JPH0527114Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、シートの表皮材をカバーリングす
るためのカバーリングホグレス構造に関する。

（従来の技術） 従来、この種の例えば車両等のシートＳの表皮
材６をメーンパツド５にカバーリングする場合
に、同表皮材６の端末を袋状に縫着するととも
に、同縫着部にトリミングワイヤを挿通し、同縫
着部をシートフレームの下面四周の縁部に対して
複数のホグリングおよびクリツプにより止着する
構成であつたが、極めて手数を要することから、
第５図に示すようにシートスプリング２を取付け
たシートフレーム１の下面の四周に連続あるいは
所定の間隔で下向きに開口する係止溝４を有する
ホグレスブラケツト３を取付け、同シートフレー
ム１上にはメーンパツド５が取付けられ、このメ
ーンパツド５を包着する表皮材６の端末部７には
合成樹脂材からなる板状の係止部材８が縫着され
て、同端末部７がホグレスブラケツト３の係止溝
４に挿入係止されてカバーリングされていた。

（解決しようとする課題） しかしながら、このホグレス構造のものでは表
皮材６の端末部７に取付けた係止部材８をホグレ
スブラケツト３の係止溝４に差込み挾着するもの
で、この場合、表皮材６を引張りながら挾着する
ものであるから、作業者による挟み込みが充分に
行われていないと離脱等して表皮材６に緩みを生
じてシート表面にしわ等が発生して外観を悪くす
る問題点があり、また、ホグレスブラケツト３を
必要とすることから、その部品管理工数、取付工
数を要する等の問題点があつた。

本考案は、上記従来の問題点を排除すべくなさ
れたもので、表皮材の端末部を確実に係止するこ
とができてシート表面にしわ等の発生することを
防止してシートの外観を向上することができ、ホ
グレスブラケツトを省略することのできるシート
カバーリングホグレス構造を提供することを目的
とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記技術課題を解決するため、シー
トフレームの下部側四周に設けたフランジ部に内
方へ開口するスリツト状の係止溝を所定の間隔で
開設するとともに、メーンパツドに包着する表皮
材の端末部に前記スリツト状の係止溝に挿通係止
可能な複数の係止部を突設した係止部材を取付け
る構成としたシートカバーリングホグレス構造に
存する。

（作用） 表皮材の端末部に取付けた係止部材の係止部を
シートフレームのフランジ部に形成したスリツト
状の係止溝に沿わせて挿入することで、同係止部
の頭部により抜け止めされて確実に係止すること
ができる。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明すると、図中Ｓは例えば車両等のシートクツシ
ヨンであつて、該シートクツシヨンＳはシートフ
レーム１１とメーンパツド１９および表皮材２１
とより構成されている。

このシートフレーム１１は鋼板材をプレス加工
あるいは枠組み形成してなるもので、略方形状に
形成され、四周の側片１２の所定の位置にはシー
トスプリング１３が熔着手段あるいは側片１２に
貫設された孔（図示せず）に係止する係止手段等
により張着され、この側片１２の下端部にはそれ
ぞれ内方へ向つて対向状に所定の張出し幅を有す
るフランジ部１４が一体に突出形成されるととも
に、同フランジ部１４には所定の間隔でスリツト
状の係止溝１５が形成されている。この係止溝１
５はシートフレーム１１の内方に開口部１６を有
し、同開口部１６には図示のように拡開状に案内
面１７が形成され、同溝１５の端部には溝幅（図
示くびれ部１５ａ）より若干大きな受け孔１８が
形成されている。

１９はメーンパツドであつて、発泡樹脂を所定
のパツド形状に発泡成形してなるもので、その下
面側にはシートフレーム１１に嵌込み可能な凹部
２０が形成されて、図示のようにシートフレーム
１１に取付けられている。

２１はメーンパツド１９およびシートフレーム
１６をカバーリングする表皮材であつて、この表
皮材２１はメーンパツドの着座部１９ａを包着す
るメーン表皮部２２と同メーン表皮部２２の四周
に玉縁２４を介して縫着してメーンパツド１９の
側部およびフレーム１６を包着するサイド表皮部
２３とからなり、このサイド表皮部２３の端末部
２５は折返し状に縫着されるとともに、同端末部
２５にはその長手方向に沿つて係止部材２６が取
付けられている。この係止部材２６は合成樹脂材
からなるもので、該係止部材２６はサイド表皮部
２３の端末部２５に縫着手段等により取付けられ
る取付片２７と連結片２８とが断面略く字形状に
形成されるとともに、連結片２８の縁部にはシー
トフレーム１１に形成したスリツト状の係止溝１
５と対応して支持片２９が所定の張出し長さで形
成され、同支持片２９の先端側には立上り状に係
止部３０が突出形成されている。この係止部３０
はスリツト状の係止溝１５の溝幅（図示くびれ部
１５ａ）より若干大径の軸部３１と同軸部の端部
には弾頭形状（傘形状）の頭部３２とから形成さ
れ、同軸部３１が係止溝１５のくびれ部１５ａを
通過する際には若干弾性変形するように設けら
れ、また、頭部３２の径は軸部３１が受け孔１８
に納められると抜け止め可能に大径に形成されて
いる。また、連結片２８、支持片２９および係止
部３０は取付片２７の部位より若干硬質に形成さ
れている。このように形成された係止部材２６は
取付片２７を介してサイド表皮部２３の端末部２
５に縫着手段等により取付けられている。

かくして設けられた係止部材２６を取付けた表
皮材２１をメーンパツド１９の上方より被せ状に
して、先ず、一方のサイド表皮部２３を引張つて
シートフレーム１１下方のフランジ部１４の内側
へ導き、同端末部２５に取付けた係止部材２６の
各係止部３０をスリツト状の係止溝１５の開口部
１６に沿わせて押込み係止する。しかる後、各サ
イド表皮部２３の係止部材２６を順次フランジ部
１４の内側へ引張り込むようにして各係止部３０
をスリツト状の係止溝１５の開口部１６に添わせ
て押込み状にして手を離すと、サイド表皮部２３
の弾性復元力により係止部３０の軸部３１は係止
溝１５の案内面１７に案内され、さらに、くびれ
部１５ａを弾性変形しながら通過し、受け孔１８
に確実に納められ頭部３２は受け孔１８に受け止
められて表皮材２１は包着される。

このように本例によれば、端末部２５に取付け
た係止部材２６の係止部３０をシートフレーム１
１のフランジ部１４の内方へ引張り込み状にして
同フランジ部１４のスリツト状の係止溝１５に添
わせて押込み状にすることでサイド表皮部２３の
弾性復元力で同係止部３０は係止溝１５の受け孔
１８に確実に納められるので、カバーリングの作
業性が極めて容易となるとともに、スリツト状の
係止溝１５に頭部３２を有する係止部３０を挿通
係止する構成であるから、係止部３０の離脱する
ことがなくなり、作業者に基因する係止部の離脱
が解消されてシートＳ表面にしわ等の発生を防止
することができ、品質を向上することができる。
またシートフレーム１１に直接係止溝１５を形成
したのでホグレスブラケツト３を省略することの
できる経済性を有するものである。

なお、上記実施例においては、係止溝１５を案
内面１７、受け孔１８を設けてくびれ部１５ａを
形成して例示したが、これに限定するものではな
く、例えば開口部に案内面を有する単なるスリツ
ト溝であつてもよい。また、係止部３０の頭部３
２を弾頭形状（傘形状）に形成して例示したが、
これに限定するものではなく、要は係止溝より抜
け止めし得る形状であればよい。

（考案の効果） さて、本考案はシートフレームの下部側四周に
設けたフランジ部に内方へ開口するスリツト状の
係止溝を所定の間隔で開設するとともに、メーン
パツドに包着する表皮材の端末部に前記スリツト
状の係止溝に挿通係止可能な複数の係止部を突設
した係止部材を取付ける構成としたものであるか
ら、端末部に取付けた係止部材の係止部をシート
フレームのフランジ部の内方へ引張り込み状にし
て同フランジ部のスリツト状の係止溝に添わせて
押込み状にすることでサイド表皮部の弾性復元力
で同係止部は係止溝の受け孔に確実に納められる
ので、カバーリングの作業性が極めて容易となる
とともに、スリツト状の係止溝に頭部を有する係
止部を挿通係止する構成であるから、係止部の離
脱することがなくなり、作業者に基因する係止部
の離脱が解消されてシート表面にしわ等の発生を
防止することができ、品質を向上することができ
る。またシートフレームに直接係止溝を形成した
ので、従来使用したホグレスブラケツトを省略す
ることのできる経済性を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示し、第１図はシ
ートクツシヨンの斜視図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図はシートフレームの一部を破
断した拡大斜視図、第４図はサイド表皮部の端末
部に係止部材を取付けた状態の一部を破断した拡
大斜視図、第５図は従来例である。 １１……シートフレーム、１４……フランジ
部、１５……係止溝、１９……メーンパツド、２
１……表皮材、２３……サイド表皮部、２５……
端末部、２６……係止部材、３０……係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートフレームの下部側四周に設けたフランジ
   部に内方へ開口するスリツト状の係止溝を所定の
   間隔で開設するとともに、メーンパツドに包着す
   る表皮材の端末部に前記スリツト状の係止溝に挿
   通係止可能な複数の係止部を突設した係止部材を
   取付ける構成としたシートカバーリングホグレス
   構造。