JP2004063535A - 基板のエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の基板をエッチングする方法において、基板接続用テープによって隣り合う各基板の縁部を連結する際に、基板接続用テープの貼り付け誤差を解消し、基板接続用テープの回路パターン上への貼付を解消することを課題とする。
【解決手段】搬送手段で水平に搬送される複数の基板をエッチングする方法において、隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結する基板のエッチング方法。
【選択図】 図1
【解決手段】搬送手段で水平に搬送される複数の基板をエッチングする方法において、隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結する基板のエッチング方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板やリードフレーム等に用いられる基板のエッチング方法に関し、特に搬送手段により搬送される複数の基板の上面側を均一にエッチングすることができるエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数のプリント基板を連続的に効率よくエッチングする方法として、例えばローラコンベア等の搬送手段によりプリント基板を水平に搬送し、平行に配列されたスプレー管群でエッチング液をその表面にスプレーする方法が採用されている。そしてプリント基板の片面をエッチングする場合は、搬送されるプリント基板の上方または下方のいずれかにエッチング液のスプレー管群を配列する。また、両面を同時にエッチングする場合は上方および下方の両方にスプレー管群を配列する。
【0003】
このようなエッチング方法において、水平に搬送されるプリント基板の上方におけるスプレー管群の各ノズルよりスプレーされたエッチング液は、プリント基板の上表面を流れて周辺部から下方へ流下するが、その際プリント基板の上表面の中央部は周辺部よりエッチング液の滞留を生じやすいので、スプレーされたエッチング液が反応面に作用しにくいものである。そのためプリント基板の中央部におけるエッチング速度が周辺部より低下し、均一なエッチングを行うことが困難になり、それがプリント基板のファイン化を妨げる大きな原因になっているのである。
【0004】
この問題を解決するため、プリント基板に衝突するエッチング液の接触圧力を均一にするのではなく、その搬送方向に対して直角方向の周辺部より中間部に衝突するエッチング液の圧力を高くし、プリント基板の中間部から周辺部へのエッチング液の流れを円滑にする方法が知られている。そしてそれを実現する装置の1例として、プリント基板の搬送方向と直角方向に並んだ各スプレーのノズル長を列の両端側より中間部を大とするように構成し、中間部のスプレー管のノズルをプリント基板の上表面に近づけ、プリント基板の中間部に衝突するエッチング液の接触圧力を周辺部より高くする方法が知られている。
【0005】
しかしながら、プリント基板の搬送方法に対して直角方向の中間部に衝突するエッチング液の接触圧力を周辺部よる大きくするだけでは、プリント基板の搬送方向に対して直角方向の不均一なエッチング現象は制御できるが、プリント基板の搬送方向に不均一なエッチング現象を解決するまでには至らない。
【0006】
これを解消すべく、帯状の基板接続用テープで基板の縁部同士を連結しエッチングおよびレジスト除去をするエッチングの方法が特願2001−019596号、同2002−156023号、同2002−162416号等に提案されている。この方法によると、プリント基板上面のエッチング液のほとんどが搬送方向に対して直角方向に流下するため、搬送方向に不均一なエッチング現象が明らかに抑制できた。
【0007】
基板接続用テープを基板の縁部に貼り付ける方法としては、同様に、特願2001−019596号、同2002−156023号、同2002−162416号等に記載されている。つまり、基板が基板連結部中に搬入される前に基板が順に押し詰められ、搬送方向の端が互いに接した状態で基板連結部内に通過し、そして図9に示したように、隣接する基板の縁部の全域に帯状の接続用テープが貼り付けられて基板が連結する。
【0008】
しかし、図9のように基板接続用テープを基板の搬送方向の縁部の全域に貼り付けた場合では、基板接続用テープの消費量が多くなるだけでなく、基板接続用テープの面積が大きいため、基板に対して略平行に貼り付ければ最良であるが、基板に対して貼り付ける角度が少しでも生じると、回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶってしまう。このような問題があり、回路パターンが形成される領域に対して接近して貼り付けなければならず、貼り付けが非常に困難である。また、機械的に基板接続用テープを貼り付ける際には、搬送中の基板の動作に合わせて貼り付けるため、搬送速度が大きい場合には、貼り付け領域に誤差を生じ、結果として、回路パターンが形成される領域に基板接続用テープが貼付され、その部分に欠陥が生じる問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複数の基板をエッチングする方法において、基板接続用テープによって隣り合う各基板の縁部を連結する際に、基板接続用テープの貼り付け誤差を解消し、基板接続用テープの回路パターン上への貼付を解消することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決する本発明の基板のエッチング方法は、搬送手段で水平に搬送される複数の基板をエッチングする方法において、隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結する基板のエッチング方法である。
【0011】
この方法によって、基板接続用テープの消費量が減少しコスト的に有利になる他、自動で貼り付ける際に、装置が簡便となり、また貼り付け誤差が生じ基板接続用テープに多少の角度が生じても、誤差によってずれた面積は、図9のように基板の搬送方向の縁部の全域渡って貼り付けた場合に比べて小さい。また、基板接続用テープが貼り付けられる領域の搬送方向の領域は、回路パターンが形成される領域以外であるため、基板搬送速度が大きく搬送方向に貼り付けの誤差が生じても、結果として、回路パターンが形成される領域には基板接続用テープが貼付されず欠陥品は生じない。
【0012】
また、搬送手段で水平に搬送される複数の基板をエッチングする方法において、エッチングの直前の工程にて隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結し、その連結された状態の各基板を搬送手段により搬送しながら少なくともエッチングおよびレジスト除去を行い、レジスト除去で基板接続用テープを除去して各基板を分離する基板のエッチング方法によっては、レジスト除去部を連続して有するエッチングのラインを使用して、基板接続用テープを除去する手段としてレジスト除去が適用でき、高スループットとなり好適である。
【0013】
また、基板接続用テープが貼り付く基板上の領域を、基板の搬送方向に対する直角方向の端から10mm以上設けることで、エッチングの搬送速度が速くても切断しない十分な強度を保持でき好適である。
【0014】
また、基板接続用テープが貼り付く基板上の領域を、基板の搬送方向の端から10mm以上設けることによって、接着不良が生じにくく、エッチングの搬送速度が速くても基板接続用テープが剥がれない十分な接着強度を有するため好適である。
【0015】
また、基板接続用テープを基板の搬送方向の端からもう一方に端に渡って貼り付けることで、基板接続用テープを各基板ごとに切断せずに貼り付けることが可能となり、テープを貼り付ける装置が簡略化でき好適である。
【0016】
また、基板接続用テープを基板の表裏面に貼り付けることによって、強度が増すため好適である。
【0017】
また、基板接続用テープを基板の片面に貼り付けることによっても、強度的に表裏面に貼り付ける必要がない条件に於いては、コスト的に有利であり、貼り付けが容易となるので好適である。
【0018】
また、基板接続用テープを基板の表と裏にまたがって貼り付けることで、基板の側部も支持するため強度が増す他、基板の表裏の貼り付け位置の誤差が発生しないため好適である。
【0019】
基板接続用テープを基板に貼り付ける際には多少の誤差が生じるため、基板接続用テープを基板に貼り付けた際に、搬送方向に対する直角方向の端から基板接続用テープが外側にはみ出して貼り付けられるが、エッチング等の性能を損なうおそれがないため良好なエッチングが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の基板のエッチング方法について詳細に説明する。
【0021】
図1および図2は、隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープ1を貼り付けて基板を互いに連結した状態を上からみた概念図である。1は基板接続用テープ、4は基板、21は位置情報の領域、22は製品情報の領域、点線内の領域23は回路パターンが形成される領域であり、大きな矢印は搬送方向である。なお、図2〜9における矢印も同様に基板4の搬送方向を表す。本発明においては、図1または図2に示したとおり、隣り合う各基板4の搬送方向の縁部の両端に基板接続用テープ1を貼り付けて基板4を互いに連結する。基板接続用テープ1はエッチングレジストとしてはたらくため、基板接続用テープ1が貼り付けられた領域は、最終的にべた画像となる。そのため、図1に示すように、基板接続用テープ1が回路パターンが形成される領域23にかぶらないように貼り付ける必要がある。同様に、位置情報の領域21や製品情報の領域22にもテープがかぶらないようにすることが好ましい。図1に示すように、基板4の搬送方向に対する直角方向の端の内側に貼り付けてもよく、また図2に示すように基板4の搬送方向に対する直角方向の端の外側にはみ出して貼り付けてもよい。本発明に係わる、余白部分とは、回路パターンが形成される領域以外の領域のことをいう。
【0022】
図1または図2におけるL1は、基板接続用テープ1が貼り付く基板4上の領域の基板4の搬送方向に対する直角方向の端からの長さである。エッチングの搬送速度、液温、スプレー圧、搬送距離等の条件を、一般的な12〜35μmの銅箔を処理するような条件よりも負荷が大きいエッチング条件で処理した場合においては、L1が10mm以上であることで、基板接続用テープ1が切断しにくくなる。L1が10mmより小さい場合であっても、一般的な12〜35μmの銅箔を処理するエッチング条件であれば、基板接続用テープ1の切断は生じず、精度の良いエッチングが実施できる。
【0023】
図1または図2に於けるL2は、基板4の搬送方向の端からの長さである。L2が10mm以上であることで、基板接続用テープ1を基板4に貼り付ける面積が当然大きくなるので、接着不良が生じにくくなる。また、一般的な12〜35μmの銅箔を処理するような条件よりも負荷が大きいエッチング条件で処理した場合においては、L2が10mm以上であることで、基板接続用テープ1が基板4から剥がれにくくなる。L2が10mmより小さい場合であっても、加圧してしっかり貼り付けることで、一般的な12〜35μmの銅箔を処理するエッチング条件であって、基板4に通常の粗面化処理が施してあれば、基板接続用テープ1の剥がれが生じず、精度の良いエッチングが実施できる。
【0024】
L1、L2の距離は、基板接続用テープ1の使用量や貼り付けの手間がゆるす限り、回路パターンが形成される領域23と位置情報の領域21と製品情報の領域22にかぶらないようにする範囲内でできるだけ長くすることがより強いエッチング部の応力に耐える上で好ましい。
【0025】
図3は、基板接続用テープ1を基板4の搬送方向の端からもう一方の端に渡って貼り付け、基板4を互いに連結した状態を上からみた概念図である。図3(a)に示すように、基板接続用テープ1が回路パターンが形成される領域23にかぶらないように、一連の基板接続用テープ1で連続的に貼り付ける。このように貼り付けることによって、基板接続用テープ1を各基板4ごとに切断しなくて済むため、貼り付け装置が簡易となる。また、図3(b)に示すように片側のみ一連の基板接続用テープ1を貼り付け、もう片側に切断した基板接続用テープ1を貼り付けても、基板4の連続体を形成するのに十分な強度であって、図3(a)の場合と比較して基板4の製品とならずに最終的に廃棄する領域が小さくなるため良い。
【0026】
図4は、基板接続用テープ1を表裏面に貼り付けた断面図である。基板接続用テープ1を基板4の表裏面に貼り付けることで、片面に貼り付ける場合に比べて強度が増すため好適である。図4(a)は切断した基板接続用テープ1を表裏面に貼り付けた断面図であり、図4(b)は一連の基板接続用テープ1を表裏面に貼り付けた断面図である。
【0027】
また、基板接続用テープ1を基板4の片面に貼り付けることによっても、強度的に表裏面に貼り付ける必要がない場合に於いては、コスト的に有利であり、貼り付けが容易となるので好適である。図5(a)は切断した基板接続用テープ1を片面に貼り付けた断面図であり、図5(b)は一連の基板接続用テープ1を片面に貼り付けた断面図である。
【0028】
図6に基板接続用テープ1を、基板4の表と裏にまたがって貼り付けた状態の断面図を示した。図6は、紙面の垂直方向が基板4の搬送方向である。基板接続用テープ1を基板搬送方向を折り目として折り曲げて、基板4を基板接続用テープ1の間に挟んで貼り付けることで、接続強度が増し好適に使用できる。基板接続用テープ1は、切断したものでも、一連のものでも良い。
【0029】
図7(a)、図7(b)に示したように、表裏面に片面づつ交互に貼り付けたり、片面に一連の基板接続用テープ1を貼り付け、もう片面側に切断した基板接続用テープ1を一つおきに貼り付けるような貼り付け方をしてもよい。図3(b)や図7の例のように、一連の基板接続用テープ1や切断した基板接続用テープ1を使用して、表裏面、片面、基板4の表裏面にまたがった貼り付け方を組み合わせて貼り付ける方法が選択できる。これは、エッチング部の引っ張り応力、装置の貼り付けるスペース、基板4上の余白部分の位置や面積、基板接続用テープ1の使用量等を考えて、適当な貼り付け方を選択できる。
【0030】
次に、本発明に係わる基板接続用テープ1について説明する。本発明に係わる基板接続用テープ1は、例えば、使用するエッチング液噴出圧力や搬送中の引っ張り応力によって切断せず、エッチング終了後にレジスト除去液で除去できる基板接続用テープを適用できる。具体的には、ネガ型のレジストフィルム、ポジ型のレジストフィルム、不織布にアルカリ可溶性樹脂を含浸させたテープ、金属層と粘着性樹脂の2層からなるテープ、金属層とレジストフィルムの2層からなるテープ、硬化したドライフィルムと未硬化のドライフィルムの2層からなるテープ、金属層と硬化したドライフィルムと未硬化のドライフィルムの3層からなるテープ、金属層と硬化したドライフィルムと粘着性樹脂の3層からなるテープ、等が挙げられ、これらは、特願2002−156023号、同2002−162416号等に記載されている。また、市販しているセロハンテープ、マスキングテープ、ポリテトラフルオロエチレンテープ、ガムテープ、銅テープ、アルミテープ、等が挙げられるが、レジスト除去で溶解しないため、これを用いるとエッチング後に基板を切断するか、強力な薬剤を使用する等の対処が必要となる。本発明に係わる基板接続用テープ1は、基板4を接続することが可能であれば特に限定されず、その主旨を越えない限りどのようなものを使用してもよい。
【0031】
次に、本発明のエッチング方法を実施する工程を、図8に示したプロセスフロー図で説明する。なお、この例はプリント基板の表裏面に導体パターンの形成を行うものである。
【0032】
図8において、5は基板4に一連の各処理を施すべく基板4を水平方向に搬送する搬送手段、6は搬送される基板4相互をそれらの縁部同士で連結する基板連結部6で、現像部8で現像された後に基板4相互を連結するようにしてある。基板連結部6によって連結された後に、エッチング部9にてエッチング処理が行われ、その水洗後に、レジスト除去部10によってレジスト除去が行われるのである。なお、図には示していないが、基板連結部6を現像部8の前の工程にしても、基板接続用テープ1が現像液に対して溶解しないため、基板搬送速度が現像部8とエッチング部9が同一となること以外は特に問題ない。
【0033】
エンドレスに構成されたローラコンベア等の搬送手段5は、その上面に複数の基板4を連続的に矢印の方向に向かって水平に搬送する。接続前の各基板4は露光部7で露光され、現像部8で基板4上にレジストパターンが形成される。次いで、基板4は基板連結部6中に搬送される前または途中において順に押し詰められ、そして基板連結部6を通過する間に隣接する基板4の搬送方向の両縁部間に基板接続用テープ1が、基板の搬送方向の縁部の両端に、例えば図1〜7のように貼り付けられ、基板4が連結されて細長い連続体を形成する。
【0034】
このように接続された各基板4は、接続された状態でエッチング部9に搬送され、そこでレジストパターンの存在しない部分がエッチング液で除去される。エッチング液は上下に平行に配列されたスプレー管群12のノズルから基板4の表裏面にスプレーされ、スプレーされたエッチング液は液溜めに落下し、ポンプでスプレー管群12に循環される。塩化第二鉄、塩化第二銅などのエッチング液が一般的に使用される。
【0035】
エッチング部9でエッチングされた各基板4は、次のレジスト除去部10に進む。レジスト除去部10に進んだ基板4は、レジスト除去液で上下からスプレーされ、不要となったレジストパターンが除去されると共にレジスト除去液に溶解する性質である場合では基板接続用テープ1が除去される。基板接続用テープ1がレジスト除去液に溶解しない場合には、レジスト除去部10が終了したのち、基板4ごと切断されるか物理的に除去される。レジスト除去部10の上下には、スプレー管群13が平行に配列され、それらのノズルから基板4の表裏面にレジスト除去液がスプレーされる。スプレーされたレジスト除去液は下方に設けられた液溜めに落下し、ポンプを設けた循環配管でスプレー管群13に循環される。レジスト除去液は一般的に市販されているレジスト除去液を使用するか、2〜3質量%水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液を30〜60℃に加温して使用する。
【0036】
本発明に係わる基板4とは、プリント基板またはリードフレーム用基板が挙げられる。プリント基板であれば、フレキシブル基板、リジッド基板に分類され、フレキシブル基板は通常がポリエステルやポリイミドが絶縁材料として用いられ、その他にもアラミド、ポリエステル−エポキシベースが用いられている。フレキシブル基板の絶縁層の厚さは13μm〜125μm程度で、その両面もしくは片面に1〜35μm程度の銅箔が設けられており、非常に可撓性があるためエッチングの際にたわみが多く、本発明のエッチング方法が好適に使用される。また、リジッド基板であったら、紙基材またはガラス基材にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を必要枚数重ね、その片面もしくは両面に金属箔を載せ、加熱、加圧して積層されたものが挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、またスルーホールやビアホールを有する多層板も挙げられる。厚さは60μmから3.2mm程度であり、プリント基板としての最終使用形態により、その材質と厚さが選定される。これらプリント基板は、例えば「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、日刊工業新聞社発刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット編、(株)近代化学社発刊)に記載されているものを使用することができる。リードフレーム用基板であれば、銅、鉄、クロム、亜鉛、スズ等からなる合金板等が挙げられる。
【0037】
【実施例】
以下本発明を実施例により詳説するが、本発明はその主旨を超えない限り、下記実施例に限定されるものではない。
【0038】
実施例1
18μm銅箔((株)日鉱マテリアルズ製)に、保護フィルムを剥離したレジストフィルム(日立化成工業(株)製、38μm厚)を貼り付け、紫外線を照射して、レジストフィルムを硬化させ、マイラーフィルムを剥離した。次に、再び保護フィルムを剥離したレジストフィルム(日立化成工業(株)製、38μm厚)を、上記の硬化したレジストフィルム層に貼り付け、マイラーフィルムを剥離して基板接続用テープを作製し、3mm×40mm、6mm×20mm、6mm×40mm、12mm×20mm、10mm×40mm、20mm×20mm、14mm×40mm、28mm×20mmのサイズに切断したものを複数枚用意した。
【0039】
一方、複数の両面銅張積層板(面積340mm×510mm、基材厚み0.2mm、銅箔厚18μm)にそれぞれレジストフィルムをラミネートし、回路パターン等の露光を実施した。次に、マイラーフィルムを剥離したのち、アルカリ現像を実施して、レジストパターンを形成した。
【0040】
このようにレジストパターン形成した基板を510mm側が隣合うように隣接して、上記で作製した基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の両端の表裏に図1および図4(a)のように貼り付けた。このとき、表1に従い貼り付ける領域の違いにより8通りの貼り付け条件を実施した。なお、L1およびL2は図1または図2に示したように、L1は基板接続用テープが貼り付く基板の領域の基板の搬送方向に対する直角方向の端からの長さであり、L2は基板の搬送方向の端からの長さである。貼り付けの際、搬送速度が0.5m/minの速度の基板に貼り付けを行ったが、貼り付ける基板接続用テープの面積は基板に対して極めて小さいこと、図2に示すように、基板の端から基板接続用テープがはみ出しても良いこと、また基板の搬送方向の縁部の両端には余白部分が搬送方向につながって存在すること等より、貼り付ける際に1〜2mm程度のずれが生じたが回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶらなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
次に、塩化第二鉄溶液(液温度:40℃、スプレー圧:3.0kg/cm2)にて搬送距離6m、搬送速度2.2m/minの条件にてエッチングを行った。エッチングを終了しても、すべての場合において基板接続用テープの切断および基板のジャムはみられなかった。次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液によってレジスト除去を施すことによって基板接続用テープを除去し良好な回路パターンを得ることができた。
【0043】
実施例2
両面銅張積層板(面積340mm×510mm、基材厚み0.2mm、銅箔厚18μm)に実施例1で用意した基板接続用テープを表1のように、貼り付ける領域の違う8通りの貼り付け方をして、塩化第二鉄溶液(液温度:45℃、スプレー圧:3.0kg/cm2)にて搬送距離6mの条件において、基板の搬送速度を変えてエッチングを施し、基板が隣りの基板と重なりあってしまうようなジャムや、基板接続用テープが切断してしまうような問題が発生する搬送速度を調べた結果、表2に示すような結果となった。
【0044】
【表2】
【0045】
表2の結果、すべての場合において、2.8m/minより小さい値の条件ではエッチング処理が可能であることが分かったが、その中でも、条件(5)〜(8)の結果から分かるように、L1かつL2の距離が10mm以上であると、搬送速度を3.8m/minとしても問題が起こらないのに比べて、条件(1)〜(4)の結果より、L1またはL2の距離が10mmより小さいと、搬送速度を3.0m/minより大きくすることでジャムまたは基板接続用テープの切断が起こった。結果として、L1またはL2の距離が10mmより小さいと、基板の銅箔やエッチングの条件等が限定される範囲が非常に狭くなる。よって、L1、L2の長さは10mm以上にすることがより好ましい。
【0046】
実施例3
実施例1と同様にして、18μm銅箔((株)日鉱マテリアルズ製)に、保護フィルムを剥離したレジストフィルム(日立化成工業(株)製、38μm厚)を貼り付け、紫外線を照射して、レジストフィルムを硬化させ、マイラーフィルムを剥離した。次に、再び保護フィルムを剥離したレジストフィルム(日立化成工業(株)製、38μm厚)を、上記の硬化したレジストフィルム層に貼り付け、マイラーフィルムを剥離して基板接続用テープを作製し、スリットを行い10mm幅で一連の基板接続用テープを用意した。
【0047】
一方、両面銅張積層板(面積340mm×510mm、基材厚み0.2mm、銅箔厚18μm)にレジストフィルムをラミネートし、回路パターンの露光を実施した。次に、マイラーフィルムを剥離したのち、アルカリ現像を実施して、レジストパターンを形成した。
【0048】
レジストパターン形成後の基板を510mm側が隣合うように隣接して、上記で作製した基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の両端の表裏に図3(a)および図4(b)のように貼り付けた。基板の端から基板接続用テープがはみ出しても良いこと、また基板の搬送方向の縁部の両端には余白部分が搬送方向につながって存在すること等より、1〜2mm程度の貼り付けづれが生じたが回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶらなかった。
【0049】
次に、塩化第二鉄溶液(液温度:40℃、スプレー圧:3.0kg/cm2)にてエッチング処理を搬送距離6m、搬送速度2.2m/minの条件にて行った。エッチング処理を終了しても、基板接続用テープの切断および基板のジャムはみられなかった。次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液によってレジスト除去を施すことによって基板接続用テープを除去し良好な回路パターンを得ることができた。
【0050】
実施例4
実施例1、3と同様にして14×20mmのサイズの基板接続用テープおよび10mm幅で一連の基板接続用テープを用意した。さらに、銅箔厚が12μmの銅張積層板を用いたこと以外は実施例1と同様にレジストパターンを形成した銅張積層板を用意した。その基板を510mm側が隣合うように隣接して、14×20mmのサイズの基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の両端の片面に図1、図2または図5(a)のように貼り付けた。また、同様にして、10mm幅で一連の基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の両端の片面に図3(a)および図5(b)のように貼り付けた。実施例1と同様に、貼り付ける基板接続用テープの面積は基板に対して極めて小さいこと、図2に示すように、基板の端から基板接続用テープがはみ出しても良いこと、また基板の搬送方向の縁部の両端には余白部分が搬送方向につながって存在すること等より、貼り付ける際に1〜2mm程度づれが生じたが回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶらなかった。
【0051】
次に、塩化第二鉄溶液(液温度:40℃、スプレー圧:2.8kg/cm2)にてエッチング処理を搬送距離4.5m、搬送速度2.2m/minの条件にて行った。エッチング処理を終了しても、双方とも基板接続用テープの切断および基板のジャムはみられなかった。次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液によってレジスト除去を施すことによって基板接続用テープを除去し、双方とも良好な回路パターンを得ることができた。
【0052】
実施例5
実施例1と同様にして30mm×20mmのサイズの基板接続用テープを用意した。また、実施例1と同様にレジストパターンを形成した銅張積層板を用意した。次に、基板接続用テープを30mm幅の方向で面積が半分になるように折り曲げ、基板搬送方向の縁部の両端に基板接続用テープの折り目が基板の側面になるようにして表裏にまたがって基板接続用テープを基板に貼り付けることによって基板を接続した。実施例1と同様に、貼り付ける基板接続用テープの面積は基板に対して極めて小さいこと、基板の端から基板接続用テープがはみ出しても良いこと、また基板の搬送方向の縁部の両端には余白部分が搬送方向につながって存在すること等より、貼り付ける際に1〜2mm程度づれが生じたが回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶらなかった。
【0053】
次に、塩化第二鉄溶液(液温度:40℃、スプレー圧:3.0kg/cm2)にてエッチング処理を搬送距離6m、搬送速度2.2m/minの条件にて行った。エッチング処理を終了しても、基板接続用テープの切断および基板のジャムはみられなかった。次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液によってレジスト除去を施すことによって基板接続用テープを除去し良好な回路パターンを得ることができた。
【0054】
比較例1
実施例1と同様にして基板接続用テープを作製し、30mm×510mmの面積の帯状に切断したものを用意した。また、実施例1と同様にレジストパターンを形成した銅張積層板を用意した。
【0055】
レジストパターンを形成した基板を510mm側が隣合うように隣接して、30mm×510mmのサイズの基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の表裏に図9のように貼り付けた。この際、搬送速度が0.5m/minの基板に貼り付けを行ったが、基板接続用テープの510mmの辺が基板の搬送方向の辺に対して約1〜2度傾いただけでも、基板接続用テープのズレが約9〜18mmにもおよび、また、貼り付ける場所から搬送方向には回路パターン形成領域があるため、結果として回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶってしまう問題が発生した。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の基板のエッチング方法によって、基板接続用テープによって隣り合う各基板の縁部を連結する際に、搬送方向の縁部の両端に基板接続用テープを貼り付けることで、貼り付けの誤差を解消し、基板接続用テープの回路パターン上への貼付を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結した状態を上からみた概念図。
【図2】隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結した状態を上からみた概念図。
【図3】基板接続用テープを基板の搬送方向の端からもう一方の端に渡って貼り付け、基板を互いに連結した状態を上からみた概念図。
【図4】基板接続用テープを表裏面に貼り付けた断面図。
【図5】基板接続用テープを片面に貼り付けた断面図。
【図6】基板接続用テープを基板の表と裏にまたがって貼り付けた断面図。
【図7】基板接続用テープの貼り付け方を組み合わせた例の断面図。
【図8】本発明のエッチング方法を実施するプロセスフロー図。
【図9】基板接続用テープを基板の搬送方向の縁部の全域に貼り付け、基板を互いに連結した状態を上からみた概念図。
【符号の説明】
1 基板接続用テープ
4 基板
5 搬送手段
6 基板連結部
7 露光部
8 現像部
9 エッチング部
10 レジスト除去部
11 転写ローラ
12、13 スプレー管群
21 位置情報の領域
22 製品情報の領域
23 回路パターンが形成される領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板やリードフレーム等に用いられる基板のエッチング方法に関し、特に搬送手段により搬送される複数の基板の上面側を均一にエッチングすることができるエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数のプリント基板を連続的に効率よくエッチングする方法として、例えばローラコンベア等の搬送手段によりプリント基板を水平に搬送し、平行に配列されたスプレー管群でエッチング液をその表面にスプレーする方法が採用されている。そしてプリント基板の片面をエッチングする場合は、搬送されるプリント基板の上方または下方のいずれかにエッチング液のスプレー管群を配列する。また、両面を同時にエッチングする場合は上方および下方の両方にスプレー管群を配列する。
【0003】
このようなエッチング方法において、水平に搬送されるプリント基板の上方におけるスプレー管群の各ノズルよりスプレーされたエッチング液は、プリント基板の上表面を流れて周辺部から下方へ流下するが、その際プリント基板の上表面の中央部は周辺部よりエッチング液の滞留を生じやすいので、スプレーされたエッチング液が反応面に作用しにくいものである。そのためプリント基板の中央部におけるエッチング速度が周辺部より低下し、均一なエッチングを行うことが困難になり、それがプリント基板のファイン化を妨げる大きな原因になっているのである。
【0004】
この問題を解決するため、プリント基板に衝突するエッチング液の接触圧力を均一にするのではなく、その搬送方向に対して直角方向の周辺部より中間部に衝突するエッチング液の圧力を高くし、プリント基板の中間部から周辺部へのエッチング液の流れを円滑にする方法が知られている。そしてそれを実現する装置の1例として、プリント基板の搬送方向と直角方向に並んだ各スプレーのノズル長を列の両端側より中間部を大とするように構成し、中間部のスプレー管のノズルをプリント基板の上表面に近づけ、プリント基板の中間部に衝突するエッチング液の接触圧力を周辺部より高くする方法が知られている。
【0005】
しかしながら、プリント基板の搬送方法に対して直角方向の中間部に衝突するエッチング液の接触圧力を周辺部よる大きくするだけでは、プリント基板の搬送方向に対して直角方向の不均一なエッチング現象は制御できるが、プリント基板の搬送方向に不均一なエッチング現象を解決するまでには至らない。
【0006】
これを解消すべく、帯状の基板接続用テープで基板の縁部同士を連結しエッチングおよびレジスト除去をするエッチングの方法が特願2001−019596号、同2002−156023号、同2002−162416号等に提案されている。この方法によると、プリント基板上面のエッチング液のほとんどが搬送方向に対して直角方向に流下するため、搬送方向に不均一なエッチング現象が明らかに抑制できた。
【0007】
基板接続用テープを基板の縁部に貼り付ける方法としては、同様に、特願2001−019596号、同2002−156023号、同2002−162416号等に記載されている。つまり、基板が基板連結部中に搬入される前に基板が順に押し詰められ、搬送方向の端が互いに接した状態で基板連結部内に通過し、そして図9に示したように、隣接する基板の縁部の全域に帯状の接続用テープが貼り付けられて基板が連結する。
【0008】
しかし、図9のように基板接続用テープを基板の搬送方向の縁部の全域に貼り付けた場合では、基板接続用テープの消費量が多くなるだけでなく、基板接続用テープの面積が大きいため、基板に対して略平行に貼り付ければ最良であるが、基板に対して貼り付ける角度が少しでも生じると、回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶってしまう。このような問題があり、回路パターンが形成される領域に対して接近して貼り付けなければならず、貼り付けが非常に困難である。また、機械的に基板接続用テープを貼り付ける際には、搬送中の基板の動作に合わせて貼り付けるため、搬送速度が大きい場合には、貼り付け領域に誤差を生じ、結果として、回路パターンが形成される領域に基板接続用テープが貼付され、その部分に欠陥が生じる問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複数の基板をエッチングする方法において、基板接続用テープによって隣り合う各基板の縁部を連結する際に、基板接続用テープの貼り付け誤差を解消し、基板接続用テープの回路パターン上への貼付を解消することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決する本発明の基板のエッチング方法は、搬送手段で水平に搬送される複数の基板をエッチングする方法において、隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結する基板のエッチング方法である。
【0011】
この方法によって、基板接続用テープの消費量が減少しコスト的に有利になる他、自動で貼り付ける際に、装置が簡便となり、また貼り付け誤差が生じ基板接続用テープに多少の角度が生じても、誤差によってずれた面積は、図9のように基板の搬送方向の縁部の全域渡って貼り付けた場合に比べて小さい。また、基板接続用テープが貼り付けられる領域の搬送方向の領域は、回路パターンが形成される領域以外であるため、基板搬送速度が大きく搬送方向に貼り付けの誤差が生じても、結果として、回路パターンが形成される領域には基板接続用テープが貼付されず欠陥品は生じない。
【0012】
また、搬送手段で水平に搬送される複数の基板をエッチングする方法において、エッチングの直前の工程にて隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結し、その連結された状態の各基板を搬送手段により搬送しながら少なくともエッチングおよびレジスト除去を行い、レジスト除去で基板接続用テープを除去して各基板を分離する基板のエッチング方法によっては、レジスト除去部を連続して有するエッチングのラインを使用して、基板接続用テープを除去する手段としてレジスト除去が適用でき、高スループットとなり好適である。
【0013】
また、基板接続用テープが貼り付く基板上の領域を、基板の搬送方向に対する直角方向の端から10mm以上設けることで、エッチングの搬送速度が速くても切断しない十分な強度を保持でき好適である。
【0014】
また、基板接続用テープが貼り付く基板上の領域を、基板の搬送方向の端から10mm以上設けることによって、接着不良が生じにくく、エッチングの搬送速度が速くても基板接続用テープが剥がれない十分な接着強度を有するため好適である。
【0015】
また、基板接続用テープを基板の搬送方向の端からもう一方に端に渡って貼り付けることで、基板接続用テープを各基板ごとに切断せずに貼り付けることが可能となり、テープを貼り付ける装置が簡略化でき好適である。
【0016】
また、基板接続用テープを基板の表裏面に貼り付けることによって、強度が増すため好適である。
【0017】
また、基板接続用テープを基板の片面に貼り付けることによっても、強度的に表裏面に貼り付ける必要がない条件に於いては、コスト的に有利であり、貼り付けが容易となるので好適である。
【0018】
また、基板接続用テープを基板の表と裏にまたがって貼り付けることで、基板の側部も支持するため強度が増す他、基板の表裏の貼り付け位置の誤差が発生しないため好適である。
【0019】
基板接続用テープを基板に貼り付ける際には多少の誤差が生じるため、基板接続用テープを基板に貼り付けた際に、搬送方向に対する直角方向の端から基板接続用テープが外側にはみ出して貼り付けられるが、エッチング等の性能を損なうおそれがないため良好なエッチングが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の基板のエッチング方法について詳細に説明する。
【0021】
図1および図2は、隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープ1を貼り付けて基板を互いに連結した状態を上からみた概念図である。1は基板接続用テープ、4は基板、21は位置情報の領域、22は製品情報の領域、点線内の領域23は回路パターンが形成される領域であり、大きな矢印は搬送方向である。なお、図2〜9における矢印も同様に基板4の搬送方向を表す。本発明においては、図1または図2に示したとおり、隣り合う各基板4の搬送方向の縁部の両端に基板接続用テープ1を貼り付けて基板4を互いに連結する。基板接続用テープ1はエッチングレジストとしてはたらくため、基板接続用テープ1が貼り付けられた領域は、最終的にべた画像となる。そのため、図1に示すように、基板接続用テープ1が回路パターンが形成される領域23にかぶらないように貼り付ける必要がある。同様に、位置情報の領域21や製品情報の領域22にもテープがかぶらないようにすることが好ましい。図1に示すように、基板4の搬送方向に対する直角方向の端の内側に貼り付けてもよく、また図2に示すように基板4の搬送方向に対する直角方向の端の外側にはみ出して貼り付けてもよい。本発明に係わる、余白部分とは、回路パターンが形成される領域以外の領域のことをいう。
【0022】
図1または図2におけるL1は、基板接続用テープ1が貼り付く基板4上の領域の基板4の搬送方向に対する直角方向の端からの長さである。エッチングの搬送速度、液温、スプレー圧、搬送距離等の条件を、一般的な12〜35μmの銅箔を処理するような条件よりも負荷が大きいエッチング条件で処理した場合においては、L1が10mm以上であることで、基板接続用テープ1が切断しにくくなる。L1が10mmより小さい場合であっても、一般的な12〜35μmの銅箔を処理するエッチング条件であれば、基板接続用テープ1の切断は生じず、精度の良いエッチングが実施できる。
【0023】
図1または図2に於けるL2は、基板4の搬送方向の端からの長さである。L2が10mm以上であることで、基板接続用テープ1を基板4に貼り付ける面積が当然大きくなるので、接着不良が生じにくくなる。また、一般的な12〜35μmの銅箔を処理するような条件よりも負荷が大きいエッチング条件で処理した場合においては、L2が10mm以上であることで、基板接続用テープ1が基板4から剥がれにくくなる。L2が10mmより小さい場合であっても、加圧してしっかり貼り付けることで、一般的な12〜35μmの銅箔を処理するエッチング条件であって、基板4に通常の粗面化処理が施してあれば、基板接続用テープ1の剥がれが生じず、精度の良いエッチングが実施できる。
【0024】
L1、L2の距離は、基板接続用テープ1の使用量や貼り付けの手間がゆるす限り、回路パターンが形成される領域23と位置情報の領域21と製品情報の領域22にかぶらないようにする範囲内でできるだけ長くすることがより強いエッチング部の応力に耐える上で好ましい。
【0025】
図3は、基板接続用テープ1を基板4の搬送方向の端からもう一方の端に渡って貼り付け、基板4を互いに連結した状態を上からみた概念図である。図3(a)に示すように、基板接続用テープ1が回路パターンが形成される領域23にかぶらないように、一連の基板接続用テープ1で連続的に貼り付ける。このように貼り付けることによって、基板接続用テープ1を各基板4ごとに切断しなくて済むため、貼り付け装置が簡易となる。また、図3(b)に示すように片側のみ一連の基板接続用テープ1を貼り付け、もう片側に切断した基板接続用テープ1を貼り付けても、基板4の連続体を形成するのに十分な強度であって、図3(a)の場合と比較して基板4の製品とならずに最終的に廃棄する領域が小さくなるため良い。
【0026】
図4は、基板接続用テープ1を表裏面に貼り付けた断面図である。基板接続用テープ1を基板4の表裏面に貼り付けることで、片面に貼り付ける場合に比べて強度が増すため好適である。図4(a)は切断した基板接続用テープ1を表裏面に貼り付けた断面図であり、図4(b)は一連の基板接続用テープ1を表裏面に貼り付けた断面図である。
【0027】
また、基板接続用テープ1を基板4の片面に貼り付けることによっても、強度的に表裏面に貼り付ける必要がない場合に於いては、コスト的に有利であり、貼り付けが容易となるので好適である。図5(a)は切断した基板接続用テープ1を片面に貼り付けた断面図であり、図5(b)は一連の基板接続用テープ1を片面に貼り付けた断面図である。
【0028】
図6に基板接続用テープ1を、基板4の表と裏にまたがって貼り付けた状態の断面図を示した。図6は、紙面の垂直方向が基板4の搬送方向である。基板接続用テープ1を基板搬送方向を折り目として折り曲げて、基板4を基板接続用テープ1の間に挟んで貼り付けることで、接続強度が増し好適に使用できる。基板接続用テープ1は、切断したものでも、一連のものでも良い。
【0029】
図7(a)、図7(b)に示したように、表裏面に片面づつ交互に貼り付けたり、片面に一連の基板接続用テープ1を貼り付け、もう片面側に切断した基板接続用テープ1を一つおきに貼り付けるような貼り付け方をしてもよい。図3(b)や図7の例のように、一連の基板接続用テープ1や切断した基板接続用テープ1を使用して、表裏面、片面、基板4の表裏面にまたがった貼り付け方を組み合わせて貼り付ける方法が選択できる。これは、エッチング部の引っ張り応力、装置の貼り付けるスペース、基板4上の余白部分の位置や面積、基板接続用テープ1の使用量等を考えて、適当な貼り付け方を選択できる。
【0030】
次に、本発明に係わる基板接続用テープ1について説明する。本発明に係わる基板接続用テープ1は、例えば、使用するエッチング液噴出圧力や搬送中の引っ張り応力によって切断せず、エッチング終了後にレジスト除去液で除去できる基板接続用テープを適用できる。具体的には、ネガ型のレジストフィルム、ポジ型のレジストフィルム、不織布にアルカリ可溶性樹脂を含浸させたテープ、金属層と粘着性樹脂の2層からなるテープ、金属層とレジストフィルムの2層からなるテープ、硬化したドライフィルムと未硬化のドライフィルムの2層からなるテープ、金属層と硬化したドライフィルムと未硬化のドライフィルムの3層からなるテープ、金属層と硬化したドライフィルムと粘着性樹脂の3層からなるテープ、等が挙げられ、これらは、特願2002−156023号、同2002−162416号等に記載されている。また、市販しているセロハンテープ、マスキングテープ、ポリテトラフルオロエチレンテープ、ガムテープ、銅テープ、アルミテープ、等が挙げられるが、レジスト除去で溶解しないため、これを用いるとエッチング後に基板を切断するか、強力な薬剤を使用する等の対処が必要となる。本発明に係わる基板接続用テープ1は、基板4を接続することが可能であれば特に限定されず、その主旨を越えない限りどのようなものを使用してもよい。
【0031】
次に、本発明のエッチング方法を実施する工程を、図8に示したプロセスフロー図で説明する。なお、この例はプリント基板の表裏面に導体パターンの形成を行うものである。
【0032】
図8において、5は基板4に一連の各処理を施すべく基板4を水平方向に搬送する搬送手段、6は搬送される基板4相互をそれらの縁部同士で連結する基板連結部6で、現像部8で現像された後に基板4相互を連結するようにしてある。基板連結部6によって連結された後に、エッチング部9にてエッチング処理が行われ、その水洗後に、レジスト除去部10によってレジスト除去が行われるのである。なお、図には示していないが、基板連結部6を現像部8の前の工程にしても、基板接続用テープ1が現像液に対して溶解しないため、基板搬送速度が現像部8とエッチング部9が同一となること以外は特に問題ない。
【0033】
エンドレスに構成されたローラコンベア等の搬送手段5は、その上面に複数の基板4を連続的に矢印の方向に向かって水平に搬送する。接続前の各基板4は露光部7で露光され、現像部8で基板4上にレジストパターンが形成される。次いで、基板4は基板連結部6中に搬送される前または途中において順に押し詰められ、そして基板連結部6を通過する間に隣接する基板4の搬送方向の両縁部間に基板接続用テープ1が、基板の搬送方向の縁部の両端に、例えば図1〜7のように貼り付けられ、基板4が連結されて細長い連続体を形成する。
【0034】
このように接続された各基板4は、接続された状態でエッチング部9に搬送され、そこでレジストパターンの存在しない部分がエッチング液で除去される。エッチング液は上下に平行に配列されたスプレー管群12のノズルから基板4の表裏面にスプレーされ、スプレーされたエッチング液は液溜めに落下し、ポンプでスプレー管群12に循環される。塩化第二鉄、塩化第二銅などのエッチング液が一般的に使用される。
【0035】
エッチング部9でエッチングされた各基板4は、次のレジスト除去部10に進む。レジスト除去部10に進んだ基板4は、レジスト除去液で上下からスプレーされ、不要となったレジストパターンが除去されると共にレジスト除去液に溶解する性質である場合では基板接続用テープ1が除去される。基板接続用テープ1がレジスト除去液に溶解しない場合には、レジスト除去部10が終了したのち、基板4ごと切断されるか物理的に除去される。レジスト除去部10の上下には、スプレー管群13が平行に配列され、それらのノズルから基板4の表裏面にレジスト除去液がスプレーされる。スプレーされたレジスト除去液は下方に設けられた液溜めに落下し、ポンプを設けた循環配管でスプレー管群13に循環される。レジスト除去液は一般的に市販されているレジスト除去液を使用するか、2〜3質量%水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液を30〜60℃に加温して使用する。
【0036】
本発明に係わる基板4とは、プリント基板またはリードフレーム用基板が挙げられる。プリント基板であれば、フレキシブル基板、リジッド基板に分類され、フレキシブル基板は通常がポリエステルやポリイミドが絶縁材料として用いられ、その他にもアラミド、ポリエステル−エポキシベースが用いられている。フレキシブル基板の絶縁層の厚さは13μm〜125μm程度で、その両面もしくは片面に1〜35μm程度の銅箔が設けられており、非常に可撓性があるためエッチングの際にたわみが多く、本発明のエッチング方法が好適に使用される。また、リジッド基板であったら、紙基材またはガラス基材にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を必要枚数重ね、その片面もしくは両面に金属箔を載せ、加熱、加圧して積層されたものが挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、またスルーホールやビアホールを有する多層板も挙げられる。厚さは60μmから3.2mm程度であり、プリント基板としての最終使用形態により、その材質と厚さが選定される。これらプリント基板は、例えば「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、日刊工業新聞社発刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット編、(株)近代化学社発刊)に記載されているものを使用することができる。リードフレーム用基板であれば、銅、鉄、クロム、亜鉛、スズ等からなる合金板等が挙げられる。
【0037】
【実施例】
以下本発明を実施例により詳説するが、本発明はその主旨を超えない限り、下記実施例に限定されるものではない。
【0038】
実施例1
18μm銅箔((株)日鉱マテリアルズ製)に、保護フィルムを剥離したレジストフィルム(日立化成工業(株)製、38μm厚)を貼り付け、紫外線を照射して、レジストフィルムを硬化させ、マイラーフィルムを剥離した。次に、再び保護フィルムを剥離したレジストフィルム(日立化成工業(株)製、38μm厚)を、上記の硬化したレジストフィルム層に貼り付け、マイラーフィルムを剥離して基板接続用テープを作製し、3mm×40mm、6mm×20mm、6mm×40mm、12mm×20mm、10mm×40mm、20mm×20mm、14mm×40mm、28mm×20mmのサイズに切断したものを複数枚用意した。
【0039】
一方、複数の両面銅張積層板(面積340mm×510mm、基材厚み0.2mm、銅箔厚18μm)にそれぞれレジストフィルムをラミネートし、回路パターン等の露光を実施した。次に、マイラーフィルムを剥離したのち、アルカリ現像を実施して、レジストパターンを形成した。
【0040】
このようにレジストパターン形成した基板を510mm側が隣合うように隣接して、上記で作製した基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の両端の表裏に図1および図4(a)のように貼り付けた。このとき、表1に従い貼り付ける領域の違いにより8通りの貼り付け条件を実施した。なお、L1およびL2は図1または図2に示したように、L1は基板接続用テープが貼り付く基板の領域の基板の搬送方向に対する直角方向の端からの長さであり、L2は基板の搬送方向の端からの長さである。貼り付けの際、搬送速度が0.5m/minの速度の基板に貼り付けを行ったが、貼り付ける基板接続用テープの面積は基板に対して極めて小さいこと、図2に示すように、基板の端から基板接続用テープがはみ出しても良いこと、また基板の搬送方向の縁部の両端には余白部分が搬送方向につながって存在すること等より、貼り付ける際に1〜2mm程度のずれが生じたが回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶらなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
次に、塩化第二鉄溶液(液温度:40℃、スプレー圧:3.0kg/cm2)にて搬送距離6m、搬送速度2.2m/minの条件にてエッチングを行った。エッチングを終了しても、すべての場合において基板接続用テープの切断および基板のジャムはみられなかった。次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液によってレジスト除去を施すことによって基板接続用テープを除去し良好な回路パターンを得ることができた。
【0043】
実施例2
両面銅張積層板(面積340mm×510mm、基材厚み0.2mm、銅箔厚18μm)に実施例1で用意した基板接続用テープを表1のように、貼り付ける領域の違う8通りの貼り付け方をして、塩化第二鉄溶液(液温度:45℃、スプレー圧:3.0kg/cm2)にて搬送距離6mの条件において、基板の搬送速度を変えてエッチングを施し、基板が隣りの基板と重なりあってしまうようなジャムや、基板接続用テープが切断してしまうような問題が発生する搬送速度を調べた結果、表2に示すような結果となった。
【0044】
【表2】
【0045】
表2の結果、すべての場合において、2.8m/minより小さい値の条件ではエッチング処理が可能であることが分かったが、その中でも、条件(5)〜(8)の結果から分かるように、L1かつL2の距離が10mm以上であると、搬送速度を3.8m/minとしても問題が起こらないのに比べて、条件(1)〜(4)の結果より、L1またはL2の距離が10mmより小さいと、搬送速度を3.0m/minより大きくすることでジャムまたは基板接続用テープの切断が起こった。結果として、L1またはL2の距離が10mmより小さいと、基板の銅箔やエッチングの条件等が限定される範囲が非常に狭くなる。よって、L1、L2の長さは10mm以上にすることがより好ましい。
【0046】
実施例3
実施例1と同様にして、18μm銅箔((株)日鉱マテリアルズ製)に、保護フィルムを剥離したレジストフィルム(日立化成工業(株)製、38μm厚)を貼り付け、紫外線を照射して、レジストフィルムを硬化させ、マイラーフィルムを剥離した。次に、再び保護フィルムを剥離したレジストフィルム(日立化成工業(株)製、38μm厚)を、上記の硬化したレジストフィルム層に貼り付け、マイラーフィルムを剥離して基板接続用テープを作製し、スリットを行い10mm幅で一連の基板接続用テープを用意した。
【0047】
一方、両面銅張積層板(面積340mm×510mm、基材厚み0.2mm、銅箔厚18μm)にレジストフィルムをラミネートし、回路パターンの露光を実施した。次に、マイラーフィルムを剥離したのち、アルカリ現像を実施して、レジストパターンを形成した。
【0048】
レジストパターン形成後の基板を510mm側が隣合うように隣接して、上記で作製した基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の両端の表裏に図3(a)および図4(b)のように貼り付けた。基板の端から基板接続用テープがはみ出しても良いこと、また基板の搬送方向の縁部の両端には余白部分が搬送方向につながって存在すること等より、1〜2mm程度の貼り付けづれが生じたが回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶらなかった。
【0049】
次に、塩化第二鉄溶液(液温度:40℃、スプレー圧:3.0kg/cm2)にてエッチング処理を搬送距離6m、搬送速度2.2m/minの条件にて行った。エッチング処理を終了しても、基板接続用テープの切断および基板のジャムはみられなかった。次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液によってレジスト除去を施すことによって基板接続用テープを除去し良好な回路パターンを得ることができた。
【0050】
実施例4
実施例1、3と同様にして14×20mmのサイズの基板接続用テープおよび10mm幅で一連の基板接続用テープを用意した。さらに、銅箔厚が12μmの銅張積層板を用いたこと以外は実施例1と同様にレジストパターンを形成した銅張積層板を用意した。その基板を510mm側が隣合うように隣接して、14×20mmのサイズの基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の両端の片面に図1、図2または図5(a)のように貼り付けた。また、同様にして、10mm幅で一連の基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の両端の片面に図3(a)および図5(b)のように貼り付けた。実施例1と同様に、貼り付ける基板接続用テープの面積は基板に対して極めて小さいこと、図2に示すように、基板の端から基板接続用テープがはみ出しても良いこと、また基板の搬送方向の縁部の両端には余白部分が搬送方向につながって存在すること等より、貼り付ける際に1〜2mm程度づれが生じたが回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶらなかった。
【0051】
次に、塩化第二鉄溶液(液温度:40℃、スプレー圧:2.8kg/cm2)にてエッチング処理を搬送距離4.5m、搬送速度2.2m/minの条件にて行った。エッチング処理を終了しても、双方とも基板接続用テープの切断および基板のジャムはみられなかった。次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液によってレジスト除去を施すことによって基板接続用テープを除去し、双方とも良好な回路パターンを得ることができた。
【0052】
実施例5
実施例1と同様にして30mm×20mmのサイズの基板接続用テープを用意した。また、実施例1と同様にレジストパターンを形成した銅張積層板を用意した。次に、基板接続用テープを30mm幅の方向で面積が半分になるように折り曲げ、基板搬送方向の縁部の両端に基板接続用テープの折り目が基板の側面になるようにして表裏にまたがって基板接続用テープを基板に貼り付けることによって基板を接続した。実施例1と同様に、貼り付ける基板接続用テープの面積は基板に対して極めて小さいこと、基板の端から基板接続用テープがはみ出しても良いこと、また基板の搬送方向の縁部の両端には余白部分が搬送方向につながって存在すること等より、貼り付ける際に1〜2mm程度づれが生じたが回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶらなかった。
【0053】
次に、塩化第二鉄溶液(液温度:40℃、スプレー圧:3.0kg/cm2)にてエッチング処理を搬送距離6m、搬送速度2.2m/minの条件にて行った。エッチング処理を終了しても、基板接続用テープの切断および基板のジャムはみられなかった。次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液によってレジスト除去を施すことによって基板接続用テープを除去し良好な回路パターンを得ることができた。
【0054】
比較例1
実施例1と同様にして基板接続用テープを作製し、30mm×510mmの面積の帯状に切断したものを用意した。また、実施例1と同様にレジストパターンを形成した銅張積層板を用意した。
【0055】
レジストパターンを形成した基板を510mm側が隣合うように隣接して、30mm×510mmのサイズの基板接続用テープを、基板の搬送方向の縁部の表裏に図9のように貼り付けた。この際、搬送速度が0.5m/minの基板に貼り付けを行ったが、基板接続用テープの510mmの辺が基板の搬送方向の辺に対して約1〜2度傾いただけでも、基板接続用テープのズレが約9〜18mmにもおよび、また、貼り付ける場所から搬送方向には回路パターン形成領域があるため、結果として回路パターンが形成される領域に基板接続用テープがかぶってしまう問題が発生した。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の基板のエッチング方法によって、基板接続用テープによって隣り合う各基板の縁部を連結する際に、搬送方向の縁部の両端に基板接続用テープを貼り付けることで、貼り付けの誤差を解消し、基板接続用テープの回路パターン上への貼付を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結した状態を上からみた概念図。
【図2】隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結した状態を上からみた概念図。
【図3】基板接続用テープを基板の搬送方向の端からもう一方の端に渡って貼り付け、基板を互いに連結した状態を上からみた概念図。
【図4】基板接続用テープを表裏面に貼り付けた断面図。
【図5】基板接続用テープを片面に貼り付けた断面図。
【図6】基板接続用テープを基板の表と裏にまたがって貼り付けた断面図。
【図7】基板接続用テープの貼り付け方を組み合わせた例の断面図。
【図8】本発明のエッチング方法を実施するプロセスフロー図。
【図9】基板接続用テープを基板の搬送方向の縁部の全域に貼り付け、基板を互いに連結した状態を上からみた概念図。
【符号の説明】
1 基板接続用テープ
4 基板
5 搬送手段
6 基板連結部
7 露光部
8 現像部
9 エッチング部
10 レジスト除去部
11 転写ローラ
12、13 スプレー管群
21 位置情報の領域
22 製品情報の領域
23 回路パターンが形成される領域
Claims (9)
- 搬送手段で水平に搬送される複数の基板をエッチングする方法において、隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分のみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結することを特徴とする基板のエッチング方法。
- 搬送手段で水平に搬送される複数の基板をエッチングする方法において、エッチングの直前の工程にて隣り合う各基板の搬送方向に対する直角方向の縁部に位置する余白部分にのみ基板接続用テープを貼り付けて基板を互いに連結し、その連結された状態の各基板を搬送手段により搬送しながら少なくともエッチングおよびレジスト除去を行い、レジスト除去で基板接続用テープを除去して各基板を分離することを特徴とする基板のエッチング方法。
- 基板接続用テープが貼り付く基板上の領域を、基板の搬送方向に対する直角方向の端から10mm以上設けることを特徴とする、請求項1または2に記載の基板のエッチング方法。
- 基板接続用テープが貼り付く基板上の領域を、基板の搬送方向の端から10mm以上設けることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の基板のエッチング方法。
- 基板接続用テープを基板の搬送方向の端からもう一方の端に渡って貼り付けることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の基板のエッチング方法。
- 基板接続用テープを基板の表裏面に貼り付けることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の基板のエッチング方法。
- 基板接続用テープを基板の片面のみに貼り付けることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の基板のエッチング方法。
- 基板接続用テープを基板の表と裏にまたがって貼り付けることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の基板のエッチング方法。
- 基板接続用テープを基板に貼り付けた際に、搬送方向に対する直角方向の端から基板接続用テープが基板の外側にはみ出して貼り付けることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の基板のエッチング方法。
Priority Applications (1)
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JP2002216207A JP2004063535A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 基板のエッチング方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008203448A (ja) * | 2007-02-19 | 2008-09-04 | Seiko Instruments Inc | 液晶表示装置 |
CN102551750A (zh) * | 2010-10-19 | 2012-07-11 | 富士胶片株式会社 | 放射线检测装置、放射线图像拍摄系统、放射线检测方法以及控制装置 |
-
2002
- 2002-07-25 JP JP2002216207A patent/JP2004063535A/ja active Pending
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CN102551750A (zh) * | 2010-10-19 | 2012-07-11 | 富士胶片株式会社 | 放射线检测装置、放射线图像拍摄系统、放射线检测方法以及控制装置 |
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