JPH0526644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は射出成形又は圧縮成形及び射出圧縮成
形に対応する樹脂レンズの金型装置に関するもの
である。

従来例の構成とその問題点 従来の樹脂レンズ金型構造は第１図に示すよう
に、レンズインサート１，２の内部に熱交換部
３，４を有し、これを連係して熱媒体供給口５，
６と排出口７，８及び熱媒体輸送流路９，１０，
１１，１２が取付板１３と受板１４に直接加工さ
れている。

しかしながら上記の構成では、熱媒体が輸送流
路９，１０，１１，１２を通過中に、輸送流路内
壁を通して取付板１３及び受板１４と熱交換を行
なうため、大量の熱損失と著しい温度変化を起こ
し、以下の問題点を有していた。

１ キヤビテイー及びゲート近傍の温度管理の敏
速性と安定性に欠けるため、溶融樹脂の凝固速
度制御が不充分となり、成形品の精度確保が困
難である。

２ 熱媒体輸送流路９，１０，１１，１２での熱
損失が大きく、大容量の温度調節器を必要とす
るため成形コストアツプにつながるなどの欠点
を有していた。

発明の目的 本発明は上記欠点を解消すべく、断熱構造の熱
媒体輸送流路を設定し、熱媒体輸送途中での熱損
失を軽減し、金型温度制御の敏速性と安定性を向
上させることにより安価に高精度成形品を生産す
る金型装置を提供するものである。

発明の構成 本発明は取付板と受板に供給された熱媒体が供
給口からキヤビテイー及びゲート近傍の熱交換部
に到達するまでの間、取付板及び受板との間に断
熱層が設定された熱媒体輸送部材の内部を通つて
輸送され、熱交換を行なつた後、再び前記と同様
の熱媒体輸送部材内を通つて排出口に導かれるた
め、輸送途中での熱損失が大巾に軽減され、キヤ
ビテイー及びゲート近傍で敏速な熱交換が可能に
なるとともに、温度制御系全体で熱損失の熱輸送
量が軽減され熱的に安定化されることから従来に
ない高精度成形品の生産が可能になると同時に、
温度調節器の容量を最少にできることにより成形
コストダウンが可能になるという効果を有する。

実施例の説明 以下本発明の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。

第２図は本発明の第１実施例における金型温度
制御用熱媒体輸送流路の断熱構造を示す断面図で
ある。第２図において成形品１５は形状精度を必
要とする樹脂レンズであり、高精度の温度制御の
下でつくられる。１６はレンズインサート１を支
え、金型を成形機に固定するための取付板であ
る。１７はレンズインサート２を支える受板であ
る。１８，１９は熱媒体供給口、２０，２１は排
出口、２２は保持具２３により断熱空隙Ｘが与え
られた熱媒体輸送部材である。なお、２４は固定
側型板、２５は可動側型板、２６はエジエクター
プレート、２７はスペーサブロツク、２８はスプ
ルーブツシユ、２９，３０はエジエクターピンで
ある。

第３図は本発明の第２の実施例を示す金型温度
制御用熱媒体輸送流路の断熱構造の断面図であ
る。第１実施例との相異点はエジエクタープレー
ト２６の突出動作を連結ボルト３３を介してレン
ズインサート２に伝達し成形品１を突出す構造に
なつているため、レンズインサート２とエジエク
タープレート２６の間を熱媒体輸送部材３４で接
続した例である。

第４図は本発明の第３の実施例を示す金型温度
制御用熱媒体輸送流路の断熱構造を示す断面図
で、ゲート近傍に使用した例である。３５はゲー
トインサートである。

発明の効果 以上のように本発明は断熱構造の熱媒体輸送流
路を設定することにより精密成形品の必要精度を
確保し、温度調節器の容量を最少にすることがで
き、その実用効果は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の樹脂レンズ金型の断面図、第２
図は本発明の第１実施例における金型装置の断面
図、第３図は第２実施例における金型装置の断面
図、第４図は第３実施例における金型装置の部分
断面図である。 ３，４…熱交換部、５，６…熱媒体供給口、
７，８…熱媒体の排出口、２２…熱媒体輸送部
材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ キヤビテイを形成するコア近傍にキヤビテイ
   を冷却又は加熱可能に設けられた熱交換部と、熱
   媒体を供給する供給口および熱媒体を排出する排
   出口と前記熱交換部とを連通した熱媒体の通路部
   と、前記通路部に外周部と断熱可能に設けられた
   断熱層とからなる金型装置。