JPH05275047A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JPH05275047A
JPH05275047A JP4095907A JP9590792A JPH05275047A JP H05275047 A JPH05275047 A JP H05275047A JP 4095907 A JP4095907 A JP 4095907A JP 9590792 A JP9590792 A JP 9590792A JP H05275047 A JPH05275047 A JP H05275047A
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ion
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plasma
electron
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JP4095907A
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English (en)
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Naoki Takayama
直樹 高山
Naohito Tanaka
尚人 田中
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Tokyo Electron Ltd
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Tokyo Electron Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定したイオン注入を行うこと。またイオン
源装置の使用寿命を長くすること。 【構成】 突き合わせ回路42、44及びPID演算部
43、45を組み合わせた制御部4を用い、ファラデー
カップFよりのイオンビーム電流の検出値を制御部4に
取り込み、加速電流Iaの安定化を図るように放電電流
Idを制御して、イオンビーム電流を目標値に調整す
る。この場合Iaの制御を介さずにIdを直接制御して
もよい。またイオンビーム電流が安定化する範囲で放電
電圧Vdや加速電圧Vdを最低値に維持することで、フ
ィラメントなどの長寿命化を図る。更にイオンビーム電
流のビームノイズが小さいときのガス流量や磁場の強さ
を調べておいて、自動的にその条件で運転する。更にま
たフィラメントの消耗度を把握して、その消耗度に対応
してフィラメント電流を制御し、自動立ち上げを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造プロセスにおい
て、半導体ウエハに不純物をイオンとして注入するため
には、一般にイオン源から引き出されたイオンを質量分
析マグネット及び加速管を通した後静電偏光板により、
X、Y方向にに走査して、所定のパターンで半導体ウエ
ハに注入するイオン注入装置が用いられている。このよ
うなイオン注入装置のイオン源装置としては、アークチ
ャンバ内に、アノード電極と当該チャンバを貫通する棒
状のフィラメントとを設け、アノード電極及びフィラメ
ント間に電圧を印加すると共にアークチャンバ内に原料
ガスを導入してプラズマ化し、このプラズマから引き出
し電極によりイオンを引き出すフリーマン型の装置が一
般に知られている。
【0003】ここで本発明者等は、フリーマン型とは方
式の異なる新しいイオン源装置として、フィラメントと
アノード電極との間に電圧を印加して所定のガスから第
1のプラズマを発生させると共に、この第1のプラズマ
中から電子を引き出して所定の原料ガスに照射すること
により第2のプラズマを発生させ、チャンバに設けられ
たスリットから第2のプラズマ中のイオンを引き出す電
子ビーム励起イオン源装置を開発し、検討している。こ
の装置は第1のプラズマの電子を利用して第2のプラズ
マからイオンを引き出しているため、低いイオンエネル
ギーから高いイオン電流密度が得られる点で非常に有利
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のイ
オン注入装置においては、装置の立ち上げや使用寿命、
あるいはイオン注入処理の安定化の点で種々の問題点が
ある。
【0005】例えば装置の立ち上げ時には、ガス流量や
磁場の強さやフィラメント電流を経験的な手法で調整し
てプラズマを発生(着火)させるようにしているが、フ
ィラメント電流の上昇速度が大きすぎるとフィラメント
を切ってしまうことがあり、新品のフィラメントでは切
れない場合でも同じ調整を消耗度の大きいフィラメント
に対して行うと切れてしまうこともある。またフィラメ
ントの切断を回避するためにフィラメント電流の上昇速
度をあまり小さくすると装置の立ち上げに長い時間を要
し、作業効率が悪いという問題点がある。
【0006】更にまた電子励起イオン源装置を用いた場
合、電子引き出し電極の消耗度が大きい場合には、電子
ビーム電流が必要以上に大きくなり、このため電子温度
が高くなって多価のイオンが増え、目的のイオンの種類
によっては所定のイオンビーム電流が得られず、ウエハ
内のイオン濃度が適正値から外れてしまうこともある。
そして電極等の消耗度が大きくない場合でもイオンビー
ム電流は所定値でありながら、例えばビーム電流が実効
値の5%程度変動し、このためウエハ面内のイオン濃度
が不均一になるという問題もあった。
【0007】そしてまたこのような問題に加え、フィラ
メントや電極の消耗が比較的早く進み、イオン源装置の
使用寿命が短いという問題もあった。
【0008】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、被処理体に対して安定した
イオン注入を行うことのできるイオン注入装置を提供す
ることにある。
【0009】本発明の他の目的は、イオン源装置の使用
寿命を長くすることのできるイオン注入装置を提供する
ことにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、装置の立ち上げ
を効率よく行うことのできるイオン注入装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、放電
ガスをプラズマ化する電子生成室と電子引き出し電極と
の間に加速電圧を印加して、電子生成室内のプラズマか
ら電子ビームを引き出し、この電子ビームをイオン生成
室内の原料ガスに衝突させて、イオンビームを引き出す
イオン注入装置において、イオンビーム電流を検出する
電流検出部と、予め設定されたイオンビーム電流の目標
値と前記電流検出部における検出値との偏差にもとづい
て電子ビーム電流の指令値を求めると共に、この指令値
と電子ビーム電流の検出値との偏差にもとづいて電子生
成室の放電電流の指令値を求め、前記放電電流が指令値
となるように制御する制御部と、を設けたことを特徴と
する。
【0012】請求項2の発明は、ガスをプラズマ化する
プラズマ発生室を備え、このプラズマにもとづいてイオ
ンビームを引き出すイオン注入装置において、イオンビ
ーム電流を検出する電流検出部と、予め設定されたイオ
ンビーム電流の目標値と前記電流検出部における検出値
との偏差にもとづいてプラズマ発生室の放電電流の指令
値を求め、前記放電電流が指令値となるように制御する
制御部と、を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、ガスをプラズマ化する
プラズマ発生室を備え、このプラズマにもとづいてイオ
ンビームを引き出すイオン注入装置において、イオンビ
ーム電流が安定して得られるプラズマ発生室の放電電圧
の適正値を記憶し、放電電圧を前記適正値となるように
制御する制御部を設けたことを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、放電ガスをプラズマ化
する電子生成室と電子引き出し電極との間に加速電圧を
印加して、電子生成室内のプラズマから電子ビームを引
き出し、この電子ビームをイオン生成室内の原料ガスに
衝突させて、イオンビームを引き出すイオン注入装置に
おいて、イオンビーム電流が安定して得られる電子加速
電圧の適正値を記憶し、加速電圧を前記適正値となるよ
うに制御する制御部を設けたことを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、プラズマ発生室内に原
料ガスを導入してプラズマ化した、このプラズマからイ
オンビームを引き出すイオン注入装置において、所定の
イオンビーム電流に対してビームノイズが小さくなる原
料ガスの流量のデータを記憶し、このデータにもとづい
て原料ガスの流量を設定する制御部を設けたことを特徴
とする。
【0016】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、プラズマ発生室内に磁場を形成し、制御部はビーム
ノイズが小さくなる磁場の強さのデータを記憶し、この
データにもとづいて磁場の強さを設定することを特徴と
する。
【0017】請求項7の発明は、フィラメントを備えた
プラズマ発生室内にガスを導入し、前記フィラメントを
通電すると共にフィラメントと電極との間に電圧を印加
してプラズマを発生させるイオン注入装置において、フ
ィラメント電流とフィラメントの両端間の電圧との関係
を測定し、その測定データにもとづいてフィラメントの
消耗度を判定すると共に、前記消耗度にもとづいてフィ
ラメント電流を制御しながらプラズマを発生させる制御
部を設けたことを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1の発明によれば、電子ビーム電流が指
令値から外れてイオンビーム電流が目標値から外れる
と、電子ビーム電流の変動に応じて放電電流が電子ビー
ム電流を指令値に維持するように制御され、これにより
イオンビーム電流が目標値に維持される。また請求項2
の発明では、同様の場合電子ビーム電流の制御系を介さ
ずに放電電流が直接制御される。
【0019】請求項3、4の発明によれば、例えばイオ
ンビーム電流が安定して得られる範囲で定期的に放電電
圧や加速電圧を最低値に設定することによって、フィラ
メントや電子引き出し電極の長寿命化が図れる。
【0020】請求項5または6の発明によれば、原料ガ
スの流量や磁場の強さをイオンビーム電流のビームノイ
ズが小さくなる値に自動調整しているので安定したイオ
ン注入を行うことができる。
【0021】請求項7の発明によれば、フィラメント電
流をフィラメントの消耗度を考慮した値に設定し、この
値から消耗度に応じた速度で上昇させるので短時間でプ
ラズマを着火することができる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の第1の実施例に係るイオン
注入装置に用いられるイオン源装置を示す概観斜視図、
図2はイオン源装置の内部構造を示す斜視図であり、先
ずこれらの図に基づき、イオン源装置に関して説明す
る。イオン源装置1は導電路を兼用する支柱21や中間
プレート22や図示しないガス供給管などを介して円形
状のバックプレート2に固定されている。このバックプ
レート2は真空容器をなすソースチャンバ23の蓋体を
なすものであり、ソースチャンバ23に装着されること
によって、イオン源装置1がソースチャンバ23内に設
置される。
【0023】前記イオン源装置1は、図2に示すよう
に、放電ガスQk例えばアルゴンガスをプラズマ化して
電子を生成するためのプラズマ発生室としての電子生成
室11と、この電子の衝突により原料ガスをプラズマ化
してイオンを生成するプラズマ発生室としてのイオン生
成室12とを備えており、電子生成室11及びイオン生
成室12には夫々図示しない放電ガス供給管及び原料ガ
ス供給管が接続されていると共に、電子生成室11内に
はU字状の例えばタングステンからなるフィラメント1
3が設けられている。前記フィラメント13の両端には
電圧Vfの直流電源31が接続されると共に、フィラメ
ント13と電極を兼用する電子生成室11の壁部との間
に電圧Vdの直流電源32が接続されている。
【0024】前記電子生成室11は、その下面の孔部1
4を介して、更に電子加速陰極15の一部をなす板状部
の多数の透孔16を通じてイオン生成室12を連通して
おり、電子加速陰極15と電子加速陽極として作用する
イオン生成室12との間には加速電圧Vaを印加するた
めの直流電源33が接続されると共に、当該側壁部に
は、イオン引き出しスリット17が形成されている。前
記各直流電源31〜33は例えばスイッチング電源より
なる定電流源により構成される。
【0025】そして本実施例に係るイオン注入装置は、
図3に示すようにイオンビーム電流を最適な値に維持す
るための制御部4を備えており、更にイオン注入のター
ゲットをなす半導体ウエハW側には、当該ウエハWに照
射されたイオンビーム電流を検出するための電流検出部
としてのファラデーカップFが設けられている。前記制
御部4は、イオン源装置1より照射される目的のイオン
種に係るイオンビーム電流の目標値を設定するビーム電
流設定部41と、ここで設定された目標値Ibと前記フ
ァラデーカップFにて検出されたイオンビーム電流の検
出値ibとの偏差を取り出す突き合わせ回路(比較回
路)42と、この突き合わせ回路42よりの偏差をPI
D(比例積分微分)演算して電子ビーム電流(イオン生
成室12に流れる電流)の指令値Iaを求める電子ビー
ム電流演算部43と、この電子ビーム電流演算部43よ
りの出力信号Iaと電子ビーム電流の検出値例えば直流
電源33内に組み込まれた電流検出抵抗にて検出された
電子ビーム電流iaとを突き合わせてその偏差を取り出
す突き合わせ回路44と、この突き合わせ回路44にて
得られた偏差をPID演算して直流電源32に流れる放
電電流の指令値Idを求める演算部45と、この演算部
45の出力信号に基づいて放電電圧用の直流電源32例
えば定電流源であるスイッチング電源の電流を調整する
ための駆動回路46とを有している。
【0026】次に上述実施例の作用について説明する。
先ずバックプレート2をソースチャンバ23に装着して
イオン源装置1をソースチャンバ23内に設置し、図示
しないガス供給管を介してイオン源装置1の電子生成室
11内に放電ガスQk例えばアルゴンガスを導入すると
共に、フィラメント13の両端間及びフィラメント13
と電極との間に夫々電圧Vf、Vdを印加することによ
ってアルゴンガスを放電させる。アルゴンガスのプラズ
マ中の電子は、電子加速陰極15及びイオン生成室12
の側壁部間に印加された加速電圧Vaによってイオン生
成室12内に引き出される。
【0027】一方イオン生成室12内には、図示しない
ガス供給管から原料ガスQAが導入され、前記電子がこ
の原料ガスに衝突してプラズマが発生する。そして図2
に示す方向に形成された磁場Bzにより原料ガスのプラ
ズマがトラップされて締め付けられ、このプラズマから
イオンビームが図示しないイオン引き出し電極によりス
リット17を通して、ターゲットである半導体ウエハW
に走査照射される。
【0028】ここでウエハWに照射されたイオンビーム
のビーム電流値はファラデーカップFによって検出さ
れ、その検出値ibは制御回路4に取り込まれる。取り
込まれた検出値ibは突き合わせ回路42にてビーム電
流目標値Ibと比較され、その偏差が演算部43でPI
D演算されて電子ビーム電流の指令値Iaとされる。更
にこの指令値と電子ビーム電流の検出値iaとが突き合
わせ回路44にて比較され、その偏差が演算部45でP
ID演算されて放電電流の指令値Idとされると共に、
駆動部46によって、放電電流idが指令値Idとなる
ように電源32が調整される。
【0029】こうして電子ビーム電流iaを安定させる
ように放電電流idを調整し、以ってイオンビーム電流
ibを制御する。従って例えば電子引き出し電極15が
消耗して電子ビーム電流iaの値が変化してもその変化
分に対応して放電電流の指令値が変化し、iaが指令値
となるように制御されるため、イオンビーム電流ibは
常に安定して適正値に維持されるため、ウエハW内に均
一な濃度分布で所定のイオンを注入することができる。
【0030】(実施例2)図4は、本発明の第2実施例
の要部を示す図である。この実施例に係る制御部4は、
イオンビーム電流の目標値Ibを設定する設定部41
と、ここで設定した目標値Ibとイオンビーム電流の検
出値ibとの偏差を取り出す突き合わせ回路47と、こ
の突き合わせ回路47で得られた偏差をPID演算して
放電電流の指令値Idを求める演算部48と、先述の駆
動回路46とを備えており、イオンビーム電流の目標値
Ibと検出値ibとの偏差のPID演算結果を放電電流
の指令値とした点で先の第1実施例と異なる。
【0031】このような実施例によれば、イオンビーム
電流ibが安定するように放電電流idが制御され、従
って実施例1と同様にイオンビーム電流は常に安定して
適正値に維持される。また実施例1と比較して、電子ビ
ーム電流iaを安定させるように放電電流を制御する回
路、即ち突き合わせ回路44及び演算部45が不要にな
るので、制御回路が簡素化される。なおこのようにイオ
ンビーム電流を制御する場合、PID制御によれば容易
でかつ確実な制御を行うことができるが、本発明では必
ずしもPID制御によらなくともよい。なおこのような
制御は例えばフリーマン型のイオン源装置を用いる場合
にも適用することができる。
【0032】(実施例3)図5は本発明の第3実施例の
要部を示す図である。この実施例では、所望のビーム電
流毎に放電が安定する即ち電子生成室11内のプラズマ
が安定する放電電圧Vdの最低値を記憶して、放電電圧
Vdを定期的にその最低値に設定するための制御部5を
備えている。所望のイオンビーム電流を得るためには、
放電ガスQK、原料ガスQaの流量や、磁場Bzを形成
するための図示しない電磁石の励磁電流(ソースマグネ
ット電流)を適正値に設定する必要があるが、各条件毎
に放電が安定する放電電圧Vdの範囲が変わり、放電電
圧Vdがその範囲から外れると放電が不安定になる。
【0033】そこでこの実施例では各所望のイオンビー
ム電流毎に放電が安定するつまり各イオンビーム電流が
安定する放電電圧Vdの範囲を、例えばファラデーカッ
プFよりのイオンビーム電流の検出値を監視するなどに
よって、予め調べておき、その中の最低値を制御部5内
のメモリに記憶しておくと共に、例えば1〜2時間程度
に1回の割合で、放電電圧Vdの検出値にもとづいて直
流電源32の電圧(放電電圧)を前記最低値に設定する
機能を制御部5に付与しておく。
【0034】このような実施例によれば、半導体ウエハ
Wに対してある種のイオンの打ち込みが行われている場
合、制御部5により放電電圧Vdが定期的に前記最適値
に設定されるため、放電電圧Vdが必要以上に高くなっ
ても最低値に抑えられるので、安定した所望のイオンビ
ーム電流を得ながらフィラメント13の消耗が抑制さ
れ、この結果フィラメント13の寿命が長くなり、結局
イオン源装置全体の寿命が長くなる。なお、放電電圧V
dは適正値であればそれ程急激に変わるものではないか
ら、例えば1〜2時間に1回設定し直せば十分である
が、この間隔は適宜設定すればよい。また予め放電電圧
Vdの適正値を調べておく代りに、例えば放電電圧Vd
を調整する度毎に、その調整の直前に制御部5によりそ
の適正値を調べるようにしてもよい。
【0035】なお、本発明では例えばフリーマン型のイ
オン源装置を用いる場合にも、上述のように放電電圧
を、放電が安定する最低値に定期または不定期に調整し
てもよい。
【0036】(実施例4)更に本発明の第4実施例で
は、図5に示す第3実施例の制御部5に対して、所望の
イオンビーム電流毎にそのイオンビーム電流が安定して
いる範囲内で加速電圧Vaを最低値に設定する機能を付
与しており、制御部5は鎖線で示すように直流電源33
の加速電圧Vdの検出値を取り込むと共に、加速電圧V
aを調整するように構成されている。この場合所望のイ
オンビーム電流を得るために、加速電圧Vaをどこまで
小さくできるかについて例えば予め系統的にデータベー
スをとっておき、このデータベースにもとづいて加速電
圧を例えば1〜2時間に1回最低値に調整すればよい。
なお、この第4実施例で用いられる制御部5は、第3実
施例で述べた機能を同時に併せ持つものであってもよい
し、あるいは加速電圧Vaの調整機能のみを有するもの
であってもよい。
【0037】このような実施例によれば、例えば定期的
に加速電圧が予め調べた最低値に設定されるため、電子
引き出し電極15の寿命が長くなり、イオン源装置の寿
命が長くなる。なお、実施例3、4における放電電圧V
dや加速電圧Vaの調整については、予め調べた範囲の
中の最低値でなくとも、若干余裕をみた値を適正値とし
てもよい。
【0038】(実施例5)図6は本発明の第5実施例の
要部を示す図である。この実施例では、イオンビーム電
流のビームノイズが小さくなるように最適運転条件に設
定する制御部6が設けられている。この制御部6は、前
記ビームノイズが小さくなる運転条件を格納するメモリ
を有しており、放電ガス供給管61のガス流量調整部6
2と原料ガス供給管63のガス流量調整部64とからガ
ス流量の検出値を取り込むと共に、これら調整部62、
64に対してガス流量の制御信号を出力し、更に磁場B
zを形成する電磁石65、66の励磁電流源67から電
流検出値を取り込むと共にこの電流源67に対して電流
制御信号を出力し、またファラデーカップFよりのビー
ム電流の検出値を取り込むように構成されている。
【0039】このような実施例によれば、例えば所望の
イオンビーム電流に対し、ビームノイズが小さくなる、
放電ガスQkの流量、原料ガスQaの流量及びソース磁
場Bz(励磁電流源67の電流)を予め把握しておいて
そのデータを制御部6のメモリに格納しておき、例えば
各適正値を定めておく。そして制御部6では、当該デー
タを参照して各運転条件即ち放電ガスQk及び原料ガス
Qaの各流量と励磁電流を適正値に設定する。
【0040】前記データは、例えば定期的に各運転条件
を変えて、ファラデーカップFよりのビーム電流検出値
にもとづいてビームノイズの小さくなる条件を見付け出
すようにしてもよい。一般に放電ガスQkの流量及び原
料ガスQaの流量が大きいとビームノイズは小さく、各
流量が小さいとビームノイズは大きい。またソース磁場
Bzに関しては、強すぎても弱すぎてもノイズは大き
い。
【0041】ビームノイズが大きいと、イオンをウエハ
Wに打ち込んだときにウエハ面内のイオン濃度が不均一
になるが、この実施例のようにQk、Qa、Bzを所定
の条件に設定するように制御することによってビームノ
イズが抑えられるので、イオンの均一な打ち込みを図る
ことができる。
【0042】なお本発明は、例えばフリーマン型のイオ
ン源装置を用いる場合には、原料ガス及び磁場を、ビー
ムノイズが小さくなるように設定することにより適用す
ることができる。
【0043】(実施例6)図7は本発明の第6実施例の
要部を示す図である。この実施例では、フィラメント1
3の消耗度を判定して、その消耗度に対応してフィラメ
ント電流Ifを制御するための制御部7が設けられてい
る。前記制御部7は、フィラメント13に電圧Vfを供
給するための直流電源31からフィラメント電流If及
びフィラメント電圧Vfを取り込んでその関係を記憶す
るメモリ71と、このメモリ71に格納されたIf、V
fの関係にもとづいてフィラメント23の消耗度、例え
ばプラズマが立ち始めるフィラメント電流Ifの値(以
下「着火電流値」という。)や、フィラメント23が切
れないIf及びVfの上限値を判定する判定部72と、
この判定部72における判定結果にもとづいて、フィラ
メント電流Ifの初期設定や上限値の制限、更にはプラ
ズマ着火後の調整などを行うための電流調整部73を備
えており、また直流電源32から放電電圧Id及び放電
電圧Vdを取り込むように構成されている。
【0044】このような実施例によれば、例えばイオン
源装置1を立ち上げる前にフィラメント電流Ifとフィ
ラメント電圧Vfとの関係をメモリ71に記憶し、その
記憶データからプラズマが立ち始めるIfを判定部72
にて判定する。図8は、IfとVf及びR(フィラメン
トの抵抗値)との関係を測定したデータの一例を示し、
横軸にIf、縦軸にVfを夫々とると共に、併せてフィ
ラメント13の抵抗値を縦軸にとって、電流−電圧特性
及び電流−抵抗特性を示している。
【0045】このデータからわかるようにIfが70A
付近にて抵抗値が飽和しており、従ってこの飽和付近で
プラズマが着火すると判断される。フィラメント13の
消耗が進むと抵抗値の飽和するIfの値も下がり、この
ためフィラメント13の消耗度及びIfの着火電流値を
判定することができる。
【0046】そして操作手順については、先ず磁場を形
成する電磁石の励磁電流、放電ガスの流量、原料ガスの
流量、直流電源32の電流Idの各値を所定値に設定し
た後、IfとVfとの関係を測定して消耗度を判定し、
その後同様に励磁電流等を設定した後電流調整部73に
より、Ifを着火電流値に設定して例えば一定速度で上
昇させ、装置を立ち上げる。プラズマが立ち始めた後は
Ifの上昇速度を小さくし、放電電流Idが所定の値に
達して放電電圧Vdが下がり始めたときにVdを最適の
値に保つようにIfを制御する。
【0047】このIfの制御については、例えばId、
Vdの検出値にもとづいてPID制御を行ってもよい
し、あるいはId、Vdを条件式としたファジィルール
を作成してファジィ制御を行ってもよい。なおIfを上
昇させるにあたっては、予めフィラメント13の消耗度
に対応したIf、Vfの上限値が判定されているので、
If、Vfはこの上限値に達した場合には当該上限値に
制限され、これによりフィラメント13の切断が防止さ
れる。
【0048】このようにしてイオン源装置を立ち上げる
場合には、フィラメントの消耗度を把握してその消耗度
に対応してフィラメント電流を制御しているため、どの
ような状態のイオン源装置であっても効率的にしかもフ
ィラメントを切ることなくプラズマの立ち上げを行うこ
とができ、従って例えばフィラメントの消耗度がわから
ないのでフィラメントを切らないようにIfを零から手
動でゆっくりと上昇させていく場合に比べて、立ち上げ
に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0049】フィラメントの消耗度の測定のタイミング
については、任意であるが、例えば前回測定した後一度
も真空を破ってないときには、前回の消耗度をそのまま
使用して時間短縮を図るようにしてもよい。
【0050】なおこのような立ち上げは、電子励起イオ
ン源装置を用いる場合にも適用することができる。
【0051】上述のイオン源装置2を用いたイオン注入
装置の全体構成の一例を図9に示すと、イオン源装置2
よりのイオンビームの照射路に沿って質量分析用のマグ
ネット81、可変スリット82、及び加速管83が設置
され、更に加速管83の出口側には電子レンズ84、Y
方向走査電極85及びX方向走査電極86が配置され
る。従ってイオンビームは、マグネット81を通過して
不要な不純物のイオンが除去された後加速管83で加速
され、走査電極85、86にて所定のパターンで走査さ
れた後、ファラデーカップ87内の半導体ウエハWに照
射されて所定のイオン注入が行われる。
【0052】
【発明の効果】請求項1、2の発明によれば、イオンビ
ーム電流の目標値と検出値との偏差にもとづいて放電電
流を制御しているため、イオンビーム電流は常に安定し
て適正値に維持され、従って安定したイオン注入を行う
ことができる。
【0053】請求項3または4の発明によれば、放電電
圧あるいは加速電圧を、所定のイオンビーム電流が安定
して得られる適正値に自動調整しているため、フィラメ
ントまたは電子引き出し電極の寿命を長くすることがで
き、イオン源装置の寿命を長くすることができる。
【0054】請求項5または6の発明によれば、原料ガ
スの流量や磁場の強さをイオンビーム電流のビームノイ
ズが小さくなる値に自動調整しているため、ビームノイ
ズが小さい状態でイオン注入を行うことができ、例えば
半導体ウエハ等の被処理体における膜厚方向のイオン濃
度分布の均一化が図れる。
【0055】請求項7の発明によれば、フィラメントの
消耗度を判定して、その消耗度に応じてフィラメント電
流を制御しながらプラズマを発生させているため、フィ
ラメントを切るおそれがなく短時間で装置の立ち上げを
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の一部の概観を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の実施例に係るイオン源装置の内部を示
す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す構成図である。
【図5】本発明の第3及び第4実施例を示す構成図であ
る。
【図6】本発明の第5実施例を示す構成図である。
【図7】本発明の第6実施例を示す構成図である。
【図8】フィラメントの電流−電圧特性及び電流−抵抗
特性を示す特性図である。
【図9】イオン注入装置の全体構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 イオン源装置 11 電子生成室 12 イオン生成室 31〜33 直流電源 4〜7 制御部 42、44、47 突き合わせ回路 43、45、48 PID演算部 F ファラデーカップ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電ガスをプラズマ化する電子生成室と
    電子引き出し電極との間に加速電圧を印加して、電子生
    成室内のプラズマから電子ビームを引き出し、この電子
    ビームをイオン生成室内の原料ガスに衝突させて、イオ
    ンビームを引き出すイオン注入装置において、 イオンビーム電流を検出する電流検出部と、 予め設定されたイオンビーム電流の目標値と前記電流検
    出部における検出値との偏差にもとづいて電子ビーム電
    流の指令値を求めると共に、この指令値と電子ビーム電
    流の検出値との偏差にもとづいて電子生成室の放電電流
    の指令値を求め、前記放電電流を指令値となるように制
    御する制御部と、 を設けたことを特徴とするイオン注入装置。
  2. 【請求項2】 ガスをプラズマ化するプラズマ発生室を
    備え、このプラズマにもとづいてイオンビームを引き出
    すイオン注入装置において、 イオンビーム電流を検出する電流検出部と、 予め設定されたイオンビーム電流の目標値と前記電流検
    出部における検出値との偏差にもとづいてプラズマ発生
    室の放電電流の指令値を求め、前記放電電流を指令値と
    なるように制御する制御部と、 を設けたことを特徴とするイオン注入装置。
  3. 【請求項3】 ガスをプラズマ化するプラズマ発生室を
    備え、このプラズマにもとづいてイオンビームを引き出
    すイオン注入装置において、 イオンビーム電流が安定して得られるプラズマ発生室の
    放電電圧の適正値を記憶し、放電電圧を前記適正値とな
    るように制御する制御部を設けたことを特徴とするイオ
    ン注入装置。
  4. 【請求項4】 放電ガスをプラズマ化する電子生成室と
    電子引き出し電極との間に加速電圧を印加して、電子生
    成室内のプラズマから電子ビームを引き出し、この電子
    ビームをイオン生成室内の原料ガスに衝突させて、イオ
    ンビームを引き出すイオン注入装置において、 イオンビーム電流が安定して得られる電子加速電圧の適
    正値を記憶し、電子加速電圧を前記適正値となるように
    制御する制御部を設けたことを特徴とするイオン注入装
    置。
  5. 【請求項5】 プラズマ発生室内に原料ガスを導入して
    プラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出
    すイオン注入装置において、 イオンビーム電流のビームノイズが小さくなる原料ガス
    の流量のデータを記憶し、このデータにもとづいて原料
    ガスの流量を設定する制御部を設けたことを特徴とする
    イオン注入装置。
  6. 【請求項6】 プラズマ発生室内に磁場を形成し、制御
    部はビームノイズが小さくなる磁場の強さのデータを記
    憶し、このデータにもとづいて磁場の強さを設定する請
    求項5記載のイオン注入装置。
  7. 【請求項7】 フィラメントを備えたプラズマ発生室内
    にガスを導入し、前記フィラメントを通電すると共にフ
    ィラメントと電極との間に電圧を印加してプラズマを発
    生させるイオン注入装置において、 フィラメント電流とフィラメントの両端間の電圧との関
    係を測定し、その測定データにもとづいてフィラメント
    の消耗度を判定すると共に、前記消耗度にもとづいてフ
    ィラメント電流を制御しながらプラズマを発生させる制
    御部を設けたことを特徴とするイオン注入装置。
JP4095907A 1992-03-02 1992-03-23 イオン注入装置 Pending JPH05275047A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007242460A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd イオン源
JP2014526771A (ja) * 2011-09-08 2014-10-06 エリコン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト,トリュープバッハ プラズマ源

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