JPH0541572A - 印刷配線板の製造方法および多層印刷配線板の製造方法 - Google Patents

印刷配線板の製造方法および多層印刷配線板の製造方法

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JPH0541572A
JPH0541572A JP3268639A JP26863991A JPH0541572A JP H0541572 A JPH0541572 A JP H0541572A JP 3268639 A JP3268639 A JP 3268639A JP 26863991 A JP26863991 A JP 26863991A JP H0541572 A JPH0541572 A JP H0541572A
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metal foil
film
pattern
printed wiring
circuit pattern
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JP3268639A
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Osamu Sasaki
修 佐々木
Seisaburo Shimizu
征三郎 清水
Akira Yoshizumi
章 善積
Hideo Ota
英男 太田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、樹脂基材67に回路パターン68が
形成された構造を有する印刷配線板を、従来のサブトラ
クト法のように銅が溶解された多量の廃液を発生するこ
となく簡単な工程により製造し得る方法を提供するもの
である。 【構成】樹脂基材、金属箔および形成すべき回路パター
ンと同様な形状を有し、前記金属箔の厚さの1倍以上の
高さを有する凸状パターン4が加工された金型55を用
意し、前記金型65の凸状パターン64を前記金属箔を
介して樹脂基材を加圧加熱して前記樹脂基材に回路パタ
ーンを形成する工程とを具備したことを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷配線板の製造方法
および多層印刷配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より印刷配線板の製造方法として
は、サブトラクト法が知られている。かかるサブトラク
ト法によるスルホール印刷配線板の製造方法を以下に説
明する。まず、銅張積層板に孔開け加工を施した後、前
記孔内を含む銅張積層板全面に無電解銅めっき及び必要
に応じて電気銅めっきを施して孔内壁面に銅めっき膜を
付着させてスルホールを形成する。つづいて、前記スル
ホールを保護するための充填材を該スルホールを含む周
辺に充填した後、写真蝕刻法又はテンティング法により
エッチングレジストパターンを前記銅めっき膜上に形成
する。次いで、前記レジストパターンをマスクとして露
出する銅めっき膜及び銅箔をエッチング除去して回路パ
ターンを形成することにより印刷配線板を製造する。
【0003】しかしながら、上述したサブトラクト法で
は多くの工程を要するため、操作が煩雑となる。しか
も、エッチングに際し、銅が溶解された多量の廃液が発
生するため、廃水処理等の公害対策が必要となり、ラン
ニングコストの高騰要因となる。更に、エッチング時に
アンダーカットやサイドエッチングが生じ、微細な線幅
の回路パターンを形成することは困難である。
【0004】このようなことから、銅張積層板を使用し
ないアディティブ法が開発されている。このアディティ
ブ法は、まず、積層板に孔開け加工を施した後、全面を
触媒処理する。つづいて、形成すべき回路パターンと逆
パターンのめっきレジストパターンを形成した後、無電
解銅めっきを行って前記レジストパターンから露出した
孔内壁面及び積層板表面に無電解銅めっき膜を付着させ
てスルホール及び回路パターンを形成する。この後、め
っきレジストパターンの除去、触媒層の除去を行なうこ
とにより印刷配線板を製造する。しかしながら、かかる
アディティブ法では銅めっき膜と積層板との密着性を向
上するために特殊なめっき液が必要となる。しかも、積
層板の必要な部分以外にも銅が析出する傾向があり、微
細な回路パターンを形成することが困難となる。さら
に、前記方法でもサブストラクト法と同様、廃液処理の
問題がある。
【0005】これに対し、廃液などの発生のない印刷配
線板の製造方法として、従来のダイスタンプ法(特開昭
51−126277号)が知られている。この方法は、
形成すべき回路パターンと同様な形状の凸状パターンの
外周に刃を突出させた金型を用い、絶縁基材の表面に接
着剤付き金属箔を重ね、前記金型を加熱または常温で加
圧することにより回路パターン状に接着剤付き金属箔を
切断すると同時にその周縁を絶縁基材に押入、接着する
ものである。しかしながら、前記方法では金型の回路パ
ターンの周縁に切断用刃を回路表面に対して垂直に作製
するため、微細な回路パターンを形成することが困難と
なる。また、切断用刃が使用時に摩耗すると切断回路幅
が不均一となり、さらに使用すると切断できなくなり、
非回路部の接着が起こる。しかも、このような形状であ
るため切断できなくなった刃を研ぐことが非常に難し
く、作製できる数量が非常に少ないという問題がある。
【0006】また、絶縁基材として樹脂フィルムを用い
ると前記金型の刃による打ち抜きに際して樹脂フィルム
表面に切り込み部が生じるため、絶縁不良を発生する恐
れがある。更に、幅の広い回路パターンを形成する場合
には、前記金型の刃が銅箔に最初に当たるため、銅箔と
絶縁基材の間に空気溜まりが発生し易くなる。その結
果、前記金型の凸状パターンを打ち抜きされた銅箔部分
に押圧しても前記空気が抜けず、絶縁基材に回路パター
ンを高い密着力で形成できないという問題がある。その
他、回路パターンの微細化が困難である等の問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱硬
化性樹脂などの樹脂からなる基材に回路パターンが埋め
込まれた構造を有するリジッド印刷配線板などの印刷配
線板を従来のサブトラクト法のように銅が溶解された多
量の廃液を発生することなく簡単な工程により製造し得
る方法を提供するものである。
【0008】本発明の別の目的は、熱可塑性樹脂に回路
パターンが転写された構造を有するフレキシブル印刷配
線板等の印刷配線板を、従来のサブトラクト法のように
銅が溶解された多量の廃液を発生することなく簡単な工
程により製造し得る方法を提供するものである。
【0009】本発明の別の目的は、回路パターンを有す
る熱可塑性樹脂フィルムが積層されると共に前記積層時
に前記回路パターンが位置ずれを起こしたり、変形した
りするのを防止して回路パターンが精度よく形成された
多層印刷配線板(フレキシブル多層印刷配線板)を従来
のサブトラクト法のように銅が溶解された多量の廃液を
発生することなく簡単な工程により製造し得る方法を提
供するものである。
【0010】本発明の別の目的は、回路パターンを有す
る熱可塑性樹脂フィルムが積層されると共に前記各フィ
ルム間の金属箔がスルホールを通して導通されてなる多
層印刷配線板(フレキシブル多層印刷配線板)を従来の
サブトラクト法のように銅が溶解された多量の廃液を発
生することなく簡単な工程により製造し得る方法を提供
するものである。
【0011】本発明の別の目的は、熱硬化性樹脂や樹脂
フィルム等の絶縁部材表面が曲面または不連続面などの
複雑な形状を有する場合でも、微細な線幅の回路パター
ンが絶縁部材表面にほぼ面一となるように埋め込まれた
印刷配線板を従来のサブストラクト法のように銅が溶解
された廃液を発生することなく簡単な工程により製造し
得る方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる印刷配線
板の製造方法は、金属箔付き樹脂基材を用意して、形成
すべき回路パターンと同様な形状を有し、前記金属箔の
厚さの1倍以上の高さを有する凸状パターンが加工され
た金型の凸状パターンを前記金属箔付き樹脂基材の金属
箔側に加熱加圧して前記基材の金属箔側に凹状パターン
を形成する工程と、前記基材の凸部となる金属箔部分を
機械的に除去して前記基材に埋め込まれた金属箔の凹状
パターンを残存させることにより回路パターンを形成す
る工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0013】前記金属箔付き樹脂基材を作製するには、
例えば熱可塑性樹脂板に金属箔を接着する方法、熱可塑
性樹脂フィルムに金属箔を接着する方法、又は未硬化の
熱硬化性樹脂からなるプリプレグに金属箔を重ね、加圧
して金属箔を接着する方法等を挙げることができる。前
記金属箔としては、例えば銅箔、ニッケル箔等を挙げる
ことができる。
【0014】前記金型を作製するには、例えば金属母材
の表面に形成すべき回路パターンと同形状のレジストパ
ターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして前
記母材表面をエッチングすることにより回路パターンと
同様な形状を有し、前記金属箔の厚さの1倍以上の高さ
を有する凸状パターンを形成する方法、或いは金属母材
表面をフライス盤により加工して前記凸状パターンを形
成する方法、一次加工又はレーザ加工により金属母材に
直接前記凸状パターンを形成する方法等を挙げることが
できる。
【0015】前記金型に形成された凸状パターンの高さ
を前記金属箔の厚さの1倍以上に限定したのは、次のよ
うな理由によるものである。即ち、前記凸状パターンの
高さを1倍未満にすると、前記金型を用いて前記金属箔
付き樹脂基材を加熱加圧した場合、前記前記基材上の金
属箔が該基材表面より内部側に埋め込まれた凹状パター
ンを形成できず、その後の前記基材の凸部となる金属箔
部分の機械的な除去に際して前記凹状パターン部分が剥
離したり、剥離されない場合でも凹状パターン表面が機
械的に除去されて実効的な回路パターン厚さが低下す
る。また、前記凸状パターンの高さの上限は、前記金属
箔の厚さの20倍とすることが望ましい。その理由は、
凸状パターンの高さが金属箔の厚さの20倍を越えると
凸状パターンを形成する際のサイドエッチングのために
細線パターンを形成できず、加熱加圧工程においてパタ
ーンが破損する等の問題を生じるからである。
【0016】前記加熱加圧での温度条件としては、前記
樹脂基材が熱可塑性樹脂からなる板、フィルムの場合、
その塑性変形温度以上、前記樹脂基材が未硬化の熱硬化
性プリプレグからなる場合、その硬化温度で行なうこと
が望ましい。
【0017】前記基材の凸部となる金属箔部分を機械的
に除去する方法としては、例えば砥石、回転砥石、砥粒
入バフ、ミクロトーム、フライス盤等による研削を挙げ
ることができる。
【0018】なお、本発明方法により(1)スルホール
印刷配線板、(2)多層印刷配線板を製造する場合に
は、例えば次のような方法が採用される。
【0019】(1)まず、前記金型による前記金属箔付
き樹脂基材の加熱加圧工程においてポンチ等により孔開
けを行なった後、前述した処理を施して回路パターンを
形成する。つづいて、前記孔内に該孔径より僅かに大き
い径のピンを挿入してスルホールを形成することにより
スルホール印刷配線板を製造する。
【0020】(2)まず、前記金型による前記金属箔付
き樹脂基材の加熱加圧工程においてポンチ等により孔開
けを行なった後、前述した処理を施して回路パターンを
形成する。この時、前記金属箔付き基材に位置合わせ用
孔を開けてもよい。つづいて、前記回路パターンが形成
された複数の基材をそれらの孔が合致するように重ねた
後、前記上下に連通した孔内に該孔径より僅かに大きい
径のピンを挿入してスルホールを形成し、更に加圧接着
して前記スルホールで前記各回路パターンが相互に結線
された多層印刷配線板を製造する。前記加圧接着に際し
ては、接着性を上げるために加熱して樹脂基材を僅かに
軟化させることが望ましい。この時、前記樹脂基材間へ
の気泡の混入防止や圧着温度の低減化のために減圧で行
うことが望ましい。
【0021】本発明に係わる別の印刷配線板の製造方法
は、形成すべき回路パターンと同様な形状を有し、使用
される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有する凸状パタ
ーンが加工されたキャビティ中子を可動型内に該中子の
凸状パターンが表出するように装填すると共に、該可動
型をキャビティを有する固定型にそれらの間に金属箔を
配置して型締する工程と、前記固定型のキャビティ内に
合成樹脂を射出して前記金属箔に接着された基材を成形
すると共に、前記金属箔側に前記中子の凸状パターンを
転写することにより凹状パターンを有する金属箔付き樹
脂基材を作製する工程と、前記基材の凸部となる金属箔
部分を機械的に除去して前記基材に埋め込まれた金属箔
の凹状パターンを残存させることにより回路パターンを
形成する工程とを具備したことを特徴とするものであ
る。
【0022】前記キャビティ中子の凸状パターンの高さ
を使用される金属箔の厚さの1倍以上に限定したのは、
次のような理由によるものである。即ち、前記凸状パタ
ーンの高さを1倍未満にすると、前記可動型に装填し、
該可動型を固定型にそれらの間に金属箔を配置して型締
した後、合成樹脂を射出成形する際、基材表面より内部
側に凹状パターンが埋め込まれた金属箔付き基材を形成
することが困難となり、その後の前記基材の凸部となる
金属箔部分の機械的な除去に際して前記凹状パターン部
分が剥離したり、剥離されない場合でも凹状パターン表
面が機械的に除去されて実効的な回路パターン厚さが低
下する。また、凸状パターンの高さの上限は、前記金属
箔の厚さの20倍とすることが望ましい。その理由は、
前記凸状パターンの高さが金属箔の厚さの20倍を越え
ると凸状パターンを形成する際のサイドエッチングのた
めに細線パターンを形成できず、加熱加圧工程において
パターンが破損する等の問題を生じるからである。
【0023】前記金属箔としては、例えば銅箔、ニッケ
ル箔等を挙げることができる。
【0024】前記樹脂としては、例えばエポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の
熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0025】前記基材の凸部となる金属箔部分を除去す
る方法としては、例えば砥石、回転砥石、砥粒入バフ、
ミクロトーム、フライス盤等による研削を挙げることが
できる。
【0026】なお、本発明に係わる別の方法において
も、前述した(1)の方法でスルホール印刷配線板を、
(2)の方法で多層印刷配線板を、それぞれ製造するこ
とができる。但し、これら印刷配線板の製造においては
前記固定型のキャビテイ内にピンを植設することによっ
て、射出成形と同時に金属箔付き樹脂基材にスルホール
孔や位置決め孔の孔開けを行うことができる。
【0027】本発明に係わるさらに別の印刷配線板の製
造方法は、形成すべき回路パターンと同様な形状を有
し、使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有する
と共に前記金属箔と接する平坦面または凸状曲面とこの
面とは異なる側面とからなる凸状パターンが形成された
印刷配線原盤を用意し、前記原盤の凸状パターンを熱可
塑性樹脂に金属箔を介在して加熱加圧することにより前
記凸状パターンが当接された前記金属箔部分を前記熱可
塑性樹脂の表面に転写して回路パターンを形成する工程
を具備したことを特徴とするものである。
【0028】前記印刷配線原盤は、平板状の形態又は環
状にしてロールに嵌着した形態で用いられる。
【0029】前記印刷配線原盤は、例えば次のような方
法により作製される。
【0030】(a)研磨した鋼材表面にニッケルめっき
等により硬度の高い金属膜を被覆してなる母材の表面に
形成すべき回路パターンと同形状のレジストパターンを
形成し、該レジストパターンをマスクとして前記母材表
面をエッチングすることにより回路パターンと同様な形
状の凸状パターンを形成して印刷配線原盤を作製する。
【0031】(b)前記母材表面をフライス盤により加
工して前記凸状パターンを形成して印刷配線原盤を作製
する。
【0032】(c)一次加工又はレーザ加工により金属
母材に直接前記凸状パターンを形成して印刷配線原盤を
作製する。
【0033】(d)鋼材または鋼材表面に易溶解性の金
属膜を被覆した母材上に形成すべき回路パターンと逆パ
ターンであるレジストパターンを形成し、後者の母材を
使用した場合は、前記レジストパターンをマスクとして
前記金属膜をエッチングした後、露出した鋼材上にめっ
きにより回路パターンと同様な形状の凸状パターンを形
成する。つづいて、前記レジストパターン、さらに後者
の母材を使用した場合は前記金属膜を除去して印刷配線
原盤を作製する。
【0034】前記(a)〜(d)の方法のうち、特に
(d)の方法は耐久性の優れた凸状パターンが形成され
た印刷配線原盤を作製することができるため、加熱加圧
による金属箔の転写工程に繰り返し使用しても、なお目
的とする線幅を有する高精度の回路パターンを形成する
ことができる。
【0035】なお、前記各原盤による金属箔の熱可塑性
樹脂表面への転写及び不要な金属箔の剥離が円滑かつ簡
便に行なわれるためには、前記原盤の凸状パターンを除
く表面領域に減圧加圧用の多数の孔を穿設し、かつ該原
盤の内部に前記各孔と連通すると共に一端に減圧加圧用
配管が連結された流通孔を設けた形状にするか、或いは
減圧加圧用溝を穿設した受け鋼材板等に重ね、前記減圧
加圧用溝と連通すると共に一端に減圧加圧配管が連結さ
れた流通孔を設けた構造の原盤を用いることが望まし
い。
【0036】前記原盤に形成された凸状パターンの高さ
を前記金属箔の厚さの1倍以上に限定したのは、次のよ
うな理由によるものである。即ち、前記凸部の高さを前
記金属箔の厚さ1倍未満にすると、前記原盤を用いて前
記熱可塑性樹脂を金属箔を介して加熱加圧した場合、前
記凸状パターンにより前記金属箔が変形するのみなら
ず、凸状パターンの金属箔と接する面と側面との間の角
の部分での応力集中により前記金属泊が裂けるか、或い
は裂け易い状態とすることができず、不要な金属箔を除
去することが困難となるからである。また、前記凸状パ
ターンの高さの上限は、前記金属箔の厚さの20倍とす
ることが望ましい。その理由は、前記凸部の高さが金属
箔の厚さの20倍を越えると凸状パターンを形成する際
のサイドエッチングのために細線パターンを形成でき
ず、加熱加圧工程においてパターンが破損する等の問題
を生じるからである。なお、形成すべき回路パターンが
さほど微細ではない場合、またはフライス盤による加
工、放電加工、レーザ加工で金型を作製する場合等で
は、前記凸状パターンの高さに特に上限はない。
【0037】また、前記原盤に形成された凸状パターン
における前記金属箔と接する面を平面または凸状曲面と
したのは、平面であることにより前記金属箔と熱可塑性
樹脂との間に気泡を抱き込まずに密着させることができ
るからである。一方、凸状曲面である場合はロールなど
の曲面形状表面に凸状パターンを形成した場合であり、
同様に金属箔と熱可塑性樹脂との間に気泡を抱き込まず
に密着させることができるからである。さらに、前記金
属箔と接する面とその側面とを異なる面とする理由は金
属箔と接する面とその側面との間の角により前記金属箔
に応力集中を発生させ、当該部分のみ延ばして薄くし、
回路パターン形状を維持したまま切断、または切断し易
い状態とするためである。逆に、金属箔と接する面とそ
の側面と連続的に同一面により構成される場合、曲面全
体が延ばされ、切断形状がぎさぎざの状態となり、回路
幅が不均一となってしまう。また、本発明では金属箔と
接する面とその側面との間の角の角度が大きくなると金
属箔が切断され難くなる恐れがあり、逆に小さいと凸状
パターンが破損され易くなる。このため、前記角度は、
60〜90°の範囲であることが好ましい。
【0038】前記金属箔としては、例えば銅箔、ニッケ
ル箔等を挙げることができる。
【0039】前記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフ
ェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポ
リマー、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリ
テトラフロロエチレン、ポリテトラフロロエチレンパー
フロロアルキルエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルカーボネート、
オキシベンゾイルポリエステル、ポリケトンサルファイ
ド、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポ
リエチレン、ポリアミドイミド、ポリパラバン酸、ポリ
エステル、アイオノマー、EEA樹脂、AAS樹脂、ア
クリロニトリルスチレン樹脂、ACS樹脂、ABS樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポ
リブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポ
リマー、又はこれらの変性樹脂、或いはポリマーアロイ
等を挙げることができる。
【0040】前記印刷配線原盤による加熱加圧に際して
は、前記熱可塑性樹脂が非晶質の熱可塑性樹脂からなる
場合にはその熱変形温度より10〜40℃高い温度で、
前記熱可塑性樹脂が結晶質の熱可塑性樹脂からなる場合
にはその融点との差が20℃以内の温度で行なうことが
望ましい。
【0041】前記熱可塑性樹脂がフィルムである場合、
前記印刷配線原盤による加熱加圧に際しては、前記熱可
塑性樹脂フィルムに比べて使用時の弾性率が低く、かつ
加圧時に変形するゴム又は樹脂を当て板として表面に張
り付けたり、または前記ゴム等を塗布した加圧用治具を
用いて前記金属箔が位置する側と反対側の前記フィルム
面を加圧するか、或いは前記ゴム又は樹脂からなる当て
板を前記フィルムと加圧用治具の間に配置して加圧する
ことが望ましい。
【0042】なお、前記加熱加圧により前記原盤の凸状
パターンが当接された前記金属箔部分を前記フィルムの
表面に転写した後、得られた回路パターンの精度向上の
ために表面に研磨材(例えばサンドペーパ)を有するロ
ールで前記フィルムの金属箔部分(回路パターン)を軽
く研磨するか、表面が波形に粗面化されたロールで前記
フィルムの金属箔部分を押圧することが望ましい。後者
のロールの粗面化状態は、サンドペーパの180〜32
0番程度にすることが望ましい。この理由は、前記ロー
ルの粗面化状態を320番未満にすると前記フィルムに
埋設、転写された金属箔部分(回路パターン)の細かい
箇所での変形の矯正を十分に行うことが困難となり、一
方前記ロールの粗面化状態が180番を越えると前記ロ
ールによる押圧時に前記回路パターンが剥離、切断する
恐れがある。
【0043】本発明に係わる多層印刷配線板の製造方法
は、形成すべき回路パターンと同様な形状を有し、使用
される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有すると共に前
記金属箔と接する平坦面または凸状曲面とこの面とは異
なる側面とからなる凸状パターンが形成された印刷配線
原盤を用意し、前記原盤の凸状パターンを表裏で軟化温
度異なるかまたは表裏よりも内部で軟化温度の高い熱可
塑性樹脂フィルムに金属箔を介在して加熱加圧すること
により前記凸状パターンが当接された前記金属箔部分を
前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に転写して回路パター
ンを形成する工程と、前記回路パターンが形成された複
数枚の熱可塑性樹脂フィルムを重ねた後、前記熱可塑性
樹脂フィルム中低軟化温度の熱可塑性樹脂が溶融する温
度で加熱すると共に加圧して積層する工程と、を具備し
たことを特徴とするものである。
【0044】前記印刷配線原盤は、平板状の形態又は環
状にしてロールに嵌着した形態で用いられる。
【0045】前記印刷配線原盤は、前述した(a)〜
(d)の方法等により作製される。
【0046】なお、前記各原盤による金属箔の熱可塑性
樹脂表面への転写及び不要な金属箔の剥離が円滑かつ簡
便に行なわれるためには、前記原盤の凸状パターンを除
く表面領域に減圧加圧用の多数の孔を穿設し、かつ該原
盤の内部に前記各孔と連通すると共に一端に減圧加圧用
配管が連結された流通孔を設けた形状にするか、或いは
減圧加圧用溝を穿設した受け鋼材板等に重ね、前記減圧
加圧用溝と連通すると共に一端に減圧加圧配管が連結さ
れた流通孔を設けた構造の原盤を用いることが望まし
い。
【0047】前記原盤に形成された凸状パターンの高さ
は、前述したのと同様な理由により前記金属箔の厚さの
1倍以上にする必要がある。
【0048】前記原盤に形成された凸状パターンにおけ
る前記金属箔と接する面は、前述したのと同様な理由に
より平面または凸状曲面とする必要がある。
【0049】前述したような表裏もしくは表裏と内部で
軟化温度の異なる熱可塑性樹脂フィルムにおける軟化温
度差は、20℃以上にすることが望ましい。この理由
は、前記軟化温度差を20℃未満にすると、積層工程で
の加熱加圧に際しての温度ばらつきの範囲内に包含さ
れ、軟化温度差を持たせる目的、つまり積層工程で形成
された回路パターンのずれ、変形を防止する目的を達成
することが困難となる恐れがあるからである。
【0050】前記表裏で軟化温度の異なる熱可塑性樹脂
フィルムとしては、例えば同種で軟化温度の異なる熱可
塑性樹脂層を互いにラミネートしたもの、異種で軟化温
度の異なる熱可塑性樹脂層を互いにラミネートしたもの
等を用いることができる。前記表裏よりも内部で軟化温
度の高い熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば高軟化
温度の熱可塑性樹脂層の表裏に低軟化温度の熱可塑性樹
脂層を塗布またはラミネートしたものを用いることがで
きる。かかる熱可塑性樹脂フィルムにおいて、同一種の
樹脂を用いて、高軟化温度となる熱可塑性樹脂層にフィ
ラー等を添加して流動性を低下させることにより見掛け
上軟化温度を高くする構成としてもよい。前記低軟化温
度の熱可塑性樹脂層は、積層工程において回路パターン
が形成された熱可塑性樹脂フィルム同志を接着する接着
剤層として作用する。なお、この際同種で軟化温度の異
なる熱可塑性樹脂を用いれば、熱可塑性樹脂を積層した
後の加熱加圧時に各層が容易に一体化して高い密着力、
強度を有する多層印刷配線板が得られるので、より好ま
しい。
【0051】前記原盤の凸状パターンが金属箔を介在し
て表裏で軟化温度が異なる熱可塑性樹脂フィルムに当接
される際は、高軟化温度の熱可塑性樹脂層側、低軟化温
度の熱可塑性樹脂層側のいずれに当接されてもよい。た
だし、前記フィルムの低軟化温度の熱可塑性樹脂層側に
前記原盤の凸状パターンを金属箔を介在して当接させる
場合には、転写された金属箔の回路パターンを前記フィ
ルムの高軟化温度の熱可塑性樹脂層側にも安定的に埋め
込んで固定する観点から、前記低軟化温度の熱可塑性樹
脂層を前記金属箔の厚さと同等ないしそれより薄くする
ことが望ましい。
【0052】前記熱可塑性樹脂フィルムとしては、例え
ばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイ
ド、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、ポリカーボネ
ート、ポリテトラフロロエチレン、ポリテトラフロロエ
チレンパーフロロアルキルエーテル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルカー
ボネート、オキシベンゾイルポリエステル、ポリケトン
サルファイド、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリ
アミド、ポリエチレン、ポリアミドイミド、ポリパラバ
ン酸、ポリエステル、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等の軟化温度の異な
る同種の熱可塑性樹脂または異種の熱可塑性樹脂の組み
合わせ等を挙げることができる。
【0053】前記金属箔としては、例えば銅箔、ニッケ
ル箔等を挙げることができる。
【0054】前記印刷配線原盤による加熱加圧に際して
は、前記現万野凸状パターン当接側の熱可塑性樹脂フィ
ルムにおける熱可塑性樹脂層が非晶質のものからなる場
合にはその熱変形温度より10〜40℃高い温度で、前
記熱可塑性樹脂層が結晶質の熱可塑性樹脂からなる場合
にはその融点との差が20℃以内の温度で行なうことが
望ましい。
【0055】前記印刷配線原盤による加熱加圧に際して
は、前記熱可塑性樹脂フィルムに比べて使用時の弾性率
が低く、かつ加圧時に変形するゴム又は樹脂を当て板と
して表面に張り付けたり、または前記ゴム等を塗布した
加圧用治具を用いて前記金属箔が位置する側と反対側の
前記フィルム面を加圧するか、或いは前記ゴム又は樹脂
からなる当て板を前記フィルムと加圧用治具の間に配置
して加圧することが望ましい。
【0056】本発明に係わる多層印刷配線板の製造にお
いては、片面に接着剤層を被覆した熱可塑性樹脂フィル
ムまたは金属箔を用いることを許容する。かかるフィル
ムまたは金属箔の使用に際しては、前記接着剤層側が熱
可塑性樹脂フィルムと金属箔に挟まれるような位置関係
で印刷配線原盤の凸状パターンが金属箔を介在して前記
熱可塑性樹脂フィルムに当接される。この場合、熱可塑
性樹脂フィルムの多層化の際に前記接着剤層の接着力を
関与させる観点から、前記接着剤層を被覆した熱可塑性
樹脂を用いる方がより好ましい。
【0057】前記接着剤としては、例えばホットメルト
接着剤、熱硬化性樹脂系接着剤、感圧接着剤を挙げるこ
とができる。ホットメルト接着剤としては、使用する熱
可塑性樹脂フィルムよりも軟化温度の低い熱可塑性樹
脂、ゴム系接着剤が挙げられ、熱硬化性樹脂としてはエ
ポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル
樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、ポリエステル
系接着剤等が挙げられ、感圧接着剤としてはカプセル化
された硬化剤を樹脂中に添加した構成のエポキシ樹脂系
接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着
剤、フェノール樹脂系接着剤等を挙げることができる。
特に、前記接着剤層は常温で固形で、溶融硬化時の粘度
が高いものを用いることが望ましい。この理由は、前記
原盤による金属箔の転写工程において溶融粘度が高い方
が金属箔に加わる剪断力が大きくなるからである。
【0058】前記接着剤層の厚さは、使用する金属箔の
厚さより薄くすることが望ましい。この理由は、前記接
着剤層の厚さが金属箔の厚さ以上にすると、前記原盤に
よる金属箔の転写工程において接着剤が回路パターンの
側面に移動する量が接着剤が回路パターンの裏面に移動
する量に比べて多くなり、非回路パターン部の余剰の金
属箔が接着剤層に接着して余剰金属箔の剥離が困難とな
る恐れがあるからである。
【0059】本発明に係わる別の多層印刷配線板の製造
方法は、形成すべき回路パターンと同様な形状を有し、
使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有すると共
に前記金属箔と接する平坦面または凸状曲面とこの面と
は異なる側面とからなる凸状パターンが形成された印刷
配線原盤を用意し、前記原盤の凸状パターンをスルホー
ル予定部に孔が穿設された熱可塑性樹脂フィルムに金属
箔を介在して加熱加圧することにより前記凸状パターン
が当接された前記金属箔部分を前記フィルムの表面に転
写して回路パターンを形成する工程と、前記回路パター
ンが形成された複数枚の熱可塑性樹脂フィルムを前記孔
が互いに合致するように積層する工程と、前記各フィル
ムの孔に位置する金属箔部分を互いにスポット溶接して
スルホールを形成した後、加熱加圧して多層化する工程
とを具備したことを特徴とするものである。
【0060】本発明に係わるさらに別の印刷配線板の製
造方法は、形成すべき回路パターンと同様な形状を有
し、使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有する
と共に前記金属箔と接する平坦面または凸状曲面とこの
面とは異なる側面とからなる凸状パターンが形成された
印刷配線原盤を用意し、前記原盤の凸状パターンを熱可
塑性樹脂もしくはゴムからなるフィルムに金属箔を介在
して加圧することにより前記凸状パターンが当接された
前記金属箔部分を前記フィルムの表面に転写して回路パ
ターンを形成する工程と、前記回路パターンを有する転
写フィルムを熱硬化性樹脂プリプレグまたは樹脂フィル
ムからなる絶縁部材に重ね、加熱加圧して前記絶縁部材
に前記回路パターンを再転写するか、前記転写フィルム
を射出成形金型に挿入して成形体に前記回路パターンを
再転写する工程と、を具備したことを特徴とするもので
ある。
【0061】前記印刷配線原盤は、平板状の形態または
環状にしてロールに嵌着した形態で用いられる。
【0062】前記印刷配線原盤は、前述した(a)〜
(d)の方法等により作製される。
【0063】なお、前記各原盤による金属箔の熱可塑性
樹脂表面への転写及び不要な金属箔の剥離が円滑かつ簡
便に行なわれるためには、前記原盤の凸状パターンを除
く表面領域に減圧加圧用の多数の孔を穿設し、かつ該原
盤の内部に前記各孔と連通すると共に一端に減圧加圧用
配管が連結された流通孔を設けた形状にするか、或いは
減圧加圧用溝を穿設した受け鋼材板等に重ね、前記減圧
加圧用溝と連通すると共に一端に減圧加圧配管が連結さ
れた流通孔を設けた構造の原盤を用いることが望まし
い。
【0064】前記原盤に形成された凸状パターンの高さ
は、前述したのと同様な理由により前記金属箔の厚さの
1倍以上にする必要がある。
【0065】前記原盤に形成された凸状パターンにおけ
る前記金属箔と接する面は、前述したのと同様な理由に
より平面または凸状曲面とする必要がある。
【0066】前記転写フィルムの作製に用いられる熱可
塑性樹脂からなるフィルムとしては、例えばポリフルオ
ロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体などの熱可塑性樹脂またはシリコーン化合物を含有
する樹脂からなるフィルムを用いることができる。ま
た、ゴムからなるフィルムとしては例えばシリコーンゴ
ムフィルムを用いることができる。
【0067】前記熱熱硬化性樹脂プリプレグとしては、
例えばガラス織布にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂溶液
を含浸させたもの等を挙げることができる。前記樹脂フ
ィルムとしては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂
などの熱硬化性樹脂系接着剤が塗布された樹脂フィルム
が好ましい。
【0068】前記転写フィルムの回路パターンを前記プ
リプレグ、樹脂フィルムからなる絶縁部材に再転写した
後は、前記樹脂またはゴムからなるフィルムを前記プリ
プレグ等から剥離、除去する。
【0069】前記転写フィルムを射出成形金型に挿入し
て成形体に前記回路パターンを再転写する工程は、例え
ば前記転写フィルムを射出成形金型のキャビティ内に配
置し、射出成形して成形品に前記回路パターンを転写す
る方法が採用される。かかる再転写工程後においても、
前記樹脂またはゴムからなるフィルムを前記成形体から
剥離、除去する。
【0070】
【作用】本発明に係わる印刷配線板の製造方法は、ま
ず、金型の凸状パターンを金属箔付き樹脂基材の金属箔
側に加熱加圧して前記基材の金属箔側に凹状パターンを
形成する。この工程において、前記凸状パターンは前記
金属箔付き樹脂基材の金属箔の厚さの1倍以上の高さを
有するため、前記金属箔の凹状パターンは前記基材表面
より基材側に埋没される。また、前記金型の凸状パター
ンは写真蝕刻法で形成された微細なレジストパターンを
マスクとしたエッチング等により作製されるため、転写
された凹状パターンの幅、パターン間隔を微細化でき
る。この後、前記基材の凸部となる金属箔部分を研削等
により機械的に除去して前記基材に埋め込まれた金属箔
の凹状パターンを残存させることにより前記樹脂基材表
面と面一又は内部側に陥没した構造の回路パターンを形
成できる。
【0071】従って、本発明方法によれば従来のサブト
ラクト法のように金属箔(銅箔)をエッチングする工程
が不要であるため、銅が溶解された多量の廃液が発生す
るのを解消できる。しかも、金属箔付き樹脂基材の金属
箔側に微細な凹状パターンを形成できるため、サブトラ
クト法で問題となるエッチング時でのアンダーカットや
サイドエッチングを招くことなく微細な線幅の回路パタ
ーンを形成することができる。
【0072】また、従来のアディティブ法のような特殊
なめっき液を用いることなく、樹脂基材に対して密着性
の高い回路パターンを形成できる。
【0073】本発明に係わる別の印刷配線板の製造方法
は、まず、凸状パターンを有するキャビティ中子を可動
型内に該中子の凸状パターンが表出するように装填する
と共に、該可動型をキャビティを有する固定型にそれら
の間に金属箔を配置して型締した後、前記固定型のキャ
ビティ内に合成樹脂を射出して前記金属箔に接着された
樹脂基材を成形すると共に、前記金属箔側に前記中子の
凸状パターンを転写することにより凹状パターンを有す
る金属箔付き樹脂基材を作製する。この工程において、
前記凸状パターンは前記金属箔付き樹脂基材の金属箔の
厚さの1倍以上の高さを有するため、前記金属箔の凹状
パターンは前記基材表面より基材側に埋没される。ま
た、前記中子の凸状パターンは写真蝕刻法で形成された
微細なレジストパターンをマスクとしたエッチング等に
より作製されるため、転写された凹状パターンの幅、パ
ターン間隔を微細化できる。この後、前記基材の凸部と
なる金属箔部分を研削等により機械的に除去して前記基
材に埋め込まれた金属箔の凹状パターンを残存させるこ
とにより前記基材と面一又は内部側に陥没した構造の回
路パターンを形成できる。
【0074】従って、本発明の別の方法においても前述
した方法と同様に銅が多量に溶解された廃液の発生を解
消でき、かつ微細な線幅の回路パターンを樹脂基材に対
して高い密着力で形成できる。
【0075】本発明に係わる更に別の印刷配線板の製造
方法によれば、形成すべき回路パターンと同様な形状の
凸状パターンを有する印刷配線原盤を、熱可塑性樹脂に
金属箔を介在して加熱加圧する。かかる工程において、
前記原盤は高さが前記金属箔の厚さの1倍以上で、かつ
金属箔と接する平面または凸状曲面とこの面とは異なる
側面とから構成された凸状パターンを有するため、前記
凸状パターンの前記金属箔と接する面と側面との間の角
において、前記金属箔が応力集中により延ばされて薄く
なり、切断または切断されやすい状態となり、容易に不
要な金属箔を除去して回路パターンを転写できる。その
結果、前記熱可塑性樹脂に対して高い密着強度を有する
回路パターンを形成できる。しかも、前記原盤の凸状パ
ターンを写真蝕刻法で形成された微細なレジストパター
ンをマスクとしたエッチング等により作製すると、転写
される回路パターンの幅、間隔を微細化できると共に、
サイドエッチング等により金属箔と接する面と側面との
間の角の角度が90゜以下となり、前記金属箔の切断が
容易となる。
【0076】従って、本発明方法によれば従来のサブト
ラクト法のように金属箔(銅箔)をエッチングする工程
が不要であるため、銅が溶解された多量の廃液が発生す
るのを解消できる。しかも、サブトラクト法で問題とな
るエッチング時でのアンダーカットやサイドエッチング
を招くことなく熱可塑性樹脂に微細な金属箔を転写でき
るため、熱可塑性樹脂フィルム上に微細な線幅の回路パ
ターンが形成されたフレキシブル印刷配線板や筐体内面
等に形成された立体配線基板等を製造することができ
る。また、従来のアディティブ法のような特殊なめっき
液を用いることなく、熱可塑性樹脂に対して密着性の高
い回路パターンを形成できる。
【0077】さらに、前記凸状パターンとの外周に刃が
突出された金型を使用する従来のダイスタンプ法と比較
して、金属箔裏面に接着剤を用いることなく微細な回路
パターンを形成することができる。しかも、凸状パター
ンとの金属箔と接する面が平面または凸状曲面であるた
め、表面を研磨すれば前記面と側面との間の角のくずれ
を容易に修正することができ、印刷配線板を多数作製し
ても初期作製時と後期作製時で差のない均一な回路パタ
ーンを形成することができる。さらに、金属箔が熱可塑
性樹脂に転写される時の金型の加熱温度や加圧圧力、加
圧時間を制御すれば転写部分の樹脂の弾性を変えること
ができ、前記金属箔の熱可塑性樹脂への埋設の程度を制
御することが可能となる。したがって、前記金属箔が樹
脂面より低く埋設する、または金属箔の底部だけ埋設す
る、樹脂面と金属箔を同一面にするなど使用目的により
自由に調節することができる。
【0078】また、前記原盤の凸状パターンを除く表面
領域に減圧加圧用の多数の孔を穿設し、かつ該原盤の内
部に前記各孔と連通すると共に一端に減圧加圧用配管が
連結された流通孔を設ければ、前記原盤の凸状パターン
側に金属箔を載置した後、前記配管及び流通孔を通して
前記各孔を吸引すると、前記金属箔を前記凸状パターン
の突出面に接触させながら撓ませることができる。その
結果、前記原盤と反対側の金属箔の面に熱可塑性樹脂フ
ィルムを配置した後の該原盤による加熱加圧に際し、前
記凸状パターンに対応して前記金属箔をより切断または
切断されやすい状態にできると共に、不要な金属箔部分
が加熱軟化した熱可塑性樹脂表面に接着されるのを防止
でき、回路パターンの微細化、高精度化を達成できる。
なお、この時完全に切断除去されなかった不要な金属箔
は、その後回路パターンの形成された樹脂表面をブラッ
シングすることにより確実に除去することができる。し
かも、加熱加圧による回路パターンの形成後には不要な
金属箔部分は前記原盤の凸状パターンを除く表面領域に
移行されるため、前記配管及び流通孔を通して前記各孔
に加圧ガスを供給することにより前記不要な金属箔部分
を原盤から容易に剥離、除去することができる。
【0079】更に、熱可塑性樹脂がフィルムである場
合、加熱加圧工程において前記熱可塑性樹脂フィルムに
比べて使用時の弾性率が低く、かつ加圧時に変形するゴ
ム又は樹脂を当て板として表面に張り付けたり、前記ゴ
ム等を塗布した加圧用治具を用いて前記フィルムを加圧
するか、或いは前記ゴム又は樹脂からなる当て板を前記
基材と加圧用治具の間に配置して加圧すれば、前記フィ
ルムが比較的弾性率の高い熱可塑性樹脂で形成されてい
ても、前記フィルムと前記原盤の間に配置される金属箔
を該原盤の凸状パターンの角により確実に切断または切
断され易い状態にすることができる。
【0080】即ち、前記フィルムを比較的弾性率の高い
熱可塑性樹脂で形成すると前記原盤と加圧用治具とによ
る加熱加圧工程において、前記原盤の凸状パターンの角
で前記金属箔が切断または切断され易い状態にならない
ことがあり、また無理に加圧を強めるとフィルムが薄い
場合フィルムが溶断されることがある。このようなこと
から、前記熱可塑性樹脂フィルムに比べて使用時の弾性
率が低く、かつ加圧時に変形するゴム又は樹脂を当て板
として前記フィルムと加圧用治具の間に介在させ、前記
原盤と前記加圧用治具による加熱加圧を行なうと、前記
原盤の凸状パターンが当接される前記ゴム又は樹脂の当
て板部分を優先的に変形させることができる。前記当て
板の変形により前記フィルムを背面から押圧する力が作
用するため、前記フィルムは前記凸状パターンを包み込
むように撓み、その撓み力によって凸状パターンとフィ
ルムの間に配置される金属箔が該凸状パターンの角によ
り切断または切断され易い状態となる。従って、前記フ
ィルムが比較的弾性率の高い熱可塑性樹脂で形成されて
いても、前記フィルムに所定の回路パターンを形成でき
る。
【0081】更に、前記加熱加圧により前記原盤の凸状
パターンが当接された前記金属箔部分を前記フィルムの
表面に転写した後、表面に研磨材を有するロールで前記
フィルムの金属箔部分(回路パターン)を軽く研磨する
か、表面が波形に粗面化されたロールで前記フィルムの
金属箔部分を押圧することによって、平面精度、寸法精
度の高い回路パターンを有するフレキシブル印刷配線板
を得ることが可能となる。
【0082】すなわち、前記加熱加圧により前記原盤の
凸状パターンが当接された前記金属箔部分を前記フィル
ムの表面に転写した後に原盤から前記フィルムを取り出
すと、加圧により生じた熱可塑性樹脂フィルムの歪みが
解放され、かつ前記フィルムと金属箔との熱膨張係数の
違いから室温まで冷却された場合に前記転写された金属
箔部分(回路パターン)が湾曲して前記フィルム表面か
ら突出し、平面精度等が悪化する場合がある。このよう
なことから、前記転写後のフィルム表面に研磨材を有す
るロールで前記フィルムの金属箔部分(回路パターン)
を軽く研磨して前記湾曲した回路パターン部分を平滑に
したり、表面が波形に粗面化されたロールで前記フィル
ムの金属箔部分を押圧して前記湾曲した回路パターン部
分を矯正することによって、平面精度、寸法精度の高い
回路パターンを有するフレキシブル印刷配線板を得るこ
とができる。
【0083】本発明に係わる多層印刷配線板の製造方法
は、まず、形成すべき回路パターンと同様な形状の凸状
パターンを有する印刷配線原盤を、表裏もしくは表裏と
内部で軟化温度の異なる熱可塑性樹脂フィルムに金属箔
を介在して加熱加圧する。かかる工程において、前記原
盤は高さが前記金属箔の厚さの1倍以上で、かつ金属箔
と接する平面または凸状曲面とこの面とは異なる側面と
から構成された凸状パターンを有するため、前記凸状パ
ターンの前記金属箔と接する面と側面との間の角におい
て、前記金属箔が応力集中により延ばされて薄くなり、
切断または切断されやすい状態となり、容易に不要な金
属箔を除去して回路パターンを転写できる。その結果、
前記熱可塑性樹脂フィルムに対して高い密着性を有する
回路パターンを形成することができる。しかも、前記原
盤の凸状パターンを写真蝕刻法で形成された微細なレジ
ストパターンをマスクとしたエッチング等により作製す
ると、転写される回路パターンの幅、間隔を微細化でき
ると共に、サイドエッチング等により金属箔と接する面
と側面との間の角の角度が90゜以下となり、前記金属
箔の切断が容易となる。
【0084】このような方法により、例えば高軟化温度
の熱可塑性樹脂層側に回路パターンが形成された複数枚
の熱可塑性樹脂フィルムを重ねた後、低軟化温度の熱可
塑性樹脂層が溶融する温度で加熱すると共に加圧する
と、前記回路パターンは前記加熱工程で軟化しない高軟
化温度の熱可塑性樹脂層に埋め込まれて固定化されてい
るため、前記回路パターンの流動、切断、変形等を生じ
ることなく低軟化温度の熱可塑性樹脂層のみが溶融、流
動し、各層間の接着がなされて多層印刷配線板を製造す
ることができる。
【0085】また、回路パターンを熱可塑性樹脂フィル
ムの低軟化温度の熱可塑性樹脂層側に形成した場合、好
ましくは前記回路パターンより薄い低軟化温度の熱可塑
性樹脂層側に前記回路パターンを形成した場合、前記回
路パターンは前記低軟化温度の熱可塑性樹脂層を押し退
けて高軟化温度の熱可塑性樹脂層に密着、または近接し
た状態になる。この転写工程で、高軟化温度の熱可塑性
樹脂層側も加圧により僅かに変形する。かかる回路パタ
ーンが形成された複数枚の熱可塑性樹脂フィルムを重ね
た後、低軟化温度の熱可塑性樹脂層が溶融する温度で加
熱すると共に加圧すると、前記回路パターンは低軟化温
度の熱可塑性樹脂層および前記加熱工程で軟化しない高
軟化温度の熱可塑性樹脂層に当接または近接して固定化
されているため、前記回路パターンの流動、切断、変形
等を生じることなく低軟化温度の熱可塑性樹脂層のみが
溶融、流動し、各層間の接着がなされて多層印刷配線板
を製造することができる。
【0086】さらに、回路パターンを高軟化温度の熱可
塑性樹脂層の表裏に該パターンより厚さの薄い低軟化温
度の熱可塑性樹脂層をラミネートした三層構造の熱可塑
性樹脂フィルムに形成した場合、前記回路パターンは前
記低軟化温度の熱可塑性樹脂層を押し退けて高軟化温度
の熱可塑性樹脂層に密着、または近接した状態になる。
かかる回路パターンが形成された複数枚の熱可塑性樹脂
フィルムを重ねた後、低軟化温度の熱可塑性樹脂層が溶
融する温度で加熱すると共に加圧すると、前記回路パタ
ーンは低軟化温度の熱可塑性樹脂層および前記加熱工程
で軟化しない高軟化温度の熱可塑性樹脂層に当接または
近接して固定化されているため、前記回路パターンの流
動、切断、変形等を生じることなく低軟化温度の熱可塑
性樹脂層のみが溶融、流動し、各層間の接着がなされて
多層印刷配線板を製造することができる。しかも、回路
パターン形成面と反対側の低軟化温度の熱可塑性樹脂層
を主に接着に関与させることができため、高軟化温度お
よび低軟化温度の二つの熱可塑性樹脂層からなるフィル
ムを用いる場合に比べて層間の接着強度を向上でき、よ
り幅の広い回路パターンを有する熱可塑性樹脂フィルム
の多層化に有効である。
【0087】したがって、本発明によれば銅が多量に溶
解された廃液の発生を解消でき、かつ微細な線幅の回路
パターンが熱可塑性樹脂フィルムに対して高い密着力で
かつ所定位置に精度よく配置されたフレキシブル多層印
刷配線板を製造することができる。
【0088】なお、片面に接着剤層を被覆した熱可塑性
樹脂フィルムを用い、印刷配線原盤の凸状パターンを金
属箔を介在して前記フィルムの接着剤層に当接させて回
路パターンを形成した後、このフィルムを複数枚重ね、
加熱加圧すれば非回路パターン部の接着剤層の関与によ
り前述したのと同様な多層印刷配線板を製造することが
できる。
【0089】本発明に係わるさらに別の多層印刷配線板
の製造方法は、まず、形成すべき回路パターンと同様な
形状の凸状パターンを有する印刷配線原盤を、スルホー
ル予定部に孔が穿設された熱可塑性樹脂フィルムに金属
箔を介在して加熱加圧する。かかる工程において、前記
原盤は高さが前記金属箔の厚さの1倍以上で、かつ側面
と金属箔と接する平面または凸状曲面とこの面とは異な
る側面とから構成された凸状パターンを有するため、前
記凸状パターンの前記金属箔と接する面と側面との間の
角において、前記金属箔が応力集中により延ばされて薄
くなり、切断または切断されやすい状態となり、容易に
不要な金属箔を除去して回路パターンを形成できる。し
かも、前記原盤の凸状パターンを写真蝕刻法で形成され
た微細なレジストパターンをマスクとしたエッチング等
により作製すると、形成される回路パターンの幅、間隔
を微細化できると共に、サイドエッチング等により金属
箔と接する面と側面との間の角の角度が90゜以下とな
り、前記金属箔の切断が容易となる。また、前記フィル
ムの孔に位置する前記回路パターン部分を前記フィルム
の裏面側からも露出させることができる。
【0090】前記回路パターンが形成された複数枚の熱
可塑性樹脂フィルムを、その後前記フイルムの孔が互い
に合致するように積層し、前記各フィルムの孔に位置す
る回路パターン部分を前記各孔を通して互いにスポット
溶接してスルホール(各フィルムの回路パターン間を接
続する接続部)を形成した後、加熱加圧して多層化し、
多層フレキシブル印刷配線板を製造する。
【0091】従って、本発明の多層印刷配線板の製造方
法によれば、銅が多量に溶解された廃液の発生を解消で
き、かつ微細な線幅の回路パターンを熱可塑性樹脂フィ
ルムに対して高い密着力で形成できる。また、前記積層
した各フィルムの孔に位置する回路パターン部分を前記
各孔を通して互いにスポット溶接することにより、各フ
ィルムの回路パターン間を良好に接続できると共に、各
フィルム間の平面方向への位置ずれを防止した高信頼性
の多層フレキシブル印刷配線板を極めて簡単な工程によ
り製造することができる。
【0092】本発明に係わるさらに別の印刷配線板の製
造方法は、まず、形成すべき回路パターンと同様な形状
の凸状パターンを有する印刷配線原盤を、熱可塑性樹脂
もしくはゴムからなるフィルムに金属箔を介在して加圧
する。かかる工程において、前記原盤は高さが前記金属
箔の厚さの1倍以上で、かつ金属箔と接する平面または
凸状曲面とこの面とは異なる側面とから構成された凸状
パターンを有するため、前記凸状パターンの前記金属箔
と接する面と側面との間の角において、前記金属箔が応
力集中により延ばされて薄くなり、切断または切断され
やすい状態となり、容易に不要な金属箔を除去して回路
パターンを形成できる。しかも、前記原盤の凸状パター
ンを写真蝕刻法で形成された微細なレジストパターンを
マスクとしたエッチング等により作製すると、形成され
る回路パターンの幅、間隔を微細化できると共に、サイ
ドエッチング等により金属箔と接する面と側面との間の
角の角度が90゜以下となり、前記金属箔の切断が容易
となる。
【0093】このような方法により得られた転写フィル
ムを、例えばガラス織布にエポキシ樹脂を含浸させたプ
リプレグに重ね、前記エポキシ樹脂の硬化温度で加熱す
ると共に加圧することにより、前記回路パターンを前記
プリブレグに埋め込むと共に接着して積層板を作製す
る。この時、前記回路パターンは前記樹脂またはゴムの
フィルムに接着されているため、前記エポキシ樹脂の流
動による切断、変形等を回避できる。前記プリプレグの
エポキシ樹脂が硬化されると、前記回路パターンは前記
フィルムに対する密着力に比べて硬化エポキシ樹脂に対
する密着力の方が高くなり、かつ積層板表面に埋め込ま
れた状態となるため、積層板作製後に前記樹脂またはゴ
ムのフィルムを容易に剥離でき、前記回路パターンが再
転写された印刷配線板を得ることができる。かかる印刷
配線板は、回路パターンが積層板表面に埋め込まれた状
態となるため、部品実装時における回路パターンの剥
離、切断等を回避できる。
【0094】また、前記転写フィルムを射出成形金型の
キャビティ内に配置し、射出成形した後、前記フィルム
を剥離、除去することによって、前記回路パターンが再
転写された成形品からなる印刷配線板を製造することが
できる。
【0095】従って、本発明によれば転写フィルムを用
いて回路パターンをプリプレグなどの絶縁部材に再転写
することによって、絶縁部材が曲面または平面と曲面と
か組み合わさった筐体等の複雑形状の場合でも平面の絶
縁部材を用いた場合と同様に、銅が多量に溶解された廃
液を発生をすることなく、微細な線幅の回路パターンが
前記絶縁部材表面とほぼ面一となるように埋め込まれた
印刷配線板を製造することができる。
【0096】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0097】実施例1 まず、図1(A)に示すように表面を鏡面研磨した30
cm×30cmの金属板1表面にスピンナーでフォトレ
ジストを塗布し、乾燥することによりレジスト膜2を形
成した。つづいて、前記レジスト膜2を露光、現像処理
することにより図1(B)に示すようにレジストパター
ン3を形成した。ひきつづき、前記レジストパターン3
をマスクとして露出する金属板1表面を20μmの深さ
にエッチングすることにより図1(C)に示すように回
路パターンと同形状の凸状パターン4を形成した後、前
記レジストパターン3を剥離することにより図1(D)
に示すように凸状パターン5を有する金型5を作製し
た。
【0098】次いで、図2(E)に示すように厚さ1m
mの板状の弗素樹脂基材6に厚さ18μmの銅箔7を貼
着して銅箔付き弗素樹脂基材を作製し、この基材を図示
しない真空容器内にセットし、前記基材上方に前記金型
5をその凸状パターン4が前記銅箔7に対向するように
配置した。つづいて、前記真空容器内を10torrに減圧
し、前記金型5を270℃に加熱すると共に前記基材側
に下降させ、圧力3kg/cm2 の条件で20秒間加熱
加圧した。この時、図2(F)に示すように前記金型5
の凸状パターン4が当接する前記基材6表面の銅箔7部
分に前記基材6表面と同レベルの凹状パターン8が形成
された。ひきつづき、前記金型5を上昇させ、真空容器
から図2(G)に示す凹状パターン8を有する銅箔付き
弗素樹脂基材を取り出した。この後、凹状パターン8面
側に水を流しながら、前記基材6の凸部となる銅箔7部
分をサンドーペーパを巻装したドラムにより研削、除去
することにより、図2(H)及び図3に示すように基材
6の表面と面一となるように埋設された銅の回路パター
ン9を有する印刷配線板が製造された。なお、図3は図
2(H)の平面図である。
【0099】得られた印刷配線板における回路パターン
9のピール強度を測定したところ、1.5kg/cm2
と高い密着力を有することが確認された。
【0100】また、前記金型5の凸状パターン4の幅と
得られた印刷配線板の回路パターン9の幅とのずれを測
定したところ、前記凸状パターン4の幅より3〜7%大
きくなった。更に、回路パターン9の位置ずれは25c
mの長さで0.01mmと極めて小さかった。
【0101】実施例2 基材として厚さ125μmのポリパラバン酸フィルム
(東燃石油社製商品名;ソルダックス)を用い、加熱加
圧時の温度を300℃とした以外、実施例1と同様な方
法により印刷配線板を製造した。
【0102】得られた印刷配線における回路パターンの
ピール強度を測定したところ、1.8kg/cm2 と高
い密着力を有することが確認された。
【0103】また、金型の凸状パターン幅と得られた印
刷配線板の回路パターン幅とのずれを測定したところ、
前記凸状パターンの幅より2〜4%大きくなった。更
に、回路パターンの位置ずれは25cmの長さで0.0
05mmと極めて小さいことが確認されなかった。
【0104】実施例3 図4は、本実施例3で用いた連続印刷配線フィルム製造
装置を示す概略図である。図中の11は、厚さ100μ
mの弗素樹脂フィルムに厚さ18μmの銅箔を貼着して
作製した銅箔付き弗素樹脂フィルム12を巻回したフー
プである。このフープ11のフィルム12の供給側に
は、2つの送りロール13a、13bが配置されてい
る。後段の送りロール13bのフィルム12の供給側に
は、加熱チャンバ14が配置されている。この加熱チャ
ンバ14内には、前記フィルム12の供給方向に沿って
2つの送りロール15a、15b、上下に対向して配置
された転写ロール16及び加圧ロール17がそれぞれ設
けられている。前記転写ロール16は、金属ロール表面
に感光性フィルム(デュポン社製商品名;リストン)を
被覆し、露光、現像処理してパターンを形成し、このフ
ィルムパターンをマスクとして露出するロール表面を2
0μmの深さエッチングすることにより回路パターンと
同形状の凸状パターンを形成し、その後フィルムパター
ンを剥離することにより作製されたものである。前記加
熱チャンバ14の前記フィルム12の取り出し側には、
研磨ロール18、送りロール19及び巻取ロール20が
順次配置されている。前記加熱チャンバ14と研磨ロー
ル18の間及び前記研磨ロール18と送りロール19の
間には、それぞれ供給されたフィルムに向けて水を噴射
するためのシャワーノズル21a、21bがそれぞれ配
置されている。
【0105】次に、前述した図4の製造装置を用いて印
刷配線フィルムを製造する方法を説明する。
【0106】まず、加熱チャンバ14内を180〜20
0℃に加熱すると共にその中に配置した転写ロール16
を270℃に加熱した。つづいて、フープ11から銅箔
付き弗素樹脂フィルム12を60cm/minの速度で
送りロール13a、13bを通して前記チャンバ14内
に供給し、該チャンバ14内の送りロール15a、15
bを通して転写ロール16及び加圧ロール17間に前記
フィルム12の銅箔が該転写ロール16に対向するよう
に供給した。この時、前記銅箔付き弗素樹脂フィルム1
2は前記加圧ロール17により100kg/cm2 の圧
力が加わり、反対側に配置された転写ロール16により
前記フィルム12の銅箔側が加熱加圧され、これによっ
て前記転写ロール16の凸状パターンが前記フィルム1
2の銅箔側に凹状パターンとして転写された。
【0107】次いで、凹状パターンが転写された銅箔付
き弗素樹脂フィルム12をシャワーノズル21aに供給
して噴射された水でシャワーし、研磨ロール18を通過
する間に前述した実施例1と同様に銅箔付き弗素樹脂フ
ィルム12の凸部となる銅箔部分を研磨除去することに
よりフィルム表面と面一となるように埋設された銅の回
路パターンを形成した。つづいて、シャワーノズル21
bで噴射された水をシャワーして洗浄した後、送りロー
ル19を通して巻取ロール20で巻き取った。
【0108】得られた長尺の印刷配線フィルムについ
て、回路パターンの変形を前記転写ロールの作製時に用
いたフィルムパターンを基準にして調べたところ、引張
り方向に30cm当り0.08cm伸び、その直角方向
に30cm当り0.1cm縮まった。また、製造工程に
おいて回路パターンの断線、剥離等は全く認められなか
った。
【0109】実施例4 まず、図5(A)に示すように表面を鏡面研磨した30
cm×30cmの金属板31表面にスピンナーでフォト
レジストを塗布し、乾燥することによりレジスト膜32
を形成した。つづいて、図5(B)に示すように前記レ
ジスト膜32を露光、現像処理してレジストパターン3
3を形成した後、該レジストパターン33をマスクとし
て露出する金属板31表面を20μmの深さにエッチン
グすることにより図5(C)に示すように回路パターン
と同形状の凸状パターン34を形成した。この後、前記
レジストパターン33を剥離することにより図5(D)
に示すように凸状パターン34を有するキャビティ中子
35を作製した。
【0110】次いで、前記中子35を図6(E)に示す
射出成形機に組み込んだ。即ち、この射出成形機は樹脂
ペレットを供給するためのホッパ41を有するシリンダ
42と、このシリンダ42内に挿入されたスクリュ−4
3と、前記シリンダ42の先端に取り付けられた固定型
44と、この固定型44に形成され、前記シリンダ42
とランナー45で連通するキャビティ46と、前記固定
型44に型締され、キャビティ47を有する可動型48
とから構成されている。このような射出成形機の可動型
48のキャビティ47内に前記中子35をその凸状パタ
ーンが前記固定型44の対向面に表出するように装填し
た。つづいて、前記可動型48を前記固定型44にそれ
らの間に銅箔36を配置して型締した。ひきつづき、前
記固定型44及び前記可動型48を150℃に加熱し、
前記ホッパ41にポリフェニレンサルファイド樹脂(P
PS樹脂)のペレットを入れ、320℃で加熱溶融して
シリンダ42内に導入すると共に、スクリュー43を前
進させて前記溶融PPS樹脂をランナー45を通して前
記固定型44のキャビティ46内に射出した。この時、
前記溶融PPS樹脂は前記キャビティ46内に供給され
て前記固定型44と前記可動型48の間に配置された前
記銅箔36に接着されたPPS樹脂フィルムが成形され
ると共に、その射出圧力により前記銅箔36が前記可動
型48内の中子35の凸状パターン側に押圧されて変形
することにより凹状パターンが形成された。
【0111】次いで、前記可動型48を開いて固定型4
4内のPPS樹脂フィルムを銅箔36と共に取り出し、
フィルムの両端から延出した銅箔をカットすることによ
り図6(F)に示す凹状パターン38を有する銅箔36
が一体的に接着されたPPS樹脂フィルム37が作製さ
れた。この後、凹状パターン38面側に水を流しなが
ら、前記フィルム37の凸部となる銅箔36部分をサンド
ーペーパを巻装したドラムにより研削、除去することに
より、図6(G)に示すように基材としてのPPS樹脂
フィルム37の表面と面一となるように埋設された銅の
回路パターン39を有する印刷配線板が製造された。
【0112】得られた印刷配線板における回路パターン
のピール強度を測定した。その結果、1.7kg/cm
2 と高い密着力を有することが確認された。
【0113】実施例5 まず、図7(A)に示すように表面を鏡面研磨した30
cm×30cmの金属板51表面にスピンナーでフォト
レジストを塗布し、乾燥することによりレジスト膜52
を形成した。つづいて、図7(B)に示すように前記レ
ジスト膜52を露光、現像処理してレジストパターン5
3を形成した。ひきつづき、前記レジストパターン53
をマスクとして露出する金属板51表面を30μmの深
さにエッチングすることにより図7(C)に示すように
回路パターン縁部の領域に対応した溝パターン54を形
成した。この後、前記レジストパターン53を剥離する
ことにより図7(D)に示すように回路パターン縁部の
領域に対応した溝パターン54を有する金型55を作製
した。
【0114】次いで、図8(E)に示すように厚さ1m
mの板状の弗素樹脂基材56に厚さ18μmの銅箔57
を貼着して銅箔付き弗素樹脂基材を作製し、この基材を
図示しない真空容器内にセットし、前記フィルムの上方
に前記金型55をその溝パターン54が前記銅箔57に
対向するように配置した。つづいて、前記真空容器内を
10torrの減圧とし、前記金型55を270℃に加
熱すると共に前記基材側に下降させ、圧力3kg/cm
2 の条件で20秒間加熱加圧した。この時、図8(F)
に示すように前記金型55の溝パターン54に対応する
前記基材56表面の銅箔57部分が前記溝パターン54
内に突出し、回路パターンを形成しない領域に対応する
部分に銅箔の凸状パターン58が形成された。同時に、
前記凸状パターン58下の基材56部分も突出して前記
銅箔57の未突出領域と面一になった。ひきつづき、前
記金型55を上昇させ、真空容器から図8(G)に示す
凸状パターン58を有する銅箔付き弗素樹脂基材を取り
出した。この後、前記基材56表面の銅箔57側に水を
流しながら、前記基材56の凸状パターン58部分をサ
ンドーペーパを巻装したドラムにより研削、除去した。
これにより、図8(H)及び図9に示すように基材56
と、未突出領域の銅箔と面一になるまで突出した前記基
材56部分で縁取りされた島状の銅の回路パターン59
とからなる印刷配線板が製造された。なお、図9は図8
(H)の平面図である。
【0115】得られた印刷配線板における回路パターン
のピール強度を測定した。その結果、1.5kg/cm
2 と高い密着力を有することが確認された。
【0116】実施例6 まず、鋼材の表面を研磨し、ニッケルめっきを施し、更
に再研磨して母材61を作製し、この母材61の内部に
一端が該母材61の側面に開孔された流通路62を表面
と平行となるように形成した。つづいて、前記母材61
表面の非凸状パターン領域にNCドリルにより前記流通
路62と連通する直径0.2mmの複数の孔63を2c
m間隔で開孔した。ひきつづき、前記孔63が開孔され
た表面に感光性フィルムを貼着し、露光、現像を行なっ
てフィルムパターンを形成した後、該パターンをマスク
として露出する前記母材61表面を50μmの深さにエ
ッチングすることにより回路パターンと同形状の凸状パ
ターン64を形成した。かかるエッチング工程におい
て、オーバーエッチングを行なうことにより凸状パター
ン64の側面と金属箔と接する面とのなす角度は85°
となった。また、エッチング工程において前記母材61
の孔63周辺に生じたバリも除去された。この後、フィ
ルムパターンを剥離し、洗浄することにより印刷配線原
盤65を作製した(図10(A)図示)。
【0117】次いで、図10(B)に示すように前記原
盤65の前記凸状パターン64上に厚さ18μmの銅箔
66を載置した。つづいて、前記原盤65の流通路62
の一端に配管(図示せず)を連結し、その他端に連結し
た真空ポンプを作動して該配管、流通路62を通して複
数の孔63から吸引することにより、図10(C)に示
すように前記銅箔66は前記凸状パターン64の突出面
に接触させながら撓ませた。
【0118】次いで、図11(D)に示すように吸引を
続行しながら前記銅箔66上に下記表1に示す厚さの熱
可塑性樹脂からなるフィルム67を載置した。つづい
て、前記フィルム67上面に当て材としてのフッ化ポリ
エチレンフィルム(図示せず)を配置し、前記原盤65
と前記フッ化ポリエチレンフィルムの上部側に配置した
加圧用治具(図示せず)とにより前記フィルム67を3
〜10秒間加熱加圧して転写処理を行なった。なお、前
記転写処理における原盤65の加熱及び前記原盤65と
加圧用治具の間の加圧は同第1表に示す条件で行なっ
た。また、前記銅箔66側に配置される前記フィルム6
7をポリテトラフロロエチレンパーフロロアルキルビニ
ルエーテルで形成した場合には、前記フィルム67と加
圧用治具の間に前記フッ化ポリエチレンフィルムを介在
させなかった。このような加熱加圧により、図11
(E)に示すように前記原盤65の凸状パターン64に
対応する前記銅箔66部分が該凸状パターン64の角で
切断されると共に、切断後の銅箔66部分が軟化した前
記フィルム67に埋没、転写されて回路パターン68が
形成された。残存した銅箔66部分は、前記原盤65の
孔63での吸引により原盤65表面に移行された。
【0119】次いで、図11(F)に示すように前記フ
ィルム67を前記原盤65から取り外した後、前記原盤
65の流通路62の一端に連結した配管(図示せず)の
他端に真空ポンプの代わりにコンプレッサを繋ぎ、作動
して該配管、流通路62を通して複数の孔63から加圧
空気を噴出することにより前記原盤65上に残存した銅
箔66を剥離除去した。この後、前記銅箔の回路パター
ンが埋没されたフィルムを下記表1に示す条件で3〜1
0秒間定着処理を施すことにより13種のフレキシブル
印刷配線板を製造した。
【0120】得られた実施例6の各フレキシブル印刷配
線板における回路パターンのピール強度を測定した。そ
の結果を下記表1に併記した。
【0121】
【表1】 前記表1から明らかなように本実施例6により製造され
たフレキシブル印刷配線板の回路パターンは、極めて高
いピール強度を有することがわかる。
【0122】実施例7 前記実施例6において前記表1中のNo.3に示す条件
で製造したポリフェニレンサルファイドフィルムを有す
るフレキシブル印刷配線板について、その断面形状を調
べた。その結果、図12(G)に示すようにフィルム6
7に埋設された回路パターン68が上方に変形して湾曲
していた。
【0123】このようなことから、前記回路パターン6
8に240番のサンドペーパを取り付けたロール(図示
せず)を回転させながら接触圧力200g/cm2 で3
秒間押し当てた。その結果、図12(H)に示すように
前記回路パターン67の変形を除去することができた。
【0124】実施例8 前述した図12(G)に示す回路パターン68に波型の
凹凸を有し、かつ240番のサンドペーパで粗面化した
ロール(図示せず)を回転させながら接触圧力200g
/cm2 で3秒間押し当てた。その結果、前記回路パタ
ーンの変形を除去することができ、かつフィルム67の
平坦性も良好になった。
【0125】実施例9 図13は、本実施例9で用いた連続印刷配線フィルム製
造装置を示す概略図、図14は図13の原盤付きロー
ル、予備加熱ロール及びこれらロールに付随される回転
機構を示す断面図、図15は図14にX−X線に沿う断
面図である。図中の71は、銅箔屑を収集するためのダ
ストである。このダスト71の上部には、円柱状の原盤
取付けロール72が配設されている。前記原盤取付けロ
ール72の上部には、予熱加圧ロール73が近接して配
設されている。前記原盤取付けロール72には、銅箔供
給フープ74から厚さ18μmの銅箔75が送りロール
76を通して供給される。なお、前記原盤取付けロール
72への銅箔75の供給付近には密着補助ロール77が
配設されている。前記原盤取付けロール72の下部周面
には、銅箔屑を掻き落とすための剥離ブラシ78aおよ
び金型研磨用ロール78bが配設されている。前記予熱
加圧ロール73には、フィルム供給フープ79から下記
表2に示す材料及び厚さのフィルム80が2つの送りロ
ール76を通して供給される。このフィルム80の長手
方向に沿う両側端部には、図16に示すようにスプロケ
ット穴80aが開孔されている。また、前記予熱加圧ロ
ール73には当てフィルム供給フープ81から厚さ10
0μmの四フッ化ポリエチレンからなる当フィルム82
が3つの送りロール76を通して該予熱加圧ロール73
と前記フィルム80の間に介在されように供給される。
前記当てフィルム82は、前記原盤取付けロール72と
予熱加圧ロール73間を通過した後、送りロール76を
通して図示しない巻取ロールに巻き取られる。なお、前
記当てフィルム82は前記フィルム80の性状に応じて
供給される。前記原盤取付けロール72からのフィルム
送出側には、反転ロール83a、不要金属箔除去ブラシ
83b、定着ロール84、送りロール76及び印刷配線
フィルムの巻取ロール(図示せず)が順次配設されてい
る。
【0126】前記原盤取付けロール72、予熱加圧ロー
ル73及びこれらロールに付随する回転機構は、図14
及び図15に示す構造になっている。前記原盤取付けロ
ール12は、両端に軸91a、91bを有するロール本
体92を備えている。このロール本体92の中心部に
は、左端面から細長状中空部93が穿設されており、か
つ該中空部93には端子94により通電されるヒータ9
5が挿入されている。前記本体92の軸91a、91b
には、軸受96a、96bが設けられている。前記左端
に位置する軸受96aより内側の前記軸91a部分に
は、歯車97が軸着されている。前記本体92の両端付
近の外周面には、複数のスプロケット受け穴98が形成
されている。更に、前記本体92の外周面には、実施例
6の方法に準じて作製された凸状パターン及び複数の減
圧加圧用孔を有する環状原盤99が設けられている。こ
の環状原盤99が位置する前記本体92の周面から右側
の軸91bの端面に亘って、複数の減圧加圧用流通路1
00が円筒状に配列して形成されている。前記原盤99
側に位置する複数の減圧加圧用流通路100は、該原盤
99に開孔した複数の孔と連通されている。前記右側に
位置する軸受96bの端面には、カバー101が前記軸
91bの端部を覆うように取り付けられている。前記軸
91bの端面には、中子102がバネ103の付勢力に
より当接されている。前記中子102と前記軸91bの
端面とにより図15に示すように互いに区画された減圧
室104、加圧室105及び常圧室106が形成されて
おり、かつこれら3つの室104〜106には前記軸9
1bの端面に開孔した前記複数の流通路100が連通さ
れている。前記各室104〜106には、前記カバー1
01を通して挿入された減圧配管107、加圧配管10
8及び常圧配管109がそれぞれ連通されている。この
ような形状の中子102及び減圧配管107、加圧配管
108及び常圧配管109の接続により、前記ロール本
体92を回転した場合、その回転に依存されることなく
前記減圧室104と連通する前記予熱加圧ロール73側
に配置されるロール本体92の複数の流通路100は減
圧状態に、前記加圧室105と連通する前記ロール本体
92の下部側に位置する複数の流通路100は加圧状態
に、前記常圧室106と連通する前記ロール本体92の
複数の流通路100は常圧状態にそれぞれ維持される。
なお、前記加圧状態となる流通路100が形成される前
記ロール本体92の環状原盤99部分には前述した剥離
ブラシ78が接触される。
【0127】前記予熱加圧ロール73は、両端に軸11
0a、110bを有するロール本体111を備えてい
る。このロール本体111の中心部には、左端面から細
長状中空部112が穿設されており、かつ該中空部11
2には端子113により通電されるヒータ114が挿入
されている。前記本体111の軸110a、110bに
は、軸受115a、115bが設けられており、かつこ
れら軸受115a、115bには加圧シャフト116
a、116bが取付けられている。前記右端に位置する
軸受115bより外側の前記軸110b部分には図示し
ないモータ軸の無端ベルトが枢支されるプーリ117が
軸着されている。前記左端に位置する軸受115aより
内側の前記軸110a部分には、前記原盤付きロール7
2の歯車97と噛合される歯車118が軸着されてい
る。前記本体111の両端付近の外周面には、供給され
た前記フィルム80のスプロケット穴80aに係合され
る複数のスプロケット119が形成されている。
【0128】次に、前述した図13〜図16に示す製造
装置を用いて印刷配線フィルムを製造する方法を説明す
る。
【0129】まず、原盤付きロール72に内蔵したヒー
タ94及び予熱加圧ロール73に内蔵したヒータ114
にそれぞれ通電して各ロール72、73を下記表2に示
す温度条件で加熱した。つづいて、銅箔供給フープ74
から厚さ18μmの銅箔75を前記ロール72、73間
に供給すると共にフィルム供給フープ79からフィルム
80を、当てフィルム供給フープ81から厚さ100μ
mの四フッ化ポリエチレンからなる当フィルム82をそ
れぞれ前記ロール72、73間に該当てフィルム82が
予熱加圧ロール73側に位置するように供給した。この
時、前記フィルム80のスプロケット穴80aが前記予
熱加圧ロール73のスプロケット119に係合される。
同時に、減圧配管107、加圧配管108及び常圧配管
109を通してこれら配管と連通する減圧室104を5
0〜150torrの減圧状態に、加圧室105を3〜
5kg/cm2 の加圧状態に、常圧室106を常圧状態
にした。これにより、前記減圧室104と連通する前記
予熱加圧ロール73側に配置される原盤付ロール72の
複数の流通路100が減圧状態になり、これら流通路1
00と連通する前記原盤99の孔で吸引がなされる。前
記加圧室105と連通する前記ロール72の下部側に位
置する複数の流通路100が加圧状態になり、これら流
通路100と連通する前記原盤99の孔から加圧ガスが
噴射される。前記常圧室106と連通する前記ロール7
2の複数の流通路100が常圧状態になる。このような
操作により、原盤付ロール72側に供給された銅箔75
が前記ロール72の外周面の原盤99の複数の孔を通し
て吸引されるため、該原盤99に形成された凸状パター
ンの突出面に接触しながら撓む。ひきつづき、加圧シャ
フト116a、116bにより予熱加圧ロール73を下
記表2に示す条件で加圧すると共に該ロール73のプー
リ117を半時計回り方向に回転し、歯車118と噛合
した原盤付ロール72の歯車97にその回転力を伝達さ
せて同ロール72を時計回り方向に回転させた。このよ
うな加圧シャフト116a、116bによる予熱加圧ロ
ール73への加圧操作、及び前記各ロール72、73の
回転によって、前記実施例6で説明したのと同様に回路
パターンがフィルム80に形成される。即ち、前記ロー
ル72の原盤99の凸状パターンに対応する銅箔75部
分が該凸状パターンの角で切断されると共に、切断後の
銅箔75部分が該銅箔15と共に前記ロール72、73間
に供給されたフィルム80の軟化した表面に埋没、転写
されて回路パターンが形成された。未埋没部として残存
した銅箔75部分は、前記環状原盤99の複数の孔によ
る吸引により該原盤99表面に移行された。この銅箔7
5部分は、前記ロール72の回転により前記原盤99の
複数の孔と連通する流通路100が加圧室105側に移
行して連通し、前記原盤99の孔を通して加圧ガスが噴
射されることによって、該原盤99表面から剥離され、
該ロール72の下部側に位置する剥離ブラシ78により
掻き落とされ、その下のダスト71に集められる。
【0130】次いで、回路パターンが形成されたフィル
ム80を反転ロール83を通して下記表2に示す温度条
件に設定した定着ロール84に供給して該フィルム80
の回路パターン転写面側が定着ロール84表面に当接し
て定着処理を施した後、送りロールを通して図示しない
巻取ロールに印刷配線フィルムを巻き取った。
【0131】以上のような実施例9の工程により得られ
た13種の印刷配線フィルムにおける回路パターンのピ
ール強度を測定した。その結果を下記2表に併記した。
【0132】
【表2】 前記第2表から明らかなように本実施例9により製造さ
れた印刷配線フィルムの回路パターンは、極めて高いピ
ール強度を有することがわかる。また、製造工程におい
て回路パターンの断線、剥離等は全く認められなかっ
た。
【0133】なお、上記実施例9では図13に示すよう
に原盤を円柱状ロールに取り付けた原盤付きロールを用
いて印刷配線フィルムを製造する方法を説明したが、こ
れに限定されない。例えば、図17に示すように断面が
六角形状の原盤付きロール121の上方に上下動する加
圧用治具122を配置し、更に前記原盤付ロール121
の下方にシリンダ123により上下動するダスト71を
配置した構造の連続印刷配線フィルム製造装置を用い、
前記原盤付きロール121をその辺が前記加圧用治具1
22に対向するように間欠的に動作させて印刷配線フィ
ルムを製造し、転写後の残存した銅箔をシリンダ123
によるダスト71の前記ロール121下面への押圧、剥
離ブラシ78による剥離、除去を行ってもよい。
【0134】実施例10 まず、図18(A)に示すように鋼材201表面を研磨
し、厚さ50μmの錫めっき層202を被覆した後、さ
らに再研磨して母材203を作製した。つづいて、図1
8(B)に示すように前記母材203の錫めっき層20
2上に厚さ50μmの感光性ドライフィルム204を接
着した。
【0135】次いで、図18(C)に示すように前記感
光性ドライフィルム205を露光、現像処理して形成す
べき回路パターンと逆パターンである幅125μmのフ
ィルムパターン205を75μm間隔で形成した。つづ
いて、前記フィルムパターン205をマスクとして前記
錫めっき層202を選択的にエッチングした。かかるエ
ッチング工程において、オーバエッチングを行うことに
より図19(D)に示すように錫めっき層202に形成
すべき回路パターンより広い幅の開口部206が形成さ
れた。その後、さらに露出した鋼板201表面をエッチ
ングして凹部207を形成した。
【0136】次いで、図19(E)に示すようにニッケ
ルめっきを施して前記凹部207から開口部206およ
びフィルムパターン205間の隙間に亘る空隙に厚さ約
100μmのニッケルめっき層208を埋込んだ。つづ
いて、図19(F)に示すようにフィルムパターン20
5を剥離し、さらに錫めっき層202を溶解除去した
後、洗浄することにより前記鋼材201表面に上部が回
路パターンと同様な形状で前記上部より幅の広い基部が
前記鋼材201の凹部207に埋め込まれた回路パター
ンと同様なニッケルからなる凸状パターン209を形成
して印刷配線原盤210を作製した。
【0137】実施例11 鋼材表面に形成するめっき層を半田合金とし、フィルム
パターンの形成、半田合金めっき層のエッチング、ニッ
ケルめっき、フィルムパターン除去後の半田合金層の除
去を加熱溶融により行なった以外、実施例10と同様な
方法により凸状パターンを形成して印刷配線原盤を作製
した。
【0138】参照例 まず、図20(A)に示すように鋼板211表面を研磨
し、厚さ100μmのニッケルめっき層212を被覆し
た後、さらに再研磨して母材213を作製した。つづい
て、図20(B)に示すように前記母材213のニッケ
ルめっき層212上に厚さ50μmの感光性ドライフィ
ルム214を接着した。ひきつづき、図20(C)に示
すように前記感光性ドライフィルム214を露光、現像
処理して形成すべき回路パターンと同様な幅75μmの
フィルムパターン215を125μm間隔で形成した。
【0139】次いで、図21(D)に示すように前記フ
ィルムパターン215をマスクとして前記ニッケルめっ
き層212を選択的にエッチングしてニッケルめっきか
らなる凸状パターン216を形成した。つづいて、図2
1(E)に示すようにフィルムパターン215を剥離し
た後、洗浄して印刷配線原盤217を作製した。
【0140】得られた実施例10、11および参照例の
印刷配線原盤(凸状パターン幅が75μm)を用いて、
厚さ12μmの銅箔を厚さ100μmのポリフェニレン
サルファイド樹脂フィルムに加熱加圧して前記銅箔をフ
ィルム上に転写し、回路パターンを形成する操作を多数
回繰り返し、所定の転写回数における回路パターン幅を
測定した。その結果を下記表3に示す。
【0141】 表3 転写回数 250回 500回 1000回 2000回 実施例10 75μm 75μm 76μm 80μm 実施例11 75μm 75μm 77μm 79μm 参照例 60μm 70μm 88μm * (表3中の*は、凸状パターンが変形したため回路パターン形成不可) 前記表3から明らかなように図19(F)に示す構造の
凸状パターンが形成された実施例10、11の印刷配線
原盤は、図21(E)に示す構造の凸状パターンが形成
された参照例の印刷配線原盤に比べて多数回の転写に使
用しても所期目的の幅をもつ回路パターンを形成でき、
かつ上部より幅の広い基部が鋼材の凹部に埋め込まれて
いるため耐久性も優れていることがわかる。
【0142】実施例12 まず、図22(A)に示すように表面にニッケルめっき
を施した鋼材からなる母材301と、この母材301の
内部に形成され、一端が前記母材301の側面に開孔さ
れた流通路302と、前記母材301の表面に形成さ
れ、高さが50μm、側面と上面のなす角度が85゜の
複数の凸状パターン303と、前記凸状パターン303
間に位置する前記母材301の表層に開孔され、前記流
通路302と連通する複数の孔304とから構成される
印刷配線原盤305を作製した後、前記凸状パターン3
03上に厚さ18μmの銅箔306を載置した。
【0143】次いで、前記印刷配線原盤305の流通路
302の一端に配管(図示せず)を連結し、その他端に
連結した真空ポンプを作動して該配管、流通路302を
通して複数の孔304から吸引することにより、図22
(B)に示すように前記銅箔306を前記凸状パターン
303の突出面に接触させながら撓ませた。つづいて、
厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)
を加熱処理して軟化温度を310℃付近にしたフィルム
307と加熱処理を施さない同PPSフィルム(軟化温
度;270℃)308とを熱溶着して表裏で軟化温度の
異なる熱可塑性樹脂フィルムを作製した後、この熱可塑
性樹脂フィルムを図22(C)に示すように前記印刷配
線原盤305の銅箔306上に前記高軟化温度のPPS
フィルム307が当接するように重ね、さらに低軟化温
度のPPSフィルム308上にフッ化ポリエチレンから
なる当てフィルム309を重ねた。
【0144】次いで、吸引を続行しながら前記印刷配線
原盤305と前記当てフィルム309の上部側に配置し
た加圧用治具(図示せず)とにより前記銅箔306およ
び熱可塑性樹脂フィルムを300℃、30秒間加熱加圧
して転写処理を行なった。このような加熱加圧により、
図23(D)に示すように前記原盤305の凸状パター
ン303に対応する前記銅箔306部分が該凸状パター
ン303の角で切断されると共に、切断後の銅箔部分
(回路パターン)310が軟化した前記高軟化温度のP
PSフィルム307に埋没、転写された。つづいて、図
23(E)に示すように前記原盤305および加圧用治
具(図示せず)から回路パターン310および余剰の銅
箔片311が付着された熱可塑性樹脂フィルムを取り出
した。ひきつづき、前記熱可塑性樹脂フィルム表面をブ
ラッシングして前記余剰の銅箔片311を除去すること
によって、図23(F)に示す片面印刷配線基板312
を作製した。
【0145】次いで、図24(G)に示すように前記片
面印刷配線基板312を5枚重ねてプレス板313a、
313b間に配置した。つづいて、図24(H)に示す
ように前記プレス板313a、313bで270℃、1
0kg/cm2 にて加熱加圧した。この時、低軟化温度
のPPSフィルム308が軟化して基板312同志が接
着された。プレス板313a、313bを冷却した後、
図24(I)に示すフレキシブル多層印刷配線板314
を取り出した。
【0146】得られた多層印刷配線板314は、回路パ
ターン310が多層化工程において平面方向に位置ずれ
を生じたり、切断されたりせず、片面印刷配線基板31
2の作製段階と同様な位置に配置されていた。
【0147】実施例13 厚さ50μmのポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)フィルム(軟化温度;334℃)と厚さ15μmの
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(軟化
温度;260℃)を熱融着させた表裏で軟化温度が異な
る熱可塑性樹脂フィルムを用い、転写工程を350℃の
温度で行ない、かつ多層化工程を280℃、10kg/
cm2 にて行なった以外、実施例12と同様な方法によ
りフレキシブル多層印刷配線板を製造した。
【0148】得られた多層印刷配線板は、回路パターン
が多層化工程において平面方向へ位置ずれしたり、切断
されたりせずに片面印刷配線基板の作製段階と同様な位
置に配置されていた。
【0149】実施例14 まず、前述した図22(A)と同様な印刷配線原盤30
5を作製し、凸状パターン303上に厚さ18μmの銅
箔306を載置した。つづいて、前記原盤305の流通
路(図示せず)の一端に配管(図示せず)を連結し、そ
の他端に連結した真空ポンプを作動して該配管、流通路
を通して複数の孔(図示せず)から吸引することによ
り、前記銅箔306を前記凸状パターン303の突出面
に接触させながら撓ませた。ひきつづき、厚さ50μm
のポリパラバン酸フィルム315と厚さ12μmのポリ
エーテルサルホンフィルム(軟化温度:225℃)31
6とを熱溶着して表裏で軟化温度の異なる熱可塑性樹脂
フィルムを作製した後、この熱可塑性樹脂フィルムを前
記印刷配線原盤305の銅箔306上に前記低軟化温度
のポリエーテルサルホンフィルム316が当接するよう
に重ね、さらに高軟化温度のポリパラバン酸フィルム3
15上にフッ化ポリエチレンからなる当てフィルム30
9を重ねた(図25(A)図示)。
【0150】次いで、吸引を続行しながら前記印刷配線
原盤305と前記当てフィルム309の上部側に配置し
た加圧用治具(図示せず)とにより前記銅箔306およ
び前記熱可塑性樹脂フィルムを260℃、30秒間加熱
加圧して転写処理を行なった。このような加熱加圧によ
り、図25(B)に示すように前記原盤305の凸状パ
ターン303に対応する前記銅箔306部分が該凸状パ
ターン303の角で切断されると共に、切断後の銅箔部
分(回路パターン)310が軟化した前記低軟化温度の
ポリエーテルサルホンフィルム316に埋没、転写され
ると共に前記埋没箇所に対応する前記フィルム316が
高軟化温度のポリパラバン酸フィルム316側に埋没さ
れた。つづいて、前記原盤305および加圧用治具(図
示せず)から回路パターン310および余剰の銅箔片3
11が付着された熱可塑性樹脂フィルムを取り出した
後、前記熱可塑性樹脂フィルム表面をブラッシングして
前記余剰の銅箔片311を除去することにより図25
(C)に示す片面印刷配線基板312を作製した。
【0151】次いで、前記片面印刷配線基板を5枚用い
て実施例12と同様な方法によりフレシキブル多層印刷
配線板を製造した。ただし、多層化工程は270℃、1
0kg/cm2 で2分間加熱加圧することにより行っ
た。
【0152】得られた多層印刷配線板は、回路パターン
が多層化工程において平面方向に位置ずれを生じたり、
切断されたりせず、片面印刷配線基板の作製段階と同様
な位置に配置され、しかも均一な厚さを有することが確
認された。
【0153】実施例15 厚さ50μmの高軟化温度のPPSフィルム(軟化温
度;310℃)と厚さ15μmの低軟化温度のPPSフ
ィルム(軟化温度;270℃)を熱融着させた表裏で軟
化温度が異なる熱可塑性樹脂フィルムを用い、転写工程
を270℃の温度で行ない、かつ多層化工程を270
℃、10kg/cm2 にて行った以外、実施例14と同
様な方法によりフレキシブル多層印刷配線板を製造し
た。
【0154】得られた多層印刷配線板は、回路パターン
が多層化工程において平面方向に位置ずれを生じたり、
切断されたりせず、片面印刷配線基板の作製段階と同様
な位置に配置され、しかも均一な厚さを有することが確
認された。
【0155】実施例16 まず、前述した図22(A)と同様な印刷配線原盤30
5を作製し、凸状パターン303上に厚さ18μmの銅
箔306を載置した。つづいて、前記原盤305の流通
路(図示せず)の一端に配管(図示せず)を連結し、そ
の他端に連結した真空ポンプを作動して該配管、流通路
を通して複数の孔(図示せず)から吸引することによ
り、前記銅箔306を前記凸状パターン303の突出面
に接触させながら撓ませた。ひきつづき、厚さ50μm
の高軟化温度のPPSフィルム(軟化温度;310℃)
317の両面に厚さ12μmの低軟化温度のPPSフィ
ルム(軟化温度:270℃)318a、318bとをそ
れぞれ熱溶着して表裏と内部で軟化温度の異なる熱可塑
性樹脂フィルムを作製した後、この熱可塑性樹脂フィル
ムを前記印刷配線原盤305の銅箔306上に前記低軟
化温度のPPSフィルム318aが当接するように重
ね、さらに反対側の低軟化温度のPPSフィルム318
b上にフッ化ポリエチレンからなる当てフィルム309
を重ねた(図26(A)図示)。
【0156】次いで、吸引を続行しながら前記印刷配線
原盤305と前記当てフィルム309の上部側に配置し
た加圧用治具(図示せず)とにより前記銅箔306およ
び前記熱可塑性樹脂フィルムを270℃、30秒間加熱
加圧して転写処理を行なった。このような加熱加圧によ
り、図26(B)に示すように前記原盤305の凸状パ
ターン303に対応する前記銅箔306部分が該凸状パ
ターン303の角で切断されると共に、切断後の銅箔部
分(回路パターン)310が軟化した前記低軟化温度の
PPSフィルム318aに埋没、転写されると共に前記
埋没箇所に対応する前記PPAフィルム318aが高軟
化温度のPPSフィルム317および低軟化温度のPP
Sフィルム318b側に埋没された。つづいて、前記原
盤305および加圧用治具(図示せず)から回路パター
ン310および余剰の銅箔片311が付着された熱可塑
性樹脂フィルムを取り出した後、前記熱可塑性樹脂フィ
ルム表面をブラッシングして前記余剰の銅箔片311を
除去することにより図26(C)に示す片面印刷配線基
板312を作製した。
【0157】次いで、前記片面印刷配線基板を5枚用い
て実施例12と同様な方法によりフレキシブル多層印刷
配線板を製造した。ただし、多層化工程は270℃、1
0kg/cm2 で2分間加熱加圧することにより行っ
た。
【0158】得られた多層印刷配線板は、回路パターン
が多層化工程において平面方向に位置ずれを生じたり、
切断されたりせず、片面印刷配線基板の作製段階と同様
な位置に配置され、しかも均一な厚さを有することが確
認された。
【0159】実施例17 厚さ50μmのポリエーテルサルホンフィルム(軟化温
度;225℃)の両面に厚さ10μmのポリ塩化ビニリ
デンフィルム(軟化温度;160℃)をそれぞれ熱融着
させた表裏と内部で軟化温度が異なる熱可塑性樹脂フィ
ルムを用い、転写工程を170℃の温度で行ない、かつ
多層化工程を270℃、10kg/cm2 で行った以
外、実施例16と同様な方法によりフレキシブル多層印
刷配線板を製造した。
【0160】得られた多層印刷配線板は、回路パターン
が多層化工程において平面方向に位置ずれを生じたり、
切断されたりせず、片面印刷配線基板の作製段階と同様
な位置に配置され、しかも均一な厚さを有することが確
認された。
【0161】実施例18 まず、図27(A)に示すように表面にニッケルめっき
を施した鋼材からなる母材401と、この母材401の
内部に形成され、一端が前記母材401の側面に開孔さ
れた流通路402と、前記母材401の表面に形成さ
れ、高さが80μm、側面と上面のなす角度が85゜の
複数の凸状パターン403と、前記凸状パターン403
間に位置する前記母材401の表層に開孔され、前記流
通路402と連通する複数の孔404とから構成される
印刷配線原盤405を作製した後、前記凸状パターン4
03上に厚さ18μmの銅箔406を載置した。
【0162】次いで、前記印刷配線原盤405の流通路
402の一端に配管(図示せず)を連結し、その他端に
連結した真空ポンプを作動して該配管、流通路402を
通して複数の孔404から吸引することにより、図27
(B)に示すように前記銅箔406を前記凸状パターン
403の突出面に接触させながら撓ませた。つづいて、
厚さ50μmのポリエーテルスルホンフィルム407に
厚さ10μmのエポキシ樹脂からなる接着剤層408を
塗布した接着剤付きフィルムを作製した後、このフィル
ムを図27(C)に示すように前記印刷配線原盤405
の銅箔406上に前記接着剤層408が当接するように
重ね、さらにポリエーテルスルホンフィルム407上に
フッ化ポリエチレンからなる当てフィルム409を重ね
た。
【0163】次いで、吸引を続行しながら前記印刷配線
原盤405と前記当てフィルム409の上部側に配置し
た加圧用治具(図示せず)とにより前記銅箔406およ
び前記接着剤付きフィルムを100kg/cm2 で1分
間加熱加圧して転写処理を行なった。このような加熱加
圧により、図28(D)に示すように前記原盤405の
凸状パターン403に対応する前記銅箔406部分が該
凸状パターン403の角で切断されると共に、切断後の
銅箔部分(回路パターン)410が軟化した前記接着剤
層408に埋没、転写されると共に前記接着剤層408
が硬化された。つづいて、図28(E)に示すように前
記原盤405および加圧用治具(図示せず)から回路パ
ターン410および余剰の銅箔片411が付着されたフ
ィルムを取り出した。ひきつづき、前記フィルム表面を
ブラッシングして前記余剰の銅箔片411を除去するこ
とにより、図28(F)に示す片面印刷配線基板412
を作製した。
【0164】次いで、図29(G)に示すように前記片
面印刷配線基板412の回路パターン410と反対側の
フィルム407の表面にエポキシ樹脂からなる接着剤層
413を塗布した。つづいて、接着剤層413を有する
4枚の片面印刷配線基板412を重ね、さらにその上に
片面印刷配線基板412を重ねた後、プレス板を用いて
150℃、20kg/cm2 にて10分間加熱加圧する
ことにより、図29(H)に示すように硬化した接着剤
層412により互いに接着されたフレキシブル多層印刷
配線板414が製造された。
【0165】得られた多層印刷配線板414は、回路パ
ターン410が多層化工程において平面方向に位置ずれ
を生じたり、切断されたりせず、片面印刷配線基板の作
製段階と同様な位置に配置され、しかも均一な厚さを有
することが確認された。
【0166】実施例19 予めスルホール予定部に孔(100箇所)が穿設された
厚さ100μmのポリフェニレンサルファイドフィルム
を用い、前記表1中のNo.3に示す条件で前記実施例
6と同様に銅箔を転写、埋設を行うことにより異なる形
状の回路パターンが形成されたポリフェニレンサルファ
イドフィルムからなる5種の単層のフレキシブル配線基
板を作製した。図30(A)は、前記配線基板の一例を
示すもので、図中の501はポリフェニレンサルファイ
ドフィルム、502は前記フィルム501に形成された
回路パターン、503は前記フィルム501のスルホー
ル予定部に穿設された孔である。
【0167】次いで、図30(B)に示すように前記5
種の配線基板をそれらの孔503が互いに合致するよう
に積層した。つづいて、図30(C)に示すように前記
各孔503に位置する回路パターン502部分を一対の
電極504a、504bを用いて上下方向からスポット
溶接して各配線基板の所望の回路パターンを相互に接続
する接続部(スルホール)505を形成した。その後、
前記積層物を10torrの減圧下で300℃、30kg/
cm2 、2分間加熱加圧することにより図30(D)に
示すようにフレキシブル多層印刷配線板506を製造し
た。
【0168】得られたフレキシブル多層印刷配線板50
6は、層間に気泡が存在せず、かつ100箇所の接続部
505の通電性を調べたところ、すべて通電することが
確認された。
【0169】なお、前記実施例19では厚さ100μm
のポリフェニレンサルファイドフィルムを用いたが、厚
さ50μmのポリエーテルエーテルケトンフィルム、同
厚さのポリパラバン酸フィルムを用いても実施例19と
同様な優れた特性を有するフレキシブル多層印刷配線板
を得ることができる。
【0170】実施例20 まず、図31(A)に示すように表面にニッケルめっき
を施した鋼材からなる母材601と、この母材601の
内部に形成され、一端が前記母材601の側面に開孔さ
れた流通路602と、前記母材601の表面に形成さ
れ、高さが50μm、側面と上面のなす角度が85゜の
複数の凸状パターン603と、前記凸状パターン603
間に位置する前記母材601の表層に開孔され、前記流
通路602と連通する複数の孔604とから構成される
印刷配線原盤605を作製した後、前記凸状パターン6
03上に厚さ18μmの銅箔606を載置した。
【0171】次いで、前記印刷配線原盤605の流通路
602の一端に配管(図示せず)を連結し、その他端に
連結した真空ポンプを作動して該配管、流通路602を
通して複数の孔604から吸引することにより、前記銅
箔606を前記凸状パターン603の突出面に接触させ
ながら撓ませた。つづいて、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム607にフェノキシ樹脂にシリコ
ーン型離型剤を3%添加した厚さ50μmの樹脂層60
8を塗布した後、このフィルムを図31(B)に示すよ
うに前記印刷配線原盤605の銅箔606上に前記PE
Tフィルム607が当接するように重ねた。
【0172】次いで、吸引を続行しながら前記印刷配線
原盤605と前記樹脂層608の上部側に配置した加圧
用治具(図示せず)とにより前記銅箔606および前記
フィルムを300℃、30秒間加熱加圧して転写処理を
行なった。このような加熱加圧により、図31(C)に
示すように前記原盤605の凸状パターン603に対応
する前記銅箔606部分が該凸状パターン603の角で
切断されると共に、切断後の銅箔部分(回路パターン)
609が軟化した前記PETフィルム607に埋没、転
写された。つづいて、図32(D)に示すように前記原
盤605および加圧用治具(図示せず)から回路パター
ン609および余剰の銅箔片610が付着されたフィル
ムを取り出した。ひきつづき、前記フィルム表面をブラ
ッシングして前記余剰の銅箔片610を除去することに
より図32(E)に示す転写フィルム611を作製し
た。
【0173】次いで、図33(F)に示すように前記転
写フィルム611を、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含
浸させた3枚のプレプレグ612の上方に前記転写フィ
ルム611の回路パターン609が同プリプレグ612
側に位置するように配置した。つづいて、エポキシ樹脂
積層板の作製と同様な条件で加熱加圧してエポキシ樹脂
を硬化させることにより、図33(G)に示すように転
写フィルム611の回路パターン609が再転写された
積層板613を作製した。この後、転写フィルム611
のPETフィルム607および樹脂層608を剥離除去
することにより図33(H)に示す片面印刷配線板61
4を製造した。
【0174】実施例21 図34(A)に示すように実施例20で作製した2枚の
転写フィルム611をガラスクロスにエポキシ樹脂を含
浸させた3枚のプレプレグ612の上方および下方にそ
れら転写フィルム611の回路パターン609が同プリ
プレグ612側に位置するように配置した。つづいて、
エポキシ樹脂積層板の作製と同様な条件で加熱加圧して
エポキシ樹脂を硬化させることにより、図34(B)に
示すように両面に転写フィルム611が再転写された積
層板613を作製した。この後、前記各転写フィルム6
11のPETフィルム607および樹脂層608を剥離
除去することにより図34(C)に示す両面印刷配線板
615を製造した。
【0175】実施例22 まず、図35(A)に示すように実施例20と同様な印
刷配線原盤605を作製した後、前記凸状パターン60
3上に厚さ18μmの銅箔606を載置した。つづい
て、前記原盤605の流通路602の一端に配管(図示
せず)を連結し、その他端に連結した真空ポンプを作動
して該配管、流通路602を通して複数の孔604から
吸引することにより、前記銅箔606を前記凸状パター
ン603の突出面に接触させながら撓ませた。この後、
図35(B)に示すように厚さ200μmのシリコーン
ゴムフィルム616を前記印刷配線原盤605の銅箔6
06上に重ねた。
【0176】次いで、吸引を続行しながら前記印刷配線
原盤605と前記シリコーンゴムフィルム616の上部
側に配置した加圧用治具(図示せず)とにより前記シリ
コーンゴムフィルム616および銅箔606を30秒間
加圧して転写処理を行なった。このような加圧により、
図35(C)に示すように前記原盤605の凸状パター
ン603に対応する前記銅箔606部分が該凸状パター
ン603の角で切断されると共に、切断後の銅箔部分
(回路パターン)609が前記シリコーンゴムフィルム
616に吸着、転写された。つづいて、図36(D)に
示すように前記原盤605および加圧用治具(図示せ
ず)から回路パターン609および余剰の銅箔片610
が付着されたフィルム616を取り出した。ひきつづ
き、前記フィルム616表面をブラッシングして前記余
剰の銅箔片610を除去することによって図36(E)
に示す転写フィルム617を作製した。
【0177】次いで、図37(F)に示すように前記転
写フィルム617を、片面にエポキシ樹脂接着剤層61
8を有するポリイミドフィルム619の上方に前記転写
フィルム617の回路パターン609が前記接着剤層6
18側に位置するように配置した。つづいて、前記接着
剤の硬化温度で加熱加圧してエポキシ樹脂接着剤層61
8を硬化させることにより、図37(G)に示すように
転写フィルム617の回路パターン609を再転写させ
た。この後、転写フィルム617のシリコーンゴムフィ
ルム616を剥離除去することによって図37(H)に
示すフレキシブル片面印刷配線板620を製造した。
【0178】実施例23 図38(A)に示すように実施例22で作製した2枚の
転写フィルム617を両面にエポキシ樹脂接着剤層61
8a、618bを有するポリイミドフィルム619の上
方および下方に、それら転写フィルム617の回路パタ
ーン609が前記接着剤層618a、618b側にそれ
ぞれ位置するように配置した。つづいて、前記接着剤の
硬化温度で加熱加圧してエポキシ樹脂接着剤層618
a、618bを硬化させることにより、図38(B)に
示すように2枚の転写フィルム617の回路パターン6
09を再転写させた。この後、前記各転写フィルム61
7のシリコーンゴムフィルム616を剥離除去すること
により図38(C)に示すフレキシブル両面印刷配線板
621を製造した。
【0179】実施例24 実施例20と同様な方法により作製した転写フィルムを
射出成形用筐体金型に装着し、PPS樹脂を射出成形し
た。金型より筐体を取出した後、転写フィルムのPET
フィルムおよび樹脂層を剥離除去することにより、回路
パターンが再転写された立体印刷配線板が製造された。
【0180】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によればめっ
き液、エッチング液などの廃液処理の問題を招くことな
く、樹脂基材に対して密着強度が高くかつ該樹脂基材に
埋め込まれた回路パターンを形成でき、外力による剥離
や実装したチップ部品の脱落を防止することが可能な高
信頼性、高通電容量のリジッド印刷配線板などの印刷配
線板を簡単かつ低コストで製造し得る方法を提供でき
る。
【0181】また、本発明によればめっき液、エッチン
グ液などの廃液処理の問題を招くことなく、熱可塑性樹
脂に対して密着強度が高い回路パターンを形成した印刷
配線板を簡単かつ低コストで製造し得る方法を提供でき
る。
【0182】さらに、本発明によれば銅が多量に溶解さ
れた廃液の発生を招くことなく、微細な線幅の回路パタ
ーンを熱可塑性樹脂フィルムに対して高い密着力でかつ
所定位置に精度よく配置されたフレキシブル多層印刷配
線板の製造方法を提供することができる。
【0183】さらに、本発明によれば回路パターンを有
する熱可塑性樹脂フィルムが積層され、各フィルムの回
路パターン間を良好に接続できる共に、各フィルム間の
平面方向への位置ずれを防止した高信頼性の多層フレキ
シブル印刷配線板を極めて簡単に製造し得る方法を提供
できる。
【0184】さらに、本発明によれば転写フィルムを用
いて回路パターンをプリブレグなどの絶縁部材に再転写
することによって、銅が多量に溶解された廃液が発生す
ることなく、微細な線幅の回路パターンが平面または曲
面に面一となるように埋め込まれた平板形状または立体
形状を有する印刷配線板の製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における印刷配線板の製造工
程を示す断面図。
【図2】同実施例1における印刷配線板の製造工程を示
す断面図。
【図3】同実施例1で製造された印刷配線板を示す平面
図。
【図4】本発明の実施例3で用いた連続印刷配線フィル
ム製造装置を示す概略図。
【図5】本発明の実施例4における印刷配線板の製造工
程を示す断面図。
【図6】同実施例4における印刷配線板の製造工程を示
す断面図。
【図7】本発明の実施例5における印刷配線板の製造工
程を示す断面図。
【図8】同実施例5における印刷配線板の製造工程を示
す断面図。
【図9】同実施例5で製造された印刷配線板を示す平面
図。
【図10】本発明の実施例6における印刷配線板の製造
工程を示す断面図。
【図11】同実施例6における印刷配線板の製造工程を
示す断面図。
【図12】同実施例6における印刷配線板の製造工程を
示す断面図。
【図13】本発明の実施例9で用いた連続印刷配線フィ
ルム製造装置を示す概略図。
【図14】図13の原盤付きロール、予備加熱ロール及
びこれらロールに付随される回転機構を示す断面図。
【図15】図14のX−X線に沿う断面図。
【図16】同実施例9で用いられるフィルムを示す平面
図。
【図17】本発明の他の連続印刷配線フィルム製造装置
を示す概略図。
【図18】本発明の実施例10における印刷配線原盤の
製造工程を示す断面図。
【図19】同実施例10における印刷配線原盤の製造工
程を示す断面図。
【図20】参照例における印刷配線原盤の製造工程を示
す断面図。
【図21】参照例における印刷配線原盤の製造工程を示
す断面図。
【図22】本発明の実施例12におけるフレキシブル多
層印刷配線板の製造工程を示す断面図。
【図23】同実施例12におけるフレキシブル多層印刷
配線板の製造工程を示す断面図。
【図24】同実施例12におけるフレキシブル多層印刷
配線板の製造工程を示す断面図。
【図25】本発明の実施例14におけるフレキシブル多
層印刷配線板の製造工程を示す断面図。
【図26】本発明の実施例16におけるフレキシブル多
層印刷配線板の製造工程を示す断面図。
【図27】本発明の実施例18におけるフレキシブル多
層印刷配線板の製造工程を示す断面図。
【図28】同実施例18におけるフレキシブル多層印刷
配線板の製造工程を示す断面図。
【図29】同実施例18におけるフレキシブル多層印刷
配線板の製造工程を示す断面図。
【図30】本発明の実施例19におけるフレキシブル多
層印刷配線板の製造工程を示す断面図。
【図31】本発明の実施例20におけるフレキシブル片
面印刷配線板の製造工程を示す断面図。
【図32】同実施例20におけるフレキシブル片面印刷
配線板の製造工程を示す断面図。
【図33】同実施例20における片面印刷配線板の製造
工程を示す断面図。
【図34】本発明の実施例21における両面印刷配線板
の製造工程を示す断面図。
【図35】本発明の実施例22におけるフレキシブル片
面印刷配線板の製造工程を示す断面図。
【図36】同実施例22におけるフレキシブル片面印刷
配線板の製造工程を示す断面図。
【図37】同実施例22におけるフレキシブル片面印刷
配線板の製造工程を示す断面図。
【図38】本発明の実施例23におけるフレキシブル両
面印刷配線板の製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
1、31、51…金属板、3、33、53…レジストパ
ターン、4、34、64、209、303、403、6
03…凸状パターン、5、55…金型、6、37、5
6、67、80、307、308、315、316、3
17、318a、318b、407、501、607…
フィルム、7、36、57、66、75、306、40
6、606…銅箔、8、38…凹状パターン、9、3
9、59、68、310、410、502、609…回
路パターン、11…フープ、14…加熱チャンバ、16
…転写ロール、17…加圧ロール、18…研磨ロール、
20…巻取ロール、35…キャビティ中子、42…シリ
ンダ、43…スクリュー、44…固定型、48…可動
型、54…溝パターン、58…銅箔の凸状パターン、6
1、203、301、401、601…母材、62、1
00、302、402、602…流通路、63…減圧加
圧用孔、65、99、210、305、405、605
…印刷配線原盤、71…ダスト、72、121…原盤付
ロール、73…予熱加圧ロール、74…銅箔供給フー
プ、78b…金型研磨用ロール、79…フィルム供給フ
ープ、81…当てフィルム供給フープ、82、309、
409…当てフィルム、83a…反転ロール、83b…
不要金属箔除去ブラシ、84…定着ロール、92、11
1…ロール本体、95、114…ヒータ、102…中
子、104…減圧室、105…加圧室、106…常圧
室、107…減圧配管、108…加圧配管、109…常
圧配管、116a、116b…加圧シャフト、122…
加圧用治具、133…孔、134a、134b…電極、
202…錫めっき層、312、412…片面印刷配線基
板、314、414、506…フレシブル多層印刷配線
板、611、617…転写フィルム、620…フレキシ
ブル片面印刷配線板、621…フレキシブル両面印刷配
線板、614…片面印刷配線板、615…両面印刷配線
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 英男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔付き樹脂基材を用意して、形成す
    べき回路パターンと同様な形状を有し、前記金属箔の厚
    さの1倍以上の高さを有する凸状パターンが加工された
    金型の凸状パターンを前記金属箔付き樹脂基材の金属箔
    側に加熱加圧して前記基材の金属箔側に凹状パターンを
    形成する工程と、 前記基材の凸部となる金属箔部分を機械的に除去して前
    記基材に埋め込まれた金属箔の凹状パターンを残存させ
    ることにより回路パターンを形成する工程とを具備した
    ことを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 形成すべき回路パターンと同様な形状を
    有し、使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有す
    る凸状パターンが加工されたキャビティ中子を可動型内
    に該中子の凸状パターンが表出するように装填すると共
    に、該可動型をキャビティを有する固定型にそれらの間
    に金属箔を配置して型締する工程と、 前記固定型のキャビティ内に合成樹脂を射出して前記金
    属箔に接着された基材を成形すると共に、前記金属箔側
    に前記中子の凸状パターンを転写することにより凹状パ
    ターンを有する金属箔付き樹脂基材を作製する工程と、 前記基材の凸部となる金属箔部分を機械的に除去して前
    記基材に埋め込まれた金属箔の凹状パターンを残存させ
    ることにより回路パターンを形成する工程とを具備した
    ことを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 形成すべき回路パターンと同様な形状を
    有し、使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有す
    ると共に前記金属箔と接する平坦面または凸状曲面とこ
    の面とは異なる側面とからなる凸状パターンが形成され
    た印刷配線原盤を用意し、前記原盤の凸状パターンを熱
    可塑性樹脂に金属箔を介在して加熱加圧することにより
    前記凸状パターンが当接された前記金属箔部分を前記熱
    可塑性樹脂の表面に転写して回路パターンを形成する工
    程を具備したことを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 形成すべき回路パターンと同様な形状を
    有し、使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有す
    ると共に前記金属箔と接する平坦面または凸状曲面とこ
    の面とは異なる側面とからなる凸状パターンが形成され
    た印刷配線原盤を用意し、前記原盤の凸状パターンを表
    裏で軟化温度が異なるかまたは表裏よりも内部で軟化温
    度が高い熱可塑性樹脂フィルムに金属箔を介在して加熱
    加圧することにより前記凸状パターンが当接された前記
    金属箔部分を前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に転写し
    て回路パターンを形成する工程と、 前記回路パターンが形成された複数枚の熱可塑性樹脂フ
    ィルムを重ねた後、前記熱可塑性樹脂フィルム中低軟化
    温度の熱可塑性樹脂が溶融する温度で加熱すると共に加
    圧して積層する工程と、 を具備したことを特徴とする多層印刷配線板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 形成すべき回路パターンと同様な形状を
    有し、使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有す
    ると共に前記金属箔と接する平坦面または凸状曲面とこ
    の面とは異なる側面とからなる凸状パターンが形成され
    た印刷配線原盤を用意し、前記原盤の凸状パターンをス
    ルホール予定部に孔が穿設された熱可塑性樹脂フィルム
    に金属箔を介在して加熱加圧することにより前記凸状パ
    ターンが当接された前記金属箔部分を前記フィルムの表
    面に転写して回路パターンを形成する工程と、 前記回路パターンが形成された複数枚の熱可塑性樹脂フ
    ィルムを前記孔が互いに合致するように積層する工程
    と、 前記各フィルムの孔に位置する金属箔部分を互いにスポ
    ット溶接してスルホールを形成した後、加熱加圧して多
    層化する工程と、 を具備したことを特徴とする多層印刷配線板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 形成すべき回路パターンと同様な形状を
    有し、使用される金属箔の厚さの1倍以上の高さを有す
    ると共に前記金属箔と接する平坦面または凸状曲面とこ
    の面とは異なる側面とからなる凸状パターンが形成され
    た印刷配線原盤を用意し、前記原盤の凸状パターンを熱
    可塑性樹脂もしくはゴムからなるフィルムに金属箔を介
    在して加圧することにより前記凸状パターンが当接され
    た前記金属箔部分を前記フィルムの表面に転写して回路
    パターンを形成することにより転写フィルムを作製する
    工程と、 前記転写フィルムを熱硬化性樹脂プリプレグまたは樹脂
    フィルムからなる絶縁部材に重ね、加熱加圧して前記絶
    縁部材に前記回路パターンを再転写するか、前記転写フ
    ィルムを射出成形金型に挿入して成形体に前記回路パタ
    ーンを再転写する工程と、 を具備したことを特徴とする印刷配線板の製造方法。
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