JP3344086B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JP3344086B2
JP3344086B2 JP14348994A JP14348994A JP3344086B2 JP 3344086 B2 JP3344086 B2 JP 3344086B2 JP 14348994 A JP14348994 A JP 14348994A JP 14348994 A JP14348994 A JP 14348994A JP 3344086 B2 JP3344086 B2 JP 3344086B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、設定された注入条件に
従ってビームの立上げをフルオートで行うイオン注入装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置は、拡散したい不純物を
イオン源でイオン化し、該イオン源から強電界によって
イオンを引き出してビームを形成した後、磁場を用いた
質量分析法により所望のイオンのみを選択的に取り出
し、この後、必要によってイオンビームの加速、整形、
偏向、走査等を行ってイオン照射対象物に照射すること
で、イオン照射対象物内に不純物を注入するものであ
り、半導体プロセスにおいてデバイスの特性を決定する
不純物を任意の量および深さに制御性良く注入できるこ
とから、現在の集積回路の製造に重要な装置になってい
る。
【0003】上記イオン注入装置には、イオンの質量数
(マス値)、ビーム電流、ビームエネルギーといった注
入条件を入力するだけで、コントローラが装置各部の動
作を制御してフルオートでビーム立上げを行うものがあ
る。
【0004】上記イオン注入装置のコントローラは、幾
つかの注入条件およびそれに対応する各種パラメータの
最適値が予め登録されたデータテーブルをマス値毎に有
しており、注入条件が与えられれば、通常、以下のよう
にしてビーム立上げ処理が実施される。
【0005】先ず、コントローラは、データテーブルか
ら、設定された注入条件に対する各種パラメータの初期
値を近似的に求める。
【0006】次に、コントローラは、上記で得られた各
種パラメータの初期値に基づいてイオン源を制御し、イ
オン種をプラズマ化してイオンビームの引き出しを可能
にし、この後、引出電源を投入してイオン源と引出電極
との間に高電圧を印加し、イオン源からイオンを引き出
してビームを形成する。
【0007】次に、コントローラは、加速電圧が初期値
になるように加速電源を制御し、ビームエネルギーを設
定する。さらに、コントローラは、質量分析部に与えら
れる分析マグネット電流を調整し、所望のイオンのみを
選択的に取り出すマスサーチを行う。
【0008】上記マスサーチ終了後、コントローラは、
図10のフローチャートに示すシーケンスでビーム電流
調整を行う。先ず、イオン種がBF3 等のガスイオン種
なのか、それともベーパライザを用いて蒸発させる必要
がある金属ヒ素等の固体イオン種なのかを判断し(S5
1)、ガスイオン種であればイオン源に供給されるガス
流量の制御を行う(S52)。次に、イオン源に関する
各種パラメータを調整するビームセットアップ処理を行
う(S53)。このビームセットアップ処理とは、フリ
ーマン型イオン源の場合、「アーク電流」、「フィラメ
ント電流」、「ソースマグネット電流」、「ガス流量」
等のパラメータを調整することであり、また、ECR
(Electron Cyclotron Resonance)イオン源等のマイク
ロ波型イオン源の場合、「ソースマグネット電流」、
「マイクロ波パワー」、「ガス流量」等のパラメータを
調整することである。コントローラは、注入室に設けら
れたビーム電流測定部にて測定されるビーム電流(いわ
ゆるターゲット電流)を監視しながら、ビーム電流の測
定値が設定値に近づくように、上記の各種パラメータを
調整する。
【0009】上記のビームセットアップ処理によってビ
ーム電流が設定値に対して±10%の範囲(予め定めら
れた範囲)に入れば(S54)、引出電極の位置を調整
する引出電極制御を行う(S55)。図11に示すよう
に、引出電極51は、イオン源のプラズマチャンバ52
のビーム引出孔52aと対向して設けられており、図示
しない電極駆動機構に駆動されて矢印A方向および矢印
B方向に直線的に移動すると共に矢印C方向に回動す
る。もし、引出電極51のビーム通過孔51aとプラズ
マチャンバ52のビーム引出孔52aとがA方向にずれ
ていると、ビーム引出孔52aから引き出されたイオン
ビームが多量に引出電極51の電極面にあたってビーム
通過孔51aを通過するビームが減少してしまう。この
ような引出電極51のずれが生じていると、他のパラメ
ータを調整しても目的のビーム電流を得ることは困難で
ある。このため、従来では、ビーム電流が設定値に対し
て±10%の範囲に入った時点で、必ず、引出電極制御
を行うようになっている。
【0010】上記の引出電極制御によって引出電極の位
置が変化すると、その下流にある質量分析部へ進入する
イオンビームの入射角度も変化するので、質量分析部の
分析管内の磁場強度(磁束密度)を微調整する必要があ
る。そこで、引出電極制御の後、分析マグネット電流を
微調整するマス追従制御を行う(図10中のS56)。
【0011】この後、ビーム電流が設定値に対して±3
%の範囲(予め定められた範囲)に入るまで、上述のビ
ームセットアップ処理を実行し(S58)、ビーム電流
が上記の適正範囲に入れば(S57においてYES)、
ビーム監視動作に移行する(S59)。このビーム監視
動作とは、予め定められた時間、ビーム電流を監視して
ビームの安定性を確認するものである。
【0012】以上の処理により、装置立上げモードが完
了し、次の注入処理モードに移行する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の引出電極制御や
マス追従制御は、フルオートビーム立上げ動作の中でも
かなり時間のかかる制御であり、これらの制御に長時間
を要するため、ビーム電流調整の実行時間が長くなり、
ビームの立上げ時間が長くなっている。
【0014】従来のイオン注入装置では、引出電極制御
やマス追従制御の実行の必要性を判断する判断基準がな
いため、ビーム電流調整の際、必ず、引出電極制御およ
びマス追従制御を行っている。即ち、従来では、引出電
極制御やマス追従制御を実行する必要がない状態でも、
その状態を認識できないために不必要な制御を行うこと
になり、毎回、ビーム立上げ時のビーム電流調整に長時
間を要するという問題がある。
【0015】本発明は、上記に鑑みなされたものであ
り、その目的は、ビーム電流調整時間の短縮化を図るこ
とができるイオン注入装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン注入装置
は、イオンを生成するイオン源に形成されたビーム引出
孔と対向して配され、該ビーム引出孔からイオンを引き
出すための引出電極と、上記引出電極のイオン源に対す
る位置を変える引出電極駆動手段と、上記引出電極に形
成されたビーム通過孔を通過したイオンビームから、磁
場を用いた質量分析法により特定の質量のイオンのみを
選択的に取り出す質量分析手段と、上記質量分析手段を
通過してターゲットに到達するイオンビームの電流が、
設定値になるように各種パラメータを制御してビーム電
流調整を行うビーム電流調整手段とを備えているもので
あって、上記の課題を解決するために、以下の手段が講
じられていることを特徴とするものである。
【0017】即ち、上記イオン注入装置は、ターゲット
に到達するイオンビームの重心位置を検出するビーム重
心位置検出手段と、イオン源から引き出されたイオンビ
ームが上記引出電極の電極面にあたって発生するロス電
流を検出するロス電流検出手段とを備えている。そし
て、上記ビーム電流調整手段は、上記イオンビームの重
心位置が予め定められた適正範囲内にあるか否かを判断
する重心位置ずれ判断手段と、上記ロス電流が予め定め
られた適正範囲内にあるか否かを判断し、適正範囲から
外れているとき引出電極のイオン源に対する位置にずれ
があると判断する引出電極ずれ判断手段と、上記重心位
置ずれ判断手段および引出電極ずれ判断手段の判断結果
に基づいて、上記引出電極駆動手段を制御して引出電極
のイオン源に対する位置を調整する引出電極制御処理と
上記質量分析手段の磁場強度を調整する質量分析手段制
御処理との実行の要否を判断する制御実行要否判断手段
とを備えている。
【0018】
【作用】上記の構成によれば、ターゲットに到達するイ
オンビームの重心位置を検出し、重心位置が予め定めら
れた適正範囲内にあるか否かを判断している。さらに、
イオン源から引き出されたイオンビームが引出電極の電
極面にあたって発生するロス電流を検出し、このロス電
流が予め定められた適正範囲内にあるか否かを判断して
いる。そして、これらを、引出電極制御処理と質量分析
手段制御処理との実行の要否を判断する判断基準として
いる。
【0019】引出電極が適正位置からずれている場合、
イオン源からビームが真っ直ぐに引き出されないため、
イオンビームの軌道にずれが生じてターゲットにおける
ビームの重心位置がずれる。また、質量分析手段の磁場
強度が適正でなければ、所望イオンの偏向角度にずれを
生じ、やはり、ターゲットにおけるビームの重心位置が
ずれる。したがって、ビームの重心位置ずれがあれば、
引出電極制御処理と質量分析手段制御処理との内の少な
くとも一方を実行する必要がある。
【0020】尚、引出電極が適正位置からずれており、
且つ、質量分析手段の磁場強度も適正値からずれている
場合でも、両者が互いのずれを矯正し合うような条件に
なっている場合には、ビームの重心位置にずれが生じな
い。したがって、ビームの重心位置にずれがないからと
いっても引出電極制御処理および質量分析手段制御処理
が不必要とは限らない。
【0021】引出電極が適正位置からずれていると、イ
オン源から引き出されたイオンビームが引出電極のビー
ム通過孔を通過せずに電極面にあたり、引出電極にロス
電流が流れる。したがって、上記ロス電流の大きさか
ら、引出電極のずれの有無を判断することが可能であ
り、ロス電流が適正範囲内にある場合、引出電極制御処
理を行う必要がない。
【0022】したがって、ビーム重心位置ずれおよび引
出電極ずれが何れも生じていない場合、引出電極制御処
理および質量分析手段制御処理を何れも実行する必要は
ない。ビーム重心位置ずれはないが引出電極ずれが有る
場合、上記の両制御処理を実行する必要がある。ビーム
重心位置ずれは有るが引出電極ずれがない場合、引出電
極制御処理を実行する必要はない。本発明のビーム電流
調整手段は、上記の各種判断を行う手段(重心位置ずれ
判断手段、引出電極ずれ判断手段、制御実行要否判断手
段)を備えている。
【0023】これにより、引出電極制御処理および/ま
たは質量分析手段制御処理が不必要な状態のときには、
不必要な制御処理を省略してビーム電流調整を行うこと
ができるので、ビーム電流調整時間の短縮化が図れる。
【0024】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図8に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0025】本実施例に係るイオン注入装置は、図2に
示すように、イオン種をイオン化するイオン源1と、こ
のイオン源1からイオンを引き出すための引出電極部2
と、磁場を用いた質量分析法により所望のイオンのみを
選択的に取り出す質量分析部3(質量分析手段)と、ウ
エハをセットし注入処理を行う注入室4とを備えてい
る。
【0026】上記イオン源1には、BF3 等のガスイオ
ン種をプラズマチャンバ内に供給するガスボックス5が
接続されている。また、イオン源1には、固体イオン種
を蒸発させてプラズマチャンバ内に導入するためのベー
パライザ(図示せず)も接続されている。上記イオン源
1としては、例えばフリーマン型イオン源やECRイオ
ン源等の既知のものを用いることができる。
【0027】また、イオン注入装置は、上記イオン源1
の各部(フリーマン型イオン源であればソースマグネッ
トやフィラメント等、ECRイオン源であればソースマ
グネットやマグネトロン等)に電力を供給するためのイ
オン源電源6、および、上記質量分析部3の分析マグネ
ットに電力を供給するための分析マグネット電源9を備
えている。
【0028】上記引出電極部2は、図3に示すように、
引出電極21と接地電極22と図示しない電極駆動機構
とから構成されている。上記イオン源1のプラズマチャ
ンバ11には、チャンバ内で生成されたプラズマからイ
オンを放出するためのスリット状のビーム引出孔11a
が形成されており、上記引出電極21は、上記ビーム引
出孔11aと対向する位置に配されている。また、上記
接地電極22は引出電極21の下流側に該引出電極21
と対向して配置されている。
【0029】上記接地電極22は接地されて基準電位
に、そして、引出電極21は接地電極22よりも負電位
になるように、減速電源8より負の電圧Vd が印加され
ている。そして、上記プラズマチャンバ11には引出電
源7の正極端子が接続されており、この引出電源7より
高電圧の引出電圧Ve が印加されるようになっている。
これにより、プラズマチャンバ11と引出電極21との
間に電位差(引出電圧Ve +減速電圧Vd )が生じて強
い外部電界が形成され、この外部電界により、プラズマ
チャンバ11内で生成されたプラズマ中の正イオンが、
イオン引出孔11aから引き出され、イオンビームが形
成されるようになっている。上記のように、引出電極2
1を接地電極22よりも負電位にすることにより、引出
電極部2よりも下流で発生した電子の逆流(電子がプラ
ズマチャンバ11内に流れ込む現象)を防ぐことができ
るようになっている。
【0030】上記引出電極21および接地電極22は、
電極駆動機構に駆動されて矢印A方向および矢印B方向
に直線的に移動すると共に矢印C方向に回動する。これ
らの電極21・22をA方向(水平方向であり且つ電極
面と平行な方向)に駆動することにより、電極ずれ(プ
ラズマチャンバ11のイオン引出孔11aと電極21・
22のビーム通過孔21a・22aとのずれ)を調整で
きる。また、電極21・22をB方向(水平方向であり
且つ電極面と直交する方向)に駆動することにより、プ
ラズマチャンバ11との間のギャップを調整できる。ま
た、電極21・22をC方向に回動させることによっ
て、ビームに対する電極面の角度を調整できる。尚、引
出電極21および接地電極22は共通のフレームに取り
付けられて一体化されており、両電極21・22は電極
駆動機構によって一体的に駆動される。
【0031】上記注入室4には、図4に示すように、複
数のウエハ12…を保持し、矢印E方向に回転しながら
矢印D方向に進退移動するディスク13が設けられてい
る。注入処理中は、このディスク13が二点鎖線で示す
ようにファラデーカップ14内に進入してメカニカルス
キャン動作を行う。上記ディスク13の下流には、ビー
ムプロファイルモニタ用のビームキャッチプレート15
が設けられている。注入処理が行われていないとき、デ
ィスク13は実線で示す退避位置にあり、ファラデーカ
ップ14の外部に退いているため、イオンビームは上記
ビームキャッチプレート15に照射されるようになって
いる。
【0032】上記ビームキャッチプレート15のビーム
照射面には、図5に示すように、j×k個(X方向j
個、Y方向k個)のビームキャッチ部16…が他の部材
と絶縁されたフローティング状態で取り付けられてい
る。上記各ビームキャッチ部16は、X、Y座標の座標
点に対応する位置に等間隔で並べられている。各ビーム
キャッチ部16…からは個々にリード線16a…が延び
ており、各ビームキャッチ部16…にあたったイオンビ
ームの電荷が該リード線16a…を介してビーム計測部
17へ流れるようになっている。
【0033】上記ビーム計測部17は、各ビームキャッ
チ部16でキャッチされたイオンビームの電流密度を求
める。即ち、ビーム計測部17は、各ビームキャッチ部
16…に流れる電流(瞬時値)を電圧に変換した後、さ
らにアナログ/ディジタル変換し、次の演算を行う。即
ち、各ビームキャッチ部16…に流れる電流をI、ビー
ムキャッチ部16…のビームキャッチ面の面積をSとす
ると、I/Sによって電流密度を求める。そして、上記
ビーム計測部17は、各ビームキャッチ部16…におけ
るビーム電流密度のデータを、図2に示すコントローラ
18(ビーム電流調整手段)へ送る。
【0034】上記コントローラ18は、上記ビーム計測
部17から送られてくるビーム電流密度のデータによっ
てイオンビームの電流密度分布(いわゆるビームプロフ
ァイル)を認識し、イオンビームの重心位置を算出す
る。即ち、重心位置のX座標(Xcen とする)を下式
(1)により、また、重心位置のY座標(Ycen とす
る)を下式(2)により求める。
【0035】
【数1】
【0036】
【数2】
【0037】ここで、Xn =1,2,…j、Yn =1,
2,…kである。また、Ixnは、Xnの行にある全ての
ビームキャッチ部16…のビーム電流密度を加算した値
であり、例えば、Ix1は、(1,1)、(1,2)、…
(1,k)の座標点にあるビームキャッチ部16…のビ
ーム電流密度を加算した値である。同様に、Iynは、Y
n の列にある全てのビームキャッチ部16…のビーム電
流密度を加算した値である。
【0038】上記コントローラ18は、上記の演算によ
って求めた重心位置(Xcen ,Yce n )が予め定められ
た適正範囲内にあるか否かを判断し、これを引出電極制
御やマス追従制御の必要性を判断するための判断基準と
している。
【0039】図6に示すように、引出電極部2の引出電
極21および接地電極22が適正位置からずれている場
合(プラズマチャンバ11のイオン引出孔11aの中心
と電極21・22のビーム通過孔21a・22aの中心
とがずれている場合)、イオンビームの軌道(実線で示
す)は、適正なビーム軌道(二点鎖線で示す)から外
れ、ビームキャッチプレート15に照射されるビームの
重心位置にずれが生じる。
【0040】また、図7に示すように、引出電極21お
よび接地電極22が適正位置にあっても、質量分析部3
の分析管内の磁場強度(磁束密度)が適正でなければ、
所望のイオンの偏向角度にずれを生じ、イオンビームの
軌道(実線で示す)は、適正なビーム軌道(二点鎖線で
示す)から外れ、やはり、ビームキャッチプレート15
に照射されるビームの重心位置にずれが生じる。
【0041】以上のことから、ビームキャッチプレート
15に照射されるイオンビームの重心位置に許容範囲を
越えるずれがあれば、引出電極制御とマス追従制御との
内の少なくとも一方を実行する必要があることがわか
る。
【0042】尚、図8に示すように、引出電極21およ
び接地電極22が適正位置からずれており、且つ、質量
分析部3の分析管内の磁場強度が適正でない場合であっ
て、両者が互いのずれを矯正し合うような条件になって
いる場合には、ビームキャッチプレート15に照射され
るビームの重心位置にずれが生じない。そこで、本実施
例では、ビームの重心位置のずれを検出すると共に、引
出電極21に流れるロス電流の大きさから、引出電極2
1および接地電極22のずれの有無を検出するようにな
っている。
【0043】即ち、図3に示すように、引出電極21が
適正位置からずれていると、イオン源1から引き出され
たイオンビームの多くが引出電極21のビーム通過孔2
1aを通過せずに電極面にあたり、ロス電流IL として
接地部へ流れてしまう。引出電極21のずれが大きい
程、引出電極21に流れるロス電流IL も大きくなる。
したがって、引出電極21に流れるロス電流IL の大き
さから、引出電極21のずれの有無を判断することが可
能である。
【0044】本実施例では、引出電極21と接地部との
間に設けられる減速電源8の内部に、電流検出用抵抗等
からなるロス電流検出手段を設けている。上記ロス電流
検出手段で検出されたロス電流IL は、コントローラ1
8へ送られる(図2参照)。上記コントローラ18は、
上記のロス電流IL が予め定められた適正範囲内にある
か否かを判断し、これを引出電極制御の必要性を判断す
るための判断基準としている。
【0045】上記のように、コントローラ18は、ビー
ムの重心位置と引出電極21に流れるロス電流IL との
2つの判断基準から、引出電極制御とマス追従制御との
必要性を判断する。上記の2つの判断基準から、基本的
には次のような判断ができる。ビームの重心位置とロス
電流IL とが何れも許容範囲内にある場合、引出電極制
御およびマス追従制御を実行する必要はない。また、ビ
ームの重心位置が許容範囲内にあるが、ロス電流IL
許容範囲から外れている場合、引出電極制御およびマス
追従制御を実行する必要がある。また、ビームの重心位
置が許容範囲から外れているが、ロス電流IL が許容範
囲内にある場合、引出電極制御を実行する必要はないが
マス追従制御は必要である。また、ビームの重心位置と
ロス電流IL とが何れも許容範囲から外れている場合、
少なくとも引出電極制御を行う必要があり、引出電極制
御の実行に伴ってマス追従制御の実行も必要となる。
【0046】また、上記コントローラ18は、図2に示
すガスボックス5、イオン源電源6、引出電源7、減速
電源8、分析マグネット電源9、および図示しない電極
駆動機構等のイオン注入装置の各部を制御しながら各種
パラメータを調整し、ビームの自動立上げを行う。
【0047】上記コントローラ18は、CPU(Centra
l Processing Unit)、メモリ、および入出力部等を含む
マイクロコンピュータから構成されている。このコント
ローラ18のビーム電流調整処理のための機能モジュー
ル構成を示す機能ブロック図を図9に示す。同図に示す
ように、コントローラ18は、上式(1)(2)に従っ
てビーム重心位置を演算するビーム重心位置演算部18
aと、ビーム重心位置が予め定められた適正範囲内にあ
るか否かを判断する重心位置ずれ判断部18b(重心位
置ずれ判断手段)と、ロス電流IL が予め定められた適
正範囲内にあるか否かを判断して引出電極21のずれの
有無を判断する引出電極ずれ判断部18c(引出電極ず
れ判断手段)と、上記重心位置ずれ判断部18bおよび
引出電極ずれ判断部18cの判断結果に基づいて、引出
電極制御処理とマス追従制御処理(質量分析手段制御処
理)との実行の要否を判断する制御実行要否判断部18
d(制御実行要否判断手段)と、引出電極制御処理を行
う引出電極制御部18eと、マス追従制御処理を行うマ
ス追従制御部18fと、上記引出電極制御やマス追従制
御のパラメータ以外のパラメータを調整するビームセッ
トアップ処理を行うビームセットアップ処理部18gと
を有している。尚、上記ビームセットアップ処理で調整
されるパラメータは、フリーマン型イオン源の場合、
「アーク電流」、「フィラメント電流」、「ソースマグ
ネット電流」、「ガス流量」等のパラメータ、また、マ
イクロ波型イオン源の場合、「ソースマグネット電
流」、「マイクロ波パワー」、「ガス流量」等のパラメ
ータである。
【0048】上記の構成において、コントローラ18に
よるビーム自動立上げ動作を以下に説明する。
【0049】先ず、オペレータが図示しない入力操作部
を操作して、注入条件(マス値、ビーム電流、ビームエ
ネルギー)を設定することになる。そして、設定された
注入条件はコントローラ18に取り込まれる。上記コン
トローラ18の図示しない記憶装置には、幾つかのパタ
ーンの注入条件についての各種パラメータの最適値デー
タが登録されている。これらの登録データは、予めオペ
レータがマニュアルでイオン注入装置を最適状態に立上
げることにより採取したデータである。コントローラ1
8は、予め登録されているパラメータに基づいて、設定
された注入条件に対する各種パラメータの初期値を近似
的に求めるようになっている。
【0050】即ち、コントローラ18は、登録されてい
る数パターンの注入条件の中から、ビーム電流の設定値
に最も近い上下2つの注入条件を選び出し、これら2つ
の注入条件のパラメータの登録データから、線形一次補
間補正によって近似的にビーム電流に関するパラメータ
の初期値を割り出す。また、同様にして、ビームエネル
ギーに関するパラメータの初期値も求める。
【0051】ここで、ビーム電流に関するパラメータと
は、ビーム電流を制御するのに大きく依存するパラメー
タであり、主にイオン源のパラメータ(フリーマン型イ
オン源の場合、「アーク電流」、「フィラメント電
流」、「ソースマグネット電流」、「ガス流量」等、ま
た、ECRイオン源等のマイクロ波型イオン源の場合、
「ソースマグネット電流」、「マイクロ波パワー」、
「ガス流量」等)をいう。また、ビームエネルギーに関
するパラメータとは、ビームエネルギーを制御するのに
大きく依存する「引出電圧」や「減速電圧」等のパラメ
ータをいう。
【0052】その後、コントローラ18は、上記で求め
た各種パラメータの初期値に基づいてイオン源1の各部
を制御してプラズマチャンバ11内においてイオン種を
プラズマ化し、イオンビームの引き出しを可能にする。
次に、引出電源7および減速電源8をONにしてイオン
源1のプラズマチャンバ11とイオン源と引出電極との
間に高電圧を印加し、イオン源1からイオンを引き出し
てイオンビームを形成する。
【0053】次に、コントローラ18は、分析マグネッ
ト電源9を制御して質量分析部3に供給される分析マグ
ネット電流を調整し、所望のイオンのみを選択的に取り
出すマスサーチを行う。
【0054】上記マスサーチ終了後、コントローラ18
は、図1のフローチャートに示すシーケンスでビーム電
流調整を行う。先ず、ビーム計測部17から送られてく
るビーム電流密度のデータによってイオンビームの重心
位置(Xcen ,Ycen )を算出し、その重心位置(X
cen ,Ycen )が予め定められた適正範囲内にあるか否
かを判断する(S1)。例えば、図5に示すビームキャ
ッチプレート15に17×17個(X方向17個、Y方
向17個)のビームキャッチ部16…が取り付けられて
いる場合、 8≦Xcen ≦10 8≦Ycen ≦10 のとき重心位置ずれがないと判断する。尚、重心位置ず
れの有無の判断基準となる上記適正範囲は任意に設定可
能である。
【0055】上記S1において重心位置ずれありと判断
した場合、その重心位置ずれが水平方向(X方向)のず
れか否かを判断する(S2)。そして、S2においてY
ESの場合、減速電源8内のロス電流検出手段からのロ
ス電流IL が、予め定められた適正範囲内にあるか否か
を判断する(S3)。そして、例えば、IL <1.5mA
のとき引出電極21の水平方向のずれなし、IL ≧1.5
mAのとき水平方向のずれ有りと判断する。尚、電極ず
れの有無の判断基準となる上記適正範囲は、実験的に求
められるものであり、任意に設定可能である。当然、上
記適正範囲はイオン源1から引き出されるビームの電流
量によって変化するものであり、コントローラ18は、
注入条件が設定された際に、ビーム電流の設定値に応じ
て上記適正範囲を自動的に変更するようになっている。
【0056】上記S3において引出電極21の水平方向
のずれ有りと判断した場合、電極駆動機構を介して引出
電極21の水平方向(図3のA方向)の位置制御を行う
(S4)。この引出電極水平制御とは、引出電極21を
一定の移動幅で徐々に水平方向に移動させ、ロス電流I
L が最小となる引出電極21の位置を検出するものであ
る。
【0057】上記S2でNOの場合、上記S3でYES
の場合、或いは上記S4の実行後、重心位置ずれが垂直
方向(Y方向)のずれか否かを判断する(S5)。そし
て、S5においてYESの場合、電極駆動機構を介して
引出電極21のビームに対する電極面の角度の位置制御
を行う(S6)。即ち、引出電極21のビームに対する
電極面の角度が直角になっていないと、ビームの軌道が
垂直方向にずれてしまうので、引出電極角度制御が必要
となるのである。この引出電極角度制御とは、引出電極
21を図3のC方向に回動させ、ビームの垂直方向(Y
方向)の重心位置が適正範囲内に入るように制御するも
のである。
【0058】上記S5でNOの場合、或いは上記S6の
実行後、分析マグネット電源9を制御して、分析マグネ
ット電流を微調整(質量分析部3の分析管内の磁場強度
を微調整)するマス追従制御を行う(S7)。
【0059】また、上記S1において重心位置ずれなし
と判断した場合、ロス電流IL が予め定められた適正範
囲内(例えば、IL <1.5mA)にあるか否かを判断す
る(S8)。ここで、ロス電流IL が適正範囲から外れ
ていれば、引出電極水平制御を行い(S9)、その後S
7に移行してマス追従制御を行う。一方、S8において
ロス電流IL が適正範囲内にあれば、引出電極制御およ
びマス追従制御を実行する必要はないと判断し、次処理
に移行する。
【0060】上記S8でYESの場合、或いは上記S7
の実行後、ビーム電流が設定値に対して±3%の範囲
(予め定められた範囲)に入るように、ビームセットア
ップ処理を行う(S11)。即ち、コントローラ18
は、注入位置におけるビーム電流(ターゲット電流)を
監視しながら、ターゲット電流が設定値に近づくよう
に、各種パラメータを調整する。
【0061】上記ビームセットアップ処理によってビー
ム電流が上記の適正範囲に入れば(S10においてYE
S)、ビーム監視動作に移行する(S12)。このビー
ム監視動作とは、予め定められた時間、ビーム電流を監
視してビームの安定性を確認するものである。例えば、
イオン源1における放電が頻発する等によってビーム電
流が不安定になることがあり、コントローラ18は、ビ
ーム監視期間中にこのような状態を検出すれば、ビーム
異常表示や警報ブザーを作動させる等の警報動作を行っ
てオペレータにビームの異常を知らせる。上記ビーム監
視動作によってビームの安定性を確認すれば、ビーム立
上げモードを終了し、注入処理モードに移行する。
【0062】以上のように、本実施例のイオン注入装置
は、イオン源1に形成されたビーム引出孔11aと対向
して配され、該ビーム引出孔11aからイオンを引き出
すための引出電極21と、上記引出電極21のイオン源
1に対する位置を変える引出電極駆動手段と、上記引出
電極21に形成されたビーム通過孔21aを通過したイ
オンビームから、磁場を用いた質量分析法により特定の
質量のイオンのみを選択的に取り出す質量分析部3と、
ターゲットに到達するイオンビームの重心位置を検出す
るビーム重心位置検出手段(ビームキャッチプレート1
5、ビーム計測部17、ビーム重心位置演算部18a)
と、イオン源1から引き出されたイオンビームが引出電
極21の電極面にあたって発生するロス電流IL を検出
するロス電流検出手段と、ターゲットに到達するイオン
ビームの電流が設定値になるように各種パラメータを制
御してビーム電流調整を行うコントローラ18とを備
え、上記コントローラ18は、上記イオンビームの重心
位置が予め定められた適正範囲内にあるか否かを判断す
る重心位置ずれ判断部18bと、上記ロス電流IL が予
め定められた適正範囲内にあるか否かを判断し、適正範
囲から外れているとき引出電極21のイオン源1に対す
る位置にずれがあると判断する引出電極ずれ判断部18
cと、上記の両判断部18b・18cの判断結果に基づ
いて、引出電極制御処理とマス追従制御処理との実行の
要否を判断する制御実行要否判断部18dとを備えてい
る構成である。
【0063】これにより、引出電極制御処理および/ま
たはマス追従制御処理が不必要な状態のときには、不必
要な制御処理を省略してビーム電流調整を行うので、ビ
ーム電流調整時間の短縮化が図れ、短時間でのビームの
立上げが可能となる。
【0064】また、本実施例のイオン注入装置は、先
ず、引出電極制御処理およびマス追従制御処理の必要性
を判定し、制御処理が必要な場合にはそれを実行して引
出電極ずれや質量分析部3の不適正を解消し、その後、
ビームセットアップ処理を行うようになっているので、
安定した状態で正確なビームセットアップ処理が行え
る。例えば、引出電極21がずれた状態では、イオンビ
ームが引出電極21の電極面に多量にあたり、電極面か
ら多量の2次電子が放出されることになる。このため、
引出電極21とイオン源1との間の絶縁破壊を招来して
放電が発生し易く、正確なビームセットアップ処理が行
えない。本実施例では、上記のようにビームセットアッ
プ処理に先立って引出電極ずれが解消されているので、
正確なビームセットアップ処理が可能となっている。
【0065】尚、上記実施例では、ビームキャッチプレ
ート15と、ビーム計測部17と、コントローラ18の
ビーム重心位置演算部18aとによってビーム重心位置
検出手段が構成されているが、ビーム計測部17がビー
ム重心位置を演算してその演算結果をコントローラ18
へ送るようにしてもよい。上記実施例は、あくまでも、
本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのよ
うな具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきもので
はなく、本発明の精神と特許請求の範囲内で、いろいろ
と変更して実施することができるものである。
【0066】
【発明の効果】本発明のイオン注入装置は、以上のよう
に、ターゲットに到達するイオンビームの重心位置を検
出するビーム重心位置検出手段と、イオン源から引き出
されたイオンビームが引出電極の電極面にあたって発生
するロス電流を検出するロス電流検出手段と、ビーム電
流調整を行うビーム電流調整手段とを備え、上記ビーム
電流調整手段は、上記イオンビームの重心位置が予め定
められた適正範囲内にあるか否かを判断する重心位置ず
れ判断手段と、上記ロス電流が予め定められた適正範囲
内にあるか否かを判断し、適正範囲から外れているとき
引出電極のイオン源に対する位置にずれがあると判断す
る引出電極ずれ判断手段と、上記重心位置ずれ判断手段
および引出電極ずれ判断手段の判断結果に基づいて、引
出電極駆動手段を制御して引出電極のイオン源に対する
位置を調整する引出電極制御処理と質量分析手段の磁場
強度を調整する質量分析手段制御処理との実行の要否を
判断する制御実行要否判断手段とを備えている構成であ
る。
【0067】それゆえ、引出電極制御処理および/また
は質量分析手段制御処理が不必要な状態のときには、そ
れを的確に判断することができ、したがって、不必要な
制御処理を省略してビーム電流調整を行うことが可能と
なり、ビーム電流調整時間の短縮化を図ることができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、イオン注
入装置のコントローラによるビーム電流調整動作を示す
フローチャートである。
【図2】上記イオン注入装置の概略構成を示すブロック
図である。
【図3】上記イオン注入装置におけるビームの引き出し
を説明するための要部断面図である。
【図4】上記イオン注入装置の注入位置付近の構成を説
明するための説明図である。
【図5】上記イオン注入装置のビームキャッチプレート
の構成を説明するための説明図である。
【図6】上記イオン注入装置において、引出電極ずれが
生じている場合のイオンビームの軌道を説明するための
説明図である。
【図7】上記イオン注入装置において、質量分析部の磁
場強度が不適正である場合のイオンビームの軌道を説明
するための説明図である。
【図8】上記イオン注入装置において、引出電極ずれが
生じており、且つ、質量分析部の磁場強度が不適正であ
るにも関わらず、ビームの重心位置にずれが生じない場
合のイオンビームの軌道を説明するための説明図であ
る。
【図9】上記イオン注入装置のコントローラの機能モジ
ュール構成を示す機能ブロック図である。
【図10】従来のイオン注入装置のコントローラによる
ビーム電流調整動作を示すフローチャートである。
【図11】上記イオン注入装置におけるビームの引き出
しを説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
1 イオン源 2 引出電極部 3 質量分析部(質量分析手段) 7 引出電源 8 減速電源 15 ビームキャッチプレート(ビーム重心位置検出
手段) 17 ビーム計測部(ビーム重心位置検出手段) 18 コントローラ(ビーム電流調整手段) 18a ビーム重心位置演算部(ビーム重心位置検出手
段) 18b 重心位置ずれ判断部(重心位置ずれ判断手段) 18c 引出電極ずれ判断部(引出電極ずれ判断手段) 18d 制御実行要否判断部(制御実行要否判断手段) 21 引出電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/317 H01J 37/04 H01J 37/05 H01L 21/265 C23C 14/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンを生成するイオン源に形成されたビ
    ーム引出孔と対向して配され、該ビーム引出孔からイオ
    ンを引き出すための引出電極と、 上記引出電極のイオン源に対する位置を変える引出電極
    駆動手段と、 上記引出電極に形成されたビーム通過孔を通過したイオ
    ンビームから、磁場を用いた質量分析法により特定の質
    量のイオンのみを選択的に取り出す質量分析手段と、 上記質量分析手段を通過してターゲットに到達するイオ
    ンビームの電流が設定値になるように各種パラメータを
    制御してビーム電流調整を行うビーム電流調整手段とを
    備えているイオン注入装置において、 ターゲットに到達するイオンビームの重心位置を検出す
    るビーム重心位置検出手段と、 イオン源から引き出されたイオンビームが上記引出電極
    の電極面にあたって発生するロス電流を検出するロス電
    流検出手段とを備え、 上記ビーム電流調整手段は、 上記イオンビームの重心位置が予め定められた適正範囲
    内にあるか否かを判断する重心位置ずれ判断手段と、 上記ロス電流が予め定められた適正範囲内にあるか否か
    を判断し、適正範囲から外れているとき引出電極のイオ
    ン源に対する位置にずれがあると判断する引出電極ずれ
    判断手段と、 上記重心位置ずれ判断手段および引出電極ずれ判断手段
    の判断結果に基づいて、上記引出電極駆動手段を制御し
    て引出電極のイオン源に対する位置を調整する引出電極
    制御処理と上記質量分析手段の磁場強度を調整する質量
    分析手段制御処理との実行の要否を判断する制御実行要
    否判断手段とを備えている。
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