JPH0526696U - 洗車機における側面ブラシ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 側面ブラシを案内するレールに多少の摩耗・
変形が生じても、側面ブラシの開閉動作を阻害すること
なく、長期にわたり安定した洗車が行なえる側面ブラシ
装置を提供する。 【構成】 所定の開位置にある側面ブラシを同開位置か
ら離脱する所定距離だけ閉じる方向へ付勢する手段を備
えて、レールの摩耗・変形による動作障害を解消した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、門型に形成され自動車を跨ぐように往復走行して洗車するいわゆ る門型洗車機に関し、特にそこに備えられ自動車の主に側面をブラッシングする 側面ブラシ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の側面ブラシ装置の一例を図１を用いて説明する。１は洗車機本体で、 門型に形成されレール２・２上を往復走行し、レール２・２間に停車された自動 車を洗浄する。３・３は左右一対の側面ブラシ、４・４は側面ブラシ３・３を吊 下支持するキャリア、５はキャリア４・４を移動可能に支持するレールで、レー ル５は洗車機本体１の上部に本体走行方向と略直交するよう横架され、キャリア ４・４の移動に伴い側面ブラシ３・３をレール５に沿って開閉動作させる。６・ ６はキャリア４・４とワイヤ７・７を介して連結したウェイトで、プーリ８・８ において垂下されワイヤ７・７を引張して常時側面ブラシ３・３を互いに閉じる 方向へ付勢する。９はプーリ１０・１０間にワイヤを張設して形成されたループ 、１１はループ９とワイヤ１２を介して連結するエアーシリンダで、ループ９は 各一対の係止片１３・１３においてキャリア４・４と連係して左右の側面ブラシ ３・３を連動して移動させるよう作用し、エアーシリンダ１１はポート１１ｐへ 圧縮空気の供給を受けて収縮しループ９を介して側面ブラシ３・３を互いに開く 方向へ付勢する。１４・１４はキャリア４・４のストッパである。なお、特に図 示しないが、キャリア４・４には側面ブラシ３・３を回転駆動するモータがそれ ぞれ備えられている。

【０００３】 ここで、側面ブラシ３・３は通常エアーシリンダ１１の作動によりストッパ１ ４・１４で与える所定の開位置に保持される。自動車側面をブラッシングする場 合は、エアーシリンダ１１の作動を解くと共に洗車機本体１を走行させ、ウェイ ト６・６の付勢によりブラシ３・３を車体に押し付けてブラッシングする。自動 車の前面もしくは後面をブラッシングする場合は、そのブラッシングする面に側 面ブラシ３・３を接触させた状態で洗車機本体１の走行を停止し、側面ブラシ３ ・３が閉じた状態からエアーシリンダ１１を作動させ徐々に開いてブラッシング する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記のようにレール５に沿って側面ブラシ３・３を開閉動作させる ため、長期間使用するとキャリア４・４との接触によりレール５が摩耗または変 形して、側面ブラシ３・３の開閉に支障を来すことがある。すなわち、側面ブラ シ３・３はエアーシリンダ１１により常時開いた状態で保持されるため、同じレ ール５でも特に開いた状態にあるキャリア４・４と接触する部分の摩耗・変形が 著しく、これが進行するとエアーシリンダ１１の作動を解いても側面ブラシ３・ ３がスムーズに閉じなくなり、洗車不能となる欠点があった。 従って、この考案の課題とするところは、レール５に多少の摩耗・変形が生じ ても側面ブラシ３・３の開閉動作を阻害することなく、長期にわたり安定した洗 車が行える側面ブラシ装置が得られないか、という点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、洗車機上部に横架されたレールに沿って開閉動作し前記自動車の 側面をブラッシングする一対の側面ブラシ装置と、側面ブラシを互いに閉じる方 向へ付勢する第１の付勢手段と、その作動に伴い第１の付勢手段の付勢に抗して 側面ブラシを所定の開位置に保持する第２の付勢手段とを備えた側面ブラシ装置 において、前記所定の開位置から同位置を離脱する所定距離の間だけ側面ブラシ を互いに閉じる方向へ付勢する第３の付勢手段を備え、上記課題の解決をはかっ たものである。 ここで、第１の付勢手段とは前記ウェイト６・６に相当し、第２の付勢手段と は前記エアーシリンダ１１に相当し、第３の付勢手段とは後述するエアーシリン ダ２１・２１またはスプリング３１・３１に相当する。

【０００６】

【実施例】

以下、その実施例について説明する。 図２は図１に示す例に本考案を採用した例を示し、２１・２１は第３の付勢手 段たるエアーシリンダである。エアーシリンダ２１・２１は給気を受けて伸長し キャリア４・４をレール５の中央に向けて所定距離Ｌだけ強制移動させるよう付 勢し、これによりストッパ１４・１４で与える所定の開位置から側面ブラシ３・ ３を離脱させる。すなわち、キャリア４・４はレール５と複数のローラー２２に おいて接し、洗車機１の長期にわたる使用によりこのレール５におけるローラー ２２の接触部が凹陥するので、この凹陥部を離脱し得る距離Ｌだけ強制移動させ るものである。

【０００７】 ２３・２３はエアーシリンダ２１・２１へ圧縮空気を供給する電磁弁、２４は エアーシリンダ１１へ圧縮空気を供給する電磁弁で、いずれも制御部２５におい て切換制御される。制御部２５は、通常は図示のように電磁弁２３・２３を大気 開放側に保持してエアーシリンダ２１・２１を非作動状態とし、電磁弁２４を給 気側にしてエアーシリンダ１１を作動させ側面ブラシを前記所定の開位置に保持 している。側面ブラシ３・３を閉じるタイミングになると、まず電磁弁２４を給 気側から大気開放側へ切り換えてエアーシリンダ１１の作動を解くと共に、電磁 弁２３・２３を給気側へ切り換えてエアーシリンダ２１・２１を作動させる。こ れにより、側面ブラシ３・３は前記所定の開位置から距離Ｌだけ素早く移動し、 以後ウェイト６・６の付勢によりレール５中央へ移動して閉じることになる。こ うして側面ブラシ３・３が閉じると、制御部２５ではこれを公知のセンサー（図 示しない）で検出して電磁弁２３・２３を大気開放側に復帰させる。 なお、電磁弁２３・２３の大気開放側には絞り弁２６・２６が設けられ、側面 ブラシ３・３を開く際のストッパ１４・１４における衝撃を緩衝することができ る。

【０００８】 図３は図１の装置に他の実施例を採用した例を示し、３１・３１は第３の付勢 手段たるスプリングである。スプリング３１・３１は、前記所定の開位置におい てキャリア４・４と接して収縮し、エアーシリンダ１１の付勢が解かれると前記 所定距離Ｌの間だけキャリア４・４を内側へ押しやるよう付勢する。これにより 前記所定の開位置においてレール５が凹陥してもスプリング３１・３１の付勢に より離脱し、側面ブラシ３・３をスムーズに閉じることができる。

【０００９】 なお、この考案は上記の実施例に限定されるものではなく、側面ブラシがレー ルに沿って移動するタイプのものであれば図１以外の構成を有する側面ブラシ装 置にも有効に使用できる。また、第３の付勢手段たるエアーシリンダやスプリン グを前記ストッパ１４・１４の代わりに設けてストッパ機能を兼ねるよう構成す ることもできるし、図１のようにループ９により左右の側面ブラシ３・３が互い に連動するタイプのものであれば、第３の付勢手段をループ９に対して作動する ように設けて、左右それぞれに設ける必要がないようコストダウンすることも可 能である。

【００１０】

【考案の効果】

この考案は以上のように構成され、第３の付勢手段を設けて所定の開位置から 所定距離の間だけ側面ブラシを閉じる方向へ付勢し、側面ブラシを開位置から離 脱させることができるので、レールが摩耗・変形していても確実に側面ブラシを 閉じて洗車を行うことができる。また、側面ブラシを閉じる際に、開位置から強 制的に閉じる方向へ起動をかけることになるから、従来より素早くブラシを閉じ てよりスピーディーに洗車できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】公知の側面ブラシ装置の一例を示す正面図。

【図２】本考案一実施例の正面説明図。

【図３】他の実施例の正面説明図。 １ 洗車機本体 ３・３ 側面ブラシ ５ レール ６・６ 第１の付勢手段たるウェイト １１ 第２の付勢手段たるエアーシリンダ ２１・２１ 第３の付勢手段たるエアーシリンダ ３１・３１ 第３の付勢手段たるスプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】門型に形成され自動車を跨ぐように往復走
   行して洗車するタイプの洗車機であって、洗車機上部に
   横架されたレールに沿って開閉動作し前記自動車の側面
   をブラッシングする一対の側面ブラシ装置と、側面ブラ
   シを互いに閉じる方向へ付勢する第１の付勢手段と、そ
   の作動に伴い第１の付勢手段の付勢に抗して側面ブラシ
   を所定の開位置に保持する第２の付勢手段とを備えた側
   面ブラシ装置において、前記所定の開位置から同位置を
   離脱する所定距離の間だけ側面ブラシを互いに閉じる方
   向へ付勢する第３の付勢手段を備えたことを特徴とする
   洗車機における側面ブラシ装置。