JP3503242B2 - イオン電流密度の安定化方法 - Google Patents
イオン電流密度の安定化方法Info
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Description
ームを引出すイオン源におけるイオン電流密度の安定化
方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種のイオン源は、プラズマ発生室内
で作動ガスをプラズマ化させ、このプラズマに電場を与
えてイオンを引出すものである。作動ガスを電離させる
ためにプラズマ発生室内でアーク放電が行われる。プラ
ズマは、引出し用の電場で加速され、イオンビームとし
てプラズマ発生室外に引き出される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、イオンビー
ム照射によりイオン注入する対象物、例えば基板を大量
に処理するには基板を取り替える度にイオンビームを引
出したり停止したりすることになる。この際、イオンビ
ームを停止した状態から引出しを開始すると、一時的に
イオン電流密度が高まることがわかった。これをオーバ
ーシュートという。オーバーシュートが発生すると、基
板に同一条件でイオン注入することができなくなる。 【0004】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、プラズマよりイオンビームを引出すイオン源におけ
るイオン電流密度の安定化方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、作動ガスを満たしたプラズマ発生室内でフ
ィラメントからのアーク放電によりプラズマを発生さ
せ、このプラズマ発生室からイオンビームを引出したり
停止したりする際に、イオンビーム電流を規定値で引出
しているときのアーク放電電流の値を記憶しておき、イ
オンビームを停止したとき、アーク放電電流の値が上記
記憶した値に等しくなるようにアーク電圧及び/又はフ
ィラメント電流を制御するものである。 【0006】 【0007】 【作用】オーバーシュートの原因は、イオンビームを停
止しているときのアークパワー密度がイオンビームを引
出しているときのアークパワー密度より高くなることに
ある。上記構成により、イオンビームを停止していると
きのアークパワー密度が抑制されてイオンビームを引出
しているときと同じアークパワー密度になるので、オー
バーシュートは発生しない。 【0008】アークパワー密度並びにアーク放電電流
は、アーク電圧及びフィラメント電流により変化する。
イオンビームを停止したとき、アーク電圧及び/又はフ
ィラメント電流を制御してアーク放電電流の値をイオン
ビーム電流が規定値のときのアーク放電電流の値に等し
くすると、アークパワー密度もイオンビーム電流が規定
値のときのアークパワー密度と同じになる。 【0009】 【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。 【0010】図1に示されるように、イオン源は、一側
が開放された有底円筒状のプラズマ発生室1内に、図示
されない作動ガス注入部より注入された作動ガスが満た
されている。アーク放電のために、カソード電極である
フィラメント2がプラズマ発生室底部1aの中央に配置
され、これに対するアノード電極3がプラズマ発生室の
側壁1bに沿って環状に設けられている。プラズマ発生
室の側壁1bにはプラズマを閉じ込めるための磁場を形
成する環状の磁石(図示せず)が多段に設けられてい
る。イオンを加速する引出し電極4は、イオンビームを
通過させる多数の穴を有するグリッド電極であり、プラ
ズマ発生室1の開放された一側を覆うように設けられて
いる。本実施例では、引出し電極4は二重に設けられて
おり、外側の引出し電極4を内側の引出し電極4より低
電位とする引出し電源5が設けられている。フィラメン
ト(カソード電極)2とアノード電極3との間にはアー
ク電圧を印加するアーク電源6が設けられている。ま
た、フィラメント2にはフィラメント電流を印加するフ
ィラメント電源7が設けられている。 【0011】引出し電極4の外方には引き出されたイオ
ンビーム8を用いて基板等にイオン注入を行うプロセス
室が設けられている。図示しないが、このイオンビーム
8の電流(電流密度)を測定するファラデーカップ等の
電流測定手段がイオンビーム8の下流に設けられてい
る。また、フィラメント2に流れるフィラメント電流を
調整するフィラメント電流調整手段が設けられている。
さらに、アーク放電電流(電流密度)を測定するための
アーク電流測定手段が設けられている。また、引出し電
極4の電位を切り換えてイオンビーム8を引出したり停
止したりするイオンビーム引出・停止手段が設けられて
いる。 【0012】イオンビーム電流が規定値のときのアーク
放電電流値を記憶する記憶手段、フィラメント電流調整
のための演算手段はソフトウェアで構成され、コンピュ
ータで実行される。 【0013】以上の構成において、アーク放電電流密度
jはj=σEで与えられる。σは電気伝導度であり、E
は電場である。低プラズマ密度では電気伝導度σは、σ
=σ(T,n)で与えられる。Tは電子温度であり、n
はプラズマ密度である。イオンビームを引出している間
はプラズマ密度nが低くなっているが、引出しを停止す
るとプラズマ密度nが高くなる。このため、プラズマ発
生室に投入されるアークパワー密度jE=σE2 が高く
なる。従来は、このアークパワー密度σE2 が高い状態
からイオンビーム引出しを開始していたので、イオンビ
ーム電流のオーバーシュートが発生していた。本発明で
は、アーク電圧及び/又はフィラメント電流を制御して
イオンビームを停止しているときのアークパワー密度σ
E2 を抑制することができる。アークパワー密度σE2
を抑制することにより、イオンビーム電流のオーバーシ
ュートは発生しない。 【0014】具体的には、図2の流れに従い制御が行わ
れる。 【0015】イオン源の運転開始時、まず、アーク電源
6を起動してアーク放電を起こす(21)。次いで、イ
オンビーム引出・停止手段により、引出し電極4に電位
を与えてイオンビーム8を引出す(22)。イオンビー
ム8が引出されるようになったら、電流測定手段により
イオンビーム8の電流を測定しつつ、フィラメント電流
調整手段により、このイオンビーム電流(ビーム電流)
が規定値になるようにフィラメント電流を調整する(2
3)。イオンビーム電流が規定値に達したところで、フ
ィラメント電流を固定すると共に、アーク電流測定手段
により測定されるこのときのアーク放電電流の値(アー
ク電流値)を記憶手段に記憶する(24)。しかるの
ち、イオンビーム引出・停止手段によりイオンビーム8
を停止する(25)。このときフィラメント電流調整手
段により、アーク放電電流の値を記憶した値に維持でき
るようにフィラメント電流を調整する(26)。この調
整は、演算手段により、 フィラメント電流=フィラメント電流+β(記憶値−ア
ーク電流) として演算された結果に基づいて行われる。βは、定数
である。 【0016】爾後、イオンビーム8の引出し・停止(O
N/OFF)を繰り返し、基板等へのイオン注入処理を
行う(27)。その繰り返しの都度、フィラメント電流
を調整して引出し開始時のイオンビーム電流密度を安定
化する。 【0017】比較のため、図4による従来の流れを説明
する。 【0018】まず、アーク放電を起こし、フィラメント
電流もアーク電圧も共に一定とする(41)。なお、フ
ィラメント電流とアーク電圧とでアークパワーが決まる
が、このうちフィラメント電流はアーク電流を決めるも
のである。ここではフィラメント電流を制御すること
で、アークパワーを調整している。次いで、イオンビー
ムを引出す(42)。イオンビーム電流が規定値になる
ようにフィラメント電流を調整する(43)。この調整
は、 フィラメント電流=フィラメント電流+α(規定値−ビ
ーム電流) に基づいて行われる。αは、定数である。イオンビーム
電流が規定値に達したところで、フィラメント電流を固
定する(44)。そして、イオンビームを停止する(4
5)。イオンビームを停止した後も、フィラメント電
流、アーク電圧ともに一定を保ち、アーク放電を維持す
る(46)。爾後、イオンビームの引出し・停止を繰り
返し、イオン注入処理を行う(47)。 【0019】本発明のイオン注入処理及び従来のイオン
注入処理において、イオンビームを引出したり停止した
りしたときのイオンビーム電流の変化の様子を図3に示
す。図3(a)は従来の場合を示しており、イオンビー
ムを停止した状態から引出しを開始すると、オーバーシ
ュートが発生する。これに対し、図3(b)は本発明の
場合を示しており、イオンビームの引出しを開始しても
オーバーシュートは発生せず、直ちに規定値に安定す
る。 【0020】 【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。 【0021】(1)オーバーシュートが発生しなくなる
ので、基板に同一条件でイオン注入を行えるようにな
り、基板の品質が安定する。
る。 【図2】本発明のイオン源を制御する流れ図である。 【図3】(a)従来及び(b)本発明のイオンビーム電
流の時間波形図である。 【図4】従来のイオン源を制御する流れ図である。 【符号の説明】 1 プラズマ発生室 2 フィラメント 8 イオンビーム
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 作動ガスを満たしたプラズマ発生室内で
フィラメントからのアーク放電によりプラズマを発生さ
せ、このプラズマ発生室からイオンビームを引出したり
停止したりする際に、イオンビーム電流を規定値で引出
しているときのアーク放電電流の値を記憶しておき、イ
オンビームを停止したとき、アーク放電電流の値が上記
記憶した値に等しくなるようにアーク電圧及び/又はフ
ィラメント電流を制御することを特徴とするイオン電流
密度の安定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03667895A JP3503242B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | イオン電流密度の安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03667895A JP3503242B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | イオン電流密度の安定化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08236054A JPH08236054A (ja) | 1996-09-13 |
JP3503242B2 true JP3503242B2 (ja) | 2004-03-02 |
Family
ID=12476521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03667895A Expired - Fee Related JP3503242B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | イオン電流密度の安定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3503242B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004362901A (ja) | 2003-06-04 | 2004-12-24 | Sharp Corp | イオンドーピング装置、イオンドーピング方法および半導体装置 |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP03667895A patent/JP3503242B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08236054A (ja) | 1996-09-13 |
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