JPH05271881A - 永久磁石材料 - Google Patents

永久磁石材料

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JPH05271881A
JPH05271881A JP4073778A JP7377892A JPH05271881A JP H05271881 A JPH05271881 A JP H05271881A JP 4073778 A JP4073778 A JP 4073778A JP 7377892 A JP7377892 A JP 7377892A JP H05271881 A JPH05271881 A JP H05271881A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 希土類−鉄系永久磁石材料の保磁力をよりい
っそう高め、さらに高性能化した永久磁石材料を提供す
る。 【構成】 一般式: Ra Tb Mc Cud Xe (式中、 Rは
Yを含む希土類元素から選ばれた少なくとも 1種の元素
を、 TはFeまたはFe-Co を、 MはTi、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Cr、MoおよびW から選ばれた少なくとも 1種の元素
を、 XはB 、C 、N 、H 、P およびSiから選ばれた少な
くとも 1種の元素を、a 、b 、c 、d およびe は a+b+c
+d+e=100、 5≦a ≦20、 1≦c ≦20、 0.1≦d ≦10、 0
≦e ≦ 8をそれぞれ満足する数(原子%)を示す)で実質
的に表される合金組成を有する永久磁石材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石材料に係り、
特に希土類−鉄系の永久磁石材料に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石材料としては、残留磁化および
保磁力が大きく、かつ磁気的安定性が高いことが必要で
ある。このような条件を満足する材料としては、従来か
ら RCo5 型(RはSe、Ce等の希土類元素を示す。)や R2
(Co,Cu,Fe,M)17型(MはTi、Zr、Hf等)等の希土類−コバ
ルト系永久磁石材料が知られており、電子機器や回転機
器等に用いられている。しかし、これら希土類−コバル
ト系永久磁石材料は、必須元素であるコバルトが高価で
あることに加えて、永久磁石としての特性を示す最大エ
ネルギ―積(BH)max も30MGOe程度においてほぼ限界に達
している。
【0003】一方、近年、新しい合金系の永久磁石材料
として、希土類元素と鉄とを必須成分とし、さらにB 、
S 、C 等やTi、Zr、V 等を添加した希土類−鉄系の金属
間化合物、例えばSm-Fe-Ti系合金等が報告されており、
上記希土類−コバルト系に比べて安価であり、また飽和
磁化や保磁力の優れた永久磁石材料として注目されてい
る。この希土類−鉄系の永久磁石では、液体急冷法等に
よって作製した非晶質体に適当な焼鈍を施して、高い保
磁力を得ることが行われている。例えば、SmFe5 のFeの
一部をTiで置換した上記Sm-Fe-Ti系合金において、上記
液体急冷法を利用することにより、この系の保磁力が3.
2kOeに達するというような報告がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Sm-F
e-Ti系に代表される希土類−鉄系永久磁石材料は、希土
類−コバルト系に比べて安価で、また高い保磁力が得ら
れる等の特性を有している。しかしながら、最近の電気
・電子機器の小型化、高性能化の要求に伴い、これら電
気・電子機器の重要な一構成材料である永久磁石材料に
おいても益々高性能化が求められている。このようなこ
とから、上記希土類−鉄系永久磁石材料においても、さ
らに保磁力を高めることが強く望まれている。
【0005】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、希土類−鉄系永久磁石材料の保磁力
をよりいっそう高め、さらに高性能化された永久磁石材
料を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用】すなわち、本発明
の永久磁石材料は、 一般式: Ra Tb Mc Cud Xe ………(1) (式中、 Rは Yを含む希土類元素から選ばれた少なくと
も 1種の元素を、 TはFeまたはFe-Co を、 MはTi、Zr、
Hf、V 、Nb、Ta、Cr、MoおよびW から選ばれた少なくと
も 1種の元素を、 XはB 、C 、N 、H 、P およびSiから
選ばれた少なくとも 1種の元素を、a 、b 、c 、d およ
びe は a+b+c+d+e=100、 5≦a ≦20、 1≦c ≦20、 0.1
≦d ≦10、 0≦e ≦ 8をそれぞれ満足する数(原子%)を
示す)で実質的に表される合金組成を有することを特徴
とするものである。
【0007】ここで、上記 (1)式における Rと Tは、基
本相であるRT5 相を形成するものであり、上記 Rは Yを
含む希土類元素、例えば Y、Sm、Nd、Pr、Ce、Gd、Tb、
Dy、Ho等から選ばれた少なくとも 1種の元素である。本
発明の合金系において、 Rの量が 5原子% 未満では充分
な保磁力が得られず、また20原子% を超えると飽和磁化
が低下し、最大エネルギ―積の低下を招くため、 Rの添
加量は 5〜20原子% の範囲とする。
【0008】また、 Tは基本的にはFeであるが、一部を
Coで置換することも可能である。このようにFeの一部を
Coで置換することによって、キュリ―温度の上昇が図れ
永久磁石の特性改善につながる。ただし、 50%以上置換
すると保磁力の低下を招く恐れがあるため、FeのCoによ
る置換量は 50%未満とすることが好ましい。なお、 Tの
添加量は全合金組成分中の他の構成成分を除いた残部と
する。
【0009】Mは保磁力の改善に寄与するものであり、
特にTiは保磁力の改善に加えて、基本相の安定化にも寄
与することから有効な元素である。すなわち、上記RT5
は安定相ではないが、安定化元素としてTiを添加するこ
とによって、安定な(RT5 +Ti)相が形成されて磁気特
性の安定化が図れる。また、他の元素(Zr、Hf、V 、N
b、Ta、Cr、MoおよびW )の内で保磁力の改善効果の点
からは、特にNb、Mo、Hfが好ましい。この Mは上記元素
群から任意に選択することが可能であるが、Tiの単独、
あるいはTiと他の元素との組合せが好ましい。
【0010】この Mの添加量は、 1〜20原子% の範囲で
ある。 Mの添加量が 1原子% 未満では合金自身としての
充分な保磁力が得られず、20重量%を超えると飽和磁化
の低下や基本相以外の相の増大による磁気特性の劣化を
招く恐れがある。ただし、Ti単独で考えた場合には、 1
〜15原子% の範囲が好ましい。Tiの添加量が 1原子%未
満では充分に上記安定化効果が得られず、また15原子%
を超えると基本相以外の相が多くなりすぎ、磁気特性の
劣化を招く恐れが高い。また、Tiと他の元素を組合せて
用いる際には、上記範囲内において他の元素の添加量を
8原子% 以下とすることが好ましい。
【0011】Cuは、結晶粒を微細化させることによって
磁性粉を単磁区化し、保磁力を高めるのに有効な元素で
ある。Cuによる結晶粒の微細化は、CuとFeとの固溶度が
低く、分離する傾向があることから、Feを主とする微細
な結晶粒が多数形成され、この周囲にCuが存在すること
によって、上記Feを主とする微細な結晶粒の粗大化が防
止されることによるものと考えられる。このCuの添加量
は 0.1〜10原子% の範囲であり、これが 0.5原子% 未満
では上記効果が顕著ではなく、10原子% を超えると飽和
磁化の低下を招く。より好ましい添加量としては、 0.5
〜 5原子% の範囲である。
【0012】Xは基本相であるRT5 相(あるいはRT5 +Ti
相)をさらに安定化させるものであり、その添加量が
8原子% が超えると飽和磁化が低下するため、 8原子%
以下とする。
【0013】本発明の永久磁石材料は、例えば以下のよ
うに作製される。すなわち、まず上記 (1)式を満足する
合金組成物の非晶質体もしくは充分に結晶化していない
状態のものを作製する。これら非晶質体等は、冷却ロ―
ル等を用いた液体急冷法やメカニカルアロイング法等に
よって形成される。また、充分に結晶化していない状態
のものは、例えば液体急冷法を適用して非晶質体を作製
する際に、冷却ロ―ルの周速、溶融物を射出するノズル
と冷却ロ―ルとの間隔、溶融物の射出圧を制御すること
によって、部分的に結晶化させること等によって得られ
る。なお、この際には結晶粒の粗大化を招かないように
条件を選択する。
【0014】次に、上記非晶質体もしくは充分に結晶化
してい状態の合金に、用いた合金の結晶化温度に対して
-100℃〜+400℃の範囲の温度、例えば 400℃〜1000℃程
度の温度で熱処理を施し、意図する微細結晶粒を析出さ
せ、永久磁石材料を得る。
【0015】ここで、析出させる結晶粒としては、合金
中に結晶粒径 5μm 以下の微細結晶粒、好ましくは10nm
〜 3μm の範囲である。なお、上記微細結晶粒が 70%未
満では、単磁区化による保磁力の改善が充分に達成され
ない。なお、上記微細結晶粒以外は基本的には上記範囲
外の結晶粒であるが、多少の非晶質相が残存していて
も、特に磁気特性に影響を与えるものではない。また、
合金全体の平均結晶粒径としては20nm〜 1μm の範囲が
好ましい。これは平均粒子径が余り小さすぎると、逆に
保磁力の低下を招くためである。
【0016】このようにして得た本発明の永久磁石材料
は、微粉砕化した後に一般的な方法、例えば樹脂と混合
して樹脂結合磁石としたり、磁石粉末を磁場中あるいは
無磁場中で圧粉成形し、焼結することによって焼結磁石
とする等の方法によって、磁石化される。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0018】実施例1 一般式:Sm12Fe78Ti4 Nb4 Cu2 で表される合金組成物を母合金として高周波溶解によっ
て溶解し、次いでこの溶融合金をアルゴン雰囲気中にお
いて単ロ―ル法により急冷し、非晶質状態の薄片を作製
した。なお、冷却ロ―ルの周速は45m/sec とした。次
に、上記非晶質状態の薄片に対し、真空中において 700
℃で10分間熱処理を施して微細結晶粒を析出させ、この
後平均粒子径 200μm 以下に粉砕して永久磁石粉末を得
た。
【0019】このようにして得た永久磁石粉末の結晶状
態をTEM観察によって調べたところ、 5μm 以下の結
晶粒が面積比で約 95%存在し、その平均結晶粒径は 0.8
μmであった。次に、上記永久磁石粉末を樹脂と混合し
て樹脂磁石材料とし、射出成形等によって成形後、着磁
器によって着磁して等方性の樹脂結合磁石を作製し、後
述する特性評価に供した。
【0020】比較例1 一般式:Sm10Fe82Ti8 で表される合金組成物を用いて、実施例1と同一条件で
永久磁石粉末を得た。なお、この永久磁石粉末の結晶状
態をTEM観察によって調べたところ、 5μm以下の結
晶粒は面積比で約 40%であり、その平均結晶粒径は 6μ
m であった。次に、この永久磁石粉末を用いて実施例1
と同一条件で樹脂結合磁石を作製し、特性評価に供し
た。
【0021】実施例2〜6 表1に組成が示された各合金組成物について、それぞれ
実施例1と同一条件で永久磁石粉末を作製し、次いで同
様にして樹脂結合磁石をそれぞれ作製した。
【0022】
【表1】 これら実施例1〜6および比較例1で作製した樹脂結合
磁石の磁石特性を、それぞれ直流化測定装置を用いて求
めた。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】 表2の結果から明らかなように、本発明の実施例の永久
磁石粉末を用いた樹脂結合磁石は、いずれも比較例によ
るものに比べて保磁力に優れていることが分る。また、
キュリ―温度も比較例によるものに比べて高い値を示し
た。
【0024】なお、上記実施例では等方性の樹脂結合磁
石について説明したが、成形と同時に着磁を行うことに
よって形成した異方性の磁石についても、同様に良好な
磁気特性を示した。
【0025】実施例7〜11 表3に組成が示された各合金組成物をそれぞれ高周波溶
解した後、実施例1と同様にして急冷し、非晶質状態の
薄片を作製した後、真空中において 700℃で10分間熱処
理を施して微細結晶粒を析出させた。次いで、この熱処
理後の薄片を窒素ガス中でジェットミルにより平均粒子
径 2μm に微粉砕して永久磁石粉末を得た。
【0026】
【表3】 このようにして得た各永久磁石粉末をそれぞれ用い、
1.5ton/cm2 の条件でプレス成形と同時に15kOe の磁場
を印加して着磁し、次にアルゴン雰囲気中で1000℃にて
1時間焼結後、さらに真空中で 500℃〜 900℃にて 2時
間熱処理を施して異方性の焼結磁石をそれぞれ作製し
た。
【0027】これら実施例7〜11で作製した異方性の
焼結磁石についての磁石特性の測定結果を表4に示す。
なお、表中の比較例2は実施例7と同一条件で永久磁石
粉末を得た後、この永久磁石粉末を用いて実施例7と同
一条件で作製した焼結磁石である。
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の永久磁石
材料は、結晶粒を微細化することが可能であることから
単磁区化が図れ、これによって保磁力に優れたものとな
る。よって、保磁力や最大エネルギ―積の高い高性能の
永久磁石材料を提供することが可能となる。
【0030】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: Ra Tb Mc Cud Xe (式中、 Rは Yを含む希土類元素から選ばれた少なくと
    も 1種の元素を、 TはFeまたは Fe-Coを、 MはTi、Zr、
    Hf、V 、Nb、Ta、Cr、MoおよびW から選ばれた少なくと
    も 1種の元素を、 XはB 、C 、N 、H 、P およびSiから
    選ばれた少なくとも 1種の元素を、a 、b 、c 、d およ
    びe は a+b+c+d+e=100、 5≦a ≦20、 1≦c ≦20、 0.1
    ≦d ≦10、 0≦e ≦ 8をそれぞれ満足する数(原子%)を
    示す)で実質的に表される合金組成を有することを特徴
    とする永久磁石材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の永久磁石材料において、 合金中に結晶粒径 5μm 以下の微細結晶粒が、面積比で
    70%以上存在することを特徴とする永久磁石材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150038188A (ko) * 2012-08-27 2015-04-08 인터메탈릭스 가부시키가이샤 NdFeB계 소결자석

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