JPH05272593A - 工業用ベルト - Google Patents
工業用ベルトInfo
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- JPH05272593A JPH05272593A JP7404592A JP7404592A JPH05272593A JP H05272593 A JPH05272593 A JP H05272593A JP 7404592 A JP7404592 A JP 7404592A JP 7404592 A JP7404592 A JP 7404592A JP H05272593 A JPH05272593 A JP H05272593A
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- cloth
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 外被布の構造を改良して、外被布の剥離し難
いベルトを簡単に製造するとともに、ベルトの延命化や
走行安定性の向上を図る。 【構成】 ベルト本体1全体をベルト長手方向に平行な
継目を有しない筒状の外被布3で覆う。
いベルトを簡単に製造するとともに、ベルトの延命化や
走行安定性の向上を図る。 【構成】 ベルト本体1全体をベルト長手方向に平行な
継目を有しない筒状の外被布3で覆う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業用ベルトの改良に
関し、特にベルト本体全面が外被布で覆われたいわゆる
ラップドベルトに関する。
関し、特にベルト本体全面が外被布で覆われたいわゆる
ラップドベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、工業用ベルトとして、例えば
図7に示すように、複数本の心線a,a,…が埋設され
たゴム製のベルト本体b全面を外被布cで覆ったラップ
ドVベルトdが一般によく知られている。また、図8に
示すように、複数本の心線a,a,…が埋設されたゴム
製のベルト本体bの上下面を外被布としての上布eと下
布fとで覆った平ベルトgも一般によく知られている。
同様に、歯付ベルトもベルト本体の上下面を上布と下布
とで覆って構成されている(図示せず)。
図7に示すように、複数本の心線a,a,…が埋設され
たゴム製のベルト本体b全面を外被布cで覆ったラップ
ドVベルトdが一般によく知られている。また、図8に
示すように、複数本の心線a,a,…が埋設されたゴム
製のベルト本体bの上下面を外被布としての上布eと下
布fとで覆った平ベルトgも一般によく知られている。
同様に、歯付ベルトもベルト本体の上下面を上布と下布
とで覆って構成されている(図示せず)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のラッ
プドVベルトdでは、ベルト本体bがテープ状の外被布
cで包み込むようにして覆われていることから、外被布
cの継目(ラップ代)hがベルト長手方向に平行に形成
され、特に高負荷や高速での走行時に外被布cに強い張
力がかかって外被布cが上記継目hから剥離するという
問題があった。
プドVベルトdでは、ベルト本体bがテープ状の外被布
cで包み込むようにして覆われていることから、外被布
cの継目(ラップ代)hがベルト長手方向に平行に形成
され、特に高負荷や高速での走行時に外被布cに強い張
力がかかって外被布cが上記継目hから剥離するという
問題があった。
【0004】また、外被布cを製造する外被布製造工
程、外被布cに接着剤を塗布する接着剤塗布工程、外被
布cをテープ状にカットするカット工程及び外被布cを
ベルト本体bに貼り合わせるラップ工程等を必要とする
ため、製造工数が増大して製造に手間取るという問題も
あった。
程、外被布cに接着剤を塗布する接着剤塗布工程、外被
布cをテープ状にカットするカット工程及び外被布cを
ベルト本体bに貼り合わせるラップ工程等を必要とする
ため、製造工数が増大して製造に手間取るという問題も
あった。
【0005】一方、上記の平ベルトgや歯付ベルトで
は、ベルト本体bの上下面が上布eと下布fとで覆われ
ているだけで、両側面は外被布で覆われていないことか
ら、ベルト走行中にプーリのフランジ部分とベルト側面
とが接触してベルト本体(マトリックスゴム)bが摩耗
し、ベルトが早期に破壊するという問題があった。
は、ベルト本体bの上下面が上布eと下布fとで覆われ
ているだけで、両側面は外被布で覆われていないことか
ら、ベルト走行中にプーリのフランジ部分とベルト側面
とが接触してベルト本体(マトリックスゴム)bが摩耗
し、ベルトが早期に破壊するという問題があった。
【0006】また、ベルト側面に外被布(上布e、下布
f)のカット面があるため、走行安定性が悪くなった
り、異音発生の原因となる。さらに、ベルト側面に心線
aのカット部が露出しているため、アラミド繊維からな
るコードを心線aとして用いた場合には、カット部にフ
レイを生じ、さらには側面の形状が悪くなる。また、ス
チール製のコードを心線aとして用いた場合には、カッ
ト部がプーリに接触してプーリを傷付ける。
f)のカット面があるため、走行安定性が悪くなった
り、異音発生の原因となる。さらに、ベルト側面に心線
aのカット部が露出しているため、アラミド繊維からな
るコードを心線aとして用いた場合には、カット部にフ
レイを生じ、さらには側面の形状が悪くなる。また、ス
チール製のコードを心線aとして用いた場合には、カッ
ト部がプーリに接触してプーリを傷付ける。
【0007】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、外被布の構造を改良
することにより、ベルト長手方向に平行な継目をなく
し、外被布の剥離し難いベルトを簡単に製作するととも
に、ベルト本体全体を外被布で覆って保護し、ベルトの
延命化や走行安定性の向上を図らんとすることにある。
であり、その目的とするところは、外被布の構造を改良
することにより、ベルト長手方向に平行な継目をなく
し、外被布の剥離し難いベルトを簡単に製作するととも
に、ベルト本体全体を外被布で覆って保護し、ベルトの
延命化や走行安定性の向上を図らんとすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の解決手段は、ベルト本体全体をベルト長手
方向に平行な継目を有しない筒状の外被布で覆うように
構成したことである。
め、本発明の解決手段は、ベルト本体全体をベルト長手
方向に平行な継目を有しない筒状の外被布で覆うように
構成したことである。
【0009】
【作用】上記の構成により、本発明では、ベルト本体全
体がベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状の外被
布で覆われていることから、高負荷や高速での走行時に
外被布に張力が強くかかっても、剥離の起点となる継目
がないので外被布の剥離がほとんどなくなる。また、ベ
ルト本体に対し直接糸を編組する等して、外被布を製造
すると同時にベルト本体を外被布で覆うようにすれば、
製造工数が減少してベルトが簡単に製造される。
体がベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状の外被
布で覆われていることから、高負荷や高速での走行時に
外被布に張力が強くかかっても、剥離の起点となる継目
がないので外被布の剥離がほとんどなくなる。また、ベ
ルト本体に対し直接糸を編組する等して、外被布を製造
すると同時にベルト本体を外被布で覆うようにすれば、
製造工数が減少してベルトが簡単に製造される。
【0010】さらに、ベルト走行中にプーリのフランジ
部分とベルト側面とが接触しても、ベルト側面のマトリ
ックスゴムは外被布で保護されてほとんど摩耗せず、ベ
ルトの延命化が図られる。また、ベルト側面に外被布の
カット面がなく、ベルトエッヂ部が滑らかになって走行
安定性が良くなり、かつ異音もなくなる。さらに、心線
のカット部がベルト側面に露出しないため、アラミド繊
維からなるコードを心線として用いた場合におけるカッ
ト部へのフレイがなくなり、さらには側面形状の悪化が
防止される。また、スチール製のコードを心線として用
いた場合でも、カット部がプーリに直接に接触せずプー
リを傷付けることがない。
部分とベルト側面とが接触しても、ベルト側面のマトリ
ックスゴムは外被布で保護されてほとんど摩耗せず、ベ
ルトの延命化が図られる。また、ベルト側面に外被布の
カット面がなく、ベルトエッヂ部が滑らかになって走行
安定性が良くなり、かつ異音もなくなる。さらに、心線
のカット部がベルト側面に露出しないため、アラミド繊
維からなるコードを心線として用いた場合におけるカッ
ト部へのフレイがなくなり、さらには側面形状の悪化が
防止される。また、スチール製のコードを心線として用
いた場合でも、カット部がプーリに直接に接触せずプー
リを傷付けることがない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0012】(第1実施例)図1および図2は本発明の
第1実施例に係る工業用ベルトとしてのラップドVベル
トAを示す。該ラップドVベルトAは、圧縮部ゴム層か
らなるベルト本体1と、該ベルト本体1に埋設された繊
維からなる複数本の心線2,2,…と、上記ベルト本体
1全体を覆う2プライの外被布3とからなり、これらベ
ルト本体1、各心線2および外被布3の三者は一体的に
接着されている。
第1実施例に係る工業用ベルトとしてのラップドVベル
トAを示す。該ラップドVベルトAは、圧縮部ゴム層か
らなるベルト本体1と、該ベルト本体1に埋設された繊
維からなる複数本の心線2,2,…と、上記ベルト本体
1全体を覆う2プライの外被布3とからなり、これらベ
ルト本体1、各心線2および外被布3の三者は一体的に
接着されている。
【0013】そして、本発明の特徴として、上記外被布
3は、ベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状に形
成され、この外被布3で上記ベルト本体1全体が覆われ
ている。
3は、ベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状に形
成され、この外被布3で上記ベルト本体1全体が覆われ
ている。
【0014】上述の如き外被布3としては、円筒状組
物、袋織物および袋編物等の円筒状構造体が用いられ
る。
物、袋織物および袋編物等の円筒状構造体が用いられ
る。
【0015】また、上記外被布3を構成する糸の種類と
しては、無機繊維、有機繊維および金属繊維等が用いら
れ、さらには、長繊維および短繊維からなる紡績糸ある
いはこれらの混合糸等何れであってもよく、要はラップ
ドVベルトAの要求性能に応じて適宜選定すればよい。
また、糸の太さおよび組織等も、ラップドVベルトAの
要求性能に応じて適宜選定すればよい。なお、この糸に
は予め接着剤処理を行っておくのが望ましい。
しては、無機繊維、有機繊維および金属繊維等が用いら
れ、さらには、長繊維および短繊維からなる紡績糸ある
いはこれらの混合糸等何れであってもよく、要はラップ
ドVベルトAの要求性能に応じて適宜選定すればよい。
また、糸の太さおよび組織等も、ラップドVベルトAの
要求性能に応じて適宜選定すればよい。なお、この糸に
は予め接着剤処理を行っておくのが望ましい。
【0016】次に、上述の如く構成された本実施例Iに
係るラップドVベルトAの走行テストを比較例Iと共に
下記の条件および要領にて行い、その結果を下記の表1
に示す。なお、この表1の数値は、本実施例Iおよび比
較例I共に外被布3の最大剥離深さを示し、単位はcm
である。
係るラップドVベルトAの走行テストを比較例Iと共に
下記の条件および要領にて行い、その結果を下記の表1
に示す。なお、この表1の数値は、本実施例Iおよび比
較例I共に外被布3の最大剥離深さを示し、単位はcm
である。
【0017】[本実施例IのラップドVベルトAの構
成]ベルト本体1としてのCRマトリックスゴム中に接
着剤処理を行った心線2としてのPETコード(100
0de/2×3)をスパイラルに埋設し、これをVベル
ト形状にカットしてゴム−コード複合体を得た。このゴ
ム−コード複合体の周りを、予め接着剤処理を行った綿
撚糸(840de/1)を用いて製紐機で2プライ編組
した。この綿撚糸の打込み本数はベルト幅方向に対して
70本/5cmとした。また、編組角度はベルト長手方
向に対して45°とした。これにより、ベルト本体1全
体がベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状の外被
布3で覆われたラップドVベルトAを得た。
成]ベルト本体1としてのCRマトリックスゴム中に接
着剤処理を行った心線2としてのPETコード(100
0de/2×3)をスパイラルに埋設し、これをVベル
ト形状にカットしてゴム−コード複合体を得た。このゴ
ム−コード複合体の周りを、予め接着剤処理を行った綿
撚糸(840de/1)を用いて製紐機で2プライ編組
した。この綿撚糸の打込み本数はベルト幅方向に対して
70本/5cmとした。また、編組角度はベルト長手方
向に対して45°とした。これにより、ベルト本体1全
体がベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状の外被
布3で覆われたラップドVベルトAを得た。
【0018】[比較例IのラップドVベルトAの構成]
外被布としてテープ状織物を用い、図7に示すように、
このテープ状織物でベルト本体全体を包み込むようにし
て覆ったほかは、本実施例Iの場合と同様に構成した。
なお、テープ状織物は綿撚糸(840de/1)を用
い、綿撚糸の打込み本数はベルト幅方向に対して70本
/5cm、打込み角度は45°とした。
外被布としてテープ状織物を用い、図7に示すように、
このテープ状織物でベルト本体全体を包み込むようにし
て覆ったほかは、本実施例Iの場合と同様に構成した。
なお、テープ状織物は綿撚糸(840de/1)を用
い、綿撚糸の打込み本数はベルト幅方向に対して70本
/5cm、打込み角度は45°とした。
【0019】[走行テストの要領]図5に示すように、
ベルト走行試験機4の2つのプーリ5,5にラップドV
ベルトAを掛け渡し、ウエイト6にてラップドVベルト
Aに所定のテンションをかけた状態で走行させた。
ベルト走行試験機4の2つのプーリ5,5にラップドV
ベルトAを掛け渡し、ウエイト6にてラップドVベルト
Aに所定のテンションをかけた状態で走行させた。
【0020】
【表1】 この表1のテストデータから明らかなように、本実施例
Iでは、ベルト走行時間が500hrs までは外被布3の
剥離深さは零であり、ベルト走行時間が1000hrs に
なって初めて外被布3の剥離深さが0.1cmとなった
が、比較例Iでは、ベルト走行時間が100hrs で既に
外被布の剥離深さが0.2cmとなり、ベルト走行時間
が1000hrs では外被布の剥離深さが0.8cmとな
り、本実施例Iの方がはるかに優れていることが判る。
Iでは、ベルト走行時間が500hrs までは外被布3の
剥離深さは零であり、ベルト走行時間が1000hrs に
なって初めて外被布3の剥離深さが0.1cmとなった
が、比較例Iでは、ベルト走行時間が100hrs で既に
外被布の剥離深さが0.2cmとなり、ベルト走行時間
が1000hrs では外被布の剥離深さが0.8cmとな
り、本実施例Iの方がはるかに優れていることが判る。
【0021】このように、本実施例Iでは外被布3の剥
離が起こり難いのは、ベルト本体1全体が筒状の外被布
3で覆われて剥離の起点となるベルト長手方向に平行な
継目がないことによるものである。これに対し、比較例
Iではベルト長手方向に平行な継目があり、この継目か
ら剥離が起こり易くなるのである。
離が起こり難いのは、ベルト本体1全体が筒状の外被布
3で覆われて剥離の起点となるベルト長手方向に平行な
継目がないことによるものである。これに対し、比較例
Iではベルト長手方向に平行な継目があり、この継目か
ら剥離が起こり易くなるのである。
【0022】また、本実施例Iでは、ベルト本体1に対
し直接糸を編組したので、外被布3の製造と同時にベル
ト本体1を外被布3で覆うことができ、製造工数を減少
できてラップドVベルトAを簡単に製造することができ
る。
し直接糸を編組したので、外被布3の製造と同時にベル
ト本体1を外被布3で覆うことができ、製造工数を減少
できてラップドVベルトAを簡単に製造することができ
る。
【0023】さらに、本実施例Iでは、図3に示す如き
外被布の継目(ラップ代)がベルト底面になくなるの
で、ベルト底面の剛性が低減して屈曲性が向上し、ベル
トの底割れが起こり難くなるというメリットを有する。
外被布の継目(ラップ代)がベルト底面になくなるの
で、ベルト底面の剛性が低減して屈曲性が向上し、ベル
トの底割れが起こり難くなるというメリットを有する。
【0024】(第2実施例)図3および図4は本発明の
第2実施例に係る工業用ベルトとしての平ベルトA´を
示す。該平ベルトA´は、伸張部ゴム層からなるベルト
本体1と、該ベルト本体1に埋設された繊維からなる複
数本の心線2,2,…と、上記ベルト本体1全体を覆う
2プライの外被布3とからなり、これらベルト本体1、
各心線2および外被布3の三者は一体的に接着されてい
る。
第2実施例に係る工業用ベルトとしての平ベルトA´を
示す。該平ベルトA´は、伸張部ゴム層からなるベルト
本体1と、該ベルト本体1に埋設された繊維からなる複
数本の心線2,2,…と、上記ベルト本体1全体を覆う
2プライの外被布3とからなり、これらベルト本体1、
各心線2および外被布3の三者は一体的に接着されてい
る。
【0025】そして、本発明の特徴として、上記外被布
3は、ベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状に形
成され、この外被布3で上記ベルト本体1全体が覆われ
ている。
3は、ベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状に形
成され、この外被布3で上記ベルト本体1全体が覆われ
ている。
【0026】なお、外被布3の構造および外被布3を構
成する糸の種類等は第1実施例と同一である。
成する糸の種類等は第1実施例と同一である。
【0027】次に、本実施例IIに係る平ベルトA´の走
行テストを比較例IIと共に下記の条件および要領にて行
い、その結果を下記の表2に示す。なお、この表1の数
値は、本実施例IIおよび比較例II共にベルト幅の摩耗に
よる減少量を示し、単位はmmである。
行テストを比較例IIと共に下記の条件および要領にて行
い、その結果を下記の表2に示す。なお、この表1の数
値は、本実施例IIおよび比較例II共にベルト幅の摩耗に
よる減少量を示し、単位はmmである。
【0028】[本実施例IIの平ベルトA´の構成]ベル
ト本体1としてのH−NBRマトリックスゴム中に接着
剤処理を行った心線2としてのKevlar29(Du
Pont製:1500de/1×3)のコードをスパイ
ラルに埋設し、これを平ベルト形状にカットしてゴム−
コード複合体を得た。このゴム−コード複合体の周り
を、予め接着剤処理を行ったユーネックス糸(帝人製:
1000de/1)を用いて製紐機で2プライ編組し
た。このユーネックス糸の打込み本数はベルト幅方向に
対して8本/10mmとした。また、編組角度はベルト
長手方向に対して45°とした。これにより、ベルト本
体1全体がベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状
の外被布3で覆われ、かつベルト幅19mm、ベルト高
さ3mmの平ベルトA´を得た。
ト本体1としてのH−NBRマトリックスゴム中に接着
剤処理を行った心線2としてのKevlar29(Du
Pont製:1500de/1×3)のコードをスパイ
ラルに埋設し、これを平ベルト形状にカットしてゴム−
コード複合体を得た。このゴム−コード複合体の周り
を、予め接着剤処理を行ったユーネックス糸(帝人製:
1000de/1)を用いて製紐機で2プライ編組し
た。このユーネックス糸の打込み本数はベルト幅方向に
対して8本/10mmとした。また、編組角度はベルト
長手方向に対して45°とした。これにより、ベルト本
体1全体がベルト長手方向に平行な継目を有しない筒状
の外被布3で覆われ、かつベルト幅19mm、ベルト高
さ3mmの平ベルトA´を得た。
【0029】[比較例IIの平ベルトA´の構成]外被布
として帆布状のものを用い、図8に示すように、この帆
布状外被布(上布と下布)でベルト本体の上下面を挟み
込むようにして覆ったほかは、本実施例IIの場合と同様
に構成した。なお、帆布状外被布として、45°バイア
ス加工のユーネックス帆布(ベルト幅方向に1000d
e/1の糸が8本/10mm入ることになる)を用い
た。
として帆布状のものを用い、図8に示すように、この帆
布状外被布(上布と下布)でベルト本体の上下面を挟み
込むようにして覆ったほかは、本実施例IIの場合と同様
に構成した。なお、帆布状外被布として、45°バイア
ス加工のユーネックス帆布(ベルト幅方向に1000d
e/1の糸が8本/10mm入ることになる)を用い
た。
【0030】[走行テストの要領]第6図に示すよう
に、4つの大プーリ7,7,…と、相隣る大プーリ7,
7間に配置された4つの小プーリ8,8,…とを備えた
ベルト走行試験機9を用意し、平ベルトA´を該ベルト
走行試験機9の大小のプーリ7,8に掛け渡してウエイ
ト10にて平ベルトA´に所定のテンションをかけた状
態で走行させた。この際、小プーリ8,8,…のうちの
1個の小プーリ8の軸を所定角度だけ傾け、ミスアライ
メント状態で走行させた。したがって、平ベルトA´は
大プーリ7のフランジ部分に接触しながら走行すること
となる。
に、4つの大プーリ7,7,…と、相隣る大プーリ7,
7間に配置された4つの小プーリ8,8,…とを備えた
ベルト走行試験機9を用意し、平ベルトA´を該ベルト
走行試験機9の大小のプーリ7,8に掛け渡してウエイ
ト10にて平ベルトA´に所定のテンションをかけた状
態で走行させた。この際、小プーリ8,8,…のうちの
1個の小プーリ8の軸を所定角度だけ傾け、ミスアライ
メント状態で走行させた。したがって、平ベルトA´は
大プーリ7のフランジ部分に接触しながら走行すること
となる。
【0031】
【表2】 この表2のテストデータから明らかなように、本実施例
IIでは、ベルト走行時間が240hrs に至ってもベルト
幅の減少量は0.5mmで十分に走行を続けられるのに
対し、比較例IIでは、摩耗が激しく、ベルト走行時間が
100hrs で既にベルト幅の減少量が1.5mmに達
し、ベルト走行時間が240hrs では切断してしまっ
た。これは、ベルト幅の大幅な減少によって心線2がホ
ップアウトし、遂には、このホップアウトした心線2が
プーリに巻き付いてベルト切断に至ったものである。し
たがって、本実施例IIの方が比較例IIよりもはるかに優
れていることが判る。
IIでは、ベルト走行時間が240hrs に至ってもベルト
幅の減少量は0.5mmで十分に走行を続けられるのに
対し、比較例IIでは、摩耗が激しく、ベルト走行時間が
100hrs で既にベルト幅の減少量が1.5mmに達
し、ベルト走行時間が240hrs では切断してしまっ
た。これは、ベルト幅の大幅な減少によって心線2がホ
ップアウトし、遂には、このホップアウトした心線2が
プーリに巻き付いてベルト切断に至ったものである。し
たがって、本実施例IIの方が比較例IIよりもはるかに優
れていることが判る。
【0032】このように、本実施例IIではベルト幅方向
の摩耗が非常に少なく延命化を図ることができるのは、
ベルト本体1全体が筒状の外被布3で覆われていること
によるものである。これに対し、比較例IIではベルト側
面に外被布3がなく、ベルト本体1が露出しているの
で、ベルト幅の減少量が極めて多く短命である。
の摩耗が非常に少なく延命化を図ることができるのは、
ベルト本体1全体が筒状の外被布3で覆われていること
によるものである。これに対し、比較例IIではベルト側
面に外被布3がなく、ベルト本体1が露出しているの
で、ベルト幅の減少量が極めて多く短命である。
【0033】また、本実施例IIでは、ベルト本体1全体
を外被布3で覆っているので、ベルト側面に外被布3の
カット面がなく、ベルトエッヂ部が滑らかになって走行
安定性を良くすることができ、かつ異音もなくすことが
できる。
を外被布3で覆っているので、ベルト側面に外被布3の
カット面がなく、ベルトエッヂ部が滑らかになって走行
安定性を良くすることができ、かつ異音もなくすことが
できる。
【0034】さらに、本実施例IIでは、心線2のカット
部がベルト側面に露出しないので、アラミド繊維からな
るコードを心線2として用いた場合でも、カット部にフ
レイが生ずることがなく、さらには側面形状が悪化する
こともない。また、スチール製のコードを心線2として
用いた場合でも、カット部のプーリへの直接接触を避け
得てプーリの損傷を防止することができる。
部がベルト側面に露出しないので、アラミド繊維からな
るコードを心線2として用いた場合でも、カット部にフ
レイが生ずることがなく、さらには側面形状が悪化する
こともない。また、スチール製のコードを心線2として
用いた場合でも、カット部のプーリへの直接接触を避け
得てプーリの損傷を防止することができる。
【0035】なお、上記各実施例においては、外被布3
の構成如何によってはベルト引張り抗張力やベルト耐側
圧性を向上させることも可能である。
の構成如何によってはベルト引張り抗張力やベルト耐側
圧性を向上させることも可能である。
【0036】まず、ベルト引張り抗張力を向上させる一
例を挙げると、外被布3を組物で構成し、その組物の編
組角度を小さくする。さらに、組物の打込み糸条の数を
多くし、この打込み糸条を高強力糸にする。これによ
り、多本数の高強力糸がベルト長手方向に平行に近い角
度で並び、ベルト引張り抗張力が向上する。
例を挙げると、外被布3を組物で構成し、その組物の編
組角度を小さくする。さらに、組物の打込み糸条の数を
多くし、この打込み糸条を高強力糸にする。これによ
り、多本数の高強力糸がベルト長手方向に平行に近い角
度で並び、ベルト引張り抗張力が向上する。
【0037】次に、ベルト耐側圧性を向上させる一例を
挙げると、外被布3を組物で構成し、その組物の編組角
度をベルト引張り抗張力を向上させるやり方とは逆に大
きくする。さらに、組物の打込み糸条をベルト長手方向
と直交する方向に平行に並べる。なお、打込み糸条の本
数は多い方が良く、また、高弾性率の糸を用いるのが好
ましい。
挙げると、外被布3を組物で構成し、その組物の編組角
度をベルト引張り抗張力を向上させるやり方とは逆に大
きくする。さらに、組物の打込み糸条をベルト長手方向
と直交する方向に平行に並べる。なお、打込み糸条の本
数は多い方が良く、また、高弾性率の糸を用いるのが好
ましい。
【0038】なお、上記の場合において、組物、編物お
よび織物の組成は、様々な組合せから各用途に最適なも
のを選択すればよいし、また、組紐の編組角度は各プラ
イ数ごとに変えることができるので、例えば1プライ目
と2プライ目の構成を継目なしに成形することによって
ベルト引張り抗張力やベルト耐側圧性のような複数の要
求品質に対応することが可能である。
よび織物の組成は、様々な組合せから各用途に最適なも
のを選択すればよいし、また、組紐の編組角度は各プラ
イ数ごとに変えることができるので、例えば1プライ目
と2プライ目の構成を継目なしに成形することによって
ベルト引張り抗張力やベルト耐側圧性のような複数の要
求品質に対応することが可能である。
【0039】さらに、外被布3を2プライ以上で構成す
る場合、図2および図4に示すように、外被布3のベル
ト幅方向のラップ代は最内部と最外部とに1箇所ずつし
かないよう構成するのが好ましく、上記各実施例ではそ
のように構成したが、例えば1プライ目と2プライ目と
で繊維種を変える場合には、2つの筒状外被布3が必要
になるため、上記ラップ代が4箇所になる。
る場合、図2および図4に示すように、外被布3のベル
ト幅方向のラップ代は最内部と最外部とに1箇所ずつし
かないよう構成するのが好ましく、上記各実施例ではそ
のように構成したが、例えば1プライ目と2プライ目と
で繊維種を変える場合には、2つの筒状外被布3が必要
になるため、上記ラップ代が4箇所になる。
【0040】また、上記各実施例では、ベルト本体1に
心線2を埋設したが、ベルト引張り抗張力やベルト耐側
圧性を外被布3で十分に向上させることができる場合に
は、心線2を埋設しないようにしてもよい。さらに、ベ
ルト本体1に短繊維等を混入してベルト本体1を補強し
てもよい。
心線2を埋設したが、ベルト引張り抗張力やベルト耐側
圧性を外被布3で十分に向上させることができる場合に
は、心線2を埋設しないようにしてもよい。さらに、ベ
ルト本体1に短繊維等を混入してベルト本体1を補強し
てもよい。
【0041】さらに、上記各実施例では、工業用ベルト
がVベルトや平ベルトである場合を示したが、丸ベルト
や歯付ベルト等にも適用可能である。
がVベルトや平ベルトである場合を示したが、丸ベルト
や歯付ベルト等にも適用可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベルト本体全体をベルト長手方向に平行な継目を有しな
い筒状の外被布で覆ったので、走行時の外被布の剥離を
ほとんどなくすことができる。また、ベルト本体に対し
直接糸を編組する等することによって製造工数を減少さ
せ、ベルトを簡単に製造することができる。さらに、ベ
ルト側面のプーリとの接触による摩耗を外被布で保護し
て極めて少なくし、ベルトの延命化を図ることができ
る。また、ベルト側面に外被布のカット面をなくし、走
行安定性を良くするとともに異音をなくすることができ
る。さらに、心線のカット部のベルト側面への露出をな
くし、アラミド繊維からなるコードを心線として用いた
場合におけるカット部へのフレイをなくし、さらには側
面形状の悪化を防止することができる。また、スチール
製のコードを心線として用いた場合におけるカット部の
プーリとの直接接触を避け、プーリの損傷を防止するこ
とができる。
ベルト本体全体をベルト長手方向に平行な継目を有しな
い筒状の外被布で覆ったので、走行時の外被布の剥離を
ほとんどなくすことができる。また、ベルト本体に対し
直接糸を編組する等することによって製造工数を減少さ
せ、ベルトを簡単に製造することができる。さらに、ベ
ルト側面のプーリとの接触による摩耗を外被布で保護し
て極めて少なくし、ベルトの延命化を図ることができ
る。また、ベルト側面に外被布のカット面をなくし、走
行安定性を良くするとともに異音をなくすることができ
る。さらに、心線のカット部のベルト側面への露出をな
くし、アラミド繊維からなるコードを心線として用いた
場合におけるカット部へのフレイをなくし、さらには側
面形状の悪化を防止することができる。また、スチール
製のコードを心線として用いた場合におけるカット部の
プーリとの直接接触を避け、プーリの損傷を防止するこ
とができる。
【図1】ラップドVベルトの斜視図である。
【図2】エンドレス状態のラップドVベルトの縦断面図
である。
である。
【図3】平ベルトの斜視図である。
【図4】エンドレス状態の平ベルトの縦断面図である。
【図5】ベルト走行試験機の概略構成図である。
【図6】別のベルト走行試験機の概略構成図である。
【図7】従来例のラップドVベルトの斜視図である。
【図8】従来例の平ベルトの斜視図である。
1…ベルト本体 3…外被布 A…ラップドVベルト(工業用ベルト) A´…平ベルト(工業用ベルト)
Claims (1)
- 【請求項1】 ベルト本体全体がベルト長手方向に平行
な継目を有しない筒状の外被布で覆われてなることを特
徴とする工業用ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7404592A JPH05272593A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 工業用ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7404592A JPH05272593A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 工業用ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05272593A true JPH05272593A (ja) | 1993-10-19 |
Family
ID=13535816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7404592A Withdrawn JPH05272593A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 工業用ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05272593A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5616090A (en) * | 1995-09-18 | 1997-04-01 | Mcgee, Jr.; James N. | Bias cut, knit V-belt cover |
WO2001034999A1 (en) * | 1999-11-12 | 2001-05-17 | The Gates Corporation | Power transmission belt with tubular knit overcord |
US7828397B2 (en) * | 2005-02-25 | 2010-11-09 | Camoplast Korea Ltd. | Tension member structure of crawler |
WO2011115444A3 (en) * | 2010-03-19 | 2012-01-12 | Roulunds Rubber Korea Ltd. | Environment-friendly and electrically conductive belt and method of preparing the same |
KR20150135342A (ko) | 2013-03-21 | 2015-12-02 | 반도 카가쿠 가부시키가이샤 | 마찰 전동 벨트 |
CN107061626A (zh) * | 2017-02-24 | 2017-08-18 | 梅法洪 | 一种传动带 |
JP2021073648A (ja) * | 2021-01-14 | 2021-05-13 | ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 | 通電ベルト |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP7404592A patent/JPH05272593A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5616090A (en) * | 1995-09-18 | 1997-04-01 | Mcgee, Jr.; James N. | Bias cut, knit V-belt cover |
WO2001034999A1 (en) * | 1999-11-12 | 2001-05-17 | The Gates Corporation | Power transmission belt with tubular knit overcord |
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WO2011115444A3 (en) * | 2010-03-19 | 2012-01-12 | Roulunds Rubber Korea Ltd. | Environment-friendly and electrically conductive belt and method of preparing the same |
KR20150135342A (ko) | 2013-03-21 | 2015-12-02 | 반도 카가쿠 가부시키가이샤 | 마찰 전동 벨트 |
US9927002B2 (en) | 2013-03-21 | 2018-03-27 | Bando Chemical Industries, Ltd. | Friction transmission belt |
CN107061626A (zh) * | 2017-02-24 | 2017-08-18 | 梅法洪 | 一种传动带 |
JP2021073648A (ja) * | 2021-01-14 | 2021-05-13 | ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 | 通電ベルト |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990608 |