JPH05268874A - 発酵乳及び乳酸菌飲料の製造方法 - Google Patents

発酵乳及び乳酸菌飲料の製造方法

Info

Publication number
JPH05268874A
JPH05268874A JP10030092A JP10030092A JPH05268874A JP H05268874 A JPH05268874 A JP H05268874A JP 10030092 A JP10030092 A JP 10030092A JP 10030092 A JP10030092 A JP 10030092A JP H05268874 A JPH05268874 A JP H05268874A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactic acid
acid bacteria
fermented milk
milk
separation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10030092A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Fujinaga
重雄 藤永
Setsuro Kojima
節朗 小島
Satoru Takizawa
悟 瀧澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GLYCO KYODO NYUGYO KK
Original Assignee
GLYCO KYODO NYUGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GLYCO KYODO NYUGYO KK filed Critical GLYCO KYODO NYUGYO KK
Priority to JP10030092A priority Critical patent/JPH05268874A/ja
Publication of JPH05268874A publication Critical patent/JPH05268874A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発酵基質に別途安定剤や増粘剤を添加しなく
とも、離水・ホエー分離の起こらない発酵乳及び乳酸菌
飲料を製造すること。 【構成】 ケフィア顆粒から独自の方法で分離し、乳培
地で生育できるように訓化することに成功した多糖質粘
性物質を多量に発酵基質中に生成する乳酸桿菌No.1
4菌株を使用すると別途安定剤等を添加しなくとも、離
水・ホエー分離が起こらない発酵乳及び乳酸菌飲料の製
造が可能である。本菌株がストレプトコッカス・サーモ
フィラスなどの乳酸菌との間に共生関係があることを発
見した。この共生関係を利用することによりNo.14
菌株を発酵基質に別途酵母エキスなどの栄養源を強化す
ることなく菌株を増加させることができる。その結果、
酵母エキスなどの添加による発酵乳及び乳酸菌飲料の本
来の風味を損なうこと無く離水・ホエー分離のない製品
製造が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発酵乳及び乳酸菌飲料の
製造に係わるものである。さらに詳細には、ラクトバチ
ルス属に属するNo.14菌株及びNo.14菌株と共
生関係にある乳酸菌の二菌株を同時に使用することによ
り、発酵基質中でのNo.14菌株の菌数を増加させる
と同時に多量の多糖質粘性物質を産出させることによっ
て、別途安定剤を添加しなくとも、製品取扱い中、輸送
中あるいは販売中に起こりやすいホエー分離、離水現象
が起こらない発酵乳及び乳酸菌飲料を工業的に有利に製
造することを目的としたものである。
【0002】
【従来の技術及び問題点】発酵乳及び乳酸菌飲料の製造
方法には各種の方法が知られている。発酵乳でいえば一
般的には以下の方法で製造されている。すなわち、原料
として乳等を主原料とする発酵基質にペクチン、ゼラチ
ン等の安定剤及び砂糖を添加し、要すれば香料や果汁等
の風味原料を添加し、これを常法通りに殺菌・均質化処
理をなし、乳酸菌及び又は酵母スターターを2〜3%接
種して容器に充填密封した後40〜45℃にて発酵さ
せ、所定の酸度に達したならば、10℃以下に冷却して
発酵を停止させ製品とするものである。液状の発酵乳及
び乳酸菌飲料にあっては、同様な発酵基質に乳酸菌及び
又は酵母スターターを2〜3%接種した後、40〜45
℃にて所定の乳酸酸度までタンクで発酵し、10℃以下
に冷却した後均質機等でカードを破砕し液状となして、
容器に充填密封して製品とするものである。乳酸菌飲料
の場合は、発酵基質の乳固形分を少なくするか、別途準
備した糖質や安定剤等を溶解した殺菌済み溶液で希釈し
て乳固形分を減少させて製造している。前述の様に発酵
乳製造においては、製品取扱中あるいはその後の流通に
おいて起こりやすいホエー分離、離水現象を防止する目
的で、ペクチン等の多糖質あるいはゼラチン等のタンパ
ク質を安定剤又は増粘剤として一般に使用している。液
状の発酵乳及び乳酸菌飲料にあっては、安定剤又は増粘
剤を使用しないと確実にホエー分離、離水現象が認めら
れるので、それらの使用は製造上必須とされている。ペ
クチン等の多糖質あるいはゼラチン等の蛋白質も天然物
とはいえ、発酵乳、乳酸菌飲料、牛乳あるいは乳酸菌と
は縁の遠い海藻あるいは動物由来の食品添加物であり、
健康イメージと結び付いた発酵乳及び乳酸菌飲料に使用
するのはマイナスである。本発明はこのような課題に答
えることを目的とし、新たに分離、培養に成功した多糖
質粘性物質を生成するラクトバチルスに属する乳酸桿菌
No.14菌株と本菌株と共生関係を有する乳酸菌を併
用して発酵乳又は乳酸菌飲料の発酵に使用し、別途安定
剤又は増粘剤を添加しなくともホエー分離、離水現象の
ない製品を製造する方法を見出すことにある。
【0003】
【問題点を解決するための手段】以上の様な課題に答え
るべく、発明者は鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成
したものである。すなわち、新たに分離・培養及び乳培
地中での馴化に成功した乳酸桿菌No.14菌株がある
種の乳酸菌、たとえばストレプトコッカス・サーモフィ
ラスと共生関係を有していることを見出したものであ
る。この共生関係を利用することにより、乳酸桿菌N
o.14菌株が乳培地中での乳酸産生及び成育が遅いこ
とに起因する、発酵に長時間を要する。雑菌汚染の
可能性が高くなるといった難点を容易に解決できるもの
である。
【0004】乳酸桿菌No.14菌株は、ケフィアグレ
インと呼ばれる顆粒(デンマーク・クリスチャンハンセ
ン社より入手)から新たに分離した乳酸菌であり菌学的
な性質は表1に示した。本菌株は工業技術院微生物工業
技術研究所に微工研菌寄第10196(FERM P−
10196)として寄託されている。
【0005】
【表1】No.14菌株の菌学的性質 グラム染色 陽性 胞子形成 なし 運動性 なし 好気条件下での生育 + 嫌気条件下での生育 + カタラーゼの生育 − 生成乳酸 DL(D) 15℃での生育 ± 20℃での生育 + 40℃での生育 + 45℃での生育 ± アルギニンからのアンモニアの生成 − グルコースからのガス産生 − グルコネートからのガス産生 − 糖の資化性; アミグタリン + セロビオース − フラクトース + エスクリン − ガラクトース + グルコネート − グルコース + マンニット − ラクトース + メレチトース − マルトース + ラムノース − マンノース + リボース − メリビオース + サリシン − ラフィノース + ソルビトール − サッカロース + トレハロース − アラビノース − キシロース −
【0006】本菌株は通常の培地には生育せず、発明者
が新たに考案したGMR培地を使用することによっての
み、ケフィア顆粒から容易に分離することができる。表
2にその培地組成を示した。
【0007】
【表2】GMR培地組成 チーズホエイ 100ml トリプチケースペプトン(BBL) 0.5g トリプトン(Difco) 0.5g 酵母エキス(Difco) 0.5g トゥイーン80 0.1ml リン酸一カリウム 0.5g 酢酸ナトリウム三水和物 0.5g クエン酸三アンモニウム 0.2g 硫酸マグネシウム七水和物 0.058g 硫酸マンガン四−六水和物 0.028g pH 5.5
【0008】すなわち、ケフィア顆粒を滅菌した乳鉢で
磨砕した後、滅菌生理食塩水で適当に希釈し、その0.
1mlをGMR平板に塗抹して、炭酸ガス置換嫌気培養
法により、30℃にて3〜5日間培養することにより主
菌叢として分離することができる。分離当初、乳酸桿菌
No.14菌株は、乳培地(無脂乳固形分10%の還元
脱脂粉乳培地)での生育が全く認められなかったが、以
下に示す方法で乳培地に馴化することに成功し、発酵の
スターターとして使用できる様に馴化した菌株である。
すなわち、乳酸桿菌No.14菌株は、酵母エキスを
0.1%強化した乳培地では30℃にて静置培養した場
合、7日目に乳培地の固化が認められる程度の生育能力
を有していた。これをスターターとして、同様の酵母エ
キス0.1%強化乳培地に5%(v/v)接種して、3
0℃にて静置培養した場合、やはり6〜7日目に乳培地
の固化が認められた。同様の条件で世代交代を続けたと
ころ、10世代目あたりから3日後に乳培地の固化が認
められる様になり、以後30世代以上継代することによ
り、30℃にて48時間静置培養すると、乳酸酸度1.
30〜1.50%、生菌数5×108 /ml、総菌数
1.5×109 /mlが得られるまでに馴化することに
成功した菌株である。
【0009】
【作用及び効果】No.14菌株は乳培地に馴化した菌
株とはいえ、乳培地中で成育させるためには酵母エキス
等の栄養を強化した乳培地を使用する必要があるが、発
酵乳及び乳酸菌飲料の発酵基質に酵母エキス等の栄養を
強化すると、発酵乳及び乳酸菌飲料の本来の風味が損な
われるという欠点があるため実際の製造には不向きであ
る。ところが、No.14菌株と乳酸球菌ストレプトコ
ッカス・サーモフィラスの様なNo.14菌株と共生関
係がある乳酸菌を乳培地中で共存させると、酵母エキス
等の栄養源を別途強化しなくとも、No.14菌株は乳
培地中で良好に成育する。No.14菌株とストレプト
コッカス・サーモフィラスの共生関係の一例を表3に示
したが、酸生成性、菌数増加ともに良好であることが明
らかである。
【0010】
【表3】 ストレプトコッカス・サーモフィラスとNo.14菌株の共生関係 ───────────────────────────────── 乳酸酸度 総 菌 数 (%) ストレプトコッカス No.14菌株 サーモフィラス ───────────────────────────────── 0.62 1200 0.30 100 1.05 1500 810 ───────────────────────────────── (単位 ×106 /ml)
【0011】は無脂乳固形分10%の還元脱脂粉乳を
95℃にて30分間加熱殺菌した培地にストレプトコッ
カス・サーモフィラスのスターターを2.0%接種し、
30℃にて17時間培養した。は同様の培地にNo.
14菌株スターターを5.0%接種し30℃にて17時
間培養した。は同様の培地にストレプトコッカス・サ
ーモフィラスのスターターを2.0%,No.14菌株
スターターを5.0%同時に接種し、30℃にて17時
間培養した。以下実施例をもってその効果について説明
する。
【0012】
【実施例】常法通り殺菌・均質化処理をした牛乳を発酵
基質とし、同様に処理した牛乳にストレプトコッカス・
サーモフィラスのスターターを1.0%(w/w)、ラ
クトバチルス・ブルガリカスのスターターを1.0%
(w/w)、No.14菌株スターターを5.0%(w
/w)接種し30℃にて17時間培養したものを3.0
%(w/w)接種し、攪拌均一後34℃にて静置発酵し
て乳酸酸度0.85%に到達した時点で攪拌冷却した。
同時に、対照として同様に処理した牛乳にストレプトコ
ッカス・サーモフィラスのスターターを1.0%(w/
w)、ラクトバチルス・ブルガリカスのスターターを
1.0%(w/w)接種して30℃にて17時間培養し
たものを3.0%(w/w)接種し、攪拌均一後34℃
にて静置発酵して乳酸酸度0.85%に到達した時点で
攪拌冷却した。ここに得られた2種類の発酵乳は共に風
味良好であり、No.14菌株を使用したものは対照に
比べてかなり粘性を帯びていた。このものを均質機にて
乳カードを破砕すると、共にさらっとした液状発酵乳と
なった。これをmm目盛りのついた小容器に分注して1
0℃にて2週間保存し、離水の状況を観察した。その結
果を表4に示した。
【0013】
【表4】 液状発酵乳の保存テスト ────────────────────────── 保存日数 0日保存 7日保存 14日保存 ────────────────────────── No.14 0 3 5 対照 0 14 22 ────────────────────────── (単位mm) 〔注〕それぞれの液状発酵乳を80mmの高さになるよ
うに透明なmm目盛り付き容器に分注し、10℃にて保
存した。表の数値は離水した距離を測定したものであ
る。
【0014】
【発明の効果】表4から明らかなように、別途安定剤を
加えていないにもかかわらず、No.14菌株を使用し
た液状発酵乳ではほとんど離水が認められないのに比
べ、対照の液状発酵乳は約30%の離水が認められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトバチルス属に属する乳酸桿菌N
    o.14菌株と本菌株と共生関係を有している乳酸菌を
    同時に使用して発酵することを特徴とする発酵乳及び乳
    酸菌飲料の製造方法
JP10030092A 1992-03-27 1992-03-27 発酵乳及び乳酸菌飲料の製造方法 Pending JPH05268874A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10030092A JPH05268874A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 発酵乳及び乳酸菌飲料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10030092A JPH05268874A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 発酵乳及び乳酸菌飲料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05268874A true JPH05268874A (ja) 1993-10-19

Family

ID=14270324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10030092A Pending JPH05268874A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 発酵乳及び乳酸菌飲料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05268874A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0923848A (ja) * 1995-07-14 1997-01-28 Calpis Food Ind Co Ltd:The 脳機能改善、学習能力増強および記憶力増強作用を有する機能性食品
US6716461B2 (en) 2000-10-10 2004-04-06 Ajinomoto Co., Inc. Method for modifying raw material milk and dairy product prepared by using the modified raw material milk
JP2012055278A (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 Snow Brand Milk Products Co Ltd 乳飲料類及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0923848A (ja) * 1995-07-14 1997-01-28 Calpis Food Ind Co Ltd:The 脳機能改善、学習能力増強および記憶力増強作用を有する機能性食品
US6716461B2 (en) 2000-10-10 2004-04-06 Ajinomoto Co., Inc. Method for modifying raw material milk and dairy product prepared by using the modified raw material milk
JP2012055278A (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 Snow Brand Milk Products Co Ltd 乳飲料類及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4187321A (en) Method for producing foods and drinks containing bifidobacteria
JP2975148B2 (ja) 発酵乳及びその製造法
CN101848989B (zh) 乳酸菌生存性提高剂及生存性提高方法,及食品组合物
CA2647756C (en) Method for producing fermented milk using novel lactic acid bacteria
US20090317892A1 (en) Enhancer of proliferation of lactic acid bacterium, and agent for improvement in survivability of lactic acid bacterium
CN110607255A (zh) 一种德氏乳杆菌及直投式德氏乳杆菌发酵剂的制备方法和应用
JPH1175828A (ja) ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びこれを用いた発酵豆乳
KR100500875B1 (ko) 비피더스균 발효유 및 그의 제조법
JPH0468908B2 (ja)
WO2003040350A1 (fr) Bacterie du genre bifidobacterium et aliments fermentes l'utilisant
JPS6119220B2 (ja)
CN115281247A (zh) 一种发酵乳杆菌常温酸奶及其制备方法
JP2001112437A (ja) ビフィドバクテリウム属細菌含有飲食品の製造方法
MXPA06010751A (es) Producto estable en anaquel, con microorganismos vivos.
JPH05268874A (ja) 発酵乳及び乳酸菌飲料の製造方法
JPS5951997B2 (ja) ストレプトコツカス・サ−モフイルスに属する新規微生物及び該微生物を含有する組成物
JPS6257289B2 (ja)
KR20170066026A (ko) 케피어 대량생산 기술
JPS6339217B2 (ja)
JPH029781B2 (ja)
JP4794593B2 (ja) 新規乳酸菌を用いた発酵乳の製造方法
CHAMPAGNE Effect of pencillin on free or immobilized lactococci: milk acidification and residual antibiotic level
JP3069749B2 (ja) 発酵乳及び乳酸菌飲料の製造方法
JP2006109756A (ja) 発酵乳製品の製造方法及びその製品
JP3184572B2 (ja) ラクトバチルスに属する乳酸菌菌株の分離培養用培地、同菌株の乳培地への訓化方法及び同菌株を使用した発酵乳又は乳酸菌飲料の製造方法