JP3962119B2 - 多層プリント配線板製造用シート - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層基板製造において用いられる多層プリント配線板製造用シートに関し、特に導体パターン形成時にパターン形成されない外層となる銅箔を保護するための保護フィルムとして機能するとともに、複数の銅張積層板を圧着する際にプリプレグのはみ出しを防止し、銅張積層板どうし及び銅張積層板とプレス板との接着を防止するための離型フィルムとを兼ねた多層プリント配線板製造用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電子機器等の小型電子機器の回路基板として高密度化、薄物化が可能な多層プリント配線板が多用されている。これに伴いプリント配線板もインターステイシャルバイアホールを有するものが増えてきている。その中でもブラインドバイアホールを有するプリント配線板は更に軽量化、高密度化が可能になってきている。
【0003】
このような多層プリント配線板は、次のように製造される。まず図4に示すように両面に銅箔22をラミネートした銅張積層板(両面板という)21に穴開け加工を行った後、メッキ加工によりスルーホール21aを導通させる(a,b)。次に両面にレジストを塗布するかドライフィルムと呼ばれる感光フィルム30をラミネートし、一方の銅箔のみをパターン形成されたワークフィルムを用いて密着露光し、他方は全面露光し、現像する(c)。これにより一方の銅箔の未露光部分のレジスト或いは感光フィルムのみが除去される(d)。次いで塩化銅、塩化鉄等の銅エッチング液でエッチングして未露光部分に対応する銅箔を除去し(e)、最後に残ったレジスト或いは感光フィルムを剥離除去する(f)。導体パターンを形成しない銅箔22にラミネートされる感光フィルム30は、銅箔がエッチングされないように保護する目的で使用され、導体パターン形成に使用された感光フィルムを除去する際に剥離液に漬けたときに共に除去されてしまうので、通常、捨てドライフィルムと呼ばれる。
【0004】
次にこのように片面に導体パターンが形成された複数枚の銅張積層板20を、図5に示すように各内層(導体パターン形成面)が内側となるようにして、間にプリプレグ25(ガラス繊維等のエポキシ樹脂を含浸させて半硬化させたもの)を介在させて加熱加圧し、プリプレグ25を完全に硬化させて銅張積層板20,20を接着する。この場合、外層(導体パターンが形成されていない銅箔)とプレス板50との間に離型フィルム40を挟んでプレスする。複数の銅張積層板の組を何組か重ねて同時にプレスする場合には、銅張積層板の外層と他の銅張積層板の外層との間にも離型フィルムを介在させる。
【0005】
この離型フィルム40は、加熱加圧時にプリプレグ25がスルーホールからはみ出し、銅箔に付着して後工程であるエッチング処理に悪影響を与えたり銅箔とプレス板とがくっついてしまうことを防止する。このような離型フィルムとして、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂を用いたフィルム(特開平5−167250号)、熱可塑性プラスチックフィルムを用いたもの(特開平6−326467号)、基材シートの片面にシリコーン被膜を形成したもの(特開平6−246891号)などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した多層プリント配線板の製造においては、両面板の一方の銅箔に導体パターンを形成する際に、他方を保護するためにレジスト或いは感光フィルムを必要とし、しかもこの感光フィルムは導体パターン形成後、剥離工程において除去されてしまうものであるので、無駄を生じていた。一方、導体パターン形成に次いで行われる熱プレス工程では、新たに銅張積層板とプレス板との間および銅張積層板外層と銅張積層板外層との間に離型フィルム40を挟む工程を必要とした。
【0007】
そこで本発明は外層となる銅箔の保護に用いられる感光フィルムの無駄をなくし、銅箔の保護フィルムと熱プレス工程における離型フィルムとを兼ねた多層プリント配線板製造用シートを提供することを目的とする。また本発明は離型フィルムとしても性能に優れ、プリプレグのはみ出しを防止し、銅張積層板とプレス板および銅張積層板どうしの接着を確実に防止できる多層プリント配線板製造用シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、両面に銅箔を有する銅張積層板の一方の銅箔に導体パターンを形成した後、銅張積層板を複数重ねて熱圧着し、多層プリント配線板を製造する方法であって、前記一方の銅箔に導体パターンを形成する前に他方の銅箔に保護フィルムを貼着する工程と、前記銅張積層板を複数重ねて熱圧着する際に銅張積層板どうし或いは銅張積層板とプレス板との間に離型フィルムを介在させる工程と含み、前記保護フィルムとして、耐熱性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、フッ素樹脂から選ばれる樹脂からなり、耐熱性と耐薬品性を有する離型性基材フィルムと弱粘着層とを備えたシートを用い、導体パターンを形成した後に前記保護フィルムを除去することなく、前記離型フィルムとして使用し、熱圧着後に剥離することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法を提供する。
【0009】
また本発明は、上記製造方法において保護フィルム兼離型フィルムとして使用される多層プリント配線板製造用シートを提供する。すなわち本発明の多層プリント配線板製造用シートは、耐熱性と耐薬品性を有する離型性基材フィルムと、前記基材フィルム上に形成された弱粘着層とを備え、前記離型性基材フィルムは、耐熱性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、フッ素樹脂から選ばれる樹脂からなる。
【0010】
弱粘着層は、剥離強度(JIS Z-0237)が好適には100gf/25mm幅以下、より好適には1〜20gf/25mm幅である。JIS Z-0237による剥離強度はステンレス板(SUS)からの剥離強度を測定したものであるが、剥離強度をこのような範囲とすることにより、導体パターン形成工程において銅箔から剥離することなく銅箔を保護することができ、しかも熱プレス後、銅箔表面に残ることなく容易に剥離することができる。好適な弱粘着層は、シリコーンエラストマーから成る。
【0011】
本発明の多層プリント配線板製造用シートを用いて多層プリント配線板を製造するには、まず導通処理済みのスルーホールを設けた両面板に導体パターン形成する際、導体パターンを形成すべき一方の銅箔にレジスト塗布或いは感光フィルムを貼着し、他方の銅箔に本発明の多層プリント配線板製造用シートの弱粘着層側を貼着する。次いで通常の工程に従い、露光、現像してレジスト或いは感光フィルムの露光部を硬化させ、非露光部を除去した後、非露光部に対応する銅箔をエッチングにより除去する。その後、両面板を剥離液に漬けて感光フィルムの露光部を剥離する。このパターン形成から剥離工程の間、本発明の多層プリント配線板製造用シートを貼着された銅箔は多層プリント配線板製造用シートにより保護されている。
【0012】
次に導体パターンを形成した銅箔の層(内層)を内側にして、プリプレグを間において2枚の銅張積層板を重ねる。必要に応じこのような2枚の銅張積層板とプリプレグの積層体を複数重ねる。これら積層体を熱プレスする。この場合、銅張積層板の外層には本発明の多層プリント配線板製造用シートがそのまま貼着されているので、新たに離型フィルムを銅張積層板間および銅張積層板とプレス板との間に介在させる必要はなく、プレス時にスルーホールからのプリプレグのはみ出しが防止される。またプレス後、プリプレグは多層プリント配線板製造用シートの弱粘着層から容易に剥離されるので、銅張積層板どうし及び銅張積層板とプレス板を容易に剥がすことができる。
【0013】
しかる後に外層から多層プリント配線板製造用シートを剥離し、さらに外層に導体パターンを形成する。この際、本発明の多層プリント配線板製造用シートは弱粘着層により外層に貼着されているので、外層に損傷を与えることなく容易に外層から剥離することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の多層プリント配線板製造用シートについて更に詳述する。
【0015】
本発明の多層プリント配線板製造用シート10は、基本的な構成を図1に示すように基材11と基材上に形成された弱粘着層12とから成る。多層プリント配線板製造用シート10が未使用時には、弱粘着層12上には離型フィルム13が設けられる。
【0016】
基材11は、多層プリント配線板製造の導体パターン形成工程におけるレジスト或いは感光フィルムの現像液、銅エッチング液およびレジスト(感光フィルム)剥離液に対し、不溶性或いは難溶性(耐薬品性)の材料であって、熱プレス工程の加熱温度(通常150〜200℃)に耐える耐熱性を有する材料から成る。
【0017】
このような材料としては耐熱性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリ4フッ化エチレン等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらのうちポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂が好適であり、特にポリフェニレンスルフィドは成形しやすい点およびコストの点で好適である。また通常プレス板は銅やSUSから成るが、ポリフェニレンスルフィドは、このようなプレス板材料からの剥離性(背面剥離性)も優れている。
【0018】
基材11の厚さは、銅箔の保護フィルムとしては特に限定はないが、熱プレス工程における離型フィルムとして4〜250μm、好適には8〜50μm、さらに好適には10〜40μmとする。基材11の厚さが薄すぎる場合には、ハンドリング性、背面処理性に劣り、効果的にプリプレグのはみ出しを防止することができない。また厚さが250μmより厚い場合には、基板全体に十分な加熱、加圧を加える上で不利となり、コストの点からも望ましくない。
【0019】
弱粘着層12は、弱い粘着力で銅箔に貼着される層で、粘着性、耐熱性、耐薬品性、離型性に優れた樹脂で構成される。粘着力は通常の粘着剤比べかなり弱いことが好ましい。具体的には、通常の粘着剤の剥離強度は400〜1000gf/25mm幅程度であるが、本発明の弱粘着層は剥離強度(JIS Z-0237)が100gf/25mm幅以下で、好適には1〜20gf/25mm幅とする。このような範囲とすることにより、導体パターン形成工程において銅箔から剥離することなく銅箔を保護することができ、しかも熱プレス後、銅箔表面に残ることなく容易に剥離することができる。
【0020】
尚、本発明において剥離強度は、JIS Z-0237により測定したものである。即ち、#280で研磨したSUS304のステンレス板に、25mm幅のサンプルを2kgfの荷重をかけゴムローラで圧着し、23℃、65%RHの条件で30分放置した後、サンプルを剥離速度300mm/分で180度剥離するときの強度を測定した。
【0021】
このような弱粘着層12の材料として、下式で表わされるオルガノポリシロキサンの骨格をもつシリコーンエラストマーが好適に用いられる。
【0022】
【化1】
Figure 0003962119
一般にシリコーンエラストマーには熱加硫型シリコーンゴムと液状シリコーンゴムがあるが、製造の容易な塗布によって弱粘着層を形成でき、また粘着力の調整が容易であることから液状シリコーンゴムが好適である。また液状シリコーンゴムは反応機構により縮合型、付加型、紫外線硬化型があり、いずれのタイプの液状シリコーンゴムも使用できるが、反応速度が速く、樹脂選択の幅が広く粘着力の調整が容易である付加型が特に好適である。付加型の液状シリコーンゴムは、硬化後、所望の粘着力が得られるように1種または2種以上を混合して用いる。例えば硬化後ゲル状になる液状シリコーンゴムと硬化後ゾル状になる液状シリコーンゴムとを混合して用いることにより、所望の粘着力を得ることができる。
【0023】
弱粘着層12の厚さは、好適には1〜50μm、更に好適には5〜20μmとする。厚さをこの範囲で、材料自体の粘着力に応じて所望の剥離強度が得られるように調整することが好ましい。弱粘着層2の厚さが1μmより少ないと材料として粘着力の大きいシリコーンゴムを用いても十分な粘着力を得ることができない。また厚さが50μmを超えると熱プレス時に層の両端からはみ出し、プレス後に残ってしまう可能性がある。
【0024】
弱粘着層12は、上述したシリコーンゴム材料と白金等の触媒と必要に応じ有機溶剤とを混合したものを基材11上に所定の厚さに塗布し、硬化させることにより形成する。塗布方法としては、バーコーティング法、ロールコーティング法、カーテンフロー法、エクストルージョン法、ダイコーティング法等公知の方法が採用できる。弱粘着層12を構成する材料が紫外線硬化型の材料の場合には、塗布後、紫外線を照射し硬化させる。
【0025】
離型フィルム13は、本発明の多層プリント配線板製造用シートが未使用のときに弱粘着層12を保護するもので、離型紙等の紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム等、使用に際し弱粘着層12から容易に剥離できるものであれば特に限定されない。
【0026】
次に本発明の多層プリント配線板製造用シートを用いて多層プリント配線板を製造する方法について図2および図3を参照して説明する。図2は導体パターン形成工程の一実施例を示す図で、この工程では、まず両面に銅箔22、23をラミネートした銅張積層板(両面板)21にスルーホール21aを形成した後(a)、スルーホール21aをメッキ処理して導通させる(b)。次いで一方の銅箔22に感光フィルム30をラミネートし、他方の銅箔23に多層プリント配線板製造用シート10の弱粘着層12をラミネートする(c)。感光フィルム30と多層プリント配線板製造用シート10のラミネートは、1つのラミネータで同時に行うことができ、通常100〜120℃の加熱下で行う。
【0027】
次に高圧水銀灯などの露光装置により感光フィルム30を所定のパターン形成されたワークフィルムを用いて密着露光し、更に炭酸ナトリウム水溶液等の弱塩基性の現像液で現像して、露光されなかった感光フィルム30の部分を除去する(d)。これにより露出した銅箔部分をエッチング液でエッチングし、導体パターンを形成する(e)。最後に残った感光フィルム30を水酸化ナトリウム等の比較的強塩基性の剥離液で剥離除去する。この工程で、多層プリント配線板製造用シート10も現像液、エッチング液および剥離液にさらされることになるが、多層プリント配線板製造用シート10の基材11および弱粘着層12は共に耐薬品性の強い材料から成るので、これらに侵されることなく銅箔の保護フィルムとして機能する。
【0028】
上述のように内層22’に導体パターンが形成された銅張積層板20は、図3に示す熱プレスにより積層して多層プリント配線板とする。この工程ではパターンを形成した内層22’を内側にして、プリプレグ25を間において2枚の銅張積層板20を重ね、プレス機のプレス板50、50間にセットする。尚、図3では2枚の銅張積層板のみが示されているが、通常はこのような2枚の銅張積層板とプリプレグ25の積層体を複数重ねる。これら積層体を約150〜200℃で熱プレスする。これにより半硬化状態のプリプレグが硬化し、2枚の銅張積層板を接着する。このとき銅張積層板20の外層23(導体パターンが形成されていない銅箔)には多層プリント配線板製造用シート10が貼着されているので、プリプレグ25がスルーホールからはみ出すのを防止するとともに、プレス板50と外層23或いは外層23と他の銅張積層板外層とがスルーホール部分のプリプレグによって接着してしまうのを防止する。従ってプレス後、プレス装置から多層プリント配線板を取り出すときに、個々の多層プリント配線板を容易に剥がすことができる。
【0029】
最後に多層プリント配線板の外層に貼着された多層プリント配線板製造用シート10を剥離し、外層23に導体パターンを形成する。この場合、多層プリント配線板製造用シート10は弱粘着層12によって弱い粘着力で銅箔に貼着されているので、外層に損傷を与えることなく、また外層に付着して残ることなく、容易に剥離される。
【0030】
尚、図示する製造方法は4層の多層プリント配線板を製造する場合を示したが、両面に導体パターンを形成した銅張積層板を内層板とし、その両側に外層となる銅張積層板を熱プレスして製造する3層銅張積層板や、4層以上の多層プリント配線板を製造する場合にも同様に多層プリント配線板製造用シート10を用いることができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1
厚さ25μmのポリフェニレンスルフィドフィルムの上に、付加型2成分の液状シリコーンゴム(KE109:信越化学工業(株)製)と付加型1成分型の液状シリコーン(KE104:信越化学工業(株)製)を重量比50:50の割合で混合したものを塗布し、厚さ約10μmの弱粘着層を形成し、その上に離型フィルムとして厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね、多層プリント配線板製造用シートを得た。
【0032】
この多層プリント配線板製造用シートの弱粘着層の剥離強度をJIS Z-0237による180度剥離法で、速度300mm/分でステンレス板を試験片として測定したところ、3gf/25mmであった。
【0033】
この多層プリント配線板製造用シートを用い、図2及び図3に示す方法でドライフィルム(日合アルフォ 801Y40:日本合成化学工業(株)製)を使用して4層の多層プリント配線板を作製したところ、現像液、エッチング液、剥離液に侵されることなく、銅箔の保護ができた。さらに熱プレスによる積層時もスルーホール部分からのプリプレグのはみ出しを防止し、個々のプリント配線板を容易に剥離することができた。
【0034】
実施例2
厚さ38μmのポリフェニレンスルフィドフィルムの上に、付加型2成分の液状シリコーンゴム(TSE3033:東芝シリコーン(株)製)を塗布し、厚さ約15μmの弱粘着層を形成し、その上に離型フィルムとして厚さ25μmのポリエチレンフィルムを重ね、多層プリント配線板製造用シートを得た。
【0035】
この多層プリント配線板製造用シートの弱粘着層の剥離強度を、実施例1と同様に測定したところ、5gf/25mmであった。
【0036】
この多層プリント配線板製造用シートを用い、実施例1と同様に4層の多層プリント配線板を作製したところ、現像液、エッチング液、剥離液に侵されることなく、銅箔の保護ができた。さらに熱プレスによる積層時もスルーホール部分からのブリブレグのはみ出しを防止し、個々のプリント配線板を容易に剥離することができた。
【0037】
比較例1
厚さ25μmのポリオレフィンフィルムの上に、付加型2成分の液状シリコーンゴム(KE109:信越化学工業(株)製)と付加型1成分型の液状シリコーン(KE104:信越化学工業(株)製)を重量比50:50の割合で混合したものを塗布し、厚さ約10μmの弱粘着層を形成し、その上に離型フィルムとして厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね、多層プリント配線板製造用シートを得た。
【0038】
この多層プリント配線板製造用シートの弱粘着層の剥離強度を実施例1と同様に測定したところ、3gf/25mmであった。
【0039】
この多層プリント配線板製造用シートを用い、実施例1と同様に4層の多層プリント配線板を作製したところ、現像液、エッチング液、剥離液に侵されことなく、銅箔の保護ができた。しかし、ポリオレフィンフィルムに耐熱性がないために熱プレスによる積層時に熱による変形を起こしてしまった。
【0040】
比較例2
厚さ25μmのポリフェニレンスルフィドフィルムの上に、市販の粘着剤であるシリコーン粘着剤(TSR1510:東芝シリコーン(株)製)を塗布し、厚さ約20μmの粘着層を形成し、その上に離型フィルムとして厚さ25μmのポリエステルフィルムを重ね、多層プリント配線板製造用シートを得た。
【0041】
この多層プリント配線板製造用シートの弱粘着層の剥離強度を実施例1と同様に測定したところ、800gf/25mmであった。
【0042】
この多層プリント配線板製造用シートを用い、実施例1と同様に4層の多層プリント配線板を作製したところ、現像液、エッチング液、剥離液に侵されことなく、銅箔の保護ができた。しかし、熱プレスによる積層時、スルーホール部分からプリプレグがはみ出し、後工程で修正する問題が発生した。
【0043】
さらに多層プリント配線板製造用シートを銅箔から剥離しようとしたところ粘着力が強すぎて剥離することが困難であり、かつ粘着剤が銅箔上に糊残りをおこしてしまった。
【0044】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように本発明の多層プリント配線板製造用シートは、両面に銅箔を有する銅張積層板の一方の銅箔のパターン形成時に他方の銅箔を保護する保護フィルムとして機能するとともに熱プレス工程における離型フィルムとして機能するので、感光フィルムやレジストの無駄をなくすとともに、捨てドライフィルムの露光および剥離液による剥離を必要とせず、露光用電力及び剥離液の使用量を低減することができ、また熱プレス工程において離型フィルムを介在させる手間を省くことができる。また本発明の多層プリント配線板製造用シートは、弱粘着層が所定の粘着力を有することから、熱プレス工程においてプリプレグのはみ出しやスルーホール部における銅張積層板どうし或いは銅張積層板とプレス板との接着を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板製造用シートの一実施例を示す断面図
【図2】本発明の多層プリント配線板製造用シートを用いた多層プリント配線板製造工程のうち導体パターン形成工程の一例を示す図
【図3】本発明の多層プリント配線板製造用シートを用いた多層プリント配線板製造工程のうち熱プレス工程の一例を示す図
【図4】従来の多層プリント配線板製造工程の一部を示す図
【図5】従来の多層プリント配線板製造工程の一部を示す図
【符号の説明】
10・・・・・・多層プリント配線板製造用シート
11・・・・・・基材
12・・・・・・弱粘着層
13・・・・・・離型フィルム
20・・・・・・銅張積層板
22、23・・・・・・銅箔
22’・・・・・・内層(導体パターンの形成された銅箔)
25・・・・・・プリプレグ
30・・・・・・感光フィルム
50・・・・・・プレス板

Claims (4)

  1. 両面に銅箔を有する銅張積層板の一方の銅箔に導体パターンを形成した後、銅張積層板を複数重ねて熱圧着し、多層プリント配線板を製造するに際し、前記一方の銅箔に導体パターンを形成する前に他方の銅箔に保護フィルムを貼着する工程と、前記銅張積層板を複数重ねて熱圧着する際に銅張積層板どうし或いは銅張積層板とプレス板との間に離型フィルムを介在させる工程と含む多層プリント配線板製造方法において保護フィルム兼離型フィルムとして用いられる多層プリント配線板製造用シートであって、
    耐熱性と耐薬品性を有し且つ前記プレス板および銅張積層板に対する離型性を有する離型性基材フィルムと、前記基材フィルム上に形成された弱粘着層とを備えた多層プリント配線板製造用シートであって、
    前記離型性基材フィルムは、150〜200℃に耐える耐熱性を持つポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、フッ素樹脂から選ばれる樹脂からなり、
    前記弱粘着層は、剥離強度(JIS Z-0237)が100gf/25mm幅以下であることを特徴とする多層プリント配線板製造用シート。
  2. 前記離型性基材フィルムは、ポリフェニレンスルフィドからなることを特徴とする請求項1記載の多層プリント配線板製造用シート。
  3. 前記弱粘着層は、シリコーンエラストマーから成ることを特徴とする請求項1または2記載の多層プリント配線板製造用シート。
  4. 両面に銅箔を有する銅張積層板の一方の銅箔に導体パターンを形成した後、銅張積層板を複数重ねて熱圧着し、多層プリント配線板を製造する方法であって、
    前記一方の銅箔に導体パターンを形成する前に他方の銅箔に保護フィルムを貼着する工程と、前記銅張積層板を複数重ねて熱圧着する際に銅張積層板どうし或いは銅張積層板とプレス板との間に離型フィルムを介在させる工程と含み、
    前記保護フィルムとして、耐熱性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、フッ素樹脂から選ばれる樹脂からなり、耐熱性と耐薬品性を有する離型性基材フィルムと弱粘着層とを備えたシートを用い、
    導体パターンを形成した後に前記保護フィルムを除去することなく、前記離型フィルムとして使用し、熱圧着後に剥離することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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