前記原盤の凸状パターンと逆パター
ンである金属パターンを被転写材に転写する場合は、ま
ず上述したような原盤の加圧により、前記原盤の凸状パ
ターンにより部材に圧接される部分の金属箔を、この部
材上に除去せしめる。なおここでは、前記部材表面が特
に金属箔に対する接着性を有している必要はない。従っ
て、前記部材として前述したような熱可塑性樹脂、表面
に接着剤層を有する絶縁体、プリプレグ以外に、各種有
機ゴム、シリコーンゴム、軟質ポリエチレン、軟質ポリ
塩化ビニル等からなる柔軟性を有するフィルムを用いる
こともできる。このとき、前記原盤の凸状パターン以外
の領域では、原盤の網状基材側からの吸引減圧により、
金属箔が原盤の網状基材表面に吸着保持される。またこ
の後に、前記原盤に空気等を吹きつければ、原盤の網状
基材の表面に前記金属箔を吸着保持したまま、完全に切
断除去されなかった不要な金属箔だけを除去することが
できる。次いで、前記原盤の網状基材側からの吸引減圧
を吐出加圧に切り換えることにより、原盤の凸状パター
ンと逆パターンである金属パターンを被転写材に転写す
ることができる。このときの被転写材としては、例えば
前述したような接着剤層を表面に有する絶縁体を用いる
ことができる。また例えば、接着性が弱く離型性を有す
る粘着剤等が表面に塗布された絶縁体を第1の被転写
材、前記接着剤層を表面に有する絶縁体を第2の被転写
材として、原盤の凸状パターンと逆パターンである金属
パターンをまず前記第1の被転写材に転写した後、この
金属パターンを前記第2の被転写材に再転写することも
可能である。ここで前記粘着剤としては、ポリオレフィ
ン系、シリコーン系等の粘着剤を用いることができる。
この場合上述した第1の被転写材を用いることにより、
接着剤層を表面に有する絶縁体に直接金属パターンを転
写したときに生じる原盤表面の接着剤による汚れを防止
できる。なお本発明では、金属パターンを被転写材に転
写又は再転写した後、金属パターンの密着強度向上の観
点から、転写された金属パターンを加圧して被転写材表
面を平坦化することも許容される。次に、本発明の金属
パターンの形成方法を印刷配線板の製造に適用する場合
について説明する。
【0023】図1は、プレス式の印刷配線板製造装置で
ある。この印刷配線板製造装置では、可撓性を有する原
盤1が環状に形成され、搬送ロール16等により間欠的
に送られる。ここで原盤1を環状とするには、環状のス
テンレスメッシュ付き金属箔を用意し、このステンレス
メッシュ付き金属箔の金属箔の一部を選択的にエッチン
グして凸状パターンを形成する方法や、原盤を載置する
ことが可能な専用の環状の帯、チェーン等に可撓性の原
盤を載置する方法等を採用し得る。さらに原盤1は、加
圧プレス装置6とポーラスメタル等により形成されてい
る平板状の受け鋼材9の間に供給され、別途金属箔2,
部材3が加圧プレス装置6と受け鋼材9の間に供給され
る。このとき、原盤1は受け鋼材9を通して網状基材
(ステンレスメッシュ)側から吸引減圧され、金属箔2
を原盤1に密着させると共に原盤1の表面の形状に沿っ
て撓ませる。
【0024】次いで加圧プレス装置6により、原盤1が
金属箔2を介して部材3に短時間加圧される。この際、
受け鋼材9は部材3の表面の軟化温度前後に加熱され、
加圧プレス装置6はこれより低い温度に設定される。こ
れにより、金属箔2が原盤1の凸状パターンの角で切断
され、部材3が熱可塑性樹脂や接着剤層を有する絶縁体
等からなる場合は、形成された金属パターンが部材3上
に転写され、回路パターンが形成される。なおこの後、
部材3上において、完全に切断除去されなかった不要な
金属箔をダクト14で吸引しながらブラシ13でブラッ
シングして除去し、必要に応じてアフターキュアを施
す。また、部材3に転写されず原盤1の網状基材表面に
吸着保持された金属箔が不要な場合は、図示しない加圧
ノズル等により原盤1の裏面側から空気を吹き付けダク
ト12で吸引することにより、この金属箔は除去され
る。
【0025】一方、部材3に転写されず原盤1の網状基
材表面に吸着保持された金属箔を被転写材に転写して回
路パターンを形成する場合は、原盤1上に残存する完全
に切断除去されなかった金属箔をノズル11からの空気
で吹き飛ばし、ダクト12で吸引除去する。なおこのと
きノズル11のかわりにブラシを用い、ブラッシングに
より不要な金属箔を除去することもできる。またこの場
合、原盤1の凸状パターンにより部材3に圧接される部
分の金属箔は、必ずしも部材3上に転写される必要がな
いため、受け鋼材9,加圧プレス装置6は特に加熱され
なくてもよい。次いで、金属箔を吸着保持した原盤1が
第1の被転写材4と共に転写装置10に供給される。こ
こで、転写装置10からの加圧エア等で原盤1の網状基
材側から吐出加圧することにより、原盤1に吸着保持さ
れた金属箔が第1の被転写材4に転写され、回路パター
ンが形成される。このとき、原盤1の網状基材側からの
吐出加圧により第1の被転写材4の平坦性が維持できな
ければ、押えプレス装置7を用いて第1の被転写材4を
支持する。また、回路パターンが形成された第1の被転
写材4の硬化が不充分な場合は、アフターキュアを施
す。或いは、回路パターンが形成された第1の被転写材
4を第2の被転写材5と共に再転写装置8に供給して、
回路パターンを第2の被転写材5に再転写し、さらに必
要に応じ加熱器15によりアフターキュアを施す。
【0026】本発明では、以上のようなプレス式の印刷
配線板製造装置を用いることにより、各工程を連続的に
行なうことができ、生産性を著しく高めることができ
る。また図2に、本発明で用いることのできるロール式
の印刷配線板製造装置を示すが、このロール式の印刷配
線板製造装置を用いた場合も、同様に高い生産性が達成
される。ただし、本発明はこのような印刷配線板製造装
置を用いる方法に特に限定されるものではなく、各工程
を分けて行なっても何ら問題はない。さらに本発明の金
属パターンの形成方法は、上述したような印刷配線板の
回路パターンのみならず、各種製品の商品コードを示す
紋様パターンや、ワープロやパソコン等のキー表面の文
字パターンの形成等に広く適用することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1
【0028】まず、太さが35μmのステンレス線を織
って形成したステンレスメッシュからなる網状基材の一
方の面にニッケルめっきを施し、この後得られたステン
レスメッシュ付きニッケル箔のニッケル箔側の表面に、
所定のレジストパターンを形成し、このレジストパター
ンをマスクとしてニッケル箔をエッチングした。この結
果、網状基材であるステンレスメッシュ上に高さ100
μmの凸状パターンが形成されてなる原盤が作成され
た。
【0029】次いでこの原盤を用いて、図3〜6に示し
たプロセスにより印刷配線板を製造した。即ち、原盤の
網状基材17側をポーラスメタルよりなる受け鋼材18
に重ね合わせ100℃に加熱した。さらに原盤の凸状パ
ターン19上に厚さ18μmの銅箔20を載せ、受け鋼
材18を通して原盤の網状基材17側から10mmHg
となるまで吸引減圧し、銅箔20を原盤の凸状パターン
19上に密着させた(図3)。
【0030】またこれとは別に、厚さ50μmのアラミ
ドフィルムにエポキシ樹脂系接着剤を20μm塗布して
なる部材21のアラミドフィルム側に厚さ100μmの
シリコーンゴム22を当接させ、固定治具で固定した。
而る後、この裏面にシリコーンゴム22が当接された部
材21の表面側を、前述したような原盤に密着された銅
箔20に対向せしめ、原盤と部材21とを銅箔20を介
して50kg/cm2 の条件で10秒間加圧した(図
4)。
【0031】このような加圧により、原盤の凸状パター
ン19と同形状の金属パターン23が部材21に転写さ
れた(図5)。この後、金属パターン23が転写された
部材21を150℃で3時間アフターキュアして密着性
を高めることにより、表面に所定の回路パターン24を
有する印刷配線板25が得られた(図6)。また、この
印刷配線板の回路パターンのピール強度を測定したとこ
ろ、1.9kg/cmと良好な密着強度を有することが
確認された。 実施例2
【0032】金属パターンが転写される部材として厚さ
100μmのポリフェニレンサルファイドフィルムを用
い、加熱温度を280℃とした以外は、実施例1と全く
同様にして印刷配線板を製造した。この印刷配線板の回
路パターンのピール強度を測定したところ、2.2kg
/cmと良好な密着強度を有することが確認された。 実施例3
【0033】まず、網状基材上の凸状パターンを実施例
1と逆パターンとした以外は、実施例1と同様の原盤を
作成した。次いで、この原盤を用いて、図7〜11に示
したプロセスにより印刷配線板を製造した。即ち、原盤
の凸状パターン19上に実施例1と同様の銅箔20を同
一条件で密着させ、さらに厚さ100μmのシリコーン
ゴムからなるフィルム状の部材21を前記銅箔20に対
向せしめ、原盤と部材21とを銅箔20を介して50k
g/cm2 の条件で10秒間加圧した(図7)。
【0034】このような加圧により、原盤の凸状パター
ン19により前記部材21に圧接された部分の銅箔20
がほぼ部材21側に転写され、原盤上から除去された
(図8)。また、加圧時に完全に切断除去されず、一部
原盤の凸状パターン19上に残存した不要な銅箔20
は、エアガンで吹き飛ばすことにより除去した。次い
で、厚さ100μmのポリピロピレンフィルム表面にポ
リオレフィン系の粘着剤を5μm塗布してなる第1の被
転写材26を原盤の凸状パターン19上に載せ、軽く押
さえた後に原盤の網状基材17側からの吸引減圧を2k
g/cm2 の加圧に切り換えて、2秒間加圧した。この
加圧により、原盤の網状基材17上に吸着保持された銅
箔20が前記第1の被転写材26の粘着剤上に転写され
た(図9)。
【0035】さらに、銅箔20が転写された第1の被転
写材26を、厚さ50μmのアラミドフィルム表面にエ
ポキシ樹脂系接着剤を20μm塗布してなる第2の被転
写材27と重ね合わせ、100℃,20kg/cm2
条件で10秒間加熱加圧し、第2の被転写材27のエポ
キシ樹脂系接着剤上に銅箔20を再転写した(図1
0)。この後、銅箔20が再転写された第2の被転写材
27を150℃で3時間アフターキュアして密着性を高
めることにより、表面に所定の回路パターン24を有す
る印刷配線板25が得られた(図11)。また、この印
刷配線板の回路パターンのピール強度を測定したとこ
ろ、1.8kg/cmと良好な密着強度を有することが
確認された。 実施例4
【0036】実施例3と同様の原盤を作成して、図1に
示したようなプレス式の印刷配線板製造装置に取り付け
た。また金属箔を介してこの原盤が加圧される部材とし
て、裏面にガラスクロスの張り付けられた厚さ200μ
mのシリコーンゴム、原盤の網状基材上に吸着保持され
た金属箔が転写される第1の被転写材として、厚さ50
μmのポリプロピレンフィルムに厚さ10μmのポリエ
チレンフィルムをラミネートした積層フィルム、前記第
1の被転写材に転写された金属箔が再転写される第2の
被転写材として、厚さ20μmのアラミドフィルム表面
とエポキシ樹脂系接着剤を20μm塗布したものをそれ
ぞれ用意した。次いで、このような部材、第1の被転写
材、第2の被転写材をプレス式の印刷配線板製造装置に
取り付け、加圧プレス装置における条件を圧力100k
g/cm2 ,加圧時間5秒、転写装置における条件を温
度80℃,圧力5kg/cm2 ,加圧時間5秒、再転写
装置における条件を温度100℃,圧力130kg/c
2 ,加圧時間5秒、金属箔の再転写後の加熱器におけ
る条件を温度180℃,アフターキュア時間15分とし
て、表面に所定の回路パターンを有する印刷配線板を製
造した。得られた印刷配線板の回路パターンのピール強
度を測定したところ、1.9kg/cmと良好な密着強
度を有することが確認された。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明においては、
廃液を発生することなく簡単な工程により微細な金属パ
ターンが得られる金属パターンの形成方法が提供され
る。従って本発明によれば、例えば、密着強度の良好な
回路パターンを表面に有する印刷配線板等を容易に製造
することができ、その工業的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いることのできるプレス式の印刷
配線板製造装置の模式図。
【図2】 本発明で用いることのできるロール式の印刷
配線板製造装置の模式図。
【図3】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配線
板の製造に適用した一例を示すプロセス図。
【図4】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配線
板の製造に適用した一例を示すプロセス図。
【図5】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配線
板の製造に適用した一例を示すプロセス図。
【図6】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配線
板の製造に適用した一例を示すプロセス図。
【図7】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配線
板の製造に適用した他の例を示すプロセス図。
【図8】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配線
板の製造に適用した他の例を示すプロセス図。
【図9】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配線
板の製造に適用した他の例を示すプロセス図。
【図10】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配
線板の製造に適用した他の例を示すプロセス図。
【図11】 本発明の金属パターンの形成方法を印刷配
線板の製造に適用した他の例を示すプロセス図。
【符号の説明】
1…原盤、2…金属箔、3…部材、4…第1の被転写
材、5…第2の被転写材、6…加圧プレス装置、7…押
えプレス装置、8…再転写装置、9…受け鋼材、10…
転写装置、11…ノズル、12…ダクト、13…ブラ
シ、14…ダクト、15…加熱器、16…搬送ロール、
17…網状基材、18…受け鋼材、19…凸状パター
ン、20…銅箔、21…部材、22…シリコーンゴム、
23…金属パターン、24…回路パターン、25…印刷
配線板、26…第1の被転写材、27…第2の被転写
材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用される金属箔と接する平坦面または
    凸状曲面とこの面とは異なる側面とからなる凸状パター
    ンが網状基材上に形成されてなる原盤を用意し、前記原
    盤の凸状パターン上に金属箔を密着させ前記原盤の網状
    基材側から吸引減圧すると同時に、前記原盤が金属箔を
    介して所定の部材に加圧される工程を具備したことを特
    徴とする金属パターンの形成方法。
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