JP2004221310A - 配線基板部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】配線パターン22、絶縁層形成材26、及び層間接続体24aを有する配線基板部材の製造方法であって、仮着用基材21又はこれを被覆した金属被覆層16に配線パターン22を形成する工程、少なくともその配線パターン22を被覆する保護金属層11を形成する工程、その保護金属層11とは別の金属層24を更に形成する工程、その金属層24の前記層間接続体24aを形成する表面部分にマスク層を形成する工程、前記マスク層を形成した金属層24を選択的にエッチングする工程、前記配線パターン22を凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体24aを露出させる絶縁層形成材26を形成する工程、及び前記仮着用基材21を除去する工程、を含む。
【選択図】 図4
【解決手段】配線パターン22、絶縁層形成材26、及び層間接続体24aを有する配線基板部材の製造方法であって、仮着用基材21又はこれを被覆した金属被覆層16に配線パターン22を形成する工程、少なくともその配線パターン22を被覆する保護金属層11を形成する工程、その保護金属層11とは別の金属層24を更に形成する工程、その金属層24の前記層間接続体24aを形成する表面部分にマスク層を形成する工程、前記マスク層を形成した金属層24を選択的にエッチングする工程、前記配線パターン22を凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体24aを露出させる絶縁層形成材26を形成する工程、及び前記仮着用基材21を除去する工程、を含む。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線パターン、絶縁層形成材、及び前記配線パターンに接続された層間接続体を有する配線基板部材、並びにその製造方法に関し、両面配線基板や多層配線基板の製造に有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器等の小形化や高機能化に伴い、電子部品を実装するための多層配線基板に対しても、多層化、薄層化、ファインパターン化等の要求が高まっている。このような高密度の多層配線基板を製造する方法としては、ビルドアップ工法や一括積層法などが知られている。配線層の層数が多い程、後者の一括積層法が有利となると考えられている。
【0003】
前者のビルドアップ工法には、コアとなる両面配線基板の両面に、絶縁層と配線層とを順次積層形成していく方法や、回路形成した両面配線基板をコアとなる両面配線基板の両面に、更に積層形成していく方法などがある。また、一括積層法には、積層単位(ユニット)が1層の配線層を有するタイプと、2層の配線層(即ち両面配線基板)を有するタイプとがある。
【0004】
一方、何れの方法で多層配線基板を製造する場合にも、上下の配線層間を導電接続する構造が必要となり、導電性ペースト、レーザービア、フィルドビア、メッキバンプなどの層間接続構造が知られている。そして、一括積層法の積層単位としては、絶縁層を貫通してこれらの層間接続構造が形成され、その片面又は両面に配線パターンが形成されたものが、一般に使用される。そして、当該配線パターンは、エッチングなどで形成されており、絶縁層の表面に配線パターンが凸状に形成された形状が一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】
長野県工科短期大学校公開技術講演会(2002年7月24日)テキスト
最新の高性能多層基板技術「一括積層基板技術と高速多層基板技術」
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような積層単位では、パターンの形成部分が凸状となるため、一括積層の際に各層の平滑性が失われたり、パターンの位置ズレなどの問題が生じ易い。このような問題は、得られる多層配線基板の層間接続の信頼性や耐久性を低下させることが多い。
【0006】
一方、上記のような一括積層法以外の方法でも、配線基板の表面がフラット(パターンが凸状でない)である方が好ましい場合が多い。例えば、ビルドアップ工法でコア基板に、一括積層で用いるものと同様の積層単位を順次積層形成する場合でも、上記と同様の理由から積層単位の表面はフラットな方が良い。
【0007】
なお、パターン形成した配線層を絶縁層に転写する際に、絶縁層に形成された層間接続構造との接合を行えば、配線基板の表面はフラットになるが、この方法では層間接続構造との接合が上手くいかないと従来考えられていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材、及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の配線基板部材の製造方法は、配線パターン、絶縁層形成材、及び前記配線パターンに接続された層間接続体を有する配線基板部材の製造方法であって、
(a)仮着用基材に又は仮着用基材を被覆した金属被覆層に配線パターンを形成する工程、
(b)少なくともその配線パターンを被覆する保護金属層を形成する工程、
(c)その保護金属層とは別の金属層を更に形成する工程、
(d)その金属層の前記層間接続体を形成する表面部分にマスク層を形成する工程、
(e)前記マスク層を形成した金属層を選択的にエッチングする工程、
(f)前記配線パターンを凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体を露出させる絶縁層形成材を形成する工程、
(g)前記仮着用基材を除去する工程、及び
(h)前記金属被覆層が残存する場合にはこれを除去する工程
を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の配線基板部材の製造方法によると、仮着用基材等に配線パターンを形成した後、層間接続体を形成してから絶縁層形成材を形成するため、配線パターンの形成面がフラットに近い配線基板部材を得ることができる。また、配線パターンを被覆する保護金属層を介在させることにより、配線パターンを保護しつつエッチングにより層間接続体を一括に形成することができる。このため従来の設備で簡易かつ低コストな工程により、接続の信頼性の高い層間接続構造を有する配線基板部材を製造することができる。また、仮着用基材を予め金属被覆層で被覆しておくと、配線パターンが剥離し易い仮着用基材を使用しても、形成した配線パターンを剥離し難くすることができる。
【0011】
また、前記仮着用基材を被覆した金属被覆層は2種以上の金属の積層体であり、その積層体の最表面の金属は前記配線パターンを形成する金属と異なると共に、前記金属被覆層を除去する際に、各々の金属を順次選択的にエッチングすることが好ましい。この場合、積層体の最表面の金属は配線パターンと異なるため、選択的なエッチングにより、配線パターンを浸食せずに露出させることができる。
【0012】
更に、前記(b)工程で、非パターン部を含む略全面に保護金属層を形成し、前記(e)工程の後に、前記保護金属層を選択的にエッチングすることが好ましい。この場合、配線パターンのみに保護金属層を形成する方法と比較して、均一な金属層が形成でき、配線パターンの短絡や絶縁層との接着不良も生じにくくなる。
【0013】
一方、本発明の配線基板部材は、配線パターン、絶縁層形成材、及び前記配線パターンに接続された層間接続体を有する配線基板部材であって、前記配線パターンは絶縁層形成材の凹状部で保持され、前記層間接続体は配線パターンにメッキされた保護金属層にメッキで形成されて前記絶縁層形成材から露出していることを特徴とする。この構造によって、接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材を提供することができる。
【0014】
本発明の配線基板部材は、接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材であるため、特に一括積層法に使用する積層単位として好適に利用することがでる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図5は、本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図である。
【0016】
本発明の配線基板部材の製造方法は、図5(13)に示すように、配線パターン22、絶縁層形成材26、及び前記配線パターン22に接続された層間接続体24aを有する配線基板部材の製造方法であって、(a)〜(h)工程を含むものである。本実施形態では、金属被覆層で被覆していない仮着用基材の両面に対して各工程を実施すると共に、全面に保護金属層11を形成する例を示す。
【0017】
本発明の(a)工程は、図1(1)に示すように、仮着用基材21(又は仮着用基材21を被覆した金属被覆層)に配線パターン22を形成するものである。その際、パターン形成の方法はいずれでもよく、例えば、エッチングレジストを使用してパターン形成する方法や、パターンメッキ用レジストを使用してメッキで形成する方法等が挙げられる。また、配線パターン22を構成する金属としては、通常、銅、銅合金、ニッケル、錫等が使用できる。
【0018】
仮着用基材21としては、後に行うエッチングの際に、腐食されない材質が好ましく、耐蝕性の金属板、または、当該金属や樹脂等で被覆した金属板、樹脂板、セラミック板などが挙げられる。金属板を用いると、上記の配線パターン22を形成する際に、下地層なしに電解メッキを行うことができる。本実施形態では、仮着用基材21として配線パターン22の付着性が十分な材料(例えば樹脂等)を使用する例を示す。
【0019】
また、表面の平滑性が高いものが好ましく、ステンレス鋼、アルミ合金などで作製された鏡面板がより好ましい。本実施形態では、ステンレス鋼製の金属板を使用する例を示す。また、仮着用基材21として強度が十分な鏡面板を使用することにより、配線基板部材が薄い場合でも、ハンドリング性が改善される。鏡面板は、一般的に銅やニッケルとの付着性が十分でないため、後述の別の実施形態のように、仮着用基材21を被覆した金属被覆層16に対して、配線パターン22を形成するのが好ましい。
【0020】
次に、仮着用基材21として金属被覆層16で被覆したものを使用する代わりに、図1(2)に示すように、配線パターン22の非パターン部を含めた全面に無電解メッキを行って下地導電層10を形成してもよい。無電解メッキには、通常、銅、ニッケル、錫等のメッキ液が使用されるが、これらの金属は、配線パターン22を構成する金属と同一でも異なっていてもよい。
【0021】
無電解メッキのメッキ液は、各種金属に対応して周知であり、各種のものが市販されている。一般的には、液組成として、金属イオン源、アルカリ源、還元剤、キレート剤、安定剤などを含有する。なお、無電解メッキに先立って、パラジウム等のメッキ触媒を沈着させてもよい。
【0022】
次に、図1(3)に示すように、配線パターン22の非パターン部を含めた略全面を保護金属層11で被覆すべく、下地導電層10の略全面に電解メッキを行って保護金属層11を形成する。保護金属層11の厚みは5〜20μmが好ましい。
【0023】
その際、保護金属層11を構成する金属としては、層間接続体を構成する金属のエッチング時に耐性を示す別の金属が使用される。具体的には、層間接続体を構成する金属が銅である場合、保護金属層を構成する別の金属としては、金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、ロジウム、鉛−錫系はんだ合金、又はニッケル−金合金等が使用される。但し、本発明は、これらの金属の組合せに限らず、電解メッキ可能な金属と、そのエッチング時に耐性を示す別の金属との組合せが何れも使用可能である。
【0024】
上記の電解メッキは、周知の方法で行うことができるが、一般的には、図1(2)の基板をメッキ浴内に浸漬しながら、下地導電層10を陰極とし、メッキする金属の金属イオン補給源を陽極として、電気分解反応により陰極側に金属を析出させることにより行われる。
【0025】
即ち、本発明の(b)工程は、少なくともその配線パターン22を被覆する保護金属層11を形成するものであるが、本実施形態では、非パターン部を含む略全面に保護金属層11を形成し、後の(e)工程の後に、保護金属層11を選択的にエッチングする例を示す。保護金属層11の形成は、上述のように下地導電層10等が介在する状態で、保護金属層11による被覆を行ってもよく、また、下地導電層10等を介在させずに、直接、保護金属層11による被覆を行ってもよい。
【0026】
本発明の(c)工程は、図2(4)に示すように、前記保護金属層11とは別の金属層24を更に形成するものである。この工程は、例えば保護金属層11の略全面に、層間接続体24aを構成する金属の金属層24を電解メッキ等により形成すればよい。当該金属としては、通常、銅、ニッケル等が使用されるが、配線パターン22を構成する金属と同様に銅が好ましい。
【0027】
電解メッキは、上記と同様の方法により行われるが、保護金属層11が陰極として利用される。具体的な金属層24の厚みとしては、例えば20〜200μm、或いはそれ以上のものが例示される。このように電解メッキにより全面に金属層24を形成する場合、金属層24の高さが略等しくなり、略均一な高さの層間接続体24aを迅速に形成することができる。
【0028】
本発明の(d)工程は、図2(5)に示すように、上記の金属層24の層間接続体24aを形成する表面部分に、マスク層25を形成するものである。本実施形態では、スクリーン印刷により、散点状にマスク層25を印刷する例を示す。マスク層25の個々の大きさ(面積又は外径等)は、層間接続体24aの大きさに対応して決定され、例えば100〜300μm、或いはそれ以上の外径を有するものが例示される。
【0029】
本発明の(e)工程は、図2(6)に示すように、前記マスク層25を形成した金属層24を選択的にエッチングするものである。その際、エッチングによる浸食量が多過ぎると、形成される層間接続体24aが小径化(アンダーカットの増大)して、後の工程に支障をきたす場合が生じ、逆に、浸食量が少な過ぎると、非パターン部に金属層24が残存して、短絡の原因となる場合が生じる。従って、上記のエッチングによる浸食の程度は、図2(6)に示す程度か、或いはこれより多少増減する範囲内が好ましい。
【0030】
エッチングの方法としては、金属層24及び保護金属層11を構成する各金属の種類に応じた、各種エッチング液を用いたエッチング方法が挙げられる。例えば、金属層24(即ち層間接続体24a)が銅であり、保護金属層11が前述の金属(金属系レジストを含む)の場合、市販のアルカリエッチング液、過硫酸アンモニウム、過酸化水素/硫酸等が使用される。
【0031】
次に、図3(7)に示すように、マスク層25の除去を行うが、これは薬剤除去、剥離除去など、マスク層25の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、スクリーン印刷により形成された感光性のインクである場合、アルカリ等の薬品にて除去される。
【0032】
次に、図3(8)に示すように、保護金属層11の浸食が可能な選択的なエッチングを行う。エッチングの方法としては、(e)工程とは異なるエッチング液を用いたエッチング方法が挙げられるが、塩化物エッチング液を用いると金属系レジスト及び銅の両者が浸食されるため、その他のエッチング液を用いるのが好ましい。具体的には、層間接続体24aと配線パターン22が銅であり、保護金属層11が前記の金属である場合、はんだ剥離用として市販されている、硝酸系、硫酸系、シアン系などの酸系のエッチング液等を用いるのが好ましい。これにより、図3(8)に示すように、層間接続体24aと配線パターン22(パターン部)とに介在する保護金属層11のみを残存させることができる。また、非パターン部には、下地導電層10のみが残存する。
【0033】
本発明の(f)工程は、配線パターン22を凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体24aを露出させる絶縁層形成材26を形成するものである。本実施形態では、絶縁層形成材26を積層後に層間接続体24aを露出させる例を示す。
【0034】
まず、図4(9)に示すように、絶縁層形成材26を形成するための絶縁材26aの塗布を行う。絶縁材26aとしては、例えば絶縁性が良好で安価な液状ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の反応硬化性樹脂を用いることができ、これを各種方法で、層間接続体24aの高さよりやや厚くなるように塗布した後、加熱又は光照射等により硬化させればよい。塗布方法としては、各種コーターを使用できる。また、反応硬化性樹脂等を含有する接着性シート等を用いて、ホットプレスや真空ラミネート等する方法でもよい。
【0035】
なお、絶縁層形成材26は、完全に硬化したものでもよく、半硬化状態(いわゆるBステージ)であってもよい。半硬化状態の絶縁層形成材26は、一括積層法や金属箔の積層時に、加熱プレス等で積層硬化させて、被積層体と接着することができる。
【0036】
次に、図4(10)に示すように、硬化した絶縁材26aを研削・研磨等することにより、層間接続体24aの高さと略同じ厚さを有する絶縁層形成材26を形成する。研削の方法としては、ダイヤモンド製等の硬質刃を回転板の半径方向に複数配置した硬質回転刃を有する研削装置を使用する方法が挙げられ、当該硬質回転刃を回転させながら、固定支持された配線基板の上面に沿って移動させることによって、上面を平坦化することができる。また、研磨の方法としては、ベルトサンダ、バフ研磨等により軽く研磨する方法が挙げられる。
【0037】
本発明の(g)工程は、図4(11)に示すように、仮着用基材21を除去するものである。本実施形態では、下地導電層10が仮着用基材21との間に介在するように、配線パターン22を凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体24aを露出させる絶縁層形成材26を形成しているため、絶縁層形成材26が直接接着していないので、仮着用基材21を剥離して除去することができる。
【0038】
本実施形態では、図5(12)に示すように、前記下地導電層10を除去する工程を行う。下地導電層10の除去は、非パターン部に残存する下地導電層10をソフトエッチング等すればよい。ソフトエッチングを行うのは、配線パターン22を過度に浸食するのを防止するためである。ソフトエッチングの方法としては、下地導電層10を構成する金属に対するエッチング液を、低濃度で使用したり、また緩やかなエッチングの処理条件で使用したりする方法等が挙げられる。
【0039】
以上のような本発明の製造方法によって、接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材が得られる。かかる配線基板部材としては、図5(12)に示すように、配線パターン22、絶縁層形成材26、及び前記配線パターン22に接続された層間接続体24aを有する配線基板部材であって、前記配線パターン22は絶縁層形成材26の凹状部で保持され、前記層間接続体24aは配線パターン22にメッキされた保護金属層11にメッキで形成されて前記絶縁層形成材26から露出している。本実施形態では、配線パターン22に下地導電層10を介して保護金属層11がメッキされている。
【0040】
本発明の配線基板部材は、両面配線基板や多層配線基板の製造に有用であるが、特に、一括積層法に使用する積層単位Uとして利用するのが好ましい。以下、この一括積層法について簡単に説明する。
【0041】
本発明の配線基板部材は、絶縁層形成材26が幾らかの接着性を有しておれば、そのまま複数積層して、加熱プレスにより一括積層することで、多層配線基板を製造することができる。但し、絶縁層形成材26の形成に研磨等を用いる場合など、ある程度以上硬化した絶縁層形成材26が好ましいため、配線基板部材の少なくとも片面には、図5(13)に示すように、導電材32により導通を確保しながら、接着性層31を設けるのが好ましい。
【0042】
接着性層31としては、加熱プレスにより各々の積層単位Uが接着可能なものであればよく、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の反応硬化性樹脂を含む樹脂組成物の半硬化物が好ましい。また、導電材32を設ける開口を形成するために、感光性(フォトレジスト機能)を併せ持つ樹脂組成物を使用してもよい。
【0043】
また、導電材32としては、ハンダ等の各種ソルダー、導電性ペースト、ソルダーペースト、貴金属メッキ、その他の導電性接着剤などが挙げられる。接着性層31と導電材32の形成は、層間接続体24aの露出部が開口した接着性層31を印刷法、フォトリソグラフィ法などにより形成した後、メッキ、印刷法、ソルダーフロー法などで導電材32を形成すればよい。逆に、メッキ等で導電材32を形成した後に、接着性層31を印刷法などで形成してもよい。
【0044】
なお、接着性層31と導電材32の代わりに、異方性導電フィルム(ACF)を使用してもよい。異方性導電フィルムとしては、反応硬化性樹脂の樹脂組成物に金属粒子等を含有するものが例示できる。
【0045】
次に、図5(14)に示すように、このような積層単位Uを複数積層配置して、加熱プレスを行うことで、一括積層することができる。加熱プレスの方法としては、加熱加圧装置(熱ラミネータ、加熱プレス)などを用いて行えばよく、その際、空気の混入を避けるために、雰囲気を真空(真空ラミネータ等)にしてもよい。加熱温度、圧力など条件等は、接着性層31や導電材32の材質などに応じて適宜設定すればよいが、圧力としては、0.5〜30MPaが好ましい。
【0046】
図5(14)では、全ての積層単位Uが同じ向きで積層配置され、最上層に金属箔33が積層される例を示すが、コアとなる両面配線基板の上下に逆向きで積層単位Uが積層配置されたり、コア材を使用せずに上下に逆向きで積層単位Uを積層配置してもよい。
【0047】
〔別の実施形態〕
以下、本発明の別の実施形態について説明する。
【0048】
(1)前記の実施形態では、配線パターンの形成面の全面に保護金属層を形成しておき、層間接続体の形成後に、保護金属層を除去する例を示したが、本発明では配線パターンのみに保護金属層を形成する方法でもよい。以下、これについて説明する。
【0049】
この実施形態では、(a)工程の後の(b)工程として、図6(3’)に示すように、配線パターン22のみに保護金属層となる導電体層23を形成する。具体的には、層間接続体24aを構成する金属のエッチング時に耐性を示す金属を、配線パターン22を構成する金属を触媒とする無電解メッキにより析出させて導電体層23を形成する。導電体層23は、エッチング時に配線パターン22を保護しつつ、配線パターン22を短絡させないものであればよいため、配線パターン22の全体を完全に被覆する必要はなく、逆に非パターン部を部分的に被覆したものであってもよい。また、このような観点から、導電体層23の厚みも適宜設定されるが、5μm以上が好ましい。
【0050】
続く(c)から(g)工程は前記と同様であるが、(e)工程により図6(3’)に示すような形状となり、非パターン部から仮着用基材21が露出することになる。
【0051】
そして、(f)工程により、図6(10’)に示すような形状となり、絶縁層形成材26は仮着用基材21に直接接することになる。従って、仮着用基材21を剥離除去する場合には、仮着用基材21が絶縁層形成材26との剥離性を有することが好ましい。絶縁層形成材26との剥離性を有するものとしては、フッ素樹脂等の剥離性層を表面に設けた仮着用基材21が挙げられる。
【0052】
一方、図7(1’)に示すように、基材21bとこれから剥離可能な仮着シート21aとで仮着用基材21を構成し、図7(11−1)に示すように、両者の界面で剥離した後、図7(11−2)に示すように、仮着シート21aを除去してもよい。仮着シート21aとしては、絶縁層形成材26と異なる樹脂シート、金属箔、などが使用できるが、樹脂シートは溶解除去、分解除去、研削除去、研磨除去などが可能であり、金属箔はエッチング除去などが可能である。
【0053】
(2)前記の実施形態では、本発明の配線基板部材を一括積層法に使用する積層単位として利用する例を示したが、両面配線基板(積層用のものを含む)を作製するのに利用する場合について説明する。
【0054】
先ず、図8(1)に示すように、仮着用基材21の両面に配線パターン22がパターン形成され、更にその配線パターン22に層間接続突起Bが形成された被積層体Lを準備する。
【0055】
次の工程は、図8(2)に示すように、プレス面1と層間接続突起Bが形成された被積層体Lとの間に、少なくとも、凹状変形を許容するシート材2、金属層形成材3、及び熱接着性の絶縁層形成材4をこの順序で配置するものである。本実施形態では、金属層形成材3と絶縁層形成材4とが予め積層一体化された樹脂付き銅箔RCを使用し、プレス面1とは別体のシート材2を配置する例を示す。
【0056】
このような樹脂付き銅箔RCは、各種のものが市販されており、それらをいずれも使用できる。また、金属層形成材3と絶縁層形成材4とは各々を別々に配置してもよい。
【0057】
金属層27となる金属層形成材3としては、銅、ニッケル、錫等、いずれの金属を用いてもよいが、導電性、エッチングのし易さ、コストなどの観点から、配線パターンに汎用されている銅が最も好ましい。
【0058】
絶縁層形成材4としては、積層時に変形して加熱等により固化すると共に、配線基板に要求される耐熱性を有するものであれば何れの材料でもよい。具体的には、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の各種反応硬化性樹脂や、それとガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維等との複合体(プリプレグ)などが挙げられる。
【0059】
絶縁層形成材4の厚みは、接着後に層間接続突起Bの上面が金属層27の上面付近又は上面より上方に位置するような厚みとするのが好ましい。具体的には、絶縁層形成材4の厚みは、層間接続突起Bの高さ−40μm〜+20μmが好ましく、層間接続突起Bの高さ−20μm〜+10μmがより好ましい。
【0060】
シート材2は、加熱プレス時に凹状変形を許容する材料であればよく、クッション紙、ゴムシート、エラストマーシート、不織布、織布、多孔質シート、発泡体シート、金属箔、これらの複合体、などが挙げられる。特に、クッション紙、ゴムシート、エラストマーシート、発泡体シート、これらの複合体などの、弾性変形可能なものが好ましい。
【0061】
シート材2の厚みは、層間接続突起Bの高さの半分より厚いのが好ましく、層間接続突起Bの高さより厚いのが好ましい。シート材2の厚みや硬さを調整することによって、加熱プレスによって形成される積層体の凸部5の高さや形状を制御することができる。一般に、シート材2の厚みを小さく、また硬さを硬くすると、形成される積層体の凸部5の高さや体積は小さくなる。
【0062】
両面に同時積層する場合の配置の仕方としては、下型のプレス面1と上型のプレス面1との間に、図8(2)に示す順序で各層を積層配置するのがよい。
【0063】
次の工程は、図9(3)に示すように、上記のような配置状態でプレス面1により加熱プレスを行って、層間接続突起Bに対応する位置に凸部5を有し表面に金属層27が形成された積層体を得るものである。この工程では、シート材2が、層間接続突起Bの存在によって加熱プレス時に凹状変形するため、それに対応する凸部5が積層体に形成される。特に、絶縁層形成材4が補強繊維を含む場合には、凸部5の高さや体積が大きくなる。
【0064】
加熱プレスの方法としては、加熱加圧装置(熱ラミネータ、加熱プレス)などを用いて行えばよく、その際、空気の混入を避けるために、雰囲気を真空(真空ラミネータ等)にしてもよい。加熱温度、圧力など条件等は、絶縁層形成材4と金属層形成材3の材質や厚みに応じて適宜設定すればよいが、圧力としては、0.5〜30MPaが好ましい。これによって、被積層体Lの表面形状に応じて絶縁層形成材4と金属層形成材3とが変形して、硬化した絶縁層形成材26と金属層27が形成される。形成後に、積層体は脱型、冷却などが通常なされる。
【0065】
次の工程は、図9(4)に示すように、この積層体の凸部5を除去して、層間接続突起Bを露出させるものである。その際、積層体の金属層27の上面より層間接続突起Bの上面が高くなる分を、同時に除去して平坦化してもよい。
【0066】
凸部5の除去方法としては、研削や研磨による方法が好ましく、ダイヤモンド製等の硬質刃を回転板の半径方向に複数配置した硬質回転刃を有する研削装置を使用する方法や、サンダ、ベルトサンダ、グラインダ、平面研削盤、硬質砥粒成形品などを用いる方法などが挙げられる。研削装置を使用すると、当該硬質回転刃を回転させながら、固定支持された配線基板の上面に沿って移動させることによって、上面を平坦化することができる。また、研磨の方法としては、ベルトサンダ、バフ研磨等により軽く研磨する方法が挙げられる。本発明のように積層体に凸部5が形成されていると、その部分のみを研削するのが容易になり、全体の平坦化がより確実に行える。
【0067】
次の工程は、図9(5)に示すように、露出した層間接続突起Bと、絶縁層形成材26を隔てて近接する金属層27とを導電接続するものである。本実施形態では、層間接続突起Bの上面を含む金属層27の略全面に対し、メッキにより導電体層28を形成する例を示す。これにより、層間接続突起Bの上面に接合した導電体層28を介して、層間接続突起Bと金属層27とが導電接続される。
【0068】
メッキによる導電体層28の形成は、無電解メッキ、又は無電解メッキと電解メッキの組合せ、スパッタリングや蒸着と電解メッキの組合せなどにより行うことができる。但し、導電接続の信頼性を高める上で無電解メッキと電解メッキの組合せで形成するのが好ましい。導電体層28の厚みは1〜30μmが好ましい。更に、導電体層28と金属層27とのエッチングを行って金属パターンを形成することができる。
【0069】
仮着基材21の剥離等による除去は、図9(3)の直後、図9(4)の直後、図9(5)の後など何れでもよい。
【0070】
一方、図10(a)〜(b)に示すような配置の仕方も可能である。図10(a)に示す例は、プレス面1にシート材2を形成しておくものである。シート材2をプレス面1に直接形成してもよいが、接着剤や粘着剤を用いてシート材2を接着してもよい。また、シート材2の表面に離型層を設けてもよい。特に、離型性及び耐熱性に優れるシリコーンゴムシートを使用するのが好ましい。
【0071】
図10(b)に示す例は、プレス面1と被積層体Lとの間に、シート材2、金属層形成材3、及び絶縁層形成材4を別々に配置すると共に、シート材2と金属層形成材3との間に、離型シート6を追加配置したものである。離型シート6としては、フッ素樹脂フィルム、シリコーン樹脂フィルム、各種の離型紙、繊維補強フッ素樹脂フィルム、繊維補強シリコーン樹脂フィルムなどが挙げられる。
【0072】
(3)前記の実施形態では、配線基板部材を仮着基材の両面に作製する例を示したが、配線基板部材を仮着基材の片面のみに作製するものでもよい。その場合、積層しない側の基板面を強固に支持することができ、研削・研磨等の工程を無理なく確実に行うことができる場合がある。
【0073】
(4)前記の実施形態では、(b)工程が、予めパターン形成した配線層の非パターン部を含めた全面に無電解メッキを行って下地導電層を形成した後、更に全面に電解メッキを行って保護金属層を形成する例を示したが、絶縁層の全面に無電解メッキを行って下地導電層を形成した後にパターン形成した配線層に対し、その全面に電解メッキを行って前記保護金属層を形成してもよい。なお、上記の方法は何れも、下地導電層を無電解メッキで形成しているが、スパッタリング等により形成することも可能である。
【0074】
(5)前記の実施形態では、マスク層を印刷により形成する例を示したが、ドライフィルムレジスト等を用いてマスク層を形成してもよい。その場合、ドライフィルムレジストの熱圧着、露光、現像が行われる。また、マスク層の除去(剥離)には、メチレンクロライドや水酸化ナトリウム等が用いられる。
【0075】
また、マスク層を金属層のエッチング時に耐性を示す金属で形成してもよい。その場合、保護金属層と同様の金属を使用することができ、パターン形成と同様の方法により、所定の位置にマスク層を形成すればよい。
【0076】
(6)前記の実施形態では、絶縁材を研削・研磨等することにより、層間接続体の高さと略同じ厚さを有する絶縁層を形成する例を示したが、絶縁材である樹脂シート等を加熱加圧することにより、層間接続体の高さと略同じ厚さを有する絶縁層を形成してもよい。その場合、層間接続体上に薄く残る絶縁性樹脂は、プラズマ処理等によって簡単に除去でき、また加熱後に研磨して平坦化することもできる。
【0077】
(7)前記の実施形態では、マスク層の除去を金属層を選択的にエッチングした直後に行う例を示したが、マスク層の除去工程の順序はこれに限定されず、例えば、保護金属層のエッチング工程の直後、下地導電層のソフトエッチング工程の直後、あるいは、絶縁材26aを研削・研磨等する際に、マスク層の除去を行ってもよい。
【0078】
(8)前記の実施形態では、下地導電層を有する配線層に保護金属層を被覆する例を示したが、下地導電層を形成せずに直接、保護金属層を被覆してもよい。その場合、無電解メッキ等により保護金属層を被覆すればよく、また、保護金属層の浸食が可能なエッチングのみで、非パターン部を被覆する保護金属層を除去して、パターン部間の短絡を防止することができる。
【0079】
(9)前記の実施形態では、金属被覆層で被覆していない仮着用基材を使用する例を示したが、図11に示すように、仮着用基材21を被覆した金属被覆層16に配線パターン22を形成する(a)工程を実施し、(g)仮着用基材21を除去する工程を行った後、(h)金属被覆層16が残存する場合にはこれを除去する工程を実施してもよい。
【0080】
仮着用基材21がステンレス鋼製やアルミ合金などの鏡面板である場合、配線パターン22を直接形成すると、付着力が不十分となり、脱落の問題が生じやすいが、図11(1’)に示すように、予め金属被覆層16で被覆しておくと、金属被覆層16と仮着用基材21との適度な付着力により、脱落の問題が生じにくく、しかも適度な付着力のため、仮着用基材21を簡単に剥離することができる。
【0081】
金属被覆層16としては、配線パターン22と同じ種類の金属でもよいが、金属被覆層16を除去する際に、選択的にエッチングできるように、配線パターン22を形成する金属と異なる別の金属が好ましい。配線パターン22が銅である場合、このような金属としては、金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、ロジウム、鉛−錫系はんだ合金、又はニッケル−金合金等が使用できる。
【0082】
金属被覆層16を構成する金属と、保護金属層11を構成する金属とが同じ場合、保護金属層11のエッチング時に金属被覆層16が一部浸食される。金属被覆層16の浸食により仮着用基材21が露出すると、配線パターン22の脱落が生じ易くなるため、上記の場合には金属被覆層16の厚みを十分大きくする(例えば5μm以上)のが好ましい。また、金属被覆層16を構成する金属が、保護金属層11とも配線パターン22とも異なる金属にするのが好ましい。
【0083】
次に、図11(11−1)〜(11−2)に示すように、仮着用基材21を剥離等して除去した後、金属被覆層16の除去を行う。金属被覆層16の除去は、エッチングなどの化学的処理や、研磨、剥離などの物理的処理が可能であるが、エッチングを行うのが好ましい。
【0084】
金属被覆層16を構成する金属と、配線パターン22を構成する金属とが同じ場合、ハーフエッチング又はソフトエッチング(厚みが薄い場合)が行われる。配線パターン22の浸食を防いで、配線パターン22の平坦性を維持するためには、金属被覆層16を構成する金属が、配線パターン22と異なることが好ましい。
【0085】
(10)前記(9)の実施形態では、単層の金属被覆層で被覆した仮着用基材を使用する例を示したが、図12に示すように、仮着用基材21を被覆した金属被覆層16が2種以上の金属の積層体であり、その積層体の最表面の金属は配線パターン22を形成する金属と異なるようにするのが好ましい。その後、金属被覆層16を除去する際に、各々の金属を順次選択的にエッチングする。この場合も、金属被覆層16と仮着用基材21との適度な付着力により、脱落の問題が生じにくく、しかも適度な付着力のため、仮着用基材21を簡単に剥離することができる。
【0086】
本実施形態では、図12(1’)に示すように、仮着用基材21を被覆した金属被覆層16が2層の積層体の例を示す。金属被覆層16の下層16aを構成する金属は、配線パターン22と異なっていてもよいが、同じ種類の金属が好ましい。
【0087】
また、金属被覆層16の上層16bを構成する金属は、これを除去する際に、選択的にエッチングできるように、配線パターン22を形成する金属と異なる別の金属が好ましい。また、配線パターン22とも保護金属層11とも異なる金属を使用することも可能である。配線パターン22が銅である場合、このような金属としては、金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、ロジウム、鉛−錫系はんだ合金、又はニッケル−金合金等が使用できる。
【0088】
次に、図12(11−1)〜(11−3)に示すように、仮着用基材21を剥離等して除去した後、金属被覆層16の下層16aと上層16bとを順次選択的にエッチングする。金属被覆層16の上層16bは、配線パターン22を形成する金属と異なるため、配線パターン22の浸食を防いで、配線パターン22の平坦性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図2】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図3】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図4】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図5】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図6】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図7】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図8】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図9】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図10】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図11】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図12】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【符号の説明】
1 プレス面
2 シート材
3 金属層形成材
4 絶縁層形成材
10 下地導電層
11 保護金属層
16 金属被覆層
21 仮着用基材
22 配線パターン
23 導電体層
24 金属層
24a 層間接続体
25 マスク層
26 絶縁層形成材
27 金属層
U 積層単位
B 層間接続突起
L 被積層体
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線パターン、絶縁層形成材、及び前記配線パターンに接続された層間接続体を有する配線基板部材、並びにその製造方法に関し、両面配線基板や多層配線基板の製造に有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器等の小形化や高機能化に伴い、電子部品を実装するための多層配線基板に対しても、多層化、薄層化、ファインパターン化等の要求が高まっている。このような高密度の多層配線基板を製造する方法としては、ビルドアップ工法や一括積層法などが知られている。配線層の層数が多い程、後者の一括積層法が有利となると考えられている。
【0003】
前者のビルドアップ工法には、コアとなる両面配線基板の両面に、絶縁層と配線層とを順次積層形成していく方法や、回路形成した両面配線基板をコアとなる両面配線基板の両面に、更に積層形成していく方法などがある。また、一括積層法には、積層単位(ユニット)が1層の配線層を有するタイプと、2層の配線層(即ち両面配線基板)を有するタイプとがある。
【0004】
一方、何れの方法で多層配線基板を製造する場合にも、上下の配線層間を導電接続する構造が必要となり、導電性ペースト、レーザービア、フィルドビア、メッキバンプなどの層間接続構造が知られている。そして、一括積層法の積層単位としては、絶縁層を貫通してこれらの層間接続構造が形成され、その片面又は両面に配線パターンが形成されたものが、一般に使用される。そして、当該配線パターンは、エッチングなどで形成されており、絶縁層の表面に配線パターンが凸状に形成された形状が一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】
長野県工科短期大学校公開技術講演会(2002年7月24日)テキスト
最新の高性能多層基板技術「一括積層基板技術と高速多層基板技術」
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような積層単位では、パターンの形成部分が凸状となるため、一括積層の際に各層の平滑性が失われたり、パターンの位置ズレなどの問題が生じ易い。このような問題は、得られる多層配線基板の層間接続の信頼性や耐久性を低下させることが多い。
【0006】
一方、上記のような一括積層法以外の方法でも、配線基板の表面がフラット(パターンが凸状でない)である方が好ましい場合が多い。例えば、ビルドアップ工法でコア基板に、一括積層で用いるものと同様の積層単位を順次積層形成する場合でも、上記と同様の理由から積層単位の表面はフラットな方が良い。
【0007】
なお、パターン形成した配線層を絶縁層に転写する際に、絶縁層に形成された層間接続構造との接合を行えば、配線基板の表面はフラットになるが、この方法では層間接続構造との接合が上手くいかないと従来考えられていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材、及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の配線基板部材の製造方法は、配線パターン、絶縁層形成材、及び前記配線パターンに接続された層間接続体を有する配線基板部材の製造方法であって、
(a)仮着用基材に又は仮着用基材を被覆した金属被覆層に配線パターンを形成する工程、
(b)少なくともその配線パターンを被覆する保護金属層を形成する工程、
(c)その保護金属層とは別の金属層を更に形成する工程、
(d)その金属層の前記層間接続体を形成する表面部分にマスク層を形成する工程、
(e)前記マスク層を形成した金属層を選択的にエッチングする工程、
(f)前記配線パターンを凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体を露出させる絶縁層形成材を形成する工程、
(g)前記仮着用基材を除去する工程、及び
(h)前記金属被覆層が残存する場合にはこれを除去する工程
を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の配線基板部材の製造方法によると、仮着用基材等に配線パターンを形成した後、層間接続体を形成してから絶縁層形成材を形成するため、配線パターンの形成面がフラットに近い配線基板部材を得ることができる。また、配線パターンを被覆する保護金属層を介在させることにより、配線パターンを保護しつつエッチングにより層間接続体を一括に形成することができる。このため従来の設備で簡易かつ低コストな工程により、接続の信頼性の高い層間接続構造を有する配線基板部材を製造することができる。また、仮着用基材を予め金属被覆層で被覆しておくと、配線パターンが剥離し易い仮着用基材を使用しても、形成した配線パターンを剥離し難くすることができる。
【0011】
また、前記仮着用基材を被覆した金属被覆層は2種以上の金属の積層体であり、その積層体の最表面の金属は前記配線パターンを形成する金属と異なると共に、前記金属被覆層を除去する際に、各々の金属を順次選択的にエッチングすることが好ましい。この場合、積層体の最表面の金属は配線パターンと異なるため、選択的なエッチングにより、配線パターンを浸食せずに露出させることができる。
【0012】
更に、前記(b)工程で、非パターン部を含む略全面に保護金属層を形成し、前記(e)工程の後に、前記保護金属層を選択的にエッチングすることが好ましい。この場合、配線パターンのみに保護金属層を形成する方法と比較して、均一な金属層が形成でき、配線パターンの短絡や絶縁層との接着不良も生じにくくなる。
【0013】
一方、本発明の配線基板部材は、配線パターン、絶縁層形成材、及び前記配線パターンに接続された層間接続体を有する配線基板部材であって、前記配線パターンは絶縁層形成材の凹状部で保持され、前記層間接続体は配線パターンにメッキされた保護金属層にメッキで形成されて前記絶縁層形成材から露出していることを特徴とする。この構造によって、接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材を提供することができる。
【0014】
本発明の配線基板部材は、接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材であるため、特に一括積層法に使用する積層単位として好適に利用することがでる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図5は、本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図である。
【0016】
本発明の配線基板部材の製造方法は、図5(13)に示すように、配線パターン22、絶縁層形成材26、及び前記配線パターン22に接続された層間接続体24aを有する配線基板部材の製造方法であって、(a)〜(h)工程を含むものである。本実施形態では、金属被覆層で被覆していない仮着用基材の両面に対して各工程を実施すると共に、全面に保護金属層11を形成する例を示す。
【0017】
本発明の(a)工程は、図1(1)に示すように、仮着用基材21(又は仮着用基材21を被覆した金属被覆層)に配線パターン22を形成するものである。その際、パターン形成の方法はいずれでもよく、例えば、エッチングレジストを使用してパターン形成する方法や、パターンメッキ用レジストを使用してメッキで形成する方法等が挙げられる。また、配線パターン22を構成する金属としては、通常、銅、銅合金、ニッケル、錫等が使用できる。
【0018】
仮着用基材21としては、後に行うエッチングの際に、腐食されない材質が好ましく、耐蝕性の金属板、または、当該金属や樹脂等で被覆した金属板、樹脂板、セラミック板などが挙げられる。金属板を用いると、上記の配線パターン22を形成する際に、下地層なしに電解メッキを行うことができる。本実施形態では、仮着用基材21として配線パターン22の付着性が十分な材料(例えば樹脂等)を使用する例を示す。
【0019】
また、表面の平滑性が高いものが好ましく、ステンレス鋼、アルミ合金などで作製された鏡面板がより好ましい。本実施形態では、ステンレス鋼製の金属板を使用する例を示す。また、仮着用基材21として強度が十分な鏡面板を使用することにより、配線基板部材が薄い場合でも、ハンドリング性が改善される。鏡面板は、一般的に銅やニッケルとの付着性が十分でないため、後述の別の実施形態のように、仮着用基材21を被覆した金属被覆層16に対して、配線パターン22を形成するのが好ましい。
【0020】
次に、仮着用基材21として金属被覆層16で被覆したものを使用する代わりに、図1(2)に示すように、配線パターン22の非パターン部を含めた全面に無電解メッキを行って下地導電層10を形成してもよい。無電解メッキには、通常、銅、ニッケル、錫等のメッキ液が使用されるが、これらの金属は、配線パターン22を構成する金属と同一でも異なっていてもよい。
【0021】
無電解メッキのメッキ液は、各種金属に対応して周知であり、各種のものが市販されている。一般的には、液組成として、金属イオン源、アルカリ源、還元剤、キレート剤、安定剤などを含有する。なお、無電解メッキに先立って、パラジウム等のメッキ触媒を沈着させてもよい。
【0022】
次に、図1(3)に示すように、配線パターン22の非パターン部を含めた略全面を保護金属層11で被覆すべく、下地導電層10の略全面に電解メッキを行って保護金属層11を形成する。保護金属層11の厚みは5〜20μmが好ましい。
【0023】
その際、保護金属層11を構成する金属としては、層間接続体を構成する金属のエッチング時に耐性を示す別の金属が使用される。具体的には、層間接続体を構成する金属が銅である場合、保護金属層を構成する別の金属としては、金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、ロジウム、鉛−錫系はんだ合金、又はニッケル−金合金等が使用される。但し、本発明は、これらの金属の組合せに限らず、電解メッキ可能な金属と、そのエッチング時に耐性を示す別の金属との組合せが何れも使用可能である。
【0024】
上記の電解メッキは、周知の方法で行うことができるが、一般的には、図1(2)の基板をメッキ浴内に浸漬しながら、下地導電層10を陰極とし、メッキする金属の金属イオン補給源を陽極として、電気分解反応により陰極側に金属を析出させることにより行われる。
【0025】
即ち、本発明の(b)工程は、少なくともその配線パターン22を被覆する保護金属層11を形成するものであるが、本実施形態では、非パターン部を含む略全面に保護金属層11を形成し、後の(e)工程の後に、保護金属層11を選択的にエッチングする例を示す。保護金属層11の形成は、上述のように下地導電層10等が介在する状態で、保護金属層11による被覆を行ってもよく、また、下地導電層10等を介在させずに、直接、保護金属層11による被覆を行ってもよい。
【0026】
本発明の(c)工程は、図2(4)に示すように、前記保護金属層11とは別の金属層24を更に形成するものである。この工程は、例えば保護金属層11の略全面に、層間接続体24aを構成する金属の金属層24を電解メッキ等により形成すればよい。当該金属としては、通常、銅、ニッケル等が使用されるが、配線パターン22を構成する金属と同様に銅が好ましい。
【0027】
電解メッキは、上記と同様の方法により行われるが、保護金属層11が陰極として利用される。具体的な金属層24の厚みとしては、例えば20〜200μm、或いはそれ以上のものが例示される。このように電解メッキにより全面に金属層24を形成する場合、金属層24の高さが略等しくなり、略均一な高さの層間接続体24aを迅速に形成することができる。
【0028】
本発明の(d)工程は、図2(5)に示すように、上記の金属層24の層間接続体24aを形成する表面部分に、マスク層25を形成するものである。本実施形態では、スクリーン印刷により、散点状にマスク層25を印刷する例を示す。マスク層25の個々の大きさ(面積又は外径等)は、層間接続体24aの大きさに対応して決定され、例えば100〜300μm、或いはそれ以上の外径を有するものが例示される。
【0029】
本発明の(e)工程は、図2(6)に示すように、前記マスク層25を形成した金属層24を選択的にエッチングするものである。その際、エッチングによる浸食量が多過ぎると、形成される層間接続体24aが小径化(アンダーカットの増大)して、後の工程に支障をきたす場合が生じ、逆に、浸食量が少な過ぎると、非パターン部に金属層24が残存して、短絡の原因となる場合が生じる。従って、上記のエッチングによる浸食の程度は、図2(6)に示す程度か、或いはこれより多少増減する範囲内が好ましい。
【0030】
エッチングの方法としては、金属層24及び保護金属層11を構成する各金属の種類に応じた、各種エッチング液を用いたエッチング方法が挙げられる。例えば、金属層24(即ち層間接続体24a)が銅であり、保護金属層11が前述の金属(金属系レジストを含む)の場合、市販のアルカリエッチング液、過硫酸アンモニウム、過酸化水素/硫酸等が使用される。
【0031】
次に、図3(7)に示すように、マスク層25の除去を行うが、これは薬剤除去、剥離除去など、マスク層25の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、スクリーン印刷により形成された感光性のインクである場合、アルカリ等の薬品にて除去される。
【0032】
次に、図3(8)に示すように、保護金属層11の浸食が可能な選択的なエッチングを行う。エッチングの方法としては、(e)工程とは異なるエッチング液を用いたエッチング方法が挙げられるが、塩化物エッチング液を用いると金属系レジスト及び銅の両者が浸食されるため、その他のエッチング液を用いるのが好ましい。具体的には、層間接続体24aと配線パターン22が銅であり、保護金属層11が前記の金属である場合、はんだ剥離用として市販されている、硝酸系、硫酸系、シアン系などの酸系のエッチング液等を用いるのが好ましい。これにより、図3(8)に示すように、層間接続体24aと配線パターン22(パターン部)とに介在する保護金属層11のみを残存させることができる。また、非パターン部には、下地導電層10のみが残存する。
【0033】
本発明の(f)工程は、配線パターン22を凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体24aを露出させる絶縁層形成材26を形成するものである。本実施形態では、絶縁層形成材26を積層後に層間接続体24aを露出させる例を示す。
【0034】
まず、図4(9)に示すように、絶縁層形成材26を形成するための絶縁材26aの塗布を行う。絶縁材26aとしては、例えば絶縁性が良好で安価な液状ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の反応硬化性樹脂を用いることができ、これを各種方法で、層間接続体24aの高さよりやや厚くなるように塗布した後、加熱又は光照射等により硬化させればよい。塗布方法としては、各種コーターを使用できる。また、反応硬化性樹脂等を含有する接着性シート等を用いて、ホットプレスや真空ラミネート等する方法でもよい。
【0035】
なお、絶縁層形成材26は、完全に硬化したものでもよく、半硬化状態(いわゆるBステージ)であってもよい。半硬化状態の絶縁層形成材26は、一括積層法や金属箔の積層時に、加熱プレス等で積層硬化させて、被積層体と接着することができる。
【0036】
次に、図4(10)に示すように、硬化した絶縁材26aを研削・研磨等することにより、層間接続体24aの高さと略同じ厚さを有する絶縁層形成材26を形成する。研削の方法としては、ダイヤモンド製等の硬質刃を回転板の半径方向に複数配置した硬質回転刃を有する研削装置を使用する方法が挙げられ、当該硬質回転刃を回転させながら、固定支持された配線基板の上面に沿って移動させることによって、上面を平坦化することができる。また、研磨の方法としては、ベルトサンダ、バフ研磨等により軽く研磨する方法が挙げられる。
【0037】
本発明の(g)工程は、図4(11)に示すように、仮着用基材21を除去するものである。本実施形態では、下地導電層10が仮着用基材21との間に介在するように、配線パターン22を凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体24aを露出させる絶縁層形成材26を形成しているため、絶縁層形成材26が直接接着していないので、仮着用基材21を剥離して除去することができる。
【0038】
本実施形態では、図5(12)に示すように、前記下地導電層10を除去する工程を行う。下地導電層10の除去は、非パターン部に残存する下地導電層10をソフトエッチング等すればよい。ソフトエッチングを行うのは、配線パターン22を過度に浸食するのを防止するためである。ソフトエッチングの方法としては、下地導電層10を構成する金属に対するエッチング液を、低濃度で使用したり、また緩やかなエッチングの処理条件で使用したりする方法等が挙げられる。
【0039】
以上のような本発明の製造方法によって、接続の信頼性の高い層間接続構造を有し、配線パターンの形成面がフラットな配線基板部材が得られる。かかる配線基板部材としては、図5(12)に示すように、配線パターン22、絶縁層形成材26、及び前記配線パターン22に接続された層間接続体24aを有する配線基板部材であって、前記配線パターン22は絶縁層形成材26の凹状部で保持され、前記層間接続体24aは配線パターン22にメッキされた保護金属層11にメッキで形成されて前記絶縁層形成材26から露出している。本実施形態では、配線パターン22に下地導電層10を介して保護金属層11がメッキされている。
【0040】
本発明の配線基板部材は、両面配線基板や多層配線基板の製造に有用であるが、特に、一括積層法に使用する積層単位Uとして利用するのが好ましい。以下、この一括積層法について簡単に説明する。
【0041】
本発明の配線基板部材は、絶縁層形成材26が幾らかの接着性を有しておれば、そのまま複数積層して、加熱プレスにより一括積層することで、多層配線基板を製造することができる。但し、絶縁層形成材26の形成に研磨等を用いる場合など、ある程度以上硬化した絶縁層形成材26が好ましいため、配線基板部材の少なくとも片面には、図5(13)に示すように、導電材32により導通を確保しながら、接着性層31を設けるのが好ましい。
【0042】
接着性層31としては、加熱プレスにより各々の積層単位Uが接着可能なものであればよく、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の反応硬化性樹脂を含む樹脂組成物の半硬化物が好ましい。また、導電材32を設ける開口を形成するために、感光性(フォトレジスト機能)を併せ持つ樹脂組成物を使用してもよい。
【0043】
また、導電材32としては、ハンダ等の各種ソルダー、導電性ペースト、ソルダーペースト、貴金属メッキ、その他の導電性接着剤などが挙げられる。接着性層31と導電材32の形成は、層間接続体24aの露出部が開口した接着性層31を印刷法、フォトリソグラフィ法などにより形成した後、メッキ、印刷法、ソルダーフロー法などで導電材32を形成すればよい。逆に、メッキ等で導電材32を形成した後に、接着性層31を印刷法などで形成してもよい。
【0044】
なお、接着性層31と導電材32の代わりに、異方性導電フィルム(ACF)を使用してもよい。異方性導電フィルムとしては、反応硬化性樹脂の樹脂組成物に金属粒子等を含有するものが例示できる。
【0045】
次に、図5(14)に示すように、このような積層単位Uを複数積層配置して、加熱プレスを行うことで、一括積層することができる。加熱プレスの方法としては、加熱加圧装置(熱ラミネータ、加熱プレス)などを用いて行えばよく、その際、空気の混入を避けるために、雰囲気を真空(真空ラミネータ等)にしてもよい。加熱温度、圧力など条件等は、接着性層31や導電材32の材質などに応じて適宜設定すればよいが、圧力としては、0.5〜30MPaが好ましい。
【0046】
図5(14)では、全ての積層単位Uが同じ向きで積層配置され、最上層に金属箔33が積層される例を示すが、コアとなる両面配線基板の上下に逆向きで積層単位Uが積層配置されたり、コア材を使用せずに上下に逆向きで積層単位Uを積層配置してもよい。
【0047】
〔別の実施形態〕
以下、本発明の別の実施形態について説明する。
【0048】
(1)前記の実施形態では、配線パターンの形成面の全面に保護金属層を形成しておき、層間接続体の形成後に、保護金属層を除去する例を示したが、本発明では配線パターンのみに保護金属層を形成する方法でもよい。以下、これについて説明する。
【0049】
この実施形態では、(a)工程の後の(b)工程として、図6(3’)に示すように、配線パターン22のみに保護金属層となる導電体層23を形成する。具体的には、層間接続体24aを構成する金属のエッチング時に耐性を示す金属を、配線パターン22を構成する金属を触媒とする無電解メッキにより析出させて導電体層23を形成する。導電体層23は、エッチング時に配線パターン22を保護しつつ、配線パターン22を短絡させないものであればよいため、配線パターン22の全体を完全に被覆する必要はなく、逆に非パターン部を部分的に被覆したものであってもよい。また、このような観点から、導電体層23の厚みも適宜設定されるが、5μm以上が好ましい。
【0050】
続く(c)から(g)工程は前記と同様であるが、(e)工程により図6(3’)に示すような形状となり、非パターン部から仮着用基材21が露出することになる。
【0051】
そして、(f)工程により、図6(10’)に示すような形状となり、絶縁層形成材26は仮着用基材21に直接接することになる。従って、仮着用基材21を剥離除去する場合には、仮着用基材21が絶縁層形成材26との剥離性を有することが好ましい。絶縁層形成材26との剥離性を有するものとしては、フッ素樹脂等の剥離性層を表面に設けた仮着用基材21が挙げられる。
【0052】
一方、図7(1’)に示すように、基材21bとこれから剥離可能な仮着シート21aとで仮着用基材21を構成し、図7(11−1)に示すように、両者の界面で剥離した後、図7(11−2)に示すように、仮着シート21aを除去してもよい。仮着シート21aとしては、絶縁層形成材26と異なる樹脂シート、金属箔、などが使用できるが、樹脂シートは溶解除去、分解除去、研削除去、研磨除去などが可能であり、金属箔はエッチング除去などが可能である。
【0053】
(2)前記の実施形態では、本発明の配線基板部材を一括積層法に使用する積層単位として利用する例を示したが、両面配線基板(積層用のものを含む)を作製するのに利用する場合について説明する。
【0054】
先ず、図8(1)に示すように、仮着用基材21の両面に配線パターン22がパターン形成され、更にその配線パターン22に層間接続突起Bが形成された被積層体Lを準備する。
【0055】
次の工程は、図8(2)に示すように、プレス面1と層間接続突起Bが形成された被積層体Lとの間に、少なくとも、凹状変形を許容するシート材2、金属層形成材3、及び熱接着性の絶縁層形成材4をこの順序で配置するものである。本実施形態では、金属層形成材3と絶縁層形成材4とが予め積層一体化された樹脂付き銅箔RCを使用し、プレス面1とは別体のシート材2を配置する例を示す。
【0056】
このような樹脂付き銅箔RCは、各種のものが市販されており、それらをいずれも使用できる。また、金属層形成材3と絶縁層形成材4とは各々を別々に配置してもよい。
【0057】
金属層27となる金属層形成材3としては、銅、ニッケル、錫等、いずれの金属を用いてもよいが、導電性、エッチングのし易さ、コストなどの観点から、配線パターンに汎用されている銅が最も好ましい。
【0058】
絶縁層形成材4としては、積層時に変形して加熱等により固化すると共に、配線基板に要求される耐熱性を有するものであれば何れの材料でもよい。具体的には、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の各種反応硬化性樹脂や、それとガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維等との複合体(プリプレグ)などが挙げられる。
【0059】
絶縁層形成材4の厚みは、接着後に層間接続突起Bの上面が金属層27の上面付近又は上面より上方に位置するような厚みとするのが好ましい。具体的には、絶縁層形成材4の厚みは、層間接続突起Bの高さ−40μm〜+20μmが好ましく、層間接続突起Bの高さ−20μm〜+10μmがより好ましい。
【0060】
シート材2は、加熱プレス時に凹状変形を許容する材料であればよく、クッション紙、ゴムシート、エラストマーシート、不織布、織布、多孔質シート、発泡体シート、金属箔、これらの複合体、などが挙げられる。特に、クッション紙、ゴムシート、エラストマーシート、発泡体シート、これらの複合体などの、弾性変形可能なものが好ましい。
【0061】
シート材2の厚みは、層間接続突起Bの高さの半分より厚いのが好ましく、層間接続突起Bの高さより厚いのが好ましい。シート材2の厚みや硬さを調整することによって、加熱プレスによって形成される積層体の凸部5の高さや形状を制御することができる。一般に、シート材2の厚みを小さく、また硬さを硬くすると、形成される積層体の凸部5の高さや体積は小さくなる。
【0062】
両面に同時積層する場合の配置の仕方としては、下型のプレス面1と上型のプレス面1との間に、図8(2)に示す順序で各層を積層配置するのがよい。
【0063】
次の工程は、図9(3)に示すように、上記のような配置状態でプレス面1により加熱プレスを行って、層間接続突起Bに対応する位置に凸部5を有し表面に金属層27が形成された積層体を得るものである。この工程では、シート材2が、層間接続突起Bの存在によって加熱プレス時に凹状変形するため、それに対応する凸部5が積層体に形成される。特に、絶縁層形成材4が補強繊維を含む場合には、凸部5の高さや体積が大きくなる。
【0064】
加熱プレスの方法としては、加熱加圧装置(熱ラミネータ、加熱プレス)などを用いて行えばよく、その際、空気の混入を避けるために、雰囲気を真空(真空ラミネータ等)にしてもよい。加熱温度、圧力など条件等は、絶縁層形成材4と金属層形成材3の材質や厚みに応じて適宜設定すればよいが、圧力としては、0.5〜30MPaが好ましい。これによって、被積層体Lの表面形状に応じて絶縁層形成材4と金属層形成材3とが変形して、硬化した絶縁層形成材26と金属層27が形成される。形成後に、積層体は脱型、冷却などが通常なされる。
【0065】
次の工程は、図9(4)に示すように、この積層体の凸部5を除去して、層間接続突起Bを露出させるものである。その際、積層体の金属層27の上面より層間接続突起Bの上面が高くなる分を、同時に除去して平坦化してもよい。
【0066】
凸部5の除去方法としては、研削や研磨による方法が好ましく、ダイヤモンド製等の硬質刃を回転板の半径方向に複数配置した硬質回転刃を有する研削装置を使用する方法や、サンダ、ベルトサンダ、グラインダ、平面研削盤、硬質砥粒成形品などを用いる方法などが挙げられる。研削装置を使用すると、当該硬質回転刃を回転させながら、固定支持された配線基板の上面に沿って移動させることによって、上面を平坦化することができる。また、研磨の方法としては、ベルトサンダ、バフ研磨等により軽く研磨する方法が挙げられる。本発明のように積層体に凸部5が形成されていると、その部分のみを研削するのが容易になり、全体の平坦化がより確実に行える。
【0067】
次の工程は、図9(5)に示すように、露出した層間接続突起Bと、絶縁層形成材26を隔てて近接する金属層27とを導電接続するものである。本実施形態では、層間接続突起Bの上面を含む金属層27の略全面に対し、メッキにより導電体層28を形成する例を示す。これにより、層間接続突起Bの上面に接合した導電体層28を介して、層間接続突起Bと金属層27とが導電接続される。
【0068】
メッキによる導電体層28の形成は、無電解メッキ、又は無電解メッキと電解メッキの組合せ、スパッタリングや蒸着と電解メッキの組合せなどにより行うことができる。但し、導電接続の信頼性を高める上で無電解メッキと電解メッキの組合せで形成するのが好ましい。導電体層28の厚みは1〜30μmが好ましい。更に、導電体層28と金属層27とのエッチングを行って金属パターンを形成することができる。
【0069】
仮着基材21の剥離等による除去は、図9(3)の直後、図9(4)の直後、図9(5)の後など何れでもよい。
【0070】
一方、図10(a)〜(b)に示すような配置の仕方も可能である。図10(a)に示す例は、プレス面1にシート材2を形成しておくものである。シート材2をプレス面1に直接形成してもよいが、接着剤や粘着剤を用いてシート材2を接着してもよい。また、シート材2の表面に離型層を設けてもよい。特に、離型性及び耐熱性に優れるシリコーンゴムシートを使用するのが好ましい。
【0071】
図10(b)に示す例は、プレス面1と被積層体Lとの間に、シート材2、金属層形成材3、及び絶縁層形成材4を別々に配置すると共に、シート材2と金属層形成材3との間に、離型シート6を追加配置したものである。離型シート6としては、フッ素樹脂フィルム、シリコーン樹脂フィルム、各種の離型紙、繊維補強フッ素樹脂フィルム、繊維補強シリコーン樹脂フィルムなどが挙げられる。
【0072】
(3)前記の実施形態では、配線基板部材を仮着基材の両面に作製する例を示したが、配線基板部材を仮着基材の片面のみに作製するものでもよい。その場合、積層しない側の基板面を強固に支持することができ、研削・研磨等の工程を無理なく確実に行うことができる場合がある。
【0073】
(4)前記の実施形態では、(b)工程が、予めパターン形成した配線層の非パターン部を含めた全面に無電解メッキを行って下地導電層を形成した後、更に全面に電解メッキを行って保護金属層を形成する例を示したが、絶縁層の全面に無電解メッキを行って下地導電層を形成した後にパターン形成した配線層に対し、その全面に電解メッキを行って前記保護金属層を形成してもよい。なお、上記の方法は何れも、下地導電層を無電解メッキで形成しているが、スパッタリング等により形成することも可能である。
【0074】
(5)前記の実施形態では、マスク層を印刷により形成する例を示したが、ドライフィルムレジスト等を用いてマスク層を形成してもよい。その場合、ドライフィルムレジストの熱圧着、露光、現像が行われる。また、マスク層の除去(剥離)には、メチレンクロライドや水酸化ナトリウム等が用いられる。
【0075】
また、マスク層を金属層のエッチング時に耐性を示す金属で形成してもよい。その場合、保護金属層と同様の金属を使用することができ、パターン形成と同様の方法により、所定の位置にマスク層を形成すればよい。
【0076】
(6)前記の実施形態では、絶縁材を研削・研磨等することにより、層間接続体の高さと略同じ厚さを有する絶縁層を形成する例を示したが、絶縁材である樹脂シート等を加熱加圧することにより、層間接続体の高さと略同じ厚さを有する絶縁層を形成してもよい。その場合、層間接続体上に薄く残る絶縁性樹脂は、プラズマ処理等によって簡単に除去でき、また加熱後に研磨して平坦化することもできる。
【0077】
(7)前記の実施形態では、マスク層の除去を金属層を選択的にエッチングした直後に行う例を示したが、マスク層の除去工程の順序はこれに限定されず、例えば、保護金属層のエッチング工程の直後、下地導電層のソフトエッチング工程の直後、あるいは、絶縁材26aを研削・研磨等する際に、マスク層の除去を行ってもよい。
【0078】
(8)前記の実施形態では、下地導電層を有する配線層に保護金属層を被覆する例を示したが、下地導電層を形成せずに直接、保護金属層を被覆してもよい。その場合、無電解メッキ等により保護金属層を被覆すればよく、また、保護金属層の浸食が可能なエッチングのみで、非パターン部を被覆する保護金属層を除去して、パターン部間の短絡を防止することができる。
【0079】
(9)前記の実施形態では、金属被覆層で被覆していない仮着用基材を使用する例を示したが、図11に示すように、仮着用基材21を被覆した金属被覆層16に配線パターン22を形成する(a)工程を実施し、(g)仮着用基材21を除去する工程を行った後、(h)金属被覆層16が残存する場合にはこれを除去する工程を実施してもよい。
【0080】
仮着用基材21がステンレス鋼製やアルミ合金などの鏡面板である場合、配線パターン22を直接形成すると、付着力が不十分となり、脱落の問題が生じやすいが、図11(1’)に示すように、予め金属被覆層16で被覆しておくと、金属被覆層16と仮着用基材21との適度な付着力により、脱落の問題が生じにくく、しかも適度な付着力のため、仮着用基材21を簡単に剥離することができる。
【0081】
金属被覆層16としては、配線パターン22と同じ種類の金属でもよいが、金属被覆層16を除去する際に、選択的にエッチングできるように、配線パターン22を形成する金属と異なる別の金属が好ましい。配線パターン22が銅である場合、このような金属としては、金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、ロジウム、鉛−錫系はんだ合金、又はニッケル−金合金等が使用できる。
【0082】
金属被覆層16を構成する金属と、保護金属層11を構成する金属とが同じ場合、保護金属層11のエッチング時に金属被覆層16が一部浸食される。金属被覆層16の浸食により仮着用基材21が露出すると、配線パターン22の脱落が生じ易くなるため、上記の場合には金属被覆層16の厚みを十分大きくする(例えば5μm以上)のが好ましい。また、金属被覆層16を構成する金属が、保護金属層11とも配線パターン22とも異なる金属にするのが好ましい。
【0083】
次に、図11(11−1)〜(11−2)に示すように、仮着用基材21を剥離等して除去した後、金属被覆層16の除去を行う。金属被覆層16の除去は、エッチングなどの化学的処理や、研磨、剥離などの物理的処理が可能であるが、エッチングを行うのが好ましい。
【0084】
金属被覆層16を構成する金属と、配線パターン22を構成する金属とが同じ場合、ハーフエッチング又はソフトエッチング(厚みが薄い場合)が行われる。配線パターン22の浸食を防いで、配線パターン22の平坦性を維持するためには、金属被覆層16を構成する金属が、配線パターン22と異なることが好ましい。
【0085】
(10)前記(9)の実施形態では、単層の金属被覆層で被覆した仮着用基材を使用する例を示したが、図12に示すように、仮着用基材21を被覆した金属被覆層16が2種以上の金属の積層体であり、その積層体の最表面の金属は配線パターン22を形成する金属と異なるようにするのが好ましい。その後、金属被覆層16を除去する際に、各々の金属を順次選択的にエッチングする。この場合も、金属被覆層16と仮着用基材21との適度な付着力により、脱落の問題が生じにくく、しかも適度な付着力のため、仮着用基材21を簡単に剥離することができる。
【0086】
本実施形態では、図12(1’)に示すように、仮着用基材21を被覆した金属被覆層16が2層の積層体の例を示す。金属被覆層16の下層16aを構成する金属は、配線パターン22と異なっていてもよいが、同じ種類の金属が好ましい。
【0087】
また、金属被覆層16の上層16bを構成する金属は、これを除去する際に、選択的にエッチングできるように、配線パターン22を形成する金属と異なる別の金属が好ましい。また、配線パターン22とも保護金属層11とも異なる金属を使用することも可能である。配線パターン22が銅である場合、このような金属としては、金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、ロジウム、鉛−錫系はんだ合金、又はニッケル−金合金等が使用できる。
【0088】
次に、図12(11−1)〜(11−3)に示すように、仮着用基材21を剥離等して除去した後、金属被覆層16の下層16aと上層16bとを順次選択的にエッチングする。金属被覆層16の上層16bは、配線パターン22を形成する金属と異なるため、配線パターン22の浸食を防いで、配線パターン22の平坦性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図2】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図3】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図4】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図5】本発明の配線基板部材の製造方法の一例を示す工程図
【図6】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図7】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図8】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図9】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図10】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図11】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【図12】本発明の配線基板部材の製造方法の他の例を示す工程図
【符号の説明】
1 プレス面
2 シート材
3 金属層形成材
4 絶縁層形成材
10 下地導電層
11 保護金属層
16 金属被覆層
21 仮着用基材
22 配線パターン
23 導電体層
24 金属層
24a 層間接続体
25 マスク層
26 絶縁層形成材
27 金属層
U 積層単位
B 層間接続突起
L 被積層体
Claims (6)
- 配線パターン、絶縁層形成材、及び前記配線パターンに接続された層間接続体を有する配線基板部材の製造方法であって、
(a)仮着用基材に又は仮着用基材を被覆した金属被覆層に配線パターンを形成する工程、
(b)少なくともその配線パターンを被覆する保護金属層を形成する工程、
(c)その保護金属層とは別の金属層を更に形成する工程、
(d)その金属層の前記層間接続体を形成する表面部分にマスク層を形成する工程、
(e)前記マスク層を形成した金属層を選択的にエッチングする工程、
(f)前記配線パターンを凹状部で保持しつつ、形成した層間接続体を露出させる絶縁層形成材を形成する工程、
(g)前記仮着用基材を除去する工程、及び
(h)前記金属被覆層が残存する場合にはこれを除去する工程
を含む配線基板部材の製造方法。 - 前記仮着用基材を被覆した金属被覆層は2種以上の金属の積層体であり、その積層体の最表面の金属は前記配線パターンを形成する金属と異なると共に、前記金属被覆層を除去する際に、各々の金属を順次選択的にエッチングする請求項1記載の配線基板部材の製造方法。
- 前記(b)工程で、非パターン部を含む略全面に保護金属層を形成し、前記(e)工程の後に、前記保護金属層を選択的にエッチングする請求項1又は2に記載の配線基板部材の製造方法。
- 前記仮着用基材が金属板であり、その両面に対して前記(a)工程から(g)工程を実施する請求項1〜3いずれかに記載の配線基板部材の製造方法。
- 配線パターン、絶縁層形成材、及び前記配線パターンに接続された層間接続体を有する配線基板部材であって、
前記配線パターンは絶縁層形成材の凹状部で保持され、前記層間接続体は配線パターンにメッキされた保護金属層にメッキで形成されて前記絶縁層形成材から露出している配線基板部材。 - 一括積層法に使用する積層単位である請求項5に記載の配線基板部材。
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- 2003-01-15 JP JP2003006708A patent/JP2004221310A/ja active Pending
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