JPS6322931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車座席用のヘツドレストに関す
る。さらに詳細には孔内にネツトを張設した孔明
きヘツドレストに関するものである。

自動車の座席シートバツクの頂部に乗員の頭部
をサポートするヘツドレストが一般に設けられる
が、このヘツドレストのうちその本体中央部に開
口を設けて後頭部の当り具合と通気を良くするこ
とを意図した孔明きヘツドレストがある。このよ
うな孔明きヘツドレストにおいては、開口を設け
る（孔を明ける）だけでは後頭部の支持具合が良
くないので、開口内部に網状体（ネツト）を張設
することが要請されている。しかしながら、従来
の孔明きヘツドレストにおいては、このネツトの
取付けが困難であり多大の工数を要する問題点が
あるため、実用上満足なネツト張り孔明きヘツド
レストは未だ開発されていないのが実状である。

第１図ａは孔明きヘツドレストの１例を示した
斜視図であり、同図ｂはａ図のＸ−Ｘ部断面図で
ある。ｂ図の断面に見られるように、フレーム２
の周囲にパツド３が充填されその外周面をカバー
（表皮材）４で被覆し、これをａ図の如くループ
状に形成して開口５を有する孔明きヘツドレスト
１が構成されている。ところで、カバー４の開口
５内に面した端末部６を閉じる端末処理は従来一
般的なフアスナー（ジツパー）を用いてこの端縁
部を閉鎖することにより行われていた。このよう
に端縁部に取り付けたフアスナーを閉じることに
よりカバー４の端末処理がなされているため、こ
の部にネツトを取り付け開口５内面に張設するこ
とが甚だ困難となり、工数増大の原因となつてい
たのである。（なお図中７で示したものは、本考
案には特に関係ないがヘツドレスト１をシートバ
ツクに取り付けるための脚である。） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し、
簡単容易な工程でネツト張孔明きヘツドレストを
形成することができる構造を提供することを目的
としてなされたものである。すなわち本考案の要
旨は、中央部に開口を設けた孔明きヘツドレスト
の開口に対応する形成に形成され外周に複数個の
突片を有し内側にネツトを張設する枠体を前記ヘ
ツドレストの開口に嵌入し、前記突片をヘツドレ
スト・フレームの内周に設けられた差込用孔に差
し込んで該枠体をヘツドレスト・フレームに固定
したことにある。以下、図面に示した実施例に基
き、本考案の構成を説明する。

上記の如く、本考案においては内面にネツトを
張設する枠体を使用し、この枠体をヘツドレスト
の開口に嵌入、セツトすることにより該開口内に
ネツトを張設することを特徴とするものである
が、第１図ｃにこの枠体の１実施例が斜視図とし
て示されている。この枠体８は、若干の可撓性を
有する合成樹脂材または金属板等でヘツドレスト
１の開口５内周面に対応する形状に形成され、そ
の一部（図では下辺中央部）に切断部９が設けら
れている。枠体８の外周には複数個のつの状の突
片１０が外方に向つて突設されている。また枠体
８には、その全周にわたつて多数個のネツト１１
取付用小孔１２が穿設されている。ネツト１１は
枠体８をヘツドレストの開口５に組付けるに先立
ち予め枠体８内面に張設しておくのがよい。

第２図は枠体８の正面図で、ａはその通常状態
であるが枠体８には前記のとおり切断部９が設け
られているから、その可撓性を利用して同図ｂの
如く押し縮めることができ、この押し縮めた状態
でヘツドレストの開口５にきわめて容易に嵌入す
ることができるのである。

第３図はヘツドレスト・フレームの正面図であ
るが、フレーム２の中央部の開口５の内周には前
記枠体８の突片１０に対応する位置に該突片の差
込用孔１３を設けておく。前記第１図ａ，ｂの如
く構成された孔開きヘツドレスト１において、カ
バー４の端末部６はクリツプ１４によりその要所
を留めておく。このクリツプ１４で留める箇所は
前記ヘツドレスト・フレーム２の差込用孔１３を
外れた位置とするものである。

このヘツドレスト１の開口２に第１図ｃの枠体
８を第２図ｂの如く押し縮めて嵌入し、突片１０
をフレーム２の差込用孔１３に差し込んで第２図
ａの如く拡げて固定する。枠体８の前記切断部９
は、目板１５を当てビス１６をねじ込んで接続、
固定する。なおこの切断部の接続は、目板１５を
使用せず第４図に示す如く枠体８の端末部を重ね
合せてビス１６で固定する如くしてもよい。

上記のように、予めネツト１１を張設した枠体
８をヘツドレスト１の開口５に嵌入し、きわめて
簡単な操作で固定する如く構成されているから、
至つて容易にネツト張り孔明きヘツドレストを形
成することができるのである。またヘツドレスト
１のカバー４の端末部６の処理は要所のクリツプ
留めだけでよいから、従来の如くジツパーを取り
付ける必要がなく、大幅な工数削減となる。この
クリツプ１４は枠体８を取り付けた後は隠れてし
まうから、外観上全く問題とならない。

なお上記に説明した実施例においては、枠体８
に突片１０を一体に突設しておくものについて述
べたが、本考案はこの態様に限定されるものでは
なく、突片１０に相当する箇所には予め取付孔を
設けておき、枠体８内方よりビスを挿通して外方
に突出させ、該ビスをヘツドレスト・フレーム２
にねじ込むようにしたビスを突片代用とする実施
態様も可能である。（この態様については図示し
ない。） 本考案の孔明きヘツドレストは以上の如く構成
されたもので、簡単な構成の枠体を使用し、これ
を簡単な操作でヘツドレストに取り付けるだけで
よいものであるから、ネツト張り孔明きヘツドレ
ストを容易に形成することができ、従来の如くネ
ツト取付けに手間を掛ける必要がない。またヘツ
ドレストのカバーの端末処理にジツパーを用い
ず、簡単なクリツプ留めだけでよいから工数が大
幅に削減される。このように本考案は、従来から
要望されているネツト張り孔明きヘツドレストを
多大の工数を要することなく簡単容易に作成する
ことができるきわめて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は孔明きヘツドレストの分解斜視図およ
び部分断面図、第２図は本考案に使用される枠体
の１実施例の正面図、第３図はヘツドレスト・フ
レームの正面図、第４図は枠体の他の実施例の一
部正面図である。 １……ヘツドレスト、２……ヘツドレスト・フ
レーム、３……パツド、４……カバー、５……開
口、６……端末部、７……脚、８……枠体、９…
…切断部、１０……突片、１１……ネツト、１２
……小孔、１３……差込用孔、１４……クリツ
プ、１５……目板、１６……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部が開口している孔明きヘツドレストにお
   いて、該開口に対応する形状に形成され、かつ外
   周に複数個の突片を有し内側にネツトを張設した
   枠体を前記ヘツドレストの開口に嵌入し、前記突
   片をヘツドレスト・フレームの内周に設けられた
   差込用孔に差し込んで該枠体をヘツドレスト・フ
   レームに固定したことを特徴とするヘツドレス
   ト。