JPH05268905A - アガリカス・ブラゼイからエキス成分を抽出する方法 - Google Patents

アガリカス・ブラゼイからエキス成分を抽出する方法

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JPH05268905A
JPH05268905A JP4102275A JP10227592A JPH05268905A JP H05268905 A JPH05268905 A JP H05268905A JP 4102275 A JP4102275 A JP 4102275A JP 10227592 A JP10227592 A JP 10227592A JP H05268905 A JPH05268905 A JP H05268905A
Authority
JP
Japan
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extract
agaricus blazei
blazei
glucanase
enzyme
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Pending
Application number
JP4102275A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Ebara
保 江原
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EBARA SANGYO YUGEN
Original Assignee
EBARA SANGYO YUGEN
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アガリカス・ブラゼイ(Agaricus
lazei)の菌体からエキス成分を効率よく抽出す
る。 【構成】エンド−1,4−β−グルカナーゼ、キシラナ
ーゼおよびエンド−1,3−β−グルカナーゼを含有す
る酵素剤を菌体に作用させ、加熱失活せしめて、残滓を
瀘別する。 【効果】この方法により、菌体の保有するマツタケ様の
風味を保持した抽出エキス液を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アガリカス・ブラゼ
イ(Agaricus blazei)の菌体からエキ
ス成分を抽出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アガリカス・ブラゼイ(Agaricu
blazei)は、マツタケ目ハラタケ科ハラタケ
属に属する担子菌である。和名では、カワリハラタケあ
るいはヒメマツタケとも呼ばれている。いわゆるマッシ
ュルーム(ツクリタケ)に近縁のキノコであって、マッ
シュルームと同様に稲ワラを主体とする菌床で人工栽培
される。キノコ類は、食用として多用されるほか、それ
らの有する生理活性物質が利用される。例えば、サルノ
コシカケの一種カワラタケの培養菌糸体から抽出される
β−D−グルカン−蛋白複合体(クレスチン)は、抗癌
剤として広く用いられてきた。多くの担子菌に含まれる
多糖体が同様な抗癌作用を有することが知られている
(例えば、『化学と生物』第21巻、473〜479
頁、1983年;第23巻、797〜802頁、198
5年)。これらの抗癌作用を有する多糖体の基本的な構
造は、β−1,3−グルコシド結合を主鎖とし、β−
1,6−グルコシド結合の分岐を持つものである(川合
正允著:『きのこの利用』、83〜88頁、築地書館、
1988年)。アガリカス・ブラゼイについても、その
抗癌作用が認められていて、有効成分は上記に類縁の多
糖体と考えられる。
【0003】キノコから、そのエキス成分を抽出利用す
る際の一般的な方法は加熱処理抽出法である。例えば、
エノキ茸を加熱し、磨砕してペーストとし、食品原料と
する方法(特開昭61−187769)、シメジまたは
マイタケを食用油と一緒に加熱し、磨砕してペーストと
する方法(特開昭63−12262)、あるいは、キノ
コを加圧加熱処理し、エキス分及び/又は繊維分を分離
取得する方法(特開平3−43058)等が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような加熱抽出の手段では、キノコの有する特有の香味
は失われてしまう。それをさける方法として、干シイタ
ケに糖類と水を混和して加熱する際に、発生する蒸留分
を取り分けておき、抽出液と蒸留分とを混合してシイタ
ケの風味を保有するシイタケエキスを作る、というよう
な製造法が採用される(特公昭53−23386)。本
発明は、特殊な栽培方法を採用することによりマツタケ
風の香りを保有せしめたアガリカス・ブラゼイの菌体か
ら、その香気成分を散失することなく、かつ、多糖体の
ような有効成分を効率よく抽出含有せしめたエキスを製
造することを目的とし、かつ、上記の蒸留分の再混合の
手段をも排除することを課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】アガリカス・ブラゼイ菌
体の保有する香味をでき得るかぎり温存しつつ、多糖体
等をエキス成分の形で、効率よく抽出する手段として
は、酵素処理の方法を採用した。ここに使用するアガリ
カス・ブラゼイ菌体としては、子実体、液体培養菌糸
体、菌床培養した子実体発生前の菌糸体、および、子実
体収穫後の廃床に含まれる菌糸体など、いずれでも使用
できる。
【0006】使用する酵素としては、エンド−1,4−
β−グルカナーゼ、キシラナーゼおよびエンド−1,3
−β−グルカナーゼを含有する酵素剤が望ましい。かか
る酵素製剤として市販のものを利用することができる。
例えば、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderm
viride)を培養して得られる該酵素類を含有
する製剤である(商品名「ファンセラーゼ」または「セ
ルラーゼ・オノズカ」、〓ヤクルト本社製など)。
【0007】酵素処理の条件は常法による。すなわち、
原料の菌体に対する酵素剤の添加量は、0.05〜0.
5%(W/W)、好ましくは0.1〜0.25%(W/
W)。処理液のpHは3.0〜7.0、好ましくは4.
0〜6.0。酵素作用温度は30℃〜70℃、好ましく
は50℃〜60℃。酵素処理時間は、工程の都合により
数十分から数時間程度に設定され得る。
【0008】酵素処理後、処理液を加熱して酵素反応を
停止させる。通常の食品原料としては、酵素活性が残存
していても支障はないが、本発明の場合、アガリカス・
ブラゼイ菌体の多糖体の過分解を避ける目的で酵素反応
を停止させるのである。その為の加熱処理は、80℃〜
100℃で10分間以内程度で酵素を失活せしめるに十
分な条件に設定し、香味の温存を図るものとする。よっ
て、この工程の加熱処理は、前記のキノコ類の加熱抽出
法の場合の加熱とは、目的も作用も異にする。
【0009】
【実施例】
〔実施例1〕アガリカス・ブラゼイの生子実体1Kgに
2リットルの水を加え、ミキサーで破砕した。これに2
gのファンセラーゼ(商品名、〓ヤクルト本社製)を添
加して混合し、55℃で3時間、酵素反応させた。つい
で、85℃まで昇温し、10分間保って酵素を失活させ
た。残滓を濾別し、抽出液2.6リットルを得た。この
抽出液は、原料の子実体が保有するマツタケ様の香気を
有するものであった。
【0010】〔実施例2〕アガリカス・ブラゼイの生子
実体1Kgに2リットルの水を加え、ミキサーで破砕し
た。これに3gのセルラーゼ・オノズカ(商品名、〓ヤ
クルト本社製)を添加して混合し、60℃で2時間、酵
素反応させた。ついで、100℃まで昇温し、5分間保
って酵素を失活させた。残滓を濾別し、抽出液2.5リ
ットルを得た。
【0011】〔実施例3〕稲ワラを主原料として常法に
よって堆肥を作り、これで常法どおりに厚さ約20cm
の菌床を作り、アガリカス・ブラゼイの種菌を接種し
て、25℃で3週間培養した。この段階で菌床はアガリ
カス・ブラゼイの白色菌糸体で満たされている。該菌床
を1Kg採り、3リットルの水に分散させた。これを濾
別し、可溶性の区分を捨てた。さらに2リットルの水を
上から注いで洗浄した。残った菌体含有部を3リットル
の水に分散させミキサーで破砕した。これに3gのセル
ラーゼ・オノズカ(商品名、〓ヤクルト本社製)を添加
して混合し、60℃で2時間、酵素反応させた。つい
で、100℃まで昇温し、5分間保って酵素を失活させ
た。残滓を濾別し、抽出液3.4リットルを得た。
【0012】
【発明の効果】本発明の方法により、アガリカス・ブラ
ゼイの菌体から、効率よくエキス成分を抽出することが
でき、かつ、原料の保有する香味を保った抽出液を得る
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アガリカス・ブラゼイ(Agaricu
    blazei)の菌体を、エンド−1,4−β−グ
    ルカナーゼ、キシラナーゼおよびエンド−1,3−β−
    グルカナーゼを含有する酵素剤で処理し、ついで加熱抽
    出することを特徴とするアガリカス・ブラゼイ(Aga
    ricus blazei)からエキス成分を抽出する
    方法
  2. 【請求項2】 エンド−1,4−β−グルカナーゼ、キ
    シラナーゼおよびエンド−1,3−β−グルカナーゼを
    含有する酵素剤がトリコデルマ・ビリデ(Tricho
    derma viride)を培養して得られるもので
    あることを特徴とする請求項1記載の方法。
JP4102275A 1992-03-26 1992-03-26 アガリカス・ブラゼイからエキス成分を抽出する方法 Pending JPH05268905A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6465218B1 (en) * 1997-04-08 2002-10-15 Japan Applied Microbiology Research Institute Co., Ltd. Biologically active substance and process of preparing the same

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