JPH0527552Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は作業機械に於ける作業範囲を拡大し、
作業の能率を高めようとする作業機械のブーム装
置に関するものである。

［従来の技術］ 建設作業、土木工事等の重作業に於いては作業
能率、安全性の点より作業機械が威力を発揮する
が、これら重作業は掘削、取壊し、重量物のハン
ドリング等多種多様に亘る。

従来、重作業を機械化する場合、パワーシヨベ
ルをベースとしアームの先端にバケツト、ブレー
カ、つかみ機、回転掘削機、解体機等種々の作業
機器を作業に応じて取付けることによつて行つて
いる。

［考案が解決しようとする問題点］ 然し、パワーシヨベルをベースとしてアームの
先端に各種作業機器を取付けた場合、該作業機器
の操作方向はブームの旋回、ブームの起伏、アー
ムの傾動等鉛直面内の動きに限定される為、その
作業姿勢は主に下向に限定され上向き（天井方
向）、横向き（側壁方向）の作業姿勢をとること
はできない。天井方向についてはアームに対する
作業機器の取付方向を変えればある程度可能であ
るが、横向き方向についてはアーム等の動きから
して不可能であり、作業対象物の姿勢を変える以
外なく極めて作業性が悪かつた。

本考案は斯かる実情に鑑み、パワーシヨベル等
既存する機種に容易に取付けられ、全方向の作業
を可能とするブーム装置を提供しようとするもの
である。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は起伏自在に支持され起伏シリンダによ
つて起伏される支持フレームの基端及び先端に支
持ブロツクを設け、該支持フレームに捻転ブーム
を嵌装すると共に捻転ブームの基端に設けたフラ
ンジと前記基端側支持ブロツク間に旋回ベアリン
グを設け、且つ捻転ブームの中途部に設けたフラ
ンジと前記先端側支持ブロツク間に旋回ベアリン
グを設けて捻転ブームが支持フレームに回転自在
に支持される様にすると共に前記基端側旋回ベア
リングのインナレースの内側にラツク歯を刻設
し、該ラツク歯に基端側支持ブロツクに取付けた
モータに軸着したピニオンを噛合せしめ、前記捻
転ブームに摺動自在にインナブームを嵌挿し、イ
ンナブームの中途部と前記基端側支持ブロツク間
に伸縮シリンダを掛渡して設け、インナブームよ
り先端部が突出せる様傾動シリンダをインナブー
ムに取付けると共にインナブーム先端にブレーカ
取付用ブラケツトを設けたことを特徴とするもの
である。

［作用］ 支持フレームは起伏シリンダによつて起伏し、
捻転ブームは、支持フレームの基端側旋回ベアリ
ング及び先端側旋回ベアリングに安定した状態で
支持されながらモータによつて捻転し、インナブ
ームは伸縮シリンダによつて伸縮すると共にブラ
ケツトに取付けられるブレーカは傾動シリンダに
よつて傾動するので、結局ブレーカを全ての方向
へ向けることができ全姿勢の破壊作業を行うこと
ができる。

［実施例］ 以下図面に基づき本考案の実施例を説明する。

第１図〜第３図に於いて１は旋回体のブームブ
ラケツト２に起伏自在に取付けられ、起伏シリン
ダ３によつて起伏される様になつているブーム支
持フレームであり、該支持フレーム１に軸心を中
心に回転自在に捻転ブーム４を設け、捻転ブーム
４にはインナブーム５を伸縮自在に設ける。

次に、ブーム支持フレーム１等について詳述す
る。

捻転ブーム４の基端と、中途部とを回転自在に
支持する支持ブロツク６，７の１方は前記ブーム
ブラケツト２に枢着し、他方はブームブラケツト
２に枢着した起伏シリンダ３のロツド先端と枢着
してある。両支持ブロツク６，７をフレーム８で
連結１本化する。又、支持ブロツク６は板材によ
つて箱状に形状され、箱体９の前面（ブーム支持
フレームとの対峙面）に旋回ベアリング１０のア
ウタレース１１を固着する。前記捻転ブーム４の
基端には箱体９に対峙するフランジ１２が固着し
てあり、該フランジ１２に前記旋回ベアリング１
０のインナレース１３を固着する。インナレース
１３の内周面にはラツク歯１４を刻設し、該ラツ
ク歯１４にはピニオンギア１５を噛合し、ピニオ
ンギア１５は箱体９に取付けた油圧モータ１６の
出力軸に嵌着してある。

又、捻転ブーム４の中途部も他方の支持ブロツ
ク７によつて回転自在に支持されるが、第３図に
示す様に捻転ブーム４の中途部にフランジ１９を
設け、支持ブロツク７側に旋回ベアリング１８の
アウタレース２０、フランジ１９にインナレース
２１が固着する。フランジ１９には補強材２２，
２３を設ける。

前記した様にインナブーム５は捻転ブーム４に
ブツシユ（図示せず）等を介在させて摺動自在に
嵌装してあり、インナブーム５の先端部には伸縮
シリンダ２４のロツド先端を枢着する。前記フラ
ンジ１２にブラケツト２５を設け、該ブラケツト
２５に伸縮シリンダ２４の本体基端を枢着する。
更に、インナブーム５の先端部には作業機器（図
示せず）傾動用の傾動シリンダ２６の本体を枢着
し、ロツド先端は作業機器に取付可能とする。
又、インナブーム５の先端に作業機器を枢着可能
なブラケツト１７を突設する。

尚、図中２７はロータリジヨイントを示す。

上記構成のブーム装置によれば、ブーム装置全
体は旋回体の旋回によつて鉛直軸心を中心に回転
し得、起伏シリンダ３による起伏、モータ１６に
よる捻転、伸縮シリンダ２４によるブームの伸
縮、傾動シリンダ２６による作業機器の傾動が行
え、これら各方向の動きを組合せれば全方向の作
業が可能となる。

次に、該ブーム装置の応用例を第４図、第５図
に於いて説明する。

該応用例はブーム装置２８に作業機器としてブ
レーカ２９を取付け、溶融鍋に内張した煉瓦等を
壊す為の作業機としたものである。

第４図、第５図中３０は溶融鍋、３１は煉瓦、
３２は下部走行体、３３は上部旋回体を示す。

内張煉瓦３１を壊す場合、下部走行体３２を駆
動して溶融鍋３０が据置かれた場所迄走行し、伸
縮シリンダ２４によりインナブーム５を伸長させ
てブレーカ２９を溶融鍋３０内に挿入し又傾動シ
リンダ２６によつてブレーカ２９を傾け先端を煉
瓦３１に当接させて、煉瓦を破壊剥離する。

モータ１６による捻転ブーム４の捻転、インナ
ブーム５の伸縮により、更にはブレーカ２９の適
宜な傾動、及び上部旋回体の旋回を組合せること
により、溶鋼鍋３０の全内面に亘り完全に内張煉
瓦３１を剥離除去するとができる。

［考案の効果］ 以上述べた如く本考案によれば、モータの駆動
による捻転ブームの捻転動作をきわめて安定した
状態で行うことができ、全姿勢の作業が可能とな
るので、作業姿勢の変わる度にブレーカの付変え
をする必要がなく、更に被作業物の姿勢を変える
必要がないので機械作業による破壊の作業能率は
大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る実施例の側面図、第２図
は第１図Ａ部の断面図、第３図は第１図Ｂ部の断
面図、第４図は本考案を実施した作業機械の側面
図、第５図は同前平面図である。 ３は起伏シリンダ、４は捻転ブーム、５はイン
ナブーム、６，７は支持ブロツク、１０は旋回ベ
アリング、１４はラツク歯、１５はピニオンギ
ヤ、１６は油圧モータ、１８は旋回ベアリング、
２４は伸縮シリンダ、２６は傾動シリンダを示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 起伏自在に支持され起伏シリンダによつて起伏
   される支持フレームの基端及び先端に支持ブロツ
   クを設け、該支持フレームに捻転ブームを嵌装す
   ると共に捻転ブームの基端に設けたフランジと前
   記基端側支持ブロツク間に旋回ベアリングを設
   け、且つ捻転ブームの中途部に設けたフランジと
   前記先端側支持ブロツク間に旋回ベアリングを設
   けて捻転ブームが支持フレームに回転自在に支持
   される様にすると共に前記基端側旋回ベアリング
   のインナレースの内側にラツク歯を刻設し、該ラ
   ツク歯に基端側支持ブロツクに取付けたモータに
   軸着したピニオンを噛合せしめ、前記捻転ブーム
   に摺動自在にインナブームを嵌挿し、インナブー
   ムの中途部と前記基端側支持ブロツク間に伸縮シ
   リンダを掛渡して設け、インナブームより先端部
   が突出せる様傾動シリンダをインナブームに取付
   けると共にインナブーム先端にブレーカ取付用ブ
   ラケツトを設けたことを特徴とする作業機械のブ
   ーム装置。