JPH0526780A - シヤーシダイナモメータのドラム装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 完成車両の試験をするシャーシダイナモメー
タ設備において、車両幅に関係なく低慣性のドラム上に
車両が設置できるドラム装置を提供する。 【構成】 回転軸２ａとドラム２ｃに歯切りを行い、軸
方向に移動ができるようにし、ドラムとドラム間に左ネ
ジと右ネジを設けた連結ネジ２ｅを複数本設置し、それ
ぞれスプロケット２ｈとチェーン２ｉにより左右ドラム
２ｃを均一に移動可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、完成車両の試験をす
るシャーシダイナモメータ設備において、道路の代わり
に走行させるシャーシダイナモメータのドラム装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は例えば実開昭５７−１７５０３６
号公報に示された従来のシャーシダイナモメータのドラ
ム装置を示す正面図であり、図において１はダイナモ本
体、２は１対のドラムからなるドラム装置、３はドラム
装置回転防止用ディスクブレーキのディスク板、４は回
転検出用ギャー、５はベッド、６はダイナモ本体とドラ
ム装置を連結するカップリングである。

【０００３】次に作用について説明する。この装置は、
自動車の完成車としての路上運転試験を室内において再
現させる試験装置であり、ドラム装置は実際の道路上を
走行するためのものである。自動車のタイヤ（駆動輪）
より無限長の道路に相当するドラム装置２に回転力が加
わると、この回転力がドラム装置２からカップリング６
に伝達され最終的にダイナモ軸を駆動することになる。
この回転力をダイナモ本体１で回転トルクとして測定
し、自動車の性能を確認する。

【０００４】ドラム装置の幅寸法は自動車の車幅寸法に
より決められるが、通常、試験車両の容量により最大幅
を決められるケースが多いため、大型車両の場合は車幅
寸法も大きく、等価慣性量も大きくなる。一方、小型車
両の場合は車幅寸法も小さく、等価慣性量も小さくな
る。また、ディスクブレーキのディスク板３は、車両の
乗り入れ時、ドラム装置２をロックするためのものであ
り、回転検出ギャー４はドラム軸の回転速度を検出する
ためのものである。ヘッド５はこれらを基礎へ強固に取
り付けるための共通架台である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のシャーシダイナ
モメータドラム装置は以上のように構成されているの
で、車両幅に応じてドラム幅を決定していたが、大型車
両に合わせると小型車両の等価慣性が大きすぎることが
あり、また、４輪駆動車の場合、さらに等価慣性を小さ
くする必要があるなどの問題点があった。

【０００６】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、車両幅に応じてドラム間寸法を
調整でき、かつ、低慣性量のシャーシダイナモメータの
ドラム装置を得ることを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係るシャーシ
ダイナモメータのドラム装置は、回転軸にかん合するド
ラムの軸を歯切りすることにより軸方向に移動できるよ
うにし、かつ、この移動量が左右一定となるように、複
数本の連結ネジと、これらを同期回転させるためのスプ
ロケットおよびチェーンを備えたものである。

【０００８】

【作用】この発明においては、連結ネジがスプロケッ
ト、チェーンを介して同時に回転し、ドラム間寸法が変
化し、ドラム間寸法を車両幅に応じて調整が可能とな
る。

【０００９】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の一実施例を図１，図２につ
いて説明する。図１において、２がドラム装置、２ａは
外周に歯切りした回転軸、２ｂは回転軸のフランジ部、
２ｃは１対のドラム、２ｄは回転ベアリング、２ｅはド
ラム間をつなぐ４本の連結ネジであり、両側に左ネジ、
右ネジを切っている。２ｆは連結ネジをドラムに接続す
るナット、２ｇはロックナットである。さらに連結ネジ
にはスパナをかける２面加工がされており、複数本の連
結ネジ２ｅに回転を伝えるためにスプロケット２ｈ、チ
ェーン２ｉを備えている。その他、図３におけると同一
符号は同一部分である。

【００１０】次に調整方法について説明する。自動車の
車両幅に対してタイヤ幅の変化割合は少なく、大型タイ
ヤ幅＋余裕程度でドラム幅を決定しておく。軽自動車か
ら大型自動車に試験を変更する場合、まずロックナット
２ｇを全数ゆるめる。次に連結ネジ２ｅを回すことに
より連結ネジ２ｅ〜２ｅはスプロケット２ｈとチェ
ーン２ｉにより同方向に回転し、ネジ効果によりドラム
間寸法が拡大される。必要なドラム間寸法になった時点
でロックナット２ｇを全数固定する。

【００１１】ドラム間寸法を縮少させる場合も同様の方
法で行い、連結ネジ２ｅを逆方向に回せばよい。

【００１２】実施例２．なお、上記実施例では連結ネジ
の回転伝達にチェーンを使ったが、歯車やタイミングベ
ルトを設けてもよい。また、回転方法は手動だけでな
く、自動的に外部より駆動できる機械を設けてもよく上
記実施例と同様の効果を奏する。

【００１３】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ドラ
ム幅が一定であっても、両幅の異なる軽自動車から大型
自動の車まで試験が可能となり、低慣性量のドラムが得
られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１の側断面図である。

【図２】図１のII−II線に沿う平面での要部断面図であ
る。

【図３】従来のシャーシダイナモメータの側面図であ
る。

【符号の説明】

１ ダイナモ本体 ２ ドラム装置 ２ａ 回転軸 ２ｂ 回転軸フランジ部 ２ｃ ドラム ２ｄ 回転ベアリング ２ｅ 連結ネジ ２ｆ ナット ２ｇ ロックナット ２ｈ スプロケット ２ｉ チェーン ３ ディスクブレーキのディスク板 ４ 回転検出ギャー ５ ベット ６ カップリング

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 １対のドラムを備えたシャーシダイナモ
   メータのドラム装置において、前記ドラムを支持する回
   転軸と前記ドラムに歯切りを行い互いにかん合するとと
   もに、前記１対のドラム間を連結する左ネジ右ネジを切
   った複数本の連結ネジと、これら連結ネジに設けられた
   スプロケットと、これらスプロケット間に張設されたチ
   ェーンとを備えてなることを特徴とするシャーシダイナ
   モメータのドラム装置。