JPS6346555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、鉄塔基礎用竪孔あるいはその他の
用途の竪孔を掘削する場合に使用する竪孔掘削機
を、竪孔内の中心位置で強固に支持することがで
きる竪孔掘削機固定装置に関するものである。

〔従来技術〕

従来、竪孔掘削機を竪孔の孔壁に固定する装置
としては、竪孔掘削機のフレームの周囲に固定用
アームの上端部を横軸により枢着し、そのアーム
の下端部には孔壁に圧着されるグリツパを取付
け、かつ前記フレームとアームの中間部とを固定
用液圧シリンダを介して連結した構造のものが知
られている。

しかるに、前記従来の竪孔掘削機固定装置の場
合は下記の欠点がある。

(1) 竪孔掘削機の固定力が竪孔周壁の土質の影響
を受ける。

(2) 比較的小面積のグリツパが竪孔周壁に対し強
力に押付けられるので、グリツパが竪孔周壁に
めり込んだり竪孔周壁が崩壊する恐れがある。

(3) 竪孔の中心と竪孔掘削機の中心とを正確に合
わせることが困難である。

(4) 竪孔掘削機を竪孔周壁に対し強固に固定する
ことは難しい。

〔考案の目的、構成〕

この考案は前述の問題を有利に解決できる竪孔
掘削機固定装置を提供することを目的とするもの
であつて、この考案の要旨とするところは、竪孔
周壁１に設けられたセグメント覆行２の下端部
に、その竪孔周壁１に向かつて開口する溝を有す
る環状保持部材３が連結され、その環状保持部材
３の溝内に竪孔周壁圧接用流体チユーブ４が収容
され、竪孔掘削機５が前記環状保持部材３により
支持されていることを特徴とする竪孔掘削機固定
装置にある。

〔実施例〕

次にこの考案を図示の例によつて詳細に説明す
る。

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、竪孔周壁１に、ボルトにより相互に連結され
た多数の鋼製セグメントリング２Ａからなる竪孔
周壁保護用セグメント覆工２が設けられ、そのセ
グメント覆工２の下端部には、竪孔周壁１に向か
つて開口する溝を有する環状保持部材３の上部が
ボルトにより着脱自在に固定され、かつ環状保持
部材３の外径はセグメント覆工２の外径とほぼ同
じであり、さらに環状保持部材３の内周側部分は
セグメント覆工２よりも内側に突出し、さらに環
状保持部材３の溝内には、多数のゴム製竪孔周壁
圧接用流体チユーブ４が環状保持部材３の周囲方
向に近接して並ぶように配置された状態で収容さ
れ、また各流体チユーブ４の給排気口６は開閉弁
７および通気管８を介して接続され、一個または
複数個の給排気口６は給排気切換弁を介して圧縮
空気供給源に接続されている。

地上のクレーン９により昇降可能に吊下支持さ
れている吊りフレーム１０における垂直部分に、
保持部材２０が昇降自在に嵌設され、かつその吊
りフレーム１０の下部には掘削機フレーム１４が
固定され、さらに前記保持部材２０には旋回用駆
動装置１１により旋回される旋回テーブル１２が
取付けられ、その旋回テーブル１２の中央部には
垂直な旋回軸１３の上端部が固定され、かつ掘削
機フレーム１４の筒状部分には前記旋回軸１３が
摺動自在に嵌挿され、さらに前記保持部材２０と
掘削機フレーム１４とは昇降用流体圧シリンダ１
５を介して連結されている。

前記掘削機フレーム１４の周囲に３個または４
個の支持アーム１６が等角度間隔で配置され、各
支持アーム１６の基端部は掘削機フレーム１４に
対し横軸により枢着され、かつ支持アーム１６の
中間部と掘削機フレーム１４とはアーム回動用流
体圧シリンダ１７を介して連結され、さらに支持
アーム１６の先端部には、上端に係止突起１８を
備えている固定用シユー１９が小角度だけ回動し
得るように横軸により枢着されている。

前記旋回軸１３の下端部に固定された支持部材
２１に掘削アーム２２の上端部が横軸により枢着
され、その掘削アーム２２の中間部と支持部材２
１とはアーム揺動用流体圧シリンダ２３を介して
連結され、かつ掘削アーム２２に内蔵された電動
機または液圧モータにより回転されるカツタ軸２
４には、周囲に多数のピツクを取付けたドラム型
のカツタ２５が固定され、前記掘削機フレーム１
４により昇降用流体圧シリンダ１５を介して支持
されている保持部材２０と、その保持部材２０に
より旋回テーブル１２および旋回軸１３を介して
支持されている支持部材２１と、その支持部材２
１により支持されている各部分とによつて竪孔掘
削機５が構成されている。

竪孔掘削機５を竪孔周壁１に対し固定する場合
は、流体チユーブ４内に圧縮空気または加圧液体
を注入して、その流体チユーブ４を竪孔周壁１に
圧接させることにより、環状保持部材３を竪孔周
壁１に強固に固定し、次にアーム回動用流体圧シ
リンダ１７を短縮動作させて、係止突起１８を環
状保持部材３の内周側上面に配置するとともに、
固定用シユー１９を環状保持部材３の内周面に圧
接させる。このようにすると、掘削機フレーム１
４は環状保持部材３により係止突起１８付き固定
用シユー１９と支持アーム１６およびアーム回動
用流体圧シリンダ１７とを介して支持される。

竪孔の底部の地盤を掘削する場合は、アーム揺
動用流体圧シリンダ２３の伸縮動作による掘削ア
ーム２２の揺動と、旋回用駆動装置１１の運転に
よる旋回テーブル１２、旋回軸１３、支持部材２
１および掘削アーム２２の旋回とを適宜組合わせ
て行なうことにより、カツタ２５を孔底の全面に
わたつて移動させ、次に１回の孔底全面の掘削を
行なつたのち、昇降用流体圧シリンダ１５を短縮
して保持部材２０、旋回テーブル１２、旋回軸１
３およびこれにより支持されている各部分を下降
移動させ、次に再び孔底全面の掘削を行なう。ま
た１つのセグメントリング分の孔底掘削を終了し
たのち、アーム回動用流体圧シリンダ１７の流体
圧を解放し、かつクレーン９により前記竪孔掘削
機５を孔外に吊上げ搬出する。

次に地上に設置したクラムシエルまたはバケツ
ト付き掘削屑排出機２６により孔底の掘削屑を排
出したのち、流体チユーブ４内の空気圧を解放
し、かつセグメント覆工２における最下位のセグ
メントリングと環状保持部材３との間に他のセグ
メントリングを介在させて、それらをボルトによ
り相互に連結し、次いで再び竪孔内に竪孔掘削機
５を吊下搬入したのち、竪孔掘削機５を前述のよ
うにして固定し、再び孔底掘削を行なう。

前記実施例のように、流体チユーブとして竪孔
周囲方向に分割された多数の流体チユーブ４を使
用すれば、竪孔周囲方向の一部の流体チユーブの
空気圧を他の流体チユーブの空気圧よりも大きく
することにより、セグメント覆工２あるいは環状
保持部材３等に作用する偏心荷重に対しても容易
に対応することができる。

この考案を実施する場合、前記流体圧シリンダ
１５，１７，２３としては空気圧シリンダまたは
液圧シリンダの何れを使用してもよい。また前記
流体チユーブ４としては連続した円環状のものを
使用してもよい。

〔考案の効果〕

この考案によれば、竪孔周壁１に設けられたセ
グメント覆行２の下端部に、その竪孔周壁１に向
かつて開口する溝を有する環状保持部材３が連結
され、その環状保持部材３の溝内に竪孔周壁圧接
用流体チユーブ４が収容され、竪孔掘削機５が前
記環状保持部材３により支持されているので、前
記流体チユーブ４内に圧縮空気を注入することに
より、その流体チユーブ４を膨張させて竪孔周壁
１の凹凸面に対し広い接触面で緊密に圧接させる
ことができ、かつ竪孔周壁１のほぼ全周にわたつ
て流体チユーブ４が圧接されるので、竪孔掘削機
５を支持する環状保持部材３を竪孔周壁１に対し
著しく強固に固定することができ、そのため竪孔
掘削機５の支持反力を大きくして孔底掘削を高能
率で行なうことができ、さらに流体チユーブ４が
竪孔周壁１に対し著しく広い面積で接触するの
で、それらの単位面積当たりの接触圧力が極めて
小さく、そのため竪孔周壁１の崩壊を防止するこ
とができ、また環状保持部材３はセグメント覆工
２の下端部に連結されているので、環状保持部材
３の中心をセグメント覆工２の中心に合致させ
て、その環状保持部材３により支持される竪孔掘
削機５を竪孔の中心に自動的に合致させることが
できる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、第１図はこの考案の固定装置を有する竪孔掘
削機の使用状態を示す縦断側面図、第２図は第１
図の下側部分を拡大して示す縦断側面図、第３図
はこの考案の竪孔掘削機固定装置の一部を拡大し
て示す縦断側面図、第４図はこの考案の竪孔掘削
機固定装置の一部を拡大して示す一部横断平面
図、第５図はこの考案の固定装置を有する竪孔掘
削機とクレーンと掘削屑排出機とを示す概略側面
図である。 図において、１は竪孔周壁、２はセグメント覆
工、３は環状保持部材、４は竪孔周壁圧接用流体
チユーブ、５は竪孔掘削機、６は給排気口、７は
開閉弁、８は通気管、１０は吊りフレーム、１１
は旋回用駆動装置、１２は旋回テーブル、１３は
旋回軸、１４は掘削機フレーム、１５は昇降用流
体圧シリンダ、１６は支持アーム、１７はアーム
回動用流体圧シリンダ、１８は係止突起、１９は
固定用シユー、２０は保持部材、２１は支持部
材、２２は掘削アーム、２３はアーム揺動用流体
圧シリンダ、２４はカツタ軸、２５はカツタであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 竪孔周壁１に設けられたセグメント覆行２の下
   端部に、その竪孔周壁１に向かつて開口する溝を
   有する環状保持部材３が連結され、その環状保持
   部材３の溝内に竪孔周壁圧接用流体チユーブ４が
   収容され、竪孔掘削機５が前記環状保持部材３に
   より支持されていることを特徴とする竪孔掘削機
   固定装置。