JPH052732A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH052732A
JPH052732A JP17872591A JP17872591A JPH052732A JP H052732 A JPH052732 A JP H052732A JP 17872591 A JP17872591 A JP 17872591A JP 17872591 A JP17872591 A JP 17872591A JP H052732 A JPH052732 A JP H052732A
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JP
Japan
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magnetic
recording medium
magnetic recording
acrylic
block copolymer
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JP17872591A
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Inventor
Yoshiyuki Nagataki
義幸 長瀧
Shoji Nishihara
昭二 西原
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腐食性ガスの放出などがなく、熱安定性が良
好で信頼性に優れた高密度磁気記録媒体の結合剤を提供
することを目的としている。 【構成】 非磁性支持体上に粒子径1μm以下の磁性粉
をアクリル樹脂成分と非アクリル樹脂成分とのブロック
共重合体で、かつ共重合体の分子中に極性基を0.00
01〜0.5ミリモル/g含有する結合剤に分散して塗
布・乾燥してなる磁性層を持つ磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は特に高密度記録に適し
た磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、腐食性ガスの
放出などがなく、熱安定性が良好で信頼性に優れた磁気
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の高性能化に伴い、
最短記録波長も2μm以下程度にまで高密度に記録する
ことが要求されるようになってきた。このような磁気記
録媒体には保磁力が高くかつ粒子径の小さなきわめて凝
集しやすい磁性粉を用いる必要がある。しかもこのよう
な磁気記録媒体は種々の情報記録を行うため、長期に渡
る保存安定性、耐久性が要望される。このような磁気記
録媒体は通常、磁性粉末、結合剤成分、有機溶剤および
その他の必要成分からなる磁性塗料をポリエステルフィ
ルムなどの基体上に塗布、乾燥してつくられる。この際
使用される結合剤成分としては、微小な磁性粉末の分散
性に優れ、磁気記録媒体に優れた電気的特性を付与でき
るとともに、耐久性に優れるものが望まれる。このた
め、従来からこれらの特性に優れた結合剤成分として、
塩化ビニル系樹脂や繊維素系樹脂などが広く用いられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの塩
化ビニル系樹脂や繊維素系樹脂は、磁性粉末の分散性に
優れ、かつ耐久性に優れるものの、熱安定性が悪く、
光、熱などのエネルギ−により分解してHClやHNO
3が生じるという難点があり、HClやHNO3が生じる
と、塩化ビニル系樹脂や繊維素系樹脂が変質して機械的
性質が劣化し、耐久性が低下したり、ドロップアウトの
原因となる。また、HClやHNO3等により、磁性層
中の磁性粉末粒子の酸化、変性が起こって出力が低下
し、さらに、記録再生ヘッドを腐食したりする。また当
然ながらこれらの塩化ビニル系樹脂や繊維素系樹脂を使
用した磁気記録媒体は焼却等の処分により腐食性ガスで
あるHClやHNO3を放出するため、近年非常に問題
となっている環境破壊の原因となると考えられる。この
問題については樹脂としての使用量がわずかである磁気
記録媒体の分野で現在顕在化しているものではないが、
塗布型磁気記録媒体の用途が更に拡大し、使用量が増大
する将来においては重大な問題となってくることが予想
される。現に建築物の塗装用等の用途を含む一般塗料の
分野においては既に問題として認識されつつあり、かか
る問題を起こさない結合剤としてアクリル−ウレタンブ
ロック共重合体またはアクリル−ウレアブロック共重合
体もしくはアクリル−ウレタン−ウレアブロック共重合
体の開発が進められている。たとえば1990年度色材
研究発表会内容梗概p192〜193(1990)では
かかる樹脂の可能性について言及されている。しかしこ
のようなアクリル−ウレタンブロック共重合体またはア
クリル−ウレアブロック共重合体もしくはアクリル−ウ
レタン−ウレアブロック共重合体は、このままでは特に
顔料粒子の凝集力の強い高保磁力の粒子径1μm以下の
微小な磁性粉を高度に分散させ安定して保持することが
できないため、高記録密度の磁気記録媒体用結合剤とし
て直ちに使用することができない状況にあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、かかる現状
に鑑み種々検討を行った結果なされたもので、本発明者
らは一般用として脚光あびつつあるアクリル−ウレタン
ブロック共重合体またはアクリル−ウレアブロック共重
合体もしくはアクリル−ウレタン−ウレアブロック共重
合体を、高密度磁気記録媒体の結合剤として実用可能に
するために、これらの結合剤の性状を改良することに成
功した。即ち、これら共重合体に対し、極性基を0.0
001〜0.5ミリモル/g含ませることにより、粒子
径1μm以下の微小な磁性粉を高度に分散させることに
成功したものである。
【0005】この発明において、結合剤成分として使用
するアクリル樹脂成分と非アクリル樹脂成分とのブロッ
ク共重合体は、例えばアクリル樹脂にウレタン樹脂およ
びウレア樹脂のいずれかまたは両方の樹脂をブロック共
重合させたものなど、本来相溶性に欠けるため併用する
ことができないアクリル樹脂と、ウレタン樹脂やウレア
樹脂とを、ブロック共重合させることによって、これら
両樹脂成分を兼ね備えさせて、それぞれの特質が発揮さ
れることを目指すものである。このようにして、特に
熱、光、薬品などに対し優れた熱安定性を有するアクリ
ル樹脂成分によって、熱安定性を向上させ、同時にアク
リル樹脂単体では分子内凝集力不足のため、結合剤とし
て不足する機械的特性を他の非アクリル樹脂成分たとえ
ばウレタン樹脂成分に担わせようとするものである。
【0006】従って、これらのブロック共重合体を、結
合剤樹脂として用いて得られる磁気記録媒体は、光、熱
などのエネルギ−が加えられても、これらのブロック共
重合体が分解せず、HClやHNO3等の腐食性ガスを
生じることがない。また、その結果、これらのブロック
共重合体が変質して機械的性質が劣化することもなく、
磁性層中の磁性粉末粒子に悪影響を及ぼして出力を低下
させることもない。さらに、記録再生ヘッドを腐食させ
たりすることもない等の利点を有する。
【0007】本発明の磁気記録媒体に用いられるアクリ
ル樹脂成分と非アクリル樹脂成分とのブロック共重合体
は、非アクリル樹脂成分の種類を特に問うことなく、ま
た各樹脂成分の量的範囲を限定すべきものでなく、いか
なる方法により製造されたものでも使用できる。但し、
以下に述べるように特定量の極性基を導入することが必
要である。製法としてはたとえば、 (a)両末端ジオ−ルアクリル樹脂 (b)有機ジイソシアネ−ト (c)鎖延長剤 (d)ポリエステル,ポリエ−テル等の両末端に水酸基
を有するポリオ−ル のうち少なくとも(a)および(b)を反応させ、必要
に応じてさらに(c)や(d)を反応させて得られるも
のなどが好適なものとして使用される。ここで、各成分
(a)(b)(c)(d)の比率は必要に応じて調節さ
れ、これらの各成分としては、たとえば、下記のものが
好適なものとして使用される。
【0008】(a)両末端ジオ−ルアクリル樹脂として
は、いかなる方法により製造されたものも使用でき、た
とえば、アクリルモノマ−をケテンシリルアセタ−ルを
開始剤としてグル−プ移動重合させるなどの方法で製造
したものが用いられる。このとき、得られるアクリル樹
脂中に極性基が導入されるようにすることが重要であ
り、アクリルモノマ−中に極性基含有アクリルモノマ−
を加えてもよく、極性基含有アクルモノマ−を加えると
容易に極性基を導入することができる。
【0009】ここで、アクリルモノマ−としては、メチ
ルメタクリレ−ト、エチルメタクリレ−ト、プロピルメ
タクリレ−ト、ブチルメタクリレ−ト、ヘキシルメタク
リレ−ト、ラウリルメタクリレ−ト、ステアリルメタク
リレ−ト等が挙げられ、単独あるいは2種以上用いられ
る。また、アクリルモノマ−中に加えられる極性基含有
アクリルモノマ−としては、アクリル酸、メタクリル
酸、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、2−アクリ
ルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、メタ
クリロキシエチルスルホン酸、および2−メタクリルオ
キシエチルアシッドホスフェ−ト等が挙げられ、さら
に、グリシジルメタクリレ−ト等反応性官能基を有する
モノマ−を共重合し、これらの反応性官能基に他の化合
物を反応させて、新たな極性基を導入することも可能で
ある。
【0010】(b)有機ジイソシアネ−トとしては、ト
リレンジイソシアネ−ト、4,4´−ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト等が
好適に使用される。
【0011】(c)鎖延長剤としては、エチレングリコ
−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、
ネオペンチルグリコ−ル等のジオ−ル、エチレンジアミ
ン、トリレンジアミン等のジアミン、水等の極性基を持
たないもの、2,2−ジメチロ−ルプロピオン酸、ビス
(4−ヒドロキシブチル)−5−スルホイソフタル酸ナ
トリウム、β−グリセロリン酸ナトリウム、N−メチル
ジエタノ−ルアミン、2,3−ジヒドロキシ−1−プロパ
ンスルホン酸カリウム等の極性基をもつものなどが使用
される。
【0012】(d)ポリオ−ルとしては、ポリ1,6−ヘ
キサンカ−ボネ−トジオ−ルなどのポリカ−ボネ−トジ
オ−ル、ポリブタジエンジオ−ル,水添ブタジエンジオ
−ルなどのポリオレフィンジオ−ル、1,6−ヘキサメチ
レンラクトンジオ−ル,ポリε−カプロラクトンジオ−
ル等のポリカプロラクトンジオ−ル、ポリエチレングリ
コ−ル,ポリプロピングリコ−ル等のポリエ−テルジオ
−ル、ポリブチレンアジペ−ト,ポリブチレンフタレ−
ト等のポリエステルジオ−ルなどが、好ましく使用され
る。
【0013】また、アクリル−ウレタンブロック共重合
体、アクリル−ウレアブロック共重合体およびアクリル
−ウレタン−ウレアブロック共重合体はポリウレタン型
高分子開始剤を用いて製造してもよい。たとえば2,2
´−アゾビスイソヒドロキシニトリルなどのアゾジオ−
ルを開始剤に(b)有機ジイソシアネ−トを反応させ、
必要に応じてさらに(c)鎖延長剤や(d)ポリオ−ル
を反応させて得られたポリウレタン型高分子開始剤を用
いて、アクリルモノマ−を重合することよってアクリル
−ウレタンブロック共重合体、アクリル−ウレアブロッ
ク共重合体およびアクリル−ウレタン−ウレアブロック
共重合体を得ることができる。ここで、各成分(b)
(c)(d)は前に述べたものであり、その比率は必要
に応じて調節される。
【0014】このような各成分を反応させて得られるア
クリル−ウレタンブロック共重合体、アクリル−ウレア
ブロック共重合体およびアクリル−ウレタン−ウレアブ
ロック共重合体に、極性基を導入することが必要であ
る。導入する極性基としては、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、リン酸基、3級アミノ基またはこれらの塩が極
性基として導入され、これらの極性基はアクリルセグメ
ント、ウレタンセグメント、ウレアセグメントのどこに
含まれてもよい。導入量は、0.0001ミリモル/g
より少ないと磁性粉末の分散性を充分に向上することが
できず、0.5ミリモル/gより多くすると極性基同士
の凝集により、有機溶剤等に溶解したときの粘度が高く
なり、磁性塗料化が困難になるため、0.0001〜0.
5ミリモル/gの範囲内にするのが好ましく、0.00
1〜0.1ミリモル/gの範囲内にするのがより好まし
い。
【0015】また、これらのアクリル−ウレタンブロッ
ク共重合体、アクリル−ウレアブロック共重合体および
アクリル−ウレタン−ウレアブロック共重合体は硬化剤
として用いる低分子ポリイソシアネ−トとの硬化性を高
めるために分子中に水酸基を導入しても良く、その場合
に導入される水酸基量は0.05ミリモル/g以上が好
ましく、0.5ミリモル/g以上がより好ましい。
【0016】ここで、使用される磁性粉末としては、た
とえば、γ−Fe2O3粉末、Fe3O4粉末、γ−Fe2
O3とFe3O4との中間酸化状態の酸化鉄粉末、Co含
有γ−Fe2O3粉末、Co含有Fe3O4粉末、CrC2
粉末の他、Fe粉末、Co粉末、Fe−Ni−Cr合金
粉末などの金属粉末およびバリウムフェライト粉末、窒
化鉄の如き窒化物系磁性粉末など、従来公知の各種磁性
粉末が広く包含される。これらの磁性粉末は、記録密度
との関係から、通常0.1〜1.0μm程度とするのが望
ましい。針状の磁性粉末の場合、その平均粒子径(長
軸)が1μm以下でなければならない。またその平均軸
比(平均長軸径/平均短軸径)が通常5〜10程度であ
るのが好ましい。更に板状の磁性粉末の場合は、その平
均粒子径が通常0.01〜0.5μm程度であるのが望ま
しい。
【0017】さらにこれらのアクリル−ウレタンブロッ
ク共重合体、アクリル−ウレアブロック共重合体および
アクリル−ウレタン−ウレアブロック共重合体は、アク
リル樹脂成分の含有量が10重量%より少ないとアクリ
ル樹脂の性質が発現できず、95重量%より多くすると
樹脂が脆くなり、耐久性が低下するため、アクリル樹脂
成分の含有量を10〜95重量%の範囲内にするのが好
ましく、30〜85重量%の範囲内にするのがより好ま
しい。
【0018】また、アクリル−ウレタンブロック共重合
体、アクリル−ウレアブロック共重合体およびアクリル
−ウレタン−ウレアブロック共重合体のアクリルセグメ
ントの数平均分子量は、1000〜10000の範囲に
あることが必要であり、アクリルセグメントの数平均分
子量がこの範囲を逸脱すると本発明の目的が十分に発揮
されない。
【0019】このようなアクリル−ウレタンブロック共
重合体、アクリル−ウレアブロック共重合体およびアク
リル−ウレタン−ウレアブロック共重合体の数平均分子
量は、3000より小さいと機械的特性が低下し、10
0000より大きくなると有機溶剤等に溶解したときの
粘度が高く、磁性塗料化が困難になるため、数平均分子
量4000〜90000のものが好ましく使用され、数
平均分子量10000〜50000のものがより好まし
く使用される。
【0020】このようなアクリル−ウレタンブロック共
重合体、アクリル−ウレアブロック共重合体およびアク
リル−ウレタン−ウレアブロック共重合体は、他の結合
剤樹脂と併用してもよく、たとえば、ポリウレタン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、繊維素系樹脂、ポリビニルブチ
ラ−ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ポリイソシア
ネ−トなどの一般に使用される結合剤樹脂と、相溶性よ
く併用される。なお、HClやHNO3の発生を極力抑
制するため、塩化ビニル系樹脂や繊維素系樹脂との併用
はできるだけ避けるのが好ましい。
【0021】このようなアクリル−ウレタンブロック共
重合体、アクリル−ウレアブロック共重合体およびアク
リル−ウレタン−ウレアブロック共重合体などを用いる
結合剤成分は、磁性粉末の分散性を充分に向上させるた
め、磁性粉末に対して、5〜35重量%の範囲内で使用
することが好ましく、10〜30重量%の範囲内で使用
するのがより好ましい。
【0022】この発明の磁気記録媒体を製造するには常
法に準じて行えばよく、たとえば、前記のアクリル−ウ
レタンブロック共重合体、アクリル−ウレアブロック共
重合体およびアクリル−ウレタン−ウレアブロック共重
合体を、他の結合剤樹脂と併用するかあるいはしない
で、磁性粉末、有機溶剤およびその他の添加剤とともに
混合分散して、あるいはかかる共重合体を磁性粉末その
他の添加剤の存在下で合成するなどして磁性塗料を調製
し、この磁性塗料をポリエステルフィルムなどの基体上
に、吹付けもしくはロ−ル塗りなどの任意の手段で塗布
し、乾燥すればよい。この際、磁性層を基体の表面に設
けるとともに、反対面にバックコ−ト層を設けてもよ
く、また基体の両面に磁性層を設けてもよい。このよう
にバックコ−ト層を設ける場合、これらの共重合体は、
バックコ−ト層の結合剤樹脂としても好適に使用され
る。
【0023】また、有機溶剤としては、メチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ト
ルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメチルホルムアミドなどを単独もしくは二種以上
混合して使用することができ、前記の共重合体をすみや
かに溶解する性質を有するものであれば種類の如何を問
わない。
【0024】なお、磁性塗料中には、各種添加剤、たと
えば、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、分散剤などを任意
に添加使用してもよい。
【0025】
【実施例】アクリル−ウレタンブロック共重合体、アク
リル−ウレアブロック共重合体およびアクリル−ウレタ
ン−ウレアブロック共重合体はを前述の合成方法によっ
て合成した。表1に合成した樹脂の特性を示す。 ただし、第1表の略号は以下に示すとおりである。 MMA(メチルメタアクリレ−ト)、MDEA(N-メチ
ルジエタノ−ルアミン)、BA(t-ブチルアクリレ−
ト)、HEMA(2-ヒドロキシエチルアクリレ−ト)、
HEP(2-メタクリルオキシエチルアシッドホスフェ−
ト)、SA(スルホプロピルアクリレ−ト)、TDI
(トルエンジイソシアネ−ト)、DMPA(ジメチロ−
ルプロピオン酸)、MDI(4,4´-ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト)、HMDI(ヘキサメチレンジイソシ
アネ−ト)、NPG(ネオペンチルグリコ−ル)、1,4-
BG(1,4-ブタンジオ−ル)、PC(ポリ1,6-ヘキサン
カ−ボネ−トジオ−ル、数平均分子量1000) また、共重合体の数平均分子量はGPC測定によりポリ
スチレン換算で求めた。
【0026】このようにして得られたアクリル−ウレタ
ンブロック共重合体を使用し、 α−Fe粉末(保磁力1500エルステッド、飽和磁化120emu/g 300重量部 長軸径0.5μm) 樹脂A 35 〃 カ−ボンブラック 8 〃 アルミナ 20 〃 ポリウレタン(日本ポリウレタン工業社製N−2304) 20 〃 メチルエチルケトン 400 〃 トルエン 400 〃 の組成物を高速ディスパ−で2時間混合分散した後、さ
らにサンドグラインダ−ミルで7時間混合分散し、その
後、三官能性低分子量イソシアネ−ト化合物(日本ポリ
ウレタン社製、コロネ−トL)を15重量部添加し、さ
らにサンドグラインダ−ミルで30分間混合分散した。
しかる後、所定量のメチルエチルケトン/トルエン混合
溶剤を加え、固型分濃度30%に調整して磁性塗料を調
製した。この磁性塗料を、厚さ 7.5μmのポリエステル
フィルム上に、乾燥後の厚さが 3.0μmとなるように塗
布、乾燥して磁性層を形成し、カレンダ−処理後、8mm
幅に裁断して磁気テ−プを作製した。
【0027】実施例2 実施例1における樹脂Aに代えて、樹脂Bを35重量部
使用した以外は、実施例1と同様にして磁気テ−プを作
製した。
【0028】実施例3 実施例2における樹脂Bに代えて、樹脂Cを35重量部
使用した以外は、実施例2と同様にして磁気テ−プを作
製した。
【0029】比較例1 実施例1における磁性塗料の組成において、実施例1で
使用したアクリル−ウレタンブロック共重合体に代え
て、MR−110(日本ゼオン社製、塩化ビニル−アク
リル樹脂共重合体)を35重量部使用した以外は、実施
例1と同様にして磁気テ−プを作製した。
【0030】比較例2 実施例1における磁性塗料の組成において、実施例1で
使用したアクリル−ウレタングラフト共重合体に代え
て、ニトロセルロ−ス1/2(ダイセル社製、ニトロセ
ルロ−ス)を35重量部使用した以外は、実施例1と同
様にして磁気テ−プを作製した。
【0031】比較例3 実施例1における磁性塗料の組成において、実施例1で
使用したアクリル−ウレタングラフト共重合体に代え
て、ポリメタクリル酸メチル(三菱レ−ヨン社製、アク
リペットVH)を40重量部使用したところ、磁性塗料
中の磁性粉末が分離して、ポリエステルフィルム上への
塗布ができず、磁気テ−プの作製は不可能であった。
【0032】各実施例および比較例で得られた磁気テ−
プについて、熱安定性試験およびRF出力を測定した。 <熱安定性試験>熱安定性試験は、得られた各磁気テ−
プを5mの長さに裁断して試料とし、これらを300ml
の低アルカリガラス製バイアルビンに投入し、80℃の
条件下に24時間保存した後、蒸留水200mlを添加
し、超音波を30分間照射して、磁気テ−プ中からのイ
オンを抽出した。そして、米国ダイオネックス社製イオ
ンクロマトグラフ2020I型(カラムAS−4A型)
を用いて抽出液のイオンを定量して行った。 <RF出力>RF出力測定用VTRを用い、得られた各
磁気テ−プに7MHzの信号を一定レベルで記録した
後、再生したときの出力を測定し、室温の雰囲気下に3
週間保存した比較例1の磁気テ−プを基準にRF出力を
測定した。下記第2表および第3表はその結果である。
【0033】 第2表に示す略号は以下に示すとおりである。 イ:80℃,24時間保存 A:塩素イオン、B:亜硝酸イオン、C:硝酸イオン
【0034】 第3表に示す略号は以下に示すとおりである。 イ:60℃,90%RHの条件下に3週間保存 ロ:5℃,20%RHの条件下での保存と、45℃,8
0%RHの条件下での保存を、1時間毎に繰り返して3
週間保存 ハ:室温の雰囲気下に3週間保存
【0035】
【発明の効果】上記表2および表3から明らかなよう
に、比較例1で得られた磁気テ−プは、高温下で分解し
て多量の塩素イオンを発生し、また比較例2で得られた
磁気テ−プは、高温下で分解して多量の亜硝酸イオンお
よび硝酸イオンを発生するが、実施例1ないし3で得ら
れた磁気テ−プは、これらのイオンの発生が極めて少な
く、また、実施例1ないし3で得られた磁気テ−プは、
比較例1ないし2で得られた磁気テ−プに比べ、60
℃,90%RHおよび5℃,20%RH−45℃,80
%RHのサイクル条件下での保存いずれもRF出力が大
きく、このことからこの発明によって得られる磁気記録
媒体は、熱安定性が一段と向上され、信頼性に優れてい
ることがわかる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に粒子径1μm以下の磁
    性粉を結合剤に分散して塗布・乾燥してなる磁性層を持
    つ磁気記録媒体において、該結合剤が、アクリル樹脂成
    分と非アクリル樹脂成分とのブロック共重合体で、かつ
    共重合体の分子中に極性基を0.0001〜0.5ミリモ
    ル/g含有するものであることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 該非アクリル樹脂成分がウレタン樹脂、
    ウレア樹脂の少なくとも一つであることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 該共重合体がアクリル樹脂成分を10重
    量%以上含有することを特徴とする請求項1または2記
    載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 該共重合体のアクリルセグメントの数平
    均分子量が、1000〜10000であることを特徴と
    する請求項1、2または3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 該極性基が−SO3M基、−OSO3M
    基、−COOM基、−PO(OM)2基または第三級ア
    ミノ基(但しMは水素、アルカリ金属または炭化水素
    基)のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1、2、3または4記載の磁気記録媒体
  6. 【請求項6】 該粒子径が0.5μm以下であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の磁気記
    録媒体。
JP17872591A 1991-06-24 1991-06-24 磁気記録媒体 Withdrawn JPH052732A (ja)

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JP (1) JPH052732A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102626846A (zh) * 2012-03-30 2012-08-08 常州市武进广宇花辊机械有限公司 超细磨砂辊的制作工艺
US10669095B2 (en) 2003-10-23 2020-06-02 Sangenic International Ltd. Waste storage device

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